JP3976833B2 - トリアジン誘導体およびそれを用いた発色性記録材料 - Google Patents

トリアジン誘導体およびそれを用いた発色性記録材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なトリアジン誘導体および該誘導体を含有する発色画像の保存安定性の優れた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は現像定着等の煩雑な処理を施すことなく、比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙または数枚を同時複写する帳票のための感圧複写紙などで広く使用されている。
これらの記録材料としては、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」と言う)の白度が保持され、また発色した画像および地肌の堅牢性の高いものが要望されている。更に近年に至ってはラベル等記録画像の信頼性の重視される分野で多量に使用されるようになり、包装に使用される有機高分子材料に含まれる可塑剤や油脂類等に対して保存安定性の高い発色画像を有する記録材料が強く要望されてきた。その為に、発色性染料および顕色剤はもとより、保存安定剤等種々の助剤の開発等多方面から問題解決の検討がなされているが、十分満足できるものは未だ見いだされていない。
【0003】
本発明の化合物に類似するものとしては、ジフェニルスルホン誘導体が挙げられる。これらは記録材料用の顕色剤で知られており、一方がアルコキシ基またはアラルキルオキシ基であり、他方がヒドロキシ基であるジフェニルスルホン誘導体が特開昭57−210886号、特開昭58−20493号、特開昭58−82788号、特開昭58−132593号、特開昭60−13852号、国際公開WO84/02882号等で提案されている。しかし、いずれにしても上述した画像の保存安定性の点で未だ充分であるとはいいがたい。
【0004】
また、最近では上述した保存性を改良する方法として、ノボラック型エポキシ樹脂あるいはグリシジル化合物等のエポキシ基を含有する記録材料の出願が多く出されており、本出願人も4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン(国際公開WO93/06074号)やフェネチルアルコール誘導体(国際公開WO94/07832号)などを出願しているが地肌汚れや保存安定性の点で実用化には尚、不十分な部分がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
記録材料においては、発色した画像の保存安定性、特に近年では耐可塑剤性の改良が待たれている。本発明の目的は、この様な問題を解決する発色画像の保存安定性が優れた記録材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)
【0007】
【化4】
Figure 0003976833
【0008】
〔式中、A1 ,A2 は同一または異なってよく
【0009】
【化5】
Figure 0003976833
【0010】
を表わす。
1 ,G2 ,G3 は同一または異なってよく
【0011】
【化6】
Figure 0003976833
【0012】
またはハロゲン原子、水酸基、水素原子、C1 〜C6 アルコキシ基、C1 〜C6アルキルチオ基、エーテル結合を有するアルコキシ基、エーテル結合を有するアルキルチオ基、チオエーテル結合を有するアルコキシ基、チオエーテル結合を有するアルキルチオ基、ヒドロキシアルコキシ基、ヒドロキシアルキルチオ基、1級または2級のC1 〜C6 アルキルアミノ基、1級または2級のC1 〜C6 ヒドロキシアルキルアミノ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、(水酸基、C1 〜C4アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基を表す。
1 ,W2 ,W3 は同一または異なってよく水素原子、C1 〜C4 のアルキル基を表わす。
【0013】
1 〜r8 は水酸基、ハロゲン原子、C1 〜C6 アルキル基、C2 〜C4 アルケニル基を表わす。
d,e,f,g,h,i,j,kは0〜4の整数を表わし、2以上の時、r1〜r8 は異なっていてもよい。
aは0〜2の整数を表わす。〕
で表わされるトリアジン誘導体およびそのトリアジン誘導体の少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)で表わされるトリアジン誘導体はトリアジン骨格とそれに結合するジフェニルスルホン化合物が必須である。また、2つ以上のトリアジンがジアミン化合物により架橋されていることが必要である。
一般式(I)中のA1 ,A2 は具体的には、下記のものをあげることができる。
【0015】
【化7】
Figure 0003976833
【0016】
一般式(I)中のG1 ,G2 ,G3 は具体的には下記のものをあげることができる。
【0017】
【化8】
Figure 0003976833
【0018】
また、水素原子、水酸基、塩素、臭素、フッ素、ヨードなどのハロゲン、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシなどのC1 〜C6 のアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、tert−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、1−メチルペンチルチオ、2−メチルペンチルチオなどのC1 〜C6 のアルキルチオ基、メトキシエチレンオキシなどのエーテル結合を有するアルコキシ基、メトキシエチレンチオなどのエーテル結合を有するアルキルチオ基、メチルチオエチレンオキシなどのチオエーテル結合を有するアルコキシ基、メチルチオエチレンチオなどのチオエーテル結合を有するアルキルチオ基、ヒドロキシエチレンオキシなどのヒドロキシアルコキシ基、ヒドロキシエチレンチオなどのヒドロキシアルキルチオ基、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの1級または2級のC1 〜C6 アルキルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ、ジ(ヒドロキシエチル)アミノなどの1級または2級のC1 〜C6 ヒドロキシアルキルアミノ基、フェノキシ、p−ヒドロキシフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、フェニルチオ、p−ヒドロキシフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、アニリノなどの(水酸基、C1 〜C4アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、ベンジロキシ、p−メチルベンジロキシ、フェネチルオキシなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基を具体的に挙げることができる。上記置換基中のC1 〜C4 アルキル基とはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどを表し、ハロゲン原子とは塩素、臭素、フッ素、ヨードを表す。
【0019】
一般式(I)中のW1 ,W2 ,W3 は具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのC1 〜C4 のアルキル基を例示できる。
一般式(I)中のr1 〜r8 は具体的には水酸基、塩素、臭素、フッ素、ヨードなどのハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基などのC1 〜C6 のアルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基などC2 〜C4 のアルケニル基などが挙げられる。
【0020】
d,e,f,g,h,i,j,kは0〜4の整数を表わし、2以上の複数の置換基を表わす場合は、置換基は異なっていてもよい。
一般式(I)中のaは0〜2の整数を表わし、それぞれの単体でも、2つ以上を含む混合物であってもよい。
一般式(I)で表わされる化合物は次に示される反応式によって製造できる。原料として使用するジフェニルスルホン誘導体としては、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン誘導体または、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン誘導体が入手しやすく好ましい。
【0021】
【化9】
Figure 0003976833
【0022】
上記反応において、▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼は、塩基性物質の存在下、有機溶媒または水と有機溶媒の二層系で行う。
有機溶媒系での反応では、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのような水溶性有機溶媒中で、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、キノリン、ピコリン等の有機アミン存在下、反応温度0〜120℃で数時間〜+数時間反応が行われる。
【0023】
また、水と有機溶媒の二層系での反応では、例えばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系有機溶媒、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン系の有機溶媒、酢酸エチル等のエステル系有機溶媒などの非水溶性有機溶媒中で、アルカリ性物質、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属類の水酸化物、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等又はトリエチルアミン等の有機アミン系化合物の存在下、反応温度−20℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃で数時間から十数時間反応が行われる。
反応後、溶媒で選択抽出し、カラムクロマトグラフィーで単離精製することにより純度の高い単一化合物を得ることができる。
【0024】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明化合物を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
化合物はNMR,IRにより同定した。また、本発明の化合物や組成物は結晶を析出させる際の条件、例えば溶媒の種類、析出温度などによって結晶形が異なったり、アモルファス状になったり、あるいは溶媒と付加体を形成する場合がある。これらは、結晶の融点、赤外分光分析、熱分析あるいはX線回折分析等で明らかにすることができ、本発明に属する。
【0025】
実施例1
【0026】
【化10】
Figure 0003976833
【0027】
2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン70g(0.389mol)をアセトニトリル300ml/水200mlに溶解させ、1,6−ジアミノヘキサン20g(0.172mol)を水100mlで溶解した溶液を0℃で1時間かけて滴下した。この反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液140g(0.35mol)を温度0℃〜室温でpH7以下にならないように滴下し、反応を行い、析出した結晶を濾過、50%アセトニトリル水溶液100mlで洗浄後乾燥して、1,6−ビス(4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)ヘキサン68gを得た。
融点は141〜147℃であった。
【0028】
得られたトリアジン2量体35g(87mmol)、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(BPS)220g(880mmol)をアセトニトリル1000mlに室温で溶解した後、トリエチルアミン89g(880mmol)を室温で加え、加熱還流下、16時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトン(MIBK)1500mlを加え、水1000mlで2回洗浄した。0.5%水酸化ナトリウム水溶液300mlで数回洗浄し、未反応のBPSを除いた。MIBKを減圧下、濃縮し、残渣に酢酸エチル500mlを加え、結晶を析出させ、濾過、乾燥して1,6−ビス{4−〔4−(4−ヒドロキシ)フェニルスルホニル〕フェノキシ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ}ヘキサン60gを得た。
融点は160〜165℃であった。
【0029】
次いで、本発明の一般式(I)で表わされるトリアジン誘導体の代表例を第1表及び第2表に示した。
【0030】
【表1】
Figure 0003976833
【0031】
【表2】
Figure 0003976833
【0032】
【表3】
Figure 0003976833
【0033】
【表4】
Figure 0003976833
【0034】
【表5】
Figure 0003976833
【0035】
【表6】
Figure 0003976833
【0036】
【表7】
Figure 0003976833
【0037】
【表8】
Figure 0003976833
【0038】
【表9】
Figure 0003976833
【0039】
【表10】
Figure 0003976833
【0040】
【表11】
Figure 0003976833
【0041】
【表12】
Figure 0003976833
【0042】
【表13】
Figure 0003976833
【0043】
【表14】
Figure 0003976833
【0044】
【表15】
Figure 0003976833
【0045】
【表16】
Figure 0003976833
【0046】
【表17】
Figure 0003976833
【0047】
【表18】
Figure 0003976833
【0048】
【表19】
Figure 0003976833
【0049】
【表20】
Figure 0003976833
【0050】
【表21】
Figure 0003976833
【0051】
【表22】
Figure 0003976833
【0052】
【表23】
Figure 0003976833
【0053】
【表24】
Figure 0003976833
【0054】
【表25】
Figure 0003976833
【0055】
【表26】
Figure 0003976833
【0056】
【表27】
Figure 0003976833
【0057】
【表28】
Figure 0003976833
【0058】
【表29】
Figure 0003976833
【0059】
【表30】
Figure 0003976833
【0060】
【表31】
Figure 0003976833
【0061】
【表32】
Figure 0003976833
【0062】
【表33】
Figure 0003976833
【0063】
【表34】
Figure 0003976833
【0064】
【表35】
Figure 0003976833
【0065】
【表36】
Figure 0003976833
【0066】
【表37】
Figure 0003976833
【0067】
本発明は、発色性染料を含有する記録材料において、一般式(I)で表されるトリアジン誘導体の少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料である。
本発明の化合物は発色性染料を使用する記録材料ならばどの様な用途にでも使用でき、例えば感熱記録材料または感圧複写材料等に利用することができる。
【0068】
本発明の化合物において注目すべきことは、耐可塑剤性に優れた顕色剤または耐可塑剤性を有する画像保存安定剤として使用できることである。
発色性染料を含む記録材料の製造方法は一般的に行われている方法でよく、例えば、画像保存安定剤としての用途の場合には他の顕色剤と増感剤等各種助剤類と一緒に使用し、顕色剤としての用途の場合には増感剤等各種助剤類と一緒に使用して製造する。勿論、本発明の化合物を組み合わせて、一方を画像保存安定剤、他方を顕色剤として使用することも可能である。また本発明の化合物と同じ用途の化合物を併用して、発色特性に特徴を持たせた記録材料を製造することも可能である。
【0069】
この様に本発明の化合物のように画像保存安定剤と顕色剤の両用途の特性を有することは、発色性染料に対する画像保存安定剤と顕色剤の相対的な使用量を相互に減じることでより安価に記録材料を製造することができ、極めて有利である。
本発明の化合物を感熱記録紙に使用する場合には、既知の画像保存安定剤、顕色剤の使用方法と同様に行えばよく、例えば、本発明の化合物の微粒子および発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロールなどの水溶性結合剤の水溶液中に分散させた懸濁液を混合して紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造できる。
【0070】
発色性染料に対する本発明の化合物の使用割合は、画像保存安定剤として使用する場合には、発色性染料1重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部であり、顕色剤として使用する場合には、発色性染料の1重量部に対し1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部の割合である。
一般式(I)の化合物を二種以上使用する時の混合方法は、粉体として混合しても、塗布液の調製分散時に添加しても、分散液の状態で添加してもよい。また化合物の製造方法を選択することにより、二種以上の化合物が同時に含有した組成物を使用してもよい。
【0071】
本発明の化合物、組成物の中には前記したように同じ化合物でも結晶化度や結晶形が異なったもの、アモルファス状のもの、溶媒の付加物などが含まれるがこれらの化合物を使用した場合、記録材料の地肌や感度が改善される場合がある。また塗布液中のこれらの化合物の粒径を細かくすると感度が改善される場合がある。特に結晶化度の高いものはアモルファスのものに比べて地肌の白色度、地肌の耐熱性に優れている。
【0072】
上記分散液中には更に他の顕色剤、他の画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ含有させることができる。
これらの薬剤は、発色層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合には、例えば保護層等任意の層中に含有せしめてもよい。特に、発色層の上部および/または下部にオーバーコート層やアンダーコート層を設けた場合、これらの層には酸化防止剤、光安定剤などを含有することができる。さらに、酸化防止剤、光安定剤は必要に応じマイクロカプセルに内包するかたちで、これらの層に含有させることができる。
【0073】
本発明の記録材料に使用される発色性染料としては、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質である顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば使用できる。また、これらの発色性染料は単独で使用し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論であるが、それらの2種以上を混合使用することができる。例えば赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料または黒発色染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0074】
これらの染料のうち、フルオラン系のものを例示すれば、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン、
3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(N,N′−ジベンジルアミノ)フルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、
2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン等が挙げられる。
【0075】
また、近赤外吸収染料としては、
3−(4−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3,3−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3′−フタリド〕等が挙げられる。
その他、3,3−ビス(4′−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリドなども挙げられる。
【0076】
本発明の化合物、組成物を画像保存安定剤として使用する場合あるいは更に他の顕色剤と組み合わせて使用する場合の感熱記録紙の顕色剤としてその代表的なものを例示すると、
ビスフェノールA、4,4′−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物、4,4′−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノール化合物、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ)サリチル酸などのサリチル酸類、サリチル酸亜鉛、ビス{4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸}亜鉛等のサリチル酸金属塩、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒドロキシスルホン類、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、更にトリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類、4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類、テトラシアノキノジメタン類、2,4−ジヒドロキシ−2′−メトキシベンズアニリドなどを挙げることができる。
【0077】
本発明の化合物、組成物を顕色剤として使用する場合あるいは更に他の画像保存安定剤と組み合わせて使用する場合の感熱記録紙の画像保存安定剤としてその代表的なものを例示すると、4−ベンジルオキシ−4′−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、などのエポキシ基含有ジフェニルスルホン類、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−(α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0078】
増感剤としては例えば、ステアリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、ベンズアミド、ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(tert−ブチルフェノール)類、ジフェニルスルホンおよびその誘導体、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4′−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4′−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル等を挙げることができる。好ましくは、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテルなどのエーテル類、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、などの芳香族炭化水素類を挙げることができる。さらに好ましくは、ジフェニルスルホンおよびその誘導体、特に4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類および2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類が好ましく、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン、2,4′−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等を例示することができる。
【0079】
填料としては、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメントなどが使用できる。特に本発明の記録材料ではアルカリ土類金属の塩が好ましい。さらに炭酸塩が好ましく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好適である。填料の使用割合は、発色染料1重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。また、上記その他の填料を混合して使用することも可能である。
【0080】
分散剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
酸化防止剤としては2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−〔4−{1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル}−α,α−ジメチルベンジル〕フェノール等を挙げることができる。
【0081】
減感剤としては脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
粘着防止剤としてはステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を例示することができる。
【0082】
光安定剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−トリデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−テトラデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ペンタデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ヘキサデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1′−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)〕フェノール、ポリエチレングリコールとメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−tert−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステルなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤、1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレンおよびその関連化合物などを挙げることができる。
【0083】
蛍光染料としては、以下のものが例示できる。
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4−〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕−4′−〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
【0084】
本発明の化合物、組成物を感圧複写紙に使用するには既知の画像保存安定剤、顕色剤あるいは増感剤を使用する場合と同様にして製造できる。例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作製する。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シートを作製する。その際、本発明の化合物を画像保存安定剤として使用する場合には発色剤シートあるいは顕色剤シートのいずれの分散液中に分散して使用してもよい。このようにして作製された両シートを組合せて感圧複写紙が作製される。感圧複写紙としては、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを下面に塗布担持している上用紙と顕色剤(酸性物質)を上面に塗布担持している下用紙とからなるユニットでも、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。
【0085】
その際使用する顕色剤または本発明化合物と混合して使用する顕色剤としては従来既知のものが用いられ、例えば酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質、蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸、これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩、p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤、これらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0086】
次に、本発明の記録材料について実施例を挙げて詳細に説明するが、必ずしもこれだけに限定されるものではない。
実施例2(感熱記録紙の作製)
染料分散液(A液)
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 20.0g
ポリビニルアルコール10%水溶液 105.0g
顕色剤分散液(B液)
本発明の化合物 20.0g
ポリビニルアルコール10%水溶液 105.0g
増感剤分散液(C液)
シュウ酸ビス(4−メチルベンジル) 20.0g
ポリビニルアルコール10%水溶液 105.0g
填料分散液(D液)
ポリビニルアルコール10%水溶液 26.2g
填料(炭酸カルシウム) 27.8g
純水 71.0g
【0087】
上記組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで十分に摩砕して、A液、B液、C液及びD液の各分散液を調製し、A液1重量部、B液2重量部、C液1重量部及びD液4重量部、及びステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂製のハイドリンZ−7−30)0.5重量部を混合して塗布液を調製した。この塗布液をワイヤーロッド(No.12)を使用して白色紙に塗布・乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作製した(塗布量は乾燥重量で約5.5g/m2 )。
【0088】
比較例1
実施例2のB液において本発明化合物のかわりに、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンを使用し、他は実施例2と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0089】
試験例1(感熱記録紙の耐可塑剤性試験)
実施例2および比較例1で作製した感熱記録紙について、感熱紙発色試験装置(大倉電機製 TH−PMD型)を使用し、印字電圧26v、パルス幅1.8msの条件で市松模様に発色させ、その発色面に塩化ビニルラップフィルムを密着させた。その状態で40℃雰囲気下96時間、耐可塑剤性試験を行った。試験前後の発色濃度をマクベス反射濃度計RD−514(使用フィルター:#106)で測定した。その結果を第3表に示した。
【0090】
【表38】
Figure 0003976833
【0091】
第3表における測定値は、大きい数値ほど発色濃度が高いことを表している。また残存率は大きい数値ほど褪色が少ないことを示している。
【0092】
【発明の効果】
本発明のトリアジン誘導体を含有する記録材料は発色画像の保存安定性に優れ、特に耐油性、耐可塑剤性に優れている。

Claims (2)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003976833
    〔式中、A1 ,A2 は同一または異なってよく
    Figure 0003976833
    を表わす。
    1 ,G2 ,G3 は同一または異なってよく
    Figure 0003976833
    またはハロゲン原子、水酸基、水素原子、C1 〜C6 アルコキシ基、C1 〜C6アルキルチオ基、エーテル結合を有するアルコキシ基、エーテル結合を有するアルキルチオ基、チオエーテル結合を有するアルコキシ基、チオエーテル結合を有するアルキルチオ基、ヒドロキシアルコキシ基、ヒドロキシアルキルチオ基、1級または2級のC1 〜C6 アルキルアミノ基、1級または2級のC1 〜C6 ヒドロキシアルキルアミノ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、(水酸基、C1 〜C4アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基を表す。
    1 ,W2 ,W3 は同一または異なってよく水素原子、C1 〜C4 のアルキル基を表わす。
    1 〜r8 は水酸基、ハロゲン原子、C1 〜C6 アルキル基、C2 〜C4 アルケニル基を表わす。
    d,e,f,g,h,i,j,kは0〜4の整数を表わし、2以上の時、r1〜r8 は異なっていてもよい。
    aは0〜2の整数を表わす。〕
    で表わされるトリアジン誘導体。
  2. 発色性染料を含有する記録材料において請求項1記載のトリアジン誘導体の少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料。
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