JP3982677B2 - 排気制御弁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、4サイクルエンジンの排気通路に介装する排気制御弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動二輪車用4サイクルエンジンの排気装置としては、エンジンから延びる気筒毎にある排気管をエンジンの下方において車幅方向に並べ、これらの排気管の途中に一つの排気制御弁装置を介装したものがある。この排気制御弁装置は、車幅方向に長い箱状に形成したバルブハウジングの前端部に前記排気管を接続するとともに、このバルブハウジングの内部に回動式の弁体を回動軸線が車幅方向を指向する状態で回動自在に設けている。
【0003】
前記弁体は、車幅方向に延びて全ての排気管の下流側開口と対向する板状部と、この板状部の両端部に設けた軸部とによって構成しており、この軸部をバルブハウジングに回動自在に支持させている。前記板状部は、弁体の軸方向から見て前記軸部を中心とする円に沿うように断面円弧状に形成しており、前記開口と対向する閉位置と、前記開口が後方へ向けて開放される上側の開位置との間で回動する。
【0004】
このように形成した弁体が閉じることによって、排気管中を伝播する排気の圧力波が主に前記開口の近傍で反射し、弁体が開くことによって、前記圧力波が主にバルブハウジングの後壁で反射する。前記弁体の開閉は、低回転時と高回転時の両方でエンジンの排気ポートが開くときに負の圧力波が排気ポートに達するように、低回転時に閉じて高回転時に開くように設定されている。
【0005】
しかし、上述したように構成した従来の排気制御弁装置は、弁体が開くときに排気管より上方に回動するから、この弁体を収容できるようにバルブハウジングの上部に弁体収容空間を形成しなければならず、バルブハウジングが大型化するという不具合があった。
発明者らは、上述したような、いわゆる回動型の仕切り弁の代わりにバタフライ型の排気制御弁を用いることによって、装置の小型化を図ることを考えた。すなわち、バルブハウジングに排気通路を並設し、これらの排気通路を横切るようにバタフライ型の排気制御弁を設けることによって、排気通路の外側に大きく突出する空間を形成する必要がなくなるからである。なお、バルブハウジングは、小型化を実現するために排気制御弁を軸線方向に組付る構造を採ることが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一つのバタフライ型の排気制御弁で複数の排気通路を開閉する構造を採ると、バルブハウジングに排気制御弁を軸線方向に沿って組付ける場合には、互いに隣接する排気通路どうしを画成する隔壁に板状弁体を挿通させる穴を弁体が回動できるように大きく形成しなければならず、この穴から圧力波が隣の排気通路へ漏洩するという新たな不具合が生じる。
【0007】
このような不具合は、前記穴を閉塞するような仕切板、すなわち、板状弁体の最大外径と同径の仕切板を弁体に設けることによって解消することができる。しかし、例えば二つの排気通路を一つの排気制御弁で開閉する構造を採ると、両排気通路の間に設けた1枚の仕切板に排ガスの圧力が加えられ、この仕切板が一方と他方とから繰り返し押圧されるようになる。このように仕切板が押圧されることにより、排気制御弁がバルブハウジングに繰り返し衝突し、この衝突部分から打音が発生するという問題があった。
【0008】
詳述すると、異なる気筒に接続された二つの排気通路の圧力は、同じタイミングで上昇したり低下することはなく、一方の排気通路の圧力が高いときに他方の排気通路の圧力が低くなる。このような圧力変動がエンジン運転時に交互に繰り返されるから、排気制御弁が軸線方向の一方と他方とに交互に付勢されるようになって前記打音が繰り返し発生してしまう。仕切板を排気制御弁の両端部にも設けて圧力の差を相殺させることも考えられるが、弁体と同等の大きさの仕切板を排気通路の内壁に挿通させなければならないから、排気制御弁の組付作業が著しく煩雑になってしまう。
【0009】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、バタフライ型の排気制御弁を用いながら、圧力波の漏洩や打音の発生がなく、しかも、組付作業が簡単な排気制御弁装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係る排気制御弁装置は、バルブハウジングに少なくとも二つの排気通路を並設するとともに、これらの排気通路の並設方向を軸線方向とするバタフライ型の排気制御弁を回動自在に設けた排気制御弁装置であって、バルブハウジングを排気制御弁が軸線方向に組込まれる構造とし、前記排気制御弁を、弁軸と、この弁軸に設けた排気通路毎の板状弁体と、これらの板状弁体どうしの間および排気制御弁の両端部に各排気通路の内壁の一部を構成するように設けた複数の受圧板とによって構成し、前記受圧板は、前記弁軸の軸線とは直交する平面に沿う円板状であって、板状弁体が設けられた部分の軸径より外径が大きくかつ板状弁体の最大外径より外径が小さくなるように形成され、前記バルブハウジングにおける排気通路どうしを画成する隔壁に、前記受圧板および板状弁体が挿通可能な切欠きを形成したものである。
【0011】
本発明によれば、排気制御弁に加えられる各排気通路の圧力は、受圧板によって相殺される。この受圧板は、板状弁体が排気通路毎に形成されて隔壁に板状弁体が回動できるような大きな穴を形成しなくてよいことから、排気制御弁をバルブハウジングに簡単に組付けることができるように小さく形成することができる。前記隔壁に形成する切欠きは、板状弁体と受圧板とを軸線方向から見たときの形状と略同じ形状に形成することができ、この切欠きのうち受圧板を通す部分は運転時には受圧板で閉塞される。
【0012】
請求項2に記載した発明に係る排気制御弁装置は、請求項1に記載した発明に係る排気制御弁装置において、排気制御弁の三箇所の受圧板の外径を互いに一致させたものである。
この発明によれば、排気通路の圧力が排気通路毎の二つの受圧板に同様に作用するから、二つの排気通路の圧力が交互に変化しても排気制御弁を軸方向に付勢する力は生じることがない。
【0013】
請求項3に記載した発明に係る排気制御弁装置は、請求項2に記載した発明に係る排気制御弁装置において、バルブハウジングを、排気通路を形成したハウジング本体と、このハウジング本体の排気制御弁用着脱口を閉塞するカバーとから構成し、前記カバーに排気制御弁の一端部を支持する軸孔を形成するとともに、この軸孔内に環状壁を設け、この環状壁より排気通路側に、排気制御弁におけるカバー側の受圧板を対向させたものである。
【0014】
この発明によれば、排気制御弁におけるカバー側の受圧板と、カバーの環状壁とによって排気制御弁をカバーに対して位置決めすることができるから、カバーに排気制御弁を組付けてなる組立体を容易に形成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る排気制御弁装置の一実施の形態を図1ないし図11によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る排気制御弁装置を使用した自動二輪車の側面図、図2は排気装置を示す図で、同図(a)は側面図、同図(b)は平面図である。図3は排気制御弁装置を車体右側から見た状態を示す側面図、図4は排気制御弁装置の縦断面図で、同図の破断位置を図3中にIV−IV線によって示す。
図5はバルブハウジングの側面図、図6は同じく正面図、図7は図5におけるVII−VII線断面図、図8は図7におけるVIII−VIII線断面図、図9は図7におけるIX−IX線断面図である。図10は排気制御弁の動作を説明するための側面図で、同図は、排気制御弁を破断した状態で描いてある。図11は排気制御弁を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図で、(a)図においては、弁軸部分を破断して描いてある。
【0016】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による自動二輪車である。この自動二輪車1は、4サイクルエンジン2を動力源として走行する、いわゆるオンロードタイプのもので、車体の前部を覆うカウリング3を備えている。符号4はこの自動二輪車1の車体フレームを示し、5は前輪、6はフロントフォーク、7は操向ハンドル、8は燃料タンク、9はシート、10は後輪、11はリヤアームをそれぞれ示す。
【0017】
前記エンジン2は、DOHC4気筒型のもので、シリンダ12を軸線方向が前上がりに傾斜する状態でクランクケース13に取付けており、車体フレーム4のタンクレール4aとリヤアームブラケット4bなどに支持させている。また、このエンジン2は、シリンダ12の後面に吸気装置(図示せず)を取付けるとともに、前面に後述する排気装置21を取付けている。
【0018】
排気装置21は、図2に示すように、気筒毎の排気管22〜25と、これらの排気管22〜25と下流側のマフラー26との間に介装した排気制御弁装置27などによって構成している。前記排気管22〜25は、エンジン2のシリンダ12の前方で下方へ延び、クランクケース13の前下方で下流側が後方を指向するように屈曲させて形成している。
【0019】
これらの排気管22〜25の下流側端部は、4本の排気管のうち両端部の2本の排気管22,25(#1気筒および#4気筒に接続した排気管)どうしが車幅方向に沿って互いに隣接し、これらの排気管22,25の下方で残りの2本の排気管23,24(#2気筒と#3気筒に接続した排気管)どうしが車幅方向に沿って互いに隣接するように形成している。
前記マフラー26は、排気制御弁装置27から後方に延びる連通管28と、この連通管28の後端部に接続したサイレンサー29とによって構成している。前記連通管28は、複数のパイプによって形成し、前記サイレンサー29は、内部に触媒コンバータ30を設けている。
【0020】
前記排気制御弁装置27は、図3〜図11に示すように、前記4本の排気管22〜25を接続するバルブハウジング31と、このバルブハウジング31に回動自在に支持させた二つのバタフライ型の排気制御弁32と、これらの排気制御弁32を駆動する駆動装置33などを備えている。
前記バルブハウジング31は、図3および図4に示すように、内部に排気通路Sを形成したハウジング本体34と、このハウジング本体34の車体右側の端部に固定用ボルト35によって取付けたカバー36とによって構成している。
【0021】
ハウジング本体34は、ハウジング内を上下方向に並ぶ二室に仕切る第1の仕切板37と、ハウジング内を車幅方向に並ぶ二室に仕切る第2の仕切板38とを一体に形成しており、前端部に排気管接続用のフランジ39(図6参照)を形成するとともに、後端部にテーパー部40を形成している。このテーパー部40は、図7および図8に示すように、下流側に向かうにしたがってハウジング本体34の内径が次第に小さくなるように形成し、後端に前記連通管28を接続するための円筒41を設けている。
【0022】
前記第1の仕切板37は、図7に示すように、ハウジング本体34の前端から前記連通管接続用の円筒41まで前後方向に延設し、第2の仕切板38は、ハウジング本体34の前端から前後方向の中央部まで延設している。すなわち、ハウジング本体34内の排気通路Sは、第2の仕切板38が形成されている範囲内においては、図9に示すように、第1および第2の仕切板37,38によって第1〜第4の気筒別排気通路S1〜S4に画成され、第2の仕切板38より後方の範囲においては、図8に示すように、第1の仕切板37のみによって上部排気通路S5と下部排気通路S6とに画成される。第2の仕切板38が本発明に係る排気通路どうしを画成する隔壁を構成している。
【0023】
前記第2の仕切板38には、図5および図8に示すように、後述する排気制御弁32を挿通させるための切欠き42を二箇所に形成している。これらの切欠き42は、円形穴42aの開口縁の二箇所が径方向の外側へ部分的に延出する形状に形成している。径方向の外側へ延出する延出部を図5,8中に符号42bで示す。
【0024】
また、ハウジング本体34は、図4に示すように、車体右側の前部に排気制御弁32を着脱するときに通す着脱口43を設け、車体左側の前部に排気制御弁32の車体左側の端部を支持するボス44,45を一体に形成している。これらのボス44,45は、第1の気筒別排気通路S1および第2の気筒別排気通路S2と対応する上下方向の二箇所に、軸線が車幅方向を指向する状態で車体左側へ突出するように形成している。
【0025】
前記カバー36は、図4に示すように、ハウジング本体34と協働して第3の気筒別排気通路S3と第4の気筒別排気通路S4とを画成するように形成し、ハウジング本体34の前記ボス44,45と対向する部分に、排気制御弁32の車体右側の端部を支持するボス46,47を一体に形成している。これらのボス46,47も軸線方向が車幅方向と平行になるように形成している。また、前記ボス46,47の軸孔46a,47aの内部には、後述する軸受55の位置を規制するとともに、排気制御弁32の車体右側の受圧板54と対向する環状壁46b,47bを設けている。
【0026】
排気制御弁32は、図4および図11に示すように、両端部の弁軸32a,32bと、これらの弁軸32a,32bどうしの間の2枚の板状弁体51,51および3枚の受圧板52〜54とを一体に形成している。前記二つの弁軸32a,32bのうち、図4,11において左側の端部に位置する弁軸32aは、円筒状に形成し、ハウジング本体34の前記ボス44,45に軸受55を介して回動自在に支持させている。
【0027】
前記ボス44,45の底部には、図7に示すように、メンテナンス時に排気制御弁32を押圧して外し易くするためのプッシュロッド(図示せず)を挿通させるねじ孔56を設けている。このねじ孔56は、前記弁軸32aと軸受55との境界部分と対向する二箇所に設けている。このようにねじ孔56を設けることにより、このねじ孔56に挿入させたプッシュロッドで弁軸32aと軸受55の両方を押圧することができる。ねじ孔56は、異物が侵入するのを阻止するために、図4に示すように、通常はボルト57を螺着させている。なお、前記ねじ孔56は、弁軸32aの軸心部と対向する部分に設けることもできる。
【0028】
排気制御弁32の他端部の弁軸32bは、円柱状に形成し、軸端部に後述する駆動装置33を接続するための連結用ロッド58を一体に形成しており、軸受55によって前記カバー36のボス46,47に回動自在に支持させている。また、この支持状態においては、排気制御弁32の右側の受圧板54がボス46,47の環状壁46b,47bに排気通路側から対向している。
前記連結用ロッド58は、図11に示すように、平坦面からなる先端側嵌合面58aおよび内側嵌合面58bをこれら両面が段差をもって接続するように形成し、図4に示すように、同図中に符号59,60で示す連結部材を嵌合させて固定用ボルト61,62によって固定している。
【0029】
これらの連結部材59,60は、二つの排気制御弁32どうしを連動するように連結するリンク機構63(図3参照)の一部を構成するもので、円板状に形成して軸心部に前記連結用ロッド58を嵌合させ、1本のリンク64を介して互いに連結している。連結部材59,60の連結用ロッド58への固定は、連結用ロッド58の先端側嵌合面58aと内側嵌合面58bとの間に形成された端面58c(図11参照)に連結部材内の端面(図示せず)を当接させた状態で固定用ボルト61,62を締結させることによって行っている。
【0030】
この実施の形態では、図4に示すように、前記締結状態で連結部材59,60とボス46,47の外端面との間に隙間が形成されるように構成し、この隙間にワッシャ65を介装するとともに皿ばね66を弾装している。この皿ばね66は、連結部材59,60とともに排気制御弁32の全体を車体右側へ付勢している。このように排気制御弁32が皿ばね66の弾発力で軸線方向の一方へ付勢されることによって、運転時に排気制御弁32が軸線方向に振動して打音が発生するのを防ぐことができる。
【0031】
上側の排気制御弁32(以下、これを単に駆動側排気制御弁32という)に取付けた連結部材59は、図3に示す状態において、最下部に前記リンク64の一端部を枢軸67によって回動自在に取付けている。この連結部材59を連結用ロッド58に固定する前記固定用ボルト61は、連結部材59の嵌合孔59aに外側から相対的に回転できないように嵌合させたプーリ68を連結部材59に締結させている。
【0032】
下側の排気制御弁32(以下、これを単に従動側排気制御弁32という)に取付けた連結部材60は、図3に示す状態において、左側の端部に前記リンク64の他端部を枢軸69によって回動自在に取付けている。
上述したように駆動側排気制御弁32と従動側排気制御弁32とをリンク64で連結することにより、駆動側排気制御弁32が後述する駆動装置33によって回動されたときに駆動力がリンク64を介して従動側排気制御弁32に伝達され、従動側排気制御弁32が駆動側排気制御弁32とは逆方向に回動する。
【0033】
ここで、両排気制御弁32の回動方向(開閉方向)について説明する。両排気制御弁32は、図3に示す状態で全開になり、この状態から90°回動することによって全閉状態になる。全開状態とは、図10に示すように、駆動側排気制御弁32の板状弁体51と、従動側排気制御弁32の板状弁体51の主面51aどうしが互いに平行になる状態のことをいう。この全開状態から全閉状態に移行するときには、駆動側排気制御弁32は、図3および図10において反時計方向に回動し、従動側排気制御弁32は、時計方向に回動する。言い換えれば、両排気制御弁32は、全開状態で板状弁体51の主面51aが互いに平行となり、全閉状態で板状弁体51の主面51aの下流側の端縁51b(図10参照)が互いに近接するように回動する。全開位置と全閉位置との間にあるときの両排気制御弁32の位置を図10中に二点鎖線で示す。なお、排気制御弁32が全閉状態にあるときには、板状弁体51とバルブハウジング31との間に形成される隙間を排ガスが流れる。
【0034】
両排気制御弁32の回動角度は、後述する駆動装置33によって制御されるが、全閉位置は、駆動側排気制御弁32の連結部材59によって機械的に決められる。すなわち、図3に示すように、駆動側排気制御弁32の連結部材59に図3において上側へ突出する突起71を設け、駆動側排気制御弁32が全閉位置まで回動した状態で前記突起71が当接する閉側ストッパー72をカバー36に一体に設けており、突起71が閉側ストッパー72に当接するまで両排気制御弁32が閉方向へ回動する。この実施の形態では、駆動側排気制御弁32が全開位置よりさらに開方向へ開くのを規制するために、過度に駆動側排気制御弁32が開いたときに前記突起71が当接する開側ストッパー73をカバー36に一体に設けている。
【0035】
図3において従動側排気制御弁32の軸心部に設けた符号74で示す引張りコイルばねは、従動側排気制御弁32が軸線方向とは直交する方向へ振動するのを防ぐためのもので、連結部材60を固定するための固定用ボルト62と、カバー36に立設したピン75との間に弾装している。
【0036】
前記板状弁体51は、図11(a)に示すように、ハウジング本体34の第1〜第4の気筒別排気通路S1〜S4の通路断面形状(図9参照)と略等しい形状に形成し、横に並んだ気筒別排気通路を同時に開閉できるように、気筒別排気通路毎に設けている。これらの板状弁体51どうしの間には、ハウジング本体34の第2の仕切板38が臨む凹部76を形成するとともに、後述する受圧板53を一体に設けている。なお、板状弁体51は、図11(a)中に二点鎖線で示すように丸みをもたせて形成することができるが、この実施の形態で示すように、凹部76が形成されるように角を設けることによって、ハウジング本体34の軽量化を図ることができるとともに、排気通路の通路断面積が大きくなって排気抵抗を低減することができる。
【0037】
受圧板52〜54は、図10および図11に示すように、排気制御弁32の軸線方向とは直交する平面に沿う円板で、排気制御弁32における板状弁体51が設けられた部分の軸径より外径が大きくかつ排気制御弁32の軸線方向から見た板状弁体51の最大外径より外径が小さくなるように形成している。前記最大外径とは、板状弁体51における厚み方向とは直交する方向の最大寸法のことであり、図11(a)においては板状弁体51の上下方向の最大寸法のことである。また、これらの受圧板52〜54の外径は、互いに一致するように形成している。さらに、受圧板52〜54は、上述したように板状弁体51どうしの間と、板状弁体51と弁軸32a,32bとの間の計三箇所に、第1〜第4の気筒別排気通路S1〜S4の内壁の一部を構成するように配設している。
【0038】
すなわち、排気制御弁32をバルブハウジング31に組込むことによって、図4に示すように、3枚の受圧板52〜54のうち両端側の受圧板52,54がボス44〜47にこれらのボスの軸孔44a〜47aを塞ぐように挿入されるとともに、中央部の受圧板53が第2の仕切板38の切欠き42に円形穴42aを塞ぐように挿入される。この組込状態においては、前記切欠き42の延出部42bが開口された状態に保たれる。前記円形穴42aは、排気制御弁32の軸部32aとボス44,45との間に介装する軸受55も挿通できるような穴径を有する。
【0039】
前記軸受55の外径は軸孔44a,45aと一致するから、この軸孔44a,45aより径が小さくなる左側の受圧板52の外径は、前記円形穴42aより小さくなる。3箇所の受圧板52〜54の外径は全て一致させているから、前記円形穴42aに中央の受圧板53を挿入させた状態では、穴壁面と受圧板53との間に隙間が形成される。この隙間が小さくなるようにすると受圧板53が両側の受圧板52,54より大径になって圧力バランスが崩れるので、この実施の形態では敢えて隙間が形成される構成を採っている。なお、第2の仕切板38は切欠き42の延在部42bが形成されていて排ガスが僅かながら流通できるから、前記隙間の大小により及ぼされる影響は少ない。
【0040】
前記両排気制御弁32を駆動する駆動装置33は、図2に示すように、モータユニット81と、このモータユニット81から駆動力を駆動側排気制御弁32の前記プーリ68に伝達する2本のワイヤ82と、両排気制御弁32どうしを連結する前記リンク機構63などによって構成している。前記モータユニット81は、エンジン2の回転数がアイドリング回転数より低いときに両排気制御弁32を全閉状態とし、エンジン回転数がアイドリング回転数を含む低回転数域にあるときにエンジン回転数に対応させて開度を増大させ、予め定めた高回転側回転数を上回ったときに両排気制御弁32を全開状態とする構成を採っており、車体フレーム4のリヤアームブラケット4bに支持させている。
【0041】
図2(b)において、排気制御弁装置27の側方に位置する符号83で示すものは、前記リンク機構63を車体右側から覆う外装カバーである。この外装カバー83は、排気制御弁装置27の前記カバー36に図示していない固定用ボルトによって固定している。この固定用ボルトを螺着させるねじ孔を図3中に符号84で示す。
【0042】
上述したように構成した排気制御弁装置27は、排気制御弁32をハウジング本体34に組込むとともに、ハウジング本体34にカバー36を取付け、リンク機構63および駆動装置33を接続することによって組立てる。ハウジング本体34に排気制御弁32を組込む作業は、排気制御弁32の車体左側の軸部32aに軸受55を取付けた状態でこの排気制御弁32をハウジング本体34の着脱口43からハウジング内に挿入するとともに、第2の仕切板38の切欠き42に挿通させ、前記軸受55をボス44,45の軸孔44a,45bに嵌合させることによって行う。排気制御弁32の前記切欠き42への挿通作業は、切欠き42の延出部42bに板状弁体51の位置を合わせて行う。この組込作業は、排気制御弁32をカバー36に保持させて組立体を形成し、この組立体をハウジング本体34の組付ることによっても行うことができる。このように組立てる場合には、排気制御弁32の右側の受圧板54とカバー36側の環状壁46b,47bとによってカバー36に排気制御弁32を位置決めすることができる。
【0043】
この排気制御弁装置27は、エンジン停止時には、両排気制御弁32が全閉状態になり、エンジン2が例えばアイドリング回転数で運転されているときには、図10中に二点鎖線で示すように両排気制御弁32が低開度で開く。このときには、排気通路S中を伝播する圧力波は排気制御弁32で反射し、相対的に短い伝播経路を伝播してエンジン2に戻る。一方、エンジン回転数が予め定めた高回転側回転数を上回っている高速運転状態では、排気制御弁32が全開状態になり、排気通路S中を伝播する圧力波は、バルブハウジング31の前記テーパー部40で反射し、相対的に長い伝播経路を伝播してエンジン2に戻る。
【0044】
この実施の形態による排気管22〜25は、低回転時に排気制御弁32が閉じている状態でエンジン2の排気ポートが開くときにこの排気ポートに負の反射波が到達し、高回転時に排気制御弁32が開いている状態でエンジン2の排気ポートが開くときにこの排気ポートに負の反射波が到達するように、排気管長を設定しており、排気脈動を利用して低速運転時と高速運転時の両方で出力を向上させることができる構造を採っている。
【0045】
また、エンジン回転数が相対的に低いときには、排気制御弁32が実質的に排ガスの流れる方向を変えるガイドとして機能し、排ガスは、図10中に二点鎖線で描いた矢印で示すように、第1の仕切板37側へ寄せられて流れる。このように第1の仕切板37側へ寄せられた排ガスは、排気制御弁装置27から連通管28の径方向の中央部に多く流れ込み、この連通管28からサイレンサー29に流入する。連通管28の前記中央部に排ガスが多く流れることにより、外気に晒されて相対的に低温になる連通管28に接触する排ガスが少なくなるから、サイレンサー29内の触媒コンバータ30に導かれる排ガスの温度を相対的に高温に保つことができる。この結果、エンジン始動後に触媒コンバータ30が速く活性温度に達し、早期から排ガスを浄化できるようになる。
【0046】
排気制御弁装置27内を排ガスが流れるときには、排ガスの圧力が排気制御弁32にも作用する。排気制御弁32には、第1〜第4の気筒別排気通路S1〜S4のそれぞれの一側部と他側部とに対をなすように受圧板54を設けているから、この排気制御弁32に加えられる各気筒別排気通路の圧力は、受圧板52〜54によって相殺されることになる。この受圧板52〜54は、板状弁体51が気筒別排気通路毎に形成されていて第2の仕切板38に板状弁体51が回動できるような大きな穴を形成しなくてよいことから、必要最小限の大きさに形成することができる。このため、受圧板52〜54を三箇所に設ける構造でも排気制御弁32の組込作業が簡単である。
【0047】
また、第2の仕切板38に形成する切欠き42は、板状弁体51と受圧板52〜54とを軸線方向から見たときの形状と略同じ形状に形成することができ、この切欠き42のうち受圧板52を通す円形穴42aは、運転時には受圧板53で略閉塞されるから、第2の仕切板38に形成された開口部分から圧力波が漏洩し難くなる。このため、排気脈動を効率よく利用してエンジン出力を向上させることができる。
さらに、この実施の形態による排気制御弁装置27は、駆動側排気制御弁32と従動側排気制御弁32とを互いに逆方向に回動するように連結するに当たってリンク機構63を採用しているから、同じ機能をギヤで実現する場合に較べて、構造が簡単で、部品数も少なくてよい。
【0048】
上述した実施の形態では、一つの排気制御弁32で二つの気筒別排気通路を開閉する構造を採っているが、排気制御弁32で開閉する排気通路の数量は適宜変更することができる。例えば、第1〜第4の気筒別排気通路S1〜S4を一列に並べ、これらの排気通路を一つの排気制御弁32で開閉する構造を採ることもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排気制御弁に加えられる各排気通路の圧力は、受圧板によって相殺されるから、排気通路の圧力で排気制御弁がバルブハウジングに押し付けられることによる打音が発生することはない。前記受圧板は、板状弁体が排気通路毎に形成されて隔壁に板状弁体が回動できるような大きな穴を形成しなくてよいことから、排気制御弁をバルブハウジングに簡単に組付けることができるように小さく形成することができる。隔壁に形成する切欠きは、板状弁体と受圧板とを軸線方向から見たときの形状と略同じ形状に形成することができ、この切欠きのうち受圧板を通す部分は運転時には受圧板で閉塞される。このため、隔壁に形成される穴は板状弁体を通すことができる細長い形状に形成することができるから、大きな円形孔を形成する場合に較べて圧力波の漏洩が少なくなる。
したがって、バタフライ型の排気制御弁を用いながら、圧力波の漏洩や打音の発生がなく、しかも、組付作業が簡単な排気制御弁装置を提供することができる。
【0050】
請求項2記載の発明によれば、排気通路の圧力が排気通路毎の二つの受圧板に同様に作用するから、二つの排気通路の圧力が交互に変化しても排気制御弁を軸方向に付勢する力は生じることがない。このため、排気通路の圧力で排気制御弁がバルブハウジングに押し付けられることによって打音が生じるのを確実に阻止することができる。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、排気制御弁におけるカバー側の受圧板と、カバーの環状壁とによって排気制御弁をカバーに対して位置決めすることができるから、カバーに排気制御弁を組付けてなる組立体を容易に形成できる。このため、前記組立体をハウジング本体に組込むことによって排気制御弁装置が組立てられるから、簡単に組立てることができる排気制御弁装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排気制御弁装置を使用した自動二輪車の側面図である。
【図2】 排気装置を示す図である。
【図3】 排気制御弁装置を車体右側から見た状態を示す側面図である。
【図4】 排気制御弁装置の縦断面図である。
【図5】 バルブハウジングの側面図である。
【図6】 バルブハウジングの正面図である。
【図7】 図5におけるVII−VII線断面図である。
【図8】 図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】 図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】 排気制御弁の動作を説明するための側面図である。
【図11】 排気制御弁を示す図である。
【符号の説明】
27…排気制御弁装置、31…バルブハウジング、32…排気制御弁、33…駆動装置、34…ハウジング本体、36…カバー、37…第1の仕切板、38…第2の仕切板、42…切欠き、46b,47b…環状壁、32a,32b…弁軸、51…板状弁体、52〜54…受圧板、63…リンク機構、S…排気通路。

Claims (3)

  1. バルブハウジングに少なくとも二つの排気通路を並設するとともに、これらの排気通路の並設方向を軸線方向とするバタフライ型の排気制御弁を回動自在に設けた排気制御弁装置であって、前記バルブハウジングを排気制御弁が軸線方向に組込まれる構造とし、前記排気制御弁を、弁軸と、この弁軸に設けた排気通路毎の板状弁体と、これらの板状弁体どうしの間および排気制御弁の両端部に各排気通路の内壁の一部を構成するように設けた複数の受圧板とによって構成し、前記受圧板は、前記弁軸の軸線とは直交する平面に沿う円板状であって、板状弁体が設けられた部分の軸径より外径が大きくかつ板状弁体の最大外径より外径が小さくなるように形成され、前記バルブハウジングにおける排気通路どうしを画成する隔壁に、前記受圧板および板状弁体が挿通可能な切欠きを形成してなる排気制御弁装置。
  2. 請求項1記載の排気制御弁装置において、排気制御弁の三箇所の受圧板の外径を互いに一致させてなる排気制御弁装置。
  3. 請求項2記載の排気制御弁装置において、バルブハウジングを、排気通路を形成したハウジング本体と、このハウジング本体の排気制御弁用着脱口を閉塞するカバーとから構成し、前記カバーに排気制御弁の一端部を支持する軸孔を形成するとともに、この軸孔内に環状壁を設け、この環状壁より排気通路側に、排気制御弁におけるカバー側の受圧板を対向させてなる排気制御弁。
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