JP4013163B2 - ウレタン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は塗膜の発泡がなく、従来の一液型ウレタン組成物又は二液型ウレタン組成物に比べて可使時間が長く、厚塗り時でも硬化時間が短いウレタン組成物に関するものである。
湿気硬化型ウレタン組成物としては、アルキレンオキサイド付加ポリエーテル又はエチレンオキサイド単位を特定量含有するポリオールからなるポリオールと有機ジイソシアネートを反応させて得られる湿気硬化型プレポリマーからなる湿気硬化型塗布防水材に関する技術が知られている(例えば特許文献1参照)が、この技術は、硬化時に水分とイソシアネート基とが反応する際に発生する炭酸ガスのためにしばしば塗膜の膨れが発生するという問題がある。
そこで膨れの原因となる炭酸ガスの発生を抑えるためにケチミン、エナミン等の湿気解離型の架橋剤が提案されており、その中でもオキサゾリジン化合物を含む組成物は、炭酸ガスの発生がなく、比較的性能バランスのとれた材料である(特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)ことが知られている。
しかしこれらの組成物は、湿気による硬化反応が塗膜表面から徐々に始まるので、厚塗り時には硬化するのに著しく時間を要するという欠点がある。
また、湿気硬化型ウレタン組成物は、水、温水又は熱水蒸気で処理した場合には、厚塗り時の硬化時間は短かくなるものの、可使時間が短く作業時間を十分取れなかったり、水が均一に混合されにくいために物性が低くなるという欠点がある(特許文献5参照)。
特開昭57−94056号公報 特開平6−293821号公報 特開平7−33852号公報 特開平7−10949号公報 特開平7−11189号公報
本発明の課題は、硬化時に炭酸ガスによる発泡がなく、可使時間が長く、厚塗りをした場合でも硬化時間が短いウレタン組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、使用時にウレタンプレポリマー、水と反応して1級又は2級アミノ基を生成する化合物に、ウレタン化触媒と特定量の水とを混合して用いると、可使時間と厚塗り時の硬化時間とを適度に調整できることを見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオールとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(A)、末端にオキサゾリジン基を有するウレタン化合物である水と反応して1級又は2級アミノ基を生成する化合物(B)、ウレタン化触媒(C)及び水(D)を含むウレタン組成物であって、前記水(D)が、ウレタン組成物中0.1〜1.5重量%であることを特徴とするウレタン組成物を提供するものである。
本発明のウレタン組成物は、硬化時に炭酸ガスによる発泡がなく、可使時間が長く、厚塗り時でも硬化時間を短縮することができる。
以下に本発明を更に説明する。
本発明に使用する末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(A)は、有機ポリイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオールとを有機ポリイソシアネートの過剰のもとで常法により反応させることにより調製されるものである。
有機ポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、一部をカルボジイミド化されたジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)の構成成分であるポリオキシアルキレンポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、水、グリセリン、TMP、ペンタエリスリトール等にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を単独又は2種以上を付加重合して得られるポリオールである。
前記ポリオキシアルキレンポリオールの分子量は、数平均分子量で500〜16,000のものが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、塗布後の硬化性を向上するという点でエチレンオキサイドを付加重合したポリオールであることが好ましい。
この場合、ウレタンプレポリマー(A)と後記化合物(B)とを含む組成中のオキシエチレン鎖の含有量は、耐水性の点で10重量%未満であることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(A)の末端イソシアネート基の平均個数は、好ましくは2以上、特に好ましくは3である。
更にポリオールとポリイソシアネートとは、ポリオール中の水酸基に対するポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル比(NCO/OHモル比)で1.4以上となるように反応させることが好ましく、更に1.4〜5.0となるように反応させることが好ましい。
残存イソシアネート基は、ウレタンプレポリマー中、好ましくは1〜20重量%である。
本発明に使用する水と反応して1級又は2級アミノ基を生成する化合物(B)としては、エナミン系化合物、アルジミン系などに代表されるケチミン系化合物、末端にオキサゾリジン基を一つ以上有するウレタン化合物など公知の化合物を挙げることが出来る。
具体的には第一級アミノ基及び又は第二級アミノ基とヒドロキシル基を持つ化合物とアルデヒド類又はケトン類との縮合物、第一級アミノ基及び又は第二級アミノ基とヒドロキシル基を持つ化合物とアルデヒド類又はケトン類との反応から得られるケチミンアルコール又はオキサゾリジンアルコールに有機ポリイソシアネートを反応させた分子中にケチミン、エナミン又はオキサゾリジンを持つ化合物などが挙げられる。
第一級アミノ基及び又は第二級アミノ基とヒドロキシル基を持つ化合物としては、具体的にエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ヘキサノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N−(2−ヒドロキシ)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、ω―ヒドロキシヘキシルアミンなどの公知のアミン化合物が挙げられる。
またアルデヒド類又はケトン類としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、トリメチルアルデヒド、バレロアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、フルフラール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、イソホロンなどの公知のアルデヒド類又はケトン類が挙げられる。
第一級アミノ基及び又は第二級アミノ基とヒドロキシル基を持つ化合物とアルデヒド類又はケトン類の反応は公知の反応条件により行われる。
これらのうち、硬化性や貯蔵安定性のバランスに優れる点で、末端にオキサゾリジン基を有するウレタン化合物が好ましい。
かかる末端にオキサゾリジン基を有するウレタン化合物の中でも、ポリイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオールとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(a1)とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(a2)とを反応させて得られるものが、硬化性、耐熱物性などの点で特に好ましい。
かかるウレタンプレポリマー(a1)は、前記ウレタンプレポリマー(A)と同様のものを用いることもできるが、ウレタンプレポリマー(A)と異なるものを用いてもよい。
かかるウレタンプレポリマー(a1)に使用するポリオキシアルキレンポリオールは、硬化性の点で、オキシアルキレン鎖としてオキシエチレン鎖を有することが好ましい。この場合、オキシエチレン鎖の平均含有量は、オキシアルキレン鎖中1〜30重量%のものであることが特に好ましい。オキシエチレン鎖の含有量がこの範囲であれば硬化速度が高く、硬化性、耐水性に優れる。
前記のとおり、ウレタンプレポリマー(A)及び水と反応して1級又は2級アミノ基を生成する化合物(B)とを含むウレタンプレポリマー組成物中のオキシエチレン鎖の含有量が10重量%以上になると、耐水性が低下する可能性があるので、ポリオールとしてオキシエチレン鎖が10重量%未満になるように、オキシエチレン鎖を有するポリオールにオキシエチレン鎖を有さないポリオールを混合して用いることができる。
ウレタンプレポリマー(a1)は、数平均分子量が500〜8,000のものであるものが好ましい。数平均分子量が、かかる範囲であれば、下地追従性に優れ、硬化速度が短縮される。
また、ウレタンプレポリマー(a1)の末端の平均イソシアネート基数は、2.0〜2.6が好ましい。平均イソシアネート基数が、かかる範囲であれば、硬化性、下地追従性に優れる。更にポリイソシアネートとポリオールとの割合は、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OHモル比)で1.6以上であることが好ましく、1.8〜4.0であることが特に好ましい。
残存イソシアネート基は、ウレタンプレポリマー中、好ましくは1〜15重量%である。
またウレタンプレポリマー(a1)とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(a2)との割合は、モル比で、水酸基に対するイソシアネート基(NCO/0H)が0.95〜3.0であることが好ましい。NCO/0Hが、かかる範囲にあれば、未反応のN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジンが残存する可能性が低いため、可使時間が長くなり、しかも硬化速度の低下や粘度の上昇を抑えることができる。
前記N−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(a2)は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類と、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のジヒドロキシアルキルアミン類との公知の縮合反応により得られる化合物である。
前記ウレタン化合物の末端オキサゾリジン基の数は、平均1〜3であることが好ましい。オキサゾリジン基の数がこの範囲であれば、硬化物の破断伸度が良好な傾向がある。
ウレタン化合物の末端には、オキサゾリジン基のほか、イソシアネート基が存在していてもよい。
本発明に使用するウレタンプレポリマー(A)と化合物(B)との割合は、ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基と化合物(B)が水により開環して形成する活性水素基とのモル比で、0.4〜4.0となるような範囲が好ましい。この範囲であれば、炭酸ガスの発生が低くして、塗膜の膨れを抑えることができる。
この様な点を考慮するとウレタンプレポリマー(A)と化合物(B)との割合は、重量比で60:1〜1:30の範囲であることが好ましい。
ウレタン化触媒(C)としては、例えばトリエチレンジアミン、N−アルキルモルホリン、N−アルキルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセンー7、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N',N'―テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N',N'―ペンタメチルジメチルトリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの公知のアミン触媒や、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクチル酸鉛などの公知の有機金属触媒、ビスマス系触媒などを挙げることができる。
これらの中では、ウレタン化触媒(C)としては、良好な可使時間と硬化時間を得る上で特にオクチル酸鉛などの有機酸鉛化合物が好ましい。
有機酸鉛化合物中の鉛の含有量は、ウレタン組成物中で0.015〜0.35重量%が好ましい。この範囲であれば、水とウレタンプレポリマーとの間に効果的にウレタン皮膜を作ることができ、水がウレタンプレポリマー中に緩やかに分散し、かつ触媒効果が適度であるため作業時間が長く、耐久性が低下することがない。
またウレタン化触媒は、後記する水含有分散体中に混合しておけば、ウレタンプレポリマーとウレタン化触媒及び水含有分散体の混合物との二液を混合することになるため作業性が良好であり、好ましい。
本発明に使用する水(D)の量としては、ウレタン組成物に対して0.1〜1.5重量%であり、このうち0.2〜1.0重量%であることが好ましい。水の量が、0.2重量%〜1.0重量%であれば、厚塗り時に均一に硬化させるのに十分であるし、作業時間も長くなる。
かかる水(D)は、水単独でもよいが、水単独ではウレタンプレポリマーとの混合性が悪いことなどの理由から、水含有分散体として用いられることが好ましい。
かかる水含有分散体とは、微小な気相・液相・固相からなる分散質が、媒質中に分散した系であって、この系中に水を含むものをいう。例えば水を含むエマルションが挙げられる。
水含有エマルションとしては、連続相がの場合の油中水滴型エマルション(以下W/O型エマルションという)と、連続相がの場合の水中油滴型エマルションの2種類がある。
これら水分散体のうち、ウレタン樹脂と混合した際に可使時間を延長できることができる点でW/O型エマルションが好ましい。W/O型エマルションは、ウレタンプレポリマーと混合した際、エマルション中の水が疎水基で保護されているため徐々にウレタンプレポリマー中に拡散し、比較的長い作業時間をとれると考えられる。
水含有エマルションは、疎水性樹脂に乳化剤及び水を均一分散させるという公知の方法で製造することができ、水と油のうち、乳化剤をよりよく溶かす方が連続相を形成する。
水(D)は、ウレタンプレポリマー(A)と水と反応して1級又は2級アミノ基を生成する化合物(B)とを含むウレタンプレポリマー組成物に混合すると、水とオキサゾリジンとの反応が始まるため、使用直前にウレタンプレポリマー組成物に混合する必要がある。
本発明のウレタン組成物は、使用する際に、必要に応じてオキサゾリジンの解離触媒としての酸、有機溶剤、無機充填剤、プロセスオイル、可塑剤、揺変剤、体質顔料、耐侯性の維持向上のための紫外線防止剤、安定剤等各種添加剤などを含んでいてもよい。これら添加剤が均一に混合でき、且つ保存性が確保できるのに十分なる混合、混練装置により製造する事ができる。
混合、混練装置としては、密閉型のバタフライミキサーやプラネタリーミキサー等が挙げられる。
解離触媒としての酸としては、例えばサリチル酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、メリト酸及びこれらの酸無水物等の公知の酸が用いられるが、これらのうち、特にテレフタル酸、サリチル酸が好ましい。
溶剤類としては、トルエン、キシレン、ターペン、酢酸エチル等の通常のウレタン用溶剤が使用できる。
揺変剤は、表面処理炭酸カルシウム、ポリ塩化ビニルパウダー、微粉末シリカ、ベントナイト等が挙げられる。このほか本発明のウレタン組成物には石油系高沸点芳香族系留分,石油樹脂等を混合しても良い。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤やトリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル系可塑剤が挙げられる。
安定剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、硫酸アルミニウム、カオリン、硅そう土、ガラスバルーン等の無機化合物の粉粒体が挙げられる。その添加量は、ウレタン組成物中に好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
本発明のウレタン組成物は、コーティング材、シーリング材等の用途に使用することができる。コーティング材としては、塗料、建築物の屋根防水材、駐車場防水材、壁材、床材、競技場の表面舗装材等に利用できる。又、シーリング材としてはコンクリート、サイジングボード、金属等土木建築用のシーリング材に利用できる
次に、本発明を、実施例、比較例により詳細に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において部は、特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
参考例1 <ウレタンプレポリマーの作製例>
ブチレンエーテル結合を50重量%有する数平均分子量2,000のポリブチレンプロピレンエーテルジオール700g(0.35モル)、数平均分子量3,000のポリプロピレンエーテルトリオール300g(0.1モル)に2,4−トリレンジイソシアネート191.4g(1.1モル)、すなわちNCO/OHの当量比2.2にて窒素気流下で80℃にて20時間フラスコ中で撹拌しながら反応させ、イソシアネート基の量(NCO%)が4.28重量%のウレタンプレポリマーを得た。以下このウレタンプレポリマーをウレタンプレポリマーA−1という。
参考例2 <ウレタンプレポリマーの作製例>
参考例1において、数平均分子量2,000のブチレンプロピレンエーテルジオール700g(0.35モル)の代わりに、数平均分子量2,000、エチレンオキサイド含有量が10%のポリエチレンプロピレンエーテルジオール700g(0.35モル)を用い、参考例1と同様の方法でNCO%が4.25重量%のウレタンプレポリマーを得た。以下このウレタンプレポリマーをウレタンプレポリマーA−2という。
参考例3 <ウレタンオキサゾリジンプレポリマーの作製例>
数平均分子量4,800、オキシエチレン鎖の含有量が15重量%のポリエチレンプロピレンエーテルトリオール500g(0.104モル)と数平均分子量2,000のポリプロピレンエーテルジオール500g(0.25モル)を混合してオキシエチレン鎖の平均含有量が7.5%、平均官能基数が2.29、数平均分子量が2,820のポリオールを得た。さらにヘキサメチレンジイソシアネート143.3g(0.853モル)、すなわちNCO/OHの当量比2.1にて窒素気流下で80℃にて48時間フラスコ中で撹拌しながら反応させNCO%が3.25重量%、1分子当たりの末端NCO基数が2.29のウレタンプレポリマーを得た。
得られたウレタンプレポリマー140.8gと2ーイソプロピル3(2ヒドロキシエチル)1,3オキサゾリジン15.9g(NCO/OHのモル比1.1)とを窒素気流下で60℃にて48時間フラスコ中で撹拌しながら反応させ、ウレタンオキサゾリジンプレポリマー(以下OXZ−1という)を得た。このウレタンオキサゾリジンプレポリマーについて、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)による測定を行った結果、反応しないで残存している2−イソプロピル3(2ヒドロキシエチル)1,3オキサゾリジンの含有率は1重量%以下であることを確認した。
参考例4 <ウレタンプレポリマー組成物の作製例>
密閉型プラネタリーミキサー中に120℃で5時間減圧乾燥し、水分を0.05重量%以下に調整したNS−500(炭酸カルシウム、日東粉化製)400部、ジオクチルフタレート100部、サリチル酸0.15部、微粉末にしたテレフタル酸5部、ウレタンプレポリマーA−1 290部、OXZ−1 210部及びキシレン80部を加え均一に混合した後、50トールの減圧下で脱泡してウレタンプレポリマー組成物M−1を得た。
参考例5 <ウレタンプレポリマー組成物の作製例>
M−1の配合においてウレタンプレポリマーA−1 290部の代わりにウレタンプレポリマーA−2 290部を用いて同様の方法でウレタンプレポリマー組成物M−2を得た。
参考例6 <水含有エマルションの作製例>
容器にユーリックH−35(ひまし油、伊藤精油製)67部、乳化剤としてニューコール1103(ポリオキシエチレンラウリルエーテル 日本乳化剤製、製品名)3部及び水30部を攪拌機で均一に混合し、W/O型エマルションを得た。このエマルションをE−1とする。
参考例7
SYNTEGRA YM−2000(水含有量が43重量%の水性ポリウレタン樹脂、ダウケミカル製)をE−2とした。
実施例1〜7及び比較例1〜3
表−1、表−2及び表−3に記載の配合条件で各成分を混合して、ウレタン組成物を作製し、以下の試験を実施した。試験結果を表−1、表−2及び表−3に示す。
[試験方法]
(硬化性試験1)(以下硬化性1という)
四方を枠で囲い、離型紙を貼ったガラス板(30×30cm)上に、厚さ1mmの割合で後記実施例で得られた試料を流し、5℃×50%の条件下で放置し、指で触り塗膜の動きが無くなるまでの時間を測定した。
(硬化性試験2)(以下硬化性2という)
四方を枠で囲い、離型紙を貼ったガラス板(30×30cm)上に、厚さ3mmの割合で後記実施例で得られた試料を流し、5℃×50%の条件下で放置し、指で触り塗膜の動きが無くなるまでの時間を測定した。
(発泡性試験)
四方を枠で囲ったスレート板(30×30cm)上に、厚さ2mmの割合で後記実施例で得られた試料を流し、50℃×90%の条件下で硬化させた後、塗膜表面のフクレ、ピンホールの有無を目視で観察した。フクレ、ピンホールが無いものは○、フクレ、ピンホールが有るものは×とした。
(可使時間の測定)
予め25℃に調整したウレタンプレポリマー組成物(主剤)及びウレタン化触媒を含む水含有エマルション(硬化剤)を所定の混合比で1分間混合し、混合物100gを容器に採取して、25℃にてBM型回転粘度計により6rpm/分で粘度を測定した。混合開始から粘度が10万mPaに到達するまでの時間を可使時間とした。
(常態引張物性試験)
四方を枠で囲い、離型紙を貼ったガラス板(30×30cm)上に厚さ1.5mmの割合で後記実施例で得られた試料を流し、25℃×50%の条件下で7日間放置した後、離型紙から塗膜をはがした。この塗膜を試験片として、ダンベル3号で打ち抜き、引張速度500mm/分で破断時の強度(MPa)、伸度(%)を測定した。
Figure 0004013163
:24%オクチル酸鉛は約50重量%のターペンを含有するため鉛含有量は12重量%である。
Figure 0004013163
Figure 0004013163

注:ディックウレタンN主剤(NCO末端ウレタンプレポリマー系)及びディックウレタンN硬化剤(アミン、ポリオール系)は、大日本インキ化学工業(株)製の二液ウレタン防水材
実施例1、2は、適切な可使時間を持ち良好な硬化性を示した。またその他の項目においても良好な結果を示した。
実施例3は、W/O型エマルションではなく、水性ウレタンを用いているため実施例1、2に比べて若干可使時間が短い傾向があるものの、その他の項目においては良好な結果を示した。
実施例4は、エマルション中の水含有量が、ウレタン組成物に対して0.15重量%であるために3mm厚での硬化性が若干低い傾向があるもののその他の項目においても良好な結果を示した。
実施例5は、エマルション中の水含有量が、ウレタン組成物に対して1.2重量%であるために可使時間が若干短い傾向があるもののその他の項目においても良好な結果を示した。
実施例6は、ウレタン触媒としての鉛含有量が、ウレタン組成物に対して0.012重量%であるために水含有エマルションとウレタンプレポリマーとの間にウレタン皮膜を作る効果が少なく、水又は水含有エマルションがウレタンプレポリマー中に速やかに分散するため可使時間が短い傾向があるもののその他の項目においても良好な結果を示した。
実施例7は、ウレタン触媒としての鉛含有量が、ウレタン組成物に対して0.4重量%であるために触媒としての効果が強く可使時間が短い傾向があるもののその他の項目においても良好な結果を示した。
実施例8は、水含有エマルションの代わりに水を用いたために実施例2に比べて可使時間が短く、硬化時間が長い傾向があるが、比較例1に比べて可使時間、硬化時間共に良好な結果を得た。
エマルション、ウレタン化触媒を用いずに水を用いた比較例1は、極端に可使時間が短く、使用できないレベルであった。
硬化剤を加えない比較例2は、空気中の水分で表面から硬化が進むため、厚さ3mmでの硬化性試験で硬化が極めて遅い結果となった。
また、既存の二液防水材を用いた比較例3は、実施例とほぼ同じ可使時間であったにも関わらず塗膜の硬化時間が実施例に比べて著しく長い結果となった。


Claims (7)

  1. ポリイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオールとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(A)、末端にオキサゾリジン基を有するウレタン化合物である水と反応して1級又は2級アミノ基を生成する化合物(B)、ウレタン化触媒(C)及び水(D)を含むウレタン組成物であって、前記水(D)が、ウレタン組成物中0.1〜1.5重量%であることを特徴とするウレタン組成物。
  2. 前記末端にオキサゾリジン基を有するウレタン化合物が、ポリイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオールとを反応させて得られる末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー(a1)とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(a2)とを反応させて得られる請求項記載のウレタン組成物。
  3. 前記ウレタン化触媒(C)が、有機酸鉛化合物である請求項1〜のいずれか1項に記載のウレタン組成物。
  4. 前記有機酸鉛化合物中に含まれる鉛の含有量が、ウレタン組成物中0.015〜0.35重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載のウレタン組成物。
  5. 前記水(D)が、ウレタン組成物中0.2〜1.0重量%である請求項1〜のいずれか1項に記載のウレタン組成物。
  6. 前記水(D)が、水含有分散体として存在する請求項1〜のいずれか1項に記載のウレタン組成物。
  7. 前記水含有分散体が、油中水滴型エマルションである請求項記載のウレタン組成物。
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