JP3984310B2 - グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤 - Google Patents

グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤に関し、より詳しくは脂肪前駆細胞から脂肪細胞へと分化する時に活性が上昇するグリセロリン酸脱水素酵素を阻害することができるグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤に関する。さらにそのグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤を含む食品添加物、及びそれらを配合した食品に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、わが国は食生活の欧米化が進み、糖質の摂取量が減り、脂肪、タンパク質の摂取量が増えてきている。それに伴い、肥満という問題が取り上げられるようになってきた。肥満は、高血圧、心臓病、糖尿病などの成人病の原因となるので、健康を維持するためには努力して防止する必要がある。
肥満の成因を考えていく上で、脂肪細胞への分化や脱分化のメカニズムが重要である。1974年GREEN らは、マウス胎児由来3T3線維芽細胞の中から脂肪細胞へと分化するものをクローニングし、細胞株を樹立することに成功し、脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化の課程を生化学的に研究できるようになった(GREEN, H. 等、CELL, VOL.1, 113−116 頁(1974);CELL, VOL.3, 127−133 頁(1974))。また、Ne'grel らも遺伝性肥満マウス(C57BL/6J ob/ob)の副睾丸脂肪組織より脂肪細胞へと分化する細胞(ob 17)をクローン化した(Ne'grel, R.等、PROC. NATL. ACAD. SCI. USA, VOL.75, p.6054-6058(1978) )。
【0003】
これらの細胞を用い生化学的研究が行われ、前駆細胞の時にはほとんど活性が検出されず、脂肪細胞に分化することにより増加する酵素が明らかになってきた。たとえば、グリセロリン酸脱水素酵素、リポプロテインリパーゼ、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼなどが報告されているが、特にグリセロリン酸脱水酵素は1,000倍も酵素活性が上昇するので、分化のマーカー酵素として利用されている。
従って、グリセロリン酸脱水素酵素を阻害することにより脂肪細胞への分化を抑制することが考えられる。また、そのような酵素阻害剤により肥満の治療や予防をすることが考えられる。
さらに、食品にあらかじめ酵素に対する阻害剤を配合しておく方法が考えられている。
グリセロリン酸脱水素酵素に対する阻害剤としては、5−アルキルレゾシノール(特開平6−100440号公報)が知られていて、動物細胞での脂肪蓄積防止効果が明らかにされている。しかしながら、未だ十分な効果は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、グリセロリン酸脱水素酵素に対して優れた阻害活性を示し、かつ安全性の高いグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤を提供することである。本発明の目的はまた、上記グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤を含む食品添加剤を提供し、さらに、上記グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤あるいは食品添加剤を配合した食品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、グリセロリン酸脱水素酵素に対して阻害活性を有する物質を鋭意探求したところ、トリテルペン類化合物及びその誘導体が強い阻害活性を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、トリテルペン類化合物及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤に関する。該誘導体としては具体的に、塩類及びアセチル化物が挙げられ、特にアセチル化物は溶媒への溶解性が良好な点で優れている。
本発明はまた、上記グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤を含有する食品添加物である。本発明はさらに、上記グリセロリン酸脱水素酵素阻害剤又は食品添加物を配合した食品に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
トリテルペン類化合物は、植物界に広く遊離基として存在し、または糖と結合してサポニン、酸と結合してエステルとして分布している。
それらは極めて毒性の低いものと考えられる。
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤の有効成分であるトリテルペン類化合物及びそのアセチル化物としては、例えば下記一般式(I)又は(II) で示され化合物が挙げられる。
【0007】
【化3】
Figure 0003984310
【0008】
(式中、R1 は−OHまたは−OC(O)−CH3 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立して水素原子、−CH3 、−CH2 OH、−COOHまたは−CHOを表し、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ独立して水素原子または−CH3 をを表す。)
【0009】
【化4】
Figure 0003984310
【0010】
(式中、R9 は−OHまたは−OC(O)−CH3 、R10、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−CH3 、−CH2 OH、−COOHまたは−CHOを表す。)
【0011】
さらに具体的には、オレアノール酸、ウルソン酸、ウバオール、ヘデラゲニン、ベツリン及びそれらのアセチル化物等が挙げられる。
アセチル化物としては特に、オレアノール酸、ウルソン酸、ベツリンのアセチル化物が好ましく挙げられる。オレアノール酸やウルソン酸をアセチル化することにより、エタノール、メタノールやクロロホルムといった通常の有機溶媒に対する溶解性を向上させることができ、且つ、より強いグリセロリン酸脱水素酵素阻害活性が示される。溶解性の向上は、研究上及び生体吸収性等の観点から好ましい。
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤の有効成分であるトリテルペン類化合物及びそれらの誘導体の具体例は、上記一般式(I)又は(II) において次のように示される。
【0012】
【表1】
Figure 0003984310
【0013】
オレアノール酸(Oleanolic acid) はβ−アミリン系トリテルペンの一種であって、各種植物に含まれている。例えばオリーブ葉、センブリ、チョウジ、ブドウ果皮に遊離状態で含まれていて、チクセツニンジン、ニンジン、サトウダイコンなどにはサポニンとして存在し、酸加水分解物からも得られる。また、オレアノール酸は、青じそにも含まれているのが知られている。
オレアノール酸には、制癌作用、抗炎症作用、抗リウマチ作用、抗糖尿病作用(特開昭55−122715号公報)、発癌プロモーター抑制作用(特開昭63−57519号公報)、う蝕予防作用(特開昭61−36213号公報)が既に知られている。
一方ウルソン酸(Ursolic acid) はウルソール酸ともいい、α−アミリン系トリテルペンの一種である。ウルソン酸はリンゴ、サクランボなどの種々の果実や葉の表面のろう状物質などの中に存在する。
ウバオール(Uvaol)もまた、α−アミリン系トリテルペンの一種であり、オリーブ果皮の表面のろう状物質に含まれている。
ヘデラゲニン(Hederagenin) は、β−アミリン系トリテルペンの一種であって、アケビのつる、セイヨウキツダ(ウコギ科)、ムクロジ(ムクロジ科)の果皮などにサポニンとして含まれている。
ベツリン(Betulin)及びベツリン酸(Betulic acid)は、ルペオール系トリテルペンに属する。ベツリン、ベツリン酸及びルペオールは、白樺などカバノキ科植物の特に樹皮に含まれることが知られている。この白樺の従来の利用としては、樹皮を煎じたものを神経痛、はれ物に内服する。葉も煎じて利尿薬とする。材を乾留して得たタールは、リウマチ、皮膚病に外用できることが知られている。
【0014】
本発明で使用する有効成分は、上記の植物から抽出される天然品でも、あるいは合成品でもよい。これらの有効成分の合成は、常法に従って実施することができる。
また有効成分として、植物からの抽出液ないし抽出物など未精製物状態で使用してもよい。本発明で使用する有効成分としては、市場で一般に入手できるものがあり、本発明ではそのような市販品を使用してもよい。
また本発明のグリセロリン酸脱水素酵素の有効成分として、上記トリテルペン類化合物の塩類を使用してもよい。それらの塩類は、グリセロリン酸脱水素酵素に対して阻害活性を有するものであればよい。例えば、一般式(I)あるいは(II) における−COOHから誘導される塩類が挙げられる。さらに具体的にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩といったアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩といったアルカリ土類金属塩、テトラブチルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0015】
〔試験例1〕
オレアノール酸、ウルソン酸、ウバオール及びヘデラゲニンのグリセロリン酸脱水素酵素阻害活性について試験を行った。
グリセロリン酸脱水素酵素阻害活性の測定は、WISE等の方法に準じて、以下のように行った(WISE. L. S. 等、J. BIOL. CHEM., Vol. 254, 273-275 頁(1979)) 。
オレアノール酸(シグマ社製)、ウルソン酸(シグマ社製)、ウバオール(シグマ社製)及びヘデラゲニン(EXTRASYNTHESE)を使用して、各種濃度の検体溶液を調製した。
1cmの角セルに、2.5mMのEDTAを含んだ100 mMのトリエタノール/塩酸バッファー(pH7.5)1.97ml、6mMのジヒドロキシアセトンリン酸0.3ml、1mMのβ−メルカプトエタノール0.3ml、1.2mMのNADH 0.3ml及び各濃度の検体溶液0.03mlを入れよく混合した。
次に、1unit/mlのグリセロリン酸脱水素酵素(シグマ社製)溶液0.15mlを加え、混合後、340nmの吸光度を測定し、10分後の吸光度から下記計算式により阻害活性を求めた。なお、対照は、角セルに検体溶液を無添加で同様に行い、340nmの吸光度を測定した。
阻害率(%) =(A/B)×100
A:各種検体の10分後の吸光度−対照の10分後の吸光度
B:対照の0分後の吸光度−対照の10分後の吸光度
その結果、オレアノール酸、ウルソン酸、ウバオール及びヘデラゲニンが、各々、下記表2、表3、表4及び表5のようにグリセロリン酸脱水素酵素に対して強い阻害率を示した。50%阻害濃度はそれぞれ、5.9、4.2、0.1及び20.2μg/mlであった。
【0016】
【表2】
オレアノール酸
Figure 0003984310
【0017】
【表3】
ウルソン酸
Figure 0003984310
【0018】
【表4】
ウバオール
Figure 0003984310
【0019】
【表5】
ヘデラゲニン
Figure 0003984310
【0020】
〔試験例2〕
試験例1と同様の試験手順により、オレアノール酸のアセチル化物及びウルソン酸のアセチル化物について、グリセロリン酸脱水素酵素阻害活性を測定した。なお、上記アセチル化物は、下記参考例2の手順で得られたものである。
その結果、オレアノール酸のアセチル化物、ウルソン酸のアセチル化物の50%阻害濃度は、各々2.3μg/ml及び2.1μg/mlであった。
〔試験例3〕
試験例1と同様の試験手順により、ベツリンのグリセロリン酸脱水素酵素阻害活性を測定した。なお検体として、ベツリン(下記参考例1の手順で得られたもの)を使用した。 その結果、ベツリンの50%阻害濃度が0.38μg/mlであることが判った。
【0021】
〔参考例1〕
白樺からのベツリンの抽出
シラカバ(Betula alba L.)の樹皮(Birch)1kgを細切し、90%エタノール約5リットルを加え抽出した。抽出は、常温で7日間浸漬することにより行い、その後濾過により抽出物を得た。残渣は90%エタノール約5リットルで同様に抽出した。全抽出液を合わせ、減圧濃縮を行い、濃縮乾固物(39g)を得た。
上記の得たエタノールエキス20gを水に懸濁し、濾過することにより水可溶部と水不溶部に分けることができる。可溶部から、凍結乾燥し残査を得た(14g)。不溶部から、カラムクロマトグラフィーなど適当な精製手段によりベツリンを得ることができた。市販されているベツリンと比較し同定した。
【0022】
〔参考例2〕
アセチル化
オレアノール酸に100mgにピリジン10mlと無水酢酸5mlを加え、暗所にて反応させた。反応液に6N H2SO4でpH2付近に調整し、酢酸エチルで抽出した。飽和 NaHCO3 とイオン交換水で洗浄、精製した。酢酸エチル層を濃縮乾固しアセチル化物の粉末を得た。ウルソン酸も同様にアセチル化を行った。ここで製造したオレアノール酸のアセチル化物及びウルソン酸のアセチル化物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにて検討した。展開溶媒は、ヘキサン:メタノール=20:1を用いた。その結果を下表に示す。
【0023】
【表6】
Figure 0003984310
【0024】
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤は、有効成分の他に添加剤を含んでもよい。またそれらの有効成分は、適当な助剤とともに任意の形態に製剤化して、経口または非経口投与が可能なグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤とすることができる。
以下に、本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤の投与方法、投与量及び製剤化の方法を示す。
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤は、経口及び非経口投与のいずれも使用可能であり、経口投与する場合は、軟・硬カプセル剤又は錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤として投与される。非経口投与する場合は、注射剤、点滴剤及び固体状または懸濁粘稠液状として持続的な粘膜吸収が維持できるように坐薬のような剤型で投与され得るが、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内及び静脈内注射、局所への塗布、噴霧、坐剤、膀胱内注射などの外用的投与法等も用いることができる。
【0025】
投与量は、投与方法と、患者の年齢、病状や一般状態等に依って変化し得るが、大人では通常、1日当たり有効成分として0.5〜5,000mgが適当であり、小人では0.5〜3,000mgが適当である。
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤の有効成分の割合は、剤型によって変更され得るが、通常、経口投与されるとき、約0.3 〜15.0重量%が適当であり、非経口投与されるときは、ほぼ0.01〜10重量%が適当である。
また、本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤の製剤化に当たっては、常法に従い、水溶液、油性製剤などにして、皮下あるいは静脈注射用製剤とすることができる他、皮膚などに局所適用する製剤としたり、またカプセル剤、錠剤、細粒剤等の剤型に製剤化して経口用に供することができる。
【0026】
また、有効成分に長時間の保存に耐える安定性及び耐酸性を付与して薬効を完全に持続させるために、更に医薬的に許容し得る被膜を施して製剤化すれば、すぐれた安定性を有するグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤とすることができる。
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤の製剤化に用いられる界面活性剤、賦形剤、滑沢剤、佐剤及び医薬的に許容し得る被膜形成物質等を挙げれば、次の通りである。
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤の崩壊、溶出を良好にするために、界面活性剤、例えばアルコール、エステル類、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類等の1種又は2種以上を添加することができる。
また、賦形剤として、例えば、庶糖、乳糖、デンプン、結晶セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の1種又は2種以上を組み合わせて添加することができる。
【0027】
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油等を1種または2種以上添加することができ、また矯味剤及び矯臭剤として、食塩、サッカリン、糖、マンニット、オレンジ油、カンゾウエキス、クエン酸、ブドウ糖、メントール、ユーカリ油、リンゴ酸等の甘味剤、香料、着色剤、保存料等を含有させてもよい。
懸濁剤、湿潤剤のような佐剤としては、例えば、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質等を含有させることができる。
また、被膜形成物質としては、セルロース、糖類等の炭水化物誘導体として酢酸フタル酸セルロース(CAP)、またアクリル酸系共重合体、二塩基酸モノエステル類等のポリビニル誘導体としてアクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体が挙げられる。
また、上記被膜形成物質をコーティングするに際し、通常使用されるコーティング剤、例えば可塑剤の他、コーティング操作時の薬剤相互の付着防止のための各種添加剤を添加することによって被膜形成剤の性質を改良したり、コーティング操作をより容易にすることができる。
【0028】
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤はまた、食品、健康食品に配合することができ、また食品添加物の成分とすることもできる。食品中に配合する場合は、食品に対して有効成分として0.001〜15重量%が適当であり、特に0.01〜10重量%配合することが好ましい。
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤あるいは食品添加物を配合させる食品の種類はいかなるものであってもよく、例えば、パン、麺、ビスケット、ホットケーキ、錠菓等の穀粉や澱粉を主体とする食品、ドレッシング、ドリンク等を挙げることができる。食品に配合させる方法としては、各種食品に応じてその製造過程で適宜配合すればよい。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
実施例1(錠菓及び錠剤)
卵殻カルシウム108g、ピロリン酸第二鉄2g、アスコルビン酸40g 、微結晶セルロース40g 、還元麦芽糖285g、オレアノール酸25g をミキサーによって常法により混和した後、打錠し、錠菓及び錠剤を製造した。
実施例2(錠菓及び錠剤)
卵殻カルシウム108g、ピロリン酸第二鉄2g、アスコルビン酸40g 、微結晶セルロース40g 、還元麦芽糖285g、白樺エタノール抽出物25g をミキサーによって常法により混和した後、打錠し、錠菓及び錠剤を製造した。
【0030】
実施例3(ビスケット)
小麦粉120g、オレアノール酸1.2g、ウルソン酸1.2g、砂糖35g 、ショートニング15g 、全卵粉1.5g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アンモニア0.75g 、水20g を用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してビスケットを製造した。
実施例4(ビスケット)
小麦粉120g、白樺エタノール抽出物の水可溶部1.2g、ベツリン1.2g、砂糖35g 、ショートニング15g 、全卵粉1.5g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アンモニア0.75g 、水20g を用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してビスケットを製造した。
【0031】
実施例5(パン)
小麦粉3kg 、ウバオール3g、イースト60g 、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60g 、ショートニング150g、脱脂粉乳60g 、水2070g を用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してパンを製造した。
実施例6(パン)
小麦粉3kg 、ベツリン3g、イースト60g 、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60g 、ショートニング150g、脱脂粉乳60g 、水2070g を用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してパンを製造した。
【0032】
実施例7(麺)
準強力小麦粉に対して、1重量%のウルソン酸、34重量%の水、1重量%の食塩及び1重量%のかんぷんを加えたものを、12分間混捏した後、麺機にて数回圧延、成形して、中華麺の生麺帯、生麺線を得た。
実施例8(麺)
準強力小麦粉に対して、1重量%のベツリン、34重量%の水、1重量%の食塩及び1重量%のかんぷんを加えたものを、12分間した混捏した後、麺機にて数回圧延、形成して、中華麺の生麺帯、生麺線を得た。
【0033】
【発明の効果】
本発明のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤は、安全性が高く、かつ高いグリセロリン酸脱水素酵素阻害活性を有する。食品に容易に配合することができ、また肥満の予防や治療に有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)又は(II)で示されるトリテルペン類化合物及びそのアセチル化物、及びその塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種(但しオレアノール酸及びそのアセチル化物(下記一般式(I)中、R1が−OHまたは−OC(O)−CH3を表し、R2及びR3が−CH3を表し、R4が−COOHを表し、R5及びR6が水素原子を表し、R7及びR8が−CH3を表す。)を除く。)を有効成分として含有するグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤。
    Figure 0003984310
    (式中、R1は−OHまたは−OC(O)−CH3、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、−CH3、−CH2OH、−COOHまたは−CHOを表し、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子または−CH3を表す。)
    Figure 0003984310
    (式中、R9は−OHまたは−OC(O)−CH3、R10、R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−CH3、−CH2OH、−COOHまたは−CHOを表す。)
  2. 有効成分がウルソン酸、ウバオール、ヘデラゲニン、ベツリン、それらの塩類及びそれらのアセチル化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1項記載のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤。
  3. ウバオール、ベツリン及びそれらのアセチル化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する請求項1記載のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤を含有する食品添加物(植物体からの抽出物を除く。)
  4. ウバオール、ベツリン及びそれらのアセチル化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する請求項1記載のグリセロリン酸脱水素酵素阻害剤(植物体からの抽出物を除く。)、又は請求項3記載の食品添加物を配合した食品。
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