JP3969175B2 - 運転状態監視システム、路側送信機及び車載機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、路上に設置され、当該設置地点において履行すべき交通規則に関する情報を空中伝搬信号によって送信する路側送信機と、車両に搭載され前記路側送信機より送信される情報を受信して処理する車載機とで構成される運転状態監視システム、並びにそのシステムに使用される路側送信機及び車載機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
車両の運転は、原則的には人間の意思に基づいて行われるものであるため、交通規則や交通マナーを遵守するか否かは、偏に運転者個人の心掛けにかかっている。特に、他人の目が無いような場所においては、尚更である。しかしながら、そのような個人の心掛けを一方的に期待するだけでは現実的には何の解決にもならない。
【0003】
大部分の人間は、「これは誰も見ていない」、「この程度は大丈夫だろう」といったような気持ちになりがちであり、そのような気持ちに基づく運転が結局は事故の発生に繋がってしまう。従って、交通事故の防止をより実効あるものとする方策の1つとしては、例えば、各車両の運転状態を監視するためのシステムを導入することが考えられる。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、各車両の運転状態を監視することにより、交通事故の発生をより確実に防止することができる運転状態監視システム、並びにそのシステムに使用される路側送信機及び車載機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の運転状態監視システムによれば、路側送信機は、路上の設置地点において履行すべき交通規則に関する情報を空中伝搬信号によって送信する。そして、車載機は、路側送信機より送信される情報を設置地点を中心とする受信エリア内で受信すると、違反判定手段が、その情報と当該情報を受信した時点に運転情報取得手段が取得した情報とを比較し、車両の運転が前記設置地点において履行すべき交通規則に違反していると判定すると、その違反についての情報を外部の者または機関が利用できるように処理する。
そして、違反判定手段は、交差点に設置されている前記路側送信機より信号機の信号色情報を受信した場合、信号色が「青」でない期間において、車両が交差点を通過したと判断すると違反と判定すると共に、車速センサの出力信号に基づいて前記車両に減速する傾向が見られない場合は周辺車両に危険を警告する情報を通知し、車両が交差点を通過することなく停止したと判断すると違反と判定しないようにする。
【0006】
即ち、本発明のシステムにより車両の運転状態を監視することができ、交通規則違反が発生した場合は、具体的な証拠を残すことが可能となる。そして、その情報を当局が利用すれば交通違反の摘発を確実に行うことができるので、車両の運転を行う者は、交通法規を遵守しなければならないという意識を高めざるを得なくなる。従って、運転者の交通マナーを確実に向上させることができ、交通事故の発生を確実に抑止することができる。
【0007】
請求項2記載の運転状態監視システムによれば、車載機は、違反判定手段が判定した情報を、空中伝搬信号を介して外部に送信するので、例えば、当局などがその情報を受信して記録すれば、各運転者の運転状態をほぼリアルタイムで把握することができる。そして、記録された情報に基づいて交通違反点数の減点を行うようにすれば、違反の摘発を公平に行うことができる。
【0008】
請求項3記載の運転状態監視システムによれば、車載機は、前方に位置する車両の車載機によって送信された信号無視情報を受信すると、その情報の内容に基づいて、車両の乗員に対して警告手段による警告を行う。即ち、前方を走行している車両が、例えば大型トラックのように車高が高く車幅が広い場合は、その後方に位置する車両は、前方の路上の様子を十分に把握できないことがある。
【0009】
そのような場合に、例えば、前方の車両が信号を無視して交差点に進入すると、後方の車両もそれに続いて交差点に進入してしまうことも考えられ、危険である。従って、後方の車両に前方の車両の違反情報を伝えて警告を行うようにすれば、後方の車両の運転者は、交差点への進入を踏み留まることが可能となる。
【0010】
請求項4記載の運転状態監視システムによれば、車載機は、違反判定手段が判定した情報を記録媒体に記録させるので、必要に応じて記録媒体に記録されている違反情報を読み出して様々な評価を行う場合に利用することができる。
【0011】
そして、例えば各運転者が夫々に記録媒体を所持しており、一人の運転者が複数の車両を運転する際に自分に割り当てられている記録媒体を用いるようにすれば、夫々の車両で行った運転において違反が発生した場合に情報が記録されるので、各運転者毎に違反の履歴を記録させることができる。
【0012】
請求項5記載の運転状態監視システムによれば、車載機は、記録媒体に記憶された情報の読み出しを、特別に許可されている者だけが行えるようにセキュリティ処理する。即ち、違反情報は個人のプライバシーに関する情報であるから、どのような人間であっても容易に読み出すことができるようになっていては好ましくない。そこで、例えば特定のパスワードや暗証番号、暗号鍵を入力すれば情報の読み出しが可能となるようなセキュリティ処理を行うことで、特別に許可されている者だけが違反情報を読み出すことができるようになる。
【0013】
請求項6記載の運転状態監視システムによれば、車載機は、記録媒体を個人情報に基づいて個別に管理して当該個人に対応する情報を記録するので、例えば、その個人情報に基づいて車両の運転を許可するか否かを決定することなどが可能となる。
【0014】
請求項7記載の運転状態監視システムによれば、記録媒体を、運転免許証,自動車保険証,または車検証として構成されるICカードとする。即ち、近い将来において運転免許証等はICカード化される可能性があるので、そのICカードを本発明のシステムに適用すれば、運転免許証等に付随する個人情報を利用したり、免許証等の書き換え時などにおいて違反情報を管理するのに好適である。
【0016】
請求項8記載の運転状態監視システムによれば、路側送信機は、交通規則「一時停止」が定められている交差点に設置されている場合に、「一時停止」を示す情報を送信する。そして、車載機の違反判定手段は、その情報を受信した場合に車両の運転状態が「走行中」であるとすると、「一時停止違反」と判定するので、「一時停止違反」が行われたことが確実に把握できるようになる。
【0017】
請求項9記載の運転状態監視システムによれば、違反判定手段は、運転情報取得手段が取得した車両の速度に基づいて安全車間距離を求め、車間距離測定手段によって測定された前方車両との車間距離が安全車間距離未満である場合には「車間距離不保持」と判定する。従って、「車間距離不保持」を判定することで、路側送信機が設置されていない路上においても「車間距離不保持」を判定することで適切な運転が行われているか否かを監視することができる。
【0018】
請求項10記載の運転状態監視システムによれば、違反判定手段は、「車間距離不保持」と判定される状態が継続される時間を計測し、当該時間も前記情報の一部とする。即ち、実際に「車間距離不保持」状態となっている時間を把握することで、その行為が偶発的に発生したものか、或いは意図的若しくは日常的に行われているものかを判別することができる。
【0019】
請求項11記載の運転状態監視システムによれば、演算手段は、違反判定手段が判定した情報に基づいて危険運転指数を演算し、その危険運転指数を、対応する車両の運転者が負担すべき金額の計算に使用する。従って、例えば、ある種の税金の負担率や、車両保険の保険料を算定する場合に危険運転指数を利用すれば、違反情報に基づいて夫々の運転者に公平な負担を課すことができる。
【0020】
請求項12記載の運転状態監視システムによれば、路側送信機は、自身が設置されている箇所の位置情報をも送信し、車載機は、路側送信機より受信した位置情報を記憶して時系列的に比較することで、路側送信機が設置されているインフラを利用して車両の進行方向を簡単に判定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図6を参照して説明する。図1は、運転状態監視システムの概観構成を示すものである。交差点1には、信号機2と共に路側送信機40が設置されている。路側送信機40は、信号機2の表示切替え動作に連動して、信号機2の表示状態を示す情報を例えば狭域無線通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)などにより交差点1を通過しようとする車両に送信するようになっている。交差点1を通過しようとする車両には、トラック3と普通乗用車4とがあり、これらの車両3,4は、夫々車載機5(図2参照)を搭載している。
【0022】
図2は、車載機5の電気的構成を示す機能ブロック図である。車載機5は、交通情報用狭域無線機6、周辺車両用狭域無線機7、履歴通知用広域無線機8の各無線機と、GPS(Global Positioning System)信号を受信して車両の現在位置を検出するための現在地検出部9とを備えており、これらは、マイクロコンピュータで構成される制御部(違反判定手段)10に接続されている。
【0023】
交通情報用狭域無線機6は、路側送信機40より送信される無線信号を受信するものであり、周辺車両用狭域無線機7は、必要に応じて他の周辺車両(車載機5を搭載している)に情報を送信する場合に使用される。これらは、何れもDSRC規格に準拠した構成である。
【0024】
履歴通知用広域無線機8は例えば自動車電話機や携帯電話機などで構成され、後述するように交通規則違反が発生した場合に、その情報を外部に送信するために使用される。尚、履歴通知用広域無線機8は、必ずしも通話機能を有する必要は無く、少なくともデータ通信機能を備えているものであれば良い。
【0025】
その他、制御部10には、ナビゲーション装置11(必要に応じて)、ディスプレイ12、操作スイッチ部13、車内インターフェイス(I/F)14、カード装置15、車両信号入力インターフェイス16や前方車間検知センサ17などが接続されている。
【0026】
ナビゲーション装置11は、周知のように、現在地検出部9或いは車両に配置されている各種センサが出力する信号に基づいて自律的に演算した車両の現在位置を、CD或いはDVD−ROMなどに記憶された地図データと共にディスプレイ12に表示させたり、目的地までの経路探索や経路案内などを行うものである。ディスプレイ12や操作スイッチ部13は、ナビゲーション装置11が存在する場合には車載機5と共有されるもので、操作スイッチ部13には音声により各種の操作指示を可能とする音声認識部をも含む。
【0027】
車内インターフェイス14は、車内に配置されている図示しないその他の機器、例えば、ECU(Electronic Control Unit),ABS(Anti-Lock Brake System),エアバッグ装置、エアコン、乗員が持ち込んだパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)などとの間で通信を行うためのインターフェイスであり、例えば、Bluetooth、USB(Universal Serial Bus),Ethernet(登録商標),IEEE1394,無線LANなどである。
【0028】
カード装置15は、ICカード(記録媒体)18との間でデータ転送を行うための所謂リーダ/ライタである。尚、ICカード18は、運転免許証として構成されているものとする。車両信号入力インターフェイス16は、車両の各部に配置されているスイッチやセンサなどからECUを介して必要な情報を得るための車内LANインターフェイスである。上記情報としては、一例を挙げれば、ACC(アクセサリ)信号、車速情報、パーキングブレーキ(PKB)情報などである。前方車間検知センサ17は、例えばレーザ光を用いて前方車両との車間距離を計測するものである。
【0029】
また、ICカード18には、後述するように車両を運転した場合に発生した交通規則の違反に関する情報が記録されるため、運転者がICカード18を車載機5にセットしない限りは車両の走行が不能となるように、制御部10が車内インターフェイス14を介してボディECU或いはエンジンECUと連携制御するように構成されている。
【0030】
図3は、制御部10によって実行される制御プログラムの内容を機能別に表したブロック図である。制御プログラムは、オペレーティングシステム(OS)19の上で処理内容毎に分割されているプログラムモジュール(タスク)が実行される構成である。
【0031】
プログラムモジュールには、車間距離監視処理部20、信号無視監視処理部21、一時停止監視処理部22、車速監視処理部23、ICカード処理部24、外部機器通信制御処理部25、周辺車両通信処理部26、交通情報通信処理部27、車両信号入力処理部28、車間距離信号処理部29、現在地情報処理部30などがある。
【0032】
次に、本実施例の作用について図4乃至図6を参照して説明する。図4は、例えば図1に示すように、トラック3が交差点1を通過しようとする場合において、トラック3に搭載されている車載機5の制御部10による制御処理の内容を示すフローチャートである。この場合、制御部10の処理部21、24、26〜28が機能する。また、図5は、交差点1の路側送信機40と車載機5が行う処理の一例を示すタイミングチャートである。
【0033】
先ず、制御部10の交通情報通信処理部27は、路側送信機40より送信される交通情報を受信するまで待機し(ステップA1)、受信すると(「YES」)、受信した情報が信号機2の信号色を示すものであるか否かを判断する(ステップA2)。即ち、図5(a)に示すように、路側送信機40は、信号機2の信号色の情報を狭域無線通信によって常時送信しており、交差点1を通過しようとする車両に搭載されている車載機5は、その無線信号を交通情報用狭域無線機6によって受信する。
【0034】
ステップA2において、受信した情報が信号色を示すもので無ければ(「NO」)ステップA1に戻り、信号色を示すものであれば(「YES」)、信号無視監視処理部21がその色が「青」であるか否かを判断する(ステップA3)。そして、「青」であれば(「YES」)ステップA1に戻る。
即ち、信号機2が「青」の場合にトラック3が交差点1を通過することには、何等問題は無い。
【0035】
一方、ステップA3において信号機2の信号色が「青」でなければ(「NO」、即ち、「黄」または「赤」の場合)、信号無視監視処理部21は、制御部10内のメモリにおいて信号無視ステータスを「0」にリセットし(ステップA4)、車両信号入力処理部28は、車速情報に基づいてトラック3が停止しているか否かを判断する(ステップA5)。
【0036】
ここで、図5(b)に示すように、信号が「赤」であるにもかかわらず、トラック3の車速パルス(車速センサの出力信号)がほぼ一定の間隔で出力されており減速する傾向が見られない場合は、トラック3が赤信号を無視して交差点1に進入しようとしている状態を示している。従って、信号無視監視処理部21はステップA5で「NO」と判断し、周辺車両通信処理部26は、周辺車両用狭域無線機7により周辺車両に危険を警告する情報を通知する(ステップA6、図5(c)参照)。この場合、図1に示すように、トラック3の後方に位置する乗用車4、及び図示しない側方に位置する車両に通知を行うようにする。
【0037】
尚、ステップA5における判断は、車速センサの出力信号に限ることなく、車輪センサ、スピードメータ信号、ブレーキの状態などから判断することも可能である。
【0038】
前記警告情報を受信した乗用車4の車載機5は、例えば、ナビゲーション装置11に配置されている音声案内用の報知手段(スピーカなど)を利用して、例えば、「危険です」や、「前方の車両が赤信号で進入しています」といった音声を出力させて、乗員に警告を行う。
【0039】
即ち、前方を走行している車両がトラック3のように車高が高く車幅が広い場合は、その後方に位置する乗用車4は、トラック3の前方の路上の様子を十分に把握できないことがある。例えば、図1においてハッチングで示す領域が死角となっている。そのような場合に、前方のトラック3が信号を無視して交差点1に進入すると、乗用車4もそれに続いて交差点1に進入してしまうことも考えられ、危険である。従って、後方の乗用車4に前方のトラック3の違反情報を伝えて警告を行うようにすれば、乗用車4の運転者は、交差点への進入を踏み留まることができる。
【0040】
また、交差点1において、トラック3の側方に位置する車両も信号が「青」に変わる前に見切り発進しようとする可能性があり、発進のタイミングを早まると衝突のおそれがある。従って、予め警告を行うことで、見切り発進を思い留まらせることができる。
【0041】
続いて、交通情報通信処理部27は、路側送信機40より送信される交通情報を未だ受信しているか否かを判断する(ステップA7)。即ち、トラック3が交差点1を通過中であれば前記交通情報は継続して受信されるので、受信している間はステップA5に戻る。
【0042】
そして、トラック3が交差点1を完全に通過して交通情報を受信しなくなると(ステップA7,「NO」,図5(ウ))、信号無視監視処理部21は、信号無視ステータスを「1」にセットしてから(ステップA8)ステップA9に移行する。即ち、この場合は「信号無視」となって交通規則に違反したことになる。
【0043】
それから、ICカード処理部24がICカード18に上記の履歴情報(信号無視ステータス「1」、例えば、交差点1(愛知県*市*町*交差点)を2001年12月6日23時28分03秒に「信号無視」で通過、というような)を書き込み(ステップA9、図5(d)、図6参照)、交通情報通信処理部27は、上記履歴情報を履歴通知用広域無線機8を使用して外部(例えば、警察の交通管理センタなど)に送信する(ステップA10、図5(d)参照)。それから、ステップA1に戻る。
【0044】
ステップA5において、信号無視監視処理部21が(「YES」)と判断する場合は、トラック3が信号「黄」または「赤」で停止した場合、または、一旦信号「黄」または「赤」を無視して交差点1内に進入した状態で停止した場合の2つのケースがある。そして、車両信号入力処理部28は、車速情報に基づいてトラック3が発進するまで待機し(ステップA11)、トラック3が発進すると(「YES」)ステップA1〜A3と同様の処理を行い、そのとき受信した信号機2の信号色が「青」であるか否かを判断する(ステップA12)。
【0045】
ステップA12において、信号色が「青」であれば(「YES」)ステップA9)に移行し、ICカード処理部24はICカード18に上記の履歴情報(信号無視ステータス「0」、例えば、交差点1(愛知県*市*町*交差点)を2001年12月6日23時28分03秒に通過、というような)を書き込む。また、ステップA12において信号色が「青」でなければ(「NO」)、信号無視監視処理部21は、ステップA8に移行する。即ち、この場合も「信号無視」となって交通規則に違反したことになる。
【0046】
ここで、図6は、ステップA9においてICカード18に記録される情報の一例を示すものである。情報の内容は、大きく分けて、履歴内容31、保険書情報32、最新詳細履歴(No.1)33,最新詳細履歴(No.2)34,免許証情報35及び減点情報36等からなっている。
【0047】
履歴内容31は、例えば、「信号設置交差点通過回数」、「信号無視回数」、「一時停止交差点通過回数」、「一時停止無視回数」、「延べ走行時間」、「安全車間距離未保持時間」、「履歴開始日時」などの項目よりなる。「信号設置交差点通過回数」は、画路側送信機40が設置されている交差点を車両が通過した累積回数であり、「信号無視回数」は、車両が信号無視を行った累積回数を示す。「延べ走行時間」は、車両が走行した累積走行時間であり、「履歴開始日時」は、車載機5が車両に設置されて履歴の記録を開始した日時を示す。
尚、これらの内、「一時停止交差点通過回数」、「一時停止無視回数」及び「安全車間距離未保持時間」については、後述する他の実施例において説明する。
【0048】
保険書情報32は、車両の乗員が加入している車両保険(強制または任意)の契約内容に関するもので、各保険会社毎に定められる内容が記録される。
最新詳細履歴33,34は、違反として記録されている情報の内、最近のもの2件について内容を詳細に記録したものであり、「位置情報」、「時間」、「車両No.」、「違反内容」などからなっている。勿論、記憶容量に応じて3件以上記録しても良い。
免許証情報35及び減点情報36は、警察の考案が管理する情報であり、前者は一般的な運転免許証に記載されている情報、後者は、交通規則違反に伴って行われる減点に関する情報である。
【0049】
これらの情報の内、例えば、履歴内容31と保険書情報32とに関してはセキュリティAで管理されており、残りの情報はセキュリティBで管理されている。即ち、これらの情報は個人のプライバシーに関する情報であるから、どのような人間であっても容易に読み出すことができるようになっていては好ましくない。従って、夫々の管理形態に応じて読み出し許可を得るための情報(パスワード、暗証番号や暗号鍵など)を所有していない者には、ICカード18に記録されている情報を読み出すことはできないようになっている。
【0050】
尚、セキュリティAのレベルはセキュリティBのレベルよりも高くなるように設定されており、セキュリティAの情報を読み出すには、より高度な解除処理を必要とするようになっている。
【0051】
以上のように本実施例によれば、路側送信機40は、設置地点たる交差点1において履行すべき交通規則に関する情報を電波信号によって送信し、車載機5は、路側送信機40より送信される情報を設置地点を中心とする受信エリア内で受信すると、制御部10が、その情報と当該情報を受信した時点に車両信号入力インターフェイス16が取得した車両情報とを比較し、トラック3の運転が交差点1において履行すべき交通規則に違反していると判定すると、その違反についての情報をICカード18に記録させると共に、電波信号により警察などに送信するようにした。
【0052】
即ち、本発明のシステムによりトラック3の運転状態を監視することができ、交通規則違反が発生した場合は具体的な証拠を残すことが可能となる。そして、その情報を警察が利用すれば交通違反の摘発を確実に行うことができるので、トラック3の運転を行う者は交通法規を遵守しなければならないという意識を高めざるを得なくなる。従って、運転者の交通マナーを確実に向上させることができ、交通事故の発生を確実に抑止することができる。
【0053】
また、路側送信機40は、信号機2と連動してその表示が「赤」になっていることを示す情報を送信し、車載機5の制御部10は、その情報を受信した場合にトラック3の運転状態が「走行中」であるとすると「信号無視」と判定するので、「信号無視」が行われたことが確実に把握できるようになる。
【0054】
また、乗用車4の車載機5は、前方に位置するトラック3の車載機5によって送信された情報を受信すると、その情報の内容に基づいてナビゲーション装置11による警告を行うので、乗用車4の運転者は、トラック3に釣られて交差点1に進入してしまうことを回避できる。
【0055】
そして、車載機5は、制御部10が判定した情報をICカード18に記録させるので、必要に応じて記録されている違反情報を読み出して様々な評価を行う場合に利用することができる。また、ICカード18を用いれば、夫々の車両で行った運転において違反が発生した場合に情報が記録されるので、各運転者毎に違反の履歴を記録させることができる。
【0056】
更に、車載機5は、ICカード18に記憶された情報の読み出しを、特別に許可されている者だけが行えるようにセキュリティ処理するので、個人のプライバシーに関する情報を、特別に許可されている者だけが読み出すことができるようになる。
【0057】
加えて、ICカード18は運転免許証として構成されているので、近い将来において実際に運転免許証がICカード化された場合に、運転免許証に付随する個人情報を利用したり、免許証の書き換え時などにおいて警察(公安)側が違反情報を管理するのに好適である。そして、履歴情報に応じて点数の減点を行うようにすれば、減点が行われる過程を透明化することができると共に、各運転者に対する取り扱い(例えば罰金の負担など)を公平にすることができる。
【0058】
(第2実施例)
図7乃至図9は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例は、信号機2は設置されておらず「一時停止」の標識41が設置されている交差点42を乗用車43が通過する場合である。この場合、交差点42に設置されている路側送信機44は、「一時停止」を示す信号を連続的に送信している(図9(a)参照)。
【0059】
次に、第2実施例の作用について図8及び図9を参照して説明する。図8は、図7に示すように、乗用車43が交差点42を通過しようとする場合において、乗用車43に搭載されている車載機5の制御部10による制御処理の内容を示すフローチャートである。また、図9は、路側送信機44と車載機5が行う処理の一例を示すタイミングチャートである。
【0060】
第2実施例では、車載機5の制御部10が行う処理内容が、即ち、機能するプログラムモジュールが第1実施例と一部異なっており、制御部10の処理部22、24、27、28が機能するようになっている。
【0061】
先ず、制御部10の交通情報通信処理部27は、路側送信機44より送信される交通情報を受信するまで待機し(ステップB1)、受信すると(「YES」)、受信した情報が「一時停止」を示すものであるか否かを判断する(ステップB2)。ステップB2において、受信した情報が「一時停止」を示すもので無ければ(「NO」)ステップB1に戻り、「一時停止」を示すものであれば(「YES」)、一時停止監視処理部22は、制御部10内のメモリにおいて一時停止無視ステータスを「0」にリセットし(ステップB3)、車両信号入力処理部28は、車速情報に基づいて乗用車43が停止しているか否かを判断する(ステップB4)。
【0062】
ここで、図9(b)に示すように、「一時停止」を示す信号を受信しているにもかかわらず、乗用車43の車速パルス(車速センサの出力信号)が継続して出力されている場合は、乗用車43が「一時停止」を無視して交差点42に進入しようとしていることを示している。従って、一時停止監視処理部22は、ステップB4で「NO」と判断し、ステップB5に移行する。
【0063】
ステップB5において、交通情報通信処理部27は、路側送信機44より送信される交通情報を未だ受信しているか否かを判断し、乗用車43がステップB4において停止する前に交通情報の受信が途絶えると(「NO」)、一時停止監視処理部22は、一時停止無視ステータスを「1」にセットする(ステップB6)。即ち、この場合は「指定場所一時不停止」となって交通規則に違反したことになる。
【0064】
続くステップB7,B8においては、第1実施例におけるA9,A10と同様に、ICカード処理部24がICカード18に上記の履歴情報(一時停止無視ステータス「1」、例えば、交差点42(愛知県*市*町*交差点)を2001年12月6日23時28分03秒に「一時停止」違反で通過、というような)を書き込み(図9(c)、図6参照)、交通情報通信処理部27は、上記履歴情報を履歴通知用広域無線機8を使用して外部に送信する(図9(d)参照)。それから、ステップB1に戻る。
【0065】
また、ステップB5において交通情報通信処理部27が「NO」と判断する前に乗用車43が停止することでステップB4で「YES」と判断すると、一時停止監視処理部22は、ステップB7に移行する。即ち、図9(e)に示すように乗用車43が一時停止を履行した場合であるから、ICカード処理部24は、ICカード18に上記の履歴情報(一時停止無視ステータス「0」、例えば交差点42(愛知県*市*町*交差点)を2001年12月6日23時28分03秒に「一時停止」で通過、というような)を書き込む。
【0066】
尚、ステップB4,B5における処理によれば、乗用車43が交差点42に完全に進入した状態で停止した場合でも、「指定場所一時不停止」が記録されることは無い。しかしながら、実際に運転を行う者は、乗用車43をそのように中途半端な位置で停止させることは通常考えられず、一時停止を履行する(若しくは、停止線を僅かにオーバーランして停止する)か、一時停止を完全に無視するかの何れかであると想定される。従って、上記の処理形態であっても実用上は問題は無いと考える(尚、第1実施例のケースでも同様に考えることができる)。
【0067】
以上のように第2実施例によれば、路側送信機44は、交通規則「一時停止」が定められている交差点42に設置されている場合に、「一時停止」を示す情報を送信する。そして、車載機5の制御部10は、その情報を受信した場合に乗用車43の運転状態が「走行中」であるとすると、「一時停止違反」と判定するので、「一時停止違反」が行われたことが確実に把握できるようになる。
【0068】
(第3実施例)
図10乃至図12は本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第3実施例は、信号機2や路側送信機は設置されておらず、交差点でもない道路上のケースである。
【0069】
図10に示すように、道路51上を乗用車52、トラック53、乗用車54の順に並んで走行しているものとする。そして、トラック53に搭載されている車載機5は、前方車間検知センサ(車間距離測定手段)17により前方の乗用車52との車間距離を計測している。
【0070】
図11は、前記車載機5の制御部10による制御処理の内容を示すフローチャートであり、図12は、車載機5が行う処理の一例を示すタイミングチャートである。制御部10の車間距離監視処理部20は、車両信号入力処理部28を介して車速パルス信号に基づいて検出したトラック53の車速情報を取得すると(ステップC1)、その車速情報に応じた適正車間距離L1を計算する(ステップC2)。
【0071】
適正車間距離L1は、例えば車速100kmの場合は100m,車速80kmの場合は80mが一般的な目安であるが、雨天において路面が濡れている場合にはより長い距離が必要となる。例えば、車両に雨量センサを設けて、そのセンサにより検出される雨量に応じて計算を行っても良い。また、雨量センサを設けずとも、例えば、ワイパの動作状態(低速、普通、高速の切り替え状態など)を車両信号入力処理部28を介して得ることで、雨量を推定しても良い。更に、適正車間距離L1は、車両の重量情報を得ることで、その重量に応じて計算するようにしても良い。例えば、重量が重いトラック53の場合には距離L1がより長くなるようにする。
【0072】
次に、車間距離信号処理部29により現在の車間距離L2を検出するとステップC3)、距離L1が距離L2よりも大であるか否かを判定する(ステップC4)。前者が後者以下であれば(「NO」)ステップC1に戻り、前者が後者よりも大であれば(「YES」)タイマAをリセットスタートする(ステップC5)。ここで、タイマAは、例えば、車間距離監視処理部20が保有するソフトウエアタイマである。
【0073】
それから、周辺車両通信処理部26は、周辺車両用狭域無線機7により周辺車両に危険を警告する情報を通知する(ステップC6、図12(c),(ア)参照)。この場合、図10に示すように、トラック53の後方に位置する乗用車54に通知を行うようにする。
【0074】
この時、前記警告情報を受信した乗用車54の車載機5は、第1実施例と同様に、ナビゲーション装置11に配置されている音声案内用の報知手段を利用して、例えば、「危険です」や、「前方車両の車間距離が確保されていません」といった音声を出力させて乗員に警告を行う。
【0075】
即ち、前方をトラック53が走行している場合、その後方に位置する乗用車54はトラック53の前方の路上の様子、即ち、トラック53の前方に車両が存在するか否か、その車両との車間距離が十分に確保されているか否かは十分に把握できないことがある。従って、後方の乗用車54にトラック53の車間確保状態を伝えて警告を行わせようにすれば、乗用車54の運転者は、トラック53との車間距離を十分に確保して安全性を向上させることができる。
【0076】
続いて、車間距離監視処理部20は、ステップC3と同様に現在の車間距離L2を検出して(ステップC7),距離L1が距離L2よりも小であるか否かを判定する(ステップC8)。前者が後者以上であれば(「NO」)ステップC6に戻り、前者が後者よりも小であれば(「YES」)タイマAのカウントをストップさせる(ステップC9、図12(ウ)参照)。
【0077】
続くステップC10においては、ICカード処理部24がICカード18に履歴情報を書き込む。(図12(d)、図6参照)。この場合の履歴情報は、ステップC5〜C9においてタイマAにより計測された時間となる。例えば、安全車間距離未保持時間10分というような情報となる。そして、続くステップC11においては、交通情報通信処理部27は、上記履歴情報を履歴通知用広域無線機8を使用して外部に送信し(図12(e)参照)、ステップC1に戻る。
【0078】
以上のように第3実施例によれば、車載機5の制御部10は、トラック53の速度に基づいて安全車間距離L1を求め、そのときの実際の車間距離L2が安全車間距離L1未満である場合には「車間距離不保持」と判定するので、路側送信機40が設置されていない路上においても、車間距離の確保状態を監視して適切な運転が行われているか否かを監視することができる。
【0079】
また、制御部10は、「車間距離不保持」と判定される状態が継続される時間を計測し、当該時間を履歴情報の一部とするので、実際に「車間距離不保持」状態となっている時間を把握することで、その行為が偶発的に発生したものか、或いは意図的若しくは日常的に行われているものかを判別することができる。
【0080】
(第4実施例)
図13乃至図15は本発明の第4実施例を示すものである。第4実施例は、以上のようにして車載機5によりICカード18に記録される履歴情報を、外部として車両保険の契約を行う保険会社に送信することで、車両保険の保険料を計算する場合に適用することを想定する。即ち、図13に示すように、車載機5の履歴通知用広域無線機8は、基地局61を介して公衆通信網62にアクセスし、履歴情報を保険会社63のサーバ(演算手段)64に送信するようになっている。
【0081】
図14は、車両保険の契約更新時において、サーバ64が、保険契約者が契約期間内(1年間)に行った運転の違反状況に応じて保険料を算定する処理内容を示すフローチャートである。サーバ64は、先ず、危険運転指数Aを計算する(ステップD1)。危険運転指数Aは、
(危険運転指数A)=(信号無視回数)/(信号設置交差点通過回数)
によって計算される。
【0082】
次に、サーバ64は、危険運転指数Bを計算する(ステップD2)。危険運転指数Bは、
(危険運転指数B)=(一時停止無視回数)/(一時停止交差点通過回数)
によって計算される。
【0083】
続いて、サーバ64は、危険運転指数Cを計算する(ステップD3)。危険運転指数Cは、
(危険運転指数C)=(安全運転車間距離未保持時間)/(延べ走行時間)
によって計算される。
【0084】
ここで、図6に示す履歴情報に基づいて実際に危険運転指数A〜Cを計算してみると次のようになる。
(危険運転指数A)=997(回)/5619(回)=0.18
(危険運転指数B)=259(回)/7442(回)=0.03
(危険運転指数C)= 14(日)/204(日) =0.07
即ち、夫々18%、3%、7%となる。
【0085】
それから、サーバ64は、ステップD1〜D3で求めた各危険運転指数A〜Cに基づいて保険料倍率を決定する(ステップD4)。ここで使用する最終的な危険運転指数は、例えば指数A〜Cの単純な総和としたり、或いは、夫々の違反内容が交通事故の発生に結び付く危険度合いを夫々の重み係数として乗じたものを加算しても良い。例えば、単純な総和を求めると、
A+B+C=18+3+7=28(%)
となる。
【0086】
図15は、保険料倍率を決定するためのテーブルであり、サーバ64が保持している。上記の例では危険運転指数が20%以上となったため、保険料倍率は2倍となる。この場合、危険運転指数が高い契約者ほど、交通事故を起こす蓋然性が高いと評価することができるので、それに応じて保険料が高くなるように設定する。そして、サーバ64は、ステップD4で決定した保険料倍率を標準の保険料に乗じることで保険料を計算する(ステップD5)。
【0087】
以上のように第4実施例によれば、保険会社63のサーバ64は、車載機5の制御部10が判定した違反情報に基づいて危険運転指数を演算し、その危険運転指数を、対応する車両の運転者が負担すべき車両保険の保険料の計算に使用するので、違反情報に基づいて夫々の保険契約者に公平な負担を課すことができる。
【0088】
また、従来の車両保険は、車両を対象として契約を行うものであったが、本発明によれば、一人の運転者が複数の車両を運転する場合であっても、車載機が搭載されている車両であればその運転者個人の運転履歴を継続して把握することができる。従って、従来は存在しなかった運転者個人を対象とする運転者保険サービスを提供することも可能となる。
【0089】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
第1実施例における警告処理は、後方に位置する車両に対してのみ行っても良い。また、第2実施例においても、第1実施例と同様な警告処理を行うようにしても良い。
その他、例えば、右折や左折時において方向指示を行わなかった場合、或いは、右折や左折の直前に方向指示したような場合にも違反「合図不履行」と判断して処理しても良い。
【0090】
警告手段は、ナビゲーション装置11を利用するものに限らず、独立の警告手段を設けても良い。また、音声によるものに限らず、警告音を発生させたり、表示により警告を行っても良い。
例えば、車載機に、車両の運転を許可する個人情報を記録させ、記録媒体に記録されている個人情報を照合することで当該車両の運転を許可するか否かを決定するように構成しても良い。
第3実施例において、必ずしも「車間距離不保持」の時間を計測する必要は無く、「車間距離不保持」が発生したことのみを判定してその発生回数を履歴情報としても良い。
第1乃至第3実施例の処理を並行して同時に行うようにしても良い。
【0091】
第4実施例において、車両保険の保険料に適用するものに限らず、その他、例えば重量税の負担率を計算するために適用しても良い(例えば、危険運転指数が大きくなるほど税金の負担率を高めるようにする)。
路側送信機より送信される電波信号のエリアを、図1や図7に示す状態よりも手前(交差点に対して車両が到来する方向)側に位置するようにして、エリアの後端が停止線付近となるようにしても良い。斯様に設定すれば、信号無視や一時停止無視をより厳密に検出することができる。
ICカード18は、運転免許証としての情報が記録されているものでなくても良く、その他、例えば自動車保険の保険証や車検証としての情報が記録されているものであっても良い。
【0092】
ICカード18に対する情報の書き込みや情報の外部に対する送信は、逐次行わずとも、例えば、違反が発生したことを制御部内のバッファ(RAM)に記憶させておき、ACC信号がOFFとなることなどにより車両が停車したことを検出した時点でバッファに保持されている情報を一括してICカード18に書き込んだり、一括して外部に送信するようにしても良い。斯様に構成すれば、書き込みに伴うICカード18の負担を軽減して長寿命化を図ることができる。また、データをある程度まとめて送信することで通信パケット数を削減して、通信料金を低く抑えることもできる。
また、記録媒体はICカード18に限ることなく、マイクロコンピュータが内蔵されていないメモリカードやメモリスティック、その他フロッピー(登録商標)ディスクや磁気カードなど、不揮発性の記録媒体であれば良い。
車載機が違反情報を記録媒体に記録する機能と、当該情報を外部に送信する機能との何れか一方のみを備えていても良い。
【0093】
演算手段は、第4実施例における保険会社63側のサーバ64に限ることなく、車載機がその機能を備えて計算した結果のみを保険会社63側に送信しても良い。
車載機5は、現在地検出部(GPS)9或いはナビゲーション装置11を備えていることで、車両の進行方向を常時監視することが可能であるが、例えば、路側送信機を、自身が設置されている箇所の位置情報をも送信するように構成しておき、車載機は、路側送信機より受信した位置情報をメモリなどに記憶して時系列的に比較することで、車両の進行方向を判定するように構成しても良い。斯様に構成すれば、路側送信機が設置されているインフラを利用して当該設置箇所を通過する毎に車両の進行方向を簡単に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、運転状態監視システムの構成を示す図
【図2】車載機の電気的構成を示す機能ブロック図
【図3】車載機を構成する制御部によって実行される制御プログラムの内容を機能別に表したブロック図
【図4】トラックが交差点を通過しようとする場合において、トラックに搭載されている車載機の制御部による制御処理の内容を示すフローチャート
【図5】交差点の路側送信機と車載機が行う処理の一例を示すタイミングチャート
【図6】ICカードに記録される情報の一例を示す図
【図7】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図8】図4相当図
【図9】図5相当図
【図10】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図11】図4相当図
【図12】図5相当図
【図13】本発明の第4実施例を示すシステム構成図
【図14】車両保険の契約更新時に、保険会社のサーバが、保険契約者が契約期間内に行った運転の違反状況に応じて保険料を算定する処理内容を示すフローチャート
【図15】危険運転指数に応じて保険料倍率を決定するためのテーブルを示す図
【符号の説明】
3はトラック(車両)、4は乗用車(車両)、5は車載機、10は制御部(違反判定手段)、11はナビゲーション装置(警告手段)、17は前方車間検知センサ、18はICカード(記録媒体)、40は路側送信機、43は乗用車(車両)、44は路側送信機、52は乗用車(車両)、53はトラック(車両)、54は乗用車(車両)、64はサーバ(演算手段)を示す。
Claims (14)
- 路上に設置され、当該設置地点において履行すべき交通規則に関する情報を空中伝搬信号によって送信する路側送信機と、
車両に搭載され、
前記路側送信機より送信される情報を、前記設置地点を中心とする受信エリア内において受信する受信手段と、
前記車両の運転状態に関する情報を取得する運転情報取得手段と、
前記受信手段が受信した情報と、当該情報を受信した時点において前記運転情報取得手段が取得した情報とを比較し、当該車両の運転が前記設置地点において履行すべき交通規則に違反していると判定すると、その違反についての情報を外部の者または機関が利用できるように処理する違反判定手段とを有してなる車載機とで構成され、
前記違反判定手段は、交差点に設置されている前記路側送信機より信号機の信号色情報を受信した場合、前記信号色が「青」でない期間において、前記車両が前記交差点を通過したと判断すると違反と判定すると共に、車速センサの出力信号に基づいて前記車両に減速する傾向が見られない場合は周辺車両に危険を警告する情報を通知し、前記車両が前記交差点を通過することなく停止したと判断すると違反と判定しないことを特徴とする運転状態監視システム。 - 前記車載機は、前記違反判定手段が判定した情報を、空中伝搬信号を介して外部に送信するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の運転状態監視システム。
- 前記車載機は、
車両の乗員に対して警告を行うための警告手段を備え、
前方に位置する車両の車載機によって送信された信号無視情報を受信すると、前記情報の内容に基づいて、前記警告手段による警告を行うことを特徴とする請求項2記載の運転状態監視システム。 - 前記車載機は、前記違反判定手段が判定した情報を、記録媒体に記録させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の運転状態監視システム。
- 前記車載機は、前記記録媒体に記憶された情報の読み出しを、特別に許可されている者だけが行えるようにセキュリティ処理することを特徴とする請求項4記載の運転状態監視システム。
- 前記記録媒体には、車両の運転者の個人情報が記録されており、
前記車載機は、前記記録媒体を前記個人情報に基づいて個別に管理し、当該個人に対応する情報を記録することを特徴とする請求項4または5記載の運転状態監視システム。 - 前記記録媒体は、運転免許証,自動車保険証,または車検証として構成されるICカードであることを特徴とする請求項6記載の運転状態監視システム。
- 前記路側送信機は、交通規則「一時停止」が定められている交差点に設置されている場合に、「一時停止」を示す情報を送信し、
前記車載機の違反判定手段は、前記情報を受信した場合に前記車両の運転状態が「走行中」であるとすると、「一時停止違反」と判定することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の運転状態監視システム。 - 前記車載機は、前方車両との車間距離を測定可能に構成される車間距離測定手段を備え、
前記違反判定手段は、前記運転情報取得手段が取得した車両の速度に基づいて安全車間距離を求め、前記車間距離測定手段によって測定された車間距離が前記安全車間距離未満である場合は、「車間距離不保持」と判定することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の運転状態監視システム。 - 前記違反判定手段は、「車間距離不保持」と判定される状態が継続される時間を計測し、当該時間も前記情報の一部とすることを特徴とする請求項9記載の運転状態監視システム。
- 前記違反判定手段が判定した情報に基づいて危険運転指数を演算する演算手段を備え、
前記危険運転指数を、対応する車両の運転者が負担すべき金額の計算に使用することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の運転状態監視システム。 - 前記路側送信機は、自身が設置されている箇所の位置情報をも送信し、
前記車載機は、前記路側送信機より受信した位置情報を記憶して時系列的に比較することで、車両の進行方向を判定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の運転状態監視システム。 - 請求項1乃至12の何れかに記載の運転状態監視システムに使用されることを特徴とする路側送信機。
- 請求項1乃至12の何れかに記載の運転状態監視システムに使用されることを特徴とする車載機。
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