JP3977569B2 - 生体植設用電極リードおよびそれを用いる生体植設用医療器具 - Google Patents

生体植設用電極リードおよびそれを用いる生体植設用医療器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植込型心臓ペースメーカや植込型除細動装置と共に使用する生体植設用電極リードおよびそれを用いた生体植設用医療器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、植込型心臓ペースメーカや植込型除細動装置と共に使用される多くの種類の生体内へ植え込み可能な電極リード(以下、生体植設用電極リードと呼ぶ)が知られている。
【0003】
一般に、生体植設用電極リードは、心臓に電気的刺激を与えるもしくは心臓の電気的興奮を感知するための電極、心臓ペースメーカ(または除細動装置)と電気的に接続するための電気コネクタ、電極と電気コネクタとを接続し電極と心臓ペースメーカ(または除細動装置)間で電気信号を伝えるための電気導体ワイヤとそれを被覆する電気絶縁膜からなるリードボディから構成されている。
【0004】
また、生体植設用電極リードは、その電極とリードボディの一部が、心臓および静脈内に挿入され、残りのリードボディと電気コネクタは、静脈外に置かれ、心臓ペースメーカまたは植込型除細動装置の接続用ハウジングに接続されている。
【0005】
ここで、生体植設用電極リード用のリードボディの例としては、たとえば、特開平11−333000号公報に示されるように絶縁被覆膜が施された複数の導体ワイヤを並列結合した双極タイプを使用するものがあり、これら導体ワイヤをコイル状に絶縁平行巻きして、その外側にシースを被せたリードボディとしている。
【0006】
また、他の一般的なリードボディとしては、平均径が異なる2種類の導体コイルとそれぞれの導体コイル間に位置する絶縁シースとリードボディの最も外周に位置するシースから構成される同軸構造もある。
【0007】
なお、生体植設用電極リードとして複数の導体ワイヤからなる双極タイプが用いられるのは、導体ワイヤのうちの1本が万が一切断されても他の導体ワイヤが正常に接続していれば、心臓ペースメーカからの電気信号を生体組織へ継続して伝達できるためである。
【0008】
また、生体植設用電極リードとしては、導体ワイヤ中におけるエネルギロスが小さいものが望まれており、そのために同じ低抵抗を有する2本の導体ワイヤが使用されている。
【0009】
しかし、後述するように従来の低抵抗導体ワイヤ2本を使用する生体植設用電極リードでは、そのうちの1本が万が一断線しても断線による電気抵抗の変化が小さいため、生体植設用電極リードを生体に植え込んだ後に外部から電気抵抗の変化によって断線を検出することはかなり困難であった。
【0010】
このことを、図14と図15を用いて詳しく説明する。
【0011】
図14に2本の低抵抗の導体ワイヤを並列結合した双極タイプの生体植設用電極リードを生体組織と接続した例を示す。生体植設用電極リード60のリードボディは、チップ電極側リード抵抗61とリング電極側リード抵抗62の2つの部分から構成されており、生体植設用電極リード60と生体組織とはチップ電極4とリング電極3によって接続され、生体組織と生体植設用電極リード60とは、電気的には、ほぼ図14に示すような直列結合の構成となっている。また生体植設用電極リード60は、植込型心臓ペースメーカとはコネクタピン1およびコネクタリング2とで接続されている。
【0012】
ここで、チップ電極側リード抵抗61とリング電極側リード抵抗62は、それぞれ同じ抵抗値(R1)を有する導体ワイヤ2本から構成されており、植込型心臓ペースメーカに用いられる場合の抵抗値R1は、たとえば16Ω程度の低抵抗導体ワイヤが使用されている。また、生体組織の生体電気抵抗32は、1000Ω程度である。
【0013】
そこで、上述の使用条件で、4本の導体ワイヤのうちチップ電極側リード抵抗61の導体ワイヤ1本が断線した場合の抵抗変化を求めた例を図15に示す。図15(a)は、断線前後の各電気抵抗変化を示したものであり、チップ電極側リード抵抗61は、断線前の7.88Ωから断線後は15.76Ωに増加する。
【0014】
図15(b)は、図15(a)に基づき全電気抵抗変化を求めたものである。断線後の全電気抵抗(1023.63Ω)は、断線前(1015.76Ω)に比べ若干増加しているが、その増加率は1%程度(断線前後の全電気抵抗比1.008)とわずかである。また生体電気抵抗は、数10Ω程度の変動を示すこともあり、1%の抵抗増加から断線を予測するのは、かなり難しい作業といえる。
【0015】
一方、この他の双極タイプの生体植設用電極リードのリードボディとしては、平均径が異なる2種類の導体コイルと、それぞれの導体コイル間に位置する絶縁シースと、リードボディのもっとも外周に位置するシースから構成される同軸構造もある。
【0016】
ただし、従来の同軸構造のように、同じ極の導体ワイヤが互いに絶縁されていない場合には、隣り合う導体ワイヤ間で接触抵抗の影響を大きく受け、また、この接触抵抗は、生体内におけるリードの動きや変形などにより変動するため、外部から抵抗変化によって早期に検出することが困難を要する場合があった。
【0017】
しかしながら、心臓ペースメーカや植込型除細動装置に使用する生体植設用電極リードが完全に断線すると、患者が必要とする治療ができなくなり、死亡など最悪の事態をもたらす恐れがある。そのため、完全断線する前の早い段階で生体植設用電極リードの断線の予兆を発見することが望まれる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、双極タイプの絶縁平行巻きコイル構造を有する生体植設用電極リードにおいて、その電気抵抗を小さく維持することができ、しかも、同じ電極に配置される複数の導体ワイヤのうちの1本の導体ワイヤが、万が一断線した時点において、断線により生じる電気抵抗の変化を接触抵抗の影響を受けることなく検出し、完全断線する前の早い段階で、生体植設用電極リードの断線の予兆を報知することのできる生体植設用電極リードを提供することである。
【0019】
また、別の目的は、その生体植設用電極リードを用いたより安全に使用することのできる生体植設用医療器具を提供することである。
【0020】
上記課題を達成するための本発明の生体植設用医療器具は、以下のような構成を有する。
【0021】
すなわち、電気刺激を生体に伝えるか、生体からの電気信号を感知するか、または双方を行うために生体の所定部位に植設された少なくとも1つの電極を設けた遠位端と、生体植設用医療器具と接続するための接続手段を設けた近位端と、前記遠位端と前記近位端の間に設けられ、前記電極と前記接続手段とを電気的に接続するためのリードボディを有する生体植設用電極リードを用いた生体植設用医療器具であって、前記リードボディは、互いに異なる機械的強度を有し、かつ、互いに絶縁処理された複数のワイヤを含み、前記複数のワイヤは、前記少なくとも1つの電極ごとに、電気的に並列に接続することによって形成されており、前記複数のワイヤは、互いに異なる電気抵抗を有するワイヤであって、前記生体植設用電極リードが前記生体植設用医療器具と接続して使用されているときに、前記生体植設用医療器具の電気抵抗の変化により、前記異なるワイヤのうちの少なくとも1つが破損していることを判別し報知する報知手段を有することことを特徴とする。
【0023】
また好ましくは、前記複数のワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを含み、前記第1ワイヤは、第1の金属材料によって形成され、前記第2ワイヤは、前記第1の金属材料と異なる種類の金属材料によって形成されている。
【0024】
また好ましくは、前記複数のワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを含み、前記第1ワイヤは、第1の金属材料によって形成され、前記第2ワイヤは、第2の金属材料を内層とし、前記第2の金属材料の外表面上に前記第2の金属材料と異なる種類の金属材料を被覆して外層とした複合層を含む。
【0026】
また好ましくは、前記第1のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cm以上であり、第2のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cmより小さい
【0027】
また好ましくは、前記第1のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cm以上の金属材料であり、前記第2のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cmより小さい金属材料によって形成された層と電気抵抗率が5μΩ・cm以上の金属材料によって形成された層とを有する。また好ましくは、前記第2ワイヤの前記内層は銀を含み、前記層はコバルト合金を含む。
【0028】
また好ましくは、前記金属材料は合金材料を含む。
【0029】
また好ましくは、前記電極が植設されている生体の運動状態あるいは姿勢を計測する計測手段を、更に、有する。
【0030】
また好ましくは、前記計測手段は、加速度を測定する加速度センサ手段を有し、前記加速度センサ手段の測定結果に基づいて前記生体の運動状態あるいは姿勢を計測する。
更に、記憶手段を有し、前記計測手段による計測結果が所定条件を満たしたときに前記記憶手段への記録を行う。
【0031】
また好ましくは、前記報知手段は、前記複数のワイヤ全体の電気抵抗の変化に基づいて変化するパラメータを測定し、予め設定しておいた基準パラメータと比較し、前記基準パラメータよりも前記パラメータが小さい場合に、前記複数のワイヤのうちの少なくとも1つが破損していると報知する。
【0032】
また好ましくは、前記パラメータは、電流、周波数、または時間のうちのいずれか1つを含む。
【0035】
また好ましくは、前記リードボディは、前記互いに絶縁処理された複数のワイヤをヘリカル状に平行巻きとする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素の相対位置、数値などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0037】
[生体内植設用電極リードの第1の実施形態]
[心臓ペースメーカと生体内植設用電極リードの全体構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態である双極型の生体内植設用電極リード10と心臓ペースメーカ8の全体を示した外観図である。
【0038】
図1において、生体内植設用電極リード10は、心臓に固定する遠位端にチップ電極4と外周面にリング電極3とを備えており、心臓ペースメーカ8と接続する近位端にコネクタピン1と外周面にコネクタリング2とを備えており、またそれらを電気的に接続する所定の長さの可撓性を備えるリードボディ5から構成されている。
【0039】
チップ電極4は、コネクタピン1と接続され、リング電極3は、コネクタリング2と接続されている。このコネクタピン1、コネクタリング2は、心臓ペースメーカ8や植込型除細動装置(図示せず)のコネクタキャビティ9に機械的、電気的に着脱自在に接続されている。
【0040】
チップ電極4の近傍には、生体内植設用電極リード10を心内膜に固定するために心膣内の肉柱や腱策に引っ掛かるようにして不動状態にするための形状部(図示せず)を有する心内膜固定手段6が設けられている。
【0041】
また、スリーブ7は、リードボディ5を静脈挿入部近傍にて生体組織に固定する際のリードボディ5を保護するためのものであり、リードボディ5の長手方向に沿って可動となるようにリードボディ5の外周に取り付けられている。リードボディ5は、スリーブ7の外周とともに生体組織に縫合されて固定される。
【0042】
[双極型の生体内植設用電極リード]
次に、リードボディ5を構成する導体コイルや導体ワイヤについて図2〜図4を用いて説明する。
【0043】
図4は、図1におけるリードボディ5のA−A線矢視部分断面図である。リードボディ5は、絶縁コーティングが施された導体ワイヤ20、23、26、27をヘルカル状に巻いた絶縁4条平行巻き構造の導体コイル42と導体コイル42を絶縁被覆する絶縁シース41とから構成され、鎖骨と第一肋骨との間で繰り返し受ける圧搾力を軽減するために細くなっている。
【0044】
また、導体コイル42は、4本の導体ワイヤから構成され、このうちの2本が図2(a)に示す電気抵抗の小さい低抵抗導体ワイヤ20、26であり、残りの2本が図2(b)に示す電気抵抗の大きい高抵抗導体ワイヤ23、27である。これら4本の導体ワイヤを、図4(a)および(b)に示す絶縁4条平行巻き構造とすることにより、リードボディ5が変形したときに各導体ワイヤにかかる内部応力を軽減する。
【0045】
ここで、4本の導体ワイヤのうちの2本(低抵抗導体ワイヤ20と高抵抗導体ワイヤ23)が、図3に示すようにコネクタピン1とチップ電極4との間で並列接続されチップ電極側リード抵抗31を構成し、残りの2本(低抵抗導体ワイヤ26と高抵抗導体ワイヤ27)が、コネクタリング2とリング電極3との間で並列接続され、リング電極側リード抵抗33を構成する。
【0046】
なお、2本の低抵抗導体ワイヤ20、26と2本の高抵抗導体ワイヤ23、27の配列は、図4(a)と(b)に示す何れの形態も選択可能である。
【0047】
次に、図2を用いて、低抵抗導体ワイヤ20、26および高抵抗導体ワイヤ23、27について説明する。低抵抗導体ワイヤ20、26の第1層(外層)は、コア部を外部と絶縁するための絶縁被覆膜22であり、フッ素樹脂材料が用いられている。第2層(コア部)は、電気信号を送信するもので、銀、銅などの電気抵抗率の低い材料(第2の金属材料21)からなり、ここでは、銀が用いられている。
【0048】
また、高抵抗導体ワイヤ23、27の第1層(外層)にもコア部を外部と絶縁するためフッ素樹脂材料からなる絶縁被覆膜22が用いられている。第2層(コア部)は、電気信号を送信するもので、銀、銅などに比べて電気抵抗率の高いステンレス、コバルト基合金などの材料(第の金属材料24)からなり、ここでは、耐食性および機械特性に優れたコバルト基合金であるMP35Nが用いられている。
【0049】
次に、図3を用いて、2本の低抵抗の導体ワイヤを並列結合した双極型の生体内植設用電極リード10を生体組織および植設用心臓ペースメーカに接続した例を示す。
【0050】
生体植設用電極リード10のリードボディは、チップ電極側リード抵抗31とリング電極側リード抵抗33の2つの部分から構成されており、生体植設用電極リード10と生体組織とはチップ電極4とリング電極3によって接続され、生体組織と生体植設用電極リード10とは、電気的には、ほぼ図3に示すような直列結合の構成となっている。また生体植設用電極リード10は、植込型心臓ペースメーカとはコネクタピン1およびコネクタリング2とで接続されている。
【0051】
ここで、チップ電極側リード抵抗31は低抵抗導体ワイヤ20と高抵抗導体ワイヤ23と、リング電極側リード抵抗33は低抵抗導体ワイヤ26と高抵抗導体ワイヤ27から構成されており、本実施の形態では、図5に示すように低抵抗導体ワイヤ20と高抵抗導体ワイヤ23を用いたコイルの長さは550mmであり、このときの抵抗は、それぞれ4.06Ω、258.55Ωである。また、生体組織の生体電気抵抗32は、1000Ω程度である。
【0052】
[生体植設用電極リードの機械的強度]
ここで、生体植設用電極リード10を生体組織に取り付けた図3の状態で、生体植設用電極リード10に繰り返し引っ張り応力が働くことにより、生体植設用電極リード10を構成する4本の導体ワイヤのうちの1本が万が一破断する場合について考えてみる。なお、低抵抗導体ワイヤ20、26の引張強度は290MPaであり、高抵抗導体ワイヤ23、27の引張強度は520MPaである。
【0053】
このような条件下で、生体植設用電極リード10に繰り返し引っ張り応力が働いた場合、2本の低抵抗導体ワイヤ20、26のどちらか1本が最初に破断すると考えられる。
【0054】
[低抵抗導体ワイヤ破断時の全電気抵抗変化]
そこで、図3の条件で、低抵抗導体ワイヤ20が破損した時に生じる電気抵抗変化を求めた例を以下に示す。
【0055】
ここで、生体植設用電極リード10と生体組織から構成される全電気抵抗(Ω)は、(1)式で与えられる。
【0056】
Figure 0003977569
なお、生体電気抵抗は、1000Ωとし、チップ電極側リード抵抗あるいは電極側リングリード抵抗は、図3に示すように2本の並列結合をした導体コイルの抵抗のみであるとし、電極および接合部における抵抗は無視する。
【0057】
(1)式を用い、図5の条件で、チップ電極側リード抵抗31の低抵抗導体ワイヤ20が断線した場合の抵抗変化を求めた結果を図6に示す。
【0058】
図6(a)は、各部分の断線前後の抵抗変化を示したものであり、チップ電極側リード抵抗61は、断線前後で4.06Ωから258.55Ωに増加する。その結果、図6(b)に示すように全電気抵抗は、断線前の1008.13Ωから断線後1262.61Ωに増加し、断線により抵抗が25%増加している(断線前後の全電気抵抗比1.25)。
【0059】
この結果を、前述の図15と比較すると、に同じ低抵抗導体ワイヤ2本用いた場合(図15)では、抵抗増加は1%なのに対し、本実施の形態のように異なる抵抗値を有する導体ワイヤを使用することにより破断前後で抵抗変化を25%まで増加することができる。そのため、生体電気抵抗が若干変化しても、低抵抗導体ワイヤ1本が断線したことを破断前後の抵抗測定から推測することができる。
【0060】
なお、本実施形態の断線前の全電気抵抗(1008.13Ω)は、低抵抗導体ワイヤを用いている従来の全電気抵抗(1015.76Ω)と比較して、1%しか減少しておらず、本実施形態の生体内植設用電極リード10は、従来程度の低抵抗を維持できることが判る。
【0061】
以上の説明した例は、本実施の形態をコネクタピン1とコネクタリング2との間で、即ち双極モードでの抵抗測定であるが、リング電極3あるいはチップ電極4から他の基準点、例えば心臓ペースメーカ本体ケースとの間、即ち単極モードでの抵抗測定でも同様な効果があることは容易に理解できよう。
【0062】
[生体内植設用電極リードの第2の実施形態]
次に、図7〜図10を用いて本発明の第2の実施の形態である生体内植設用電極リード11について説明する。
【0063】
第2の実施形態と第1の実施形態生体内植設用電極リード10との違いは、図7(a)に示す生体内植設用電極リード11を構成する導体コイル43に使用される低抵抗導体ワイヤ40、44のみであり、図7(b)に示す高抵抗導体ワイヤ23、27やその他の構成、構造、動作などは、第1の実施の形態と全く同様であり、同様の構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
ここで、低抵抗導体ワイヤ40、44は、図7(a)に示すように3層構造になっている。第1層(外層)は、フッ素樹脂材料で作製された絶縁被覆膜22であり、第2層(第1コア部)は、電気抵抗率が比較的高い第1の金属材料24、例えば、ステンレス、コバルト基合金などで作製されており、耐食性および機械的特性に優れている。
【0065】
また第3層(第2コア部)は、電気抵抗率の低い第2の金属材料21、例えば、銀、銅などで作製されており、第2層と第3層を電気的に接触させることにより、導体ワイヤ全体としての電気抵抗を低く抑えている。本実施の形態では、第の金属材料24としてコバルト基合金であるMP35Nを、第の金属材料21として電気抵抗率が低い銀を用いている。
【0066】
なお、本実施形態で、図7(a)の3層構造の低抵抗導体ワイヤ40を用いたのは、破壊強度の低い銀ワイヤをコバルト基合金(MP35N)で被覆することにより、銀ワイヤを保護するためであり、低抵抗導体ワイヤ40は、高抵抗導体ワイヤ23に比べれば低いものの低抵抗導体ワイヤ20に比べ破壊強度が若干高くなっている。
【0067】
ここで、2本の低抵抗導体ワイヤ40、44と2本の高抵抗導体ワイヤ23、27を用いた導体コイル43の配列は、図9(a)と(b)に示す何れの形態も選択可能である。
【0068】
また、生体植設用電極リード11を生体組織と接続したときの構成は、図9の通りであり、低抵抗導体ワイヤ40、44の抵抗は、導体コイルの長さ550mmの本実施形態の場合15Ωであり、その他の抵抗は、図9に記載した第1の実施形態と同じ値である。
【0069】
[低抵抗導体ワイヤ破断時の全電気抵抗変化]
次に、生体植設用電極リード11を生体組織に取り付けた図8の状態で、前述のように生体植設用電極リード11に繰り返し引っ張り応力が働くことにより、生体植設用電極リード11を構成する4本の導体ワイヤのうちの1本が万が一破断する場合について考えてみる。
【0070】
なお、低抵抗導体ワイヤ40、44の引張強度は、高抵抗導体ワイヤ23、27の引張強度より低いため、このような条件下で、生体植設用電極リード11に繰り返し引っ張り応力が働いた場合、2本の低抵抗導体ワイヤ40、44のどちらか1本が最初に破断すると考えられる。
【0071】
そこで、図8の条件で、低抵抗導体ワイヤ40が破損した時に生じる電気抵抗変化を求めた結果を図10に示す。
【0072】
図10(a)は、断線前後の抵抗変化を示したものであり、チップ電極側リード抵抗51は断線前の14.85Ωから断線後は258.55Ωに増加し、(1)式で求めた断線後の全電気抵抗は、図10(b)に示すように断線前に比べて24%増加している(断線前後の全電気抵抗比1.24)。
【0073】
この断線後の全電気抵抗の増加率は、第1の実施形態で得られた結果(図6)と同じであり、第2の実施形態でも第1の実施形態と同じ検出感度で低抵抗導体ワイヤ40、44の断線を検出できることがわかった。
【0074】
なお、本実施形態の断線前の全電気抵抗(1029.70Ω)は、低抵抗導体ワイヤを用いている従来の全電気抵抗(1015.76Ω)と比較して、1%しか増加しておらず、本実施形態の生体内植設用電極リード10は、従来程度の低抵抗を維持していることが判る。
【0075】
以上のことから、生体植設用電極リード10あるいは生体植設用電極リード11のどちらを用いても全電気抵抗を低く抑えつつしかも万が一1本の導体ワイヤが破断した場合の断線を高感度で測定できることがわかった。
【0076】
以上の実施形態では、並列接続される2本のワイヤとして、電気抵抗や機械的特性の異なる金属材料を用いて実現していたが、本発明の原理は、必ずしもそれぞれのワイヤに用いられる金属材料に対して異なる特性を求めるものではない。
【0077】
同一の金属材料であっても、一方のワイヤを他方に対して径を細くする、あるいは一方のワイヤの外周面に溝を付けるなど、形状に差を持たせるだけでも電気抵抗や機械的特性の差異を持たせることが可能であり、結果として、早期のリード劣化を検出することが可能となる。
【0078】
[全電気抵抗の計測]
次に、本実施形態2の生体内植設用電極リード11を植込型の心臓ペースメーカ8に接続し、生体内に取り付けたときの全電気抵抗の計測方法について、図11〜図13を用いて説明する。
【0079】
図11は、全電気抵抗計測回路の具体例であり、図12は、図11で使用される各信号のタイミングチャートを示している。なお図12(a)は、生体内植設用電極リード10が正常に動作しているときの正常状態を示しており、図12(b)は、生体内植設用電極リード10を構成する低抵抗電極ワイヤ40が断線した場合の異常状態を示している。
【0080】
図11において、点線で囲んだ全電気抵抗計測回路60は、植込型心臓ペースメーカ8の一部として組み込まれているものであり、実で囲んだ部分は、図3または図8と同じで生体内植設用電極リード10を用いて植込型心臓ペースメーカ8を生体組織への接続する回路である。
【0081】
すなわち、植込型心臓ペースメーカ8と生体内植設用電極リード10は、コネクタピン1およびコネクタリング2とコネクタキャビティ9により接続されている。また、全電気抵抗計測回路60の電源として、COM61を基準(0V)として、VSS62側に−2.8[V]が与えられている。
【0082】
まず、全電気抵抗計測回路60の構成を説明する。FET51は、ペーシングパルスを出力するスイッチング用トランジスタであり、OP57はオペアンプ、COMP63は比較回路である。また、AND70はアンド回路であり、FF67は、フリップフロップ回路であり、C58は、10μFの出力コンデンサである。R7〜R12は抵抗であり、それぞれ、R7は10Ω、R8は1MΩ、R9は1MΩ、R10は490kΩ、R11は10kΩ、R12は1MΩの抵抗値を有している。
【0083】
次に、全電気抵抗計測回路60による電気抵抗計測動作例を説明する。
【0084】
[PTRGローレベル時のOP出力:ISNS(0)]
FET51へのペーシングトリガ信号PTRG52は、通常は図12(a)に示すようにローレベル(VSS:−2.8V)であり、t1〜t2間で示すパルス信号入力のときのみハイレベル(VSS:0V)となっており、PTRG52がローレベルの状態では、FET51は、オフ状態となっている。また、アフタパルス信号AFT55は、通常はハイレベル(COM:0V)であり、このときFET53 は、オフ状態となっている。
【0085】
このFET51およびFET53がオフ状態では、A点54にはCOM→R8→B点55→R9経由の電流のみが流れ、FET51を経由する電流は流れない。
【0086】
ここで、R8、R9は、B点56の動作点をOPアンプ57やコンパレータ63等の基準電圧AGに等しくするためのバイアス回路を構成している。基準電圧AGは、電源電圧の中間点、即ちVSS/2にとられている。
【0087】
R8、R9≫R7より、R7における電圧降下は、ほぼ0であり、B点56の電位は、VSS/2である。従って、この時のOP57出力:ISNS(0)は、(2)式となる。
【0088】
ISNS(0)=VSS/2 (2)
<PTRGハイレベル時のOP出力:ISNS(I)>
次に、ペーシングトリガ信号PTRG52が図12(a)に示されるパルス信号(ハイレベル:0V)として入力されると、FET51は、オン状態となり、出力コンデンサC58(10μF)を通して、ペーシングパルスがコネクタリング2とコネクタピン1間に発生する。
【0089】
この時の電圧、即ちペーシング電圧Vpは、コネクタリング2を基準にとると、コネクタピン1は−2.8[V]となる。この時に流れる電流、即ちペーシング電流Ipは、COM→コネクタリング2→リング電極3→チップ電極4→コネクタピン1→CO→FET1→R7→VSSという経路を通る。
【0090】
従って、FET1とR7の間の電位(A点54)は、VSSを基準とすると、(3)式で与えられる。
【0091】
V(I)=Ip・R7 (3)
また、R8とR9の接続部B点56の電位ISNS(I)は、ペーシング電流Ipに対してR8、R9経由の電流は充分小さいため(4)式で与えられる。
【0092】
ISNS(I)=(V(I)+VSS)/2 (4)
ここで、OP57による利得をG(=50倍)とすると、(4)式と(2)式からペーシング電流Ipが(5)式から求まる。
【0093】
Figure 0003977569
すなわち、ペーシング電流Ipは、(6)式となる。
【0094】
Ip=2・V(ISNS)/(G・R7) (6)
したがって、全電気抵抗ZL(=|Vp/Ip|) は、(6)式を用いて(7)式で表せる。
【0095】
ZL=|Vp/Ip|=Vp・G・R7/(2・V(ISNS)) (7)
ここで、Vp=−2.8[V]、R7=10[Ω]、G=50を代入すると、全電気抵抗ZLは、式8で求められる。
【0096】
ZL=700/V(ISNS) (8)
<全電気抵抗の測定:V(ISNS)>
従って、全電気抵抗を計測して、生体内植設用電極リード10の低抵抗導体ワイヤ40が1本断線したことを知るには、(8)式より、V(ISNS)の変化を測定すればよいことが判る。
【0097】
ただし、厳密にはペーシングパルス期間内に、ペーシング電流によるC58への充電などによって電圧が次第に上昇する。そこで、出力コンデンサC58として10μF程度を用い、ペーシングパルスの発生初期に計測すれば、計測値への影響は無視することができる。
【0098】
ペーシングパルスが終了した後は、図示しないAFT信号が所定の期間(数10ms)ローレベルとなり、FET53をオン状態にすることにより、C58に蓄積された電荷を放電させ、負荷の状態を初期状態に戻して、次の測定に備える必要がある。
【0099】
<V(ISNS)を用いた断線診断>
次に、V(ISNS)を用いた断線診断法を説明する。V(ISNS)は、(8)式より、(9)式で求められる。
【0100】
V(ISNS)=700/ZL (9)
ここで、図10の計算結果から、正常状態すなわち断線前の全電気抵抗Zを1028[Ω]、異常状態すなわち低抵抗導体ワイヤ1本が断線の全電気抵抗Zを1271[Ω]とすれば、断線前後のOP57の出力V(ISNS)62は、次式となる。
【0101】
正常状態での出力:V(ISNS)=0.68[V]
異常状態での出力:V(ISNS)=0.55[V]
この結果から、正常状態での出力と異常状態での出力の中間値0.61[V]をCOMP63で断線の有無を判断する比較電圧VREF65(=0.61[V])として設定する。
【0102】
ここで、COMP63への入力電圧がV(ISNS)>VREF65の条件を満足するときを正常状態、V(ISNS)<VREF65を満足するときを異常状態とすれば、V(ISNS)の計測値を用いて、正常状態と異常状態を判別できる。
【0103】
次に、V(ISNS)62、COMP63、VREF65、AND70およびFF77による断線の判別方法を具体的に説明する。図12の信号のタイムチャートのt1〜t2の期間において、PTRG52信号が出され、V(ISNS)62が計測される。
【0104】
COMP63は、入力されるV(ISNS)62とVREF65を比較し、V(ISNS)62>VREF65となる正常状態を示すV(ISNS)信号が入力した場合は、図12(a)の正常状態を示すCMPOUT69のローレベル信号(−2.8V)をt1〜t2の期間、出力する。
【0105】
また、V(ISNS)62<VREF65となる異常状態を示すV(ISNS)信号が入力した場合は、図12(b)の異常状態を示すCMPOUT69のハイレベル信号(0V)をt1〜t2の期間、出力する。
【0106】
次に、AND70では、t1〜t2間において、入力信号CMPOUT69とMES65の2つのパルス信号を比較し、CMPOUT69がローレベルでMES65がハイレベルの場合、図12(a)に示すようにANDOUT66としてローレベル(−2.8V)信号を出力する。また、CMPOUT69がハイレベルでMES65がハイレベルの場合、図12(b)に示すようにANDOUT66としてハイレベル(0V)信号をt1〜t2の期間、出力する。
【0107】
次に、フリップフロップFF67では、t1〜t2間において、入力信号ANDOUT69がローレベルの場合、図12(a)に示すようにFAIL68としてローレベル(−2.8V)信号を出力し、ANDOUT69がハイレベルの場合、図12(b)に示すようにFAIL68としてハイレベル(0V)信号を出力する。
【0108】
そこで、図12に示されるフリップフロップFF67より出力される信号FAIL68を用いて生体内植設用電極リード10の断線状態の判断を行い、FAIL68がハイレベルのときは、異常状態(断線)と判断し、ローレベルであれば正常状態と判断することができる。
【0109】
[単極モードでの抵抗測定]
以上説明してきたものは、双極モードでの抵抗測定であるが、単極モードにおいては、図11の中のコネクタリング2、R5、R6を削除し、リング電極3を心臓ペースメーカ本体ケースに置き換えて考えれば良い。従って、単極モードにおける抵抗測定でも同一の回路系で測定可能であることは容易に理解できよう。
【0110】
なお、リード抵抗の測定は、必ずしもペーシングパルス出力時に行わなければならないものではない。即ち、生体の心臓を拍動させることのできる電圧レベルには下限(ペーシング閾値)があり、リード抵抗測定時の出力パルス電圧レベルをそれ以下にすれば、ペーシングを伴わずにリード抵抗の測定が可能になる。
【0111】
具体的には、図11において、リード抵抗値におけるFET51のドレイン部の出力パルス電圧を比較的低い電圧レベル(例えば、0.1(V))となるようにFET51のゲート入力信号PTRGの電圧レベルをアナログ的に制御できるようにすることで達成できる。(FET67には、別途、従来通りのロジック信号を入力する。)
[断線の早期検出システム]
ところで、生体電気抵抗は、植込型心臓ペースメーカの植え込み直後の数日間では組織の炎症反応のため500〜1000[Ω]も変化する場合がある。また、植え込み後1ヶ月以上経過した安定期においても、体動などの影響により日内変動を起こす場合もある。
【0112】
そこで次に、これら生理的原因によるリード電気抵抗の変動に影響されずに、導体の断線の早期検出を可能にするシステムを提供する。
【0113】
図13にその一実施形態を示すブロック図を示す。図13において、電気抵抗計測部60は、図11の電気抵抗計測回路60を意味し、コネクタリング2端子、コネクタピン1端子に生体植設用電極リード11が接続される。
【0114】
本実施形態では、コネクタリング2端子−コネクタピン1端子間の電気抵抗計測を行っているが、生体植設用電極リードが単極リードの場合は、コネクタピン1端子と心臓ペースメーカの外装、即ちCASE端子との間の電気抵抗が計測される。
【0115】
電気抵抗計測部60から出力されるV(ISNS)は、CPU71の制御の下、A/D変換器72によって定期的にA/D変換され、RAM73内に記憶される。植込型の心臓ペースメーカ8には、直流出力が可能な3軸加速度センサ74が備わっており、この3軸加速度センサ74より、心臓ペースメーカ8が植え込まれた患者の運動状態のみならず姿勢をも検出することができる。
【0116】
このセンサ出力は、A/D変換器72によって、前述の電気抵抗計測の近傍の時点でA/D変換され、V(ISNS)62と時間関係が対応付けられた形で、3軸加速度の各成分別にRAM73内に記憶される。RAM73内に記憶されたデータは、一般的な心臓ペースメーカに装備されているものと同様な送受信手段76を用いて、体外のプログラマ75によって読み出すことができる。プログラマ75で読み出されたV(ISNS)62およびセンサデータを所定の条件で分析することによって、植え込まれている電極リードに異状が発生しているかどうかを早期に知ることができる。
【0117】
即ち、センサ出力のうち安静時、望ましくは就寝時のパターンに着目し、その時のV(ISNS)62を用いることにより、患者の体動や***によって影響されない全電気抵抗を判定が可能となる。
【0118】
この就寝時のパターンは、体動による交流成分が無く、かつ、3軸加速度成分のうち、進行方向成分がg(重力加速度)、これに直交する成分が0という条件で容易に判別可能である。プログラマ75において、パターンマッチングなどのソフトウエア処理により、センサ出力データの中から自動的にこのパターンを検出し、そのパターンが発生した時点に記録されたV(ISNS)62のみをプログラマ画面(図示せず)に表示するようにすれば、医師による検査時間をより短縮できるであろう。
【0119】
この処理を心臓ペースメーカ8の内部で行わせることも可能である。即ち、図13において、3軸加速度センサ74の出力から読み出された出力を一端記憶部に保存し、CPU71によってパターンマッチング処理を行い、所定の条件、例えば、前述の就寝時の条件にマッチングした時にRAM73にV(ISNS)62を記録すれば良い。この場合は、必ずしもセンサ出力を記録する必要は無い。
【0120】
計測手段の出力と3軸加速度センサの検出結果を関連づけを行う他の方法として、V(ISNS)62の替わりに、前述した電気抵抗計測部60内の比較出力FAILをRAM73内に記憶しても良い。この場合は定量的では無いもののより判りやすい表示が可能である。
【0121】
本実施形態では、「患者の運動状態、または***の少なくとも一方の状態を検出可能なセンサ」として3軸加速度センサ74を用いたが、1軸の加速度センサでもある程度の患者の状態を検出することは可能である。
【0122】
また、加速度センサに限らず、水銀球や圧電素子を用いた振動センサ、胸部電気抵抗計測法による換気量センサ等、一般にレート応答制御に用いられているセンサは、全て本発明の「患者の運動状態、または***の少なくとも一方の状態を検出可能なセンサ」に用いられ得るものである。
【0123】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲の範疇において、本明細書中に説明したものと実質的に同じ効果を得るために選択可能なすべての構成が含まれる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の双極タイプの絶縁平行巻きコイル構造を有する生体植設用電極リードは、その電気抵抗を小さく維持することができ、しかも、同じ電極に配置される複数の導体ワイヤのうちの1本の導体ワイヤが万が一断線した時点で、断線により生じる電気抵抗の変化を接触抵抗の影響を受けることなく検出し、完全断線する前の早い段階で、生体植設用電極リードの断線の予兆を報知することができた。また本発明の生体植設用電極リードを用いることにより、より安全に使用できる生体植設用医療器具を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】生体植設用電極リードの外観図である。
【図2】低抵抗および高抵抗導体ワイヤの断面図である。
【図3】生体植設用電極リードを生体と接続した回路図である。
【図4】生体植設用電極リードの断面図である。
【図5】導体ワイヤおよび導体コイルの寸法と特性を示した図である。
【図6】生体植設用電極リードを生体と接続したときの破断前後の電気抵抗変化を示す図である。
【図7】低抵抗および高抵抗導体ワイヤの断面図である。
【図8】生体植設用電極リードを生体と接続した回路図である。
【図9】生体植設用電極リードの断面図である。
【図10】生体植設用電極リードを生体と接続したときの破断前後の電気抵抗変化を示す図である。
【図11】全電気抵抗計測回路である。
【図12】各信号のタイミングチャートである。
【図13】断線の早期検出システムである。
【図14】従来の生体植設用電極リードを生体と接続した回路図である。
【図15】従来の生体植設用電極リードを生体と接続したときの破断前後の電気抵抗変化を示す図である。
【符号の説明】
1 コネクタピン
2 コネクタリング
3 リング電極
4 チップ電極
5 リードボディ
6 心内膜固定手段
7 スリーブ
8 心臓ペースメーカ
9 コネクタキャビティ
10、11 生体植設用電極リード
32 生体電気抵抗
31、51、61 チップ電極側抵抗
33、53、62 リード電極側抵抗
42、43 導体コイル
20、26 低抵抗導体ワイヤ
40、44 低抵抗導体ワイヤ
23、27 高抵抗導体ワイヤ
21 第1の金属材料
22 絶縁被覆膜
24 第2の金属材料
41 絶縁シース

Claims (13)

  1. 電気刺激を生体に伝えるか、生体からの電気信号を感知するか、または双方を行うために生体の所定部位に植設された少なくとも1つの電極を設けた遠位端と、生体植設用医療器具と接続するための接続手段を設けた近位端と、前記遠位端と前記近位端の間に設けられ、前記電極と前記接続手段とを電気的に接続するためのリードボディを有する生体植設用電極リードを用いた生体植設用医療器具であって、
    前記リードボディは、互いに異なる機械的強度を有し、かつ、互いに絶縁処理された複数のワイヤを含み、
    前記複数のワイヤは、前記少なくとも1つの電極ごとに、電気的に並列に接続することによって形成されており、
    前記複数のワイヤは、互いに異なる電気抵抗を有するワイヤであって、
    前記生体植設用電極リードが前記生体植設用医療器具と接続して使用されているときに、前記生体植設用医療器具の電気抵抗の変化により、前記異なるワイヤのうちの少なくとも1つが破損していることを判別し報知する報知手段を有することを特徴とする生体植設用医療器具。
  2. 前記複数のワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを含み、前記第1ワイヤは、第1の金属材料によって形成され、前記第2ワイヤは、前記第1の金属材料と異なる種類の金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項に記載の生体植設用医療器具
  3. 前記複数のワイヤは、第1ワイヤと第2ワイヤを含み、前記第1ワイヤは、第1の金属材料によって形成され、前記第2ワイヤは、第2の金属材料を内層とし、前記第2の金属材料の外表面上に前記第2の金属材料と異なる種類の金属材料を被覆して外層とした複合層を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体植設用医療器具
  4. 前記第1のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cm以上であり、第2のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cmより小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の生体植設用医療器具
  5. 前記第1のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cm以上の金属材料であり、前記第2のワイヤは、電気抵抗率が5μΩ・cmより小さい金属材料によって形成された層と電気抵抗率が5μΩ・cm以上の金属材料によって形成された層とを有することを特徴とする請求項3に記載の生体植設用医療器具
  6. 前記第2ワイヤの前記内層は銀を含み、前記外層はコバルト合金を含むことを特徴とする請求項3または請求項5に記載の生体植設用医療器具
  7. 前記金属材料は合金材料を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の生体植設用医療器具
  8. 前記電極が植設されている生体の運動状態あるいは姿勢を計測する計測手段を、更に、有することを特徴とする請求項に記載の生体植設用医療器具。
  9. 前記計測手段は、加速度を測定する加速度センサ手段を有し、前記加速度センサ手段の測定結果に基づいて前記生体の運動状態あるいは姿勢を計測することを特徴とする請求項に記載の生体植設用医療器具。
  10. 更に、記憶手段を有し、前記計測手段による計測結果が所定条件を満たしたときに前記記憶手段への記録を行うことを特徴とする請求項または請求項に記載の生体植設用医療器具。
  11. 前記報知手段は、前記複数のワイヤ全体の電気抵抗の変化に基づいて変化するパラメータを測定し、予め設定しておいた基準パラメータと比較し、前記基準パラメータよりも前記パラメータが小さい場合に、前記複数のワイヤのうちの少なくとも1つが破損していると報知することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の生体植設用医療器具。
  12. 前記パラメータは、電流、周波数、または時間のうちのいずれか1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の生体植設用医療器具。
  13. 前記リードボディは、前記互いに絶縁処理された複数のワイヤをヘリカル状に平行巻きとすることを特徴とする請求項乃至請求項12のいずれか1項に記載の生体植設用医療器具。
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