JP3996768B2 - 部品実装方法及び部品実装装置 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、多数の部品を回路基板に装着して回路基板を製造する部品実装方法及び部品実装装置に関する。
【0002】
(背景技術)
近年、電子部品の実装装置はロータリー式の高速実装機から、面積生産性や部品対応力の観点から、様々な生産形態に柔軟に対応できるロボットタイプへの実装機へとそのニーズが変貌してきている。そのような中で、さらに生産性を向上させるために、1つのロボットに搭載される装着ヘッドの数が1つから複数に進化し、各装着ヘッドに使用する吸着ノズルが着脱交換可能なものが主流になってきた。
【0003】
この種の電子部品実装装置においては、一枚の回路基板に同一パターンの回路を複数個設け、この回路基板に複数の電子部品を実装した後、各回路パターン毎に基板を切断して同一回路パターンの複数枚の小基板を作製する、所謂多面取り基板を用いることがある。なお、本明細書では、このような多面取り基板は、複数個の小基板からなる多面取り基板を指す。
【0004】
このような複数個の小基板からなる多面取り基板に対し、電子部品を装着する従来技術としては、例えば次のような方式がある。
【0005】
(1)特定の部品に対する装着(以下、装着ステップという)を全ての小基板に適用し、その装着ステップが完了した後、次の装着ステップに移るステップリピート方式。
【0006】
(2)1個の小基板につき全装着ステップを遂行し、全装着ステップ完了後、次の小基板の装着に移るパターンリピート方式。
【0007】
これらのステップリピート及びパターンリピートのいずれも、1つの小基板のみの実装プログラムとしてNCプログラムのみを作成すれば、他の小基板との相対距離を設定することにより、回路基板上のすべての実装部品に展開して実装できるものとして、従来から多く使われてきたものである。
【0008】
以下に、上記多面取り基板の部品実装方法を説明する。
【0009】
図7に、従来のステップリピート方式による実装手順を示した。また、図17は、この装着手順を4つの装着ヘッドを連結して(装着ヘッドNo.1〜4)を有する電子部品実装装置により装着するステップをシーケンシャルに示している。
【0010】
図17において、「ステップNo.」は、装着するステップにシーケンシャルに付けた番号で、4つ連結された装着ヘッドが部品を吸着してから装着する1サイクルの動作において、装着ヘッドの個数の分のステップが存在するものとしている。「小基板」は、回路基板上のどの小基板に対して装着するかを、その番号で示す。「部品」は、各ステップで装着する部品を示す。「装着ヘッドNo.」は、各ステップで使用する装着ヘッドを示す。「吸着ノズル」は、各ステップで、どの種類の吸着ノズルを使用するかを示す。部品の形状、大きさにより使用する吸着ノズルの種類が決まり、S(小)サイズ、M(中)サイズ、L(大)サイズの吸着ノズルが存在する。ここでは、一例として、小型部品はSサイズの吸着ノズルで吸着し、中型部品はMサイズの吸着ノズルで吸着し、大型部品はLサイズの吸着ノズルで吸着するとする。1サイクルの動作において、部品を吸着しない装着ヘッドがあれば、そのステップでは実際には部品を吸着し装着しないので、部品や吸着ノズルの項目は図17において「−」で示す。
【0011】
図17に示すように、この装着手順では、第1パターンのチップ部品C1、第2パターンのC5、第3パターンのC9…、の順で同一種類の部品を各パターン毎に装着し、一つの装着ステップを完了すると、次の同一種類のチップ部品C2、C6、C10の装着ステップに移る。この装着ステップを全部品に対して行う。なお、第3パターンのチップ部品C12の装着後は、吸着ノズルを小型部品用のSサイズから中型部品用のMサイズに交換し、SOP1〜SOP3(但し、「SOP」はSmall Outline Packageの略。)の装着後は、中型部品用のMサイズから大型部品用のLサイズに交換する。
【0012】
次に、従来のパターンリピートの実装方法を説明する。
【0013】
図18に、従来のパターンリピート方式による実装手順を示した。また、図19は、この装着手順を4本の装着ヘッド(ヘッドNo.1〜4)を有する電子部品実装装置により、電子部品を装着するステップをシーケンシャルに示している。
【0014】
図19に示すように、この装着手順では、第1パターンのチップ部品C1〜C4、SOP1、QFP1(但し、「QFP」はQuad Flat Packageの略。)の順で第1パターンに対する全装着ステップを完了した後、第2パターンの装着に移る。そして第2パターンの装着完了後、第3パターンの装着に移る。なお、吸着ノズルの交換は、各パターンの一つの部品種の装着完了後にそれぞれ行われ、図19の場合は、各パターン毎に3回、合計8回(最後の一回は不要)行われることになる。
【0015】
しかしながら、ステップリピート方式の場合、4本の吸着ノズルのうち、常に1本しか使用しておらず、1部品毎に部品吸着−部品装着を繰り返し行うことになり実装時間が長くなり、複数の吸着ノズルを有する多連式ヘッド構成とした利点が活かされず、非効率的な実装方法となっている。
【0016】
一方、パターンリピート方式の場合、吸着ノズルの交換が頻繁に行われることになり、時間を要するノズル交換作業が多数回行なわれる度に、実装時間が長くなり、非効率的な実装方法となっている。
【0017】
そして、このような実装方法を、最近多くなってきた例えば50枚〜200枚取り等の大規模な多面取り基板に対して適用すると、実装装置はひどく冗長に動作するようになる。このような非効率的な実装方式では、タクトアップは困難であるため、より効率の高い実装方式が切望されている。
【0018】
また、吸着ノズルに電子部品を吸着する際は、例えば図20(A)〜(D)に示すパーツフィーダの連続した位置に吸着しようとする電子部品がある場合でも、パーツフィーダの配列間隔Pが、移載ヘッドの吸着ノズルの配列間隔Lと異なるため、移載ヘッドを順次移動させて部品吸着を行う必要がある。また、パーツフィーダの配列間隔Pが吸着ノズルの配列間隔Lに等しい場合であっても、電子部品が配列線上からずれていると同時に吸着できなくなる。さらに、電子部品の厚みに差があるときも同時に吸着できなくなる。
【0019】
このため、吸着ノズルへの部品装着動作を一回の吸着ノズルの同時上下動作により行うことができず、移載ヘッドを各部品供給位置に移動させて吸着する動作を、図20(A)〜(D)に示すように各吸着ノズル毎に繰り返し行う必要があった。このため、電子部品を吸着ノズルに保持させるまでの時間が長くなり、実装時間の短縮化の妨げとなっていた。
【0020】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、多面取り基板に対する部品実装時に、吸着ノズルの交換回数を抑制し又は移載ヘッドでの吸着ノズルの間隔を調整するといった吸着ノズルの吸着準備動作を軽減することで、実装時間の短縮化を図ることができる部品実装方法及び部品実装装置を提供することを目的とする。
【0021】
(発明の開示)
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0026】
本発明の第1態様によれば、部品を保持する脱着自在な吸着ノズルを複数備え、かつX−Y平面上を自在に移動する部品保持装置により上記部品を複数個の小基板からなる多面取り基板上の部品装着位置に順次装着する部品実装方法において、
上記基板に部品を装着する際に、上記複数の吸着ノズルによって保持可能な部品を一括同時に又は個別に保持させ一つの小基板に装着する装着ステップを含めて、一つの小基板に対して部品の装着を完了させた後、次の小基板に対する部品の装着を行うときに、装着の完了した小基板に対して最後に用いた吸着ノズルを、そのまま次の小基板に対して用いることで、各小基板に対する部品の実装を行う部品実装方法を提供する。
【0027】
この部品実装方法では、多面取り基板に部品を装着する際に、上記複数の吸着ノズルによって保持可能な部品を一括同時に又は個別に保持させ一つの小基板に装着する装着ステップを含めて、一つの小基板に対して部品の装着を完了させた後、次の小基板に対する部品の装着を行うときに、装着の完了した小基板に対して最後に用いた吸着ノズルを、そのまま次の小基板に対して用いることにより、各小基板に対する吸着ノズルの交換を一回省くことができ、部品の実装時間を短縮することができる。
【0028】
本発明の第2態様によれば、第1態様に記載の部品実装方法を用いて多面取り基板に部品を装着する部品実装装置を提供する。
【0029】
この部品実装装置では、多面取り基板に部品を装着する際に、実装動作を無駄の無いように効率良く行うことで、部品の実装時間の短縮化を図ることができる。
【0058】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
【0059】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0060】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態としての部品実装装置の一例としての電子部品実装装置の斜視図、図2は図1の電子部品実装装置の移載ヘッドの拡大斜視図、図3は上記電子部品実装装置の概略的な平面図である。
【0061】
まず、第1実施形態の電子部品実装装置100の構成を説明する。
【0062】
図1に示すように、電子部品実装装置100の基台10上面中央のローダ部16、基板保持部18、アンローダ部20には、それぞれ、回路基板12の一対のガイドレール14が設けられ、この各一対のガイドレール14のそれぞれに備えられた搬送ベルトの同期駆動によって、回路基板12は一端側のローダ部16の一対のガイドレール14から部品例えば電子部品を実装する位置に設けた基板保持部18の一対のガイドレール14に、また、基板保持部18の一対のガイドレール14から他端側のアンローダ部20の一対のガイドレール14に搬送される。基板保持部18では、搬送されてきた回路基板12を位置決め保持して部品装着に備える。
【0063】
回路基板12の上方の基台10の上面の両側部にはY軸ロボット22,24がそれぞれ設けられ、これら2つのY軸ロボット22,24の間にはX軸ロボット26が懸架されて、Y軸ロボット22,24の駆動によりX軸ロボット26がY軸方向に進退可能となっている。また、X軸ロボット26には移載ヘッド28が取り付けられて、移載ヘッド28がX軸方向に進退可能となっており、これにより、移載ヘッド28をX−Y平面内で移動可能にしている。各ロボットは、例えば、モータによりボールネジを正逆回転させ、上記ボールネジに螺合したナット部材がそれぞれの軸方向に進退可能とし、上記ナット部材に進退させるべき部材を固定させることにより構成している。
【0064】
上記X軸ロボット26、Y軸ロボット22,24からなるXYロボット(移載ヘッド移動装置の一例)上に搭載され、X−Y平面(例えば、水平面又は基台10の上面に大略平行な面)上を自在移動する移載ヘッド28は、例えば抵抗チップやチップコンデンサ等の電子部品が供給される部品供給部の一例としての複数のパーツフィーダ30、又はSOPやQFP等のICやコネクタ等の比較的大型の電子部品が供給される部品供給部の別の例としてのパーツトレイ32から所望の電子部品を、吸着ノズル34により吸着して、回路基板12の部品装着位置に装着できるように構成されている。このような電子部品の実装動作は、記憶部1001に記憶され予め設定された実装プログラムに基づいて、図21の制御部52により制御される。
【0065】
これらパーツフィーダ30及びパーツトレイ32が部品供給部の例に相当し、部品供給部の部品の配列間隔とは、パーツフィーダ30では隣接するパーツフィーダ30の部品供給口間の間隔を意味し、パーツトレイ32ではパーツトレイ32内の各部品を収納する収納凹部間の間隔を意味する。
【0066】
パーツフィーダ30は、一対のガイドレール14の搬送方向における両側(図1の右上側と左下側)に多数個並設されており、各パーツフィーダ30には、例えば多数の抵抗チップやチップコンデンサ等の電子部品が収容されたテープ状の部品ロールがそれぞれ取り付けられている。
【0067】
また、パーツトレイ32は、一対のガイドレール14の基板搬送方向と直交する方向が長尺となるトレイ32aが計2個載置可能で、各トレイ32aは部品の供給個数に応じて一対のガイドレール14側にスライドして、Y方向の部品取り出し位置を一定位置に保つ構成となっている。このトレイ32a上には、多数のQFP等の電子部品が載置される。
【0068】
一対のガイドレール14に位置決めされた回路基板12の側部には、吸着ノズル34に吸着された電子部品の二次元的な位置ずれ(吸着姿勢)を検出して、この位置ずれをキャンセルするように移載ヘッド28側で補正させるための認識装置36が設けられている。
【0069】
移載ヘッド28は、図2に示すように、部品保持装置の一例としての複数個(第1実施形態では4個)の装着ヘッド(第1装着ヘッド38a,第2装着ヘッド38b,第3装着ヘッド38c,第4装着ヘッド38d)を横並びに連結した多連式ヘッドとして構成している。4個の装着ヘッド38a,38b,38c,38dは同一構造であって、各装着ヘッドは、吸着ノズル34と、吸着ノズル34に上下動作を行わせるためのアクチュエータ40と、プーリ46とを備える。第1装着ヘッド38aのプーリ46及び第3装着ヘッド38cのプーリ46にはタイミングベルト44によりθ回転用モータ42aの正逆回転駆動力が伝達されて、両方の吸着ノズル34に同時的にθ回転(吸着ノズル34の軸芯回りの回転)を行わせるようにしている。また、第2装着ヘッド38bのプーリ46及び第4装着ヘッド38dのプーリ46にはタイミングベルト44によりθ回転用モータ42bの正逆回転駆動力が伝達されて、両方の吸着ノズル34に同時的にθ回転を行わせるようにしている。各アクチュエータ40は、例えばエアシリンダより構成し、エアシリンダのオン・オフにより吸着ノズル34を上下動させて、選択的に部品保持又は部品装着動作を行えるようにする。なお、図2に示す通り、θ回転用モータ42aの動力がタイミングベルト44で伝達され、装着ヘッド38a,38cの吸着ノズル34をそれぞれθ回転させ、θ回転用モータ42bの動力がタイミングベルト44で伝達され、装着ヘッド38b,38dの吸着ノズルθ回転させるように構成しているが、このような構成は一例であって、各装着ヘッド38a,38b,38c,38d、それぞれに個別にθ回転させるθ回転用駆動モータが備えられた構成であっても構わない。しかし、移載ヘッド28の重量を小さくするためには、θ回転させるθ回転用駆動モータの数が少ない方が好適である。
【0070】
各装着ヘッドの吸着ノズル34は交換可能であり、交換する予備の吸着ノズルは電子部品実装装置100の基台10上のノズルストッカ48に予め収容されている。吸着ノズル34には、例えば、1.0×0.5mm程度の微小チップ部品を吸着するSサイズノズル、18mm角のQFPを吸着するMサイズノズル等があり、装着する電子部品の種類に応じて使用される。
【0071】
上記構成の電子部品実装装置の動作を以下に説明する。
【0072】
図3に示すように、一対のガイドレール14のローダ部16から搬入された回路基板12が基板保持部18に搬送されると、移載ヘッド28はXYロボットにより横方向言いかえればXY平面内で移動してパーツフィーダ30又はパーツトレイ32から所望の電子部品を吸着し、認識装置36の姿勢認識カメラ上に移動して電子部品の吸着姿勢を認識し、認識結果に基きθ回転用モータを駆動して吸着ノズル34をθ回転させて吸着姿勢の補正動作を行う。その後、回路基板12の部品装着位置に電子部品を装着する。
【0073】
各装着ヘッド38a,38b,38c,38dは、パーツフィーダ30又はパーツトレイ32から吸着ノズル34により電子部品を吸着するとき、及び、回路基板12の部品装着位置に電子部品を装着するとき、吸着ノズル34をアクチュエータ40の作動によりXY平面上から上下方向(Z方向)に下降させる。また、電子部品の種類に応じて、吸着ノズル34を適宜交換して装着動作が行われる。
【0074】
上記の電子部品の吸着、回路基板12への装着動作の繰り返しにより、回路基板12に対する電子部品の実装を完了させる。実装が完了した回路基板12は基板保持部18からアンローダ部20へ搬出される一方、新たな回路基板がローダ部16から基板保持部18に搬入され、上記動作が繰り返される。
【0075】
ここで、各電子部品の実装は、電子部品の種類(大きさ、重さ)に応じて、高速、中速、低速等のように、実装タクトが速度別に分けられている。この理由は、電子部品の慣性によるもので、吸着ノズル34の吸引力、電子部品の回路基板との密着力により決定される。また、複数の装着ヘッドで同時に部品吸着を行ったり、1つの装着ヘッドずつ部品吸着を行ったり、複数の装着ヘッドで同時に部品装着を行ったり、1つの装着ヘッドずつ部品装着を行ったりする。
【0076】
次に、本発明の第1実施形態に係る電子部品実装装置での多面取り基板に対する電子部品実装方法の実施例を図4〜図10に基づいて説明する。
【0077】
(実施例1)
まず、実施例1として、タスクリピート方式による実装動作を説明する。タスクリピート方式とは、複数の装着ヘッドで部品を一括同時に又は個別に吸着し、認識後、装着ヘッドに保持された全ての部品を回路基板12に一括同時に又は個別に装着するというタスクをパターン数分だけ繰り返す方式である。
【0078】
図4は、同一パターンである3枚の小基板からなる多面取り基板の一例を説明のために示したもので、この多面取り基板の各小基板のパターン(第1、第2、第3パターン)には、チップ部品C1〜C12、SOP1〜SOP3、及びQFP1〜QFP3がそれぞれ装着されるものとする。
【0079】
各電子部品の実装は、本方式によれば図4中の矢印で示すように、チップ部品→SOP→QFPの順序で行う。即ち、図5に装着ステップをシーケンシャルに示すように、まず、第1装着ヘッド38aにチップ部品C1、第2装着ヘッド38bにチップ部品C2、第3装着ヘッド38cにチップ部品C3、第4装着ヘッド38dにチップ部品C4をSサイズの吸着ノズルによりそれぞれ吸着し、移載ヘッド28を第1パターンの小基板上の各チップ部品の部品装着位置に移動させ、チップ部品C1〜C4をこの順序で基板上に装着する。その後、各装着ヘッド38a〜38dにチップ部品C5〜C8を吸着し、第2パターンの小基板上の部品装着位置に移動させて装着し、さらに同様にチップ部品C9〜C12を各装着ヘッド38a〜38dに吸着して第3パターンの小基板上の部品装着位置に装着する。
【0080】
次に、例えば第1装着ヘッド38aの吸着ノズルをSサイズからMサイズに交換して(他の装着ヘッドでもよい)、第1装着ヘッド38aにSOP1を吸着し、第1パターンの小基板上の部品装着位置に装着する。次いで、同様にして第1装着ヘッドによりSOP2,SOP3を順次吸着して各小基板上の部品装着位置に装着する。
【0081】
そして、第1装着ヘッド38aの吸着ノズル34をMサイズからLサイズに交換して、QFP1〜3を各小基板上の部品装着位置に装着する。
【0082】
ここで、上記タスクリピート方式では、3個の小基板に対して電子部品の装着を行う際に、C12からSOP1へ、またSOP3からQFP1へ移行するときにだけ吸着ノズルを交換している。このため、吸着ノズルの交換回数が最小限で済み、高効率で電子部品を基板上に装着することができ、以て、電子部品の実装時間の短縮化を図ることができる。
【0083】
このタスクリピート方式により、例えば図6に示す縦4×横4枚の合計16枚の小基板を有する多面取り基板に対して電子部品を装着する実装時間を試算すると、次のようになる。
【0084】
【0085】
(実施例2)
次に、実施例2として、改善版ステップリピート方式による実装動作を説明する。
【0086】
この改善版ステップリピート方式による各電子部品の実装順序は、図7に示すように従来のステップリピート方式と同様であり、図7の中に矢印で示すように、チップ部品→SOP→QFPの順序で行う。即ち、図8に装着ステップをシーケンシャルに示すように、まず、第1装着ヘッド38aにチップ部品C1、第2装着ヘッド38bにチップ部品C5、第3装着ヘッド38cにチップ部品C9をSサイズの吸着ノズルによりそれぞれ一括同時に又は個別に吸着し、移載ヘッド28を移動して、チップ部品C1、C5、C9をこの順序で各小基板上に装着する。その後、同様に各装着ヘッド38a,38b,38cにチップ部品C2、C6、C10を吸着して、各小基板上に装着し、さらにチップ部品C3、C7、C11を吸着及び装着し、チップ部品C4、C8、C12を吸着及び装着する。
【0087】
次に、第1装着ヘッド38aの吸着ノズル34をSサイズからMサイズに交換して、第1装着ヘッド38aの吸着ノズル34にSOP1を吸着し、第1パターンの小基板上の部品装着位置に装着する。次いで、同様にして第1装着ヘッド38aによりSOP2を吸着して第2パターンの小基板上に装着し、さらに、SOP3を吸着して第3パターンの小基板上に装着する。
【0088】
次いで、第1装着ヘッド38aの吸着ノズル34をMサイズからLサイズに交換して、QFP1〜3を同様にして各小基板上に順次装着する。
【0089】
ここで、上記改善版ステップリピート方式では、3枚の小基板に対して電子部品の装着を行う際に、各部品に対してそれぞれ一回毎に吸着するステップリピート方式よりも部品の吸着回数を大幅に削減することができるため、高効率で電子部品を基板上に装着でき、実装時間を短縮化できる。
【0090】
この改善版ステップリピート方式により、上記同様に図6に示す縦4×横4枚の合計16枚の小基板を有する多面取り基板に対して電子部品を装着する実装時間を試算すると、次のようになる。
【0091】
【0092】
(実施例3)
次に、実施例3として、返り打ち方式による実装動作を説明する。返り打ち方式とは、パターンリピートの改善版で、各パターンの吸着ノズルの使用順を、1つ前のパターンの吸着ノズルの使用順の逆の順序にする方式である。
【0093】
この返り打ち方式による各実装部品の実装順序を図9を参照して説明する。各電子部品の実装順序としては、図9の中に矢印で示すように、第1パターンの小基板に対する電子部品の装着を行い、その装着ステップが終了した時点に使用していた吸引ノズルのまま、第2パターンに対する装着ステップを開始する。
【0094】
即ち、図10に装着ステップをシーケンシャルに示すように、まず、第1装着ヘッド38aにチップ部品C1、第2装着ヘッド38bにチップ部品C2、第3装着ヘッド38cにチップ部品C3、第4装着ヘッド38cにチップ部品C4をSサイズの吸着ノズルによりそれぞれ吸着し、移載ヘッド28を第1パターンの小基板上の部品装着位置に移動して、チップ部品C1〜C4をこの順序で基板上に装着する。その後、第1装着ヘッド38aの吸着ノズル34をSサイズからMサイズに交換して、第1装着ヘッド38aにSOP1を吸着し、第1パターンの小基板上の部品装着位置に装着する。次いで、同様に第1装着ヘッド38aの吸着ノズル34をMサイズからLサイズに交換してQFP1を第1パターンの小基板上の部品装着位置に装着する。
【0095】
次に、第2パターンの小基板に対する電子部品の装着を行うが、このとき、第1パターンの小基板に対して最後に装着したQFP1用の吸着ノズル(Lサイズ)を交換することなく、そのまま用いて、第2パターンの小基板にQFP2を先に装着する。QFP2の装着を終了すると、吸着ノズルをLサイズからMサイズに交換してSOP2の装着を行い、さらに、吸着ノズルをMサイズからSサイズに交換してチップ部品C5〜C8を装着する。
【0096】
次いで、第3パターンの小基板に対しては、上記同様にSサイズの吸着ノズルを交換することなく、そのまま用いて、第3パターンの小基板にチップ部品9〜12を先に装着する。そして、SOP3,QFP3の装着を行う。
【0097】
このように装着することで、1枚の小基板に対する装着ステップが終了したときに吸着ノズルを交換することがなくなり、吸着ノズルの交換回数を大きく削減することができる。以て、効率良く電子部品を基板上に装着することができ、実装時間を短縮できる。
【0098】
この返り打ち方式により、上記同様に図6に示す縦4×横4枚の合計16枚の小基板を有する多面取り基板に対して電子部品を装着する実装時間を試算すると、次のようになる。
【0099】
【0100】
(比較例1)
比較のために、ステップリピート方式とパターンリピート方式による実装時間を以下に記す。
【0101】
まず、ステップリピート方式による実装時間は次にようになる。
【0102】
【0103】
(比較例2)
また、パターンリピート方式による実装時間は次のようになる。
【0104】
【0105】
以上説明した各実装方式による実装時間を表1に纏めて示した。表1に示すように、タスクリピート方式、改善版ステップリピート方式、返り打ち方式は、ステップリピート方式と比較して部品吸着回数を大幅に低減でき、パターンリピート方式と比較してノズル交換回数を大幅に低減できる。そして、特にタスクリピート方式や改善版ステップリピート方式においては、実装時間を格段に短縮でき、設備のスループットの向上が図れる。
【0106】
なお、表1に示す実装時間は上記条件に対して試算した一例であり、他の異なる条件下で電子部品を実装する場合に、各実施例の実装時間は比較例の実装時間と比較してより顕著に実装時間短縮効果が得られることがある。
【0107】
【表1】
【0108】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電子部品実装装置を説明する。
【0109】
図11(A)は、第2実施形態の移載ヘッド29の構成を示す概略構成図である、第2実施形態の移載ヘッド29は、部品保持装置の一例としての4個の装着ヘッド39、すなわち、39a,39b,39c,39dがボールネジ機構すなわちボールネジ50とモータ54とクラッチ56a,56b,56c,56dとを備える装着ヘッド移動機構900(部品保持装置移動機構の一例)によりそれぞれ一方向沿いに進退可能に構成されている。他の構成は前述の第1実施形態と同様である。
【0110】
この装着ヘッド39は、制御部52からの指令によりモータ54及び各装着ヘッド毎に設けられたクラッチ56a,56b,56c,56dをオンオフ制御することで所望の位置に移動させることができ、各装着ヘッドの間隔L1、L2、L3をぞれぞれ独立して制御して、所望の間隔に設定することができる。図11(B)にクラッチ56a〜56dの詳細を示す。クラッチ56a〜56dはいずれも同一構造であるため、クラッチ56として図示している。クラッチ56はボールネジ50を両側からはさむように2分された構造になっており、互いに平行な4本のガイド104に沿って、ボールネジ50を両側から挟み付けてクラッチ56がボールネジ50に噛み合う係合位置と、クラッチ56がそれぞれボールネジ50から離れて係合解除される係合解除位置との間で矢印106の両方向に移動可能である。エア供給源に連結されたエアバルブ101の制御部52の制御によるオンオフ操作により、エアー管102を通してエアがシリンダ103に供給され、シリンダ103の作動により、クラッチ56がボールネジ50にかみ合う係合位置、または、かみ合いを解除する係合解除位置に位置させられる。クラッチ56がボールネジ50にかみ合っているときは、モータ54の正逆回転によるボールネジ50の正逆回転により、クラッチ56はボールネジ50の軸心方向に進退移動する。
【0111】
また、装着ヘッド39a〜39dの間隔すなわち配置間隔を変更させる部品保持装置移動機構の他の例である装着ヘッド移動機構901として、図12に示すものでも構わない。図12に示す構成では、ボールネジ50aは回転不可に固定されたものであり、105a,105b,105c,105dはそれ自身がボールネジ50aとかみ合い、ボールネジ50aのまわりを回転する中空モータである。制御部52の制御により、各中空モータ105a〜105dがそれぞれ個別に独立して作動することにより、装着ヘッド39a〜39dが個別に独立してボールネジ50a沿いに進退移動して、装着ヘッド39a〜39dの間隔を調整することができる。
【0112】
このように、各装着ヘッドの間隔を可変とする構成にすることで、次のような効果を奏することができる。
【0113】
まず第1に、図13(A)に示すように、電子部品を供給するパーツフィーダ30の部品配列の配列間隔がM1、M2、M3であった場合に、装着ヘッドの間隔L1、L2、L3をパーツフィーダ30の配列間隔M1、M2、M3に一致させることができる。これにより、吸着ノズル34により電子部品60を吸着する際に、全装着ヘッドの吸着ノズル34に対して同時に一括して電子部品が吸着できるようになる。より詳細に述べれば、図2に示すように、全装着ヘッドのアクチュエータ40を同時的に駆動して全ての吸着ノズル34を同時に一括して下降させることにより、4本の吸着ノズル34で4個の電子部品を同時に一括して吸着保持することができる。また、全装着ヘッドのアクチュエータ40を同時的に駆動せずとも1つずつ順番に駆動して全ての吸着ノズル34を連続的に次々に下降させることにより、XY平面内で装着ヘッドを移動させることなく4本の吸着ノズル34で4個の電子部品を連続的に吸着保持することができる。
【0114】
また、図13(B)に示すように、装着しようとする電子部品のパーツフィーダ30が隣接しておらず、部品吸着対象とならないパーツフィーダ30を越えて、間隔M3だけ離れているパーツフィーダ30からも部品吸着する場合であっても、間隔M3に一致するように装着ヘッド39aと装着ヘッド39bとの間隔(図ではL3)を適宜変更することで、離れたパーツフィーダ30からでも同時に電子部品を吸着できる。
【0115】
このため、各吸着ノズル34毎に順次部品吸着する構成と比較して、各吸着ノズル34への部品吸着を、各装着ヘッドが同時に一回上下動作することで完了でき、部品吸着時間を大幅に短縮することができる。
【0116】
また、第2に、図14に示すように、吸着ノズルに保持された電子部品を回路基板上に装着する際に、装着ヘッドの間隔L1、L2、L3を、装着しようとする電子部品の部品配列間隔N1、N2、N3にそれぞれ合わせることにより、即ち、L1=N1、L2=N2、L3=N3とすることにより、回路基板上への電子部品60の装着を、各装着ヘッドが同時に一回上下動作することで完了できる。より詳細に述べれば、図2に示すように、全装着ヘッドのアクチュエータ40を同時的に駆動して全ての吸着ノズル34を同時に一括して下降させることにより、4本の吸着ノズル34で4個の電子部品を同時に一括して回路基板12に部品装着することができる。また、全装着ヘッドのアクチュエータ40を同時的に駆動せずとも1つずつ順番に駆動して全ての吸着ノズル34を連続的に次々に下降させることにより、XY平面内で装着ヘッドを移動させることなく4本の吸着ノズル34で4個の電子部品を連続的に回路基板12に部品装着することができる。
【0117】
これにより、部品装着時間を大幅に短縮することができる。ここで、図14(A)は吸着ノズルの間隔及び電子部品の間隔が等しい(L1=L2=L3=N1=N2=N3)場合であり、図14(B)は部品間隔の異なる場合を示している。
【0118】
ここで、図13(A)に示す状態で電子部品を装着ヘッドに吸着保持して図14(A)に示すように基板上に装着することで、最も効率良く電子部品の実装が行えるが、例えば図13(A)の状態で電子部品を吸着して、移載ヘッド29の移動中に図14(B)に示す装着ヘッド位置に移動させ、部品装着を行うと実装タクト向上につながる。
【0119】
図13(A)のような部品供給位置における装着ヘッド間の間隔、および図14のような部品装着位置における装着ヘッド間の間隔は、あらかじめ図21の記憶部1001に記憶された図15に示すNCプログラムにて部品供給位置のX,Y座標、装着位置のX,Y座標を指示し、このX,Y座標を制御部52の制御により読み出して図21の演算部1002で演算することにより設定される。NCプログラムは、部品実装装置が部品を実装する各動作をシーケンシャルに指令するためのプログラムである。例えば、ステップNo.1〜4において、記憶部1001から読み出された部品供給位置のX座標が、装着ヘッド39dはk1,装着ヘッド39cはk2,装着ヘッド39bはk3,装着ヘッド39aはk4であるとき、演算部1002により、各装着ヘッドが指定された部品供給位置に合致するように装着ヘッド間の間隔L1,L2,L3が求められる。この場合、演算部1002では、L1=k2−k1,L2=k3−k2,L3=k4−k3の演算を行うことにより、装着ヘッド間の間隔L1,L2,L3を求める。
【0120】
また、図15のステップNo.1〜4において、記憶部1001から読み出された部品装着位置のX座標が、装着ヘッド39dはX11,装着ヘッド39cはX12,装着ヘッド39bはX13,装着ヘッド39aはX14であるとき、演算部1002により、各装着ヘッドが指定された部品装着位置に合致するように装着ヘッド間の間隔L1,L2,L3が求められる。この場合、演算部1002では、L1=X12−X11,L2=X13−X12,L3=X14−X13の演算を行うことにより、装着ヘッド間の間隔L1,L2,L3を求める。
【0121】
ここで、部品供給位置における装着ヘッド間の間隔の切替えは、部品供給位置において行っても良いが、1つ前の部品装着後の移載ヘッド29の移動中に行う方が、実装タクト向上ができる。なお、上記例では、部品供給位置のX,Y座標、装着位置のX,Y座標に基き、演算部1002で演算して部品吸着及び部品装着動作時の装着ヘッド間の間隔を求めるようにしているが、記憶部1001に予めパーツフィーダ30の間隔又は装着位置の間隔又はそれらの両方を記憶しておき、単にそれらの間隔を読み出すだけで演算処理することなく、装着ヘッドの調整動作が行えるようにしてもよい。要するに、記憶部1001に、予めパーツフィーダ30又は装着位置の配列情報、具体的には、間隔又は位置情報が記憶されておればよい。
【0122】
また、部品供給位置における装着ヘッド間の間隔の切替えは、パーツフィーダ30にあるマーク等の部品配列位置情報を、移載ヘッド28又は29に備えたカメラまたはセンサ等の認識装置905(部品配列位置情報認識装置の一例)で認識して、演算部1002で演算処理することによりパーツフィーダ30の間隔を得て、得られたパーツフィーダ30の間隔に合致するように装着ヘッド間の間隔を調整するものでも構わない。
【0123】
また、同様に、図13(B)に示す状態で電子部品を吸着保持して、図14(A)、(B)に示す装着ヘッド位置に移動させて部品装着を行うようにしてもよい。
【0124】
上記いずれの場合であっても、各装着ヘッドが同時に一回上下動作することで、全装着ヘッドに対する部品吸着又は部品装着を完了でき、部品実装時間を大幅に短縮することができる。
【0125】
なお、装着ヘッドの間隔を調整するために装着ヘッドを移動させる装着ヘッド移動機構としては、ボールネジ機構の他、移動速度及び精度が保つことができる装置であれば如何なる装置であってもよい。また、第1及び第2実施形態の移載ヘッドは、4連の装着ヘッドを構成しているが、本発明はこれに限定されることなく、任意の数の装着ヘッドを備えた構成であってもよい。
【0126】
第1及び第2実施形態においては、パーツフィーダ30の配列間隔、回路基板上の電子部品装着位置の間隔に各装着ヘッドの配列間隔を一致させるように調整する構成を示したが、これに限らず、例えば、各装着ヘッドの配列間隔を基準として、パーツフィーダ30の配列間隔をパーツフィーダ移動機構(部品供給部移動機構の一例)で調整したり、回路基板上の電子部品装着位置の間隔を設計変更する構成としてもよい。こうすることで、移載ヘッド側の装着ヘッド移動機構が不要となり、移載ヘッドを軽量化できるため、移動速度が向上でき、より高速な実装が可能となる。
【0127】
ここで、パーツフィーダ30の配列間隔を変更するパーツフィーダ移動機構120(部品供給部移動機構の一例)として図16に具体例を示す。パーツフィーダ移動機構120はパーツフィーダ30をそれぞれ載置する載置台111a,111b,111c,111dが、回転不可に固定されたボールネジ110に沿って、進退移動可能になっている。載置台111a〜111dの内部にはボールネジ110のまわりを回転する中空モータ115a〜115dがそれぞれ備えられており、制御部52からの制御により、各中空モータ115a〜115dがそれぞれ個別に独立して作動することにより、載置台111a〜111dが個別に独立してボールネジ110沿いに進退移動して、隣接する装着ヘッド間の間隔に合致するようにパーツフィーダ30の配列間隔M1,M2,M3を変更することができる。
【0128】
また、部品の高さに合致するように、各装着ヘッドの高さを上下調整できるものであれば、各装着ヘッドの下降量を部品高さに応じて最適な位置に調整しつつ部品を吸着または装着することができる。
【0129】
本発明の部品実装方法及び部品実装装置によれば、多面取り基板に部品を装着する際に、
(1)同じ吸着ノズルによって保持可能な部品を上記基板に全て装着する装着ステップを全ての小基板に適用した後に吸着ノズルを交換することにより、吸着ノズルの交換回数を最小限に抑えることができ、
(2)同種類の部品を各吸着ノズルにそれぞれ保持させて、各小基板に連続的に装着する装着ステップを全ての小基板に適用した後に次の装着ステップに移ることにより、1部品毎に吸着・装着を繰り返す動作から、多部品を一度に吸着しておいて装着する動作にでき、
(3)一つの小基板に対して部品の装着を完了させた後、次の小基板に対する部品の装着を行うときに、装着の完了した小基板に対して最後に用いた吸着ノズルを、そのまま次の小基板に対して用いることにより、吸着ノズルの交換回数を低減することができる。
【0130】
これら(1)〜(3)の方式により実装動作を無駄の無いように効率良く行うことができ、部品の実装時間の短縮化を図れ、設備のスループットの向上が図れる。
【0131】
また、部品供給部の部品配列間隔又は基板上の部品装着位置の間隔と、移載ヘッドの部品保持装置の配列間隔とを一致させることにより、部品を部品供給部から取り出す際に各部品保持装置を同時に一回上下動作させることで、部品を部品保持装置に保持できるようになる。また、部品保持装置に保持された部品を回路基板に装着する際に、各部品保持装置を同時に一回上下動作させることで、部品が回路基板上の所望の位置に装着できるようになる。これにより、部品の実装時間を大幅に短縮することができる。
【0132】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。
【図1】 本発明の第1実施形態としての部品実装装置の斜視図である。
【図2】 上記部品実装装置の移載ヘッドの拡大斜視図である。
【図3】 上記電子部品実装装置の概略的な平面図である。
【図4】 同一パターンである3枚の小基板からなる多面取り基板の一例でタスクリピート方式による装着順序を示す図である。
【図5】 タスクリピート方式による装着ステップをシーケンシャルに示す図である。
【図6】 縦4×横4枚の合計16枚の小基板を有する多面取り基板を示す図である。
【図7】 同一パターンである3枚の小基板からなる多面取り基板の一例で改善版ステップリピート方式による装着順序を示す図である。
【図8】 改善版ステップリピート方式による装着ステップをシーケンシャルに示す図である。
【図9】 同一パターンである3枚の小基板からなる多面取り基板の一例で返り打ち方式による装着順序を示す図である。
【図10】 返り打ち方式による装着ステップをシーケンシャルに示す図である。
【図11】 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第2実施形態の移載ヘッドの構成を示す概略構成図及び斜視図である。
【図12】 第2実施形態の移載ヘッドの装着ヘッド移動機構の他の例を示す概略構成図である。
【図13】 (A)、(B)はパーツフィーダの配列間隔と装着ヘッドの配列間隔との関係を示す図である。
【図14】 (A)、(B)はそれぞれ回路基板上の電子部品の装着位置の間隔と装着ヘッドの配列間隔の関係を示す図である。
【図15】 NCプログラムの一例を示す説明図である。
【図16】 本発明の上記実施形態にかかる電子部品実装装置のパーツフィーダ移動機構を示す概略構成図である。
【図17】 従来のステップリピート方式による装着ステップをシーケンシャルに示す図である。
【図18】 同一パターンである3枚の小基板からなる多面取り基板の一例で従来のパターンリピート方式による装着順序を示す図である。
【図19】 従来のパターンリピート方式による装着ステップをシーケンシャルに示す図である。
【図20】 (A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ吸着ノズルへの部品装着動作を吸着ノズルの上下動作により行う様子を示す図である。
【図21】 本発明の上記実施形態にかかる電子部品実装装置の制御部関係のブロック図である。
Claims (2)
- 部品を保持する脱着自在な吸着ノズルを複数備え、かつX−Y平面上を自在に移動する部品保持装置により上記部品を複数個の小基板からなる多面取り基板上の部品装着位置に順次装着する部品実装方法において、
上記基板に部品を装着する際に、上記複数の吸着ノズルによって保持可能な部品を一括同時に又は個別に保持させ一つの小基板に装着する装着ステップを含めて、一つの小基板に対して部品の装着を完了させた後、次の小基板に対する部品の装着を行うときに、装着の完了した小基板に対して最後に用いた吸着ノズルを、そのまま次の小基板に対して用いることで、各小基板に対する部品の実装を行う部品実装方法。 - 請求項1に記載の部品実装方法を用いて多面取り基板に部品を装着する部品実装装置。
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