JP3982323B2 - ポリブテンと水との乳化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、新規なポリブテンと水との乳化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリブテンは分子量によって低粘性〜高粘性までの幅広い特性をもった油性材料で、溶剤、潤滑剤、絶縁剤、粘着剤、離型剤、可塑剤として幅広く使用されている。その用途分野も一般的な工業分野から、その安全性から化粧料、医薬部外品、食品添加物までに至っている。これは、ポリブテンにはスクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマーといった従来からの液状の油性材料に比べると、軽質品から高粘性品まで幅広い性状があり、熱・光に対する安定性がより高いなどの特性があるからである。一方、ポリブテンは、油性材料であるため親水性は乏しく水への溶解性、保水性に劣る。また、無機物分散性に欠ける問題があった。そのため、ポリブテンと水とを混合して安定な乳化物を製造する技術が種々検討されている。例えば特開平11−168746号公報、特開昭57−158714号公報には界面活性剤によりエマルジョン又は軟膏状態を形成する技術が開示されている。また、水溶性高分子を添加する方法が提案され、例えば、特公昭45−37038号公報、特開昭49−50127号公報にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンやカルボキシアルキルセルロースが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−168746号公報、特公平2−4572号公報に開示された方法で得られるエマルジョンは乳化安定性は得られるものの、水の保水性、充填剤や薬剤の溶解性、分散性が十分でない。
特公昭45−37038号公報、特開昭49−50127号公報に開示された水溶性高分子の添加では保水性や無機物・添加剤の分散性の点では十分ではない。
本発明の目的は、乳化安定性、保水性、熱安定性、無機物の分散性、皮膚刺激性に優れたポリブテンと水との乳化物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の発明である。
(1)式(1)で表されるホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステル80〜5重量%とアルキル鎖長1〜24の(メタ)アクリル酸エステル20〜95重量%との共重合体4〜27重量%を含有することを特徴としたポリブテンと水との乳化物。
【0005】
【化2】
【0006】
(ただし、R1は−(CH2)m−、−(CH2CH2O)n−CH2CH2−であり、m、nは1〜10の整数を表す。)
(2)ポリブテンが液状水添ポリブテンである前記(1)のポリブテンと水との乳化物。
(3)さらに界面活性剤を含む前記(1)又は(2)のポリブテンと水との乳化物。
(4)前記(1)又は(2)のポリブテンと水との乳化物からなる化粧料。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、ホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルに基づいた構成単位を有する重合体を含有することを特徴とするポリブテンと水との乳化物である。
本発明において、重合体の構成単位となるモノマーであるホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルは、式(1)で表されるモノマ−であり、式(1)中、R1は−(CH2)m−、又は−(CH2CH2O)n−CH2CH2−であり、m、nは1〜10の整数である。
【0008】
前述のモノマーとしては、具体的に例えば、2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−メタクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−メタクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシジエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート等を挙げることができる。工業的な入手性等の点から、より好ましくは2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートが挙げられる。
【0009】
本発明において、ホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルに基づいた構成単位を有する重合体は、式(1)で表されるモノマーを単独で重合させた単独重合体、あるいは共重合可能な他のビニルモノマーを共重合させた共重合体である。共重合可能な他のビニルモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエーテル系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートなどの官能基含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸アミド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル等の含窒素モノマーを挙げることができる。これらの1種以上を用いることができる。重合体の親水性と疎水性とのバランスの制御、反応時の共重合性からより好ましくは、(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。油性ポリブテン乳化物の安定性において、アルキル鎖長1〜24の(メタ)アクリレートモノマ−が好ましい。
【0010】
本発明において、式(1)の構成モノマーと他のモノマーとの共重合体を使用する際、構成モノマー量中のホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルの含有量は90〜1重量%、より好ましくは80〜5重量%である。ホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルの含有量が1重量%未満では重合体にホスホリルコリン類似基を導入した効果が発揮できず、また、含有量が90重量%を超えると目的とする共重合モノマーの特性が十分に発現できないことがある。
【0011】
本発明のホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルを構成モノマ−とする重合体は、ポリブテンの水への分散剤または乳化剤としての効果があり、その他必要に応じて添加される充填剤、薬剤等に対する安定剤としての効果も有し、さらに生体成分に対して不活性で刺激性も少なく安全に使用することができるという特徴を有している。
【0012】
本発明の重合体は、前述の各モノマー成分をラジカル重合開始剤の存在下、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガスで置換または雰囲気においてラジカル重合、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の方法により調整することができる。重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であれば特に限定されるものではないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾイソビスジメチルバレロニトリル、過硫酸塩及び過硫酸塩−亜硫酸水素塩系等を挙げることができる。前記重合開始剤の仕込量は、モノマー成分100重量部に対して0.0001〜10重量部が好ましく、更に0.01〜5重量部が望ましい。また重合温度は20〜100℃が好ましく、重合時間は0.5〜72時間が好ましい。
【0013】
更に得られる重合体の分子量は、重合温度、重合開始剤及び重合度調整剤等の使用量によっても異なるが、重量平均分子量で1,000〜5,000,000が好ましく、特にポリブテンや水への混和性、配合物の粘度から10,000〜1,000,000が好ましい。
【0014】
本発明に使用するポリブテンは、イソブチレン単独重合体、イソブチレンとその異性体、あるいは他のオレフィンとの共重合体、及びこれらの水素化物である。水素化物である水添ポリブテンは熱や光による酸化劣化を受けにくいため、本発明の使用に好ましい。
使用に適したポリブテンは、液状から粘性の数平均分子量150から4,000の炭化水素化合物である。特に液状のポリブテンが乳化物を調製するのに好ましい。
【0015】
ポリブテンは、例えば、イソブチレン単独やイソブチレンとその異性体、あるいは他のオレフィンからなるガス混合物を塩化アルミニウム等の酸触媒を用いて重合したもの、さらに水素添加して製造される。この場合、触媒の塩化アルミニウムの添加量あるいは反応温度を調整することにより低粘度の軽質ポリブテンから高粘度のポリブテンが製造できる。
ここで、他のオレフィンとしてはブテン−1、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンなどが挙げられる。ポリブテンは安全性の高い材料で生体成分に対しても不活性な油性ポリマーであるとともに、本発明の乳化物において油性材料として潤滑性、接着性、離型性を付与することができる。また、油溶性薬物を溶解することができる。
【0016】
本発明に使用できる水として、精製水、イオン交換水、蒸留水、水道水等が挙げられる。
本発明のポリブテンと水との乳化物はホスホリルコリン類似基含有メタクリル酸エステルに基づいた構成単位を有する重合体、ポリブテン、水等から構成され、各成分の乳化物における割合は以下であることが好ましい。
【0017】
重合体の割合は乳化物中、1〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%の範囲である。1重量%未満では、重合体の添加の効果が不十分となり乳化物の安定姓が低下し、また50重量%を超えると乳化物の粘性が著しく高くなり作業性が悪くなる。
ポリブテンの割合は10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%の範囲である。割合が10重量%未満では、重合体のポリブテンの添加効果が不十分となり、また90重量%を超えると乳化物の安定性が悪くなる。
水の割合は9〜89重量%が好ましい。
【0018】
本発明のポリブテンの水性乳化物に、さらに界面活性剤を添加することにより乳化物の安定性を向上させることもできる。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤や両性イオン界面活性剤から選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられるが、皮膚や眼に対する刺激性がより低く、環境に対する影響の少ないものがより好ましい。非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤は、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルオキシド等を挙げることができる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。また、両性イオン界面活性剤としてはジメチルアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤において、脂肪酸、アルキル基の好ましい炭素鎖長は、炭素数8〜18である。
【0019】
本発明に用いる界面活性剤の添加量は乳化物中、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。0.01重量%未満では添加する効果が不十分であり、10重量%を超えると眼への刺激が大きい等安全性の面で問題となる。
【0020】
本発明の乳化物には、その安定性を維持でき、安全性の高いものであればさらに他の各種添加剤を添加することもできる。例えば、植物性油脂、動物性油脂、ロウ、ポリブテン以外のパラフィン、ワセリン、脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール等の油性材料、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、シリカ、カオリン、炭酸ナトリウム、ホウ砂等の無機化合物、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の有機溶媒、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルの共重合体等の他の水溶性高分子、その他にも紫外線吸収剤、酸化安定剤、防腐・殺菌剤、着色剤、香料、薬剤又はこれらの混合物等を挙げることができる。
【0021】
本発明の乳化物の製造は、公知の方法で行うことができる。例えば、前述の各成分の組成を作製し、ホモジナイザー、ホモミキサー、ロール試験機やミル等の乳化機あるいは混練機を用いて、室温〜90℃の温度範囲で、容量にもよるが10〜120分程度乳化させて製造することができる。
本発明の乳化物は、化粧品、ハップ剤、膏体、捕虫剤、潤滑剤等の用途に使用できる。
【0022】
【実施例】
実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。
合成例1
2−メタクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(MPCと略す)を25重量部ならびに共重合ビニルモノマーとして、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)を25重量部、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15重量部とをメタノール150重量部に溶解し、重合用ガラス反応管に入れ窒素置換した後、恒温槽にて50℃、72時間重合させた。重合終了後、エタノールを良溶媒として、ジエチルエーテルを貧溶媒として再沈精製し、加熱乾燥させてポリマー1を得た。収率は93重量%であった。
【0023】
合成例2
MPCを35重量部ならびにビニルモノマーとして、メチルメタクリレート(MMA)を15重量部、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15重量部とをメタノール150重量部に溶解し、重合用ガラス反応管に入れ窒素置換した後、恒温槽にて50℃、72時間重合させた。重合終了後、エタノールを良溶媒として、ジエチルエーテルを貧溶媒として再沈精製し、加熱乾燥させてポリマー2を得た。収率は95重量%であった。
【0024】
合成例3
MPCを50重量部、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15重量部とをメタノール150重量部に溶解し、重合用ガラス反応管に入れ窒素置換した後、恒温槽にて50℃、72時間重合させた。重合終了後、エタノールを良溶媒として、ジエチルエーテルを貧溶媒として再沈精製し、加熱乾燥させてポリマー3を得た。収率は94重量%であった。表1に合成した重合体をまとめる。
【0025】
【表1】
【0026】
注;表中に用いた略号は次の通りである。
MPC;2−メタクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
n−BMA;n−ブチルメタクリレート、
MMA;メチルメタクリレート
【0027】
実施例1〜2、参考例1
表2に示す各成分すなわちポリマー1〜3(8g)、水添ポリブテン(日本油脂(株)製パールリーム−6、平均分子量350)30gおよび精製水62gをホモミキサーにより90℃、30分間の条件下で攪拌混合し、乳化物を得た。この乳化物を用いて、次の評価を行った。
(1)加熱安定性加熱条件となる上記の条件で乳化混合した乳化物において臭気変化のないもの○、あるものを×とした。
(2)乳化安定性試験乳化物を35℃で1ヶ月の間放置し、その後、乳化物に分離等の変化が目視により確認できないものを○、できたものを×とした。
(3)保水性試験乳化物を入れたシャーレ(直径10cm)を35℃の恒温室に入れ、24時間放置し、水分の揮発性を重量変化(重量%)から測定した。
【0028】
実施例3〜4、参考例2
表2に示す各成分すなわちポリマー1〜3(5g)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日本油脂株式会社製ノニオンP−213)5g、水添ポリブテン(日本油脂株式会社製パールリーム6)18g、および精製水72gをホモミキサーにより75℃、30分間の条件下に攪拌混合し、乳化物を得た。この乳化物を用いて実施例1〜2、参考例1と同様にして評価した。
【0029】
実施例5〜6、参考例3
表2に示す各成分すなわちポリマー1〜3(4g)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日本油脂株式会社製ノニオンP−213)4g、水添ポリブテン(日本油脂株式会社製10N、平均分子量1000)15g、カオリン(和光純薬工業株式会社製)15gおよび精製水62gをホモミキサーにより75℃、30分間の条件下で攪拌混合し、乳化物を得た。この乳化物を用いて実施例1〜2、参考例1と同様にして評価した。
【0030】
実施例7
表3に示す各成分すなわちポリマー1(17g)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日本油脂株式会社製ノニオンP−213)4g、水添ポリブテン(日本油脂株式会社製パールリーム6)9g、精製水70gをホモミキサーにより75℃、30分間の条件下で攪拌混合し、乳化物を得た。この乳化物を用いて実施例1〜2、参考例1と同様にして評価した。
【0031】
実施例8
表3に示す各成分すなわちポリマー2(27g)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日本油脂株式会社製ノニオンP−213)4g、水添ポリブテン(日本油脂株式会社製パールリーム6)9g、精製水60gをホモミキサーにより75℃、30分間の条件下で攪拌混合し、乳化物を得た。この乳化物を用いて実施例1〜2、参考例1と同様にして評価した。
【0032】
実施例1〜8、及び参考例1〜3において作製した乳化物の評価結果を表2、3にまとめる。なお、作製した乳化物を皮膚に塗布したところ、いずれも、刺激性が認められず、皮膚についての伸びが良く、使用感が良好であった。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
比較例1〜2
ポリマー1〜3を添加しないで、水添ポリブテン(日本油脂株式会社製パールリーム6)またはスクアラン(和光純薬工業株式会社製)を実施例1と同様の条件で撹拌混合し、同様に評価した。結果を表4に示す。
【0036】
比較例3
重合体としてポリビニピロリドン(和光純薬工業株式会社製K−30、表4中PVPと記す。)を使用し、油性材料をスクアラン(和光純薬工業株式会社製)とし、他は実施例3と同様の条件で撹拌混合し、同様に評価した。結果を表4に示す。
【0037】
比較例4
ポリマー1〜3を添加しないで、油性材料を水添ポリブテン(日本油脂株式会社製パールリーム6)19gとし、他は実施例3と同様の条件で撹拌混合し、同様に評価した。結果を表4に示す。
【0038】
比較例5、6
重合体としてポリビニルアルコール(和光純薬工業株式会社製1000、表4中PVAと記す。)を使用し、油性材料を水添ポリブテン(日本油脂株式会社製パールリーム6)またはスクアラン(和光純薬工業株式会社製)とし、他は実施例5と同様の条件で撹拌混合し、同様に評価した。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
以上、実施例及び比較例の結果より以下のことが見いだされた。
比較例1、2では、重合体や界面活性剤の添加がない例であるが安定性が悪い。比較例3、4ではエマルジョンは得られているが保水性に劣る。また比較例5〜6では保水性効果が十分ではない。
一方、各実施例では、本発明のポリブテン乳化物は熱安定性、乳化安定性、保水性の全てにおいて各比較例よりも著しい効果が見られる。また、皮膚刺激性がないなど、化粧料として使用できることがわかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明のポリブテンと水との乳化物は、乳化物の安全性に優れると共に皮膚に対する感触、保水性が良く、薬剤等を溶解でき、添加される充填剤等を安定に分散することができる。
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