JP3962849B2 - 平版印刷版用支持体の製造装置 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷版用支持体の製造装置に係り、特にアルミニウム合金を溶解した溶湯を連続鋳造圧延及び冷間圧延、熱処理を行って0.1〜0.5mmの厚みに仕上げ、表面に粗面化処理を行うことで平版印刷版用支持体を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金を一対の冷却ローラの間に供給し、その冷却ローラによって、アルミニウム溶湯を凝固させて板を鋳造する方法については、US49053やUS2790216、CA619491、特公昭51−15968号公報、特開昭51−89827号公報、及び特開昭58−209449号公報等に開示されている。しかしこれらの方法では平版印刷版支持体用途の表面画質の優れたアルミニウム合金板を作ることはできなかった。
【0003】
本願発明人らによってアルミニウム合金を連続鋳造して平版印刷版用支持体を製造する方法(特開平3−79798号公報)や3mm以下に連続鋳造して平版印刷版用支持体を製造する方法(特開平7−138717号公報)が提案されている。
しかし、これらの方法では、鋳造ノズルと冷却ローラ間に付着するアルミニウム起因のスジが発生する不具合があった。このアルミニウム付着にはノズルとローラ間の位置関係が非常に密接に関係していることを本発明者らは見出した。
【0004】
この鋳造ノズルと冷却ローラの位置関係については、特開平9−168843号公報、特開昭63−29650号公報、特開昭51−89827号公報等に開示されている。
しかしながら、特開平9−168843号公報、特開昭63−29650号公報のようにノズルとローラの間に隙間が有る場合は特にローラとノズルの隙間からの溶湯の微少漏れが発生し易くなるという欠点があった。また、特開昭51−89827号公報の様にローラとノズルが接触する場合でも、鋳造開始時に起こる急激な圧力変化には耐えきれず、ノズルとローラの隙間からアルミニウム溶湯の微少漏れが発生するという欠点があった。
【0005】
微少漏れを起こしたアルミニウムはローラとノズル間に付着凝固しローラ表面を擦ったり凝固直前の溶湯メニスカス部と接触することで鋳造板に致命的なスジ状キズを発生させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、鋳造開始時にアルミニウム溶湯の急激な圧力変化が起こっても、アルミニウム溶湯の微少漏れを起こさず、鋳造ノズルと冷却ローラ間へのアルミニウム付着を防止し、アルミニウムの付着によるスジ発生が起こらない優れたアルミニウム合金製平版印刷板用支持体を製造することができる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、該一対の冷却ローラよってアルミニウム溶湯を凝固させつつ圧延を行うことにより、平版印刷版用支持体を製造する製造装置において、前記溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板部材とが、それぞれ上下方向に可動自在に構成され、該上板部材、及び下板部材が鋳造開始時の溶湯圧力によって加圧され、それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけられることを特徴としている。また、アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、該一対の冷却ローラよってアルミニウム溶湯を凝固させつつ圧延を行うことにより、平版印刷版用支持体を製造する製造方法において、前記溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板部材とが、それぞれ上下方向に可動自在に構成され、該上板部材、及び下板部材が鋳造開始時の溶湯圧力によって加圧され、それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけられることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、鋳造開始時の溶湯圧力が急激に変化すると、この溶湯圧力によって上板部材、下板部材が可動し、それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけられる。これにより、本発明によれば、ローラとノズル間のシール性が前記上板部材、及び下板部材によって向上し、その結果、アルミニウムの微少漏れを皆無にでき、アルミニウム付着によるスジの発生を皆無にできるので、スジなどの外観不良が発生しない優れた平版印刷版用支持体を製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
通常平版印刷版用アルミニウム合金支持体の製造装置としては、下記の内容が使用できる。
所定の成分に調整されたアルミニウム合金溶湯を常法に従い清浄化処理を施し、鋳造する。清浄化処理には、溶湯中の水素などの不要なガスを除去するために、フラックス処理、Arガス、CIガス等を使った脱ガス処理や、セラミックチューブフィルタ、セラミックフォームフィルタ、等のいわゆるリジッドメデイアフイルターや、アルミナフレーク、アルミナボール等を濾材とするフィルタや、グラスクロスフィルター等を使ったフィルタリング、あるいは、脱ガスとフィルタリングを組み合わせた処理が行われる。これらの清浄化処理は、溶湯中の、非金属介在物、酸化物、等の異物による欠陥、溶湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐために、実施されることが望ましい。
【0010】
以上のように、清浄化処理を施された溶湯を使って、鋳造を行う。鋳造方法に関しては、DC鋳造法に代表される、固定鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代表される、駆動鋳型を用いる方法がある。工程を複雑にすることなく、低コスト、短納期でアルミニウムを製造するためには、連続鋳造法に代表される、駆動鋳型を用いる方法が望ましい。
【0011】
連続鋳造法には、ハンター法、3C法に代表される、冷却ローラを用いた方法、ハズレー法、アルスイスキャスター2型に代表される冷却ベルト、冷却ブロックを用いた方法が、工業的に行われている。連続鋳造法に関しては、本願発明者らによって、特開平3−79798号公報、特開平5−201166号公報、特開平5−156414号公報、特開平6−262203号公報、持開平6−122949号公報、特開平6−210406号公報。特開平6‐262308号公報等が開示されている。
【0012】
連続鋳造を行った場合、例えば、ハンター法等の冷却ローラを用いると板厚1〜10mmの鋳造板を直接連続鋳造圧延でき、熱間圧延の工程を省略できるメリットが得られる。また、ハズレー法等の冷却ベルトを用いると、板厚10〜50mmの鋳造板が鋳造でき、一般的に、鋳造直後に熱間圧延ローラを配置し連続的に圧延することで、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が得られる。鋳造直後に熱間圧延ローラを必要としない点で、ハンター法等の冷却ローラを用いる方法が工程がよりシンプルであり、低コストで平版印刷版用アルミニウム合金支持体を提供できる点で優れている。
【0013】
冷却ローラを用いて連続的に板を鋳造する場合、十分な温度に加熱保持された溶湯を溶湯供給ノズルに供給し、ノズルの先端から溶湯を吐出し一対の冷却ローラ間に供給し、冷却ローラ表面で、凝固冷却されつつ、ローラの最狭部を通過する際に圧延加工を行われる。通常、冷却ローラは内部に通水用の流路を持っており中を冷却水が通り、その初期の表面温度は溶湯に比べて十分低い。ローラ表面の温度は、溶湯と接することで急速に上昇し、鋳造を続ける中で安定した温度に徐々に収束する。
【0014】
ローラ表面の温度が安定温度に達するまでは鋳造は不安定な状態を余儀なくされる。この間、特に鋳造を開始する直後は、特に不安定なため、場合によっては、アルミニウム溶湯が冷却ローラとノズルの間に微少量漏れだして間に挟まれた状態で凝固することがある。ローラとノズルの間に挟まれてアルミニウムが凝固するとローラ表面を擦ったり、凝固直前の溶湯メニスカス部と接触することで鋳造板に致命的なスジ状キズを発生させる。
【0015】
そのため、溶湯供給ノズルを構成する部材の内、溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板部材が、それぞれ上下方向に対して微少量可動な構造であって、溶湯圧力によって上板部材、下板部材がそれぞれ隣接する冷却ローラ表面に加圧して押しつけられることで、鋳造開始時の溶湯圧力が急激に変化する場合においても、ローラとノズル間のシール性を向上でき、その結果アルミニウムの微少漏れを皆無にし、アルミニウム付着によるスジの発生を皆無にできる。
【0016】
上板部材と下板部材を微少量可動にする方法としては、上板部材と下板部材を固定する位置を変えることで各部材の機械的な微少たわみを使用することができる。もしくは上板部材、下板部材の固定に意図的に遊びを設けることで、溶湯の圧力がかかると、遊びの分だけ各部材が上下に移動するようにすることもできる。
【0017】
なお、鋳造開始方法としては、ノズルの先端に栓の役月をする都材を配置し、溶湯供給と同時にその栓用部材を引き出して鋳造板を作る方法が採用できるが、ローラと溶湯を接触させ、温度が安定したところで自然に板状になるのを待つこともできる。
通常、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板を得た場合、その後の冷間圧延の途中で、中間焼鈍と呼ばれる熱処理を行い、アルミ金属結晶組織を微細化した上で再度冷間圧延を行って0.1〜0.5mmに仕上げることで表面面質の優れた平版印刷版用支持体とする。
【0018】
また通常、所定の厚さ0.1〜0.5mmに仕上げられたアルミニウム板は平面性を改善するために、ローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装置によって、平面性を改善しても良い。また、板巾を所定の巾に加工するため、スリッタラインを通すことも通常行われる。
このようにして作られたアルミニウム板は表面に粗面化処理や陽極酸化処理等の表面処理を行い、感光層を塗布して平版印刷板とすることができる。粗面化処理には、機械的粗面化、化学的粗面化、電気化学的粗面化が単独又は組み合わせて行われる。
【0019】
また、通常アルミニウム板の表面の耐磨耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては酸化皮膜を形成するものならば、いかなるものでも使用することができる。一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、またはそれらの混合液が用いられる。
このようにして得られた平版印刷版用支持体の上には、従来より知られている感光層を設けて、感光性平版印刷版を得ることができる。この感光層中に用いられる感光性物質は特に限定されるものではなく、通常、感光性平版印刷版に用いられているものを使用できる。
【0020】
【実施例】
図1に示した連続鋳造圧延装置10を用いて、次のように鋳造板36を連続鋳造圧延した。
まず、溶解保持炉12でFe0.3%、Si0.08%、Cu0.013%、残りはアルミニウムと不可避不純物になるように溶湯22を調整し、温度790℃に保持した。溶解炉12を傾けて樋14に溶湯を注ぎ、溶湯供給ノズル16から一対の回転ローラ18、18間に吐出させ、回転ローラ18、18間で凝固・冷却・圧延しながら所定の厚さの鋳造板36を連続鋳造圧延した。Tiの供給は、例えばAl−Ti(5%)−B(1%)の合金ワイヤ23を結晶微細化材として、樋14中の溶湯22に供給する事ができる。供給速度を変えることで、溶湯22中のTi濃度{Ti}を変えることができる。あるいは、溶解保持炉12中に、アルミニウム‐Ti(5%)の母合金ブロックや、Al−Ti(5%)−B(1%)の母合金ブロックを必要量添加することによっても可能である。溶湯の液面は、センサ32と制御装置34を用いて溶解炉傾動用モータ24を制御する事で一定に保たれる。鋳造板36は、コイラ20で巻き上げたり、必要に応じてカッター38で切断することができる。
【0021】
まず本発明の実施例−1,2,3とするために溶湯供給ノズルを3種類、それぞれ3回の鋳造を行えるように3個ずつ計9個用意した。また、比較例−1とするための溶湯供給ノズルを1種類、3回の鋳造を行えるように計3個用意した。これらを使って、厚さ3mmの板を計12回鋳造した。
同様にして、スリット巾の異なるノズルを用意し実施例−4、5、6及び比較例−2として、厚さ7mmの板を各実施例比較例3回ずつ鋳造した。
【0022】
実施例、比較例それぞれについて鋳造板表面に発生するスジの有無を調べた。また、スジが発生した場合は、鋳造終了後ノズルとローラ間のアルミニウム付着有無を調べた。
連続鋳造された板36は、その後、図2に示す冷間圧延機50の圧延ローラ56間で所定の厚みまで圧延される。更に、図3に示す連続焼鈍装置60、または図4に示すバッチ式焼鈍装置70で熱処理され、再度、図2の冷間圧延機50の圧延ローラ56間で所定の厚み0.1mm〜0.5mmまで圧延される。本実施例では、すべての実施例、比較例いずれも板厚2mmまで冷間圧延で薄くした後、バッチ焼鈍装置を使い、550℃×10時間保持の熱処理を行ってから、再度冷間圧延機で厚み0.24mmに仕上げた。図5に示す矯正機80の矯正ローラ86によって平面性を改善し、必要に応じて耳部をスリッタ88で所定の巾まで切除しても良い。このようにして平版印刷版用アルミニウム板が製造される。
【0023】
このようにしてできたアルミニウム板に粗面化処理、陽極酸化処理、感光層の塗布・乾燥を行って、平版印刷版とすることができる。ここでは、粗面化処理及び陽極酸化処理後の外観を評価するため、感光層の塗布を行わずにスジ発生の有無を評価した。
図6、7、8は本発明の実施例−1〜6の溶湯供給ノズルの側面図と平面図を示す。また、図9は本発明の比較例中1、2の溶湯供給ノズルの側面図と平面図を示す。
【0024】
図9のノズル16Dは一体構造になっており、上板部材、下板部材が上下方向に微少量可動可の構造にはなっていない。溶湯はノズル入口45から入り、ノズル吐出口46から吐出される。
一方、本発明の実施例の1つ、図6に示す構造aのノズル16Aは、上板部材40、下板部材42が独立した部品になっており、ノズル内スペーサ48を貫通する止めボルト90のみによって固定されている。
【0025】
この結果、上板部材40、下板部材42はそれぞれボルト90を固定点とする片持ちはりの構造となるので、溶湯が通過する際の圧力に応じて微少量たわみが生じる。この結果、上板部材40は上側の冷却ローラ18(図1参照)に、そして、下板部材42は下側の冷却ローラ18(図1参照)にそれぞれ密着するので、ノズル16Aと上側の冷却ローラ18との隙間、及びノズル16Aと下側の冷却ローラ18との隙間にアルミニウム溶湯の微少量漏れが発生しない。
【0026】
また、本発明のもう一つの実施例、図7に示す構造bのノズル16Bは、上板部材40、下板部材42が独立した部品になっており、ピン92によって支持されている。このため、溶湯が通過する際の圧力に応じてノズル先端は微少量たわみ、冷却ローラ18に密着するのでアルミニウム溶湯の微少量漏れが発生しない。
【0027】
また、本発明のもう一つの実施例、図8に示す構造cのノズル16Cは、上板部材40、下板部材42が独立した部品になっており、かつノズル内スペーサ48との間にクリアランス96があり、微少量のガタを生じるようになっている。ガタが必要以上にならないように、調整ねじ94によってクリアランス96を所定の量に調整できる。このため、溶湯が通過する際の圧力に応じてノズル先端は微少量移動し、冷却ローラ18に密着するのでアルミニウム溶湯の微少量漏れが発生しない。
【0028】
次に、鋳造板のスジ発生有無、圧延焼鈍後のスジ発生有無を調べた結果を下記表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003962849
【0030】
上記表1に示す通り、鋳造板厚3mmでは、比較例−1が3回の鋳造中3回とも鋳造板にスジが発生し、圧延、焼鈍、表面処理後もスジが残ったのに対し、本発明の実施例一1、2、3はスジの発生が皆無であった。
【0031】
また、鋳造板7mmでは、比較例−2が3回の鋳造中1回鋳造板にスジが発生し、圧延、焼鈍、表面処理後もスジが残ったのに対し、本発明の実施例−4、5、6はスジの発生が皆無であった。
鋳造板厚3mmの比較例が鋳造板厚7mmの比較例よりスジの発生頻度が高い理由は、ノズル先端のスリット巾が狭いことに依る圧力変動の大きさが大きいためと考えられる。逆に言えば、本発明の効果は、そのような薄い厚みを鋳造する際により大きな効果が得られる。
【0032】
以上のように、双ローラ式連続鋳造装置を用いて厚さ10mm〜lmmの連続鋳造板を鋳造し、途中で熱処理を行い、冷間圧延で0.1〜0.5mmの厚みに仕上げて、平版印刷版支持体用アルミニウム合金板を製造する装置及び方法において、アルミニウムの微少漏れに起因する鋳造板のスジ発生を防止することで、スジなどの外観故障が発生しない優れた平版印刷版支持体を製造することができる。
【0033】
なお、鋳造の板厚が3mm以下の装置であると、ノズル出口近傍での溶湯圧力の変化が大きくなるので、特に有効になる。また、本装置の効果を有効に得るためにアルミニウム合金の成分は、Fe:0.03〜0.8%、Si:0.02〜0.3%、0u:0〜0.05%、Ti:0.005〜0.1%である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るアルミニウム合金製平版印刷版用支持体の製造装置によれば、溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板部材とを、それぞれ上下方向に対して微少量可動に構成し、溶湯圧力によって上板部材、下板部材がそれぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけられるようにしたので、鋳造開始時の溶湯圧力が急激に変化しても、ローラとノズル間のシール性が向上し、その結果、アルミニウムの微少漏れを皆無にでき、アルミニウム付着によるスジの発生を皆無にできるので、スジなどの外観不良が発生しない優れた平版印刷版用支持体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様である連続鋳造圧延装置の全体構成図
【図2】冷間圧延装置の説明図
【図3】連続焼鈍装置の説明図
【図4】バッチ焼鈍装置の説明図
【図5】矯正装置の説明図
【図6】本発明の第1実施例の鋳造ノズルの構造図
【図7】本発明の第2実施例の鋳造ノズルの構造図
【図8】本発明の第3実施例の鋳造ノズルの構造図
【図9】従来の鋳造ノズルの構造図
【符号の説明】
10…連続鋳造圧延装置
12…溶解保持炉
14…樋
16、16A、16B、16C、16D…浴湯供給ノズル
18…回転式冷却ローラ
22…溶湯
32…液面センサ
36…鋳造板
38…カッター
40…ノズル上板部材
42…ノズル下板部材
44…ノズル側板
46…ノズルスリット部
48…ノズル内スペーサ
50…冷間圧延機
56…圧延ローラ
58…バックアップローラ
36…圧延板
80…矯正装置
86…矯正ローラ

Claims (2)

  1. アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、該一対の冷却ローラよってアルミニウム溶湯を凝固させつつ圧延を行うことにより、平版印刷版用支持体を製造する製造装置において、
    前記溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板部材とが、それぞれ上下方向に可動自在に構成され、該上板部材、及び下板部材が鋳造開始時の溶湯圧力によって加圧され、それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけられることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造装置。

  2. アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、該一対の冷却ローラよってアルミニウム溶湯を凝固させつつ圧延を行うことにより、平版印刷版用支持体を製造する製造方法において、
    前記溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板部材とが、それぞれ上下方向に可動自在に構成され、該上板部材、及び下板部材が鋳造開始時の溶湯圧力によって加圧され、それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけられることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
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