JP3990008B2 - マルチビーム走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多色の複写機やレーザプリンタなどに用いられるマルチビーム走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多色の画像形成装置、例えば、タンデム型のフルカラー複写機においては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応して4つの感光体ドラムを転写ベルトの搬送面に沿って列設し、ビーム走査装置によって4本の光ビームを走査して各感光体ドラム周面に各色の静電潜像を形成すると共に該当する色のトナーで顕像化し、これを転写ベルトによって搬送される記録シート上に順次転写してフルカラー画像を形成するようになっている。
【0003】
このようなフルカラー複写機に使用されるビーム走査装置は、C、M、Y、Kの各色に対応して設けられた4つのレーザーダイオードと、当該レーザダイオードから発せられた光ビームを偏向して感光体ドラム表面を露光走査する光学系とから構成され、光学系は、ポリゴンミラー、走査レンズおよび折り返しミラーなどの光学素子を備える。
【0004】
各レーザダイオードは、入力された画像データにより駆動され、光ビームを出射する。この光ビームは、回転するポリゴンミラーのミラー面で反射して偏向された後、走査レンズなどを経由して該当する感光体ドラムの表面を露光走査するようになっている。
【0005】
ところで、各光ビームに対してポリゴンミラーなどを個別に設けると、それだけコストが高くつき、ビーム走査装置の構成も大型化する。
【0006】
そこで、ポリゴンミラーを共用したマルチビーム走査装置が従来から考えられており、このようなマルチビーム走査装置は、例えば、特開平8−271817号公報に開示されている。
【0007】
図5は、上記公報に開示されているマルチビーム走査装置の要部を示す正面図である。
マルチビーム走査装置100におけるポリゴンミラー101の1つのミラー面には、4個のレーザダイオード(不図示)から4本の光ビームLK〜LCが入射されている。この光ビームLK〜LCの入射角は、ポリゴンミラー101の1つのミラー面上において各ビームが回転軸O方向(副走査方向)に直線的に並び、かつ偏向された各ビームがトロイダルレンズ102とfθレンズ103との間で、回転軸Oに垂直な平面Q上の位置Pにおいて交差するように設定されている。
【0008】
ポリゴンミラー101のミラー面で偏向された光ビームLK〜LCは、当該ミラー面から位置Pに近づくにつれて上記平面Qに徐々に近接しながらトロイダルレンズ102を経由し、位置Pにおいて交差後、位置Pから離れるにつれて相互に離間しながらfθレンズ103を経由する。fθレンズ103を経由した光ビームLK〜LCは、折り返しミラー104aK〜104cK,104aY〜104cY,104aM〜104cM,104Cにより光路長を等しくなるように調整されながら光路変更され、防塵ガラス105K〜105Cを介して該当する感光体ドラム61K〜61Cの周面を主走査方向に露光走査して静電画像を形成するようになっている。
【0009】
これによって、1つのポリゴンミラー101や、トロイダルレンズ102、fθレンズ103からなる走査レンズの共用により、大幅なコストダウンと、構成の簡素化を図ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のマルチビーム走査装置では、光ビームLK〜LCがfθレンズ103の直前の位置Pにおいて交差しているので、fθレンズ103を経由した各光ビームLK〜LCが副走査方向に僅かな距離しか離間せず、光ビームLK〜LCを分離しにくいという問題があった。
【0011】
すなわち、各光ビームLK〜LCを対応する感光体ドラム61K〜61Cに到達するまで確実に分離しておかないと、一部の感光体ドラムの露光不足が発生したり、再現画像にノイズが乗ることとなる。この場合、光ビームの分離は、折り返しミラー104aK,104aY,104aM,104Cで行うのが合理的であるが、上記のように従来技術では副走査方向に僅かな距離しか離間していないため、交差位置Pからあまり近い距離に折り返しミラー104aK,104aY,104aM,104Cを配置するのが困難なのである。
【0012】
この問題を解決するために、折り返しミラー104aK,104aY,104aM,104Cを位置Pから遠方に離して配置することが考えられるが、そうすると、この距離にポリゴンミラーのミラー面と位置Pとの間の距離も加わるため、ポリゴンミラーや走査レンズの数が減ったにも拘わらずかえって装置が大型化するという新たな課題が生じる。
【0013】
尚、光ビームLK〜LCを副走査方向に離間させる特殊なレンズ(例えば、トーリックレンズ)を位置Pに配置し、各光ビームLK〜LCの間隔を広げ、位置Pから近い距離において光ビームLK〜LCを分離することも考えられるが、そうしても、折り返しミラー104aK,104aY,104aM,104Cと位置P間の距離が短くなるだけで、ポリゴンミラーのミラー面と位置Pとの間の距離を短くすることはできず、しかも装置が高価になりかねない。
【0014】
このようなことは、複数の感光体ドラムを有するタンデム型の複写機に限らず、複数のビームを使用して、多色の画像を形成する構成を有する他の形式の画像形成装置におけるビーム走査装置においても生じ得る問題である。
【0015】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ミラー面からの光路長を長く取ったり、特殊なレンズを用いたりすることなく、偏向後の各光ビームを短距離において簡単に分離できるマルチビーム走査装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明に係るマルチビーム走査装置は、各々光ビームを射出する複数の光源と、反射ミラーと、回転駆動され、複数の光源から射出された光ビームをミラー面で反射することにより複数の被走査面を主走査する偏向ミラーと、を備えたマルチビーム走査装置であって、一つの光源から射出された光ビームが前記反射ミラーで反射されることにより、前記ミラー面より光源側において、他の光源から射出された光ビームと互いに、前記偏向ミラーの回転軸方向である副走査方向に交差するように前記反射ミラーが配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係るマルチビーム走査装置は、複数の光ビームを射出する光源と、各光ビームごとに設けられた複数のコリメータレンズと、回転駆動され、複数のコリメータレンズから射出された光ビームをミラー面で反射することにより複数の被走査面を主走査する偏向ミラーと、を備えたマルチビーム走査装置であって、前記複数の光ビームがミラー面に入射する際の入射角が、前記複数の光ビームが前記ミラー面より光源側において、互いに、前記偏向ミラーの回転軸方向である副走査方向に交差するように設定されることを特徴とする。
また、本発明に係るマルチビーム走査装置は、各々光ビームを射出する複数の光源と、各光源ごとに設けられた複数のコリメータレンズと、反射ミラーと、回転駆動され、複数のコリメータレンズから射出された光ビームをミラー面で反射することにより複数の被走査面を主走査する偏向ミラーと、を備えたマルチビーム走査装置であって、一つの光源から射出された光ビームが前記反射ミラーで反射されることにより、前記ミラー面より光源側において、他の光源から射出された光ビームと互いに、前記偏向ミラーの回転軸方向である副走査方向に交差するように前記反射ミラーが配置されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るマルチビーム走査装置は、前記被走査面の表面を前記ミラー面で偏向された光ビームが略等速で主走査するためのレンズ群からなる走査レンズを含み、前記走査レンズに含まれる少なくとも一枚には、前記複数の光ビームが入射される構成であることを特徴とすることもできる。
【0018】
さらに、本発明に係るマルチビーム走査装置は、前記複数の光ビームが前記偏向ミラーの異なるミラー面に2本ずつ入射される構成であることを特徴とすることもできる。
【0019】
なお、本明細書において「交差」とは、光ビームが一平面ににおいて交わる場合の他、立体的に交差する場合も含む概念で用いるものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマルチビーム走査装置の実施の形態を、タンデム型のフルカラーデジタル複写機(以下、単に「複写機」という。)に用いた場合について説明する。
【0021】
図1は、当該複写機1の全体の構成を示す概略図である。
同図に示すように複写機1は、原稿画像を読み取るイメージリーダ部10と、読み取った画像を記録シートS上にプリントして再現するプリンタ部20とから構成されている。
【0022】
イメージリーダ部10は、原稿ガラス板(不図示)に載置された原稿の画像をスキャナを移動させて読み取る公知のものであって、原稿画像は、赤(R),緑(G),青(B)の三色に色分解されて、不図示のCCDイメージセンサ(以下、「CCDセンサ」という)により電気信号に変換され、これにより原稿のR、G、Bの画像データが得られる。
【0023】
このイメージリーダ部10で得られた各色成分の画像データは、プリンタ部20内の制御部30において各種のデータ処理を受け、更にシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される(以下、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各再現色をC、M、Y、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのC、M、Y、Kを添字として付加する)。この画像データは、制御部30内の画像メモリに各再現色ごとに格納される。
【0024】
プリンタ部20は、公知の電子写真方式により画像を形成するものであって、光ビームを走査して感光体ドラム上にトナー像を形成する作像部40と、記録シートSを供給する給紙部70と、この供給された記録シートSを各色の転写位置に搬送するためのシート搬送部80、トナーが転写された記録シートSを定着する定着部90などからなる。
【0025】
制御部30内の画像メモリから、各再現色の画像データが、それぞれ走査ラインごとに読み出されて作像部40のプリンタヘッド50へ出力され、内部のレーザダイオード51K〜51C(図2,図4参照)が駆動されて、各色に対応した4本の光ビームLK〜LCが射出される。各光ビームLK〜LCは、該当する感光体ドラム61K〜61Cの周面を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成する。この静電潜像は、それぞれ現像器62K〜62CからK〜Cのトナーの供給を受けてトナー像として顕像化される。
【0026】
一方、給紙部70から、記録シートSが1枚ずつ給紙され、シート搬送部80により上記各感光体直下の転写位置へと搬送される。このシート搬送部80は、転写ベルト81を駆動ローラ82と支持ローラ83で張架してテンションローラ84で必要な張力を与え、駆動ローラ82を回転駆動することにより、上記各色ごとの作像動作に同期して所定の搬送速度で記録シートSを搬送するように構成される。
【0027】
各色の転写位置における転写ベルト81の直下には転写チャージャ63K〜63Cが配設され、これらの静電力により、感光体ドラム61K〜61C表面のトナー像が順次、記録シートS上に転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が搬送されてくる記録シートSの同じ位置に重ねて転写されるように、当該搬送方向の上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。各色のトナー像が転写された記録シートSは、定着部90まで搬送されて、ここで高温で加圧されてトナーを溶融定着する処理がなされる。そして、定着後、排紙トレイ91上に排出される。
【0028】
図2は図1のプリンタヘッド50およびシート搬送部80を図の右側手前から見た斜視図であり、図3はその正面図であり、図4はプリンタヘッド50の要部光路図であり、簡略化のため感光体ドラム周辺の現像器や帯電チャージャなどは図示を省略している。
【0029】
プリンタヘッド50は、ポリゴンモータ(図示せず)の駆動を受けて等速で回転するポリゴンミラー55を中心にして、4個のレーザダイオード51K〜51Cや、トロイダルレンズおよびfθレンズからなる走査レンズ56a,56bなどのレンズ、折り返しミラー57aK〜57cKなどのミラーが、2組ずつ、ポリゴンミラー55の回転軸Oを含むシート搬送方向に直交する平面に、面対称に配設されて構成されている。当該平面に面対称なポリゴンミラー55の2つのミラー面には、レーザダイオード51K〜51Cから出射された光ビームLK〜LCが上記平面の上流側と下流側から2本ずつそれぞれ入射されており、この光ビームLK〜LCの入射角は、それぞれ回転軸Oに垂直な平面Q上のミラー面の手前(光源側)の位置P(図4(a)参照)において交差し、かつ各光ビームLK〜LCが2つのミラー面上においてそれぞれポリゴンミラー55の回転軸O方向(副走査方向)に直線的に並ぶように設定されている。
【0030】
上流側のレーザダイオード51K,51Yから上記入射角で出射された光ビームLK,LYは、それぞれ円筒状のコリメータレンズ52K,52Yを通過して平行光にされ、この平行光は、第1シリンドリカルレンズ53K,53Yを通過してポリゴンミラー55の回転軸方向にのみ収束される。その後光ビームLKは、反射ミラー54Kで反射されて、位置Pにおいて光ビームLYと交差し、回転軸Oに垂直な平面Qに上下に対称な光線となってポリゴンミラー55のミラー面で回転軸O方向に直線的に並ぶ。この結果、平面Qの下側のレーザダイオード51Yから出射された光ビームLYは、ミラー面上では平面Qより上側で反射されて偏向され、平面Qより上側のレーザダイオード51Kから出射された光ビームLKは、ミラー面上では平面Qより下側で反射されて偏向される。この際、第1シリンドリカルレンズ53K,53Yの副走査方向に対称な幾何的軸(いわゆる、母線高さ)を上下に変えることで、各光ビームLK,LYのミラー面上で反射される高さが調整されている。
【0031】
偏向後の光ビームLK,LYは、当該ミラー面から離れるにつれて上記平面Qにさらに離間しながらトロイダルレンズとfθレンズとからなる走査レンズ56aを共通に経由して、主走査方向には主走査速度が一定になるように収束し、副走査方向には略平行光にされる。走査レンズ56aを経由した光ビームLK,LYは、折り返しミラー57aK〜57cK,57aY〜57cYにより光路長を等しくなるように調整されながら光路変更され、副走査方向にのみ収束する第2シリンドリカルレンズ59K,59Yを介して該当する感光体ドラム61K,61Yの周面を主走査方向に露光走査して静電画像を形成するようになっている。
【0032】
この一方、下流側のレーザダイオード51C,51Mから上記入射角で出射された光ビームLC,LMは、それぞれコリメータレンズ52C,52Mを通過して平行光にされ、この平行光は、第1シリンドリカルレンズ53C,53Mを通過してポリゴンミラー5の回転軸方向にのみ収束される。その後光ビームLCは、反射ミラー54Cで反射されて、位置Pにおいて光ビームLMと交差し、回転軸Oに垂直な平面Qに上下に対称な光線となってポリゴンミラー55のミラー面で回転軸O方向に直線的に並ぶ。この結果、平面Qの下側のレーザダイオード51Mから出射された光ビームLMは、ミラー面上では平面Qより上側で反射されて偏向され、平面Qより上側のレーザダイオード51Cから出射された光ビームLCは、ミラー面上では平面Qより下側で反射されて偏向される。この際、光ビームLM,LCは、ポリゴンミラー55に対して上記光ビームLK,LYとは反対方向から入射しているので、それらと反対方向に反射され、各走査ライン上での移動方向も反対方向となる。このため、画像メモリからの画像データの主走査線方向の読み出し順序は、両者間で逆になるように制御部30により制御されている。
【0033】
偏向された光ビームLC,LMは、当該ミラー面から離れるにつれて上記平面Qにさらに離間しながら走査レンズ56bを共通に経由して、主走査方向には主走査速度が一定になるように収束し、副走査方向には略平行光にされる。走査レンズ56bを経由した光ビームLC,LMは、折り返しミラー57aC〜57cC,57aM〜57cMにより光路長を等しくなるように調整されながら光路変更され、副走査方向にのみ収束する第2シリンドリカルレンズ59C,59Mを介して該当する感光体ドラム61M,61Cの周面を主走査方向に露光走査して静電画像を形成するようになっている。
【0034】
ここで、通常、ポリゴンミラー55はポリゴンモータの回転軸に直接取着されるが、このポリゴンモータには、円滑な回転動作を得るため回転軸と軸受けの間にはどうしても微小な隙間が介在せざるを得ず、これにより回転軸が微小ながらも傾く場合がある。これに伴いポリゴンミラー55のミラー面も回転軸方向に対して傾いて、いわゆる「面倒れ」が生じ、走査ビームが不必要な方向に振れて走査ラインが副走査方向にずれるおそれがある。そのため、上述のように、第1シリンドリカルレンズ53K〜53Cにより予め光ビームを軸方向に収束させてポリゴンミラー55のミラー面に入射させて、さらに第2シリンドリカルレンズ59K〜59Cにより副走査方向にのみ収束させることにより、上記面倒れによる感光体ドラム61K〜61C表面における記録位置の誤差を最小限に押さえ、主走査線の直線性を確保するようにしている。
【0035】
このようなマルチビーム走査装置の構成によれば、ポリゴンモータの数は一つでよいため回転制御系を簡易に構成できると共に、1つのポリゴンミラー55で4本の光ビームLK〜LCを偏向でき、1組の走査レンズ56a,56bでそれぞれ光ビームを2本ずつ走査できるので、必要なレンズの数も減らすことができ、構成の簡素化とコストダウンを図ることができる。
【0036】
また、光ビームLK〜LCの入射角が、ミラー面の手前の位置Pにおいて交差するように設定されているため、偏向された光ビームLK〜LCが当該ミラー面から離れるにつれてさらに回転軸O方向(副走査方向)に離間していくので、折り返しミラー57aK,57aY,57aM,57aCをポリゴンミラーのミラー面に従来より近い距離に配置しても確実に光ビームLK〜LCを分離することができ、特殊なレンズを必要とせずに装置の小型化を図ることができる。
【0037】
さらに、レーザダイオード51K〜51Cから出射された光ビームLK〜LCが、ポリゴンミラー55の回転軸Oを通ってシート搬送方向に直交する平面上記平面の上流側と下流側から2本ずつ面対称に入射しているので、光ビームLK〜LCの分離をさらに簡単確実に行うことができる。
【0038】
以上、本発明に係るマルチビーム走査装置を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
【0039】
(1)上記実施の形態では、ポリゴンミラー55の回転軸Oを含むシート搬送方向に直交する平面に面対称な2つのミラー面に、光ビームLK〜LCが2本ずつ面対称に入射するようにしたが、ポリゴンミラー55の回転軸Oに軸対称な2つのミラー面に、光ビームLK〜LCを2本ずつ軸対称に入射するようにしてもよい。これによっても、光ビームLK〜LCの分離を簡単に行うことができる。
【0040】
(2)上記実施の形態では、ポリゴンミラー55の回転軸Oを含み、感光体ドラム61K〜61Cの主走査方向に平行な面に面対称な2つのミラー面に、光ビームLK〜LCが2本ずつ面対称に入射するようにしたが、4本の光ビームLK〜LCを1つのミラー面に入射するようにしてもよい。これによっても、光ビームLK〜LCの分離を簡単に行うことができる。
【0041】
(3)さらに、上記実施の形態では、フルカラーのタンデム型複写機に使用される場合について説明したが、本発明は、例えば、2色複写機のように、1個の感光体ドラムの周囲を2本のレーザビームで走査するような場合にでも適用できる。また、複写機のみならず、カラーレーザプリンタなど、要するに画像書き込み手段として複数本のビーム光を走査する装置を有する全ての画像形成装置に適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るマルチビーム走査装置によれば、複数の光ビームがミラー面に入射する際の入射角が、当該複数の光ビームが前記ミラー面より光源側において、互いに交差するように設定されているので、ポリゴンミラーの数を1つに減らすことができ、構成の簡素化とコストダウンを図ることができ、しかも、偏向された光ビームが当該ミラー面から離れるにつれてさらに回転軸O方向(副走査方向)に離間していくので、折り返しミラーをポリゴンミラーのミラー面から従来より近い距離に配置しても確実に光ビームLK〜LCを分離することができ、特殊なレンズを必要とせずに装置の小型化を図ることができる。また、ポリゴンモータの数は一つでよいため回転制御系を簡易に構成できる。
【0043】
また、本発明に係るマルチビーム走査装置によれば、前記被走査面の表面を前記ミラー面で偏向された光ビームが略等速で主走査するためのレンズ群からなる走査レンズを含み、前記走査レンズに含まれる少なくとも一枚には、前記複数の光ビームが入射される構成であるので、必要なレンズの数を減らすことができ、構成の簡素化を図ることができる。
【0044】
さらに、本発明に係るマルチビーム走査装置によれば、前記複数の光ビームが前記偏向ミラーの異なるミラー面に2本ずつ入射される構成であるので、光ビームの分離をさらに簡単確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複写機1の全体の構成を示す概略図である。
【図2】図1のプリンタヘッド50およびシート搬送部80を図の右側手前から見た斜視図である。
【図3】プリンタヘッド50およびシート搬送部80の正面図である。
【図4】プリンタヘッド50の要部光路図である。
【図5】従来のマルチビーム走査装置の要部を示す正面図である。
【符号の説明】
50 プリンタヘッド
51K〜51C レーザダイオード
52K〜52C コリメータレンズ
53K〜53C 第1シリンドリカルレンズ
54K,54M 反射ミラー
55 ポリゴンミラー
56a,56b 走査レンズ
57aK〜57cK,
57aY〜57cY,
57aM〜57cM,
57aC〜57cC 折り返しミラー
59K〜59C 第2シリンドリカルレンズ
61C〜61K 感光体ドラム
O 回転軸
Q 平面
P 交差位置
Claims (5)
- 各々光ビームを射出する複数の光源と、
反射ミラーと、
回転駆動され、複数の光源から射出された光ビームをミラー面で反射することにより複数の被走査面を主走査する偏向ミラーと、
を備えたマルチビーム走査装置であって、
一つの光源から射出された光ビームが前記反射ミラーで反射されることにより、前記ミラー面より光源側において、他の光源から射出された光ビームと互いに、前記偏向ミラーの回転軸方向である副走査方向に交差するように前記反射ミラーが配置されていることを特徴とするマルチビーム走査装置。 - 複数の光ビームを射出する光源と、
各光ビームごとに設けられた複数のコリメータレンズと、
回転駆動され、複数のコリメータレンズから射出された光ビームをミラー面で反射することにより複数の被走査面を主走査する偏向ミラーと、
を備えたマルチビーム走査装置であって、
前記複数の光ビームがミラー面に入射する際の入射角が、前記複数の光ビームが前記ミラー面より光源側において、互いに、前記偏向ミラーの回転軸方向である副走査方向に交差するように設定されることを特徴とするマルチビーム走査装置。 - 各々光ビームを射出する複数の光源と、
各光源ごとに設けられた複数のコリメータレンズと、
反射ミラーと、
回転駆動され、複数のコリメータレンズから射出された光ビームをミラー面で反射することにより複数の被走査面を主走査する偏向ミラーと、
を備えたマルチビーム走査装置であって、
一つの光源から射出された光ビームが前記反射ミラーで反射されることにより、前記ミラー面より光源側において、他の光源から射出された光ビームと互いに、前記偏向ミラーの回転軸方向である副走査方向に交差するように前記反射ミラーが配置されていることを特徴とするマルチビーム走査装置。 - 前記被走査面の表面を前記ミラー面で偏向された光ビームが略等速で主走査するためのレンズ群からなる走査レンズを含み、
前記走査レンズに含まれる少なくとも一枚には、前記複数の光ビームが入射される構成であることを特徴とする請求項1乃至3記載のマルチビーム走査装置。 - 前記複数の光ビームが前記偏向ミラーの異なるミラー面に2本ずつ入射される構成であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のマルチビーム走査装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28657597A JP3990008B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | マルチビーム走査装置 |
US09/175,543 US6313906B1 (en) | 1997-10-20 | 1998-10-20 | Multibeam scanning device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28657597A JP3990008B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | マルチビーム走査装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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