JP3994846B2 - 電圧変換装置、および電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

電圧変換装置、および電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置および直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給されるようにすることも検討されている(たとえば、特開平8−214592号公報参照)。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車または電気自動車は、図9に示すモータ駆動装置を搭載している。図9を参照して、モータ駆動装置300は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、直流電源Bからの直流電圧をコンデンサC1に供給する。コンデンサC1は、直流電源BからシステムリレーSR1,SR2を介して供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を双方向コンバータ310へ供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315が接続されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC2に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧してコンデンサC1へ供給する。
【0009】
コンデンサC2は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC2の両側の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vmを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−214592号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
直流電源から出力された直流電圧をリアクトルを用いて出力電圧に変換する場合、リアクトルは騒音を発生する。そして、リアクトルが発生する騒音特性は、リアクトルの温度によって変化する。
【0013】
しかし、特開平8−214592号公報に開示された技術は、リアクトルが発生する騒音に対処する技術ではないため、特開平8−214592号公報に開示されたモータ駆動装置においては、リアクトルから騒音が発生するという問題がある。
【0014】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、リアクトルからの騒音を抑制する電圧変換装置を提供することである。
【0015】
また、この発明の別の目的は、リアクトルからの騒音を抑制して直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、電圧変換装置は、電圧変換器と、検出手段と、変更手段とを備える。電圧変換器は、スイッチング素子とリアクトルとを含み、直流電源から出力される直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する。検出手段は、リアクトルの温度を検出する。変更手段は、検出手段によって検出されたリアクトルの温度に応じて、スイッチング素子のオン/オフを制御する制御信号のキャリア周波数をリアクトルにおける騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更する。
【0017】
好ましくは、電圧変換装置は、記憶手段をさらに備える。記憶手段は、リアクトルの温度と好適なキャリア周波数との関係をマップとして記憶する。そして、変更手段は、マップを参照して検出手段から受けたリアクトルの温度に対応する好適なキャリア周波数を抽出し、制御信号のキャリア周波数を抽出した好適なキャリア周波数に変更する。
【0018】
好ましくは、電圧変換器は、出力電圧の電圧レベルを調整してインバータへ供給し、制御信号のキャリア周波数は、インバータを駆動するためのキャリア周波数と異なる。
【0019】
好ましくは、電圧変換器は、第1および第2のスイッチング素子と、リアクトルとからなる。リアクトルは、一方端が第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子との間に接続される。
【0020】
また、この発明によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、直流電源から出力される直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器に含まれるリアクトルの温度を検出する第1のステップと、検出されたリアクトルの温度に応じて、電圧変換器に含まれるスイッチング素子のオン/オフを制御する制御信号のキャリア周波数をリアクトルにおける騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更する第2のステップと、好適なキャリア周波数を有する制御信号によってスイッチング素子のオン/オフを制御する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0021】
好ましくは、プログラムの第2のステップは、リアクトルの温度と好適なキャリア周波数との関係を示すマップを参照して検出されたリアクトルの温度に対応する好適なキャリア周波数を抽出するステップと、制御信号のキャリア周波数を抽出された好適なキャリア周波数に変更するステップとを含む。
【0022】
好ましくは、制御信号のキャリア周波数は、出力電圧が供給されるインバータを駆動するためのキャリア周波数と異なる。
【0023】
この発明においては、電圧変換器に含まれるスイッチング素子をオン/オフする制御信号のキャリア周波数は、電圧変換器に含まれるリアクトルの各温度においてリアクトルからの騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更される。
【0024】
したがって、この発明によれば、リアクトルの温度が変動してもリアクトルからの騒音の発生を抑制できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0026】
図1を参照して、この発明による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10,13と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、温度センサー11と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサー24と、制御装置30とを備える。
【0027】
交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、このモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0028】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1は、コイルを含む所謂、変成器とも呼ばれるものでよい。リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2が接続されている。
【0029】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0030】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0031】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0032】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、H(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、L(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0033】
温度センサー11は、リアクトルL1の温度TLを検出し、その検出した温度TLを制御装置30へ出力する。
【0034】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMUを受けると、信号PWMUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。
【0035】
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。ただし、昇圧コンバータ12を昇圧機能のみを行なうような回路構成に適用してもよいことは言うまでもない。
【0036】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0037】
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMCに基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0038】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0039】
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から入力されたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、電圧センサー10からの直流電圧Vb、温度センサー11からの温度TL、電圧センサー13からの出力電圧Vm、および電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUとインバータ14を駆動するための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。そして、制御装置30は、温度TLに応じて、NPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするときのキャリア周波数をリアクトルL1における騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更し、その変更したキャリア周波数を有する信号PWMUを生成する。
【0040】
信号PWMUは、昇圧コンバータ12がコンデンサC1からの直流電圧を出力電圧Vmに変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12が直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に、出力電圧Vmをフィードバック制御し、出力電圧Vmが指令された電圧指令Vdccomになるように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUを生成する。信号PWMUの生成方法については後述する。
【0041】
また、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部のECUから受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。この場合、インバータ14のNPNトランジスタQ4,Q6,Q8は信号PWMCによってスイッチング制御される。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0042】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部のECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0043】
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0044】
図2は、制御装置30の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR、直流電源Bから出力された直流電圧Vb、モータ電流MCRT、モータ回転数MRN、リアクトルL1の温度TLおよび昇圧コンバータ12の出力電圧Vmに基づいて、交流モータM1の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUと、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。なお、トルク指令値TRは、車両におけるアクセルペダルの踏み込み度合い、ハイブリッド車両においてはエンジンの動作状態をも考慮しながらモータに与えるべきトルク指令を演算して得られている。
【0045】
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部のECUから受けると、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。
【0046】
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部のECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。このように、昇圧コンバータ12は、直流電圧を降圧するための信号PWMDにより直流電圧を降下させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。なお、この実施の形態では、双方向コンバータとしているが、種々のシステムに合わせて必ずしも双方向コンバータになっていなくてもよい。
【0047】
図3は、モータトルク制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、フィードバック電圧指令演算部52と、デューティー比変換部54と、周波数設定部56と、メモリ58とを含む。
【0048】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー13から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0049】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0050】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0051】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0052】
フィードバック電圧指令演算部52は、電圧センサー13からの昇圧コンバータ12の出力電圧Vmと、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdccomとに基づいて、後述する方法によってフィードバック電圧指令Vdccom_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdccom_fbをデューティー比変換部54へ出力する。
【0053】
デューティー比変換部54は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbとに基づいて、電圧センサー13からの出力電圧Vmを、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比と周波数設定部56からの好適なキャリア周波数fcpとに基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUを生成する。そして、デューティー比変換部54は、生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0054】
なお、昇圧コンバータ12の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0055】
周波数設定部56は、温度センサー11からの温度TLを受ける。また、周波数設定部56は、リアクトルL1の温度TLとリアクトルL1における騒音を抑制する好適なキャリア周波数fcpとの関係を示すマップをメモリ58から読み出す。そして、周波数設定部56は、マップを参照して、温度センサー11から受けた温度TLに対応する好適なキャリア周波数fcpを抽出し、その抽出した好適なキャリア周波数fcpをデューティー比変換部54へ出力する。なお、周波数設定部56が出力する好適なキャリア周波数fcpは、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMIのキャリア周波数帯と異なるキャリア周波数帯に含まれる。
【0056】
メモリ58は、リアクトルL1の温度TLとリアクトルL1における騒音を抑制する好適なキャリア周波数fcpとの関係を示すマップを記憶する。
【0057】
図4を参照して、リアクトルL1は、コア110およびコイル111A,111Bから成る。コア110は、直線部112A,122Bおよび湾曲部112C,122Dからなる。直線部112A,112Bおよび湾曲部112C,112Dは、一部にギャップ113,114を形成するように環状形状に配置される。そして、ギャップ113,114は、たとえば、ガラスのエポキシ材から成る。
【0058】
コイル111Aは、コア110の一方の直線部112Aに銅線を巻くことにより作製され、コイル111Bは、コア110の他方の直線部112Bに銅線を巻くことにより作製される。コイル111Aは、配線111Cによりコイル111Bと接続される。これにより、コイル111A,111Bは直列に接続される。そして、たとえば、端子115Aから端子115Bの方向に電流が流される。
【0059】
コイル111Aは、電流が矢印116の方向に流れるように巻回され、コイル111Bは、電流が矢印117の方向に流れるように巻回される。これにより、コイル111A,111Bに電流が流れることにより発生した磁束は、ギャップ113を矢印118の方向に通過し、ギャップ114を矢印119の方向に通過する。つまり、発生した磁束は、環状形状のコア110中を一周する方向に伝搬する。
【0060】
そして、温度センサー11は、コイル111Aとコイル111Bとの間に配置される。コイル111A,111Bに電流が流れることによる発熱、および磁束がギャップ113,114を通過することによる発熱がリアクトルL1における温度上昇の主な要因である。したがって、温度センサー11をリアクトルL1のコア110およびコイル111A,111Bによって囲まれた位置に配置することにより、リアクトルL1の温度を正確に検出できる。
【0061】
昇圧コンバータ12が直流電源Bから出力された直流電圧を昇圧する場合、NPNトランジスタQ2がスイッチング制御され、直流電流がコイル111A,111Bにパルス状に流れる。そうすると、磁束がコア110中にパルス状に発生し、ギャップ113,114を通過する磁束もパルス状になる。その結果、磁束がギャップ113,114を通過する期間と磁束がギャップ113,114を通過しない期間とが交互に発生し、コア110が振動する。そして、コア110が振動する周波数は、磁束がギャップ113,114を通過する期間と磁束がギャップ113,114を通過しない期間とが交互に発生する周波数、すなわち、NPNトランジスタQ2をスイッチング制御するキャリア周波数に大きく依存する。したがって、NPNトランジスタQ2をスイッチング制御するキャリア周波数によっては、コア110の振動が騒音となる。
【0062】
図5は、NPNトランジスタQ2をスイッチング制御するキャリア周波数と、イナータンスとの関係を示す。図5において、縦軸はイナータンスを表わし、横軸はキャリア周波数を表わす。なお、イナータンスは、騒音の程度を表わす。
【0063】
図5を参照して、リアクトルL1におけるイナータンスは、NPNトランジスタQ2をスイッチング制御するキャリア周波数によって変化し、イナータンスが最大になるキャリア周波数およびイナータンスが小さくなるキャリア周波数が存在する。そして、イナータンスのキャリア周波数依存性は、温度によって変化する。温度がT℃であるとき、イナータンスのキャリア周波数依存性は曲線k1によって表わされ、温度がT+ΔT℃であるとき、イナータンスのキャリア周波数依存性は曲線k2によって表わされる。このように、温度が変化すると、イナータンスが最大になるキャリア周波数およびイナータンスが小さくなるキャリア周波数も変化する。
【0064】
そうすると、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数を固定していた場合、温度T℃においては、イナータンスが小さくても、温度T+ΔT℃においては、リアクトルL1におけるイナータンスが大きくなる場合もある。
【0065】
そこで、この発明においては、リアクトルL1の温度TLを検出し、その検出した温度TLにおいてイナータンスが小さくなるキャリア周波数、すなわち、リアクトルL1における騒音を抑制する好適なキャリア周波数を用いてNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する。
【0066】
図6は、イナータンスが低いキャリア周波数とリアクトルL1の温度TLとの関係を示す。図6において、縦軸は、イナータンスが低いキャリア周波数を表わし、横軸は、リアクトルL1の温度TLを表わす。図6を参照して、イナータンスが低いキャリア周波数の温度依存性は、多種多様であり、直線k3,k5および曲線k4によって表わされる。
【0067】
直線k3に従えば、イナータンスが低いキャリア周波数は、リアクトルL1の温度TLが上昇するに伴い低下する。また、曲線k4に従えば、イナータンスが低いキャリア周波数は、リアクトルL1の温度TLが上昇するとともに高くなり、ある温度で最大となる。そして、温度TLがさらに上昇すると、イナータンスが低いキャリア周波数は低下する。さらに、直線k5に従えば、イナータンスが低いキャリア周波数は、リアクトルL1の温度TLが上昇するに伴い高くなる。
【0068】
なお、各温度におけるイナータンスが低いキャリア周波数は、図5に示す曲線k1,k2において、イナータンスが最小になるキャリア周波数であっても良く、イナータンスが殆ど変化しないキャリア周波数の範囲から選択された1つのキャリア周波数であってもよい。イナータンスが殆ど変化しないキャリア周波数の範囲から1つのキャリア周波数を選択することにより、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数が設定値から多少ずれてもイナータンスの上昇を抑えることができる。
【0069】
イナータンスが低いキャリア周波数の温度依存性は図6に示す直線k3,k5および曲線k4のいずれかによって表わされるので、リアクトルL1の温度TLを検出し、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数を、検出したリアクトルL1の温度TLにおいてイナータンスが低くなる好適なキャリア周波数に設定してNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する。
【0070】
したがって、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する好適なキャリア周波数fcpとリアクトルL1の温度TLとの関係は、図7に示すようになる。図7において、縦軸は、好適なキャリア周波数fcpを表わし、横軸は、リアクトルL1の温度TLを表わす。図7を参照して、イナータンスが低いキャリア周波数の温度依存性が図6に示す直線k3によって表わされる場合、好適なキャリア周波数fcpは直線k6に従って決定される。また、イナータンスが低いキャリア周波数の温度依存性が図6に示す曲線k4によって表わされる場合、好適なキャリア周波数fcpは曲線k7に従って決定される。さらに、イナータンスが低いキャリア周波数の温度依存性が図6に示す直線k5によって表わされる場合、好適なキャリア周波数fcpは直線k8に従って決定される。
【0071】
メモリ58は、図7に示す直線k6,k8および曲線k7のいずれかを好適なキャリア周波数fcpとリアクトルL1の温度TLとの関係を示すマップとして記憶する。そして、周波数設定部56は、温度センサー11から受けたリアクトルL1の温度TLに対応する好適なキャリア周波数fcpを直線k6,k8および曲線k7のいずれかに従って抽出し、その抽出した好適なキャリア周波数fcpをデューティー比変換部54へ出力する。
【0072】
周波数設定部56は、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数をリアクトルL1の温度TLに対応する好適なキャリア周波数fcpに設定する動作を一定時間ごとに行なう。好適なキャリア周波数fcpの温度依存性が直線k6に従っており、ある時刻tにおいて周波数設定部56がリアクトルL1の温度TL1に対応する好適なキャリア周波数fcp1にNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数を設定した場合、周波数設定部56は、時刻tから一定時間経過した時刻t+1においてリアクトルL1の温度TL2を温度センサー11から受け、その受けた温度TL1に対応する好適なキャリア周波数fcp2をメモリ58に記憶されたマップ(直線k6)を参照して抽出する。そして、周波数設定部56は、抽出した好適なキャリア周波数fcp2をデューティー比変換部54へ出力する。
【0073】
そうすると、デューティー比変換部54は、周波数設定部56から受けた好適なキャリア周波数fcp2を有する信号PWMUを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、リアクトルL1の温度TLが温度TL1から温度TL2まで変化すると、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する信号PWMUのキャリア周波数が好適なキャリア周波数fcp1から好適なキャリア周波数fcp2へ変更される。
【0074】
したがって、この発明においては、リアクトルL1の温度TLを検出し、その検出したリアクトルL1の温度TLに対応する好適なキャリア周波数fcp(リアクトルL1における騒音を抑制するキャリア周波数)にNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数を変更することを特徴とする。
【0075】
図8は、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数をリアクトルL1の温度TLに対応した好適なキャリア周波数に変更してNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する動作を説明するためのフローチャートを示す。図8を参照して、温度センサー11はリアクトルL1の温度TLを検出し、その検出した温度TLを制御装置30へ出力する(ステップS10)。
【0076】
制御装置30の周波数設定部56は、温度センサー11からリアクトルL1の温度TLを受け、好適なキャリア周波数とリアクトルL1の温度TLとの関係を示すマップをメモリ58から読み出す。そして、周波数設定部56は、読出したマップを参照して温度センサー11から受けたリアクトルL1の温度TLに対応する好適なキャリア周波数を抽出する(ステップS20)。
【0077】
その後、周波数設定部56は、抽出した好適なキャリア周波数をデューティー比変換部54へ出力する。これにより、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフする制御信号のキャリア周波数を好適なキャリア周波数に変更する動作が終了する(ステップS30)。そして、デューティー比変換部54は、周波数設定部56からの好適なキャリア周波数と、出力電圧Vmをフィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbに設定するためのデューティー比とを有する信号PWMUを生成して昇圧コンバータ12へ出力する(ステップS40)。これにより、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数をリアクトルL1の温度TLに対応した好適なキャリア周波数に変更してNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する動作が終了する。
【0078】
なお、図8に示すフローチャートに従ってNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数をリアクトルL1の温度TLに対応した好適なキャリア周波数に変更する制御は一定間隔ごとに行なわれる。
【0079】
再び、図1を参照して、モータ駆動装置100における動作について説明する。制御装置30は、外部のECUからトルク指令値TRが入力されると、システムリレーSR1,SR2をオンするためのHレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。そして、温度センサー11は、リアクトルL1の温度TLを検出して制御装置30へ出力し、制御装置30は、上述した方法によって温度センサー11からのリアクトルL1の温度TLに対応する好適なキャリア周波数fcpにNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するキャリア周波数を変更し、交流モータM1がトルク指令値TRを発生するように昇圧コンバータ12を制御するための信号PWMUを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、交流モータM1がトルク指令値TRを発生するようにインバータ14を制御するための信号PWMIを生成してインバータ14へ出力する。
【0080】
そして、直流電源Bは直流電圧Vbを出力し、システムリレーSR1,SR2は直流電圧VbをコンデンサC1へ供給する。コンデンサC1は、供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧Vbを昇圧コンバータ12へ供給する。
【0081】
そうすると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2は、制御装置30からの信号PWMUに応じてオン/オフされ、直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換してコンデンサC2に供給する。
【0082】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12から供給された直流電圧を平滑化してインバータ14へ供給する。インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30からの信号PWMIに従ってオン/オフされ、インバータ14は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TRによって指定されたトルクを交流モータM1が発生するように交流モータM1のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0083】
その後、制御装置30は、図8に示すフローチャートに従ってNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する信号PWMUのキャリア周波数をリアクトルL1の温度TLに対応した好適なキャリア周波数fcpに変更してNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する。
【0084】
これにより、NPNトランジスタQ1,Q2は、好適なキャリア周波数fcpでスイッチング動作を行ない、リアクトルL1の温度TLが変動してもリアクトルL1からの騒音が抑制される。
【0085】
モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードになった場合、制御装置30は、回生制動モードになったことを示す信号を外部のECUから受け、信号PWMCおよび信号PWMDを生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力する。
【0086】
交流モータM1は、交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ14へ供給する。そして、インバータ14は、制御装置30からの信号PWMCに従って、交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0087】
昇圧コンバータ12は、制御装置30からの信号PWMDに従って直流電圧を降圧して直流電源Bに供給し、直流電源Bを充電する。
【0088】
なお、この発明においては、昇圧コンバータ12、制御装置30のフィードバック電圧指令演算部52、デューティー比変換部54、周波数設定部56およびメモリ58は、「電圧変換装置」を構成する。
【0089】
また、この発明においては、デューティー比変換部54および周波数設定部56は、NPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する制御信号のキャリア周波数をリアクトルL1の温度TLに対応した好適なキャリア周波数fcpに変更する「変更手段」を構成する。
【0090】
さらに、デューティー比変換部54および周波数設定部56におけるキャリア周波数を変更する制御は、実際にはCPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、図8に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図8に示すフローチャートに従ってNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御する信号PWMUのキャリア周波数をリアクトルL1の温度TLに対応した好適なキャリア周波数fcpに変更して直流電圧Vbから出力電圧Vmへの電圧変換を制御する。したがって、ROMは、図8に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0091】
さらに、上記においては、昇圧コンバータ12が出力する出力電圧Vmは、インバータ14へ入力されるとして説明したが、この発明においては、これに限らず、出力電圧Vmが入力される電気負荷は、インバータ以外の電気負荷であってもよい。
【0092】
さらに、上記においては、昇圧コンバータ12が出力する出力電圧Vmによって駆動される交流モータは、1個の交流モータM1であるとして説明したが、この発明においては、これに限らず、出力電圧Vmによって複数の交流モータが駆動されるようにしてもよい。その場合、複数のインバータがコンデンサC2の両端に並列に接続され、複数の交流モータが複数のインバータに対応して設けられる。
【0093】
この発明によれば、電圧変換装置は、リアクトルとNPNトランジスタとを含む昇圧コンバータによって直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する際に、NPNトランジスタをスイッチング制御する制御信号のキャリア周波数をリアクトルの各温度においてリアクトルから発生する騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更する変更手段を備えるので、リアクトルの温度が変動してもリアクトルにおける騒音の発生を抑制できる。
【0094】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】 図2に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】 図1に示すリアクトルおよび温度センサーの斜視図である。
【図5】 イナータンスのキャリア周波数依存性を示す図である。
【図6】 イナータンスが低いキャリア周波数とリアクトルの温度との関係を示す図である。
【図7】 騒音を抑制するキャリア周波数とリアクトルの温度との関係を示す図である。
【図8】 昇圧コンバータに含まれるNPNトランジスタをスイッチング制御する制御信号のキャリア周波数をリアクトルからの騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更してNPNトランジスタを制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】 従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10,13,320 電圧センサー、11 温度センサー、12 昇圧コンバータ、14,330 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17W相アーム、24 電流センサー、30 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52 フィードバック電圧指令演算部、54 デューティー比変換部、56 周波数設定部、58 メモリ、100,300 モータ駆動装置、110 コア、111A,111B コイル、111C 配線、112A,112B直線部、112C,112D 湾曲部、113,114 ギャップ、115A,115B 端子、116〜119 矢印、301 モータトルク制御手段、302 電圧変換制御手段、310 双方向コンバータ、B 直流電源、SR1,SR2 システムリレー、C1,C2 コンデンサ、L1,311 リアクトル、Q1〜Q8,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、M1 交流モータ。

Claims (7)

  1. スイッチング素子とリアクトルとを含み、直流電源から出力される直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、
    前記リアクトルの温度を検出する検出手段と、
    前記検出されたリアクトルの温度に応じて、前記スイッチング素子のオン/オフを制御する制御信号のキャリア周波数を前記リアクトルにおける騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更する変更手段とを備える電圧変換装置。
  2. 前記リアクトルの温度と前記好適なキャリア周波数との関係をマップとして記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記変更手段は、前記マップを参照して前記検出手段から受けたリアクトルの温度に対応する好適なキャリア周波数を抽出し、前記制御信号のキャリア周波数を前記抽出した好適なキャリア周波数に変更する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  3. 前記電圧変換器は、前記出力電圧の電圧レベルを調整してインバータへ供給し、
    前記制御信号のキャリア周波数は、前記インバータを駆動するためのキャリア周波数と異なる、請求項1または請求項2に記載の電圧変換装置。
  4. 前記電圧変換器は、
    第1および第2のスイッチング素子と、
    一方端が前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子との間に接続された前記リアクトルとからなる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  5. 直流電源から出力される直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器に含まれるリアクトルの温度を検出する第1のステップと、
    前記検出されたリアクトルの温度に応じて、前記電圧変換器に含まれるスイッチング素子のオン/オフを制御する制御信号のキャリア周波数を前記リアクトルにおける騒音を抑制する好適なキャリア周波数に変更する第2のステップと、
    前記好適なキャリア周波数を有する制御信号によって前記スイッチング素子のオン/オフを制御する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  6. 前記第2のステップは、
    前記リアクトルの温度と前記好適なキャリア周波数との関係を示すマップを参照して前記検出されたリアクトルの温度に対応する好適なキャリア周波数を抽出するステップと、
    前記制御信号のキャリア周波数を前記抽出された好適なキャリア周波数に変更するステップとを含む、請求項5に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  7. 前記制御信号のキャリア周波数は、前記出力電圧が供給されるインバータを駆動するためのキャリア周波数と異なる、請求項5または請求項6に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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