JPH05255041A - 皮膜形成性化粧料 - Google Patents

皮膜形成性化粧料

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Publication number
JPH05255041A
JPH05255041A JP34792592A JP34792592A JPH05255041A JP H05255041 A JPH05255041 A JP H05255041A JP 34792592 A JP34792592 A JP 34792592A JP 34792592 A JP34792592 A JP 34792592A JP H05255041 A JPH05255041 A JP H05255041A
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JP
Japan
Prior art keywords
forming
film
weight
polymerizable unsaturated
unsaturated monomer
Prior art date
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Pending
Application number
JP34792592A
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English (en)
Inventor
Kazuyo Watabe
和代 渡部
Atsuhiko Ii
篤彦 井伊
Michitaka Sawada
道隆 澤田
Akihiro Kondo
昭裕 近藤
Hiroshi Yagi
浩 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布性、乾燥性に優れ、十分な皮膜強度を有
する皮膜形成性化粧料を提供する。 【構成】 水素結合を形成し得る基(塩生成基を除く)
を有する重合性不飽和単量体及び塩生成基を有する重合
性不飽和単量体からなる群から選ばれる1種又は2種以
上の重合性不飽和単量体を構成単位として30重量%以上
含み、重量平均分子量が30,000以上である樹脂からなる
水系樹脂エマルジョン、あるいは塩生成基を有する重合
性不飽和単量体の少なくとも一種を0.5 〜70モル%含む
重合性不飽和単量体混合物を共重合させてなる重量平均
分子量が30,000以上である共重合体の有機溶剤溶液を精
製した後水を加えるか或いは水を加えた後精製し有機溶
剤を留去することにより得られる自己分散型ポリマー微
粒子の水分散液を皮膜形成剤として配合してなる皮膜形
成性化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膜形成性化粧料、特に
パック化粧料に関し、詳しくは単独配合でもパックとし
ての使用に耐え得るだけの高い皮膜強度を有し、また塗
布性、乾燥性、臭い等の点で優れた水系樹脂エマルジョ
ンを、主たる皮膜形成剤として配合してなる皮膜形成性
化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在パ
ック等の皮膜形成性化粧料市場の主流をなしているピー
ルオフタイプのパック化粧料は、その殆どすべてが部分
鹸化型ポリビニルアルコール(PVA)を主たる皮膜形
成剤として配合するものである。PVAは皮膜強度や安
全性の面では非常に優れた性質を有するが、塗布性(べ
たつき、伸びの悪さ、液だれ)、乾燥性(乾きが遅
い)、臭い(酢酸臭)、及び皮膜の水分透過性(水分透
過速度が速く十分な保湿効果が得られない)の面での問
題が指摘されており、近年、ピールオフタイプのパック
化粧料に関するこれらの問題を解決するために幾つかの
試みがなされ始めている。
【0003】一つは主に臭いの改善に関するもので、P
VAの代わりに他の水溶性ポリマー、例えばプルランに
代表されるようなPVAに匹敵する高い皮膜強度を持ち
且つ安全性の高い天然多糖類等を主たる皮膜形成剤とし
て用いることにより、長期の保存にも安定で且つ酢酸臭
のないパック化粧料を得る方法である。しかしながら、
これらの水溶性ポリマーは酢酸臭はないものの特有の不
快な臭気を持つものが多く、また塗布性や乾燥性に関し
ても特にPVAを凌駕しないために実際の製品には殆ど
用いられていない。
【0004】もう一つは主に塗布性及び乾燥性の改善に
関するもので、チクソトロピー性が高く、高濃度化が可
能な水系樹脂エマルジョンを、単独又はPVAや上記の
水溶性ポリマーと併用して配合することにより、クリー
ム状で塗りやすく且つ即乾性のパック化粧料を得る方法
である。水系樹脂エマルジョンとしては、ビニル系樹脂
エマルジョンや合成ゴムラテックス、アクリル系樹脂エ
マルジョンのような乳化重合又は分散重合或いはソープ
フリー乳化重合によって合成される種々の水系樹脂エマ
ルジョンがあり(特公昭51−12939 号、特公昭55−3817
号、特公昭57−77611 号、特公昭59−62512 号、特開平
1−261318号)、特に合成ゴムラテックスについては皮
膜の水分透過性が低く、高い保湿効果があるとされてい
る。しかしながら、上記の水系樹脂エマルジョンの多く
は、皮膜強度が低いので単独での使用はほぼ不可能であ
り、実際には多量のPVAや他の水溶性ポリマーの併用
を要するため、製品系ではその利点は殆ど活かされてい
ない。その他に、多くの水系樹脂エマルジョンには、分
散安定性や、残存不純物由来の臭い等の問題がある。従
って、水系樹脂エマルジョンを主たる皮膜形成剤として
用いたパック化粧料等の皮膜形成性化粧料を作成するた
めには、上記の課題を解決する必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】係る状況に鑑み、本発明
者らは、塗布性、乾燥性に優れ、十分な皮膜強度を有す
る皮膜形成性化粧料、特にパック化粧料を得るべく鋭意
検討を重ねた結果、特定の水系樹脂エマルジョン、或い
は特定の方法で得られる自己分散型ポリマー微粒子の水
分散液を皮膜形成剤として用いることが有効であること
を見いだし、更に自己分散型ポリマー微粒子の水分散液
を用いた場合には、安定性に優れ、高度な精製が可能で
あることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、水素結合を形成し得る基
(塩生成基を除く)を有する重合性不飽和単量体及び塩
生成基を有する重合性不飽和単量体からなる群から選ば
れる1種又は2種以上の重合性不飽和単量体を構成単位
として30重量%以上含み、重量平均分子量が30,000以上
である樹脂からなる水系樹脂エマルジョンを皮膜形成剤
として配合してなることを特徴とする皮膜形成性化粧料
を提供するものである。
【0007】また本発明は、塩生成基を有する重合性不
飽和単量体の少なくとも一種を0.5〜70モル%含む重合
性不飽和単量体混合物を共重合させてなる重量平均分子
量が30,000以上である共重合体の有機溶剤溶液を、精製
した後水を加えるか、或いは水を加えた後精製し、有機
溶剤を留去することにより得られる、自己分散型ポリマ
ー微粒子の水分散液を皮膜形成剤として配合してなるこ
とを特徴とする皮膜形成性化粧料を提供するものであ
る。
【0008】更に本発明は、塩生成基を有する重合性不
飽和単量体の少なくとも一種を0.5〜70モル%及び水素
結合を形成し得る基(塩生成基を除く)を有する重合性
不飽和単量体を30〜99重量%含む重合性不飽和単量体混
合物を共重合させてなる重量平均分子量が30,000以上で
ある共重合体の有機溶剤溶液を、精製した後水を加える
か、あるいは水を加えた後精製し、有機溶剤を留去する
ことにより得られる、自己分散型ポリマー微粒子の水分
散液を皮膜形成剤として配合してなることを特徴とする
皮膜形成性化粧料を提供するものである。
【0009】本発明において、水素結合を形成し得る基
とは、比較的強い水素結合を形成し得る塩生成基以外の
官能基である。具体的には、水酸基、アミド基、ポリエ
ーテル基、糖残基等が挙げられる。一般に水系樹脂エマ
ルジョンには、(メタ)アクリル酸エステル系の重合性
不飽和単量体が多く用いられているが、(メタ)アクリ
ル酸エステルを主たる構成成分とする水系樹脂エマルジ
ョンから作成した皮膜の強度は、パック化粧料等の皮膜
形成性化粧料に用いるには不十分である。従って、エス
テル基も弱い水素結合を形成することは知られている
が、本発明における水素結合を形成し得る基にはエステ
ル基は含まれない。
【0010】本発明に用いられる水素結合を形成し得る
基(塩生成基を除く)を有する重合性不飽和単量体(以
下、水素結合性単量体と略す)としては、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−オキサ−
5−ヒドロキシペンチル、 N−(2,2,2−トリスヒドロキ
シメチル)エチルメタクリルアミド等の水酸基含有単量
体;(メタ)アクリルアミド、 N−(1,1−ジメチル−3
−オキソブチル)アクリルアミド、 N,N−ジメチルアク
リルアミド、 N,N−ジエチルアクリルアミド、 N−t−
ブチルアクリルアミド、 N−i−プロピルアクリルアミ
ド、 N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド
基含有単量体;次式 CH2=CHCOO−(CH2CH2O)n−R (n=1〜300;R=H 又はCH
3) CH2=C(CH3)COO−(CH2CH2O)n−R (n=1〜300;R=H 又
はCH3) 等で表されるポリエチレンオキサイド基、ポリプロピレ
ンオキサイド基を有する(メタ)アクリル酸エステル等
のポリエーテル基含有単量体;メタクリル酸グルコシル
エチル等の糖残基含有単量体が挙げられる。これらの水
素結合性単量体としては、(メタ)アクリルアミド系モ
ノマーが好ましく、特に N−(1,1−ジメチル−3−オキ
ソブチル)アクリルアミドが好ましい。
【0011】本発明に用いられる塩生成基を有する重合
性不飽和単量体としては、カチオン性の単量体として、
不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩
含有モノマー等があり、具体的には、ビニルピリジン、
2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エチル−5−ビ
ニルピリジンの如きモノビニルピリジン類; N,N−ジメ
チルアミノスチレン、 N,N−ジメチルアミノメチルスチ
レンの如きジアルキルアミノ基を有するスチレン類;
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、 N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、 N,N−ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、 N,N−ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、 N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレ
ート、 N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、 N,N−ジ
エチルアミノプロピルメタクリレートの如きアクリル酸
又はメタクリル酸のジアルキルアミノ基を有するエステ
ル類;2−ジメチルアミノエチルビニルエーテルの如き
ジアルキルアミノ基を有するビニルエーテル類; N−
(N',N'−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、 N−
(N',N'−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、 N
−(N',N'−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、 N
−(N',N'−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、
N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミ
ド、 N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)メタクリル
アミド、 N−(N',N'−ジエチルアミノプロピル)アクリ
ルアミド、 N−(N',N'−ジエチルアミノプロピル)メタ
クリルアミドの如きジアルキルアミノ基を有するアクリ
ルアミド又はメタクリルアミド類、あるいはこれらをハ
ロゲン化アルキル(アルキル基の炭素数1から18、ハロ
ゲンとして塩素、臭素、ヨウ素)、ハロゲン化ベンジ
ル、例えば塩化ベンジル又は臭化ベンジル、アルキル又
はアリールスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸又はトルエンスルホン酸のアルキルエス
テル(アルキル基の炭素数1から18)、及び硫酸ジアル
キル(アルキル基の炭素数1から4)の如き公知の4級
化剤で4級化したもの等が挙げられる。又、アニオン性
の単量体としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和
スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等があり、
具体的には、不飽和カルボン酸モノマーとしては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイル
オキシメチルコハク酸等、又はそれらの無水物及び塩が
あり、不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エス
テル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エス
テル等及びそれらの塩、その他2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びそれらの塩
があり、不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホ
ン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタアクリロキシエ
チル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキ
シエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイ
ロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイ
ロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロ
イロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メ
タ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられ
る。
【0012】本発明に用いられる、水素結合性単量体及
び塩生成基を有する重合性不飽和単量体からなる群から
選ばれる重合性不飽和単量体と共重合し得る重合性不飽
和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリ
ル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸エステ
ル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタク
リル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル等のメ
タクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、2
−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノ
マー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル
等のエポキシ基含有モノマー;次式 CH2=CHCOOC2H4C6F13、 CH2=CHCOOC2H4C8F17、 CH2=C
HCOOC2H4C10F21 、CH2=CHCOOC2H4C12F25 、 CH2=C(CH
3)COOC2H4C6F13、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17、 CH2=C(C
H3)COOC2H4C10F21 、CH2=C(CH3)COOC2H4C12F25 、 CH2
=CHCOOC2H4-(CF2)6-H、CH2=CHCOO-(CF2)8-H、 CH2=C
(CH3)COOC2H4-(CF2)6-H、CH2=C(CH3)COO-(CF2)8-H等で
示されるフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリル酸
エステル;並びにアクリロニトリル等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0013】水素結合性単量体及び塩生成基を有する重
合性不飽和単量体からなる群から選ばれる重合性不飽和
単量体を構成単位として含む水系樹脂エマルジョンの製
造には、上記の水素結合性単量体及び塩生成基を有する
重合性不飽和単量体からなる群から選ばれる1種又は2
種以上の重合性不飽和単量体と、必要によりこれらと共
重合し得る重合性不飽和単量体の1種又は2種以上とを
用いることができ、製造方法としては、通常の乳化重
合、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合、沈澱
重合、自己分散型ポリマー微粒子の合成法等が挙げられ
る。水素結合性単量体及び塩生成基を有する重合性不飽
和単量体からなる群から選ばれる重合性不飽和単量体の
ポリマー中の含有率は、パック等の皮膜形成性化粧料と
しての皮膜強度を発現するためには、30重量%以上必要
であり、好ましくは40重量%以上である。
【0014】乳化重合には、公知のアニオン性、カチオ
ン性またはノニオン性乳化剤が用いられ、懸濁重合及び
分散重合には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、カチオン化セルロース等の公知の水溶性高分子
が用いられる。重合開始剤としては、公知のラジカル重
合開始剤が用いられる。例えば、過硫酸ナトリウムに代
表される過硫酸化物、t−ブチルヒドロペルオキシドに
代表されるヒドロ過酸化物類、過酸化ジt−ブチルに代
表される過酸化ジアルキル類、過酸化ラウロイルに代表
される過酸化ジアシル類、過酢酸t−ブチルに代表され
る過酸エステル類、メチルエチルケトンペルオキシドに
代表されるケトンペルオキシド類、及び2,2'−アゾビス
(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチ
ルワレロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)等に代表されるアゾ系重合開始
剤、レドックス系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
【0015】本発明の水素結合性単量体及び/又は塩生
成基を有する重合性不飽和単量体を構成単位として30重
量%以上含む樹脂の重量平均分子量は30,000以上であ
り、好ましくは100,000 以上である。重量平均分子量が
30,000未満では十分な皮膜物性を得ることができない。
また水素結合性単量体及び/又は塩生成基を有する重合
性不飽和単量体を構成単位として30重量%以上含む水系
樹脂エマルジョンの粒子径は特に制限はないが、好まし
くは10〜10000 nmの範囲である。
【0016】本発明で用いる自己分散型ポリマー微粒子
の精製過程を除く製造方法は、特開昭63−280702号公報
に記載されており、塩生成基を有する重合性不飽和単量
体、及びそれらと共重合し得る重合性不飽和単量体の中
から、それぞれ、1種又は2種以上を選択して用いるこ
とが出来る。また、これらの数種類の重合性不飽和単量
体混合物から共重合体を得るための重合方法としては、
上記のラジカル重合開始剤を用い、従来公知の方法、例
えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等を適
宜用いることが出来る。共重合体の有機溶剤溶液は、
(i) 種々の方法により得られた共重合体を単離した後、
該溶剤に溶解する方法、(ii)有機溶剤中で溶液重合を行
う方法等により得ることが出来るが、製造工程の簡易さ
という点を考慮した場合、上記(ii)の方法が好ましい。
【0017】本発明の自己分散型ポリマー微粒子の製造
に用いられる有機溶剤としては親水性有機溶剤が好まし
く、具体的にはアルコール系、ケトン系あるいはエーテ
ル系等の溶剤が挙げられる。アルコール系溶剤として
は、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、第2級ブタノ
ール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトン
アルコール等が挙げられるが、好ましくはイソプロパノ
ールである。ケトン系溶剤としては、例えばアセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、ジエチル
エーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等が挙げられる。これらの親水性有機溶剤は1
種又は2種以上が混合して用いられ、必要によっては、
高沸点親水性有機溶剤を併用しても良い。高沸点親水性
有機溶剤としては、フェノキシエタノール、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、3−メチル−3−ブトキシブタノール等が
ある。
【0018】本発明の自己分散型ポリマー微粒子の製造
に用いられる単量体混合物中の塩生成基を有する重合性
不飽和単量体の含有量は 0.5〜70モル%であり、 0.5〜
60モル%が好ましい。この範囲の値を越えても、又、未
満であっても、良好な分散安定性を持つ自己分散型ポリ
マー微粒子が得られない。本発明に用いられる塩生成基
を有する重合性不飽和単量体と共重合し得る重合性不飽
和単量体としては、前述した通り特に限定を受けるもの
ではないが、共重合体を得る際の重合安定性、得られる
自己分散型ポリマー微粒子の分散安定性、配合後の皮膜
形成性化粧料の安全性、機械的物性或いは保存安定性を
良好な状態に保ち、且つ、パックとして十分に使用可能
な高い皮膜の引張強度を持つ共重合体を得るためには、
上記のような水素結合性単量体を重合性不飽和単量体中
に30〜99重量%含有することが好ましく、特に水素結合
性単量体として(メタ)アクリルアミド系モノマーを、
重合性不飽和単量体混合物中に30〜99.5モル%含有する
ことが好ましく、40〜99.5モル%含有することがより好
ましい。更に(メタ)アクリルアミド系モノマーの中で
も、 N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリル
アミドが最も好ましい。
【0019】本発明の自己分散型ポリマー微粒子を形成
する共重合体の重量平均分子量は30,000以上であり、好
ましくは50,000以上であり、更に好ましくは100,000 以
上である。重量平均分子量が30,000未満では十分な皮膜
物性を得ることができない。
【0020】本発明の自己分散型ポリマー微粒子の水分
散液を得るには、上記の如き方法により得られた共重合
体の有機溶剤溶液の精製を行う。精製は、乳化重合等に
より得られる従来の水分散系ポリマーと同様、水系への
転相後のポリマー水分散液の状態で共沸により減圧留去
する方法等を用いて行うことも可能であるが、これに加
えて、他の水分散系ポリマーには無い、本発明の自己分
散型ポリマー微粒子に特徴的な状態、即ち、数種類の重
合性不飽和単量体混合物から任意の重合方法により得ら
れた共重合体の疎水性或いは親水性有機溶剤溶液、及
び、必要に応じ中和を行った共重合体の親水性有機溶剤
溶液、或いは、親水性有機溶剤/水混合溶液について行
うことが可能である。この場合、減圧留去法よりもより
高度な精製の期待できる様々な方法、例えば、限外濾過
やポリマーの再沈等の方法の適用が可能であり、これら
の中でも、精製の高度さ及び工程の簡便さを考慮した場
合、限外濾過法を用いることが最も好ましい。
【0021】限外濾過の具体的な条件等については特に
限定されるものではないが、用いる限外濾過膜の材質と
しては、セラミック等に代表される、疎水性及び親水性
有機溶剤、中和に用いる酸又は塩基、残留モノマー、種
々の不純物や分解物等による侵食を受けない材質のもの
を用いることが望ましい。限外濾過による精製工程を経
て製造した転相型自己分散型ポリマー微粒子の水分散液
中に含まれる残留モノマー等の不純物の量は、従来の分
散系ポリマーの一般的な精製方法である、共沸による減
圧留去法のみによる精製を行った場合と比較して、減圧
留去法による除去の可能な低沸点物質についても、同等
若しくはそれ以下であり、更に、高沸点物質やイオン性
物質、或いはポリマー微粒子中に溶解し易い物質等、減
圧留去法による除去が非常に困難なものについても、低
沸点物質と同様に高度の精製が可能である。
【0022】上記のような精製を行った後の共重合体の
有機溶剤溶液を、先ず必要に応じ中和剤を加えて塩生成
基をイオン化し、続いて水を加えた後、有機溶剤の一部
又は全部を留去し、水系に転相することにより本発明に
用いられる自己分散型ポリマー微粒子の水分散液が得ら
れる。この時、中和剤としては塩生成基の種類に応じて
それぞれ公知の酸或いは塩基を用いれば良い。酸として
は、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロピオン
酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が挙げら
れる。また、塩基としては、例えばトリメチルアミン、
トリエチルアミン等の3級アミン類、アンモニア、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、上記
に限定されるものではない。また、水を加えた後に上記
のような精製処理を行い、その後、有機溶剤の一部又は
全部を留去し水系に転相することによっても本発明に用
いられる自己分散型ポリマー微粒子の水分散液を得るこ
とができる。
【0023】本発明で用いる均一で、且つ、機械的及び
保存安定性に優れた自己分散型ポリマー微粒子の粒子径
は、特に限定を受けるものではないが、好ましくは10〜
1000nmの範囲であり、更に好ましくは10〜300nm の範囲
である。
【0024】次に、上記の水系樹脂エマルジョンもしく
は自己分散型ポリマー微粒子の水分散液を主たる皮膜形
成剤として用いた皮膜形成性化粧料、特にピールオフタ
イプのパック化粧料の配合について述べると、水系樹脂
エマルジョンもしくは自己水分散型ポリマー微粒子の配
合量は、ポリマー固形分にして10〜60重量%である。10
重量%未満の場合には、実用上必要な強度を与えるだけ
の皮膜の厚さを得るのが困難となり、60重量%を越える
場合には、パック化粧料の粘度が高くなり、塗布性が低
下する。更に、水系樹脂エマルジョンもしくは自己分散
型ポリマー微粒子の配合量を、好ましくは25〜60重量%
とすることにより、従来の水溶性ポリマーを用いたパッ
ク化粧料には無い、高い乾燥性を持つパック化粧料を得
ることができる。
【0025】本発明の皮膜形成性化粧料には、化粧品業
界で従来から広く使用されている様々な薬効成分、及
び、保湿剤、油剤、香料、着色料、分散剤、保存料、防
腐剤等、種々の添加剤を適宜配合することが可能であ
り、更に、必要に応じて、その他の添加剤を加えても良
い。本発明の皮膜形成性化粧料は、毛髪用、皮膚用又は
薬用化粧料として、パック化粧料の他、アイシャドウ、
マスカラ、アイライナー等のアイメイクアップ化粧料、
眉墨、毛髪用着色料、ネイルエナメル等に用いることが
できる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の水系樹脂エマルジョン、自己
分散型ポリマー微粒子の水分散液の合成例及び比較合成
例、皮膜形成性化粧料の実施例及び比較例を挙げて本発
明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0027】合成例1 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
の付いた反応器中に、水 150重量部、過硫酸アンモニウ
ム 0.5重量部、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル硫酸ナトリウム 2.0重量部を仕込み、窒素ガ
ス置換を行った。一方、滴下ロート中に、重合性不飽和
単量体として N−t−ブチルアクリルアミド43.7重量
部、アクリル酸n−ブチル38.5重量部、アクリル酸エチ
ル 8.6重量部、アクリル酸 9.2重量部を仕込んだ。窒素
雰囲気下、反応器内の混合溶液を攪拌しながら70℃まで
昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に
滴下し、更に3時間70℃で熟成することにより共重合体
の水分散液を得た。水蒸気蒸留法を用いて精製を行った
後、更に減圧下加熱して濃縮を行うことにより、ポリマ
ー固形分濃度が40重量%の水系樹脂エマルジョンを得
た。
【0028】合成例2 合成例1と同条件において、重合性不飽和単量体として
N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミ
ド40.3重量部、アクリル酸n−ブチル29.5重量部、アク
リル酸2−エチルヘキシル10.6重量部、メタクリル酸メ
チル19.6重量部を用いて、水系樹脂エマルジョンを得
た。
【0029】合成例3 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計の付いた反応
器中に、水 150重量部、部分鹸化ポリビニルアルコール
(EG−30、日本合成(株)製)1重量部を仕込んだ。別
個に下記式(1) で表されるメタクリル酸グルコシルエチ
ル(日本精化(株)製)40.0重量部、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル10.0重量部、アクリル酸n−ブチル3
0.0重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル20.0重量
部、及び過酸化ラウロイル0.3 重量部からなる溶液を調
製し、上記反応器に加えホモジナイザーで懸濁液を作成
した。次に、反応器内の懸濁液を攪拌しながら70℃まで
昇温し、5時間反応させた後、合成例1と同様に精製、
濃縮し、ポリマー固形分濃度が40重量%の水系樹脂エマ
ルジョンを得た。
【0030】
【化1】
【0031】合成例4 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計のついた反応
器中に、水 500重量部、エタノール 100重量部、ポリビ
ニルピロリドン2重量部、アクリル酸10重量部、 N−
(2,2,2−トリスヒドロキシメチル)エチルメタクリルア
ミド30重量部、メタクリル酸3−オキサ−5−ヒドロキ
シペンチル60重量部、2,2'−アゾビス(イソブチロニト
リル) 0.5重量部を加え、反応器内の混合液を攪拌しな
がら70℃まで昇温し、5時間反応させた後、合成例1と
同様に精製、濃縮し、ポリマー固形分濃度が40重量%の
水系樹脂エマルジョンを得た。
【0032】比較合成例1 合成例1と同条件において、重合性不飽和単量体とし
て、メタクリル酸メチル28重量部、アクリル酸n−ブチ
ル25.5重量部、アクリル酸エチル25.1重量部、アクリル
酸10.9重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10.5
重量部を用い、水系樹脂エマルジョンを得た。
【0033】合成例5 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
の付いた反応容器中に、重合溶媒として、アセトン75重
量部、重合性不飽和単量体として N−t−ブチルアクリ
ルアミド21.9重量部、アクリル酸n−ブチル19.2重量
部、アクリル酸エチル 4.3重量部、アクリル酸 4.6重量
部、開始剤として、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
0.34重量部を仕込み、窒素ガス置換を行った。一方、滴
下ロート中にも反応器中と全く同じ組成、同じ量の混合
溶液を、十分に窒素置換を行った後仕込んだ。窒素雰囲
気下、反応器内の混合溶液を攪拌しながら80℃まで昇温
し、滴下ロート中の混合溶液を2時間かけて徐々に滴下
した。滴下終了3時間後、2,2'−アゾイソブチロニトリ
ル0.68重量部を加え、更に5時間80℃で熟成することに
より共重合体を得た。
【0034】共重合体溶液を室温まで冷却し、アセトン
200重量部を加えて希釈したものについて、東芝セラミ
ック社のセラミック濾過装置を用いて限外濾過法による
精製を行った。この時、適宜追加する溶媒としてアセト
ンを用いた。精製後の共重合体溶液に、攪拌下、1規定
濃度の水酸化ナトリウム74.5重量部を加えて共重合体中
の塩生成基を一部中和し、イオン交換水 400重量部を加
えた後、減圧下70℃でアセトンを完全に留去し、更に、
一部の水を留去することにより濃縮し、ポリマー固形分
濃度が40重量%の自己分散型ポリマー微粒子の水分散液
を得た。
【0035】合成例6 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
の付いた反応器中に、重合溶媒としてメチルエチルケト
ン30重量部、重合性不飽和単量体として N−(1,1−ジメ
チル−3−オキソブチル)アクリルアミド36.0重量部、
アクリル酸n−ブチル5.8 重量部、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル 6.7重量部、ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド 1.5重量部、ラジカル重合開始剤として2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル0.03重量部を仕込み、窒素
ガス置換を行った。一方、滴下ロート中にも反応器中と
全く同じ組成、同じ量の混合溶液を、十分に窒素置換を
行った後に仕込んだ。窒素雰囲気下、反応器内の混合溶
液を攪拌しながら80℃まで昇温し、滴下ロート中の混合
溶液を2時間かけて徐々に滴下した。滴下終了3時間
後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.03重量部をメ
チルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を加え、更に
5時間80℃で熟成することにより共重合体を得た。共重
合体溶液を室温まで冷却し、メチルエチルケトン 200重
量部を加えて希釈したものについて、東芝セラミック社
のセラミックス濾過装置を用いて限外濾過法による精製
を行った。精製後の共重合体溶液に、攪拌下、1規定濃
度の塩酸12.2重量部を加えて共重合体中の塩生成基を一
部中和し、イオン交換水 400重量部を加えた後、減圧下
70℃でメチルエチルケトンを完全に除去し、更に、一部
の水を留去することにより濃縮し、ポリマー固形分濃度
が40重量%の自己分散型ポリマー微粒子の水分散液を得
た。
【0036】合成例7 合成例6において、重合性不飽和単量体として N−(1,1
−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド29.1重
量部、アクリル酸n−ブチル18.4重量部、アクリル酸
2.5重量部を用い、その他の方法は全て合成例6に示し
た処方に従うことによって共重合体を得た。得られた共
重合体について、更に、合成例6と全く同様に、限外濾
過法による精製を行った。精製後の共重合体溶液に、攪
拌下、1規定濃度の水酸化ナトリウム24.4重量部を加え
て共重合体中の塩生成基を一部中和した後、合成例6の
処方に従って水系への転相、濃縮を行うことにより、ポ
リマー固形分濃度が40重量%の自己分散型ポリマー微粒
子の水分散液を得た。
【0037】合成例8 合成例5において、重合溶媒としてメチルエチルケトン
50重量部、重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メチ
ル19.8重量部、アクリル酸n−ブチル12.6重量部、アク
リル酸エチル12.3重量部、アクリル酸 5.3重量部、ラジ
カル重合開始剤として2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.05重量部を用い、その他は合成例5と同様にして共
重合体を得た。得られた共重合体溶液について、適宜追
加する溶媒としてメチルエチルケトンを用い、合成例5
の処方に従って限外濾過法による精製を行った。精製後
の共重合体溶液に、攪拌下、1規定濃度の水酸化ナトリ
ウム82重量部を加えて共重合体中の塩生成基を一部中和
し、イオン交換水 400重量部を加えた後、減圧下70℃で
メチルエチルケトンを完全に留去し、更に、一部の水を
留去することにより濃縮し、ポリマー固形分濃度が40重
量%の自己分散型ポリマー微粒子の水分散液を得た。
【0038】合成例9 合成例5において、反応器及び滴下ロート中に、重合溶
媒としてアセトンを75重量部、重合性不飽和単量体とし
てメタクリル酸エチル15.8重量部、アクリル酸エチル1
7.9重量部、メタクリル酸 7.2重量部、下記式(2) で表
される化合物(商品名NK-M230G, 新中村化学(株)製)
9.1重量部、ラジカル重合開始剤として2,2'−アゾビス
イソブチロニトリル0.15重量部を用い、その他は合成例
5と同様にして共重合体を得た。得られた共重合体溶液
について、適宜追加する溶媒としてアセトンを用い、合
成例5に従って限外濾過法による精製を行った。精製後
の共重合体溶液に、攪拌下、1規定濃度の水酸化ナトリ
ウム8.4 重量部を加えて共重合体中の塩生成基を一部中
和し、イオン交換水 400重量部を加えた後、減圧下70℃
でアセトンを完全に留去し、更に、一部の水を留去する
ことにより濃縮し、ポリマー固形分濃度が40重量%の自
己分散型ポリマー微粒子の水分散液を得た。
【0039】
【化2】
【0040】合成例10 合成例6に従って溶液重合を行うことにより得られた共
重合体を、メチルエチルケトン 200重量部を加えて希釈
した後、限外濾過法による精製を行わずに、そのまま合
成例6の処方に従って中和、水系への転相、濃縮を行う
ことにより、ポリマー固形分濃度が40重量%の転相型自
己分散型ポリマー微粒子の水分散液を得た。
【0041】比較合成例2 溶液重合時の重合溶媒及び反応終了後の希釈溶媒として
メチルエチルケトン30重量部の代わりにイソプロピルア
ルコール50重量部を用い、更に、ラジカル開始剤である
2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを0.03重量部から0.
06重量部に変更し、その他は、合成例7と全く同様の処
方に従って、ポリマー固形分濃度が40重量%の自己分散
型ポリマー微粒子の水分散液を得た。
【0042】合成例1〜10及び比較合成例1〜2で得た
水系樹脂エマルジョンについて、ポリマーの重量平均分
子量、粒子径及び水系樹脂エマルジョンを成膜して得ら
れるフィルムの引張強度を以下に示す方法により測定し
た。結果を表1に示す。 ・重量平均分子量の測定方法 ポリマーを減圧下、 105℃で2時間乾燥し、標準物質と
してポリスチレン、溶媒としてテトラヒドロフランを用
い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定した。 ・粒子径の測定方法 コールター社製粒径測定装置N4により測定した。
【0043】・引張強度の測定方法 離型紙上に水系樹脂エマルジョンを塗布した後、室温で
約8時間乾燥させて得た膜厚0.05±0.01mmのフィルムに
ついて、オリエンテック(株)製の高性能万能型材料試
験機(TENSILON UCT-100) を用いて測定した。
【0044】
【表1】
【0045】実施例1〜10及び比較例1〜2 上記合成例1〜10及び比較合成例1〜2で得られた水系
樹脂エマルジョンを皮膜形成剤として用いたピールオフ
タイプのパック化粧料を、下記の製法及び配合処方例に
従って製造し、様々な性能についての比較を行った。製
法は、表2の配合処方例に示すポリマー水分散液、 1,3
−ブチレングリコール、及びカーボポール940 以外の成
分を、70℃に加熱しながらホモミキサーで攪拌し、均一
な溶液とする。これに、攪拌下、70℃でカーボポール94
0 を加えて分散させ、更に、ポリマー水分散液及び 1,3
−ブチレングリコールを加えて十分に混和した後、室温
に冷却して脱気することにより、実施例1〜10及び比較
例1〜2のパック化粧料を得た。
【0046】
【表2】
【0047】注) *1:カルボキシビニルポリマー *2:ソルビタンモノステアレート(非イオン性界面活性
剤) *3:ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
(非イオン性界面活性剤) *4:ミリスチン酸−イソステアリン酸ジグリセライド *5:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(非イオン性界面
活性剤) 実施例1〜10及び比較例1〜2で得られたパック化粧料
の種々の物性について、下記の方法により評価した。ま
た、部分鹸化ポリビニルアルコールを皮膜形成剤として
用いた市販のパック化粧料についても同様に物性を評価
した。その結果を表3に示す。
【0048】評価方法 (1) 乾燥性 室温25℃、相対湿度60%の条件下、皮膚上に試料を塗布
した後、剥離可能な皮膜を形成するのに要する時間を測
定する。 ○:10分以内,△:10〜20分,×:20分以上 (2) 安定性 試料を室温35℃、相対湿度60%の条件下、30日間放置し
た後、分散状態、色、臭い、pH等の変化、及び分解物の
有無について評価する。 (3) 剥離性 室温25℃、相対湿度60%の条件下、皮膚上に試料を塗布
した後、10分間乾燥させて生じた皮膜を、皮膚上から剥
離することにより評価する。 (4) 無臭性 乾燥前の試料の臭いを官能評価する。 (5) 塗布性 試料を皮膚上に塗布するとき感触(べたつき、おもさ、
液だれ等)を官能評価する。 尚、上記評価項目(2) 〜(5) については、評価結果を以
下の様に判定した。
【0049】◎:極めて良好,○:良好,△:普通,
×:不良
【0050】
【表3】
【0051】表3より明らかな通り、本発明によるピー
ルオフタイプのパック化粧料は、要求される各物性にお
いて、満足な性能を示すものである。
【0052】
【発明の効果】本発明に係わる水素結合性単量体及び塩
生成基を有する重合性不飽和単量体からなる群から選ば
れる重合性不飽和単量体を構成単位として含む水系樹脂
エマルジョンから得られる皮膜は、皮膜中でポリマー間
に水素結合が形成されると考えられ、通常の水系樹脂エ
マルジョンに比し強度が高く、パック等の皮膜形成性化
粧料の皮膜形成剤として使用することが可能である。ま
た本発明に係わる自己分散型ポリマー微粒子の皮膜に関
しても、通常の水系樹脂エマルジョンに比し強度が高い
ため、パック等の皮膜形成性化粧料の皮膜形成剤として
使用することが可能である。これは、一般に水系樹脂エ
マルジョンでは、粒子間の融着が不十分であるが、自己
分散型ポリマー微粒子は乳化剤、保護コロイドを使用せ
ず、かつ粒径が小さいため粒子間の融着が十分に進行し
て均一な皮膜が形成されているためと考えられる。更
に、水素結合性単量体を構成成分として含む自己分散型
ポリマー微粒子からは、上記の2つの効果が合わされる
ため、非常に強靱な皮膜が得られる。また、自己分散型
ポリマー微粒子においては、限外濾過による精製が可能
であるので、残留モノマー等の低沸点物質、高沸点物質
やイオン性物質、或いはポリマー微粒子中に溶解し易い
物質等を高度に精製することが可能であり、臭い等の点
で有利となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 昭裕 和歌山市関戸1−2−27 (72)発明者 八木 浩 埼玉県南埼玉郡宮代町中央2−8−20 立 春荘B−203

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素結合を形成し得る基(塩生成基を除
    く)を有する重合性不飽和単量体及び塩生成基を有する
    重合性不飽和単量体からなる群から選ばれる1種又は2
    種以上の重合性不飽和単量体を構成単位として30重量%
    以上含み、重量平均分子量が30,000以上である樹脂から
    なる水系樹脂エマルジョンを皮膜形成剤として配合して
    なることを特徴とする皮膜形成性化粧料。
  2. 【請求項2】 水素結合を形成し得る基(塩生成基を除
    く)を有する重合性不飽和単量体が(メタ)アクリルア
    ミド系モノマーである請求項1記載の皮膜形成性化粧
    料。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリルアミド系モノマーが N
    −(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド
    である請求項2記載の皮膜形成性化粧料。
  4. 【請求項4】 塩生成基を有する重合性不飽和単量体の
    少なくとも一種を0.5 〜70モル%含む重合性不飽和単量
    体混合物を共重合させてなる重量平均分子量が30,000以
    上である共重合体の有機溶剤溶液を、精製した後水を加
    えるか、或いは水を加えた後精製し、有機溶剤を留去す
    ることにより得られる、自己分散型ポリマー微粒子の水
    分散液を皮膜形成剤として配合してなることを特徴とす
    る皮膜形成性化粧料。
  5. 【請求項5】 塩生成基を有する重合性不飽和単量体の
    少なくとも一種を0.5 〜70モル%及び水素結合を形成し
    得る基(塩生成基を除く)を有する重合性不飽和単量体
    を30〜99重量%含む重合性不飽和単量体混合物を共重合
    させてなる重量平均分子量が30,000以上である共重合体
    の有機溶剤溶液を、精製した後水を加えるか、あるいは
    水を加えた後精製し、有機溶剤を留去することにより得
    られる、自己分散型ポリマー微粒子の水分散液を皮膜形
    成剤として配合してなることを特徴とする皮膜形成性化
    粧料。
  6. 【請求項6】 水素結合を形成し得る基(塩生成基を除
    く)を有する重合性不飽和単量体が(メタ)アクリルア
    ミド系モノマーである請求項5記載の皮膜形成性化粧
    料。
  7. 【請求項7】 重合性不飽和単量体混合物中の(メタ)
    アクリルアミド系モノマーの含有量が30〜99.5モル%で
    ある請求項6記載の皮膜形成性化粧料。
  8. 【請求項8】 (メタ)アクリルアミド系モノマーが、
    N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミ
    ドである請求項6記載の皮膜形成性化粧料。
  9. 【請求項9】 皮膜形成性化粧料がパック化粧料である
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の皮膜形成性化粧
    料。
JP34792592A 1992-01-13 1992-12-28 皮膜形成性化粧料 Pending JPH05255041A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193730A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Nippon Fine Chem Co Ltd 化粧料および外用剤
US6942869B2 (en) 1999-05-12 2005-09-13 Kao Corporation Keratotic plug remover
US10568735B2 (en) 2017-01-13 2020-02-25 Alcon Inc. Intraocular lens injector
US11000367B2 (en) 2017-01-13 2021-05-11 Alcon Inc. Intraocular lens injector

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