JP4016887B2 - 同時給排換気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強制的に外気を室内に供給するとともに、室内の空気を屋外に排出する同時給排換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の同時給排換気装置は、本体の下面に設けた本体吸込口から室内の空気を吸い込み屋外に排出し、本体の一側面に本体吹出口を設けダクトを介して屋外から供給した外気を室内に送るものであった(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−325535号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、本体の下面に設けた本体吸込口からしか室内の空気を排気することができず、建物内の局所的に空気が汚れる可能性のある場所から積極的に排気して建物内の換気効果を高めることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、建物内の局所的に空気が汚れる可能性のある場所からも局所排気ができ換気効果を高めることができる同時給排換気装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、自由に局所排気をするためのダクト接続方向を選択でき、ダクトの引き回しが容易である同時給排換気装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、建物の構造体による制約を受けることなく自由な換気配管設計を行うことができる同時給排換気装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、強制的に室内空気供給ダクトを介して室内に外気を供給し、室内空気排出ダクトを介して室内の空気を屋外に排出する同時給排換気装置であって、室内の空気を吸い込むために下面に本体吸込口を設けた箱体状の本体に、室内に強制的に外気を供給するために前記室内と連通する本体吹出口を有する前記本体の一側面に設けた第1の本体局所吸込口と、前記本体吹出口を有する前記本体の一側面を除く他の側面に設けた第2の本体局所吸込口とを備えたものである。
【0009】
また、第2の本体局所吸込口を本体天面に配設するものである。
【0010】
また、第1の本体局所吸込口が設けられる本体の一側面と一体的にダクト接続アダプターを形成したものである。
【0011】
また、第1の本体局所吸込口および第2の本体局所吸込口はダクトを介して建物内のトイレ、クローゼット、押し入れ、または納戸に連通させたものである。
【0012】
また、第1の本体局所吸込口が設けられる本体の一側面に隣り合う側面に設けた第2の本体局所吸込口を塞ぐとともに、本体天面に設けた第2の本体局所吸込口にダクトを接続する構成としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、強制的に室内空気供給ダクトを介して室内に外気を供給し、室内空気排出ダクトを介して前記室内の空気を屋外に排出する同時給排換気装置であって、屋外給気口と前記室内空気供給ダクトを介して連通された本体外気取入口と前記室内の空気を吸い込むために下面に本体吸込口とを設けた箱体状の本体に、前記室内に強制的に外気を供給するために前記室内と連通する本体吹出口を有する前記本体の一側面に設けた第1の本体局所吸込口と、前記本体吹出口を有する前記本体の一側面を除く他の側面に設けた第2の本体局所吸込口とを備え、前記本体の下方の給気用ファンにより外気を前記屋外給気口から導入し前記本体の前記本体外気取入口と前記給気用ファンとの間に内蔵する熱交換素子部を通過して前記室内に供給し、室内汚染空気は前記本体吸込口から前記本体の上方の排気用ファンによって導入され前記熱交換素子部を通過し屋外に排気され、前記第1の本体局所吸込口と前記第2の本体局所吸込口はそれぞれダクトに接続され前記室内に開口する局部排気口より導入された一部の前記室内汚染空気を前記熱交換素子部を通過せず前記排気ファンにより室外に排気する経路を有し、前記第2の局所吸込口を、前記第1の本体局所吸込口側の前記熱交換素子部から離れた前記側面の上方に配設し、前記第1の局所吸込口および前記第2の局所吸込口より導入された室内の空気と前記本体吸込口より導入された室内の空気が交わる空間に断熱材を設けたことにより、局所的に空気が汚れる可能性のある場所から、または、同時に複数の部屋から局所排気ができ、また局所排気するためのダクト接続方向を自由に選択できるのでダクトの引き回しが容易でありダクトの長さを短くできる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の同時給排換気装置に、第2の本体局所吸込口を本体天面に配設することにより、本体側面に隣接して障害物がある場合でもその影響を受けることなくダクトの接続、引き回しを行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の同時給排換気装置に、第1の本体局所吸込口が設けられる本体の一側面と一体的にダクト接続アダプターを形成したことにより、局所排気を行う際に別途ダクト接続用のアダプターを取り付ける必要がない。
【0016】
請求項4に記載の発明は、第1の本体局所吸込口および第2の本体局所吸込口はダクトを介して建物内のトイレ、クローゼット、押し入れ、または納戸に連通させたことにより、扉などの隙間から本体下面の本体吸込口へ連通する換気経路とは独立した換気経路を有することで、小風量の換気風量でも他の部屋に臭いや汚染された空気が漏れることがなく、またクローゼットなどの小さな空間にも省スペースで換気口を設けることができ、確実に湿気や淀んだ空気の排出を行うことできる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、第1の本体局所吸込口が設けられる本体の一側面に隣り合う側面に設けた第2の本体局所吸込口を塞ぐとともに、本体天面に設けた第2の本体局所吸込口にダクトを接続する構成としたことにより、換気装置本体の側面に障害物が隣接していた場合に置いても1箇所または2箇所から局所排気を行うことができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1および図2に示すように、換気装置本体1は建物内の屋根裏空間および1階天井裏空間に設置され、給気用ファン9により新鮮外気を屋外給気口2から導入し、換気装置本体1に内蔵する熱交換素子部3を通過して室内給気口4を経て室内に供給する。このとき屋外給気口2から導入された外気には、屋外給気口2付近に浮遊している粗塵および虫などが混入している。一方、室内汚染空気は換気装置本体1の下面に形成された本体吸込口5から排気用ファン10によって導入され、熱交換素子部3を通過し前記新鮮空気と熱交換されて屋外排気口6を経て屋外に排気される。このとき、熱交換素子部3は排気空気の熱量を給気空気に回収する機能を有している。屋外給気口2から導入される新鮮外気と本体吸込口5から導入される室内汚染空気は熱交換素子部3を経て電動機7に同一軸8にて連結された給気用ファン9と排気用ファン10により移送される。
【0020】
換気装置本体1には局部排気口11より導入された一部の室内汚染空気を熱交換素子部3を通過せず排気用ファン10により屋外排気口6を経て室外に排気する経路を有する。図3に示すように、室内と連通する室内空気供給ダクト26と接続される本体吹出口28を有する換気装置本体1の一側面に第1の本体局所吸込口12を設ける。第1の本体局所吸込口12を設けた一側面を除く他の側面には第2の本体局所吸込口13を設け、換気装置本体1の天面には第2の本体局所吸込口14を設ける。第1の本体局所吸込口12と第2の本体局所吸込口13はそれぞれダクトと接続されて室内に開口する局部排気口11と連通する。
【0021】
屋外給気口2より導入された空気には粗塵・虫などが混入しているので、屋外給気口2とダクトを介して連通された本体外気取入口29に設置された虫捕集部としての粗塵・防虫フィルター15により粗塵・虫などが捕集され、さらに微細な粉塵は粗塵・防虫フィルター15に隣接する給気清浄フィルター16により捕集され、清浄された後に室内に供給される。一方、室内汚染空気に混入する塵埃は本体吸込口5に設置された化粧パネル17に付属される排気フィルター18により捕集される。
【0022】
図4に換気装置本体1の内部構造を示す。局部排気口11より室内空気排出ダクト27を介して導入された室内汚染空気は、第1の本体局所吸込口12および第2の本体局所吸込口13から熱交換素子部3を通過せず排気用ファン10により本体吹出口30に連通された室内空気排出ダクト27を介して屋外排気口6を経て屋外に排出され、本体吸込口5より導入された室内汚染空気は熱交換素子部3を通過して排気用ファン10により本体吹出口30に連通された室内空気排出ダクト27を介して屋外排気口6を経て屋外に排出される。本体吸込口5より導入された室内汚染空気は、熱交換素子部3により屋外給気口2より導入された新鮮外気と熱交換されるため、第1の局所吸込口12および第2の局所吸込口13より換気装置本体1に導入された室内汚染空気と本体吸込口5より導入された室内汚染空気との温度差が生じる。この温度差が生じた室内汚染空気が排気用ファン10により交わるので、これらの室内汚染空気が交わる空間に断熱材31を設け、第2の局所吸込口13を熱交換素子部3より最も離れた位置に配設したことで温度差のある室内汚染空気の混在領域を少なくし結露を防ぐことができる。また第2の局所吸込口13は換気装置本体1の側面の上方に配設されているので、換気装置本体1を野縁に直接取り付ける場合にも野縁によって吸込口を塞がれることなく室内空気排出ダクト27の接続を行うことができる。
【0023】
第1の本体局所吸込口12、第2の本体局所吸込口13または天面に設けた第2の本体局所吸込口14は、屋外給気口2より導入された外気を室内空気供給ダクト26を介して室内給気口4より各部屋に新鮮外気を供給し、各部屋の扉などの開口部から換気装置本体1の下面に設けられた本体吸込口5より室内空気排出ダクト27を介して屋外排気口6より室内汚染空気を排出する換気経路とは独立して、本体吸込口5が設置された部屋から離れたトイレ、クローゼットまたは押入れなどから局部排気口11より室内空気排出ダクト27を介して直接排気する換気経路を形成しているので、トイレなど局所的に空気が汚れる可能性のある場所から他の部屋へ汚染空気の流出を防ぐことができる。また第1の本体局所吸込口12、第2の本体局所吸込口13または天面に設けた第2の本体局所吸込口14より導入された室内汚染空気は熱交換素子部3を通過せず直接排気させることで、換気装置本体1内部の本体外気吸込口29から本体吹出口28へ連通する換気経路へ熱交素子部3と熱交素子部3を保持しているエレメントホルダー24または熱交換素子部3およびエレメントホルダー24を保持し、空気供給経路および空気排出経路を形成しているエレメント枠25などとの微小な隙間からの臭いのもれなどを防ぐことができる。また書庫、キッチンまたはガレージなどにも局部排気口11を設置することもできる。
【0024】
ダクト接続アダプター19は第1の本体局所吸込口12が設けられる換気装置本体1の一側面と一体的に形成されており、局所排気を行う場合には施工時に別途ダクト接続口部材を取り付ける必要はなく、また、図5に示すように、第1の本体局所吸込口12には着脱可能なキャップ21が取り付けられているので、局所排気を行わない場合にはキャップ21によって排気口を塞ぐことができる。さらにダクト接続アダプター19を換気装置本体1の一側面と一体成形することにより気密経路確保が向上され、ネジ止め不要な構造となっているので工数を大幅に削減できる。
【0025】
第1の局部換気口12を有する一側面を除く他の側面に設けた第2の本体局所吸込口13と本体天面に設けた第2の本体局所吸込口14にダクト接続口部材22を設置することにより、換気装置本体1台で4箇所まで局所排気が可能である。これらの本体局所吸込口は本体の4方向に設けられているので第1の本体局所吸込口12と第2の本体局所吸込口13と本体天面に設けた第2の本体局所吸込口14を選択することにより、換気装置本体1の側面近傍に障害物などがある場合に容易にダクトの接続が可能となる。例えば、ツーバイーフォー住宅の1階天井裏に本体を設置する際には本体設置空間の高さ方向に制約があるため、図6に示すように根太23の間に換気装置本体1を設置した場合、根太23と換気装置本体1の隙間はおよそ35mmしかなく、第2の本体局所吸込口13を使用して局所排気を行うにはダクト接続口部材22を換気装置本体1に設置しなければならないが、ダクト接続口部材22の風路方向の長さは約60mmであるので換気装置本体1に隣接する根太23に開口部を設けなければならない。また、根太23の幅は38mmなので根太23に換気装置本体1を近接して設置したとしてもダクト接続部材22に室内空気排出ダクト27を接続するのは困難であり、作業性を高めるためには根太23に大きな開口部を設けなければならなくなる。一方、第1の本体局所吸込口12または本体天面に設けた第2の本体局所吸込口14を使用する場合は、室内空気排出ダクト27をダクト接続アダプター19および第2の本体局所吸込口14に設置されたダクト接続口部材22に容易に接続でき、室内空気排出ダクト27を接続するための開口部を根太23に設けることなく局所排気ができる。またこの時、使用しない第2の本体局所吸込口13は遮蔽板20により塞ぐことになる。
【0026】
また、本体局所吸込口が4方向に配設されているので、塩化ビニルパイプのような硬質でダクト配管方向に制限がある直管型のダクトを使用する場合にも局部排気口11に接続された室内空気排出ダクト27の排気経路においてダクト方向を変えるための湾曲した接続部材を設けることなく局所排気ができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、室内の空気を吸い込むために下面に本体吸込口を設けた箱体状の本体に、室内に強制的に外気を供給するために前記室内と連通する本体吹出口を有する前記本体の一側面に設けた第1の本体局所吸込口と、前記本体吹出口を有する前記本体の一側面を除く他の側面に設けた第2の本体局所吸込口とを備えたことにより、同時に複数の部屋から局所排気ができ、また自由に局所排気をするためのダクト接続方向を選択できるので本体側面に隣接して障害物がある場合でもダクト配管施工が可能となる。
【0028】
また、第1の本体局所吸込口が設けられる本体の一側面と一体的にダクト接続アダプターを形成したことにより、施工時に別途ダクト接続用のアダプター部を取り付ける必要はなく施工時の工数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における同時給排換気装置を建物に設置した状態を示す平面図
【図2】同同時給排換気装置を示す断面図
【図3】同同時給排換気装置を示す斜視図
【図4】同同時給排換気装置の内部における排気風路を示す斜視図
【図5】同同時給排換気装置の第1の本体局所吸込口を使用しない状態を示す斜視図
【図6】同同時給排換気装置を建物に設置した状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 換気装置本体
5 本体吸込口
12 第1の本体局所吸込口
13 第2の本体局所吸込口
14 天面に設けた第2の本体局所吸込口
19 ダクト接続アダプター
26 室内空気供給ダクト
27 室内空気排出ダクト
28 本体吹出口
Claims (5)
- 強制的に室内空気供給ダクトを介して室内に外気を供給し、室内空気排出ダクトを介して前記室内の空気を屋外に排出する同時給排換気装置であって、屋外給気口と前記室内空気供給ダクトを介して連通された本体外気取入口と前記室内の空気を吸い込むために下面に本体吸込口とを設けた箱体状の本体に、前記室内に強制的に外気を供給するために前記室内と連通する本体吹出口を有する前記本体の前記本体外気取入口と対向する一側面に設けた第1の本体局所吸込口と、前記本体吹出口を有する前記本体の一側面を除く他の側面に設けた第2の本体局所吸込口とを備え、前記本体の下方の給気用ファンにより外気を前記屋外給気口から導入し前記本体の前記本体外気取入口と前記給気用ファンとの間に内蔵する熱交換素子部を通過して前記室内に供給し、室内汚染空気は前記本体吸込口から前記本体の上方の排気用ファンによって導入され前記熱交換素子部を通過し屋外に排気され、前記第1の本体局所吸込口と前記第2の本体局所吸込口はそれぞれダクトに接続され前記室内に開口する局部排気口より導入された一部の前記室内汚染空気を前記熱交換素子部を通過せず前記排気ファンにより室外に排気する経路を有し、前記第2の局所吸込口を、前記第1の本体局所吸込口側の前記熱交換素子部から離れた前記側面の上方に配設し、前記第1の局所吸込口および前記第2の局所吸込口より導入された室内の空気と前記本体吸込口より導入された室内の空気が交わる空間に断熱材を設けたことを特徴とする同時給排換気装置。
- 第2の本体局所吸込口を本体天面に配設することを特徴とする請求項1記載の同時給排換気装置。
- 第1の本体局所吸込口が設けられる本体の一側面と一体的にダクト接続アダプターを形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の同時給排換気装置。
- 第1の本体局所吸込口および第2の本体局所吸込口はダクトを介して建物内のトイレ、クローゼット、押し入れ、または納戸に連通させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の同時給排換気装置。
- 第1の本体局所吸込口が設けられる本体の一側面に隣り合う側面に設けた第2の本体局所吸込口を塞ぐとともに、本体天面に設けた第2の本体局所吸込口にダクトを接続する構成とした請求項1〜4のいずれかに記載の同時給排換気装置。
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