JP3988665B2 - 走行台車システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の利用分野】
この発明は、スタッカークレーンや有軌道台車、天井走行車などの走行台車の減速制御に関する。
【0002】
【従来技術】
【特許文献1】
実公平7−2553号公報
特許文献1は、自動倉庫のスタッカークレーンの走行制御について、棚の各間口にマークを設けて、間口を通過する毎にスタッカークレーンの位置を補正することを開示している。スタッカークレーンが持つ自己の位置の座標を内部座標と呼ぶと、特許文献1では間口の通過毎に内部座標が補正されるので、走行車輪の滑りの影響を除いて、正確な走行制御ができる。
【0003】
ところでスタッカークレーン等の走行台車では、停止位置の手前からクリープ走行(微速走行)を行うようにして、目的停止位置に停止できるようにしている。例えばクリープ走行速度を0.4cm/sec、クリープ走行距離を2cmとすると、走行時間は5秒程度延びることになる。
【0004】
【発明の課題】
この発明の基本的課題は、実質的にクリープ走行無しで走行台車を減速して、目的停止位置に停止できるようにすることにある(請求項1〜3)。
請求項2の発明での追加の課題は、クリープ走行無しでの停止制御を、さらに容易にすることにある。
請求項3の発明での追加の課題は、移動量や減速度パターンをマークを検出する毎に補正して、正確に目的停止位置に停止できるようにすることにある。
【0005】
【発明の構成】
この発明は、走行台車の走行経路に沿って、停止位置並びに停止位置と停止位置との中間に、位置が既知のマークを複数設けて、走行台車に設けたマークセンサで該マークを検出することにより、走行台車の走行系に設けた位置認識手段により検出される現在位置を補正し、目的停止位置までの移動量を求めるための手段を設けた走行台車システムにおいて、求めた移動量により、目的停止位置に停止するための、減速度パターンを求めるための手段を設けて、目的停止位置に停止するまでに、マークの検出に基づいて減速度パターンを複数回求めることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
好ましくは、走行台車の走行モータをサーボ制御系によりサーボ制御すると共に、走行モータの回転数もしくは走行車輪の回転数を検出するエンコーダを設けて、サーボ制御系への制御入力とエンコーダからの信号との差を溜まり量とし、前記移動量を該サーボ制御系の溜まり量によりさらに補正する。
【0007】
特に好ましくは、停止位置と停止位置との間の複数のマークに対して、マークを検出する都度、前記移動量と前記減速度パターンとを補正する。
【0008】
【発明の作用と効果】
この発明では、走行台車のマークセンサがマークを検出すると、位置認識手段により検出される現在位置を補正するので、走行車輪等の走行系の滑り(滑走や空転など)の影響を補正し、目的停止位置までの移動量を正確に求めることができる。そして求めた移動量により、例えば等減速度での減速などにより、実質的にクリープ走行無しで減速して、目的停止位置に停止できるように、減速度パターンを求める。このため停止前のクリープ走行が実質的に不要になり、搬送効率が向上する(請求項1〜3)。
【0009】
目的停止位置に停止することを妨げる他の要因として、サーボ制御系での溜まり量があり、これはサーボ制御系に入力された信号の処理遅れによる位置の誤差である。サーボ制御系に信号が入力されてから、サーボ制御系で入力信号が処理され、走行モータに加えられて、入力信号分の走行が行われるまでには、処理遅れがある。この遅れの分だけ、実際の位置はサーボ制御系への入力信号よりも遅れている。滑り量の補正により走行台車の位置を正確に認識しても、溜まり量があると、停止位置に誤差が生じる。そこで請求項2の発明では、溜まり量をさらに補正して、クリープ走行無しで正確に目的停止位置に停止できるようにする。
【0010】
請求項3の発明では、マークを複数設けて、マークを検出する都度、移動量と減速度パターンとを補正するので、目的停止位置に近づくに連れて、移動量や減速度パターンが正確なものになり、クリープ走行無しで目的停止位置に確実に停止できるようになる。
【0011】
【実施例】
図1〜図11に、実施例を示す。図1に、走行台車システムの概要を示すと、2は有軌道台車で、4はその走行レールであり、6は目的停止位置となるステーションである。そしてステーション6とステーション6との間には、カラーテープなどを用いたドグが配置され、この明細書では目的停止位置に設けたドグをドグdeとし、出発位置の次のドグをd1,その次のドグをd2等のように、目的停止位置以外のドグ(通過ドグ)に番号を付ける。実施例では物品搬送用の有軌道台車2を例に走行台車システムを示すが、これ以外に自動倉庫などに用いるスタッカークレーンシステムや、クリーンルームなどに用いる天井走行車システム、あるいはレールではなく床面上を走行する無人搬送車システムなどにこの発明を適用してもよい。
【0012】
図2に、有軌道台車2の走行制御系を示すと、8はドグd1〜d3等を検出するためのドグセンサで、ドグd1〜d3は例えばカラーテープなどで構成し、ドグセンサ8にはカラー光センサなどを用いるものとする。ドグd1〜d3等に磁気テープなどを用いると、ドグセンサ8には磁気センサなどを用いればよい。10は制御部で、有軌道台車2の加速度パターンと定速走行パターン、並びに減速度パターン、及び移動量を生成する。12は制御対象のサーボモータで、図示しない走行車輪を駆動し、走行車輪やサーボモータなどには例えばエンコーダ14を設けて、その回転数を検出する。なおエンコーダ14に代えて、レゾルバやタコジェネレータなどの他の位置センサを設けてもよく、位置センサには有軌道台車2の走行系の内界の位置センサを用い、位置認識手段とする。
【0013】
制御部10の構成を説明すると、16はアップダウンカウンタで、エンコーダ14からの信号を積算したものに起動時オフセットを加算した計測座標を、ラッチ部18や差分部26並びに演算部28などに入力する。計測座標は、車輪の滑りによる誤差付きの現在位置である。ラッチ部18は、ドグセンサ8がドグd1〜d3等を検出する都度、アップダウンカウンタ16から入力される現在位置(計測座標)をラッチして記憶し、これと同時に差分部26から入力される現在速度(計測速度Fa)をラッチして記憶する。ドグ座標記憶部20は走行レールに沿って設けた各ドグの座標を記憶し、具体的にはドグの左右の端部の座標を記憶する。そして例えば左から右へと走行する場合、ドグの左端の座標を使用し、右から左へと走行する場合、ドグの右端の座標を使用する。なおこのようなドグの使用に代えて、ドグの中心座標等を使用してもよい。目標座標記憶部22は、さらに ドグde上の目的停止位置の座標を記憶している。
【0014】
差分部24は、ラッチ部18に記憶したドグ端部の座標と、ドグの座標を教示した時の座標(ドグ座標記憶部20に記憶)との差分を算出し、この差分は滑り量に対応し、滑走で負、空転で正となる。差分部26は、アップダウンカウンタ16の出力の時間当たりの変化を求めて、これを現在速度として出力する。演算部28は、現在位置や現在速度と、滑り量、目標座標、サーボモータ12の制御系での溜まり量等を用いて、移動量Mや減速度カーブなどを算出する。
【0015】
パルス払い出しインターフェース30には、演算部28から目的停止位置までの走行距離を意味する移動量Mが入力される。また演算部28からパルス払い出しインターフェース30には、加速時には加速度カーブが入力され、定速走行時には目標速度が入力され、減速時には減速度カーブが入力される。このうち加速度カーブは所定の加速度で一定速度に達するまで加速するという単純なカーブであり、定速走行カーブは所定速度で定速走行するという単純なカーブである。そして以下では、制御上問題となる減速度カーブを中心に説明する。減速度カーブには各時点での有軌道台車の目標速度fが指定され、この速度に従って移動量Mを有軌道台車が走行するように、目標位置を表す位置指令をデジタルパルス信号で偏差カウンタ32に入力する。偏差カウンタ32には、エンコーダ14からの信号が入力され、パルス払い出しインターフェース30からの入力信号と、エンコーダ14からの入力信号との差(溜まり量)が、減速度カーブに従った走行位置からの誤差に対応する。そしてその誤差に応じて偏差カウンタ32はサーボアンプ34へ指令し、この指令は走行速度に対応する信号なので、速度指令と呼ぶ。サーボアンプ34は、例えば電流アンプとして作用し、サーボモータ12を制御する。
【0016】
ここで用語の定義などについて説明すると、「ドグの検出」はドグ端の検出により行われるので、ドグ検出とドグ端検出とは同義である。また通過ドグも目標ドグも、ドグの物理的構成は同様のカラーテープであるが、目的停止位置にあるドグが目標ドグdeで、出発位置と目標ドグとの間にあるドグが通過ドグd1〜d3等である。ドグはステーションなどの目的停止位置となり得る位置に設けると共に、目的停止位置と目的停止位置との間に通過ドグを原則として複数設け、通過ドグと通過ドグとの間隔は、例えば定速走行区間では間隔を大きく、加速区間や減速区間では間隔を狭く、ステーション等の停止位置に近づくに連れてドグとドグとの間隔を狭くすることが好ましい。「滑り量」は走行車輪等の滑りを表す量で、アップダウンカウンタ16から得られる計測座標と、物理的に正確な座標(教示座標)との差を示す。このようにして、ドグ端を検出する毎に滑り量を求めることができる。「溜まり量R」は、パルス払い出しインターフェース30からサーボドライバの偏差カウンタ32に払い出し済みで、かつサーボモータ12へフィードバック中の信号である。なお実施例では、偏差カウンタ32とサーボアンプ34とを全体としてサーボ制御系と呼び、また位置や座標の単位は、エンコーダ14からの出力パルスや、パルス払い出しインターフェース30からの出力パルスを単位として示す。
【0017】
制御上重要な概念として「内部座標」があり、これは計測座標に溜まり量を加算した量である。パルス払い出しインターフェース30が、偏差カウンタ32へ加えた位置指令と同様の信号を、演算部28にも入力するようにすると、演算部28で内部座標が判明する。「残り量」は、目的停止位置の座標、即ち目標座標から、ドグ端の教示座標を引き算したもので、ドグ端を検出した時点での理想的な残りの走行距離である。
【0018】
「進み量S」はドグ端検出後の走行距離で、制御部10が移動量Mや減速度カーブの算出以外の他のジョブも処理するため、ドグ端を検出すると同時には移動量M等の算出を行えない。このため進み量Sを算出する必要が生じる。また進み量Sは、移動量Mを算出した時点での有軌道台車の推定走行速度の算出にも使用する。「移動量M」は目標ドグの中心位置までの残走行距離から溜まり量Rを引き算したもので、例えば残り量から進み量Sを引き算し、これからさらに溜まり量Rを引き算することにより得られる。なお演算部28では、パルス払い出しインターフェース30からの内部座標と、アップダウンカウンタ16からの現在位置(計測座標)との差を用いて、溜まり量Rを算出することもできる。
【0019】
図3に実施例での減速度パターン(減速度カーブ)を示すと、鎖線の従来例では、通過ドグd1の検出などにより減速を開始して、目標ドグdeの手前でクリープ走行に移行し、目標ドグdeを検出することにより残走行距離を求めて、目標ドグdeの中心で停止する。そしてこのようにすると、クリープ走行のため有軌道台車の走行が遅れる。これに対して実施例では、例えば最高速度Fupから停止速度FLまで等減速度で減速し、クリープ走行無しで目標ドグdeの中心に停止する。なお停止速度FLからブレーキをかけて停止する際の衝撃などを少なくするため、S字特性で減速するように、減速度は高速で大きく減速と共に小さくすることが好ましい。用語として、ドグ端を通過した時点などでの計測速度をFaと呼び、計測速度Faはラッチ部18にラッチしておき、これと進み量Sや補正前の減速度カーブでの減速度を用いて推定速度Fbを算出する。推定速度Fbを実測せずに推測するのは、速度の実測の時点と進み量等の算出時点との同期を確保する必要をなくす等のためである。また進み量Sはドグ端を通過した後、移動量Mや減速度カーブの算出などを行うまでに有軌道台車が走行した距離である。実施量で進み量Sが生じるのは、ドグ端の検出で直ちに移動量Mなどの算出を行うよりも、制御部10での他のジョブが終了するのを待って、移動量M等を算出するようにしたからである。
【0020】
図4に、残り量と進み量S、溜まり量R並びに移動量Mの関係を示すと、ドグ端から目標ドグの中心までの走行距離が残り量で、ドグ端検出後、移動量Mとの算出などを行うまでに有軌道台車が走行した距離が進み量Sである。またパルス払い出しインターフェースから偏差カウンタへ払い出し済みのパルスで、サーボモータ12へフィードバック中のものが溜まり量Rである。溜まり量Rはまた、偏差カウンタ32内でのパルス払い出しインターフェース30からの信号と、エンコーダ14からの信号との差からも判明する。残り量から、進み量Sと溜まり量Rとを引き算したものが移動量Mである。そしてドグ端の正確な座標に、進み量Sと溜まり量Rとを加算したものが、滑り量を補正済みの内部座標に相当する。
【0021】
図5に、計測速度Faと推定速度Fbの関係を示すと、ドグ端を検知した時点での有軌道台車の速度の計測値が計測速度Faに当たり、これと進み量Sと補正前の減速度カーブを用いて推定した速度が推定速度Fbに相当する。またドグ端を検出した時点と、移動量Mなどの算出を行う時点(推定速度Fbも移動量Mなどと同時に算出)との間の時間差を、制御遅れと呼ぶ。ここでの制御遅れは、ドグ端の検出から移動量Mなどの算出への制御の遅れを意味し、サーボ制御系での遅れではない。
【0022】
図6に推定速度Fbの算出を示す。ドグ端を通過した時点をta、速度Fbを推定する時点をtbとし、最高速度Fupから停止速度FLまで一定の減速度で時間Decで減速するものとする。なおDec自体は、適宜の設定値、あるいはその1つ前のドグを通過した際に求めた減速度カーブから求まる値である。最高速度Fupから停止速度FLまで時間Decで減速するものとすると、
Fa−Fb=(Fup−FL)×(tb−ta)/Dec
が成立し、一方、面積計算から進み量Sは、
S=(Fa+Fb)×(tb−ta)/2
が成立する。ここでtb−taを消去して、Fa−Fbで表すことにより、
S=(Fa2−Fb2)×Dec/(Fup−FL)
が成立する。そして進み量Sはエンコーダ値から既知で、またFaやDecも既知なので、Fbが求まる。
【0023】
図7に減速度カーブの算出を示す。減速度カーブの算出では、推定速度Fbから停止速度FLまで、一定の減速度Kで時間Dtだけかけて減速する。そしてこの間の走行距離は、移動量Mに等しくなければならない。この条件で減速度カーブを求めると、各時点での速度fは図7に示したように、
f=−(Fb2−FL2)×t/2M + Fb
となり、tの係数(−Fb2+FL2)/2Mを減速度Kとする。
【0024】
次に、停止速度FLからブレーキを作動させる際の衝撃を小さくするには、等減速度で減速するよりも、高速走行時の減速度を大きく、低速走行時の減速度を小さくすることが好ましい。ここで減速度を連続的に変化させると、速度の積分値と移動量とが不一致となり、目的位置で停止できない恐れがある。このため実施例では、減速度の変更をドグ端を通過する毎に行い、ドグ端を通過した際の推定速度が高いほど減速度を大きく、この値が小さいほど減速度を小さくして、ブレーキ作動時の衝撃を小さくする。このような処理をショックレス停止と呼ぶ。この結果、ショックレス停止のための処理は移動量や減速度カーブの補正と同時に行われる。
【0025】
図9に、移動量Mの算出に用いる変数の定義を示す。そして図9の処理は、ドグ端を通過して移動量を算出する毎に行うものとする。図10に、減速度カーブを算出するための変数の処理を示す。表1,表2に、実施例で用いる変数等の意味を示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003988665
【0027】
【表2】
Figure 0003988665
【0028】
図11に、実施例での制御アルゴリズムを示す。有軌道台車が出発ステーションを出発すると、所定の加速度で目標速度に達するまで加速を続行し、目標速度に達すると、定速走行を行う。そして予め計算された減速開始点までの分のパルスを払い出すと、減速制御を開始する。ドグ端を通過すると、その時点の計測座標と計測速度Faとをラッチし、補正要求フラグをオンする。ドグ端を通過した時点で直ちに移動量等の補正を行わずに、補正要求フラグをオンしておくのは、制御部で他のジョブが終了して移動量の算出などの処理が可能になるのを待つためである。続いてラッチしたドグ端の計測座標と教示座標との差から滑り量を求める。なおドグセンサでの検出遅れや、ラッチの完了までの遅れなどを考慮する場合、これらの見込み遅れ時間に計測速度を乗算したものを、計測座標に加算してラッチすればよい。また計測座標は、滑り量を求める都度補正される。さらに、計測座標に溜まり量を加算した内部座標を算出し、溜まり量としては記憶値を求めてもよく、あるいはパルス払い出しインターフェースでの払い出し済みのパルスの数から内部座標を算出してもよい。またこれ以外に、偏差カウンタでの偏差値を用いて内部座標を算出してもよい。次に目標座標から内部座標を引き算し、これに滑り量を加算することにより、移動量Mを算出する。
【0029】
減速度カーブを算出するため、エンコーダの値の差を用いて、計測速度Faを求めた後の走行距離(進み量S)を求める。続いて
Fb=(Fa2−S(Fup−FL)/Dec)1/2
により、推定速度Fbを求める。そして推定速度Fbから停止速度FLまで、時間Dtの間に減速し、かつこの間の走行距離が移動量Mに等しいとの条件から、減速度カーブfを算出する。このカーブの係数Kが減速率で、これを
K’=K−P×Fa/Fup
で補正する。Pは0または正の整数とし、好ましくは目標ドグの1つ手前のドグから目標ドグまでの間でPを0とし、それ以外の範囲ではPを正の整数とする。このようにすると、計測速度Faが大きいほど減速率が大きくなる。なお計測速度Faに代えて、推定速度Fb等の適宜の速度を用いてもよい。あるいはまた、目標ドグからのドグの数に応じて、目標ドグよりも遠いドグの方がKからの差が大きくなるように、減速率Kを補正してもよい。そして移動量Mと減速度カーブとを用いて減速制御を実行する。
【0030】
減速制御の実行では、目標位置をパルスの数で表現して、パルス払い出しインターフェースから偏差カウンタに入力し、偏差カウンタは指示された目標位置とエンコーダ値から求まる計測位置との差を解消するように、サーボモータに制御を加える。そしてパルス払い出しインターフェースからの入力と、制御の実行までの遅れが溜まり量Rに相当する。
【0031】
このようにして減速を実行し、次のドグ端を検出すると、目標ドグでない場合、再度移動量や減速度カーブを補正する。そしてドグとドグとの間隔を、例えば目標ドグに近いほど小さくすると、ドグを通過する毎に移動量や減速度カーブを補正し、かつ目標ドグに近づくほどドグ間の間隔を狭くして、滑りなどの影響を小さくし、目標ドグの中央で正確に停止できる。
【0032】
目標ドグの端部を検出すると、ドグ中央で停止するように移動量と減速曲線をセットする。この場合、移動量はドグの長さの例えば1/2程度であり、減速度カーブは、ドグ端通過時の速度から停止速度まで、ドグ長さの1/2程度の走行距離で減速すればよい。ここでの移動量や減速度カーブの算出は、他の通過ドグでの移動量や減速度カーブの算出と同様に行ってもよいが、制御部での他のジョブが終了するのを待たず、例えば直ちに割り込みをかけて実行するのが好ましい。あるいはこれ以外に、目標ドグの1つ手前のドグの端部を通過したときの速度から、減速率を求めるための表などを記憶して、読み出すようにしてもよい。そして停止速度まで減速すると、ブレーキを作動させて停止する。
【0033】
実施例では、クリープ走行を全く行わずに停止するようにしたが、制御の精度が低い場合、僅かの区間であればクリープ走行を行ってもよい。この場合、クリープ走行距離は例えば0.4cm以下とし、クリープ走行の時間は1秒以下とすることが好ましい。この程度のクリープ走行距離やクリープ走行時間であれば、従来のクリープ走行距離やその時間に比べて短く、有軌道台車の走行への遅れが小さいからである。
【0034】
実施例では、ドグの検出とドグの検出との間での滑り量の補正は行っていないが、適当な滑り量を記憶して、ドグ端の検出とドグ端の検出の間でも、滑り量を補正してもよい。また減速制御では、基本的に全てのドグを使用して制御を行うが、加速制御や定速走行時には、ドグの検出毎の移動量の算出や速度カーブの算出は省略してもよい。
【0035】
実施例では、
・ 滑り補正を行うことにより、クリープ走行無しで目的停止位置に停止することが可能になり、
・ 溜まり量を移動量から除くことにより、サーボモータの制御遅れによるオーバーランを解消して、クリープ走行無しでの停止精度をさらに向上し、
・ ドグを通過する毎に移動量や減速度カーブを補正することにより、停止精度をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の走行台車システムのレイアウトを示す図
【図2】 走行台車の走行制御系を示すブロック図
【図3】 実施例での減速度パターンを示す図
【図4】 実施例での、残り量、進み量S、溜まり量R、移動量Mの関係を示す図
【図5】 実施例での、制御遅れと進み量Sとの関係や、移動量Mと推定速度Fbや停止速度FLとの関係を示す図
【図6】 推定速度Fbの算出用の、進み量Sの測定方法を示す図
【図7】 実施例での減速度カーブ(減速度パターン)を示す図
【図8】 実施例でショックレス停止用に修正した減速度カーブを示す図
【図9】 実施例での現在位置の検出用変数の算出アルゴリズムを示す図
【図10】 実施例での速度制御用の変数の算出アルゴリズムを示す図
【図11】 実施例での走行制御アルゴリズムを示すフローチャート
【符号の説明】
2 有軌道台車
4 走行レール
6 ステーション
8 ドグセンサ
10 制御部
12 サーボモータ
14 エンコーダ
16 アップダウンカウンタ
18 ラッチ部
20 ドグ座標記憶部
22 目標座標記憶部
24,26 差分部
28 演算部
30 パルス払い出しインターフェース
32 偏差カウンタ
34 サーボアンプ
d1,d2,…,de ドグ

Claims (3)

  1. 走行台車の走行経路に沿って、停止位置並びに停止位置と停止位置との中間に、位置が既知のマークを複数設けて、走行台車に設けたマークセンサで該マークを検出することにより、走行台車の走行系に設けた位置認識手段により検出される現在位置を補正して、目的停止位置までの移動量を求めるための手段を設けたシステムにおいて、
    求めた移動量により、目的停止位置に停止するための減速度パターンを求めるための手段を設けて、目的停止位置に停止するまでに、マークの検出に基づいて減速度パターンを複数回求めるようにしたことを特徴とする、走行台車システム。
  2. 走行台車の走行モータをサーボ制御系によりサーボ制御すると共に、走行モータの回転数もしくは走行車輪の回転数を検出するエンコーダを設けて、サーボ制御系への制御入力とエンコーダからの信号との差を溜まり量とし、前記移動量を該サーボ制御系の溜まり量によりさらに補正するようにしたことを特徴とする、請求項1の走行台車システム。
  3. マークを検出する都度、前記移動量と前記減速度パターンとを補正するようにしたことを特徴とする、請求項1または2の走行台車システム。
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