JP3964668B2 - フェノール性化合物及びそれを用いた記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なヒドラジン誘導体、およびそれを含有した画像の保存安定性に優れた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料としては、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」という)の白度が保持され、又発色した画像の堅牢性の高いものが要望されているが、長期保存安定性の面から、特に画像の耐光性に優れた記録材料が求められている。そのために、発色性染料、顕色剤、保存安定剤等の開発努力がなされているが、発色の感度、地肌並びに画像の保存性などのバランスが良く、充分に満足できるものは未だ見出されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記のような従来の記録材料が有する欠点を改善し、発色感度が高く、かつ地肌及び画像の保存性が優れた記録材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は一般式(I)
【化3】
〔式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシを表わし、
m、nは1〜3の整数を表わし、
R1またはR2の少なくとも1つは水酸基であり、
R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、C1〜C6アルキル基、フェニル基を表わし、
R5、R6はそれぞれ独立して水素原子、C1〜C6アルキル基を表わし、
Xはスルホニル基、カルボニル基を表わし、
pは1〜3の整数であり、
qは0または1、2の整数である。〕
で表わされるヒドラジン誘導体およびそれらの化合物のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料である。
【0005】
ここで一般式(I)において、
R1、R2としては水素原子;水酸基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等のC1〜C6アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のC1〜C6のアルコキシ基を挙げることができる。
R3、R4としては水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等のC1〜C6アルキル基またはフェニル基を挙げることができる。
R5、R6としては水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等のC1〜C6アルキル基を挙げることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する一般式(I)で表わされる化合物は、
一般式(II)
【化4】
で表わされる化合物と、
一般式(III)
【化5】
で表わされる化合物とをメタノール等の有機溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。
S(O)qが、SO、SO2の化合物は、上記方法で得られた化合物を、適した溶媒中で、過酸化水素水またはm−クロロ過安息香酸等の酸化剤で酸化することにより得られる。
【0007】
このようにして合成することができる化合物を第1表に示した。
【0008】
【表101】
【0009】
【表102】
【0010】
【表103】
【0011】
【表104】
【0012】
【表105】
【0013】
【表106】
【0014】
【表107】
【0015】
【表108】
【0016】
【表109】
【0017】
【表110】
【0018】
【表111】
【0019】
【表112】
【0020】
【表113】
【0021】
【表114】
【0022】
【表115】
【0023】
【表116】
【0024】
(記録材料)
本発明は発色性染料を使用する記録材料ならばどの様な用途にも使用でき、例えば感熱記録材料または感圧複写材料等に利用することができる。
また本発明は、発色能の低下、保存性の低下を招くとされている古紙パルプを含有する支持体においても優れた性能を発揮することがでる。
【0025】
本発明を感熱記録紙に使用する場合には、既知の画像保存安定剤、顕色剤の使用方法と同様に行えばよく、例えば、本発明の化合物の微粒子および発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロールなどの水溶性結合剤の水溶液中に分散された懸濁液を混合して紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造できる。
【0026】
本発明においては、発色層の上部および/または下部にオーバーコート層やアンダーコート層を設けることができ、層の主成分としては、焼成クレー、焼成カオリン、プラスチック中空フィラー、セラミック中空フィラー等を使用することができる。これらの層にはさらに酸化防止剤、光安定剤などを含有することができ、必要に応じマイクロカプセルに内包するかたちで、これらの層に含有させることができる。
【0027】
発色性染料に対する一般式(I)表される化合物の使用割合は、発色性染料1重量部に対して、一般式(I)表される化合物が1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部である。
本発明の記録材料の中には、発色性染料並びに、一般式(I)で表される化合物以外に公知の顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ1種または2種以上含有させることができる。
【0028】
これらの薬剤は、発色層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合には、例えば保護層等任意の層中に含有せしめてもよい。
【0029】
本発明の記録材料に使用される発色性染料としては、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質である顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば使用できる。また、これらの発色性染料は単独で使用し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論であるが、それらの2種以上を混合使用することができる。例えば赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料または黒発色染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0030】
これらの染料のうち、フルオラン系のものを例示すれば、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0031】
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アラリノフルオラン、
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アラリノフルオラン、
3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン、
3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(N,N′−ジベンジルアミノ)フルオラン、
3,6−ドメトキシフルオラン
2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン等が挙げられる。
【0032】
また、近赤外吸収染料としては、
3−(4−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3,3−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3′−フタリド〕等が挙げられる。
その他、3,3−ビス(4′−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリドなども挙げられる。
【0033】
前記の顕色剤としては、ビスフェノールA、4,4′−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物、安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ)サリチル酸などのサリチル酸類、サリチル酸亜鉛、ビス〔4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸〕亜鉛等のサリチル酸金属塩、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒドロキシスルホン類、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、更にトリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類、4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類、テトラシアノキノジメタン類、2,4−ジヒドロキシ−2′−メトキシベンズアニリド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
または式(IV)、
【化6】
で表わされるジフェニルスルホン架橋型化合物もしくはそれらの混合物等を挙げることができる。
【0034】
画像安定剤としては、4−ベンジルオキシ−4′−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、などのエポキシ基含有ジフェニルスルホン類、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−(α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0035】
増感剤としては例えば、ステアリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、ベンズアミド、ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(tert−ブチルフェノール)類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4′−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4′−メチルジフェニルメタン等を挙げることができる。
【0036】
填料としては、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメントなどが使用できる。特に本発明の記録材料ではアルカリ土類金属の塩が好ましい。さらに炭酸塩が好ましく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好適である。填料の使用割合は、発色染料1重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。また、上記その他の填料を混合して使用することも可能である。
【0037】
分散剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
【0038】
酸化防止剤としては2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン等を挙げることができる。
【0039】
減感剤としては脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
粘着防止剤としてはステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を例示することができる。
【0040】
光安定剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−トリデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−テトラデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ペンタデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ヘキサデシル−5′−メチルフェニル)ヘンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2.−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1′−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールとメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−tert−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステルなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0041】
蛍光染料としては、以下のものが例示できる。
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4−〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕−4′−〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
【0042】
4,4′−ビス〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
【0043】
本発明の化合物を感圧複写紙に使用するには既知の画像保存安定剤、顕色剤あるいは増感剤を使用する場合と同様にして製造できる。例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作製する。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シートを作製する。その際、本発明の化合物を画像保存安定剤として使用する場合には発色剤シートあるいは顕色剤シートのいずれの分散液中に分散して使用してもよい。このようにして作製された両シートを組合せて感圧複写紙が作製される。感圧複写紙としては、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを下面に塗布担持している上用紙と顕色剤(酸性物質)を上面に塗布担持している下用紙とからなるユニットでも、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。
【0044】
その際使用する顕色剤または本発明化合物と混合して使用する顕色剤としては従来既知のものが用いられ、例えば酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質、蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、スイアリン酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸、これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩、p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤、これらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0045】
【実施例】
以下、具体的に実施例をあげて発明の詳細について述べるが、必ずしもそれだけに限定されるものではない。
【0046】
実施例1
N−ベンゾ−N′−{2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセト}ヒドラジドの合成
撹拌機、温度計を備えた200mlの4口フラスコに4−メルカプトフェノール3.03g(24.0mmol)、水酸化カリウム1.35g(24.0mmol)、メタノール100mlを常温で添加した。水酸化カリウムが溶解したのを確認後、内温を10℃まで冷却しN−ベンゾ−N′−(2−クロロアセト)ヒドラジド5.1g(24.0mmol)を添加し、常温で3時間撹拌した。反応終了後、減圧下でメタノールを濃縮し、塩酸で中和し、再結晶してN−ベンゾ−N′−{2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセト}ヒドラジド5.7gを得た。収率は79%、融点は187−189℃であった。
【0047】
実施例2
N−ベンゾ−N′−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)アセト}ヒドラジドの合成
撹拌機、温度計を備えた100mlの4口フラスコにN−ベンゾ−N′−{2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセト}ヒドラジド3.0g(9.92mmol)、酢酸エチル30ml、N−メチルピロリドン20mlを常温で添加した。内温を10℃まで冷却し75%m−クロロ過安息香酸4.88g(19.8mmol)を添加し、常温で4時間撹拌した。反応終了後、ジメチルスルフィド0.5gを添加し、MIBKで抽出した。MIBK層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下でMIBKを留去し、トルエンで再結晶してN−ベンゾ−N′−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)アセト}ヒドラジド2.0gを得た。収率は60%、融点は238−240℃であった。
【0048】
実施例3
N−(4−メチルベンゼンスルホニル)−N′−{2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセト}ヒドラジドの合成
撹拌機、温度計を備えた200mlの4口フラスコに4−メルカプトフェノール2.49g(19.7mmol)、水酸化カリウム1.30g(19.7mmol)、メタノール100mlを常温で添加した。水酸化カリウムが溶解したのを確認後、内温を10℃まで冷却しN−(4−メチルベンゼンスルホニル)−N′−(2−クロロアセト)ヒドラジド5.17g(19.7mmol)を添加し、常温で3時間撹拌した。反応終了後、減圧下でメタノールを濃縮し、塩酸で中和し、再結晶してN−(4−メチルベンゼンスルホニル)−N′−{2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセト}ヒドラジド6.3gを得た。収率は91%、融点は180−182℃であった。
【0049】
以下、本発明の記録材料について実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれだけに限定されるものではない。なお、以下に示す部は重量基準である。
【0050】
塗布液は、A〜C液の各組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで充分に摩砕して、A〜C液の各成分の分散液を調整し、A液1重量部、B液2重量部、C液4重量部を混合して調整した。この塗布液をワイヤーロッド(No.12)を使用して白色紙に塗布・乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作製した(塗布量は乾燥重量で約5.5g/m2)。
【0051】
実施例5
実施例4の顕色剤の代りに(化合物No.238)を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0052】
実施例6
実施例4の顕色剤の代りに(化合物No.43)を用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0053】
比較例1
実施例4の顕色剤の代りに4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0054】
比較例2
実施例4の顕色剤の代りに2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例4と同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0055】
試験例1(耐湿熱性試験)
実施例4〜10、比較例1〜2で作製した感熱記録紙について、恒温恒湿槽GL−42型(二葉科学製)中、50℃、湿度80%の条件で耐湿熱性試験を行い、2、24時間後の地肌濃度を測定した。その結果を第2表に示した。
【0056】
試験例2(耐光試験)
実施例4〜10、比較例1〜2で作製した感熱記録紙について、感熱紙発色試験装置(大倉電気製 TH−PMD型)を使用し、1ドットあたり0.38mJ、0.50mJの条件で発色させた。その発色画像について耐光試験機(スガ試験機(株)製、紫外線ロングライフフェードメエーター FAL−5型)を使用して耐光性試験を行い、48時間後の発色画像濃度を測定した。その結果を第2表に示した。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】
本発明のヒドラジン誘導体を顕色剤として用いた記録材料は、従来知られている記録材料よりも画像の光安定性、耐湿熱性が向上し、地肌並びに画像の保存性に優れる記録材料を得ることができる。
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