JP3982006B2 - フルフラット可能な折畳式シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内等に配設されるフルフラット可能な折畳式シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フルフラット可能な折畳式シートにおいては、図8に示すように、シートクッション1の後端部に組付けられているシートバック2は、シートクッション1に対して2つの回動支点P1,P2を備えている。第1の回動支点P1は、シートバック2をシートクッション1上に折畳むべく前方へ回動させるための支点であり、第2の回動支点P2は、シートバック2をフルフラットにすべく後方へ回動させるための支点であり、シートクッション1とシートバック2間には、両回動支点P1,P2での回動を解除可能に規制する図示しない2つのロック機構を備えている。
【0003】
通常、当該シートは、図8(a)に示すように、両ロック機構のロック作用によりシートバック2がシートクッション1に固定されて起立しており、第2のロック機構によるシートバック2のシートクッション1に対する固定を解除すれば、シートバック2は第1の回動支点P2を中心に後方へ回動可能となり、同図(b)に示すように、シートバック2はシートクッション1の延長上に引延ばされてフルフラットの状態となる。
【0004】
また、図8(a)の状態にあるシートの第1のロック機構によるシートバック2のシートクッション1に対する固定を解除すれば、シートバック2は第1の回動支点P1を中心に前方へ回動可能となり、同図(c)に示すように、シートバック2をシートクッション1上に折畳むことができ、さらには、同図(d)に示すように、シートバック2が折畳まれた状態でシートクッション1を跳上げて前方へ倒立状態に格納することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のフルフラット可能な折畳式シートにおいては、シートバック2のシートクッション1に対する回動支点が2箇所あるとともに、シートバック2のシートクッション1に対するロック機構が2つあるため、シートバック2のシートクッション1に対する組付け構造が非常に複雑になる。
【0006】
また、当該折畳式シートにおいては、両ロック機構によるシートバック2の固定を選択的に解除操作することにより、起立状態にあるシートバック2をフルフラット状態、または折畳み状態に変更する構成のため、異なるロック機構の異なる解除操作をそれぞれ行うことになって使い勝手がよくない。
【0007】
従って、本発明の目的は、シートバックのシートクッションに対する後方向への回動支点と前方への回動支点、および、シートバックのシートクッションに対するロック機構を共通化して、シートバックのシートクッションに対する組付け構造を簡単化するととも、操作性を向上させて使い勝手をよくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フルフラット可能な折畳式シートに関する。本発明が適用対象とする折畳シートは、前端部をフロア側に上下方向に回動可能に固定したシートクッションと、同シートクッションの後端部に下端部を前後方向へ回動可能に組付けたシートバックとの間にリクライニング機構を備え、前記シートバックの回動支点を中心にして、同シートバックを前方へ回動して前記シートクッション側へ折畳むことができ、かつ、同シートバックを後方へ回動して前記シートクッションの後方へ引延ばすことができるフルフラット可能な折畳式シートである。
【0009】
しかして、本発明に係るフルフラット可能な折畳式シートは、前記シートバックが所定量後方へ回動した後に同シートバックの後方への回動に応じて前記シートクッションの後部を所定高さ持上げる持上げ機構を備えるもので、当該持上げ機構は、下記に示すように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係るフルフラット可能な折畳式シートが装備する持上げ機構は、前記シートバックの下端部に設けられて同シートバックと一体に回動する持上げ部材と、前記シートクッションの後端部に設けられて同シートクッションと一体に持上げられる被持上げ部材と、前記持上げ部材に設けたカムピンおよび前記被持上げ部材に設けられて前記カムピンが挿通するカム溝からなり前記シートバックの後方への回動時に前記カムピンが前記カム溝に係合して前記被持上げ部材を持上げるカム手段と、前記シートクッションの後端部をフロア側に解除可能に固定するロック手段を備えている。
【0011】
当該持上げ機構を構成するロック手段は、前記シートクッションの後端部をフロア側に固定するとともに、前記シートバックが後方へ所定量回動した時点で前記シートクッションのフロア側に対する固定を解除するように構成されている。
【0012】
当該持上げ機構を構成するカム手段のカム溝は、前記シートバックの回動支点を中心とする円弧状で所定長さ延びてリクライニングゾーンを構成する円弧状溝部と、同円弧状溝部の上端から前方へ下降傾斜して所定長さ延びて持上げゾーンを構成する係合溝部とからなる。
【0013】
当該持上げ機構を構成するカム手段のカムピンは、前記カム溝におけるリクライニングゾーンと持上げゾーンとの境界に達したとき前記ロック手段に作用して、同ロック手段による前記シートクッションの後端部のフロア側に対する固定を解除し、その後の持上げゾーンにおける下降動作によって、前記シートクッションの後端部を漸次持上げるように構成されている。
【0014】
【発明の作用・効果】
このように構成したフルフラット可能な折畳式シートにおいては、シートバックを後方へ回動してシートクッションの後方へ引延ばす際、シートクッションの後端部が所定高さ持上げられるため、シートバックにおけるフルフラット状態にすべき回動支点と折畳み状態にすべき回動支点とを共通化することができるとともに、シートバックのシートクッションに対するロック機構を1つの共通のものにすることができて、これにより、シートバックの組付け構造が簡単化され、かつ操作性が向上して使い勝手が良好になる。
【0015】
本発明に係るフルフラット可能な折畳式シートにおいては、シートクッションとシートバック間にリクライニング機構を備えていて、シートバックが所定量後方へ回動した後に、シートバックの後方への回動に応じてシートクッションの後部が持上げられるように構成しているので、何等の支障もなくリクライニング機構を作動させて、シートバックの傾斜角度を任意に調整することができる。
【0016】
また、本発明に係るフルフラット可能な折畳式シートにおいては、持上げ機構を、シートバックの後端部に設けられてシートバックと一体に回動する持上げ部材と、シートクッションの後端部に設けられてシートクッションと一体に持上げられる被持上げ部材と、持上げ部材に設けたカムピンおよび被持上げ部材に設けられてカムピンが挿通するカム溝からなりシートバックの後方への回動時にカムピンがカム溝に係合して被持上げ部材を持上げるカム手段を備えた構成としているので、持上機構の構造が簡単な構造となるとともに小型なものとなる。
【0017】
また、本発明に係るフルフラット可能な折畳式シートにおいては、持上げ機構を、シートクッションの後端部をフロア側に解除可能に固定するロック手段を備え、同ロック手段を、シートバックが後方へ所定量回動した時点でシートクッションのフロア側に対する固定を解除するように構成しているので、シートバックのリクライニング作動時におけるシ−トクッションを安定な状態に保持し得るとともに、シートバックをフルフラット状態に操作する際には前記ロック手段によるシートクッションの固定が自動的に解除されて操作性が良好である。
【0018】
また、本発明に係るフルフラット可能な折畳式シートにおいては、持上げ機構を構成するカム手段のカム溝を、シートバックの回動支点を中心とする円弧状で所定長さ延びてリクライニングゾーンを構成する円弧状溝部と、同円弧状溝部の上端から前方へ下降傾斜して所定長さ延びて持上げゾーンを構成する係合溝部を備えた構成としているので、シートバックのリクライニングの調整範囲と、フルフラットのタイミングをカム手段により容易に設定することができる。
【0019】
また、本発明に係るフルフラット可能な折畳式シートにおいては、持上げ機構を構成するカム手段のカムピンを、カム溝におけるリクライニングゾーンと持上げゾーンとの境界に達したときロック手段に作用して、同ロック手段によるシートクッションの後端部のフロア側に対する固定を解除するように構成しているので、シートクッションのフロア側に対する固定解除とシートクッションの後部の持上げタイミングを一致させることができて、フルフラット状態への操作を円滑に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明すると、図1および図2には、本発明に係る折畳式シートの一例が示されている。当該折畳式シートは、車室内に配設されるもので、シートバック11はその下端部にて、シ−トクッション12の後端部に前後方向へ回動可能に組付けられている。
【0021】
当該折畳式シートにおいて、シートバック11は、図1(a)に示すように、シ−トクッション12の後端部にリクライニング機構により起立状態に保持され、同図(b)に示すように、シートバック11を回動支点Pを中心にして前方へ回動させてシ−トクッション12上に折畳むことができるとともに、同図(c)に示すように、シ−トクッション12を、折畳まれた状態のシートバック11と一体に回動支点pを中心に前方へ回動させて倒立状態に格納することができる。
【0022】
また、当該折畳式シートにおいては、シートバック11を、図2(a),(b)に示すように後方へ回動させて、シ−トクッション12の後方にて同シ−トクッション12と同一平面状のフルフラット状態にすることができる。この際、シ−トクッション12は、その後端部を後述する持上げ機構より同図(b)に示すように所定量持上げられるとともに、シートベルトを構成するベルトバックル13が同図(c)に示す突出状態から同図(d)に示すように埋没する。持上げ機構は、シートバック11とシ−トクッション12の間にて、左右の両組付け部に配設されている。
【0023】
図3および図4には、当該折畳式シートを構成するロアフレーム14、クッションフレーム15、ロアアーム16、アッパアーム17、および持上げ機構20の組付け状態が示されている。ロアフレーム14は、左右一対のフレーム部14aの後端部を連結部14bにより連結してなる前方が開口するコ字状を呈しているもので、車体フロアにヒンジピン15dを中心に回動可能に固定されている。
【0024】
クッションフレーム15は、後方が開口するコ字状のフレーム部15aの後端部を連結部15bにより連結してなる枠状を呈しているもので、左右の前端部にはヒンジ15cが固着されていて、ヒンジ15cの下端部がヒンジピン15dを介してロアフレーム14の左右の前端部に上下方向かつ前後方向に回動可能に組付けられている。ヒンジピン15dは、当該折畳式シートの回動支点pを構成する。
【0025】
ロアアーム16およびアッパアーム17はリクライニング機構を構成するもので、ロアアーム16はL字状を呈していて、ロアフレーム14の連結部14bにおける左右の各端部に固着されて起立している。
【0026】
また、アッパアーム17は、シートバック11を構成する図示しないバックフレームに組付けられているもので、左右の各アッパアーム17は連結ロッド17aにて互いに連結されている。連結ロッド17aは、シートバック11の前後方向への回動支点Pを構成する。
【0027】
リクライニング機構は公知のもので、図5にて概略的に示すように、リクライニング機構を構成するラチェット18aは、アッパアーム17の外側面に固着され、かつリクライニング機構を構成するポール18bはロアアーム16に、ラチェット18aに対して進退可能に組付けらていて、ポール18bは図示しないバネに付勢されてラチェット18aに噛合し、かつポール18bを後退させることによりラチェット18aに対する噛合が解除される。
【0028】
しかして、持上げ機構20は、クッションフレーム15、ロアアーム16、およびアッパアーム17間にて左右一対配設されているもので、持上げ部材である持上げプレート21、被持上げ部材である被持上げプレート22、カム手段23、およびロック手段24を備えている。持上げプレート21は所定長さの平板状のもので、上端部にて連結ロッド17aに前後方向へ回動可能に組付けられて下方へ延びていて、図示しないバネに付勢されてアッパアーム17の内側面に突設したストッパ17bに当接している。
【0029】
被持上げプレート22はL字状を呈するもので、下端の水平板部にてロアフレーム14の連結部14b上に固着されており、垂直起立部がロアアーム16の内側にて所定間隔を保持して位置している。
【0030】
カム手段23は、カムピン23aとカム溝23bとからなり、カムピン23aは持上げプレート21の下端部に設けられ外側へ突出して、カム溝23b内を挿通している。カム溝23bは、被持上げプレート22の垂直起立壁に設けられているもので、中央部が上方へ突出する屈曲形状を呈しており、中央部から後方へ下降傾斜する円弧状溝部23b1と、中央部から前方へ下降傾斜する係合溝部23b2とにより構成されている。
【0031】
カム溝23bにおいて、円弧状溝部23b1はシートバック11の回動支点Pを中心とする円弧状のものであり、また係合溝部23b2は円弧状溝部23b1の上端から前方へ突出して延びているものであり、カムピン23aは持上げプレート21と一体に回動した際、円弧状溝部23b1内では同溝部23b1に沿って非係合状態で円滑に移動し、また係合溝部23b2内では同溝部23b2に係合しつつ移動する。従って、円弧状溝部23b1はリクライニグゾーンを構成し、かつ係合溝部23b2は持上げゾーンを構成する。
【0032】
ロック手段24は、図3、図4および図6に示すように、ロックピン24aとロックレバー24bとからなり、ロックピン24aはロアアーム16に設けられて内側へ突出して、ロアアーム16と持上げプレート21間に臨んでいる。ロックレバー24bは中央部が上方へ突出する屈曲形状を呈しており、中央部にて被持上げプレート22の垂直起立壁部の外側面に上下方向へ回動可能に支持されて、図示しないバネに付勢されてロックピン24aに下方から係合してロックしている。ロックレバー24bは上方へ開口する係合凹所24cを備えている。
【0033】
なお、図3における符号13は、シートベルトを構成するベルトバックルを示し、ベルトバックル13はロアフレーム14の連結部14b上に固定されて起立している。当該折畳式シートにおいては、シ−トクッション12の後端部に図2の(c),(d)に示すようにスリット12aが形成されていて、ベルトバックル13は同図(c)に示すようにスリット12aを通して下方から上方へ突出しており、シ−トクッション12の後端部が所定量持上げられた際には、同図(d)に示すようにスリット12a内に埋没する。
【0034】
このように構成した折畳式シートにおいては、図1に示すように折畳むことができるとともに、図2に示すようにフルフラット状態にすることができ、これらの状態においては、持上げ機構20は図7に示すように作動する。
【0035】
当該折畳式シートにおいて、シートバック11が図1の(a)に示すように起立状態にあって乗員が着座可能である場合、アッパアーム17はリクライニング機構の作用によりロアアーム16に固定されており、また、持上げ機構20にあっては、図7の(a)に示すように、ロック手段24のロックレバー24bがロックピン24aに係合していて、被持上げプレート22はロック手段24によりロアアーム16に固定されている。この状態では、持上げプレート21はアッパアーム17に設けたストッパ17bに弾撥的に当接していて、カム手段23のカムピン23aはカム溝23bにおける円弧状溝部23b1の後端に位置している。
【0036】
この状態で、リクライニング機構によるアッパアーム17のロアアーム16に対する固定を解除すれば、アッパアーム17およびこれと一体のシートバック11は回動支点Pを中心に前後方向へ回動可能であり、図7の(b)に示すように、シートバック11を後方へ回動させてその傾斜角度を調整することができる。この場合、持上げプレート21はストッパ17bに当接した状態でシートバック11とともに図示時計方向へ回動し、また、カムピン23aはカム溝23bの円弧状溝部23b1内を前方かつ上方へ移動する。シートバック11の傾斜角度の調整は、カムピン23aの円弧状溝部23b1での移動範囲内にて行われる。図2の(a)には、シートバック11の傾斜角度が最大限調整した状態が示されている。
【0037】
また、リクライニング機構によるアッパアーム17のロアアーム16に対する固定を解除した状態において、シートバック11を回動支点Pを中心にさらに後方かつ下方へ回動させると、カムピン23aはカム溝23bにおける円弧状溝部23b1の上端を通過して係合溝部23b2に移行し、係合溝部23b2と係合しつつ係合溝部23b2の前端へ移動する。この際、カムピン23aは、ロック手段24のロックレバー24bを図示時計方向へ回動させてロックピン24aに対する係合を解除させ、被持上げプレート22のロアアーム16に対する固定を解除する。
【0038】
このため、被持上げプレート22はカムピン23aの係合溝部23b2内での前方への移動に伴い漸次持上げられて、シ−トクッション12の後端部をシートバック11の後方への回動に応じて持上げ、シ−トクッション12が最大限持上げられた状態ではシートバック11が最大限後方へ回動した状態にあって、シートバック11は図2の(b)に示すようにフルフラットな状態となって、シ−トクッション12と同一平面をなす。この状態においては、ベルトバックル13は、図2の(c)に示す状態から同図の(d)に示すように、シ−トクッション12のスリット12a内に埋没する。
【0039】
なお、シートバック11をフルフラットな状態としたシートにおいて、シートバック11を上方かつ前方へ回動させれば、持上げ機構20は図7の(c),(b),(a)に示す順序で作動して、シートバック11を図1の(a)に示す起立状態に復帰させることができる。
【0040】
一方、リクライニング機構によるアッパアーム17のロアアーム16に対する固定を解除した状態において、シートバック11を回動支点Pを中心に前方へ回動させると、アッパアーム17はストッパ17bを持上げプレート21から離間しつつ前方へ回動し、アッパアーム17と一体のシートバック11は前方へ回動されて、図1の(b)に示すようにシ−トクッション12上に折畳まれる。シートバック11の前方への回動の際には、持上げ機構20は図7の(d)に示すように非作動の状態にある。
【0041】
なお、シートバック11を折畳まれた状態のシートにおいては、シ−トクッション12をシートバック11とともに回動支点pを中心に上方かつ前方へ回動させて、図1の(c)に示すように、前方へ倒立させた状態に格納することができる。
【0042】
このように、当該折畳式シートにおいては、シートバック11を後方へ回動してシートクッション12の後方へ引延ばす際、シートクッション12の後端部が所定高さ持上げられるため、シートバック11におけるフルフラット状態にすべき回動支点と折畳み状態にすべき回動支点とを共通の回動支点Pとすることができるとともに、シートバック11のシートクッション12に対するロック機構をリクライニング機構の1つにすることができて、シートバック11の組付け構造を簡単化し、かつ操作性を向上させて使い勝手を良好にすることができる。
【0043】
また、当該折畳式シートにおいては、持上げ機構20を、シートバック11の後端部に設けられてシートバック11と一体に回動する持上げプレート21と、シートクッション12の後端部に設けられてシートクッション12と一体に持上げる被持上げプレート22と、持上げプレート21に設けたカムピン23aおよび被持上げプレート22に設けられてカムピン23aが挿通するカム溝23bからなりシートバック11の後方への回動時にカムピン23aがカム溝23bへ係合して被持上げプレート22を持上げるカム手段23を備えた構成としているため、持上げ機構20の構造を簡単化することができるとともに、小型化することができる。
【0044】
また、当該折畳式シートにおいては、持上げ機構20を、シートクッション12の後端部をフロア側に解除可能に固定するロック手段24を備え、ロック手段24を、シートバック11が後方へ所定量回動した時点でシートクッション12のフロア側に対する固定を解除するように構成しているため、シートバック11のリクライニング作動時におけるシ−トクッション12を安定な状態に保持し得るとともに、シートバック11をフルフラット状態に操作する際にはロック手段24によるシートクッション12の固定が自動的に解除されて操作性が良好となる。
【0045】
また、当該折畳式シートにおいては、持上げ機構20を構成するカム手段23のカム溝23bを、シートバック11の回動支点Pを中心とする円弧状で所定長さ延びてリクライニングゾーンを構成する円弧状溝部23b1と、円弧状溝部23b1の上端から前方へ下降傾斜して所定長さ延びて持上げゾーンを構成する係合溝部23b2を備えた構成としているため、シートバック11のリクライニングの調整範囲と、フルフラットのタイミングとをカム手段23により容易に設定することができる。
【0046】
また、当該折畳式シートにおいては、持上げ機構20を構成するカム手段23のカムピン23aを、カム溝23bにおけるリクライニングゾーンと持上げゾーンとの境界に達したときロック手段24に作用して、ロック手段24によるシートクッション12の後端部のフロア側に対する固定を解除するように構成しているため、シートクッション12のフロア側に対する固定解除とシートクッション12の後部の持上げタイミングを一致させることができて、フルフラット状態への操作を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る折畳式シートにおける折畳み状態を説明する概略的側面図(a)〜(c)である。
【図2】同折畳式シートにおけるフルフラット状態を説明する概略的側面図(a),(b)、およびその際のベルトバックルの状態を説明する拡大斜視図(c),(d)である。
【図3】同折畳式シートを構成する持上げ機構を外側から見た斜視図である。
【図4】同持上げ機構を内側から見た斜視図である。
【図5】同折畳式シートが有するリクライニング機構の概略的説明図である。
【図6】同持上げ機構を構成するロック手段の拡大側面図である。
【図7】同持上げ機構の作動を説明する概略的側面図(a)〜(d)である。
【図8】従来の折畳式シートのフルフラット状態、および折畳状態を示す概略的側面図(a)〜(d)である。
【符号の説明】
11…シートバック、12…シ−トクッション、12a…スリット、13…ベルトバックル、14…ロアフレーム、14a…フレーム部、14b…連結部、15…クッションフレーム、15a…フレーム部、15b…連結部、15c…ヒンジ、15d…ヒンジピン、16…ロアアーム、17…アッパアーム、17a…連結ロッド、17b…ストッパ、18a…ラチェット、18b…ポール、20…持上げ機構、21…持上げプレート、22…被持上げプレート、23…カム手段、23a…カムピン、23b…カム溝、23b1…円弧状溝部、23b2…係合溝部、24…ロック手段、24a…ロックピン、24b…ロックレバー、P,p…回動支点。
Claims (1)
- 前端部をフロア側に上下方向に回動可能に固定したシートクッションと、同シートクッションの後端部に下端部を前後方向へ回動可能に組付けたシートバックとの間にリクライニング機構を備え、前記シートバックの回動支点を中心にして、同シートバックを前方へ回動して前記シートクッション側へ折畳むことができ、かつ、同シートバックを後方へ回動して前記シートクッションの後方へ引延ばすことができるフルフラット可能な折畳式シートであり、当該折畳式シートは、前記シートバックが所定量後方へ回動した後に同シートバックの後方への回動に応じて前記シートクッションの後部を所定高さ持上げる持上げ機構を備え、同持上げ機構は、前記シートバックの下端部に設けられて同シートバックと一体に回動する持上げ部材と、前記シートクッションの後端部に設けられて同シートクッションと一体に持上げられる被持上げ部材と、前記持上げ部材に設けたカムピンおよび前記被持上げ部材に設けられて前記カムピンが挿通するカム溝を有して前記シートバックの後方への回動時に前記カムピンが前記カム溝に係合して前記被持上げ部材を持上げるカム手段と、前記シートクッションの後端部をフロア側に固定するとともに前記シートバックが後方へ所定量回動した時点で前記シートクッションの後端部のフロア側に対する固定を解除するロック手段を備え、前記カム手段のカム溝は、前記シートバックの回動支点を中心とする円弧状で所定長さ延びてリクライニングゾーンを構成する円弧状溝部と、同円弧状溝部の上端から前方へ下降傾斜して所定長さ延びて持上げゾーンを構成する係合溝部とからなり、前記カム手段の前記カムピンは、前記カム溝におけるリクライニングゾーンと持上げゾーンとの境界に達したとき前記ロック手段に作用して、同ロック手段による前記シートクッションの後端部のフロア側に対する固定を解除し、その後の持上げゾーンにおける下降動作によって、前記シートクッションの後端部を漸次持上げることを特徴とするフルフラット可能な折畳式シート。
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