JP3947810B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成部の階調特性として、像担持体に照射して潜像を形成するために使用するレーザーの発光エネルギー(あるいは書込み値)に対するトナーの付着量、あるいは、感光体上の潜像電位、あるいは画像濃度を考える。これらの階調特性が、レーザーの発光エネルギーあるいは書込み値に比例せずに、あるエネルギー値を境に変化しなくなる(飽和する)特性を有する場合、下記に説明するように、ディザ・テーブルとの関係により、階調飛びなどの画像上の不具合が生じる場合がある。
一例として、階調処理手段であるディザ・テーブルの出力値が、8ビット出力(00h〜FFh値,16進数表示)の場合(一例である)を図43に示した。また、ディザを構成する各画素a00〜allの主走査および副走査方向の位置関係は、図44に示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ディザ・テーブルの後段にある画像形成部の階調特性が、図45(a)に示すように、0〜FFh値(16進数表示)でリニアになっておらずに、C0h(10進数表示で、191値/)以上の値での変化量が小さくなる(飽和する)場合には、ディザ・テーブルからの出力値C0h〜FFh(10進数表記で192値から255値)に対する、画像形成部の出力特性に変化が無いため、この出力値の範囲を使用するディザ・テーブルへの入力値(すなわちプリンタγテーブルの出力値)では、画像濃度が変化しなくなる。結果として、図46(b)に示すように階調性が失われたり、階調飛びが生じたりする不具合があった。
【0004】
本発明は、階調飛びの無い滑らかな画像を再現することが出来る画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理が行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に現像剤を付与して顕像化する現像手段とを有する画像形成装置において、前記画像形成装置の階調特性を検知する手段を有し、前記階調特性の変化の大きさが所定値以下となるレーザーの発光エネルギーに対する階調特性の飽和領域に対し、ディザを構成する各画素に対する発光エネルギーが、前記階調特性の飽和領域に対する発光エネルギーよりも低い場合には、当該画素に対する発光エネルギーを変化させるように前記階調処理手段のパラメータを変更することを特徴とするものである。
【0007】
また上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理が行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に現像剤を付与して顕像化する現像手段とを有する画像形成装置において、前記画像形成装置の階調特性を検知する手段を有し、前記階調特性が、予め記憶された設定値からのずれが所定値以上となる前記階調特性の飽和領域におけるレーザーの発光エネルギーあるいは書込み値に対し、ディザを構成する各画素に対する発光エネルギーが、前記階調特性の飽和領域に対する発光エネルギーよりも低い場合には、当該画素に対する発光エネルギーを変化させるように階調処理を行うことを特徴とするものである。
【0008】
また上記目的を達成するために、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、画像形成部の階調特性を検知する手段として、潜像を形成するために像担持体に照射するレーザーの発光エネルギーに対する、像担持体に担持されたトナー付着量を検知するトナー付着量検知手段を有し、前記検知されたトナー付着量の階調特性に基づいて前記階調処理手段のパラメータを変更することを特徴とするものである。
【0009】
また上記目的を達成するために、請求項4記載の発明は、画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理を行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて、像担持体上に潜像形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に、現像剤を付与して顕像化する現像手段と、当該画像形成装置の階調特性を検知する手段とを有し、前記検知した階調特性に基づいて、前記階調処理手段のパラメータを変更する画像形成装置において、前記検知した階調特性に基づいて、前記階調処理手段のパラメータを変更した後に、画像形成装置のキャリブレーションの実行が必要であることを使用者に報知することを特徴とするものである。
【0010】
また上記目的を達成するために、請求項5記載の発明は、画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理を行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて、像担持体上に潜像形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に、現像剤を付与して顕像化する現像手段と、当該画像形成装置の階調特性を検知する手段とを有し、前記検知した階調特性に基づいて、前記階調処理手段のパラメータを変更する画像形成装置において、画像形成装置のキャリブレーションの実行前に、前記検知した階調特性に基づいて、前記階調処理手段のパラメータを変更し、当該画像形成装置のキャリブレーション実行の際の階調処理の変更を選択可能とすることを特徴とするものである。
【0012】
請求項1および2に記載の発明では、ディザ・テーブルの設定値を、画像形成部の階調特性に応じて変更する。一例として、画像形成部の階調特性が、C0h〜FFhのレーザー書き込み値(あるいは発光エネルギー)で飽和する場合には、ディザ・テーブルの出力値で、C0h〜FFhの書き込み値を使用する前に、他の画素を使用するように、ディザ・テーブルを変更する。上記のようにディザ・テーブルを設定することにより、階調飛びのない滑らかな画像を再現する。
【0013】
請求項1に記載の発明では、画像形成部の階調特性を検知した結果、像担持体に照射する手段で、画像形成部の階調特性を検知する。画像形成部の階調特性は、潜像を形成するために感光体に照射するレーザーの発光エネルギー(あるいは書込み値)に対する、画像濃度、トナー付着量、潜像電位などの諸特性で表される。レーザーの発光エネルギーの変化に対する、これらの特性のいずれかの変化の大きさを求め、この変化の大きさが所定値以下となるレーザー発光エネルギー(あるいは書込み値)を発光エネルギーに対する飽和領域と判断する。ただし、レーザーの発光エネルギーが少ない領域での階調特性の飽和領域と、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域とでは異なる原因であるため、区別を行い、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域について飽和領域と判断する。レーザーの発光エネルギーが少ない領域では、たとえば、現像バイアス電圧あるいは現像開始電圧の影響によるものだからである。この飽和領域に相当する発光エネルギーを使用するまで、ディザを構成する画素に対する発光エネルギーを大きくした場合には、それより発光エネルギーが少ない画素のエネルギーを画像出力に応じて大きくする。これにより、階調飛びなどの無い、階調性が豊かな画像を形成する。
【0014】
請求項2に記載の発明では、画像形成部の階調特性を検知した結果、像担持体に照射する手段で、画像形成部の階調特性を検知する。画像形成部の階調特性は、潜像を形成するために感光体に照射するレーザーの発光エネルギー(あるいは書込み値)に対する、画像濃度、トナー付着量、潜像電位などの諸特性で表される。レーザーの発光エネルギーの変化に対する、これらの特性のいずれかの変化の大きさを求め、この変化の大きさが所定値以下となるレーザー発光エネルギー(あるいは書込み値)を発光エネルギーに対する飽和領域と判断する。ただし、レーザーの発光エネルギーが少ない領域での階調特性の飽和領域と、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域とでは異なる原因であるため、区別を行い、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域について飽和領域と判断する。レーザーの発光エネルギーが少ない領域では、たとえば、現像バイアス電圧あるいは現像開始電圧の影響によるものだからである。この飽和領域に相当する発光エネルギーを使用するまで、ディザを構成する画素に対する発光エネルギーを大きくした場合には、それより発光エネルギーが少ない画素のエネルギーを画像出力に応じて大きくする。これにより、階調飛びなどの無い、階調性が豊かな画像を形成する。
【0015】
請求項3に記載の発明では、ディザ・テーブルの設定値を、感光体に照射したレーザー光の発光エネルギーに対する、感光体あるいは転写ベルトなどの像担持体上のトナー付着量の階調特性によって変更する。一例として、階調補正テーブルで、C0h〜FFhの書き込み値(レーザーの発光エネルギーに相当する)で、レーザーの発光エネルギーに対するトナー付着量の特性が飽和する場合には、ディザの各画素に対する書込み値としてC0h〜FFhの書き込み値を使用する前に、ディザの他の画素の発光エネルギーを変化させるようにディザ・テーブルを変更する。このようにディザ・テーブルを設定することにより、階調飛びのない滑らかな画像を再現する。
【0016】
請求項4に記載の発明では、上記のように画像形成部の階調特性に応じてディザ変更を行った場合には、操作部にディザ処理を変更したことと、対処方法を使用者に報知する。対処方法としては、キャリブレーション(ACC:自動階調補正)の実行がある。こうすることによって、ディザ処理変更に起因した色味変化による不具合を事前に防ぐ。
【0017】
請求項5に記載の発明では、画像形成装置のキャリブレーション(自動階調補正:ACC)の際に、転写紙上に階調パターンを出力するが、そのキャリブレーションパターンは、画像形成装置の階調特性を検知した結果に基づいて変更したディザ処理で出力し、キャリブレーション(ACC)を実行する。画像形成装置の階調特性を検知した結果に基づいてディザ処理を変更したことにより、転写紙上に出力した画像の色味が変化しても、キャリブレーション(ACC)をそれに引き続いて実行することにより、ディザ変更による色味の変動を補正することができる。
【0018】
また請求項6に記載の発明では、画像形成装置のキャリブレーション実行の際の階調処理の変更を使用者により選択可能とする。これにより、必要に応じて、キャリブレーション処理の時間を短くして使用者がすぐに使用できるようにする。また、使用するまでの時間が長くても良い場合には、ディザ処理の変更を可能とし、キャリブレーション処理の時間を多少長くすることにより、階調性を滑らかにする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、画像形成装置である電子写真複写機(以下、単に複写機と言う)について説明する。まず、図2に示す機構図によって実施例の、複写機本体101の機構の概略を説明する。
【0020】
図2において、複写機本体101のほぼ中央部に配置された像担持体としてのφ120[mm]の有機感光体(OPC)ドラム102の周囲には、該感光体ドラム102の表面を帯電する帯電チャージャー103、一様帯電された感光体ドラム102の表面上に半導体レーザ光を照射して静電潜像を形成するレーザ光学系104、静電潜像に各色トナーを供給して現像し、各色毎にトナー像を得る黒B現像装置105及びイエローY、マゼンタM,シアンCの3つのカラー現像装置106、107、108、感光体ドラム102上に形成された各色毎のトナー像を順次転写する中間転写ベルト109、上記中間転写ベルト109に転写電圧を印加するバイアスローラ110、転写後の感光体ドラム102の表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置111、転写後の感光体ドラム102の表面に残留する電荷を除去する除電部112などが順次配列されている。また、上記中間転写ベルト109には、転写されたトナー像を転写材に転写する電圧を印加するための転写バイアスローラ113及び転写材に転写後に残留したトナー像をクリーニングするためのベルトクリーニング装置114が配設されている。
【0021】
中間転写ベルト109から剥離された転写材を搬送する搬送ベルト115の出口側端部には、トナー像を加熱及び加圧して定着させる定着装置116が配置されているとともに、この定着装置116の出口部には、排紙トレイ117が取り付けられている。
【0022】
レーザ光学系104の上部には、複写機本体101の上部に配置された原稿載置台としてのコンタクトガラス118、このコンタクトガラス118上の原稿に走査光を照射する露光ランプ119、反射ミラー121、結像レンズ122、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device )のイメージセンサアレイ123がそれぞれ配備されている。そして、画像形成の際には、原稿からの反射光を反射ミラー121によって結像レンズ122に導き、イメージセンサアレイ123に入光させる。このイメージセンサアレイ123で電気信号に変換された画像信号は、図示しない画像処理装置を経て、レーザ光学系104中の半導体レーザのレーザ発振を制御する。符号201Bは黒現像剤用現像器の現像スリーブであり、符号201C,201M,201Yはそれぞれはシアン、マゼンタ、イエロー現像剤用現像器の現像スリーブである。符号202はトナー(現像剤)の攪拌部材である。
【0023】
次に、上記複写機に内蔵される制御系を説明する。図3に示したように制御系はメイン制御部(CPU)130を備え、このメイン制御部130に対して所定のROM131及びRAM132が付設されているとともに、上記メイン制御部130には、インターフェースI/O133を介してレーザ光学系制御部134、電源回路135、光学センサー136(a〜c)、トナー濃度センサー137、環境センサー138、感光体表面電位センサー139、トナー補給回路140、中間転写ベルト駆動部141、操作部142、がそれぞれ接続されている。上記レーザ光学系制御部134は、前記レーザ光学系104のレーザ出力を調整するものであり、また上記電源回路135は、前記帯電チャージャー103に対して所定の帯電用放電電圧を与えると共に、現像装置105、106、107、108に対して所定電圧の現像バイアスを与え、かつ前記バイアスローラ110および転写バイアスローラ113に対して所定の転写電圧を与えるものである。
【0024】
なお、光学センサー136(a〜c)は、それぞれ感光体102に対向させてある。すなわち、光学センサー136としては、感光体102上のトナー付着量を検知するための光学センサー136aと、転写ベルト109に対向させ、転写ベルト109上のトナー付着量を検知するための光学センサー136bと、搬送ベルト115に対向させ、搬送ベルト115上のトナー付着量を検知するための光学センサー136とが設けられている。なお、実用上は光学センサー136a〜cのうち、いずれか1カ所を検知すれば良い。図3において符号202Mはマゼンタ現像剤用現像器の剤攪拌部材、符号301は電流検知回路である。
【0025】
光学センサー136は、前記感光体ドラム102の転写後の領域に近接配置される発光ダイオードなどの発光素子とフォトセンサーなどの受光素子とからなり、感光体ドラム102上に形成される検知パターン潜像のトナー像におけるトナー付着量及び地肌部におけるトナー付着量が各色毎にそれぞれ検知されるとともに、感光体除電後のいわゆる残留電位が検知されるようになっている。
【0026】
この光電センサー136からの検知出力信号は、図示を省略した光電センサー制御部に印加されている。光電センサー制御部は、検知パターントナー像に於けるトナー付着量と地肌部におけるトナー付着量との比率を求め、その比率値を基準値と比較して画像濃度の変動を検知し、トナー濃度センサー137の制御値の補正を行なっている。
【0027】
更に、トナー濃度センサー137は、現像装置105から108には、現像装置105から108内に存在する現像剤の透磁率変化に基づいてトナー濃度を検知する。トナー濃度センサー137は、検知されたトナー濃度値を基準値と比較し、トナー濃度が一定値を下回ってトナー不足状態になった場合に、その不足分に対応した大きさのトナー補給信号をトナー補給回路140に印加する機能を備えている。電位センサー139は、像担持体である感光体102の表面電位を検知し、中間転写ベルト駆動部141は、中間転写ベルトの駆動を制御する。
【0028】
黒現像器105内に黒トナーとキャリアを含む現像剤が収容されていて、これは、剤撹拌部材202の回転によって撹拌され、現像スリーブ201B上で、現像剤規制部材によってスリーブ上に汲み上げられる現像剤量を調整する。この供給された現像剤は、現像スリーブ201B上に磁気的に担持されつつ、磁気ブラシとして現像スリーブ201Bの回転方向に回転する。
【0029】
次に、図1のブロック図に基づいて、画像処理部を説明する。図において、420はスキャナ、401はシェーディング補正回路、423はエリア処理回路、402はスキャナーγ変換回路、403は画像メモリ、404は画像分離回路、405はMTFフィルター、406は色変換UCR処理回路、407は変倍回路、408は画像加工(クリエイト)回路、409は画像処理用プリンタγ変換回路、410は階調処理回路、411はインターフェースI/F・セレクタ、412は画像形成部用プリンタγ(以後プロコンγと呼ぶ)変換回路、413はプリンタ、414はROM、415はCPU、416はRAM、417はシステムコントローラ、418は外部コンピュータ、419はプリンターコントローラ、421、422はそれぞれパターン発生回路である。
【0030】
複写すべき原稿は、カラースキャナ420によりR、G、Bに色分解されて一例として10ビット信号で読み取られる。読みとられた画像信号は、シェーディング補正回路401により、主走査方向のムラが補正され、10ビット信号で出力される。
【0031】
エリア処理423では、現在処理を行っている画像データが原稿内のどの領域に属するかを区別するための領域信号を発生させる。この回路で発生された領域信号により、後段の画像処理部で用いるパラメータを切り替える。これらの領域は、指定領域毎に、文字、銀塩写真(印画紙)、印刷原稿、インクジェット、蛍光ペン、地図、熱転写原稿など、それぞれの原稿に最適な色補正係数、空間フィルター、階調変換テーブルなどの画像処理パラメータをそれぞれ画像領域に応じて設定することができる。
【0032】
スキャナーγ変換回路402では、スキャナからの読み取り信号が反射率データから明度データに変換される。画像メモリ403はスキャナーγ変換後の画像信号を記憶する。画像分離回路404では、文字部と写真部の判定、及び有彩色・無彩色判定を行う。
【0033】
MTFフィルター405では、シャープな画像やソフトな画像など、使用者の好みに応じてエッジ強調や平滑化等、画像信号の周波数特性を変更する処理に加えて、画像信号のエッジ度に応じたエッジ強調処理(適応エッジ強調処理)を行う。例えば、文字エッジにはエッジ強調を行い、網点画像にはエッジ強調を行わないという所謂適応エッジ強調をR、G、B信号それぞれに対して行う。
【0034】
図5に適応エッジ強調回路の例を示す。スキャナーγ変換402によって反射率リニアから明度リニアに変換された画像信号は、平滑化フィルタ回路1101によって平滑化を行う。一例として、以下の表1に示す係数を使用する。
【0035】
【表1】
Figure 0003947810
【0036】
次段の3×3のラプラシアンフィルタ1102によって画像データの微分成分が抽出される。ラプラシアンフィルタの具体例は、表2に示す通りである。
【0037】
【表2】
Figure 0003947810
【0038】
スキャナーγ変換によるγ変換をされない10ビットの画像信号のうち、上位8ビット(一例である)成分が、エッジ量検出フィルタ1103により、エッジ検出がなされる。エッジ量検出フィルタの具体例を表3ないし表4ないし表6に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0003947810
【0040】
【表4】
Figure 0003947810
【0041】
【表5】
Figure 0003947810
【0042】
【表6】
Figure 0003947810
【0043】
上記の表3〜表6のエッジ検出フィルタにより得られたエッジ量のうち、最大値がエッジ度として後段で使用される。エッジ度は、必要に応じて後段の平滑化フィルタ1104により平滑化される。これにより、スキャナーの偶数画素と奇数画素の感度差の影響を軽減する。一例として表7に示す係数を使用する。
【0044】
【表7】
Figure 0003947810
【0045】
テーブル変換回路1105により、求められたエッジ度をテーブル変換する。このテーブルの値により、線や点の濃さ(コントラスト、濃度を含む)および網点部の滑らかさを指定する。テーブルの例を図15に示す。エッジ度は、白地に黒い線や点などで最も大きくなり、印刷の細かい網点や、銀塩写真や熱転写原稿などのように画素の境界が滑らかなものになるほど小さくなる。テーブル変換回路1105によって変換されたエッジ度(画像信号C)と、ラプラシアンフィルタ1102の出力値(画像信号B)との積(画像信号D)が、平滑処理後の画像信号(画像信号A)に加算され、画像信号Eとして後段の画像処理回路に伝達される。
【0046】
色変換UCR処理回路406では、入力系の色分解特性と出力系の色材の分光特性の違いを補正し、忠実な色再現に必要な色材YMCの量を計算する色補正処理部と、YMCの3色が重なる部分をBk(ブラック)に置き換えるためのUCR処理部とからなる。色補正処理は下記数式1のようなマトリクス演算をすることにより実現できる。
【0047】
【数1】
Figure 0003947810
【0048】
ここで、R,G,Bは、R,G,Bの補数を示す。マトリクス係数aijは入力系と出力系(色材)の分光特性によって決まる。ここでは、1次マスキング方程式を例に挙げたが、B2,BGのような2次項、あるいはさらに高次の項を用いることにより、より精度良く色補正することができる。また、色相によって演算式を変えたり、ノイゲバウアー方程式を用いるようにしても良い。何れの方法にしても、Y,M,CはB,G,R(またはB,G,Rでもよい)の値から求めることができる。
【0049】
一方、UCR処理は、下記の数式2を用いて演算することにより行うことができる。
【0050】
【数2】
Figure 0003947810
【0051】
この数式2において、αはUCRの量を決める係数で、α=1の時100%UCR処理となる。αは一定値でも良い。例えば、高濃度部では、αは1に近く、ハイライト部(低画像濃度部)では、0に近くすることにより、ハイライト部での画像を滑らかにすることができる。変倍回路407は、縦横変倍が行われ、画像加工(クリエイト)回路408は、リピート処理などが行われる。プリンターγ回路409で、文字、写真などの画質モードに応じて、画像信号の補正が行われる。また、地肌飛ばしなども同時に行うこともできる。プリンターγ補正回路409は、前述したエリア処理回路423が発生した領域信号に対応して切り替え可能な複数本(一例として10本)の階調変換テーブルを有する。この階調変換テーブルは、文字、銀塩写真(印画紙)、印刷原稿、インクジェット、蛍光ペン、地図、熱転写原稿など、それぞれの原稿に最適な階調変換テーブルを複数の画像処理パラメータの中から選択することができる。
【0052】
階調処理回路410はでディザ処理が行われる。階調処理回路の出力は、画素周波数を1/2に下げるために、2画素分のデータを同時にプリンター部に転送することができるように、画像データバスは、16ビットの幅(8ビットの画像データの2本分)を有する。インターフェースI/F・セレクタ411は、スキャナーで読み込んだ画像データを外部の画像処理装置などで処理するために、出力したり、外部のホストコンピューターやあるいは画像処理装置からの画像データをプリンタ413で出力するための切り替え機能を有する。
【0053】
画像形成用プリンタγ(プロコンγ)補正回路412は、インターフェース411からの画像信号を階調変換テーブルで変換し、後述するレーザー変調回路に出力する。インターフェース411、画像形成用プリンタγ412、プリンタ413及びコントローラ417でプリンター部は構成され、スキャナー・IPUとは独立しても使用可能である。ホストコンピューター418からの画像信号はプリンターコントローラ419を通してインターフェース411に入力され、画像形成用プリンタγ補正回路412により階調変換され、プリンタ413により画像形成が行われることにより、プリンターとして使用できる。
【0054】
以上の画像処理回路はCPU415により制御される。CPU415は、ROM414とRAM416とBUSで接続されている。また、CPU415はシリアルI/Fを通じて、システムコントローラー417と接続されており、図示しない操作部などからのコマンドが、システムコントローラ417を通じて送信される。送信された画質モード、濃度情報及び領域情報等に基づいて上述したそれぞれの画像処理回路に各種パラメータが設定される。パターン発生回路421,422はそれぞれ画像処理部、画像形成部で使用する階調パターンを発生させる。
【0055】
図6において、原稿上の指定されたエリア情報と画像読み取り時の読み取り位置情報とを比較し、エリア処理回路423からエリア信号を発生される。エリア信号に基づいて、スキャナーγ変換回路402、MTFフィルター回路405、色変換UCR回路406、画像加工408、画像処理用プリンタγ補正回路409、階調処理回路410で使用するパラメータを変更する。図6では、特に、画像処理用プリンタγ補正回路409,階調処理回路410を図示した。
【0056】
画像処理用プリンタγ補正回路409内では、エリア処理回路430からのエリア信号をデコーダ1でデコードし、セレクタ1により文字、インクジェットなどの複数の階調変換テーブルの中から選択する。図6の原稿の例では、文字の領域0と、印画紙の領域1と、インクジェットの領域2が存在する例を図示している。文字の領域0に対しては、文字用の階調変換テーブル1、印画紙の領域1に対しては、印画紙用の階調変換テーブル3、インクジェットの領域2に対しては、インクジェット用の階調変換テーブル2がそれぞれ一例として選択される。
【0057】
画像処理用プリンタγ補正回路409で階調変換された画像信号は、階調処理回路410の中で再びエリア信号に対応させてデコーダ2によってデコードされた信号に基づいて、セレクタ2により、使用する階調処理を切り替える。使用可能な階調処理としては、ディザを使用しない処理、ディザを行った処理、誤差拡散処理などを行う。誤差拡散処理は、インクジェット原稿に対して行う。
【0058】
階調処理後の画像信号は、デコーダ3により、読み取り位置情報に基づいてライン1であるか、またはライン2であるかを選択する。ライン1及びライン2は副走査方向に1画素異なる毎に切り替えられる。ライン1のデータはセレクタ3の下流に位置するFIFO(First In First Out)メモリに一時的に蓄えられ、ライン1とライン2のデータが出力される。これにより、画素周波数を1/2に下げてI/Fセレクタ411に入力させることができる。
【0059】
レーザー変調回路のブロック図を図4に示す。書き込み周波数は、18.6[MHz]であり、1画素の走査時間は、53.8[nsec]である。8ビットの画像データはルックアップテーブル(LUT)451でγ変換を行うことができる。パルス幅変調回路(PWM)452で8ビットの画像信号の上位3ビットの信号に基づいて8値のパルス幅に変換され、パワー変調回路(PM)453で下位5ビットで32値のパワー変調が行われ、レーザーダイオード(LD)454が変調された信号に基づいて発光する。フォトディテクタ(PD)455で発光強度をモニターし、1ドット毎に補正を行う。
【0060】
レーザー光の強度の最大値は、画像信号とは独立に、8ビット(256段階)に可変できる。1画素の大きさに対し、主走査方向のビーム径(これは、静止時のビームの強度が最大値に対し、1/e2 に減衰するときの幅として定義される)は、600DPIでは、1画素42.3[μm]では、ビーム径は主走査方向50[μm]、副走査方向60[μm]が使用される。図6のライン1、ライン2の画像データのそれぞれに対応して、上記のレーザー変調回路が用意されている。ライン1及びライン2の画像データは、同期しており、感光体上を主走査方向に並行して走査する。
【0061】
画像読み取り系のブロック図を図7に基づいて説明する。原稿は、図8の露光ランプにより照射され、反射光は、CCD(Charge Coupled Device )5401のRGBフィルターにより色分解されて読みとられ、増幅回路5402により所定レベルに増幅される。CCDドライバー5409は、CCDを駆動するためのパルス信号を供給する。CCDドライバー5409を駆動するために必要なパルス源は、パルスジェネレータ5410で生成され、パルスジェネレータ5410は、水晶発振子などからなるクロックジェネレータ5411を基準信号とする。パルスジェネレータ5410は、サンプルホールド(S/H)回路5403がCCD5401からの信号をサンプルホールドするための必要なタイミングを供給する。
【0062】
S/H回路5403によりサンプルホールドされたアナログカラー画像信号は、A/D変換回路5404で8ビット信号(一例である)にデジタル化される。黒補正回路5405は、CCDのチップ間、画素間の黒レベル(光量が少ない場合の電気信号)のばらつきを低減し、画像の黒部にスジやムラを生じることを防ぐ。シェーディング補正回路5406は、白レベル(光量が多い場合の電気信号)を補正する。白レベルは、スキャナーを均一な白色版の位置に移動して照射した時の白色データに基づき、照射系、光学系やCCD5401の感度ばらつきを補正する。図34に白補正・黒補正の画像信号の概念図を示した。
【0063】
シェーディング補正回路5406からの信号は、画像処理部5407により処理され、プリンター412で出力される。上記回路は、CPU5414により制御され、ROM5413及びRAM5415に制御に必要なデータを記憶する。CPU5414は、画像形成装置全体の制御を行うシステムコントローラ419とシリアルI/Fにより通信を行っている。CPU5414は、図示しないスキャナー駆動装置を制御し、スキャナーの駆動制御を行う。
【0064】
増幅回路5402の増幅量は、ある特定の原稿濃度に対して、A/D変換回路5404の出力値が所望の値になるように決定する。一例として、通常のコピー時に原稿濃度が、0.05 (反射率で0.891)のものを8ビット信号値で240値として得られるようにする。一方、シェーディング補正時には、増幅率を下げてシェーディング補正の感度を上げる。その理由は、通常のコピー時の増幅率では、反射光が多い場合には、8ビット信号で255値を超える大きさの画像信号となると、255値に飽和してしまい、シェーディング補正に誤差が生じるためである。
【0065】
図35は、増幅回路5402で増幅された画像の読み取り信号がS/H回路5403でサンプルホールドされる模式図を示す。横軸は増幅後のアナログ画像信号がS/H回路5403を通過する時間で、縦軸は増幅後のアナログ信号の大きさを表す。所定のサンプルホールド時間5501でアナログ信号がサンプルホールドされて、A/D変換回路5404に信号が送られる。図は前述した白レベルを読みとった画像信号で、増幅後の画像信号は、コピー時は、一例として、A/D変換後の値として240値、白補正時は、180値とした増幅後の画像信号の例である。
【0066】
AC現像バイアス条件のうち、AC成分の周波数Vf,AC成分のpeak−to−peak電圧Vppあるいは、ディーティー比などを変更すると、現像部においてトナーを感光体に付着させる際の特性が変化する。
【0067】
図12に示したのは、潜像電位(現像ポテンシャル)に対するトナー付着特性である。この特性は、現像剤の特性の変化によっても変化するが、現像バイアス条件(VppやVfなど)を変化させることによっても、トナー付着量の傾きが変化する。図12のa)は、現像ポテンシャル0に対して付着量が0ではないが、このような場合、非画像部にトナーが付着する(“地肌汚れ”あるいは“かぶり”と呼ばれる)現象や、あるいは、現像ポテンシャルΔV1に対し、トナー付着量M1を望ましい付着量とした場合、a)の特性では、トナー付着量が不足し、画像濃度が低い、などといった問題が生じ、望ましい画像を得られない。それを防ぐために、b)の条件のように、現像バイアス条件を変更し、地肌汚れの発生の防止や、必要とするトナー付着量を得て画像濃度を上げる。
【0068】
図13、図14は、潜像とトナー付着の模式図である。図13は、感光体上に形成された四角いパッチの潜像の模式図で、各○印は、レーザーが照射された潜像の深さ(ポテンシャル)を表す。現像バイアスの周波数Vfやpeak−to−peak電圧Vppが適正値よりも高い状態では、図14のようなトナー付着状態が得られる。白部は非画像域、斜線部は画像域として、潜像は画像域が均一なトナー付着状態にあることを要求しているが、実際には、中央部に対して、周辺部のトナー付着が低くなった状態に現像される。
【0069】
画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)の機能を選択するための操作画面について説明する。操作部(図16)の液晶画面において、自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)ACCメニューを呼び出すと、図17の画面が表示される。コピー使用時、あるいはプリンター使用時用の自動階調補正の[実行]を選択すると、図18の画面が表示される。コピー使用時を選択した場合には、コピー使用時に使用する階調補正テーブルが、プリンター使用時を選択するとプリンター使用時の階調補正テーブルが参照データに基づいて変更される。変更後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が、望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元に戻す]キーが図17の画面中に表示されている。
【0070】
図17の画面中の、上記とは別の項目について説明する。“光量ムラの検知”の“実行”を選択すると光量ムラの検知を実行する。“自動階調補正の設定”を選択すると、後述する“地肌の補正”、“高濃度部の補正”、“RGB比の補正”、“光量ムラの補正”の“実行”または“非実行”を選択することができる。“自動階調補正の設定”メニューでは、“自動階調補正の設定”と“光量ムラ検知の設定”を選択することができる。“自動階調補正の設定”を選択すると操作部画面に図19が表示され(図20も同様の画面である)、自動階調補正を実行する際の各種の補正の“実行”、“非実行”を選択することができる。なお、これらの選択は必ずしも必要ではなく、常に“実行”としてもよい。
【0071】
次に、画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)の動作を図22のフローチャートに基づいて説明する。図17の画面で、コピー使用時、あるいはプリンター使用時用の自動階調補正の[実行]を選択すると、図18の画面が表示される。図18の画面中の印刷スタートキーを押し下げると、図21に示すような、YMCK各色、及び文字、写真の各画質モードに対応した、複数の濃度階調パターンを転写材上に形成する (step1) 。
【0072】
この濃度階調パターンは、あらかじめIPUのROM中に記憶・設定がなされている。パターンの書込み値は、16進数表示で、00h, 11h,22h, …, EEh,FFhの16パターンである。図では、地肌部を除いて5階調分のパッチを表示しているが、00h−FFhの8ビット信号の内、任意の値を選択することができる。文字モードでは、パターン処理などのディザ処理を行わず、1ドット256階調でパターンが形成され、写真モードでは、後述するディザ処理が行われる。
【0073】
転写材にパターンが出力された後、転写材を原稿台118上に載置するように、操作画面上には、図19の画面が表示される。画面の指示に従い、パターンが形成された転写材を原稿台に載置して(step2) 、図19の画面で“読み取りスタート”を選択するか、または“キャンセル”を選択する(step3) 。“キャンセル”を選択した場合には終了し(step4) 、“読み取りスタート”を選択すると、スキャナーが走行し、YMCK濃度パターンのRGBデータを読み取る(step5) 。この際、パターン部のデータと転写材の地肌部のデータを読み取る。パターン部のデータが正常に読み取られたかの判断を行う(step6) 。正常に読み取られない場合には、再び図16の画面が表示される。2回正常に読み取られない場合には処理を終了する(step7) 。
【0074】
同様に、地肌データを用いた処理の“実行”・“非実行”を図29の画面で選択された結果により判断する(step12)。地肌データを用いた処理の“実行”が選択されていた場合には、読み取りデータに対する地肌データ処理を行う(step13)。更に、参照データの高画像濃度部の補正の“実行”・“非実行”を図17の画面で選択された結果により判断する(step14)。参照データの高画像濃度部の補正の“実行”が選択されていた場合には、参照データに対する高画像濃度部の処理を行う(step15)。YMCK階調補正テーブルの作成・選択を行う(step16)。上記の処理をYMCKの各色について行う(step17)。上記の処理を写真、文字の各画質モード毎に行う(step18)。処理中には、操作画面には図19の画面が表示される。処理終了後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が、望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元に戻す]キーが図17の画面中に表示されている。
【0075】
地肌の補正について説明する。地肌の補正の処理の目的として2つある。1つは、ACC時に使用される転写材の白色度を補正することである。これは、同一の機械に、同じ時に画像を形成しても、使用する転写材の白色度によって、スキャナーで読み取られる値が異なるためである。これは補正しない場合のデメリットとしては、例えば、白色度が低い、再生紙などをこのACCに用いた場合、再生紙は一般にイエロー成分が多いために、イエローの階調補正テーブルを作成した場合に、イエロー成分が少なくなるように補正する。この状態で、次に、白色度が高いアート紙などでコピーをした場合に、イエロー成分が少ない画像となって望ましい色再現が得られない場合がある。
【0076】
もう一つの理由としては、ACC時に用いた転写紙の厚さ(紙厚)が薄い場合には、転写材を押さえつける圧板などの色が、透けてスキャナーに読み取られてしまう。例えば、圧板の代わりにADF(Auto Document Feeder) と呼ばれる原稿自動送り装置を装着している場合には、原稿の搬送用にベルトを用いているが、これには、使用しているゴム系の材質により白色度が低く、若干の灰色味がある。そのため、読み取られた画像信号も、見かけ上、全体に高くなった画像信号として読み取られるために、YMCK階調補正テーブルを作成する際に、その分薄くなるように作成する。この状態で、今度は紙厚が厚く、光透過性が悪い転写紙を用いた場合には、全体の濃度が薄い画像として再現されるため、必ずしも望ましい画像が得られない。
【0077】
上記のような不具合を防ぐために、紙の地肌部の読み取り画像信号から紙の地肌部の画像信号により、パターン部の読み取り画像信号の補正を行っている。しかし、上記の補正を行わない場合にもメリットがあり、常に再生紙のように、イエロー成分が多い転写紙を用いる場合には、補正をしない方がイエロー成分が入った色に対しては色再現が良くなることがありうる。また、常に、紙厚の薄い転写紙のみしか用いない場合には、薄い紙に合わせた状態に階調補正テーブルが作成されるというメリットがある。上記のように、使用者の状況と好みとに応じて、地肌部補正のON/OFFを行うことができる。
【0078】
転写紙上に形成した階調パターン(図31)の書込み値をLD[i](i=0,1,…,9)、形成されたパターンのスキャナーでの読み取り値をベクトル型式でv[t][i]≡(r[t][i],g[t][i], b[t][i])(t=Y,M,C,orK,i=0,1,…,9) とする。
(r,g,b) の代わりに、明度、彩度、色相角(L*,c*,h*),あるいは、明度、赤み、青み(L*,a*,b*)などで表しても良い。
【0079】
あらかじめROM416またはRAM417中に記憶してある、基準となる白の読み取り値を(r[W],g[W],b[W]) とする。ACC実行時における、γ変換処理部410で行われる階調変換テーブル(LUT)の生成方法について説明する。
パターンの読み取り値v[t][i]≡(r[t][i],g[t][i], b[t][i])において、YMCトナーの各補色の画像信号はそれぞれb[t][i],g[t][i], r[t][i]であるので、それぞれの補色の画像信号のみを用いる。ここでは、後の記載を簡単にするために、a[t][i](i=0,1,2,…,9;t=C,M,Y,orK)を用いて表す。階調変換テーブルを作成すると処理が簡単である。なお、ブラックトナーについては、RGBのいずれの画像信号を用いても十分な精度が得られるが、ここでは、G(グリーン)成分を用いる。
【0080】
参照データは、スキャナーの読み取り値v0[t][i]≡(r0[t][i],g0[t][i], b0[t][i]) 及び対応するレーザーの書込み値LD[i](i=1,2,…,m) の組によって与えられる。同様に、YMCの補色画像信号のみを用いて、後の記載を簡単にするために、
A[t][n[i]](0≦n[i]≦255;i=1,2,…,m;t=Y,M,C,orK)と表す。mは参照データの数である。
機差補正値の一例を表8に示す。
【0081】
【表8】
Figure 0003947810
【0082】
表8の値は、Black(G),Cyan(R),Magenta(G),Yellow(B)のそれぞれのトナーに対応する補正値で、() 内は、自動階調補正の時に使用するスキャナーのRed(R),Green(G),Blue(B)の信号を示す。それぞれの色のトナーに対し、k(0)、k(1023)は、参照データ値0及び参照データ値1023(10ビット信号)に対する補正値を表す。補正後の参照データの値をA1[t][n[i]]として用いて、参照データA[t][n[i]]を下記数式3のように補正する。
【0083】
【数3】
Figure 0003947810
【0084】
上記の関数を図に表した例を図23に示した。表8の補正値は、製造時に設定され、機械内に保持されている。また、操作部の液晶画面の表示(図24)により、設定することが可能である。なお、以下では、数式3のA1[t][n[i]]を、新たにA[t][n[i]]として使用する。
【0085】
YMCK階調変換テーブルは、前述したa[LD]とROM416中に記憶されている参照データA[n]とを比較することによって得られる。ここで、nは、YMCK階調変換テーブルへの入力値で、参照データA[n]は、入力値 nをYMCK階調変換した後のレーザー書込み値LD[i]で出力したYMCトナー・パターンを、スキャナーで読み取った読み取り画像信号の目標値である。ここで、参照データは、プリンターの出力可能な画像濃度に応じて補正を行う参照値A[n]と補正を行わない参照値A[n]との2種類の値とからなる。補正を行うかどうかの判断は、予めROMまたはRAM中に記憶されている、後述する判断用のデータにより判断される。この補正についての後述する。
【0086】
前述したa[LD]から、A[n]に対応するLDを求めることにより、YMCK階調変換テーブルへの入力値nに対応するレーザー出力値LD[n]を求める。これを、入力値i=0,1,…,255(8bit信号の場合)に対して求めることにより、階調変換テーブルを求めることができる。その際、YMCK階調変換テーブルに対する入力値n=00h,01h,…, FFh(16進数)に対するすべての値に対して、上記の処理を行う代わりに、ni=0,11h,22h,…, FFhのようなとびとびの値について上記の処理を行い、それ以外の点については、スプライン関数などで補間を行うか、あるいは、予めROM416中に記憶されているYMCKγ補正テーブルの内、上記の処理で求めた(0,LD[0]),(11h,LD[11h]),(22h,LD[22h]),…, (FFh,LD[FFh])の組を通る、最も近いテーブルを選択する。
【0087】
上記の処理を図25に基づいて説明すると、図の第1象限(a)の横軸は、YMCK階調変換テーブルへの入力値n、縦軸は、スキャナーの読み取り値(処理後)で、前述した参照データA[i]を表す。スキャナーの読み取り値(処理後)は、階調パターンをスキャナーで読み取った値に対し、RGBγ変換(ここでは変換を行っていない)、階調パターン内の数ヶ所の読み取りデータの平均処理及び加算処理後の値であり、演算精度向上のために、ここでは、12ビットデータ信号として処理する。
【0088】
図の第2象限(b)の横軸は、縦軸と同じく、スキャナーの読み取り値(処理後)を表す。第3象限(c)の縦軸は、レーザー光(LD)の書込み値を表す。このデータa[LD]は、プリンター部の特性を表す。また、実際に形成するパターンのLDの書込み値は、00h(地肌),11h, 22h,…, EEh,FFhの16点であり、飛び飛びの値を示すが、ここでは、検知点の間を補間し、連続的なグラフとして扱う。第4象限のグラフ(d)は、YMCK階調変換テーブルLD[i]で、このテーブルを求めることが目的である。グラフ(f)の縦軸・横軸は、グラフ(d)の縦軸・横軸と同じである。検知用の階調パターンを形成する場合には、グラフ(f)に示したYMCK階調変換テーブル(g)を用いる。グラフ(e)の横軸は、第3象現(c)と同じであり、階調パターン作成時のLDの書込み値と階調パターンのスキャナーの読み取り値(処理後)との関係を表すための、便宜上の線形変換を表す。ある入力値nに対して参照データA[n]が求められ、A[n]を得るためのLD出力LD[n]を階調パターンの読み取り値a[LD]を用いて、図中の矢印(1)に沿って求める。
【0089】
演算手順を図26のフローチャートに基づいて説明する。
(step101)
YMCKγ補正テーブルを求めるために必要な入力値を決める。
ここでは、n[i]=11(h)×i(i=0,1,…,imax=15) とした。
(step102)
機差補正を行う。この処理は前述した通りである。
(step103)
参照データA[n]について、プリンターの出力可能な画像濃度に応じて補正を行う。
【0090】
プリンター部で作成可能な最大画像濃度を得られるレーザーの書込み値を、FFh(16進数表示)であるとし、この時のパターンの読み取り値m[FFh]をmmaxとする。低画像濃度側から中間画像濃度側にかけて補正を行わない参照データA[i](i=0,1,…, i1)、高画像濃度側の補正を行わない参照データA[i](i=i2+1,…, imax−1)(i1≦i2, i2≦imax−1)、補正を行う参照データA[i](i=i1+1, …, i2)とする。
【0091】
以下では、RGB−γ変換を行わない、原稿反射率に比例した画像信号として仮定して、具体的な計算方法を述べる。補正を行わない参照データの内、高画像濃度部の最も画像濃度が低い参照データA[i2+1]と、低画像濃度部の最も画像濃度が低い参照データA[i1]とから、そのデータの差Δrefを下記数式4により求める。
【0092】
【数4】
Figure 0003947810
【0093】
ここで、反転処理であるRGB−γ変換を行わない反射率リニアあるいは明度リニアの場合には、Δref>0である。一方、プリンター部で作成可能な最大画像濃度を得られるパターンの読み取り値mmaxから下記数式5により、同様に差Δdetを求める。
【0094】
【数5】
Figure 0003947810
【0095】
これにより、高濃度部の補正を行った参照データA[i](i=i1+1,…, i2) を、下記数式6、すなわち
【0096】
【数6】
Figure 0003947810
【0097】
のとおりとする。
(step104)
n[i]に対応するスキャナーの読み取り画像信号m[i]を参照データA[n]から求める。
【0098】
実際には、飛び飛びのn[j]に対応する参照データA[n[j]](0≦n[j]≦255, j=0,1,…jmax、n[j]≦n[k]for j≦k) を次のようにする:
n[j]≦n[i]<n[j+1]となるj(0≦j≦jmax)を求める。8bit画像信号の場合、n[0]=0, n[jmax]=255、n[jmax+1]=n[jmax]+1、A[jmax+1]=A[jmax]として参照データを求めておくと計算が簡単になる。また、参照データの間隔は、n[j]はできるだけ小さい間隔である方が、最終的に求めるγ補正テーブルの精度が高くなる。
(step105)
上記のようにして求めたjから、m[i]を次の数式7から求める。
【0099】
【数7】
Figure 0003947810
【0100】
ここでは、一次式により補間したが、高次関数やスプライン関数などで補間を行っても良い。その場合には、m[i]=f(n[i]) とする。k次関数の場合には次の数式8、すなわち
【0101】
【数8】
Figure 0003947810
【0102】
などとする。
(step106)
m[i]を得るためのLDの書込み値LD[i]を、上記と同様な手順によって求める。RGBγ変換を行っていない画像信号データを処理する場合には、LDの値が大きくなるのに応じて、a[LD]が小さくなる。すなわち、
LD[k]<LD[k+1]に対して、
a[LD[k]]≧a[LD[k+1]]
となる。
ここで、パターン形成時の値をLD[k]=00h,11h,22h,…,66h,88h,AAh,FFh,(k=0,1,…,9) の10値とした。これは、トナー付着量が少ない画像濃度では、トナー付着量に対するスキャナーの読み取り値の変化が大きいため、パターンの書込み値LD[k]の間隔を密にし、トナー付着量が多い画像濃度では、トナー付着量に対するスキャナーの読み取り値の変化が小さいために、間隔を広げて読み込む。
【0103】
これによるメリットとしては、LD[k]=00h,11h,22h,…,EEh,FFh(計16点)などとパターンの数を増やす場合に比べて、トナー消費を抑えられること、また、高画像濃度領域では、LD書込み値に対する変化が少ないこと、感光体上の電位ムラ、トナーの付着ムラ、定着ムラ、電位ムラなどの影響で、読み取り値が逆転したりしやすい為、LD書込み値の間隔を狭めても必ずしも精度の向上に有効ではないことなどから、上記のようなLD書込み値でパターンを形成した。
a[LD[k]]≧m[i]>a[LD[k+1]]となるLD[k]に対して、
LD[i]=LD[k]+(LD[k+1]−LD[k])・(m[i]−a[LD[k]])/(a[LD[k+1]]−a[LD[k]])
とする。
0≦k≦kmax(kmax>0) としたとき、a[LD[kmax]]>m[i]の場合(参照データから求めた目標値の画像濃度が高い場合)には、
LD[i]=LD[k]+(LD[kmax]−LD[kmax−1])・(m[i]−a[LD[kmax−1]]) /(a[LD[kmax]]−a[LD[kmax−1]])
として、1次式で外挿を行うことによって予測する。
これにより、YMCKγ補正テーブルへの入力値n[i]と出力値LD[i]の組(n[i], LD[i])(i=0,1,…,15)が求められる。
求められた(n[i], LD[i])(i=0,1,…,15)を元に、スプライン関数などで内挿を行うか、あるいは、ROM中に有しているγ補正テーブルを選択する。
【0104】
実施例1(請求項3)
前述したように、地肌汚れ(“かぶり”)の防止、濃度の確保のために、次のように現像特性(現像ポテンシャルに対するトナー付着量の特性)を検知を行う。現像特性の検知方法について図27のフローチャートを用いて説明する。step230では、図28に図示するように、感光体上にnp個(ここでは、np=12)の濃度階調パターンを形成する。表面電位センサー139で感光体の表面電位Vsi(i=1,2,…,np)を読み込み(step232)、次に、現像器により現像することにより、顕像化される(step233)。次に、感光体102の回転方向下流側に存在する光学センサー136により、感光体102上のトナー像の検知出力Vpi(i=1,2,…,np)を得る(step234)。検知に用いるレーザー出力は、一例として、画像信号の値(16進数表示)で00h、10h、20h、30h、40h、50h、60h、70h、90h、B0h、E0h、FFhを用いる。
【0105】
光学センサーの出力と画像信号の補正方法について図29を用いて説明する。グラフa)の縦軸は、レーザー出力(または画像出力信号)、横軸は、光学センサー136の出力を表す。このグラフは、np個の濃度階調パターン潜像を感光体ドラム102上に形成した後、現像し、そのトナー像の反射光量を光学センサー136で検知する事によって得られる。グラフb)の縦軸は、a)と同じくレーザー出力、横軸は、感光体の表面電位を表す。これは、感光体の光減衰特性を表す。これは、a)と同じく、np個の濃度階調パターン潜像を感光体ドラム102上に形成したときの表面電位を電位センサーによって測定することにより得られる。
【0106】
グラフc)は、画像形成部に用いる階調変換テーブルを表し、図の横軸は、画像入力信号(これは、例えば原稿画像の濃度に比例する量)で、縦軸は、レーザーの出力または画像入力信号を階調変換テーブルにより変換した後の画像信号(画像出力信号)を表す。ここでは、画像入力信号は8ビット(256値)の分解能を有し、レーザーの書込み光量も、同様にレーザーの最小値と最大値との間を8(〜10)ビットの分解能を持つ。
【0107】
図中で、aは検知時に用いられるレーザー出力と画像入力信号との関係を表す。グラフd)の縦軸は感光体上のトナー付着量、横軸は光学センサー136の出力を表し、これは光学センサーの出力特性を表す。この特性は、使用するセンサーの種類や取付角度や感光体からの距離などによって異なるが、これは予め知られており、ほぼ一定である。グラフe)の縦軸はトナー付着量、横軸は感光体の表面電位を表す。これは、感光体の表面電位と感光体上のトナー付着量の関係(すなわち、現像特性)を表す。図中のhは、現像バイアスのDC成分で、グラフf)は、画像入力信号に対する感光体上のトナー付着量の関係を表す。
【0108】
グラフd)の関係を用いて光学センサーの出力VPiを感光体上トナー付着量(M/A)i[mg/cm2 ](i=1,2,…,np)に換算する。これは、一例として以下に述べる方法により求める。感光体102上に形成されたトナー像304の反射光は、光電センサー136により検出され、検知信号としてメイン制御部130に送られる。VSP、VSGをそれぞれ基準パターン部のトナー付着部からの光電センサー出力及び地肌部の出力として、基準パターンに付着したトナーの単位面積当りの付着量m1 [g/cm2 ]は、つぎの数式9
【0109】
【数9】
Figure 0003947810
【0110】
の関係からトナー付着量が換算される。ここで、βは光電センサーとトナーによって決まる定数であり、上記の値は黒トナーの値である。イエロー、シアン、マゼンタについても同様に換算することができる。ここでは計算を行ったが、予め作成されたルックアップテーブルにより、変換してもよい。
【0111】
上記の方法により、感光体表面電位VSiと感光体上トナー付着量(M/A)iとの関係が求められ、グラフe)の現像特性iが得られる。しかしながら、グラフd)に示すように、光学センサーの出力は、あるトナー付着量(M/A)Cより高いトナー付着量領域((M/A)≧(M/A)C)では、一定の値VPMINを示す。一方、図中c)のnという画像入力信号以上の画像入力信号に対しては、実際には、b)に示す様に感光体の表面電位が低下し、トナー付着量が変化しているにも関わらず、感光体上トナー付着量(M/A)は常に一定値(M/A)Cになる。そのため、グラフe)中で、実際の現像特性がcであっても、検知した結果から求めた現像特性はiのようになり、実際の値cと検知された値iとの間でずれが生じる。
【0112】
実際の現像特性と検知値から求めた現像特性のずれを補うために、次のような補正を行う。画像信号iに対する光学センサーの検出値VPiが、所定値VPc以上である場合、その検出値から感光体上のトナー付着量またはそれにほぼ比例する量(M/A)iに換算する。これらの値から、表面電位センサーの出力値VSiと(M/A)iとの関係式を求める。ここでは、1次式を用いて下記数式10の関係
【0113】
【数10】
Figure 0003947810
【0114】
または、現像バイアスのDC成分をVDCとして、次の数式11
【0115】
【数11】
Figure 0003947810
【0116】
を用いる。ここで、a,bは係数で、VSiと(M/A)iの値から最小自乗法等の方法を用いて決定する。ここで、光学センサーの出力値がVPcとなる感光体上のトナー付着量を(M/A)Cとすると、(M/A)i≦(M/A)Cを満たす付着量範囲としても同じである。上の表面電位との直線関係からのずれが大きくなる場合がある。それを防ぐために、(M/A)MIN≦(M/A)≦(M/A)Cを満たす感光体上トナー付着量の検知結果について、前述した数式10の係数a, bを決定する。
【0117】
ここでは、トナー付着量を用いたが、(M/A)MINに対応する光学センサーの検知出力をVPMAXとして
VPc≦VP≦VPMAX
を満たすトナー付着領域に対応するトナー付着領域から前述した数式10の係数a, bを決定してもよい。
【0118】
上記の例では、所定値VPcに対する光学センサーの検知出力の大小関係からその値を用いるかどうかを判断したが、このVPcは以下のように、感光体のトナー付着量(M/A)の変化Δ(M/A)に対する、光検知手段の出力値VPの変化量ΔVPの比の絶対値|ΔVP/Δ(M/A)|が、所定値|ΔVP/Δ(M/A)|0 と等しい感光体上トナー付着量を(M/A)C、そのときの光学センサーの出力値をVPcとすることにより、前述した方法を用いることができる。この場合、
|ΔVP/Δ(M/A)|≧|ΔVP/Δ(M/A)|0 を満たす感光体上トナー付着量領域が、
(M/A)≦(M/A)Cと対応し、|ΔVP/Δ(M/A)|>|ΔVP/Δ(M/A)|0 が、(M/A)i≦(M/A)Cに対応する。
このようにして求められた現像特性iと画像信号からグラフf)の検知結果cが得られる。
【0119】
第1象限のaの階調変換テーブルに対して、第4象限の検知特性cが得られた。この結果を用いて、理想特性dを得るための補正後の階調変換テーブルb)を得ることができる。上記のようにして得られた階調変換テーブルを画像形成用階調変換テーブルとして使用する。
【0120】
この場合の手順は、以下の▲1▼〜▲6▼のとおりである。▲1▼感光体上に基準パターン潜像を作成する。▲2▼形成された基準パターンを表面電位センサーにより検知する。▲3▼基準パターン潜像を現像する。▲4▼形成された基準パターンを表面電位センサーにより検知する。▲5▼検知された結果とパターン形成持に使用したレーザーの出力値(画像信号)から、現像特性を予測する。▲6▼予測された現像特性などから画像形成部用の階調変換テーブルを作成する。
【0121】
実施例2(請求項2)
上記のようにして求められた現像特性に対する処理を図30(図31も同様の図)を用いて説明する。検知パターンを作成した際の書込み値 (パターンの書込み値の補間値であっても良い)に対する検知したトナー付着量について、理想的な現像特性(a)≡(M/A)a(n)と検知された現像特性(b)≡(M/A)b(n)(n=00h〜FFh)との差をΔ(M/A)(n)≡(M/A)b(n)−(M/A)a(n)(n=パターンの書込み値:00h、10h、20h、30h、40h、50h、60h、70h、90h、A0h、E0h、FFh、あるいは補間値:08h,18h,38h,48h,58h,68h,80h,a0h,c0h,d0h,e8hなど)を求める。
【0122】
図はΔ(M/A)20h〜Δ(M/A)FFhを示しているが、Δ(M/A)20h〜Δ(M/A)B0hまでは(a)は(b)にほぼ一致し、Δ(M/A)E0hおよびΔ(M/A)FFhでずれが大きい。
許容幅を示す関数をΔ(M/A)0(n)(n=0〜FFh)とし、理想値(a)に対して、プラス側、マイナス側の許容幅を同じにすると、(c)の2点鎖線で囲まれた領域が許容される。この領域と、検知特性(b)との交点は、E0hであるので、それより、Δ(M/A)(n)が大きなE0h〜FFhの領域が飽和領域と判定される。
【0123】
図の例では、横軸の書き込み値nの10h〜C0hの範囲において、Δ(M/A)がほぼ0であるので、それより書き込み値nの値が大きな領域C0h〜FFhを飽和領域と判定してもよい。その場合の許容差Δ(M/A)0はほぼ0としたことになる。このように許容差Δ(M/A)0をほぼ0にする方が階調性が良い結果が得られるが、トナー付着にムラなどが存在し、検知結果にばらつきが存在する場合には、許容差Δ(M/A)0を越えやすくなり、かえって飽和領域の正確な判定が困難になる。そこで、階調飛びが生じない程度に許容差Δ(M/A)0を大きく設定することが実用的である。ただし、ここでは、説明がしやすいために、許容差Δ(M/A)0をほぼ0と設定し、判定された飽和領域をC0h〜FFhとする。
【0124】
階調処理の例として、主走査2画素×副走査2画素の計4画素を単位とした階調処理について説明する。レーザーの書き込み値N1までリニアな現像特性で有する場合について、N1≧4・n0を満たす最大の整数値n0について考える。図30の現像特性の例で飽和領域をC0h〜FFhと判定した場合には、N1=C0h、n0=40hなどとする。
【0125】
ディザ・テーブルへの入力値をn、隣の画素を増やし始める書込み値を4・n0とした場合、図9に示すように
a00=4n(0≦n≦n0−1)
a00=4・n0(n0≦n≦4・n0−1)
a00=n(4・n0≦n≦FFh)
a10=00h(00h≦n≦n0−1)
a10=4(n−n0)(n0≦n≦2・n0−1)
a10=4・n0(2・n0≦n≦4・n0−1)
a10=n(4・n0≦n≦FFh)
a01=00h(00h≦n≦2・n0−1)
a01=4(n−2・n0)(2・n0≦n≦3・n0−1)
a01=4・n0(2・n0≦n≦4・n0−1)
a01=n(4・n0≦n≦FFh)
a11=00h(00h≦n≦3・n0−1)
a11=4(n−3・n0)(3・n0≦n≦4・n0−1)
a11=n(4・n0≦n≦FFh)
とする。
【0126】
ディザ・テーブルを変更し、画像の色味が変化した場合には、前述したACC(自動階調補正)を実行する。一例として、画像形成用プリンタγ412が、スルーの場合(図10の(b)の場合)で、図10の(a)のように、C0h(10進数で192値)付近までしか使用しない状態では、以下のディザ・テーブルを使用する。
a00=4n(0≦n≦3Fh)
a00=FFh(40h≦n≦FFh)
a10=00h(00h≦n≦3Fh)
a10=4(n−40h)+1(40h≦n≦7Fh)
a10=FFh(80h≦n≦FFh)
a01=00h(00h≦n≦7Fh)
a01=4(n−80h)+2(80h≦n≦BFh)
a01=FFh(C0h≦n≦FFh)
a11=00h(00h≦n≦BFh)
a11=4(n−C0h)+3(C0h≦n≦FFh)
とする。
【0127】
第2の実施例として、
a00=4n(0≦n≦n0−1)
a00=4・n0(n0≦n≦4・n0−1)
a00=n(4・n0≦n≦FFh)
a10=00h(00h≦n≦n0−1)
a10=4(n−n0)(n0≦n≦2・n0−1)
a10=4・n0(2・n0≦n≦4・n0−1)
a10=n(4・n0≦n≦FFh)
a01=a11=00h(00h≦n≦2・n0−1)
a01=a11=2(n−2・n0)(2・n0≦n≦4・n0−1)
a01=a11=n(4・n0≦n≦FFh)
としても良い(図9)。
【0128】
フローチャートを図32に基づいて説明する。
(step240) 基準パターンを形成し、及び顕像化する。
(step241) 形成した内部パターンを検知し、現像特性を検知する。
(step242) 検知した階調特性(ここでは現像特性)と理想特性からのずれを求める。
(step243) ずれの値が所定値より大きくなった領域を飽和領域と判定する。
(step244) 飽和領域までの書き込み値を使用してディザ・テーブルを形成する。
【0129】
実施例3(請求項1)
図31を用いて説明する。検知された現像特性(b)に対して、書込み値nb(=パターンの書込み値:00h、10h、20h、30h、40h、50h、60h、70h、90h、A0h、E0h、FFh、あるいは 補間値:08h,18h,38h,48h,58h,68h,80h,a0h,c0h,d0h,e8h,など)に対して検知値の変化量γ(書込み値1,書込み値2) は、図示した書込み値nb=90h, B0hの例について、γ(B0h、90h) =Δ(M/A)(B0h、90h) /Δnb(B0h、90h)を求める。ここで、図よりΔnb(B0h、90h) =B0h−90h=20hである。図中の(a)は、傾きが一定γ0の直線で、検知された現像特性(b)とは、横軸の書き込み値nに対して10h〜C0hの範囲でほぼ一致している。従って、検知された現像特性(b)の10h〜C0hの範囲の傾きγ(20h,10h)〜は、ほぼγ0である。それに対して、書き込み値C0h〜E0hの傾きγ(E0h,C0h)および書き込み値E0h〜FFhの傾きγ(FFh,E0h)は、γ0に比べて傾きが小さくなっている。傾きの許容値をΔγ0(>0)としてγ≦γ0−Δγ0となるγの範囲を飽和領域と判定する。ただし、γ0も、Δγ0も書き込み値nの関数、それぞれγ0(n)、Δγ0(n)であってもよい。ここでは、仮にΔγ0をほぼ0とすると、γ(E0h,C0h)、γ(FFh,E0h) が飽和領域に相当すると判定する。実際の機械では、ムラや電源変動などが原因して、検知された現像特性(b)が直線からずれることが一般的なので、ムラのばらつきの大きさなどに応じてΔγ0の値を設定する。
【0130】
実施例2の場合と同様に、レーザーの書き込み値N1までリニアな現像特性で有する場合について、N1≧4・n0を満たす最大の整数値n0について考える。図31の現像特性の検知例では、飽和領域をC0h〜FFhと考え、N1=C0h、n0=40Hとする。
【0131】
ディザの作成方法についても、実施例2の場合と同様である。
フローチャートを図33に基づいて説明する。
(step250) 基準パターンを形成し、及び顕像化する。
(step251) 形成した内部パターンを検知し、現像特性を検知する。
(step252) 検知した階調特性(ここでは現像特性)の書き込み値に対する変化量(あるいは傾き)を求める。
(step253) 変化量が所定値より大きくなった領域を飽和領域と判定する。
(step254) 飽和領域までの書き込み値を使用してディザ・テーブルを形成する。
【0132】
実施例4(請求項1)
上記の例では、光学センサー136aにより感光体102上に付着したトナー付着量を検知したが、それ以外にも、中間転写ベルト109に対向させた光学センサー136bにより、中間転写ベルト109上のトナー付着状態を検知しても良い。また、搬送ベルト115に対向させた光学センサー136cにより、転写材上のトナー付着量を検知しても良い。これらは現像特性の影響だけではなく、感光体102から中間転写ベルト109に転写される際の一次転写特性、及び、二次転写ローラ113部で、中間転写ベルト109から転写材に転写される際の二次転写特性を検知するということができる。
【0133】
実施例5
次に、請求項4または5に記載の発明の実施例について、上述と異なるところのみ説明する。実施例4において、レーザーの書き込み値N1までリニアな現像特性で有する場合について、N1≧4・n0を満たす最大の整数値n0について考える。図31の現像特性の検知例では、飽和領域をC0h〜FFhと考え、N1=C0h、n0=40Hとする。
【0134】
フローチャートを図41に基づいて説明する。
(step290) 基準パターンを形成し、及び顕像化する。
(step291) 形成した内部パターンを検知し、階調特性(ここでは現像特性)を検知する。
(step292) 検知した階調特性から階調特性の飽和領域および、しきい値N1を判定する。
(step293) しきい値N1を不揮発RAM132に記憶する。
【0135】
上記の例では、光学センサー136aにより感光体102上に付着したトナー付着量を検知したが、それ以外にも、中間転写ベルト109に対向させた光学センサー136bにより、中間転写ベルト109上のトナー付着状態を検知しても良い。また、搬送ベルト115に対向させた光学センサー136cにより、転写材上のトナー付着量を検知しても良い。これらは現像特性の影響だけではなく、感光体102から中間転写ベルト109に転写される際の一次転写特性、及び、二次転写ローラ113部で、中間転写ベルト109から転写材に転写される際の二次転写特性を検知するということができる。
【0136】
実施例6(請求項5)
画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)の機能を選択するための操作画面について説明する。操作部(図16)の液晶画面において、自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)ACCメニュー呼び出すと、図38の画面が表示される。コピー使用時、あるいはプリンター使用時用の自動階調補正の[実行]を選択すると、図18の画面が表示される。コピー使用時を選択した場合には、コピー使用時に使用する階調補正テーブルが、プリンター使用時を選択するとプリンター使用時の階調補正テーブルが参照データに基づいて変更される。変更後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が、望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元に戻す]キーが図17の画面中に表示されている。
【0137】
図38の画面中の、上記とは別の項目について説明する。“自動階調補正の設定”を選択すると、後述する“地肌の補正”、“高濃度部の補正”、“階調処理の変更”、“階調特性の検知”の“実行”または“非実行”を選択することができる。これらの設定は、後述するフローチャート図40の判断部で使用される。なお、これらの選択は必ずしも必要ではなく、常に“実行”としてもよい。
【0138】
実施例7(請求項1)
次に、画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC: Auto Color Calibration)の動作を図39、図40(図49は図39のつづきである。)のフローチャートに基づいて説明する。図38の画面で、コピー使用時、あるいはプリンター使用時用の自動階調補正の[実行]を選択すると、図18の画面が表示される。図18の画面中の印刷スタートキーを押し下げると、(step261)では、図38の画面で、“階調特性の検知”に“実行”が選択されている場合には、(step262)で、後述する“階調特性の検知”(フローチャート: 図41)が実行する。
【0139】
(step263)では、図38の画面で、“階調処理の変更”が選択されている場合に、(step264)で、不揮発RAM132に記憶されている飽和領域のしきい値N1を読み出し、(step265)で、“階調処理の変更”(図9〜図11に図示)を実行する。“階調処理の変更”が選択されていない場合には、(step266)を実行する。次に、図21に示すような、YMCK各色、及び文字、写真の各画質モードに対応した、複数の濃度階調パターンを転写材上に形成する(step266)。
【0140】
この濃度階調パターンは、あらかじめIPUのROM中に記憶・設定がなされている。パターンの書込み値は、16進数表示で、00h,11h,22h,…, EEh,FFhの16パターンである。図では、地肌部を除いて5階調分のパッチを表示しているが、00h−FFhの8ビット信号の内、任意の値を選択することができる。文字モードでは、パターン処理などのディザ処理を行わず、1ドット256階調でパターンが形成され、写真モードでは、前述したディザ処理が行われたパターンを出力する。
【0141】
転写材にパターンが出力された後、転写材を原稿台118上に載置するように、操作画面上には、図19の画面が表示される。画面の指示に従い、パターンが形成された転写材を原稿台に載置して(step267)、図19の画面で“読み取りスタート”を選択するか、または“キャンセル”を選択する。“キャンセル”を選択した場合には終了する(step268)。
【0142】
“読み取りスタート”を選択すると、スキャナーが走行し、YMCK濃度パターンのRGBデータを読み取る(step269)。この際、パターン部のデータと転写材の地肌部のデータを読み取る。パターン部のデータが正常に読み取られたかの判断を行う(step270)。正常に読み取られない場合には、再び図19の画面が表示される。2回正常に読み取られない場合には処理を終了する(step271)。
【0143】
(step272)では、ACCの機差補正値による補正を行う。(step273)では、図38の画面で“地肌の補正”に“実行”が選択されているか否かを判断し、“実行”が選択されている場合には、(step274)で読み取りデータに対する地肌データによる補正を行う。(step275)で、図38の画面で“高画像濃度部の補正”に“実行”が選択されているか否かを判断し、“実行”が選択されている場合には、参照データの高画像濃度部のデータに補正処理を行う(step276)。以上の処理が行われたデータを用いて、YMCK階調補正テーブルの作成・選択を行う(step277)。上記の処理をYMCKの各色について行う(step278)。上記の処理を写真、文字の各画質モード毎に行う(step279)。処理中、操作画面には図10の画面が表示される。処理終了後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元に戻す]キーが図38の画面中に表示されている。
以下では、それぞれの処理の詳細を説明する。
【0144】
実施例8(請求項4)
フローチャートを図42に基づいて説明する。
(step300) 基準パターンの形成及び顕像化を行う。
(step301) 形成した内部パターンを検知し、階調特性(ここでは現像特性)を検知する。
(step302) 検知した階調特性から階調特性の飽和領域およびしきい値N1を判定する。
(step303) しきい値N1を不揮発RAM132に記憶する。
(step304) 飽和領域までの書き込み値N1に応じてディザ・テーブルを形成する。
(step305) 階調補正テーブル変更後に、自動階調補正(ACC)を実行するかどうかの、問い合わせを表示するかの判断を行い、実行する場合には、(step306)で、問い合わせの表示を行う。表示を行わない場合には終了する。この“問い合わせの表示”の実行、非実行は、図示しないサービスマン用の設定、あるいは使用者用の設定で選択可能である。
【0145】
通常の表示画面の一例を図36に示す。これは、図16の操作部全体から、液晶画面を表示したものの例である。“問い合わせ”の表示を行う場合には、図37の表示画面のように、通常の画面に、問い合わせ画面がポップアップする。
(step307) 図37の表示画面で、自動階調補正を、“実行”あるいは”実行しない”を、使用者が選択する。
(step308) 使用者が自動階調補正を“実行しない”を選択した場合には処理を終了し、通常画面(図36)を表示する。
(step309) 使用者が自動階調補正の“実行”を選択した場合には、自動階調補正を実行する。自動階調補正の実行は、図39の(step266)から実行する。
【0146】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、ディザ・テーブルの設定値を、画像形成部の階調特性に応じて変更する。
一例として、画像形成部の階調特性が、C0h〜FFhのレーザー書き込み値(あるいは発光エネルギー)で飽和する場合には、ディザ・テーブルの出力値で、C0h〜FFhの書き込み値を使用する前に、他の画素を使用するように、ディザ・テーブルを変更する。上記のようにディザ・テーブルを設定することにより、階調飛びのない滑らかな画像を再現する。
【0147】
また請求項1記載の発明では、画像形成部の階調特性を検知した結果、像担持体に照射する手段で、画像形成部の階調特性を検知する。画像形成部の階調特性は、潜像を形成するために感光体に照射するレーザーの発光エネルギー(あるいは書込み値)に対する、画像濃度、トナー付着量、潜像電位などの諸特性ので表される。レーザーの発光エネルギーの変化に対する、これらの特性のいずれかの変化の大きさを求め、この変化の大きさが所定値以下となるレーザー発光エネルギー(あるいは書込み値)を発光エネルギーに対する飽和領域と判断する。ただし、レーザーの発光エネルギーが少ない領域での階調特性の飽和領域と、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域とでは異なる原因であるため、区別を行い、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域について飽和領域と判断する。レーザーの発光エネルギーが少ない領域では、たとえば、現像バイアス電圧、あるいは現像開始電圧の影響によるものだからである。この飽和領域に相当する発光エネルギーを使用するまで、ディザを構成する画素に対する発光エネルギーを大きくした場合には、それより発光エネルギーが少ない画素のエネルギーを画像出力に応じて大きくする。これにより、階調飛びなどの無い、階調性が豊かな画像を形成する。
【0148】
請求項2に記載の発明では、画像形成部の階調特性を検知した結果、像担持体に照射する手段で、画像形成部の階調特性を検知する。画像形成部の階調特性は、潜像を形成するために感光体に照射するレーザーの発光エネルギー(あるいは書込み値)に対する、画像濃度、トナー付着量、潜像電位などの諸特性で表される。レーザーの発光エネルギーの変化に対する、これらの特性のいずれかの変化の大きさを求め、この変化の大きさが所定値以下となるレーザー発光エネルギー(あるいは書込み値)を発光エネルギーに対する飽和領域と判断する。ただし、レーザーの発光エネルギーが少ない領域での階調特性の飽和領域と、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域とでは異なる原因であるため、区別を行い、レーザーの発光エネルギーが多い領域での階調特性の飽和領域について飽和領域と判断する。レーザーの発光エネルギーが少ない領域では、たとえば、現像バイアス電圧、あるいは現像開始電圧の影響によるものだからである。この飽和領域に相当する発光エネルギーを使用するまで、ディザを構成する画素に対する発光エネルギーを大きくした場合には、それより発光エネルギーが少ない画素のエネルギーを画像出力に応じて大きくする。これにより、階調飛びなどの無い、階調性が豊かな画像を形成する。
【0149】
請求項3に記載の発明では、ディザ・テーブルの設定値を、感光体に照射したレーザー光の発光エネルギーに対する、感光体あるいは転写ベルトなどの像担持体上のトナー付着量の階調特性によって変更する。一例として、階調補正テーブルで、C0h〜FFhの書き込み値(レーザーの発光エネルギーに相当する)で、レーザーの発光エネルギーに対するトナー付着量の特性が飽和する場合には、ディザの各画に対する書込み値としてC0h〜FFhの書き込み値を使用する前に、ディザの他の画素の発光エネルギーを変化させるようにディザ・テーブルを変更する。このようにディザ・テーブルを設定することにより、階調飛びのない滑らかな画像を再現する。
【0150】
請求項4に記載の発明では、上記のように画像形成部の階調特性に応じてディザ変更を行った場合には、操作部にディザ処理を変更したことと、対処方法を使用者に報知する。対処方法としては、キャリブレーション(ACC:自動階調補正)の実行がある。このようにすることにより、ディザ処理変更に起因する色味変化による、使用者にとっての不具合を事前に防ぐことができる。
【0151】
請求項5に記載の発明では、画像形成装置のキャリブレーション(自動階調補正:ACC)の際に、転写紙上に階調パターンを出力するが、そのキャリブレーションパターンは画像形成装置の階調特性を検知した結果に基づいて変更したディザ処理で出力し、キャリブレーション(ACC)を実行する。画像形成装置の階調特性を検知した結果に基づいてディザ処理を変更したことにより、転写紙上に出力した画像の色味が変化しても、キャリブレーション(ACC)をそれに引き続いて実行することにより、ディザ変更による色味の変動を補正することができる。
【0152】
また請求項5に記載の発明では、画像形成装置のキャリブレーション実行の際の階調処理の変更を使用者により選択可能とする。これにより、必要に応じて、キャリブレーション処理の時間を短くして使用者がすぐに使用できるようにする。あるいは、使用するまでの時間が長くても良い場合には、ディザ処理の変更を可能とし、キャリブレーション処理の時間を多少長くすることにより、階調性を滑らかにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理部の全体ブロック図。
【図2】複写機全体の構成図。
【図3】制御系のブロック図。
【図4】LD書込み系のブロック図。
【図5】適応型エッジ強調回路の例を示す図。
【図6】エリア加工の概念図。
【図7】読み取り系のブロック図。
【図8】スキャナー光学系の模式図。
【図9】2×2ディザ・テーブルの例を示す図。
【図10】2×2ディザ・テーブルの別例を示す図。
【図11】2×2ディザ・テーブルの更に別の例を示す図。
【図12】AC現像バイアスの効果(付着量とポテンシャルの関係)を示す図。
【図13】潜像の模式図。
【図14】トナー付着の模式図。
【図15】適応エッジ強調フィルターテーブルの例を示す図。
【図16】操作部全体を示す図。
【図17】操作部の液晶画面を示す図。
【図18】ACCの実行を選択するために表示する画面を示す図。
【図19】ACCの実行中に表示される画面の一例を示す図。
【図20】ACCの実行中に表示される画面の別例を示す図。
【図21】ACC実行の際に出力する転写紙上の階調パターンを示す図。
【図22】ACCの実行のフローチャート。
【図23】ACCの機差補正値を示す図。
【図24】ACCの機差補正値を入力するための液晶画面を示す図。
【図25】ACCの演算方法を説明するための4元チャート。
【図26】ACCの演算手順を説明するためのフローチャート。
【図27】現像特性の検知を説明するフローチャート。
【図28】感光体上の検知パターンを示す図。
【図29】画像信号の補正方法を説明するための図。
【図30】現像特性の検知結果1(トナー付着量vs書込み値)を示す図。
【図31】現像特性の検知結果2(トナー付着量vs書込み値)を示す図。
【図32】ディザ・テーブルを補正するフローチャート(トナー付着量vs書込み値)の一例。
【図33】ディザ・テーブルを補正するフローチャート(トナー付着量vs書込み値)の別例。
【図34】スキャナーの白補正・黒補正の概念図。
【図35】スキャナーのサンプルホールドの図。
【図36】操作部の液晶画面の一例を示す図。
【図37】操作部の液晶画面の別例を示す図。
【図38】操作部の液晶画面の更に別の例を示す図。
【図39】ACCの実行のフローチャート(前半)。
【図40】ACCの実行のフローチャート(後半)。
【図41】ディザ・テーブルを補正するフローチャート(トナー付着量vs書込み値)の更に別の例。
【図42】ディザ・テーブルを補正するフローチャート(トナー付着量vs書込み値)の更に別の例。
【図43】2×2ディザ・テーブルの更に別の例を示す図。
【図44】2×2ディザの画素の位置関係を示す図。
【図45】現像特性の例を示す図。
【図46】階調飛びの例を示す図。
【符号の説明】
101 複写機本体
102 感光体ドラム
103 帯電チャージャー
104 レーザ光学系
105 黒現像装置
106 カラー現像装置
107 カラー現像装置
108 カラー現像装置
109 中間転写ベルト
110 バイアスローラ
111 クリーニング装置
112 除電部
113 転写バイアスローラ
114 ベルトクリーニング装置
115 搬送ベルト
116 定着装置
117 排紙トレイ
118 原稿台(コンタクトガラス)
119 露光ランプ
121 反射ミラー
122 結像レンズ
123 イメージセンサアレイ
130 メイン制御部(CPU)
131 ROM
132 RAM
133 インターフェースI/O
134 レーザ光学系制御部
135 電源回路
136 光学センサー
136a 光学センサー
136b 光学センサー
136c 光学センサー
137 トナー濃度センサー
138 環境センサー
139 感光体表面電位センサー
140 トナー補給回路
141 中間転写ベルト駆動部
142 操作部
201B 黒現像剤用現像器の現像スリーブ
201C シアン現像剤用現像器の現像スリーブ
201M マゼンタ現像剤用現像器の現像スリーブ
201Y イエロー現像剤用現像器の現像スリーブ
202 剤撹拌部材
301 電流検知回路
401 シェーディング補正回路
402 スキャナーγ変換回路
403 画像メモリ
404 画像分離回路
405 MTFフィルター回路
406 色変換UCR処理回路
407 変倍回路
408 画像加工(クリエイト)回路
409 画像処理用プリンタγ補正回路
410 階調処理回路
411 I/Fセレクタ(インターフェース)
412 画像形成用プリンタγ補正回路
(プロコンγ補正回路、プロコンγ変換回路)
413 プリンタ
414 ROM
415 CPU
416 RAM
417 システムコントローラ
418 ホストコンピューター(外部コンピュータ)
419 プリンターコントローラ(システムコントローラ)
420 カラースキャナ
421 パターン発生回路
422 パターン発生回路
423 エリア処理回路
430 エリア処理回路
451 ルックアップテーブル(LUT)
452 パルス幅変調回路(PWM)
453 パワー変調回路(PM)
454 レーザーダイオード(LD)
455 フォトディテクタ(PD)
1101 平滑化フィルタ回路
1102 ラプラシアンフィルタ
1103 エッジ量検出フィルタ
1104 平滑化フィルタ
1105 テーブル変換回路
5401 CCD
5402 増幅回路
5403 サンプルホールド(S/H)回路
5404 A/D変換回路
5405 黒補正回路
5406 シェーディング補正回路
5407 画像処理部
5409 CCDドライバー
5410 パルスジェネレータ
5411 クロックジェネレータ
5413 ROM
5414 CPU
5415 RAM

Claims (5)

  1. 画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理が行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に現像剤を付与して顕像化する現像手段とを有する画像形成装置において、
    前記画像形成装置の階調特性を検知する手段を有し、
    前記階調特性の変化の大きさが所定値以下となるレーザーの発光エネルギーに対する階調特性の飽和領域に対し、ディザを構成する各画素に対する発光エネルギーが、前記階調特性の飽和領域に対する発光エネルギーよりも低い場合には、当該画素に対する発光エネルギーを変化させるように前記階調処理手段のパラメータを変更することを特徴とする画像形成装置。
  2. 画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理が行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に現像剤を付与して顕像化する現像手段とを有する画像形成装置において、
    前記画像形成装置の階調特性を検知する手段を有し、
    前記階調特性が、予め記憶された設定値からのずれが所定値以上となる前記階調特性の飽和領域におけるレーザーの発光エネルギーあるいは書込み値に対し、ディザを構成する各画素に対する発光エネルギーが、前記階調特性の飽和領域に対する発光エネルギーよりも低い場合には、当該画素に対する発光エネルギーを変化させるように階調処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記画像形成装置における画像形成部の階調特性を検知する手段として、潜像を形成するために像担持体に照射するレーザーの発光エネルギーに対する、像担持体に担持されたトナー付着量を検知するトナー付着量検知手段を有し、前記検知されたトナー付着量の階調特性に基づいて前記階調処理手段のパラメータを変更することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理を行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて像担持体上に潜像形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に現像剤を付与して顕像化する現像手段と、当該画像形成装置の階調特性を検知する手段とを有し、前記検知した階調特性に基づいて前記階調処理手段のパラメータを変更する画像形成装置において、前記検知した階調特性に基づいて前記階調処理手段のパラメータを変更した後に、画像形成装置のキャリブレーションの実行が必要であることを使用者に報知することを特徴とする画像形成装置。
  5. 画像信号に階調処理を施す階調処理手段と、前記階調処理を行われた画像信号に階調変換を施す階調変換手段と、前記画像信号に基づいて像担持体上に潜像形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された潜像に現像剤を付与して顕像化する現像手段と、当該画像形成装置の階調特性を検知する手段とを有し、前記検知した階調特性に基づいて前記階調処理手段のパラメータを変更する画像形成装置において、画像形成装置のキャリブレーションの実行前に、前記検知した階調特性に基づいて前記階調処理手段のパラメータを変更し、当該画像形成装置のキャリブレーション実行の際の階調処理の変更を選択可能とすることを特徴とする画像形成装置。
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