〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態においては、画像形成装置としてのカラー電子写真装置について説明するが、必ずしもこれに限らず、画像形成装置としての単なる電子写真装置であっても良い。また、その他の電子写真方式を用いる複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用可能である。
本実施の形態のカラー電子写真装置は、図2に示すように、回転自在に支持された複数の感光体としての感光体ドラム1…を備えており、各感光体ドラム1…は駆動装置により矢印の方向に回転駆動されるようになっている。
上記の感光体ドラム1の周囲には、順に、感光体ドラム1表面を一様に帯電する帯電装置2と、感光体ドラム1表面を露光して潜像を形成する露光装置3と、その潜像を現像しトナー像を形成する現像装置4と、トナー像を転写材に転写する転写装置5と、感光体ドラム1の表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング装置6とが配置されている。
一方、上記感光体ドラム1…は4つ直列に並び、それぞれにY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各トナーを収容した現像槽を有している。
また、上記転写装置5は、駆動側プーリーと従動側プーリーとの間に張架されて走行する転写ベルト7を備えており、この転写ベルト7は矢印の方向に走行するようになっている。したがって、転写材である記録媒体は静電的に転写ベルト7上に保持されて搬送される。
この転写ベルト7のループの内側には、各感光体ドラム1…に対向する位置に転写帯電器8…が配置され、これら各転写帯電器8…は、各感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写ベルト7に転写する。また、転写ベルト7のループの内外には、図示しないクリーニング部材や、転写ベルト7に貯まった電荷を除去する図示しない除電部材が配置されている。
上記の転写ベルト7上において4つの感光体ドラム1…を通過したトナー像が転写された記録媒体は、定着装置9を通過することによりトナー像が定着される。
一方、本実施の形態のカラー電子写真装置では、同図に示すように、トナー量検出手段である濃度検知センサー10が、転写ベルト7の下方の適当な位置で転写ベルト7に対向するように設けられている。
上記の濃度検知センサー10は、反射型センサーにてなっており、図3に示すように、発光素子11と乱反射受光素子12及び正反射受光素子13とを有し、カラー濃度検知と黒濃度検知との両方が検出できるようになっている。
すなわち、カラー濃度検知を行う場合には、発光素子11から出射されて転写ベルト7に転写されたトナーパターン等のトナー像にて乱反射した光を乱反射受光素子12にて受光して光量に応じた電圧を発生する。
また、黒濃度検知を行う場合には、発光素子11から出射されて転写ベルト7のトナーパターンを含むトナー像にて正反射した光を正反射受光素子13にて受光して光量に応じた電圧を発生する。
ここで、上記転写ベルト7は、トナーの反射率を大きく変化させるため材質として変性ポリイミドを使用すると共に、表面を鏡面に仕上げることにより正反射率を10%以上にしている。
ところで、本実施の形態のカラー電子写真装置では、画像出力に際して、画像濃度を適正に補正するために、現像バイアスを変化させて各感光体ドラム1…上に高濃度検出用トナーパターンと中間調濃度検出用トナーパターンとの2種類の濃度検出用トナーパターンを形成する。これら高濃度検出用トナーパターン及び中間調濃度検出用トナーパターンには、それぞれ、基準値として形成するものと画像を形成する際に随時形成されるものとがある。
これら高濃度検出用トナーパターン及び中間調濃度検出用トナーパターンは、感光体ドラム1の非画像形成領域に形成される。
上記の高濃度検出用トナーパターンは、ベタ画像にて形成される。これによって、最大トナー付着量を適正とする制御を行うことができる。
一方、中間調濃度検出用トナーパターンは、例えば3×3の画素マトリックスのものが濃度を変えて複数作成される。つまり、3×3の画素マトリックスのある一定領域に所定の数のドットをトナーにて形成したものを、その所定数を順次増加していくことにより、低濃度領域からベタ画像となる高濃度領域の手前までの中間濃度領域について複数段階の濃度のトナーパターンを形成する。これにより、中間濃度領域についてのトナー付着量を制御することができる。
したがって、これら高濃度検出用トナーパターン及び中間調濃度検出用トナーパターンを併用することにより、画像全体の濃度を一定に保持して適正に画像出力することができる。
上記構成のカラー電子写真装置における図示しない画像濃度補正手段が行う画像濃度補正について、図1に示すプロセスコントロールフローチャートに基づいて具体的に説明する。
同図に示すように、先ず、画像濃度補正が実行される条件であるか否かを判定し(S1)、画像濃度補正が実行される条件であるときには、濃度検知センサー10のキャリブレーションを行い(S2)、高濃度の補正を実行する(S3)。
この高濃度補正について詳細に説明する。
先ず、感光体ドラム1に対して帯電、露光、現像を行い、その際、現像バイアスを変化させて各感光体ドラム1…上に各色の後述する所定の高濃度検出用トナーパターンを形成し、形成した各色の複数個の高濃度検出用トナーパターンを転写ベルト7に転写する。これら高濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー10にて順に測定して行き、補正量を決定する。
ここで、カラーの高濃度補正時には、帯電、露光、現像、転写過程を経ることにより、現像バイアスを変化させて、下記に示すような3種の100%ベタパターンが転写ベルト7上に形成される。
v1:低電圧(前回設定した現像バイアスに対して−50Vとなるもの)
v2:基準電圧(前回設定した現像バイアス)
v3:高電圧(前回設定した現像バイアスに対して+50Vとなるもの)
次に、これら各高濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー10にて順に測定し、各測定結果から光学濃度を検出する。そして、図4(a)に示すように、3点を直線で結び、基準センサー値と交わる現像バイアスを採用する。同図(a)では、基準センサー値は例えば2.4Vとしている。なお、同図(a)において、前回設定した現像バイアスの基準値としての基準電圧は、−300Vである。
次に、黒の高濃度補正時には、帯電、露光、現像、転写を経て、80%ベタパターンが、下記に示すように現像バイアスを変化させて転写ベルト7上に形成される。なお、80%ベタパターンを使用するのは、100%ベタパターンでは反射光が弱くなり検知できないためである。
v1′:低電圧(前回設定した現像バイアスに対して−50Vとなるもの)
v2′:基準電圧(前回設定した現像バイアス)
v3′:高電圧(前回設定した現像バイアスに対して+50Vとなるもの)
次に、これらトナーパターンを濃度検知センサー10にて順に測定し、各測定結果から次式(1)にて光学濃度が検出される。
濃度=トナーパターンの反射率/転写ベルト上の反射率 …(1)
そして、図4(b)に示すように、3点を直線で結び、ある決まった値としてここでは例えば1Vの基準センサー値と交わる現像バイアスを0.8で割った値の現像バイアスを採用する。上記式(1)を使うことにより、転写ベルト7の反射率が規格化され、安定して濃度を読むことができる。
次に、本実施の形態では、中間調濃度補正は、高濃度補正が行われたときに常に行われるのではなく、図1に示すように、中間調濃度補正の実行条件判定を行い(S4)、この実行条件に合致したときのみ中間調濃度補正が行われるようになっている。
この理由は、中間調濃度補正は中間調濃度検出用トナーパターンを各色複数個形成する必要があり、補正時間、トナー消費量が問題となるため、動作回数、タイミングが重要となるためである。
本実施の形態では、図1に示すように、前回の高濃度補正時に設定した現像バイアスと今回設定した現像バイアスとの差が差分基準値を越えた場合にのみ中間調濃度補正を実行するようにしている。
すなわち、本実施の形態では、今回の高濃度補正の結果つまり今回の高濃度補正により決定された現像バイアス電圧値と、前回の高濃度補正の結果つまり前回の高濃度補正により決定された現像バイアス電圧値とを比較し、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うようになっている。
また、本実施の形態では、上記差分基準値として、例えば、現像バイアス±50Vを用いており、この現像バイアス±50V以上となったときにのみ、中間調濃度補正を行うものとなっている。なお、この差分基準値は、±50V以上となったときには、少なくとも高濃度補正と共に中間調濃度補正をするのが適切であるとの判断に基づくものであるが、必ずしも±50Vに限らない。
上記の中間調濃度補正においては、図1に示すように、帯電、露光、現像、転写の過程において、露光時にレーザーのパルス幅を変調することにより、濃度を違えた複数個の中間調濃度検出用トナーパターンを転写ベルト7上に各色毎に形成し(S5)、これら中間調濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー10にて順次測定して行き(S6)、各測定結果からレーザーPWM(PulseWaveModulation)値を算出して光学濃度を検出する(S7)。検出方法は、前述した高濃度補正時に用いた検出方法と同一である。
次に、予め設定し記憶させた各色複数個の中間調濃度基準値と比較し、それぞれ中間調濃度基準値と現在値との変化量を算出し、中間調濃度補正テーブルを修正する(S8)。この中間調濃度補正テーブルに基づいて中間調濃度が補正される。なお、中間調濃度基準値のテーブルは、メンテナンス時に作成される。
中間調濃度の補正例を具体的に示すと、図5に示すように、レーザー出力であるレーザーデューティAのときの濃度検知センサー10の検出値が現在はA’、中間調濃度基準値はB’である時、レーザーデューティAをレーザーデューティBに変動させることでセンサー値として中間調濃度基準値B’を確保し、画像濃度を保持する。
これによって、中間調濃度についても、画像濃度を一定に保持することができる。
なお、S4の中間補正濃度の実行条件判定において、差分基準値が50V未満のときには、中間調補正をすることなく画像出力を行う。
上記高濃度補正及び中間調濃度補正を行うタイミングについて、図6に基づいて説明する。
先ず、図6において、カラー電子写真装置を立ち上げたときの最初の高濃度基準値は現像バイアス電圧値が−300Vとなっている。
ここで、時間t1において、高濃度補正を行い、その補正結果は現像バイアス電圧値−320Vとなった。このときは、前回の高濃度基準値である現像バイアス電圧値−300Vに対してΔ20Vであり、差分基準値50V以上という条件を満たさないため中間調濃度補正は行っていない。
次に、時間t2において、再び高濃度補正を行った。その結果、現像バイアス電圧値が−260Vとなり、前回の補正結果を高濃度基準値として採用し、その高濃度基準値である現像バイアス電圧値−320Vに対してΔ60Vとなった。
このため、増加は差分基準値50V以上という条件を満たしているので中間調濃度補正を行う。
次に、時間t3において、再び高濃度補正を実行した。しかしこのときは、現像バイアス電圧値が−270Vであり、前回の高濃度基準値である現像バイアス電圧値−260Vに対してΔ10Vであり、差分基準値50V以上という条件を満たさないため中間調濃度補正は行っていない。
次に、時間t4において、再び高濃度補正を行った。その結果、現像バイアス電圧値が−320Vとなり、前回の高濃度基準値である現像バイアス電圧値−270Vに対してΔ50Vとなった。このため、増加は差分基準値50V以上という条件を満たしているので中間調濃度補正を行う。
このように、上記補正方法は、現像バイアスに対する濃度特性が大きく変化した時には、レーザー出力に対する濃度特性も変化する可能性が高いという所に注目している。
この結果、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。また、中間調濃度補正動作の有無を最大濃度補正の結果から決定することにより、中間調濃度補正動作を有効かつ無駄なく行うことができるため、濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減につながる。
また、カラー画像を濃度補正するときには、本実施の形態では、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較し、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行うようになっている。
このため、1色のみ中間調濃度補正が必要な時でも全ての中間調濃度を補正することにより、カラーバランスを正確に保持することが可能になる。
このように、本実施の形態のカラー電子写真装置では、画像濃度を一定に保持するために、高濃度の補正を行うべく感光体ドラム1上に現像バイアスを変化させながら所定の高濃度検出用トナーパターンが形成される。そして、この高濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー10にて検出した値と高濃度基準値との比較を行って高濃度の補正量の決定が行われる。また、中間調濃度の補正を行うべく感光体ドラム1上に現像バイアスを変化させながら所定の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、この中間調濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー10にて検出した値と中間調濃度基準値との比較を行って中間調濃度の補正量の決定が行われる。さらに、これらは図示しない画像濃度補正手段にて行われる。
この結果、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
ここで、画像濃度補正手段は、前回の高濃度補正の結果を高濃度基準値として採用し、その高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き、露光時のレーザー出力を調整し感光体ドラム1の表面電位を上下させて中間調濃度の補正を行う。
すなわち、高濃度基準値は、高濃度補正を行う度にその高濃度補正の結果に更新される。そして、今回の高濃度補正の結果は、その更新された高濃度基準値と比較される。
一方、中間調濃度の補正は、高濃度補正の度に行うのではなく、上記更新された高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き行われる。
この結果、中間調濃度補正動作の有無を高濃度補正の結果から判断し、その結果に基づいて中間調濃度補正動作を行うため、濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減につながる。
また、中間調濃度補正動作の有無は、更新された高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上か否かで判断される。
このため、更新された高濃度基準値と大きくずれているときにのみ、中間調濃度補正が行われる。したがって、真に必要なときにのみ中間調濃度補正を行うので、効率が良い。
さらに、高濃度基準値は、高濃度補正を行う度に更新されるので、電子写真プロセスにおける帯電、露光、現像等の印加電圧や温度上昇による近況の濃度特性の変動に対応して、入力画像データの濃度特性を補正して出力することができる。
この結果、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
一方、カラー画像の場合には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色トナーがあるので、全ての色について高濃度補正の度に中間調濃度補正を実行していたのでは、モノクロの濃度補正時間に比べて大幅に時間が増加する。このため、使用者をさらに待たすことになり、使い勝手が良くないという問題を招来する。
しかし、本実施の形態では、画像濃度補正手段は、カラー画像を濃度補正するときには、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較し、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行う。
したがって、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行うので、濃度補正時間の短縮につながると共にトナー消費の削減にもつながる。
また、多色画像形成装置においての画像濃度補正は、カラーバランスを左右する重要な役割を持っている。したがって、1色のみ中間調濃度補正が必要な時でも全ての中間調濃度を補正することにより、カラーバランスを正確に保持することが可能になる。
この結果、カラー画像において、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図7及び図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のカラー電子写真装置では、前記実施の形態1と同様に、最大濃度補正の結果から中間調濃度補正動作を行うか否かを決定するものであるが、差分基準値の設定の仕方が実施の形態1とは異なっている。
すなわち、本実施の形態のカラー電子写真装置では、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果を高濃度基準値とし、その高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うようになっている。
上記構成のカラー電子写真装置における画像濃度補正について、図7に示すプロセスコントロールフローチャートに基づいて具体的に説明する。なお、実施の形態1の図1と同じ部分については同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
同図に示すように、先ず、高濃度の補正を実行した後(S3)、中間調濃度補正を実行するか否かについて、中間調濃度補正の実行条件判定を行う(S14)。
本実施の形態では、中間調濃度の実行条件として、前回中間調濃度補正時に設定した高濃度現像バイアス電圧値を高濃度基準値とし、この高濃度基準値と今回設定した現像バイアス値との差が差分基準値(ここでは±50V)以上となった場合にのみ中間調濃度補正を実行するようにしている。
その後の中間調濃度補正の補正方法は、図1に示すフローチャートと同一であるので説明を省略する。
これによって、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。また、中間調濃度補正動作の有無を最大濃度補正の結果から決定することにより、中間調濃度補正動作を有効かつ無駄なく行うことができるため、濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減につながる。
上記の高濃度補正及び中間調濃度補正のタイミングの具体例を、図8に基づいて説明する。
先ず、図8において、カラー電子写真装置を立ち上げたときの最初の時間t0においては、高濃度基準値は現像バイアス電圧値が−300Vとなっている。また、このとき最初の状態であるので、中間調濃度補正も行うものとなっている。
次に、時間t1・t2・t3・t4において、高濃度補正を行い、それぞれ高濃度基準値を現像バイアス電圧値−320V・−310V・−330V・−340Vとした。しかし、これらのときは、初期の高濃度基準値である現像バイアス電圧値−300Vに対してΔ50V未満であり、差分基準値50V以上という条件を満たしていない。このため、中間調濃度補正は行っていない。
次に、時間t5において再び高濃度補正を行い、その結果、現像バイアス電圧値が−350Vとなり、初期の高濃度基準値である現像バイアス電圧値−300Vに対してΔ50V以上となった。このため、増加は差分基準値50V以上という条件を満たしているので中間調濃度補正を行う。
次に、時間t6・t7において、再び高濃度補正を実行しているが、このときは、最後の中間調濃度を補正したとき(時間t5)の高濃度基準値である現像バイアス電圧値−350Vに対してΔ50V未満であり、差分基準値50V以上という条件を満たしていない。このため、中間調濃度補正は行っていない。
次に、時間t8において、再び高濃度補正を行った。その結果、現像バイアス電圧値が−290Vとなり、最後の中間調濃度を補正したときの(時間t5)補正結果が高濃度基準値となり、その高濃度基準値である現像バイアス電圧値−350Vに対してΔ60Vとなった。このため、増加は差分基準値50V以上という条件を満たしているので中間調濃度補正を行っている。
このように、本実施の形態のカラー電子写真装置では、画像濃度補正手段は、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
すなわち、中間調濃度の補正は、高濃度補正を行う度に行うのではなく、初期に設定された高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き行われる。
したがって、中間調濃度補正動作の有無を高濃度補正の結果から判断し、その結果に基づいて中間調濃度補正動作を行うため、濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減につながる。
また、中間調濃度補正動作の有無は、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上か否かで判断される。
このため、高濃度基準値と大きくずれているときにのみ、中間調濃度補正が行われる。したがって、真に必要なときにのみ中間調濃度補正を行うので、効率が良い。
さらに、高濃度基準値を変化させないで初期に設定された高濃度基準値をその後も用いるときには、そのトナーにおける当初に設定された高濃度基準値に基づいて帯電、露光、現像等の印加電圧や温度上昇による濃度特性の変動に対応して、入力画像データの濃度特性が補正されて出力される。
このため、理想とする濃度特性に対応して、入力画像データの濃度特性を補正して出力することができる。
この結果、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
また、本実施の形態のカラー電子写真装置では、画像濃度補正手段は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果を高濃度基準値として採用し、その高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
すなわち、今回の高濃度補正の結果は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果である高濃度基準値と比較される。
また、中間調濃度の補正は、高濃度補正の度に行うのではなく、上記最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果である高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き行われる。
したがって、中間調濃度補正動作の有無を高濃度補正の結果から判断し、その結果に基づいて中間調濃度補正動作を行うため、濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減につながる。
また、中間調濃度補正動作の有無は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果である高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上か否かで判断される。
このため、高濃度基準値と大きくずれているときにのみ、中間調濃度補正が行われる。したがって、真に必要なときにのみ中間調濃度補正を行うので、効率が良い。
さらに、高濃度基準値は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果に更新されるので、トナーが劣化してきても、そのトナーの劣化状況に応じて、電子写真プロセスにおける帯電、露光、現像等の印加電圧や温度上昇による濃度特性の変動に対応して、入力画像データの濃度特性を補正して出力することができる。
この結果、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
また、本実施の形態のカラー電子写真装置においても、カラー画像を濃度補正するときには、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較し、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正が行われる。
したがって、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行うので、濃度補正時間の短縮につながると共にトナー消費の削減にもつながる。
また、多色画像形成装置においての画像濃度補正は、カラーバランスを左右する重要な役割を持っている。したがって、1色のみ中間調濃度補正が必要な時でも全ての中間調濃度を補正することにより、カラーバランスを正確に保持することが可能になる。
この結果、カラー画像において、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図8及び図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、中間調濃度の補正方法について詳述する。
先ず、中間調濃度補正は、第1ステップと第2ステップとの2つのステップから構成される。第1ステップは、主として低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとを求めるためのものであり、第2ステップは、近似処理を行うべくポイントの詳細データ取りを行うものである。
第1ステップでは、帯電、露光、現像、転写工程を経て、濃度を違えた5種類の中間調濃度検出用トナーパターンが、露光装置3のレーザーデューティを振りながら転写ベルト7上に形成される。レーザーデューティの値は、例えば、31、47、63、79、255である。なお、レーザーデューティは、0〜255の値をとるものとする。
次に、これら中間調濃度検出用トナーパターンを濃度検知センサー10にて順に測定し、図9に示すように、各測定結果から低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとを算出する。
これら低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとの算出は、以下のようにして行う。
先ず、同図において、レーザーデューティ0となる濃度検知センサー10の出力比aを通る直線Y=aと、レーザーデューティ255となる濃度検知センサー10の出力比bを通る直線Y=bと、レーザーデューティ31、47、63、79の4点を例えば最小二乗法にて近似処理したy=cx+dとの3式を求める。
なお、上記レーザーデューティ0となる濃度検知センサー10の出力比aは、データを取らなくても求まる固定値である。
次いで、直線Y=aと直線y=cx+dとの交点を低濃度立ち上がりポイントとし、直線Y=bと直線y=cx+dとの交点を高濃度飽和ポイントとする。
次いで、第2ステップを行う。
第2ステップでは、16種の中間調濃度検出用トナーパターンが転写ベルト7上に連続的に形成され、第1ステップにて得られたポイントの詳細データ取りを行う。例えば、直線Y=aと直線Y=bとの間ではレーザーデューティ6毎にデータ取りを行う。したがって、この16種は、前記第1ステップで求めたレーザーデューティ31、47、63、79、255とは異なる場合もあれば、共通する場合もある。また、前記第1ステップで求めた低濃度立ち上がりポイントと高濃度飽和ポイントとなる変曲点近傍においては、そのレーザーデューティのピッチを細かくしている。
そして、第2ステップでは、図10に示すように、低濃度領域と中高濃度領域の2つの領域に分けてそれぞれ近似処理を行い、後で繋ぎ合せている。なお、低濃度領域は、ここでは、例えば、濃度検知センサー出力比40%までとし、それ以上を中高濃度領域としている。ただし、必ずしもこれに限らない。
ここで、本実施の形態では、低濃度立ち上がりポイント付近でのセンサー値の不安定さが出力画像に影響を及ぼさないようにするために、低濃度領域では、基準値として例えば5%を設定し、この5%以下の中間調濃度検出用トナーパターンのデータを削除して近似処理を行っている。
したがって、本実施の形態では、濃度検知センサー10のセンサー値が連続的に上昇し始める点からの中間調濃度検出用トナーパターンのデータのみによって近似処理を行うことにより、近似線のバラツキをさらに低減させている。
次いで、このようにして得られた中間調濃度カーブと前記図5に示す目標(初期)カーブとを比較して補正量を算出し、中間調テーブルを修正するようになっている。
これによって、中間調濃度についても、短時間で濃度修正して高品質の画像を出力することができる。
なお、上記図9及び図10においては、カラー画像におけるレーザーデューティと濃度検知センサー10の乱反射された出力比との関係を示しているので、右上がりの直線となっているが、モノクロ画像においては、濃度検知センサー10において正反射された検出値となるので、前記図4(b)に示すように、傾きが逆に右下がりとなる。
このように、本実施の形態のカラー電子写真装置では、画像濃度補正手段は、中間調濃度の補正を行うに際して、低濃度領域から高濃度領域手前までの濃度レベルの異なる複数の中間調濃度検出用トナーパターンを形成して中間調濃度基準値との比較を行って補正する一方、低濃度領域の検出値については予め設定した低濃度領域削除基準値以下の検出値を削除し、残りの複数の検出値を用いて線型的に近似処理した値により補正を行う。
すなわち、中間調濃度基準値との比較を行って補正する場合には、低濃度領域から高濃度領域手前までの濃度レベルの異なる複数の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、それらを検出して線型的に近似処理した値により補正される。
ここで、低濃度領域の検出値については、一般的に数値が乱れ、線型的に近似処理するのが困難である。そこで、本実施の形態では、近似処理の際には、低濃度領域の検出値については予め設定した低濃度領域削除基準値以下の検出値を削除し、残りの複数の検出値を用いて線型的に近似処理した値を用いる。
この結果、予め設定した低濃度領域削除基準値以下の検出値を削除して、線型的に近似処理するのに適切な検出値を用いることができるので、近似処理の精度が向上する。
また、線型的に近似処理した値を用いるので、誤った濃度変換テーブルが作成されるのを防止することができる。
さらに、補完処理を行って全階調に渡る濃度変換テーブルを作成するのに比べて、大幅に時間を短縮することができる。
したがって、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を確実かつ精度良く一定に保持し高品質の画像を出力しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
一方、線型的に近似処理するのに適切な検出値を用いるために、低濃度領域削除基準値をいかに設定するかが問題となる。
しかし、本実施の形態では、レーザー出力を低側から高側に順時変化させていく時における検出値の変曲点を採用する。具体的には、カラー画像においては検出値が連続的に上昇し始める点を採用する一方、モノクロ画像においては検出値が連続的に下降し始める点を採用する。
これにより、低濃度領域における線型的に近似処理するのが困難である検出値を確実に削除することができると共に、線型的に近似処理するのに適切な検出値をできるだけ多く残すことができる。
この結果、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を、効率的に、確実かつ精度良く一定に保持し高品質の画像を出力しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のカラー電子写真装置では、図示しない画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、その差分の全色の総和が予め設定した総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うようになっている。
すなわち、Y、M、C、Bk各色について、前記図4(a)(b)に示すように、高濃度補正を実行して現像バイアス電位の補正を行なう。ここで、各色の現像バイアス電位の高濃度基準値はそれぞれ300Vと設定する。
本実施の形態においては、現像バイアスの補正結果と高濃度基準値との差分の4色総和である総和差分基準値を100Vに設定し、この総和差分基準値100V以上にて中間調濃度補正を行なうものとしている。
例えば、今回の高濃度補正では、現像バイアス電位の補正結果が、Y=325V、M=345V、C=320V、Bk=315Vとなった場合には、高濃度基準値との差分は各々25V、45V、20V、15Vとなる。このとき、画像のカラーバランスが変化していると考えられ、中間調補正が必要である。
ところで、従来は、現像バイアスの補正結果と高濃度基準値との差が1色でも50Vを超えた場合に、中間調補正動作を行なうようにしていた。
しかし、上記の例については、従来の手法では各色とも差分が50V以下であるために補正動作は行われない。
一方、本実施の形態では、上記の例について、4色の差分の総和は105Vとなり、4色の差分の総和が総和差分基準値100V以上であるため、各色の中間調濃度補正を動作させる。
したがって、中間調濃度補正動作の有無を各色の高濃度補正の補正量を総和して決定することで、画像のカラーバランスの変化しているときを、より正確に判断できる。
このように、本実施の形態のカラー電子写真装置では、図示しない画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、その差分の全色の総和が予め設定した総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
このため、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
また、中間調濃度補正動作の有無を各色の高濃度補正の補正量を総和して決定することによって、多色カラー画像に対して、単色の中間調濃度変化ではなく、画像のカラーバランスの変化しているときを、より正確に判断できる。
これにより、カラー全色を考慮して中間調濃度補正動作を有効かつ無駄無く行うことができるため、画質の向上を図りつつ濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減を図ることができる。
〔実施の形態5〕
本発明のさらに他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のカラー電子写真装置では、図示しない画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、モノクロ一色のみがモノクロ差分基準値以上となったときか、又はモノクロを除くカラー各色の差分との総和が予め設定したカラー総和差分基準値以上となったときのいずれか一方のときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うようになっている。
すなわち、Y、M、C、Bk各色について、前記図4(a)(b)に示すように、高濃度補正を実行して現像バイアス電位の補正を行なう。ここで、各色の現像バイアス電位の高濃度基準値はそれぞれ300Vと設定する。
そして、本実施の形態では、現像バイアスの補正結果と高濃度基準値との差分が、Bkでモノクロ差分基準値40V又はカラー3色総和がカラー総和差分基準値80V以上のいずれかにて、それぞれ中間調濃度補正を行なうものとするようになっている。
例えば、高濃度補正により、現像バイアス電位の補正結果が、Y=325V、M=345V、C=320V、Bk=315Vとなったとすると、Bkの高濃度基準値との差分は15V、カラー3色の差分の総和は90Vとなる。
よって、カラー3色総和のみがカラー総和差分基準値80Vを超えているので、カラー3色のみ中間調濃度補正を動作させる。
このように、本実施の形態のカラー電子写真装置では、図示しない画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、モノクロ一色のみがモノクロ差分基準値以上となったときか、又はモノクロを除くカラー各色の差分との総和が予め設定したカラー総和差分基準値以上となったときのいずれか一方のときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
このため、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
また、中間調濃度補正動作の有無を、モノクロとモノクロを除くカラー色とを別々に決定した後、中間調濃度補正動作を行なわせることにより、カラー画像の中間調濃度が変化している場合とモノクロ画像の中間調濃度が変化している場合とにおいてそれぞれ個別に補正ができる。
これにより、モノクロ又はモノクロを除くカラー色のいずれか一方のみの補正が必要な場合に、モノクロ又はモノクロを除くカラー全色を考慮して中間調濃度補正動作を有効かつ無駄無く行うことができるため、画質の向上を図りつつ濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減を図ることができる。
〔実施の形態6〕
本発明のさらに他の実施の形態について図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態5の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のカラー電子写真装置では、図示しない画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、各色の差分の絶対値での全色の総和が予め設定した絶対値総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うようになっている。
すなわち、Y、M、C、Bk各色について、前記図4(a)(b)に示すように、高濃度補正を実行して現像バイアス電位の補正を行なう。ここで、各色の現像バイアス電位の高濃度基準値はそれぞれ300Vと設定する。
そして、本実施の形態では、現像バイアスの補正結果と基準値との差分の絶対値の4色総和が絶対値総和差分基準値100V以上にて、それぞれ中間調濃度補正を行なうものとしている。
例えば、高濃度補正により、現像バイアス電位の補正結果が、Y=325V、M=345V、C=280V、Bk=285Vとなった場合、高濃度基準値との差分はそれぞれ25V、45V、−20V、−15Vとなる。
このときの画像全体の濃度変化は、図11に示すような変動が予測される。そして、このまま前記実施の形態4に示したように総和を行なった場合、その総和は35Vとなり、中間調補正動作は行われないことになる。
一方、本実施の形態では、高濃度基準値との差分をそれぞれ絶対値にして総和を行なうと、その総和は105Vとなる。よって、4色の絶対値の総和が絶対値総和差分基準値100V以上であるため、各色の中間調濃度補正を動作させる。
このように、本実施の形態のカラー電子写真装置では、図示しない画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、各色の差分の絶対値での全色の総和が予め設定した絶対値総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
このため、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
また、高濃度補正の補正量を各色の総和を行なう場合に、各色で補正結果が高濃度基準値に対して正方向と負方向とに異なるときでも、それぞれの高濃度基準値との差分の絶対値を総和することにより、多色カラー画像のカラーバランスが変化している時を正確に判断できる。
これにより、カラー全色を考慮して中間調濃度補正動作を有効かつ無駄無く行うことができるため、画質の向上を図りつつ濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減を図ることができる。
なお、本発明は以下のように構成することもできる。
感光体上に所定の高濃度検出用トナーパターンを形成し、この高濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と高濃度基準値との比較を行って高濃度の補正量の決定を行う一方、感光体上に所定の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、この中間調濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と中間調濃度基準値との比較を行って中間調濃度の補正量の決定を行う画像濃度補正手段を有する画像形成装置において、上記画像濃度補正手段は、前回の高濃度補正の結果を高濃度基準値として採用し、その高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うことを特徴としている画像形成装置。
上記の発明によれば、画像濃度を一定に保持するために、高濃度の補正を行うべく感光体上に所定の高濃度検出用トナーパターンが形成される。そして、この高濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と高濃度基準値との比較を行って高濃度の補正量の決定が行われる。また、中間調濃度の補正を行うべく感光体上に所定の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、この中間調濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と中間調濃度基準値との比較を行って中間調濃度の補正量の決定が行われる。さらに、これらは画像濃度補正手段にて行われる。
この結果、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
ここで、画像濃度補正手段は、前回の高濃度補正の結果を高濃度基準値として採用し、その高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
すなわち、高濃度基準値は、高濃度補正を行う度にその高濃度補正の結果に更新される。そして、今回の高濃度補正の結果は、その更新された高濃度基準値と比較される。
一方、中間調濃度の補正は、高濃度補正の度に行うのではなく、上記更新された高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き行われる。
この結果、中間調濃度補正動作の有無を高濃度補正の結果から判断し、その結果に基づいて中間調濃度補正動作を行うため、濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減につながる。
また、中間調濃度補正動作の有無は、更新された高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上か否かで判断される。
このため、更新された高濃度基準値と大きくずれているときにのみ、中間調濃度補正が行われる。したがって、真に必要なときにのみ中間調濃度補正を行うので、効率が良い。
さらに、高濃度基準値は、高濃度補正を行う度に更新されるので、電子写真プロセスにおける帯電、露光、現像等の印加電圧や温度上昇による近況の濃度特性の変動に対応して、入力画像データの濃度特性を補正して出力することができる。
この結果、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
上記に記載の画像形成装置において、前記画像濃度補正手段は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果を高濃度基準値として採用し、その高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うものであってもよい。
上記の発明によれば、画像濃度補正手段は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果を高濃度基準値として採用し、その高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
すなわち、今回の高濃度補正の結果は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果である高濃度基準値と比較される。
また、中間調濃度の補正は、高濃度補正の度に行うのではなく、上記最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果である高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上となったときにのみ引き続き行われる。
したがって、中間調濃度補正動作の有無を高濃度補正の結果から判断し、その結果に基づいて中間調濃度補正動作を行うため、濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減につながる。
また、中間調濃度補正動作の有無は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果である高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較して、その差分が予め設定した差分基準値以上か否かで判断される。
このため、高濃度基準値と大きくずれているときにのみ、中間調濃度補正が行われる。したがって、真に必要なときにのみ中間調濃度補正を行うので、効率が良い。
さらに、高濃度基準値は、最後に中間調濃度補正を実行したときの高濃度補正の結果に更新されるので、トナーが劣化してきても、そのトナーの劣化状況に応じて、電子写真プロセスにおける帯電、露光、現像等の印加電圧や温度上昇による濃度特性の変動に対応して、入力画像データの濃度特性を補正して出力することができる。
この結果、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
上記に記載の画像形成装置において、前記画像濃度補正手段は、カラー画像を濃度補正するときには、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較し、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行うものであってもよい。
すなわち、カラー画像の場合には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色トナーがあるので、全ての色について高濃度補正の度に中間調濃度補正を実行していたのでは、モノクロの濃度補正時間に比べて大幅に時間が増加する。このため、使用者をさらに待たすことになり、使い勝手が良くないという問題を招来する。
しかし、上記画像濃度補正手段は、カラー画像を濃度補正するときには、高濃度基準値と今回の高濃度補正の結果とを比較し、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行う。
したがって、少なくとも1色について差分基準値以上となったときにのみ引き続き全ての色の中間調濃度の補正を行うので、カラー画像における濃度補正時間の短縮につながると共にトナー消費の削減にもつながる。
また、多色画像形成装置においての画像濃度補正は、カラーバランスを左右する重要な役割を持っている。したがって、1色のみ中間調濃度補正が必要な時でも全ての中間調濃度を補正することにより、カラーバランスを正確に保持することが可能になる。
この結果、カラー画像において、ベタ、ライン、中間調等の画像の種類に応じて画像全体の濃度出力を一定に保持しつつ、濃度補正の所要時間を短縮でき、かつ補正時に使用するトナー消費量を低減し得る画像形成装置を提供することができる。
感光体上に所定の高濃度検出用トナーパターンを形成し、この高濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と高濃度基準値との比較を行って高濃度の補正量の決定を行う一方、感光体上に所定の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、この中間調濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と中間調濃度基準値との比較を行って中間調濃度の補正量の決定を行う画像濃度補正手段を有する画像形成装置において、上記画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、その差分の全色の総和が予め設定した総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うことを特徴としている画像形成装置。
上記の発明によれば、画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、その差分の全色の総和が予め設定した総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
このため、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
また、中間調濃度補正動作の有無を各色の高濃度補正の補正量を総和して決定することによって、多色カラー画像に対して、単色の中間調濃度変化ではなく、画像のカラーバランスの変化しているときを、より正確に判断できる。
これにより、カラー全色を考慮して中間調濃度補正動作を有効かつ無駄無く行うことができるため、画質の向上を図りつつ濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減を図ることができる。
感光体上に所定の高濃度検出用トナーパターンを形成し、この高濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と高濃度基準値との比較を行って高濃度の補正量の決定を行う一方、感光体上に所定の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、この中間調濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と中間調濃度基準値との比較を行って中間調濃度の補正量の決定を行う画像濃度補正手段を有する画像形成装置において、上記画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、モノクロ一色のみがモノクロ差分基準値以上となったときか、又はモノクロを除くカラー各色の差分との総和が予め設定したカラー総和差分基準値以上となったときのいずれか一方のときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うことを特徴としている画像形成装置。
上記の発明によれば、画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、モノクロ一色のみがモノクロ差分基準値以上となったときか、又はモノクロを除くカラー各色の差分との総和が予め設定したカラー総和差分基準値以上となったときのいずれか一方のときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
このため、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
また、中間調濃度補正動作の有無を、モノクロとモノクロを除くカラー色とを別々に決定した後、中間調濃度補正動作を行なわせることにより、カラー画像の中間調濃度が変化している場合とモノクロ画像の中間調濃度が変化している場合とにおいてそれぞれ個別に補正ができる。
これにより、モノクロ又はモノクロを除くカラー色のいずれか一方のみの補正が必要な場合に、モノクロ又はモノクロを除くカラー全色を考慮して中間調濃度補正動作を有効かつ無駄無く行うことができるため、画質の向上を図りつつ濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減を図ることができる。
感光体上に所定の高濃度検出用トナーパターンを形成し、この高濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と高濃度基準値との比較を行って高濃度の補正量の決定を行う一方、感光体上に所定の中間調濃度検出用トナーパターンを形成し、この中間調濃度検出用トナーパターンを反射型センサーにて検出した値と中間調濃度基準値との比較を行って中間調濃度の補正量の決定を行う画像濃度補正手段を有する画像形成装置において、上記画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、各色の差分の絶対値での全色の総和が予め設定した絶対値総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行うことを特徴としている画像形成装置。
上記の発明によれば、画像濃度補正手段は、各色毎に今回の高濃度補正の結果と高濃度基準値とを比較し、各色の差分の絶対値での全色の総和が予め設定した絶対値総和差分基準値以上となったときにのみ引き続き中間調濃度の補正を行う。
このため、高濃度を一定に保つと同時に中間調濃度を自動補正することで画像全体の濃度を常に一定に保持することができる。
また、高濃度補正の補正量を各色の総和を行なう場合に、各色で補正結果が高濃度基準値に対して正方向と負方向とに異なるときでも、それぞれの高濃度基準値との差分の絶対値を総和することにより、多色カラー画像のカラーバランスが変化している時を正確に判断できる。
これにより、カラー全色を考慮して中間調濃度補正動作を有効かつ無駄無く行うことができるため、画質の向上を図りつつ濃度補正時間の短縮や濃度補正時のトナー消費の削減を図ることができる。