JP3974278B2 - 電動機駆動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は電動機を駆動する電動機駆動手段を二つのブリッジ回路で構成し、それぞれのブリッジ回路の電源電圧値または電動機の駆動電流値を検出して、ブリッジ回路を切り替え、効率よく最適な電動機駆動ができる電動機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動機駆動装置において、電動機を駆動する電動機駆動手段を4個のFET(電界効果トランジスタ)からなるブリッジ回路で構成し、制御手段からPWM(パルス幅変調)信号でFETを駆動制御し、電動機を正逆の方向に所望の電動機電流で駆動するように構成されたものは知られている。
【0003】
図7に従来の電動機駆動装置のブロック構成図を示す。
図7において電動機駆動装置51は、制御手段52、電動機駆動手段53とで構成される。
制御手段52は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で構成し、目標電流信号設定手段56、駆動制御手段57とを備える。
【0004】
目標電流信号設定手段56は、ROM等のメモリを備え、予め設定したセンサ信号Siを入力するとセンサ信号Siに対応した値と目標電流信号IMSとの対応データを記憶しておき、センサ信号Siの入力した値に基づいて対応する目標電流信号IMSが読み出され、駆動制御手段57に供給される。
【0005】
駆動制御手段57は、目標電流信号IMSにPID制御を施すPID(比例・積分・微分)コントローラと、PID制御を施された信号に基づいて1系統オン信号VONおよび2系統のオフ信号VOFを発生するスイッチング信号発生器、PWM信号VPWMを発生するPWM発生器等を備え、PID信号に対応したデューティサイクルのPWM信号VPWMと、オン信号VONおよびオフ信号VOFの混成信号を、電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)として電動機駆動手段53に供給する。
【0006】
電動機駆動手段53には、制御手段52から1系統オン信号VONおよび2系統のオフ信号VOFおよび1系統PWM信号VPWMとの混成信号としての電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)が電動機駆動手段53のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4に供給される。
【0007】
例えば、電動機55を正回転するには、電動機駆動手段53のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q1のゲートG1にオン信号V0N、Q2のゲートG2にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にPWM信号VPWMがそれぞれ供給され、Q1はオン設定、Q2およびQ3はオフ設定、Q4はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IM+が電源12V→Q1→電動機55→Q4→グランド(接地)の経路で流れ電動機55は正回転する。
【0008】
また、一方、電動機55を逆回転するには、電動機駆動手段53のFET(電界効果トランジスタ)Q2のゲートG2にオン信号VON、Q1のゲートG1にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にPWM信号VPWM、Q4のゲートG4にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q2はオン設定、Q1およびQ4はオフ設定、Q3はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IM−が電源12V→Q2→電動機55→Q3→グランド(接地)の経路で流れ電動機55は逆回転する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電動機駆動装置を自動車に搭載される電動機の駆動装置として用いる場合には、自動車電装用品の増加に伴い電流の使用が増加して充分な電力を得られないという課題がある。
また、大きな推力を得るために電動機に大電流を流すと、大電流による電圧降下と、電動機の逆起電力により充分な推力が得られないという課題がある。
さらに、大きな推力を得るために電動機に供給する電圧を高くすると小電流のコントロールが必要になりコントロールが難しいという課題がある。
【0010】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、その目的は第一の電源を供給する第一のブリッジ回路と、第二の電源を供給する第二のブリッジ回路のそれぞれの電源電圧の状態、または電動機駆動電流の状態によって電動機を切り替えて駆動することにより大電流による推力の増加と、小電流の細かいコントロールができ電動機の効率が上がり、またそれぞれのブリッジ回路の電源電圧の状態によって、第一の電源および第二の電源を切り替えて電動機を駆動するので装置の信頼性が向上する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る電動機駆動装置の電動機駆動手段は、第一の電源とグランド(接地)との間に接続された第一のブリッジ回路と、第二の電源とグランド(接地)との間に接続された第二のブリッジ回路と、ブリッジ回路で駆動される電動機で構成し、第一のブリッジ回路がグランド(接地)に接続される二つのFETは、第二のブリッジ回路のグランド側のFETと共用し、制御手段からの制御信号に基づいて電動機を駆動することを特徴とする。
【0012】
この発明に係る電動機駆動装置の電動機駆動手段は、第一の電源とグランド(接地)との間に接続された第一のブリッジ回路と、第二の電源とグランド(接地)との間に接続された第二のブリッジ回路と、ブリッジ回路で駆動される電動機で構成し、第一のブリッジ回路がグランド(接地)に接続される二つのFETは、第二のブリッジ回路のグランド側のFETと共用し、制御手段からの制御信号に基づいて電動機を駆動するので、共用のブリッジ回路の制御で二つのブリッジ回路を切り替えて駆動することができる。
【0013】
また、この発明に係る制御手段は、第二のブリッジ回路の駆動中に第二の電源の電圧値が所定値以下になると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明に係る制御手段は、第二のブリッジ回路の駆動中に第二の電源の電圧値が所定値以下になると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので、第二の電源電圧の電圧降下が大きい時には、第一の電源と第一のブリッジ回路で電動機を駆動することができる。
【0015】
さらに、この発明に係る制御手段は、電動機電流検出手段で検出した駆動電流値により、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明に係る制御手段は、電動機電流検出手段で検出した駆動電流値により、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので効率のよい制御ができる。
【0017】
また、この発明に係る切替制御手段は、電源電圧検出手段で検出した電圧値に反比例した係数信号を発生するデューティ比係数発生手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明に係る切替制御手段は、電源電圧検出手段で検出した電圧値に反比例した係数信号を発生するデューティ比係数発生手段を備えたので、電源電圧が変化しても同じ電動機電流を流すことができる。
【0019】
さらに、この発明に係る電動機駆動手段は、第一の電源と第一のブリッジ回路および第二の電源と第二のブリッジ回路との間に逆流防止用のダイオードを挿入したことを特徴とする。
【0020】
この発明に係る電動機駆動手段は、第一の電源と第一のブリッジ回路および第二の電源と第二のブリッジ回路との間に逆流防止用のダイオードを挿入したので、一方の電源の使用中に他方の電源への電流の逆流を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、本発明は電動機を駆動する電動機駆動手段を第一の電源を供給する第一のブリッジ回路と、第二の電源を供給する第二のブリッジ回路を電源電圧の状態、または、負荷電流の状態によって切り替えて使用することにより、大電流による推力の増加と、小電流の細かいコントロールとによって電動機を駆動するので、電動機の効率が上がり、また電源電圧の状態によって、第一の電源および第二の電源を切り替えて駆動する。
【0022】
図1はこの発明に係る電動機駆動装置を電動パワーステアリング装置に適用した実施の形態全体構成図である。
図1において、パワーステアリング装置11は、ステアリングホイール28に一体的に設けられたステアリング軸12に自在継ぎ手13a、13bを備えた連結軸13を介し、ステアリング・ギアボックス14内に設けたラック&ピニオン機構15のピニオン15aに連結されて手動操舵力発生手段16を構成する。
【0023】
ピニオン15aに噛み合うラック歯17aを備え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸17は、その両端にタイロッド18を介して転動輪としての左右の前輪19を連結する。
【0024】
このようにして、ステアリングホイール28操舵時には通常のラック&ピニオン式の手動操舵力発生手段16を介し、マニュアルステアリングで前輪19を転動させて車両の向きを変える。
【0025】
手動操舵力発生手段16による操舵力を軽減するため、操舵補助力を供給する電動機5をラック軸17と同軸的に配設し、ラック軸17と同軸に設けられたボールねじ機構21を介して推力に変換し、ラック軸17(ボールねじ軸21a)に作用する。
【0026】
ステアリング・ギアボックス14内にはドライバの手動操舵トルクの方向と大きさを検出する操舵トルクセンサ22を配置し、操舵トルクセンサ22が検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号の操舵トルク信号Tsを制御手段2に提供する。
また、車速センサ24は車両の速度に対応した周波数の電気的なパルス信号として検出し、車速信号Vsを制御手段2に提供する。
【0027】
制御手段2は、車速信号Vsに応動した操舵トルク信号Tsに対応する電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を発生して電動機駆動手段3を駆動制御する。
【0028】
また、制御手段2は、電動機電流検出手段4からの電動機電流信号IM0を帰還して常に電動機電流IMが目標値となるように電動機制御信号V0を電動機駆動手段3に出力する。
【0029】
電動機駆動手段3は、例えばFET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子6個を用いた二つのブリッジ回路で構成され、制御手段2から提供されるスイッチオン/オフ信号およびPWM信号からなる電動機制御信号V0で、2個をペアとした二対のFETのそれぞれのペアを駆動制御することにより、電動機5に供給する電動機電圧の電圧値と回転方向を設定する。
【0030】
電動機電流検出手段4は、電動機5に直列に接続された電流検知素子(例えば、抵抗器)を流れる電動機電流IMの電圧降下を差動増幅し、増幅した出力に対応した電動機電流信号IM0を制御手段2に供給する。
【0031】
図2はこの発明に係る電動パワーステアリング装置の電動機駆動装置の実施の形態要部ブロック図である。
図2において、電動パワーステアリング装置11は、制御手段2と、電動機駆動手段3と、電動機電流検出手段4とで構成する。
【0032】
制御手段2は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で構成し、目標電流信号設定手段6、偏差演算手段20、駆動制御手段7、切替制御手段8とを備える。
【0033】
目標電流信号設定手段6は、ROM等のメモリを備え、予め設定した車速信号Vsをパラメータとした操舵トルク信号Tsと目標電流信号IMSの対応データを記憶しておき、車速センサ24が検出した車速信号Vsおよび操舵トルクセンサ22が検出した操舵トルク信号Tsに基づいて対応する目標電流信号IMSが読み出され、偏差演算手段20に供給する。
【0034】
偏差演算手段20は、減算機能を備え、目標電流信号IMSと電動機電流検出手段4からの電動機電流信号IM0の偏差を演算し、偏差信号ΔI(=IMS−IM0)を駆動制御手段7に供給する。
【0035】
駆動制御手段7は、PWM信号VPWMを発生するPWM発生器、1系統オン信号VONおよび2系統のオフ信号VOFを発生するスイッチング信号発生器、乗算器等を備え、車両始動後に偏差演算手段20から供給される目標電流信号IMSと電動機電流信号IMOの偏差信号ΔI(=IMS−IM0)にPID制御を施し、PID信号IPIDに対応したデューティサイクルのPWM信号VPWMと、オン信号VONおよびオフ信号VOFの混成信号を、電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)として切替制御手段8に供給する。
【0036】
切替制御手段8は、ブリッジ切替信号Jを入力すると、ブリッジ切替信号Jの電圧値または電流値に基づいて第一のブリッジ回路または、第二のブリッジ回路を駆動するように切り替える切替手段により、同時入力の電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)を電動機制御信号V01または、電動機制御信号V02として電動機駆動手段3に供給する。
【0037】
ブリッジ切替信号Jは、電動機駆動手段3の第一の電源電圧E01(12V)および第二の電源電圧E02(24V)または、電動機電流信号IM0の信号である。
【0038】
電動機駆動手段3は、FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子6個を用いた二つのブリッジ回路で構成され、FETQ1、Q2、Q3、Q4とで第一のブリッジ回路を形成し、また、FETQ5、Q6、Q3、Q4とで第二のブリッジ回路を形成している。
【0039】
第一の電源電圧E01(12V)には、逆流防止ダイオード9のアノードが接続され、逆流防止ダイオード9のカソードには、FETQ1、Q2のドレインが接続されている。
また、FETQ1、Q2のソースは、第一のブリッジ回路を形成するQ3、Q4のドレインに接続し、このQ3、Q4のソースはグランドに接続される。
【0040】
さらに、第二の電源電圧E02(24V)には、逆流防止ダイオード10のアノードが接続され、逆流防止ダイオード10のカソードには、FETQ5、Q6のドレインが接続されている。
また、FETQ5、Q6のソースは、第一のブリッジ回路を形成するQ3、Q4のドレインに接続し、このQ3、Q4は第二のブリッジ回路と共用される。
また、このFETQ1および、Q5のソースおよびQ3のドレインと、Q2のソースおよびQ6のソースおよびQ4のドレインとの間に電動機5が接続されている。
【0041】
さらに、電動機駆動手段3は、制御手段2から提供されるスイッチオン/オフ信号およびPWM信号からなる電動機制御信号V0で、2個をペアとした二対のFETのそれぞれのペアを駆動することにより、電動機5に供給する電動機電圧VMの電圧値と方向を設定する。
なお、電動機電圧VMの方向は、制御手段2から出力される電動機制御信号V0の極性に対応して決定される。
【0042】
たとえば、電動機5を第一の電源電圧E01(12V)を供給する第一のブリッジ回路を駆動して正回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q1のゲートG1にオン信号VON、Q2のゲートG2にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にPWM信号VPWM、Q5のゲートG5にオフ信号VOF、Q6のゲートG6にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q1はオン設定、Q2、Q5、Q6およびQ3はオフ設定、Q4はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第一の電源電圧E01(12V)→Q1→電動機5→Q4→グランド(接地)の経路で流れ電動機5は正回転する。
【0043】
また、電動機5を第二の電源電圧E02(24V)を供給する第二のブリッジ回路を駆動して正回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q5のゲートG5にオン信号VON、Q6のゲートG6にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にPWM信号VPWM、Q1のゲートG1にオフ信号VOF、Q2のゲートG2にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q5はオン設定、Q6、Q1、Q2およびQ3はオフ設定、Q4はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第一の電源電圧E02(24V)→Q5→電動機5→Q4→グランド(接地)の経路で流れ、電動機5は正回転する。
【0044】
一方、電動機5を第一の電源電圧E01(12V)を供給する第一のブリッジ回路を駆動して逆回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q2のゲートG2にオン信号VON、Q1のゲートG1にオフ信号VON、Q4のゲートG4にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にPWM信号VPWM、Q5のゲートG5にオフ信号VOF、Q6のゲートG6にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q2はオン設定、Q1、Q5、Q6およびQ4はオフ設定、Q3はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第一の電源電圧E01(12V)→Q2→電動機5→Q3→グランド(接地)の経路で流れ電動機5は逆回転する。
【0045】
さらに、電動機5を第二の電源電圧E02(24V)を供給する第二のブリッジ回路を駆動して逆回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q6のゲートG6にオン信号VON、Q5のゲートG5にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にPWM信号VPWM、Q1のゲートG1にオフ信号VOF、Q2のゲートG2にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q6はオン設定、Q5、Q1、Q2およびQ4はオフ設定、Q3はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第二の電源電圧E02(24V)→Q6→電動機5→Q3→グランド(接地)の経路で流れ電動機5は逆回転する。
【0046】
電動機駆動手段3の第一の電源電圧E01(12V)と第二のブリッジ回路との間に接続されるダイオード9は、Q1,Q2のソース−ドレイン間に図示しないダイオードのソースがアノード、ドレインがカソードの方向で形成されているのでQ1,Q2がオフ状態でも第二の電源電圧E02(24V)からの逆電流が流れ、この第二の電源電圧E02(24V)からの電流の流入を防止するために接続する。
【0047】
さらに、第二の電源電圧E02(24V)と第二のブリッジ回路との間に接続されるダイオード10は、Q5,Q6のソース−ドレイン間に図示しないダイオードのソースがアノード、ドレインがカソードの方向で形成されているのでQ5,Q6がオフ状態でも第二の電源電圧E02(24V)の電圧が降下して第一の電源電圧E01(12V)より低くなった時に、第一の電源電圧E01(12V)からの逆電流が流れ、この第一の電源電圧E01(12V)からの電流の流入を防止するために接続する。
【0048】
また、電動機電流検出手段4は、オペレーショナルアンプおよび電流検出抵抗からなる差動増幅器で構成され、電動機5と直列に接続された電流検知素子(例えば、抵抗器)を流れる電動機電流IMの電圧降下を差動増幅し、増幅した出力に対応した電動機電流信号IM0が制御手段2にフィードバック(負帰還)し、ステアリングの制御系の帰還路を形成する。
【0049】
図3はこの発明に係る切替制御手段の形態要部ブロック図である。
図3において切替制御手段28は、A/Dコンバータ、オペアンプ、メモリ、演算手段等で構成し、電源電圧検出手段35、デューティ比係数発生手段36、切替手段40、乗算器37,38とを備える。
【0050】
電源電圧検出手段35は、A/Dコンバータ、比較器、ROM等のメモリで構成し、電動機駆動手段3の二つのブリッジ回路に供給される第一の電源電圧E01(12V)および第二の電源電圧E02(24V)に基づいてそれぞれの電源電圧を検出し、検出した電圧値をディジタル電圧に変換し、第一の電源電圧E01(12V)および第二の電源電圧E02(24V)のうち電動機の駆動に使用する電源の検出電圧信号Vdをデューティ比係数発生手段36に供給する。
【0051】
また、電源電圧検出手段35は、比較器で第二の電源電圧E02(24V)が第一の電源電圧E01(12V)より高いかどうかを比較する。
このときの第二の電源電圧E02(24V)が第一の電源電圧E01(12V)より高い定常状態の時は、降下信号HnをHレベルで切替手段40に供給する。
また、第二の電源電圧E02(24V)の電流負荷が増大して電圧が第一の電源電圧E01(12V)より低くなると、降下信号HnをLレベルで切替手段40に供給する。
【0052】
デューティ比係数発生手段36は、メモリ、演算回路で構成し、予め電源電圧に対する例えば10Vから25Vまでの電源に対する係数が記憶され、電源電圧検出手段35からの検出電圧信号Vdを入力すると12Vで係数が1になり、24Vで係数が0.5になるような電圧に反比例した発生係数信号Kdを発生し、それぞれ乗算器37,38に出力する。
【0053】
図4は発生係数信号Kdと検出電圧信号Vdとの関係を表すグラフである。
図4において縦軸に発生係数信号Kdを設定し、横軸に検出電圧信号Vdを設定すると、検出電圧信号Vdが12Vの時に発生係数信号Kdは1になり、検出電圧信号Vdが24Vの時に発生係数信号Kdは0.5になり、その間の検出電圧信号Vdの時は、反比例した値の発生係数信号Kdを出力する。
【0054】
切替手段40は、ソフト制御のスイッチ機能を有し、電源電圧検出手段35からのHレベルの切替信号Hnに基づいて駆動制御手段7から入力されている電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を制御信号V02側に切り替えて、第二のブリッジ回路に供給する。
また、電源電圧検出手段35からのLレベルの切替信号Hnに基づいて駆動制御手段7から入力されている電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を制御信号V01側に切り替えて第一のブリッジ回路に供給する。
すなわち、第二の電源電圧E02(24V)が第一の電源電圧E01(12V)より高い定常状態の時は、第二のブリッジ回路を駆動するように電動機制御信号V02を電動機駆動手段3に供給する。
【0055】
乗算器37は、切替手段40が1の状態にあるとき、出力されている電動機制御信号V0とデューティ比係数発生手段36からの発生係数信号Kdとを乗算し、乗算結果を電動機制御信号V01として電動機駆動手段3に供給する。
また、乗算器38は、切替手段40が2の状態にあるとき、出力されている電動機制御信号V0とデューティ比係数発生手段36からの発生係数信号Kdとを乗算し、乗算結果を電動機制御信号V02として電動機駆動手段3に供給する。
【0056】
図5はこの発明に係る別実施例の切替制御手段の形態要部ブロック図である。
図5において切替制御手段44は、電流比較手段39、係数発生手段41、乗算器42、切替手段43で構成される。
電流比較手段39は、電動機電流検出手段4からの電動機電流信号IM0を入力すると、予め設定してある所定値に基づいて、たとえば、所定値より大きい電動機電流信号IM0を検出したときは、比較信号HmをHレベルで切替手段43に供給し、第二のブリッジ回路を駆動するように電動機制御信号V02を電動機駆動手段3に供給する。
【0057】
また、電流比較手段39は、予め設定してある所定値より小さい電動機電流信号IM0を検出しているときは、比較信号HmをLレベルで切替手段43に供給し、第一のブリッジ回路を駆動するように電動機制御信号V01を電動機駆動手段3に供給する。
なお、前記所定値は、第一ブリッジ回路を例えば90%デューティで駆動した時に流れる電動機電流値に相当する値に設定する。
【0058】
切替手段43は、電流比較手段39からの比較信号HmがLレベルで供給されると、切替手段43は、1の状態になり、電動機制御信号V0をそのまま電動機制御信号V01として電動機駆動手段3に供給する。
また、切替手段43は、電流比較手段39からの比較信号HmがHレベルで供給されると、2の状態に切り替わり、電動機制御信号V0を乗算器42に供給する。
【0059】
係数発生手段41は、ROM、RAM等のメモリで構成し、一定の定数たとえば0.5をメモリから出力し、乗算器42に供給している。
乗算器42は、電流比較手段39からの比較信号HmのHレベルによって切替手段43が2の状態に切替えられると、2の状態の出力すなわち、電動機制御信号V0に係数発生手段41からの係数信号Hq(例えば定数0.5)を乗算し、電動機制御信号V02として電動機駆動手段3に供給する。
【0060】
なお、乗算器42で乗算するのは、電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)と定数とであるが、この場合オン信号、オフ信号はそのままでPWM信号のみに乗算をして、VPWMのデューティを変えている。
【0061】
図6に第一のブリッジ回路または第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号V0の特性図を示す。
図6の(a)は、第一のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの特性図であり図6の(b)は、第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの特性図である。
なお、図6は、第一の電源電圧は12V、第二の電源電圧が24Vの場合の特性図を示す。
図6にあるように第一のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの信号は第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの信号と比べてデューティ比が倍になっている。
第二の電源電圧が24Vの時は、電圧に反比例して第一の電源電圧が12Vの時のデューティの半分になる。
【0062】
このように、電動機駆動装置1は、第二のブリッジ回路使用中に第二の電源電圧が所定値より降下すると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替えることができ、また、電動機電流の大きさにより、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替えることができる。
【0063】
なお、変更実施例として切替手段40,43を1デューティサイクル毎に切り替えて第一のブリッジ回路と第二のブリッジ回路を1デューティサイクル毎に駆動するよう制御することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る電動機駆動装置の電動機駆動手段は、第一の電源とグランド(接地)との間に接続された第一のブリッジ回路と、第二の電源とグランド(接地)との間に接続された第二のブリッジ回路と、ブリッジ回路で駆動される電動機で構成し、第一のブリッジ回路がグランド(接地)に接続される二つのFETは、第二のブリッジ回路のグランド側のFETと共用し、制御手段からの制御信号に基づいて電動機を駆動するので共用のブリッジ回路の制御で二つのブリッジ回路を切り替えて使用することができる。
【0065】
また、この発明に係る制御手段は、第二のブリッジ回路の駆動中に第二の電源の電圧値が所定値以下になると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので第二の電源の電圧降下が大きい時に供給電源を切り替えられ、常に最適の電力が供給できる。
【0066】
さらに、この発明に係る制御手段は、電動機電流検出手段で検出した駆動電流値により、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので効率のよい駆動ができ大きな推力が得られる。
【0067】
また、この発明に係る切替制御手段は、電源電圧検出手段で検出した電圧値に反比例した係数信号を発生するデューティ比係数発生手段を備えたので電源電圧が変化しても電源電圧に合せたPWM制御をすることができる。
【0068】
さらに、この発明に係る電動機駆動手段は、第一の電源と第一のブリッジ回路および第二の電源と第二のブリッジ回路との間に逆流防止用のダイオードを挿入したので一方の電源の使用中に他方の電源への電流の逆流を防止でき装置の信頼性が向上する。
【0069】
よって、大きな推力が得られ効率がよく信頼性に優れた電動機駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電動機駆動装置を電動パワーステアリング装置に適用した実施の形態全体構成図
【図2】この発明に係る電動パワーステアリング装置の電動機駆動装置の実施の形態要部ブロック構成図
【図3】この発明に係る切替制御手段の要部ブロック構成図
【図4】発生係数信号Kdと検出電圧信号Vdとの関係を表すグラフ
【図5】この発明に係る切替制御手段の要部ブロック構成図
【図6】この発明に係る第一のブリッジ回路または第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号Voの特性図
【図7】従来の電動機駆動装置のブロック構成図
【符号の説明】
1…電動機駆動装置、2…制御手段、3…電動機駆動手段、4…電動機電流検出手段、5…電動機、6…目標電流信号設定手段、7…駆動制御手段、8,28,44…切替制御手段、9,10…逆流防止ダイオード、20…偏差演算手段、35…電源電圧検出手段、36…デューティ比係数発生手段、37,38,42…乗算器、39…電流比較手段、40,43…切替手段、41…係数発生手段。
【産業上の利用分野】
この発明は電動機を駆動する電動機駆動手段を二つのブリッジ回路で構成し、それぞれのブリッジ回路の電源電圧値または電動機の駆動電流値を検出して、ブリッジ回路を切り替え、効率よく最適な電動機駆動ができる電動機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動機駆動装置において、電動機を駆動する電動機駆動手段を4個のFET(電界効果トランジスタ)からなるブリッジ回路で構成し、制御手段からPWM(パルス幅変調)信号でFETを駆動制御し、電動機を正逆の方向に所望の電動機電流で駆動するように構成されたものは知られている。
【0003】
図7に従来の電動機駆動装置のブロック構成図を示す。
図7において電動機駆動装置51は、制御手段52、電動機駆動手段53とで構成される。
制御手段52は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で構成し、目標電流信号設定手段56、駆動制御手段57とを備える。
【0004】
目標電流信号設定手段56は、ROM等のメモリを備え、予め設定したセンサ信号Siを入力するとセンサ信号Siに対応した値と目標電流信号IMSとの対応データを記憶しておき、センサ信号Siの入力した値に基づいて対応する目標電流信号IMSが読み出され、駆動制御手段57に供給される。
【0005】
駆動制御手段57は、目標電流信号IMSにPID制御を施すPID(比例・積分・微分)コントローラと、PID制御を施された信号に基づいて1系統オン信号VONおよび2系統のオフ信号VOFを発生するスイッチング信号発生器、PWM信号VPWMを発生するPWM発生器等を備え、PID信号に対応したデューティサイクルのPWM信号VPWMと、オン信号VONおよびオフ信号VOFの混成信号を、電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)として電動機駆動手段53に供給する。
【0006】
電動機駆動手段53には、制御手段52から1系統オン信号VONおよび2系統のオフ信号VOFおよび1系統PWM信号VPWMとの混成信号としての電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)が電動機駆動手段53のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4に供給される。
【0007】
例えば、電動機55を正回転するには、電動機駆動手段53のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q1のゲートG1にオン信号V0N、Q2のゲートG2にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にPWM信号VPWMがそれぞれ供給され、Q1はオン設定、Q2およびQ3はオフ設定、Q4はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IM+が電源12V→Q1→電動機55→Q4→グランド(接地)の経路で流れ電動機55は正回転する。
【0008】
また、一方、電動機55を逆回転するには、電動機駆動手段53のFET(電界効果トランジスタ)Q2のゲートG2にオン信号VON、Q1のゲートG1にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にPWM信号VPWM、Q4のゲートG4にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q2はオン設定、Q1およびQ4はオフ設定、Q3はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IM−が電源12V→Q2→電動機55→Q3→グランド(接地)の経路で流れ電動機55は逆回転する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電動機駆動装置を自動車に搭載される電動機の駆動装置として用いる場合には、自動車電装用品の増加に伴い電流の使用が増加して充分な電力を得られないという課題がある。
また、大きな推力を得るために電動機に大電流を流すと、大電流による電圧降下と、電動機の逆起電力により充分な推力が得られないという課題がある。
さらに、大きな推力を得るために電動機に供給する電圧を高くすると小電流のコントロールが必要になりコントロールが難しいという課題がある。
【0010】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、その目的は第一の電源を供給する第一のブリッジ回路と、第二の電源を供給する第二のブリッジ回路のそれぞれの電源電圧の状態、または電動機駆動電流の状態によって電動機を切り替えて駆動することにより大電流による推力の増加と、小電流の細かいコントロールができ電動機の効率が上がり、またそれぞれのブリッジ回路の電源電圧の状態によって、第一の電源および第二の電源を切り替えて電動機を駆動するので装置の信頼性が向上する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る電動機駆動装置の電動機駆動手段は、第一の電源とグランド(接地)との間に接続された第一のブリッジ回路と、第二の電源とグランド(接地)との間に接続された第二のブリッジ回路と、ブリッジ回路で駆動される電動機で構成し、第一のブリッジ回路がグランド(接地)に接続される二つのFETは、第二のブリッジ回路のグランド側のFETと共用し、制御手段からの制御信号に基づいて電動機を駆動することを特徴とする。
【0012】
この発明に係る電動機駆動装置の電動機駆動手段は、第一の電源とグランド(接地)との間に接続された第一のブリッジ回路と、第二の電源とグランド(接地)との間に接続された第二のブリッジ回路と、ブリッジ回路で駆動される電動機で構成し、第一のブリッジ回路がグランド(接地)に接続される二つのFETは、第二のブリッジ回路のグランド側のFETと共用し、制御手段からの制御信号に基づいて電動機を駆動するので、共用のブリッジ回路の制御で二つのブリッジ回路を切り替えて駆動することができる。
【0013】
また、この発明に係る制御手段は、第二のブリッジ回路の駆動中に第二の電源の電圧値が所定値以下になると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明に係る制御手段は、第二のブリッジ回路の駆動中に第二の電源の電圧値が所定値以下になると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので、第二の電源電圧の電圧降下が大きい時には、第一の電源と第一のブリッジ回路で電動機を駆動することができる。
【0015】
さらに、この発明に係る制御手段は、電動機電流検出手段で検出した駆動電流値により、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明に係る制御手段は、電動機電流検出手段で検出した駆動電流値により、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので効率のよい制御ができる。
【0017】
また、この発明に係る切替制御手段は、電源電圧検出手段で検出した電圧値に反比例した係数信号を発生するデューティ比係数発生手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明に係る切替制御手段は、電源電圧検出手段で検出した電圧値に反比例した係数信号を発生するデューティ比係数発生手段を備えたので、電源電圧が変化しても同じ電動機電流を流すことができる。
【0019】
さらに、この発明に係る電動機駆動手段は、第一の電源と第一のブリッジ回路および第二の電源と第二のブリッジ回路との間に逆流防止用のダイオードを挿入したことを特徴とする。
【0020】
この発明に係る電動機駆動手段は、第一の電源と第一のブリッジ回路および第二の電源と第二のブリッジ回路との間に逆流防止用のダイオードを挿入したので、一方の電源の使用中に他方の電源への電流の逆流を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、本発明は電動機を駆動する電動機駆動手段を第一の電源を供給する第一のブリッジ回路と、第二の電源を供給する第二のブリッジ回路を電源電圧の状態、または、負荷電流の状態によって切り替えて使用することにより、大電流による推力の増加と、小電流の細かいコントロールとによって電動機を駆動するので、電動機の効率が上がり、また電源電圧の状態によって、第一の電源および第二の電源を切り替えて駆動する。
【0022】
図1はこの発明に係る電動機駆動装置を電動パワーステアリング装置に適用した実施の形態全体構成図である。
図1において、パワーステアリング装置11は、ステアリングホイール28に一体的に設けられたステアリング軸12に自在継ぎ手13a、13bを備えた連結軸13を介し、ステアリング・ギアボックス14内に設けたラック&ピニオン機構15のピニオン15aに連結されて手動操舵力発生手段16を構成する。
【0023】
ピニオン15aに噛み合うラック歯17aを備え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸17は、その両端にタイロッド18を介して転動輪としての左右の前輪19を連結する。
【0024】
このようにして、ステアリングホイール28操舵時には通常のラック&ピニオン式の手動操舵力発生手段16を介し、マニュアルステアリングで前輪19を転動させて車両の向きを変える。
【0025】
手動操舵力発生手段16による操舵力を軽減するため、操舵補助力を供給する電動機5をラック軸17と同軸的に配設し、ラック軸17と同軸に設けられたボールねじ機構21を介して推力に変換し、ラック軸17(ボールねじ軸21a)に作用する。
【0026】
ステアリング・ギアボックス14内にはドライバの手動操舵トルクの方向と大きさを検出する操舵トルクセンサ22を配置し、操舵トルクセンサ22が検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号の操舵トルク信号Tsを制御手段2に提供する。
また、車速センサ24は車両の速度に対応した周波数の電気的なパルス信号として検出し、車速信号Vsを制御手段2に提供する。
【0027】
制御手段2は、車速信号Vsに応動した操舵トルク信号Tsに対応する電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を発生して電動機駆動手段3を駆動制御する。
【0028】
また、制御手段2は、電動機電流検出手段4からの電動機電流信号IM0を帰還して常に電動機電流IMが目標値となるように電動機制御信号V0を電動機駆動手段3に出力する。
【0029】
電動機駆動手段3は、例えばFET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子6個を用いた二つのブリッジ回路で構成され、制御手段2から提供されるスイッチオン/オフ信号およびPWM信号からなる電動機制御信号V0で、2個をペアとした二対のFETのそれぞれのペアを駆動制御することにより、電動機5に供給する電動機電圧の電圧値と回転方向を設定する。
【0030】
電動機電流検出手段4は、電動機5に直列に接続された電流検知素子(例えば、抵抗器)を流れる電動機電流IMの電圧降下を差動増幅し、増幅した出力に対応した電動機電流信号IM0を制御手段2に供給する。
【0031】
図2はこの発明に係る電動パワーステアリング装置の電動機駆動装置の実施の形態要部ブロック図である。
図2において、電動パワーステアリング装置11は、制御手段2と、電動機駆動手段3と、電動機電流検出手段4とで構成する。
【0032】
制御手段2は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で構成し、目標電流信号設定手段6、偏差演算手段20、駆動制御手段7、切替制御手段8とを備える。
【0033】
目標電流信号設定手段6は、ROM等のメモリを備え、予め設定した車速信号Vsをパラメータとした操舵トルク信号Tsと目標電流信号IMSの対応データを記憶しておき、車速センサ24が検出した車速信号Vsおよび操舵トルクセンサ22が検出した操舵トルク信号Tsに基づいて対応する目標電流信号IMSが読み出され、偏差演算手段20に供給する。
【0034】
偏差演算手段20は、減算機能を備え、目標電流信号IMSと電動機電流検出手段4からの電動機電流信号IM0の偏差を演算し、偏差信号ΔI(=IMS−IM0)を駆動制御手段7に供給する。
【0035】
駆動制御手段7は、PWM信号VPWMを発生するPWM発生器、1系統オン信号VONおよび2系統のオフ信号VOFを発生するスイッチング信号発生器、乗算器等を備え、車両始動後に偏差演算手段20から供給される目標電流信号IMSと電動機電流信号IMOの偏差信号ΔI(=IMS−IM0)にPID制御を施し、PID信号IPIDに対応したデューティサイクルのPWM信号VPWMと、オン信号VONおよびオフ信号VOFの混成信号を、電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)として切替制御手段8に供給する。
【0036】
切替制御手段8は、ブリッジ切替信号Jを入力すると、ブリッジ切替信号Jの電圧値または電流値に基づいて第一のブリッジ回路または、第二のブリッジ回路を駆動するように切り替える切替手段により、同時入力の電動機制御信号V0(VPWM、VON、VOF)を電動機制御信号V01または、電動機制御信号V02として電動機駆動手段3に供給する。
【0037】
ブリッジ切替信号Jは、電動機駆動手段3の第一の電源電圧E01(12V)および第二の電源電圧E02(24V)または、電動機電流信号IM0の信号である。
【0038】
電動機駆動手段3は、FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子6個を用いた二つのブリッジ回路で構成され、FETQ1、Q2、Q3、Q4とで第一のブリッジ回路を形成し、また、FETQ5、Q6、Q3、Q4とで第二のブリッジ回路を形成している。
【0039】
第一の電源電圧E01(12V)には、逆流防止ダイオード9のアノードが接続され、逆流防止ダイオード9のカソードには、FETQ1、Q2のドレインが接続されている。
また、FETQ1、Q2のソースは、第一のブリッジ回路を形成するQ3、Q4のドレインに接続し、このQ3、Q4のソースはグランドに接続される。
【0040】
さらに、第二の電源電圧E02(24V)には、逆流防止ダイオード10のアノードが接続され、逆流防止ダイオード10のカソードには、FETQ5、Q6のドレインが接続されている。
また、FETQ5、Q6のソースは、第一のブリッジ回路を形成するQ3、Q4のドレインに接続し、このQ3、Q4は第二のブリッジ回路と共用される。
また、このFETQ1および、Q5のソースおよびQ3のドレインと、Q2のソースおよびQ6のソースおよびQ4のドレインとの間に電動機5が接続されている。
【0041】
さらに、電動機駆動手段3は、制御手段2から提供されるスイッチオン/オフ信号およびPWM信号からなる電動機制御信号V0で、2個をペアとした二対のFETのそれぞれのペアを駆動することにより、電動機5に供給する電動機電圧VMの電圧値と方向を設定する。
なお、電動機電圧VMの方向は、制御手段2から出力される電動機制御信号V0の極性に対応して決定される。
【0042】
たとえば、電動機5を第一の電源電圧E01(12V)を供給する第一のブリッジ回路を駆動して正回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q1のゲートG1にオン信号VON、Q2のゲートG2にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にPWM信号VPWM、Q5のゲートG5にオフ信号VOF、Q6のゲートG6にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q1はオン設定、Q2、Q5、Q6およびQ3はオフ設定、Q4はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第一の電源電圧E01(12V)→Q1→電動機5→Q4→グランド(接地)の経路で流れ電動機5は正回転する。
【0043】
また、電動機5を第二の電源電圧E02(24V)を供給する第二のブリッジ回路を駆動して正回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q5のゲートG5にオン信号VON、Q6のゲートG6にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にPWM信号VPWM、Q1のゲートG1にオフ信号VOF、Q2のゲートG2にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q5はオン設定、Q6、Q1、Q2およびQ3はオフ設定、Q4はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第一の電源電圧E02(24V)→Q5→電動機5→Q4→グランド(接地)の経路で流れ、電動機5は正回転する。
【0044】
一方、電動機5を第一の電源電圧E01(12V)を供給する第一のブリッジ回路を駆動して逆回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q2のゲートG2にオン信号VON、Q1のゲートG1にオフ信号VON、Q4のゲートG4にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にPWM信号VPWM、Q5のゲートG5にオフ信号VOF、Q6のゲートG6にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q2はオン設定、Q1、Q5、Q6およびQ4はオフ設定、Q3はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第一の電源電圧E01(12V)→Q2→電動機5→Q3→グランド(接地)の経路で流れ電動機5は逆回転する。
【0045】
さらに、電動機5を第二の電源電圧E02(24V)を供給する第二のブリッジ回路を駆動して逆回転するようにするには、電動機駆動手段3のスイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジスタ)Q6のゲートG6にオン信号VON、Q5のゲートG5にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にオフ信号VOF、Q3のゲートG3にPWM信号VPWM、Q1のゲートG1にオフ信号VOF、Q2のゲートG2にオフ信号VOFがそれぞれ供給され、Q6はオン設定、Q5、Q1、Q2およびQ4はオフ設定、Q3はPWM信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機電流IMが第二の電源電圧E02(24V)→Q6→電動機5→Q3→グランド(接地)の経路で流れ電動機5は逆回転する。
【0046】
電動機駆動手段3の第一の電源電圧E01(12V)と第二のブリッジ回路との間に接続されるダイオード9は、Q1,Q2のソース−ドレイン間に図示しないダイオードのソースがアノード、ドレインがカソードの方向で形成されているのでQ1,Q2がオフ状態でも第二の電源電圧E02(24V)からの逆電流が流れ、この第二の電源電圧E02(24V)からの電流の流入を防止するために接続する。
【0047】
さらに、第二の電源電圧E02(24V)と第二のブリッジ回路との間に接続されるダイオード10は、Q5,Q6のソース−ドレイン間に図示しないダイオードのソースがアノード、ドレインがカソードの方向で形成されているのでQ5,Q6がオフ状態でも第二の電源電圧E02(24V)の電圧が降下して第一の電源電圧E01(12V)より低くなった時に、第一の電源電圧E01(12V)からの逆電流が流れ、この第一の電源電圧E01(12V)からの電流の流入を防止するために接続する。
【0048】
また、電動機電流検出手段4は、オペレーショナルアンプおよび電流検出抵抗からなる差動増幅器で構成され、電動機5と直列に接続された電流検知素子(例えば、抵抗器)を流れる電動機電流IMの電圧降下を差動増幅し、増幅した出力に対応した電動機電流信号IM0が制御手段2にフィードバック(負帰還)し、ステアリングの制御系の帰還路を形成する。
【0049】
図3はこの発明に係る切替制御手段の形態要部ブロック図である。
図3において切替制御手段28は、A/Dコンバータ、オペアンプ、メモリ、演算手段等で構成し、電源電圧検出手段35、デューティ比係数発生手段36、切替手段40、乗算器37,38とを備える。
【0050】
電源電圧検出手段35は、A/Dコンバータ、比較器、ROM等のメモリで構成し、電動機駆動手段3の二つのブリッジ回路に供給される第一の電源電圧E01(12V)および第二の電源電圧E02(24V)に基づいてそれぞれの電源電圧を検出し、検出した電圧値をディジタル電圧に変換し、第一の電源電圧E01(12V)および第二の電源電圧E02(24V)のうち電動機の駆動に使用する電源の検出電圧信号Vdをデューティ比係数発生手段36に供給する。
【0051】
また、電源電圧検出手段35は、比較器で第二の電源電圧E02(24V)が第一の電源電圧E01(12V)より高いかどうかを比較する。
このときの第二の電源電圧E02(24V)が第一の電源電圧E01(12V)より高い定常状態の時は、降下信号HnをHレベルで切替手段40に供給する。
また、第二の電源電圧E02(24V)の電流負荷が増大して電圧が第一の電源電圧E01(12V)より低くなると、降下信号HnをLレベルで切替手段40に供給する。
【0052】
デューティ比係数発生手段36は、メモリ、演算回路で構成し、予め電源電圧に対する例えば10Vから25Vまでの電源に対する係数が記憶され、電源電圧検出手段35からの検出電圧信号Vdを入力すると12Vで係数が1になり、24Vで係数が0.5になるような電圧に反比例した発生係数信号Kdを発生し、それぞれ乗算器37,38に出力する。
【0053】
図4は発生係数信号Kdと検出電圧信号Vdとの関係を表すグラフである。
図4において縦軸に発生係数信号Kdを設定し、横軸に検出電圧信号Vdを設定すると、検出電圧信号Vdが12Vの時に発生係数信号Kdは1になり、検出電圧信号Vdが24Vの時に発生係数信号Kdは0.5になり、その間の検出電圧信号Vdの時は、反比例した値の発生係数信号Kdを出力する。
【0054】
切替手段40は、ソフト制御のスイッチ機能を有し、電源電圧検出手段35からのHレベルの切替信号Hnに基づいて駆動制御手段7から入力されている電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を制御信号V02側に切り替えて、第二のブリッジ回路に供給する。
また、電源電圧検出手段35からのLレベルの切替信号Hnに基づいて駆動制御手段7から入力されている電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を制御信号V01側に切り替えて第一のブリッジ回路に供給する。
すなわち、第二の電源電圧E02(24V)が第一の電源電圧E01(12V)より高い定常状態の時は、第二のブリッジ回路を駆動するように電動機制御信号V02を電動機駆動手段3に供給する。
【0055】
乗算器37は、切替手段40が1の状態にあるとき、出力されている電動機制御信号V0とデューティ比係数発生手段36からの発生係数信号Kdとを乗算し、乗算結果を電動機制御信号V01として電動機駆動手段3に供給する。
また、乗算器38は、切替手段40が2の状態にあるとき、出力されている電動機制御信号V0とデューティ比係数発生手段36からの発生係数信号Kdとを乗算し、乗算結果を電動機制御信号V02として電動機駆動手段3に供給する。
【0056】
図5はこの発明に係る別実施例の切替制御手段の形態要部ブロック図である。
図5において切替制御手段44は、電流比較手段39、係数発生手段41、乗算器42、切替手段43で構成される。
電流比較手段39は、電動機電流検出手段4からの電動機電流信号IM0を入力すると、予め設定してある所定値に基づいて、たとえば、所定値より大きい電動機電流信号IM0を検出したときは、比較信号HmをHレベルで切替手段43に供給し、第二のブリッジ回路を駆動するように電動機制御信号V02を電動機駆動手段3に供給する。
【0057】
また、電流比較手段39は、予め設定してある所定値より小さい電動機電流信号IM0を検出しているときは、比較信号HmをLレベルで切替手段43に供給し、第一のブリッジ回路を駆動するように電動機制御信号V01を電動機駆動手段3に供給する。
なお、前記所定値は、第一ブリッジ回路を例えば90%デューティで駆動した時に流れる電動機電流値に相当する値に設定する。
【0058】
切替手段43は、電流比較手段39からの比較信号HmがLレベルで供給されると、切替手段43は、1の状態になり、電動機制御信号V0をそのまま電動機制御信号V01として電動機駆動手段3に供給する。
また、切替手段43は、電流比較手段39からの比較信号HmがHレベルで供給されると、2の状態に切り替わり、電動機制御信号V0を乗算器42に供給する。
【0059】
係数発生手段41は、ROM、RAM等のメモリで構成し、一定の定数たとえば0.5をメモリから出力し、乗算器42に供給している。
乗算器42は、電流比較手段39からの比較信号HmのHレベルによって切替手段43が2の状態に切替えられると、2の状態の出力すなわち、電動機制御信号V0に係数発生手段41からの係数信号Hq(例えば定数0.5)を乗算し、電動機制御信号V02として電動機駆動手段3に供給する。
【0060】
なお、乗算器42で乗算するのは、電動機制御信号V0(オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)と定数とであるが、この場合オン信号、オフ信号はそのままでPWM信号のみに乗算をして、VPWMのデューティを変えている。
【0061】
図6に第一のブリッジ回路または第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号V0の特性図を示す。
図6の(a)は、第一のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの特性図であり図6の(b)は、第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの特性図である。
なお、図6は、第一の電源電圧は12V、第二の電源電圧が24Vの場合の特性図を示す。
図6にあるように第一のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの信号は第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号VPWMの信号と比べてデューティ比が倍になっている。
第二の電源電圧が24Vの時は、電圧に反比例して第一の電源電圧が12Vの時のデューティの半分になる。
【0062】
このように、電動機駆動装置1は、第二のブリッジ回路使用中に第二の電源電圧が所定値より降下すると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替えることができ、また、電動機電流の大きさにより、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替えることができる。
【0063】
なお、変更実施例として切替手段40,43を1デューティサイクル毎に切り替えて第一のブリッジ回路と第二のブリッジ回路を1デューティサイクル毎に駆動するよう制御することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る電動機駆動装置の電動機駆動手段は、第一の電源とグランド(接地)との間に接続された第一のブリッジ回路と、第二の電源とグランド(接地)との間に接続された第二のブリッジ回路と、ブリッジ回路で駆動される電動機で構成し、第一のブリッジ回路がグランド(接地)に接続される二つのFETは、第二のブリッジ回路のグランド側のFETと共用し、制御手段からの制御信号に基づいて電動機を駆動するので共用のブリッジ回路の制御で二つのブリッジ回路を切り替えて使用することができる。
【0065】
また、この発明に係る制御手段は、第二のブリッジ回路の駆動中に第二の電源の電圧値が所定値以下になると、第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので第二の電源の電圧降下が大きい時に供給電源を切り替えられ、常に最適の電力が供給できる。
【0066】
さらに、この発明に係る制御手段は、電動機電流検出手段で検出した駆動電流値により、第二のブリッジ回路の駆動または第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたので効率のよい駆動ができ大きな推力が得られる。
【0067】
また、この発明に係る切替制御手段は、電源電圧検出手段で検出した電圧値に反比例した係数信号を発生するデューティ比係数発生手段を備えたので電源電圧が変化しても電源電圧に合せたPWM制御をすることができる。
【0068】
さらに、この発明に係る電動機駆動手段は、第一の電源と第一のブリッジ回路および第二の電源と第二のブリッジ回路との間に逆流防止用のダイオードを挿入したので一方の電源の使用中に他方の電源への電流の逆流を防止でき装置の信頼性が向上する。
【0069】
よって、大きな推力が得られ効率がよく信頼性に優れた電動機駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電動機駆動装置を電動パワーステアリング装置に適用した実施の形態全体構成図
【図2】この発明に係る電動パワーステアリング装置の電動機駆動装置の実施の形態要部ブロック構成図
【図3】この発明に係る切替制御手段の要部ブロック構成図
【図4】発生係数信号Kdと検出電圧信号Vdとの関係を表すグラフ
【図5】この発明に係る切替制御手段の要部ブロック構成図
【図6】この発明に係る第一のブリッジ回路または第二のブリッジ回路に供給する電動機制御信号Voの特性図
【図7】従来の電動機駆動装置のブロック構成図
【符号の説明】
1…電動機駆動装置、2…制御手段、3…電動機駆動手段、4…電動機電流検出手段、5…電動機、6…目標電流信号設定手段、7…駆動制御手段、8,28,44…切替制御手段、9,10…逆流防止ダイオード、20…偏差演算手段、35…電源電圧検出手段、36…デューティ比係数発生手段、37,38,42…乗算器、39…電流比較手段、40,43…切替手段、41…係数発生手段。
Claims (5)
- 電動機を制御する制御手段と、電動機を駆動する電動機駆動手段と、からなる電動機駆動装置において、
前記電動機駆動手段は、第一の電源とグランド(接地)との間に接続された第一のブリッジ回路と、第二の電源とグランド(接地)との間に接続された第二のブリッジ回路と、前記ブリッジ回路で駆動される電動機で構成し、前記第一のブリッジ回路がグランド(接地)に接続される二つのFETは、前記第二のブリッジ回路のグランド側のFETと共用し、前記制御手段の制御信号に基づいて電動機を駆動することを特徴とする電動機駆動装置。 - 前記第一の電源および前記第二の電源の電圧値を検出する電源電圧検出手段を備え、前記制御手段は、前記第二のブリッジ回路の駆動中に前記第二の電源の電圧値が所定値以下になると、前記第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動機駆動装置。
- 電動機の駆動電流値を検出する電動機電流検出手段を備え、前記制御手段は、電動機電流検出手段で検出した駆動電流値により、前記第二のブリッジ回路の駆動または前記第一のブリッジ回路の駆動に切り替える切替制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動機駆動装置。
- 前記切替制御手段は、前記電源電圧検出手段で検出した電圧値に反比例した係数信号を発生するデューティ係数発生手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の電動機駆動装置。
- 前記電動機駆動手段は、前記第一の電源と前記第一のブリッジ回路および前記第二の電源と前記第二のブリッジ回路との間に逆流防止用のダイオードを挿入したことを特徴とする請求項1記載の電動機駆動装置。
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