JP3995480B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1台の室内機からダンパ装置及び吹出ダクト等を用いて複数の空調ゾーンへ、空気調和された空気を供給可能とする空気調和装置に係り、特に、室内機とともにダンパ装置も制御する空調用リモートコントローラを備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置100には、図3に示すように、建物101の例えば小屋裏空間等に設置された1台の室内機102から、吹出ダクト103を用いて1階の空調ゾーン105へ、また、吹出ダクト104を用いて2階の空調ゾーン106へ、室内機102にて空気調和された空気を供給可能とするよう構成されたものがある。このような空気調和装置100では、室内機102と吹出ダクト103及び104との間にダンパ装置107が設置され、このダンパ装置107の作用で、空調ゾーン105、106へ供給される空気の風量バランスが調整される。
【0003】
これらの空調ゾーン105、106には、温度センサを内蔵すると共に室内機102を制御可能とする空調用リモートコントローラ108、109がそれぞれ設置されている。これらの空調用リモートコントローラ108と空調用リモートコントローラ109は、一方が主リモートコントローラであり、他方が従リモートコントローラであって、主リモートコントローラによってのみ室内機102が制御される。空調用リモートコントローラ108、109の主従の切換えは、各リモートコントローラのキーの操作によって実行され、最後にキー操作された空調用リモートコントローラ108または109が主リモートコントローラとなる。
【0004】
また、上記ダンパ装置107は、空調用リモートコントローラ108、109による室内機102の制御とは独立して、ダクト専用リモートコントローラ110により制御される。このダクト用リモートコントローラ110は、空調ゾーン105または106のいずれか一方(本実施の形態では空調ゾーン105)に設置されている。なお、図3中の符号111は室外機を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記ダンパ専用リモートコントローラ110では、ダンパ装置107のダンパ設定開度がダイヤルなどによって調整されるものであるため、このダンパ設定開度によって規定される各空調ゾーン105、106への空気の風量バランスは、必ずしもわかりやすく表示されているとは言えない。
【0006】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、空調用コントローラが、ダンパ装置におけるダンパ設定開度をわかりやすく表示できる空気調和装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、室内機に設置されたダンパ装置が、上記室内機により空気調和されて、上記複数の空調ゾーン毎に、上記室内機を制御する空調用リモートコントローラが個別に設けられ、各空調用リモートコントローラによって上記室内機の制御と上記ダンパ装置のダンパ設定開度の制御とを実行可能に構成され、各空調用リモートコントローラは、上記ダンパ装置におけるダンパ設定開度を視覚的に表示する表示部を備え、上記複数の空調ゾーン毎に個別に設けられた空調用リモートコントローラのうち、最後に操作された空調用リモートコントローラによって上記室内機が制御され、さらに、この空調用リモートコントローラによって上記ダンパ装置が制御されるとともに、この制御に伴って上記表示部におけるダンパ設定開度の表示が変化することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記空調用コントローラには、ダンパ装置のダンパ設定開度を変更可能とするダンパ開度設定キーが設けられたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記空調用リモートコントローラの表示部には、各空調ゾーンに対応したレベルメーターが設けられ、ダンパ設定開度に応じて上記レベルメーターのレベルが増減可能に構成されたことを特徴とするするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記空調用コントローラの表示部におけるレベルメーターでは、ダンパ設定開度が増大した側の空調ゾーンに対応するレベルメーターのレベルが増大し、ダンパ設定開度が減少した側の空調ゾーンに対応するレベルメーターのレベルが減少するよう構成されたことを特徴するするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、上記空調用コントローラの表示部には、室内機にダンパ装置が設置されていない場合、ダンパ開度設定キーが操作された時に、上記ダンパ装置のダンパ開度設定機能が動作しない旨が表示されることを特徴とするものである。
【0012】
請求項1乃至5に記載の発明には、次の作用がある。
【0013】
空調用リモートコントローラには、ダンパ装置のダンパ設定開度が視覚的に表示されるよう構成されたことから、空調用リモートコントローラは、ダンパ装置におけるダンパ設定開度、つまり各空調ゾーンへの空気の風量バランスを使用者にわかりやすく表示できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る空気調和装置の一実施の形態を示す構成図である。
【0016】
この図1に示す空気調和装置10は、室外機11が建物13の外に、室内機12が建物13の例えば小屋裏空間14に、それぞれ1台ずつ設置され、更に、上記室内機12にダンパ装置15が連設され、このダンパ装置15から複数本、例えば2本の吹出ダクト16及び17が延設されて構成される。これらの吹出ダクト16及び17も小屋裏空間14に設置される。また、この小屋裏空間14には、図示しないが、建物13内の空気を室内機12へ導く吸込ダクト等が、室内機12に連設して設置されている。
【0017】
上記室内機12は、室内熱交換器18及びファン19を備える。室内熱交換器18は、冷媒配管20を用いて室外機11に接続され、この室外機11から導かれる冷媒の蒸発または凝縮により、室内機12内に吸い込まれた空気を熱交換して冷却し、または暖める。
【0018】
上記吹出ダクト16及び17は、一端がダンパ装置15に結合されると共に、他端に吹出グリル21が取り付けられる。吹出ダクト16の吹出グリル21は、建物13の1階の天井板22に設置され、吹出ダクト17の吹出グリル21は、建物13の2階の天井板23に設置される。上記天井板22は1階の空調ゾーン24に臨み、上記天井板23は2階の空調ゾーン25に臨んで設けられる。
【0019】
従って、室内機12のファン19の回転によって、この室内機12に建物13内の空気が吸込ダクト(不図示)等を介して吸い込まれ、室内機12の室内熱交換器18により熱交換された空気が、吹出ダクト16を経て吹出グリル21から1階の空調ゾーン24(Aゾーン)へ吹き出され、また、吹出ダクト17を経て吹出グリル21から2階の空調ゾーン25(Bゾーン)へ吹き出される。
【0020】
前記ダンパ装置15は、空調ゾーン24、25へ供給される、室内機12にて空気調和された空気の風量バランスを調整するものであり、各吹出ダクト16、17に対応して配置されたダンパ板26、27と、これらのダンパ板26及び27を駆動するダンパモータ28とを有して構成される。
【0021】
ダンパモータ28は、ダンパ板26及び27を同時に連動して駆動し、例えば正転時に、ダンパ板26によるダンパ開度を増大させて、吹出ダクト16を通って空調ゾーン24へ供給される空気の風量を増大させると共に、ダンパ板27によるダンパ開度を減少させて、吹出ダクト17を通って空調ゾーン25へ供給される空気の風量を減少させる。また、ダンパモータ28は、逆転時には、ダンパ板26によるダンパ開度を減少させて、吹出ダクト16を通って空調ゾーン24へ供給される空気の風量を減少させると共に、ダンパ板27によるダンパ開度を増大させて、吹出ダクト17を通って空調ゾーン25へ供給される空気の風量を増大させる。
【0022】
さて、前記室外機11及び室内機12を制御する空調用リモートコントローラ29、30は空調ゾーン24、25のそれぞれに設置され、内蔵された温度センサ(不図示)によって空調ゾーン24、25の温度をそれぞれ検出可能とする。これらの空調用リモートコントローラ29、30は、一方が主リモートコントローラとなり、他方が従リモートコントローラとなる主従リモートコントローラであり、主リモートコントローラのみが室外機11及び室内機12を制御する。
【0023】
主リモートコントローラと従リモートコントローラとの切り換えは、各リモートコントローラのキーを操作することによって実行され、最後にキーが操作された空調用リモートコントローラ29または30が主リモートコントローラとなる。
【0024】
室外機11及び室内機12は、この主リモートコントローラにより制御される。例えば、室外機11及び室内機12は、主リモートコントローラとなった空調用リモートコントローラ29または30の、図2に示す運転・停止キー31の操作によって、運転と停止が制御される。また、室外機11及び室内機12は、主リモートコントローラとなった空調用リモートコントローラ29または30の温度センサにより検出された温度に基づいて、この主リモートコントローラとなった空調用リモートコントローラ29または30の温度設定キー32により設定された設定温度となるよう制御される。
【0025】
また、空調用リモートコントローラ29と空調用リモートコントローラ30は、主リモートコントローラとなった時に、ダンパ装置15を制御し得るよう構成されている。
【0026】
ここで、各空調ゾーン24、25へ供給される空気の風量バランスはダンパ装置15によって調整されるが、空調用リモートコントローラ29及び30には、図2に示すように、上記ダンパ装置15のダンパ設定開度(即ち、ダンパ開度の設定値)を変更可能とする、ダンパ開度設定キーとしての風量バランス設定キー33及び34が設置されている。そして、この空調用リモートコントローラ29及び30の表示部35には、ダンパ装置15のダンパ設定開度を視覚的に表示可能とするレベルメーター36及び37が設けられている。
【0027】
上記風量バランス設定キー33及びレベルメーター36は空調ゾーン24(Aゾーン)に対応し、また、上記風量バランス設定キー34及び上記レベルメーター37は空調ゾーン25(Bゾーン)に対応する。また、レベルメーター36及び37は、ダンパ設定開度に応じてそれらの表示レベルが、例えば10段階の範囲で増減可能に構成されている。
【0028】
主リモートコントローラとなった空調用リモートコントローラ29または30では、風量バランス設定キー33の押圧操作によって、ダンパ板26(図1)によるダンパ設定開度が増大されて、空調ゾーン24への供給空気の風量が増大されると共に、ダンパ板27(図1)によるダンパ設定開度が減少されて、空調ゾーン25への供給空気の風量が減少される。従って、空調用リモートコントローラ29または30では、風量バランス設定キー33が押圧操作されることによって、ダンパ設定開度が増大する側の空調ゾーン24に対応するレベルメーター36の表示レベルが増大し、ダンパ設定開度が減少する側の空調ゾーン25に対応するレベルメーター37の表示レベルが減少する。
【0029】
また、主リモートコントローラとなった空調用リモートコントローラ29または30では、風量バランス設定キー34の押圧操作によって、ダンパ板27によるダンパ設定開度が増大されて、空調ゾーン25への供給空気の風量が増大されると共に、ダンパ板26によるダンパ設定開度が減少されて、空調ゾーン24への供給空気の風量が減少される。従って、空調用リモートコントローラ29または30では、風量バランス設定キー34が押圧されることによって、ダンパ設定開度が増大する側の空調ゾーン25に対応するレベルメーター37の表示レベルが増大し、ダンパ設定開度が減少する側の空調ゾーン24に対応するレベルメーター36の表示レベルが減少する。
【0030】
空調用リモートコントローラ29または30のいずれかが主リモートコントローラとして選択されることによって、この選択された空調用リモートコントローラ29または30に設定されて、そのレベルメーター36及び37の表示レベルにより表示されているダンパ設定開度に基づき、ダンパ装置15が制御される。
【0031】
一方、図1に示す室内機12にダンパ装置15が連設されていない場合には、空調用リモートコントローラ29及び30の表示部35における上記レベルメーター36及び37が表示されない。この場合には、空調用リモートコントローラ29及び30の風量バランス設定キー33または34が操作された時に、空調用リモートコントローラ29及び30の表示部35に「この機能はありません」等、ダンパ装置15のダンパ開度設定機能が動作しない旨が表示される。
【0032】
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果▲1▼及び▲2▼を奏する。
【0033】
▲1▼空調用リモートコントローラ29及び30の表示部35には、ダンパ装置15における空調ゾーン24側または空調ゾーン25側のダンパ設定開度が、レベルメーター36または37のそれぞれによって視覚的に表示されるよう構成されたことから、空調用リモートコントローラ29及び30は、ダンパ装置15における空調ゾーン24側または空調ゾーン25側のダンパ設定開度、つまり各空調ゾーン24、25へ供給される空気の風量バランスを使用者にわかりやすく表示できる。
【0034】
▲2▼選択されて主リモートコントローラとなった空調用リモートコントローラ29または30によってのみ室外機11及び室内機12が制御されると共に、この主リモートコントローラとなった空調用リモートコントローラ29または30によってダンパ装置15も制御されることから、このダンパ装置15を制御するダンパ専用リモートコントローラを廃止できるので、コストを低減できる。
【0035】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
例えば、上記実施の形態では、空調ゾーンが2つの場合(空調ゾーン24及び25)を述べたが、空調ゾーン、吹出ダクト及びダンパ装置15のダンパ板が、互いに対応してそれぞれ3以上あってもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る空気調和装置によれば、空調用コントローラが、ダンパ装置におけるダンパ設定開度をわかりやすく表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1の空調用リモートコントローラを示す正面図である。
【図3】従来の空気調和装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10 空気調和装置
12 室内機
15 ダンパ装置
24、25 空調ゾーン
29、30 空調用リモートコントローラ
33、34 風量バランス設定キー(ダンパ開度設定キー)
35 表示部
36、37 レベルメーター
Claims (5)
- 室内機に設置されたダンパ装置が、上記室内機により空気調和されて、複数の各空調ゾーンへ供給される空気の風量バランスを調整可能とする空気調和装置において、
上記複数の空調ゾーン毎に、上記室内機を制御する空調用リモートコントローラが個別に設けられ、各空調用リモートコントローラによって上記室内機の制御と上記ダンパ装置のダンパ設定開度の制御とを実行可能に構成され、
各空調用リモートコントローラは、上記ダンパ装置におけるダンパ設定開度を、上記複数の空調ゾーン毎に、風量バランスを量的に示すレベルメータを用いることで、視覚的に表示する表示部を備え、
上記複数の空調ゾーン毎に個別に設けられた空調用リモートコントローラのうち、最後に操作された空調用リモートコントローラによって上記室内機が制御され、さらに、この空調用リモートコントローラによって上記ダンパ装置が制御されるとともに、この制御に伴って上記表示部におけるダンパ設定開度の表示が変化することを特徴とする空気調和装置。 - 上記空調用コントローラには、ダンパ装置のダンパ設定開度を変更可能とするダンパ開度設定キーが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 上記空調用リモートコントローラの表示部には、各空調ゾーンに対応したレベルメーターが設けられ、ダンパ設定開度に応じて上記レベルメーターのレベルが増減可能に構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
- 上記空調用コントローラの表示部におけるレベルメーターでは、ダンパ設定開度が増大した側の空調ゾーンに対応するレベルメーターのレベルが増大し、ダンパ設定開度が減少した側の空調ゾーンに対応するレベルメーターのレベルが減少するよう構成されたことを特徴する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和装置。
- 上記空調用コントローラの表示部には、室内機にダンパ装置が設置されていない場合、ダンパ開度設定キーが操作された時に、上記ダンパ装置のダンパ開度設定機能が動作しない旨が表示されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気調和装置。
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