JP4027850B2 - 経皮吸収促進化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可溶化型化粧水に関し、更に詳細には、有効成分の経皮吸収性、製剤の安定性に優れる可溶化型化粧水に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧水などの可溶化溶液系は、化粧料に於いては、使用期間が季節を問わないと言う利点を有し、その使いやすさから、最も頻繁に使用される剤形であり、基礎化粧料の中では重要な位置を占めている。化粧水は、多くは水溶性成分と非水溶性成分を界面活性剤などにより、透明に可溶化した製剤が使用されるが、この様な可溶化系を用いるが故に、可溶化される成分の含有量は自ずから限度があり、その為有効に生体活用される必要がある。又、可溶化に用いられる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤が多く用いられるが、これらの界面活性剤においては、可溶化力は優れるものの、生体利用性、言い換えれば、経皮透過性亢進作用は今ひとつの問題を有していた。即ち、可溶化化粧水剤形で、生体利用性の高い製剤の開発が求められていると言える。
【0003】
サポニンなどの配糖体、リン脂質には界面活性作用が存することは既に知られており、両者を組み合わせて化粧料に使用する技術も既に知られている(例えば、特許文献1、2参照)。又、前者には生物活性を有するものも知られており、かかる生物活性発現の目的で化粧料に含有させることも既に知られた技術である(例えば、特許文献3、4参照)。又、フトモモ科チョウジ抽出物には、外用剤で使用することにより精神安定作用を発揮すること(例えば、特許文献5参照)、活性酸素消去作用を有すること(例えば、特許文献6参照)等が知られている。又、マメ科クジンの抽出物には、α−MSH阻害作用(例えば特許文献7参照)やP遺伝子阻害作用(例えば特許文献8参照)等が存することが知られている。しかしながら、1)リン脂質と2)トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上と3)ショ糖モノ脂肪酸エステルと4)ポリエーテル変性シリコーンと5)有効成分とを含有することを特徴とする、可溶化型化粧水は全く知られていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−195号公報
【特許文献2】
特開2002−161017号公報
【特許文献3】
特開2002−145788号公報
【特許文献4】
特開2001−19628号公報
【特許文献5】
特開2003−119490号公報
【特許文献6】
特開2003−26560号公報
【特許文献7】
特開2001−163728号公報
【特許文献8】
特開平11−269086号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、可溶化化粧水剤形で、生体利用性の高い製剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、可溶化化粧水剤形で、生体利用性の高い製剤を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)リン脂質と2)トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上と3)ショ糖モノ脂肪酸エステルと4)ポリエーテル変性シリコーンと5)有効成分とを含有する可溶化型化粧水が、その様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示す技術に関する。
(1)1)リン脂質と2)トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上と3)ショ糖モノ脂肪酸エステルと4)ポリエーテル変性シリコーンと5)有効成分とを含有することを特徴とする、可溶化型化粧水。
(2)リン脂質が、水酸化レシチンであることを特徴とする、(1)に記載の可溶化型化粧水。
(3)トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される成分が、サポニンであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の可溶化型化粧水。
(4)有効成分が、チョウジ抽出物乃至はクジン抽出物であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の可溶化型化粧水。
以下、本発明の「可溶化型化粧水」を単に「化粧料」と表記する。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の化粧料の必須成分であるリン脂質
本発明の化粧料はリン脂質を必須成分として含有することを特徴とする。リン脂質としては、化粧料の分野で使用されているものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、レシチン、水添レシチン、水酸化レシチン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジル酸、或いは、これらのリゾ体等が好適に例示できる。これらの成分は、大豆中或いは卵黄中などの高濃度で存在する為、大豆或いは卵黄を精製したものを使用することも出来る。これらの中で特に好ましいものは、大豆を基源とするレシチンを水酸化した、水酸化レシチンである。かかる水酸化レシチンには既に市販のものが存し、これを利用することが出来る。この様な市販品としては日光ケミカルズ株式会社より販売されているレシノールSH50が好ましく例示できる。このものは、大豆由来のレシチンの水酸化物とグリセリンとの等量混合物である。本発明の化粧料では、かかるリン脂質を唯一種使用することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料に於いて、これらリン脂質は、トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上とショ糖モノ脂肪酸エステルと有効成分とともに複合体を形成し、可溶化状態を形成する。本発明の化粧料に於ける、前記リン脂質の好ましい含有量は、0.01〜1重量%であり、より好ましくは0.02〜0.5重量%である。乳化或いは分散系であれば、0.02〜5重量%である。これは、この範囲において、安定な可溶化系が得られるからである。
【0008】
(2)本発明の化粧料の必須成分であるトリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上
本発明の化粧料は、トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上を必須成分として含有することを特徴とする。トリテルペン類の配糖体としては、例えば、グリチルレチン酸の配糖体であるグリチルリチン、シトステロールグルコシド、スティグマスタノールマルトシドなどのフィトステロールの配糖体等が好ましく例示でき、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体、カルコン類の配糖体としては、キラヤサポニン、ダイズサポニン、ユッカサポニン、エンジュサポニン、ビートサポニン、アズキサポニン、ニンジンサポニン、茶種サポニン、ヘチマサポニン、ツボクササポニンなどのサポニン類が好ましく例示できる。かかる生薬由来のサポニンは、生薬の極性溶剤抽出物を、酢酸エチル−水などの液液抽出系で液液抽出を行い、水性成分を取り、濃縮、溶剤除去することにより、前記サポニン含量の高い抽出物を得ることが出来るので、かかる抽出、分画物を利用することも出来る。本発明の化粧料に於いて、かかる配糖体は、界面活性作用を有し、前記リン脂質、ショ糖モノ脂肪酸エステルとともに、安定な可溶化を形成する。本発明の化粧料に於いては、かかる配糖体類は、唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の化粧料に於ける、かかる配糖体類の好ましい含有量は、総量で化粧料全量に対して、純粋な配糖体の形であれば、0.01〜1重量%、更に好ましくは0.05〜0.5重量%であり、前記抽出或いは抽出分画物であれば、0.02〜5重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%である。これは、この範囲において、安定な可溶化系が得られるからである。
【0009】
(3)本発明の化粧料の必須成分であるショ糖モノ脂肪酸エステル
本発明の化粧料は、ショ糖モノ脂肪酸エステルを必須成分として含有することを特徴とする。かかるショ糖モノ脂肪酸エステルとしては、炭素数10〜24の脂肪族のアシル基によって、水酸基がアシル化されたものが好ましく例示でき、かかるアシル基としては、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、オレオイル基、リノレオイル基などが好適に例示できる。特に好ましいものは、ラウロイル基である。従って、ショ糖モノ脂肪酸エステルとして、特に好ましいものは、ショ糖モノラウレートとショ糖モノステアレートである。これらのショ糖モノ脂肪酸エステルは化粧料用の汎用原料であり、何れも既に市販されており、かかる市販品を購入して使用することが出来る。又、ショ糖をピリジンやトリエチルアミンなどの存在下、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミドなどの溶媒で希釈して、脂肪酸に塩化チオニル等を反応させて調整した酸クロリドを反応させて、製造して用いることも出来る。本発明の化粧料に於いては、かかるショ糖モノ脂肪酸エステルを唯一種含有させることも出来るし、二種以上組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料に於いて、ショ糖モノ脂肪酸エステルは、リン脂質の界面への配向、配糖体のミセルの安定化などを増強させる作用を有する。本発明の化粧料に於ける、ショ糖モノ脂肪酸エステルの好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、0.01〜2重量%であり、より好ましくは0.02〜1重量%である。これは、この範囲において、安定な可溶化系が得られるからである。
【0010】
(4)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記の通り、1)リン脂質と2)トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上と3)ショ糖モノ脂肪酸エステルと4)ポリエーテル変性シリコーン(ジメチコンコポリオール)と5)有効成分とを含有することを特徴とする。この様な構成を取ることにより、本発明の化粧料は、有効成分の皮膚浸透性の高い、且つ、安定性の高い可溶化剤形となる。有効成分としては、前記トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体に属さない成分であって、化粧料の分野で、肌を美しく保つ目的で含有されている成分であれば、その配合目的によらず、本発明の有効成分に分類される。この様な、有効成分としては、アスコルビン酸類、エラグ酸及び/又はその塩、アルブチン及び/又はその塩、レチノール、レチノイン酸などのビタミンA関連物質、ピリドキシンなどのビタミンB類、ローズマリー、ラベンダー、タイム、ミント等のシソ科の生薬類の抽出物、チョウジ、ニクヅク等のフトモモ科の生薬類の抽出物、クジンなどのマメ科の生薬類の抽出物、ウルソール酸とその塩、ウルソール酸エステル類、オレアノール酸とその塩、オレアノール酸エステル類、ベツリン酸とその塩、ベツリン酸エステル等のトリテルペン酸関連物質、エチニルエストラジオール、エストラジオール等のステロイド類、タイプ1〜6のセラミド類、エラスターゼ阻害活性を有する大豆タンパク等が好ましく例示できる。これらの内では、チョウジ抽出物乃至はクジン抽出物が特に好ましい。又、これら以外にも、本発明の化粧料に於いては、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のショ糖脂肪酸エステルに分類されない非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。本発明の化粧料は、かかる必須成分、任意成分等を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。
【0011】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0012】
<実施例1>
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料(可溶化剤形の透明ローション)を作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌可溶化し、攪拌冷却し、本発明の化粧料を得た。このものの水酸化レシチンを通常の非イオン界面活性剤である、POE(60)硬化ヒマシ油に置換した比較例1、植物由来の配糖体(サポニン)である、ツボクサの抽出物(50%エタノール水溶液で抽出し、水と酢酸エチルで液液抽出し、水相を濃縮したもの;サポニンとして配糖体(トリテルペン酸の配糖体であるアジアチコサイド換算で47重量%を含有)をPOE(60)硬化ヒマシ油に置換した比較例2、ショ糖脂肪酸である6−ステアロイルショ糖(ショ糖モノステアレート)をPOE(60)硬化ヒマシ油に置換した比較例3、水酸化レシチンをツボクサの抽出物に置換した対照例1、ツボクサの抽出物をショ糖モノステアレートに置換した対照例2、ツボクサの抽出物を水酸化レシチンに置換した対照例3も同様に作成し、作成直後の状態と、1ヶ月間20℃、40℃、5℃で保存したものの20℃戻しでの状態を観察した。結果を表1に示す。これより、本発明の化粧料は優れた安定性を有することがわかる。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
水酸化レシチン(レシノールSH50) 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
チョウジの抽出物* 0.3重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシフォスフォリルコリン0.05重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシグルコース 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 78.4重量部
(*)チョウジの抽出物:チョウジの乾燥実を20倍量のエタノールで2時間還流の条件で抽出し、濃縮した後、ブタノールと水で液液抽出を行い、ブタノール層を濃縮したもの。(精製により配糖体は除去されている。)
【0013】
【表1】
Figure 0004027850
【0014】
<実施例2>
実施例1と同様に、下記に示す処方に従って、本発明の化粧料(可溶化剤形の透明ローション)を作成した。このものについて、ユカタンマイクロ豚の皮膚を装着したフランツ型セルを用いて、有効成分である、チョウジエキス中のオイゲノールを指標に、有効成分の剤形による皮膚透過性の違いの検討を行った。比較対照としたのは、実施例2の透明ローションの可溶化剤である水酸化レシチンを、通常の可溶化剤であるポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油に置換した比較例4のサンプルを用いた。オイゲノールの透過量は高速液体クロマトグラフィーにより、絶対検量線法により定量した。経皮吸収試験の条件は下記に示す。又、経皮吸収試験の結果は透過率(%)として表2に示す。これより、本発明の水酸化レシチンを用いて可溶化した系は、有効成分の透過促進作用に優れることがわかる。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
水酸化レシチン(レシノールSH50) 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
チョウジの抽出物 1 重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシフォスフォリルコリン0.05重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシグルコース 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 77.7重量部
(経皮吸収試験の条件)
皮膚:ユカタンマイクロ豚(体重約90KG)の腹部の皮膚を採取し、ナイフで脂肪を除去して用いる。
セル:フランツ型セル(2.2cmφ)
レセプター液:40%ポリエチレングリコール400水溶液
塗布:1.8ML
試験温度:37℃
(HPLC条件)
カラム:TOSOH TSゲル ODS−80TS 4.6mm×150mm
カラム温度:40℃
検知:紫外部吸収(280nm)
流速:1ML/min
採取:0分、16分、20分、24分、40分、48分、60分
【0015】
【表2】
Figure 0004027850
【0016】
<実施例3>
実施例2のチョウジの抽出物をマメ科クジン(別名クララ)に代えて実施例2と同様に検討を行った。比較例5は実施例3の可溶化剤である水酸化レシチンを、通常の可溶化剤であるポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油に置換したものである。但し、経皮吸収の評価は、60分後の紫外部220nmの透過率の比(比較例5のレセプターの100倍希釈液の透過率/実施例3のレセプターの100倍希釈液の透過率)として求めた。この値は、1.98であり、本発明の皮膚外用剤の剤形によって、著しく有効成分の経皮吸収(経皮透過)が高まっていることがわかる。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
水酸化レシチン(レシノールSH50) 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
クジンの抽出物(**) 1 重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシフォスフォリルコリン0.05重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシグルコース 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 77.7重量部
(**)クジンの抽出物:クジンの根を20倍量のエタノールで2時間還流の条件で抽出し、濃縮した後、ブタノールと水で液液抽出を行い、ブタノール層を濃縮したもの。精製により、配糖体は除去されている。有効成分としては、クラリジンとクラリンノンの存在が確認されている。
【0017】
<実施例4>
実施例3の水酸化レシチンをダイズレシチンに置換して、実施例3と同様の検討を行った。比較例6は実施例4の可溶化剤であるダイズレシチンを、通常の可溶化剤であるポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油に置換したものである。60分後の紫外部220nmの透過率の比(比較例6のレセプターの100倍希釈液の透過率/実施例4のレセプターの100倍希釈液の透過率)は、1.72でリン脂質であれば、同様の効果は存するものの、水酸化レシチンの方が好ましいことがわかる。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
ダイズレシチン 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
クジンの抽出物(**) 1 重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシフォスフォリルコリン0.05重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシグルコース 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 77.7重量部
(**)クジンの抽出物:クジンの根を20倍量のエタノールで2時間還流の条件で抽出し、濃縮した後、ブタノールと水で液液抽出を行い、ブタノール層を濃縮したもの。精製により、配糖体は除去されている。有効成分としては、クラリジンとクラリンノンの存在が確認されている。
【0018】
<実施例5>
実施例3の水酸化レシチンをダイズレシチンに置換して、実施例3と同様の検討を行った。比較例7は実施例5の可溶化剤であるダイズレシチンを、通常の可溶化剤であるポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油に置換したものである。60分後の紫外部220nmの透過率の比(比較例7のレセプターの100倍希釈液の透過率/実施例5のレセプターの100倍希釈液の透過率)は、1.88でリン脂質であれば、同様の効果は存するものの、水酸化レシチンの方が好ましいことがわかる。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
フォスファチジルグリセロール 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
クジンの抽出物(**) 1 重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシフォスフォリルコリン0.05重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシグルコース 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 77.7重量部
(**)クジンの抽出物:クジンの根を20倍量のエタノールで2時間還流の条件で抽出し、濃縮した後、ブタノールと水で液液抽出を行い、ブタノール層を濃縮したもの。精製により、配糖体は除去されている。有効成分としては、クラリジンとクラリンノンの存在が確認されている。
【0019】
<実施例6>
実施例3の水酸化レシチンをダイズレシチンに置換して、実施例3と同様の検討を行った。比較例8は実施例6の可溶化剤であるダイズレシチンを、通常の可溶化剤であるポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油に置換したものである。60分後の紫外部220nmの透過率の比(比較例7のレセプターの100倍希釈液の透過率/実施例5のレセプターの100倍希釈液の透過率)は、1.84でリン脂質であれば、同様の効果は存するものの、水酸化レシチンの方が好ましいことがわかる。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
フォスファチジルエタノールアミン 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
クジンの抽出物(**) 1 重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシフォスフォリルコリン0.05重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシグルコース 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 77.7重量部
(**)クジンの抽出物:クジンの根を20倍量のエタノールで2時間還流の条件で抽出し、濃縮した後、ブタノールと水で液液抽出を行い、ブタノール層を濃縮したもの。精製により、配糖体は除去されている。有効成分としては、クラリジンとクラリンノンの存在が確認されている。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、可溶化化粧水剤形で、生体利用性の高い製剤を提供することができる。

Claims (4)

  1. 1)リン脂質と2)トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される1種乃至は2種以上と3)ショ糖モノ脂肪酸エステルと4)ポリエーテル変性シリコーンと5)有効成分とを含有することを特徴とする、可溶化型化粧水。
  2. リン脂質が、水酸化レシチンであることを特徴とする、請求項1に記載の可溶化型化粧水。
  3. トリテルペン類の配糖体、フラボン類の配糖体、イソフラボン類の配糖体及びカルコンの配糖体から選択される成分が、サポニンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の可溶化型化粧水。
  4. 有効成分が、チョウジ抽出物乃至はクジン抽出物であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の可溶化型化粧水。
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