JP2000117402A - 平版印刷版用支持体の製造装置 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造装置

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JP2000117402A JP10292424A JP29242498A JP2000117402A JP 2000117402 A JP2000117402 A JP 2000117402A JP 10292424 A JP10292424 A JP 10292424A JP 29242498 A JP29242498 A JP 29242498A JP 2000117402 A JP2000117402 A JP 2000117402A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム溶湯から平版印刷板用支持体を製
造するための鋳造開始時に、溶湯の急激な圧力変化が起
こっても、アルミニウム溶湯の微少漏れを起こさず、鋳
造ノズルと冷却ローラ間へのアルミニウム付着を防止
し、アルミニウムの付着によるスジ発生が起こらない優
れたアルミニウム合金製平版印刷板用支持体を製造する
装置を提供する。 【解決手段】本発明によれば、溶湯供給ノズル16Aを
構成する部材のうち、溶湯22に上面から接触する上板
部材40と、溶湯22に下面から接触する下板部材42
とをそれぞれ上下方向に可動自在に構成し、溶湯22の
圧力によって上板部材40、下板部材42を加圧して、
それぞれ隣接する冷却ローラ18、18の表面に押しつ
けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用支持体
の製造装置に係り、特にアルミニウム合金を溶解した溶
湯を連続鋳造圧延及び冷間圧延、熱処理を行って0.1
〜0.5mmの厚みに仕上げ、表面に粗面化処理を行う
ことで平版印刷版用支持体を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金を一対の冷却ローラの
間に供給し、その冷却ローラによって、アルミニウム溶
湯を凝固させて板を鋳造する方法については、US49
053やUS2790216、CA619491、特公
昭51−15968号公報、特開昭51−89827号
公報、及び特開昭58−209449号公報等に開示さ
れている。しかしこれらの方法では平版印刷版支持体用
途の表面画質の優れたアルミニウム合金板を作ることは
できなかった。
【0003】本願発明人らによってアルミニウム合金を
連続鋳造して平版印刷版用支持体を製造する方法(特開
平3−79798号公報)や3mm以下に連続鋳造して
平版印刷版用支持体を製造する方法(特開平7−138
717号公報)が提案されている。しかし、これらの方
法では、鋳造ノズルと冷却ローラ間に付着するアルミニ
ウム起因のスジが発生する不具合があった。このアルミ
ニウム付着にはノズルとローラ間の位置関係が非常に密
接に関係していることを本発明者らは見出した。
【0004】この鋳造ノズルと冷却ローラの位置関係に
ついては、特開平9−168843号公報、特開昭63
−29650号公報、特開昭51−89827号公報等
に開示されている。しかしながら、特開平9−1688
43号公報、特開昭63−29650号公報のようにノ
ズルとローラの間に隙間が有る場合は特にローラとノズ
ルの隙間からの溶湯の微少漏れが発生し易くなるという
欠点があった。また、特開昭51−89827号公報の
様にローラとノズルが接触する場合でも、鋳造開始時に
起こる急激な圧力変化には耐えきれず、ノズルとローラ
の隙間からアルミニウム溶湯の微少漏れが発生するとい
う欠点があった。
【0005】微少漏れを起こしたアルミニウムはローラ
とノズル間に付着凝固しローラ表面を擦ったり凝固直前
の溶湯メニスカス部と接触することで鋳造板に致命的な
スジ状キズを発生させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みて成されたもので、鋳造開始時にアルミニウム
溶湯の急激な圧力変化が起こっても、アルミニウム溶湯
の微少漏れを起こさず、鋳造ノズルと冷却ローラ間への
アルミニウム付着を防止し、アルミニウムの付着による
スジ発生が起こらない優れたアルミニウム合金製平版印
刷板用支持体を製造することができる装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズル
を介して一対の冷却ローラの間に供給し、該一対の冷却
ローラよってアルミニウム溶湯を凝固させつつ圧延を行
うことにより、平版印刷版用支持体を製造する製造装置
において、前記溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、
溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面から接
触する下板部材とが、それぞれ上下方向に可動自在に構
成され、該上板部材、及び下板部材が溶湯圧力によって
加圧され、それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけ
られることを特徴としている。
【0008】本発明によれば、鋳造開始時の溶湯圧力が
急激に変化すると、この溶湯圧力によって上板部材、下
板部材が可動し、それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押
しつけられる。これにより、本発明によれば、ローラと
ノズル間のシール性が前記上板部材、及び下板部材によ
って向上し、その結果、アルミニウムの微少漏れを皆無
にでき、アルミニウム付着によるスジの発生を皆無にで
きるので、スジなどの外観不良が発生しない優れた平版
印刷版用支持体を製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】通常平版印刷版用アルミニウム合
金支持体の製造装置としては、下記の内容が使用でき
る。所定の成分に調整されたアルミニウム合金溶湯を常
法に従い清浄化処理を施し、鋳造する。清浄化処理に
は、溶湯中の水素などの不要なガスを除去するために、
フラックス処理、Arガス、CIガス等を使った脱ガス
処理や、セラミックチューブフィルタ、セラミックフォ
ームフィルタ、等のいわゆるリジッドメデイアフイルタ
ーや、アルミナフレーク、アルミナボール等を濾材とす
るフィルタや、グラスクロスフィルター等を使ったフィ
ルタリング、あるいは、脱ガスとフィルタリングを組み
合わせた処理が行われる。これらの清浄化処理は、溶湯
中の、非金属介在物、酸化物、等の異物による欠陥、溶
湯に溶け込んだガスによる欠陥を防ぐために、実施され
ることが望ましい。
【0010】以上のように、清浄化処理を施された溶湯
を使って、鋳造を行う。鋳造方法に関しては、DC鋳造
法に代表される、固定鋳型を用いる方法と、連続鋳造法
に代表される、駆動鋳型を用いる方法がある。工程を複
雑にすることなく、低コスト、短納期でアルミニウムを
製造するためには、連続鋳造法に代表される、駆動鋳型
を用いる方法が望ましい。
【0011】連続鋳造法には、ハンター法、3C法に代
表される、冷却ローラを用いた方法、ハズレー法、アル
スイスキャスター2型に代表される冷却ベルト、冷却ブ
ロックを用いた方法が、工業的に行われている。連続鋳
造法に関しては、本願発明者らによって、特開平3−7
9798号公報、特開平5−201166号公報、特開
平5−156414号公報、特開平6−262203号
公報、持開平6−122949号公報、特開平6−21
0406号公報。特開平6‐262308号公報等が開
示されている。
【0012】連続鋳造を行った場合、例えば、ハンター
法等の冷却ローラを用いると板厚1〜10mmの鋳造板
を直接連続鋳造圧延でき、熱間圧延の工程を省略できる
メリットが得られる。また、ハズレー法等の冷却ベルト
を用いると、板厚10〜50mmの鋳造板が鋳造でき、
一般的に、鋳造直後に熱間圧延ローラを配置し連続的に
圧延することで、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が
得られる。鋳造直後に熱間圧延ローラを必要としない点
で、ハンター法等の冷却ローラを用いる方法が工程がよ
りシンプルであり、低コストで平版印刷版用アルミニウ
ム合金支持体を提供できる点で優れている。
【0013】冷却ローラを用いて連続的に板を鋳造する
場合、十分な温度に加熱保持された溶湯を溶湯供給ノズ
ルに供給し、ノズルの先端から溶湯を吐出し一対の冷却
ローラ間に供給し、冷却ローラ表面で、凝固冷却されつ
つ、ローラの最狭部を通過する際に圧延加工を行われ
る。通常、冷却ローラは内部に通水用の流路を持ってお
り中を冷却水が通り、その初期の表面温度は溶湯に比べ
て十分低い。ローラ表面の温度は、溶湯と接することで
急速に上昇し、鋳造を続ける中で安定した温度に徐々に
収束する。
【0014】ローラ表面の温度が安定温度に達するまで
は鋳造は不安定な状態を余儀なくされる。この間、特に
鋳造を開始する直後は、特に不安定なため、場合によっ
ては、アルミニウム溶湯が冷却ローラとノズルの間に微
少量漏れだして間に挟まれた状態で凝固することがあ
る。ローラとノズルの間に挟まれてアルミニウムが凝固
するとローラ表面を擦ったり、凝固直前の溶湯メニスカ
ス部と接触することで鋳造板に致命的なスジ状キズを発
生させる。
【0015】そのため、溶湯供給ノズルを構成する部材
の内、溶湯に上面から接触する上板部材と、溶湯に下面
から接触する下板部材が、それぞれ上下方向に対して微
少量可動な構造であって、溶湯圧力によって上板部材、
下板部材がそれぞれ隣接する冷却ローラ表面に加圧して
押しつけられることで、鋳造開始時の溶湯圧力が急激に
変化する場合においても、ローラとノズル間のシール性
を向上でき、その結果アルミニウムの微少漏れを皆無に
し、アルミニウム付着によるスジの発生を皆無にでき
る。
【0016】上板部材と下板部材を微少量可動にする方
法としては、上板部材と下板部材を固定する位置を変え
ることで各部材の機械的な微少たわみを使用することが
できる。もしくは上板部材、下板部材の固定に意図的に
遊びを設けることで、溶湯の圧力がかかると、遊びの分
だけ各部材が上下に移動するようにすることもできる。
【0017】なお、鋳造開始方法としては、ノズルの先
端に栓の役月をする都材を配置し、溶湯供給と同時にそ
の栓用部材を引き出して鋳造板を作る方法が採用できる
が、ローラと溶湯を接触させ、温度が安定したところで
自然に板状になるのを待つこともできる。通常、板厚1
〜10mmの連続鋳造圧延板を得た場合、その後の冷間
圧延の途中で、中間焼鈍と呼ばれる熱処理を行い、アル
ミ金属結晶組織を微細化した上で再度冷間圧延を行って
0.1〜0.5mmに仕上げることで表面面質の優れた
平版印刷版用支持体とする。
【0018】また通常、所定の厚さ0.1〜0.5mm
に仕上げられたアルミニウム板は平面性を改善するため
に、ローラレベラ、テンションレベラ等の矯正装置によ
って、平面性を改善しても良い。また、板巾を所定の巾
に加工するため、スリッタラインを通すことも通常行わ
れる。このようにして作られたアルミニウム板は表面に
粗面化処理や陽極酸化処理等の表面処理を行い、感光層
を塗布して平版印刷板とすることができる。粗面化処理
には、機械的粗面化、化学的粗面化、電気化学的粗面化
が単独又は組み合わせて行われる。
【0019】また、通常アルミニウム板の表面の耐磨耗
性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウ
ム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては酸化皮
膜を形成するものならば、いかなるものでも使用するこ
とができる。一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム
酸、またはそれらの混合液が用いられる。このようにし
て得られた平版印刷版用支持体の上には、従来より知ら
れている感光層を設けて、感光性平版印刷版を得ること
ができる。この感光層中に用いられる感光性物質は特に
限定されるものではなく、通常、感光性平版印刷版に用
いられているものを使用できる。
【0020】
【実施例】図1に示した連続鋳造圧延装置10を用い
て、次のように鋳造板36を連続鋳造圧延した。まず、
溶解保持炉12でFe0.3%、Si0.08%、Cu
0.013%、残りはアルミニウムと不可避不純物にな
るように溶湯22を調整し、温度790℃に保持した。
溶解炉12を傾けて樋14に溶湯を注ぎ、溶湯供給ノズ
ル16から一対の回転ローラ18、18間に吐出させ、
回転ローラ18、18間で凝固・冷却・圧延しながら所
定の厚さの鋳造板36を連続鋳造圧延した。Tiの供給
は、例えばAl−Ti(5%)−B(1%)の合金ワイ
ヤ23を結晶微細化材として、樋14中の溶湯22に供
給する事ができる。供給速度を変えることで、溶湯22
中のTi濃度{Ti}を変えることができる。あるい
は、溶解保持炉12中に、アルミニウム‐Ti(5%)
の母合金ブロックや、Al−Ti(5%)−B(1%)
の母合金ブロックを必要量添加することによっても可能
である。溶湯の液面は、センサ32と制御装置34を用
いて溶解炉傾動用モータ24を制御する事で一定に保た
れる。鋳造板36は、コイラ20で巻き上げたり、必要
に応じてカッター38で切断することができる。
【0021】まず本発明の実施例−1,2,3とするた
めに溶湯供給ノズルを3種類、それぞれ3回の鋳造を行
えるように3個ずつ計9個用意した。また、比較例−1
とするための溶湯供給ノズルを1種類、3回の鋳造を行
えるように計3個用意した。これらを使って、厚さ3m
mの板を計12回鋳造した。同様にして、スリット巾の
異なるノズルを用意し実施例−4、5、6及び比較例−
2として、厚さ7mmの板を各実施例比較例3回ずつ鋳
造した。
【0022】実施例、比較例それぞれについて鋳造板表
面に発生するスジの有無を調べた。また、スジが発生し
た場合は、鋳造終了後ノズルとローラ間のアルミニウム
付着有無を調べた。連続鋳造された板36は、その後、
図2に示す冷間圧延機50の圧延ローラ56間で所定の
厚みまで圧延される。更に、図3に示す連続焼鈍装置6
0、または図4に示すバッチ式焼鈍装置70で熱処理さ
れ、再度、図2の冷間圧延機50の圧延ローラ56間で
所定の厚み0.1mm〜0.5mmまで圧延される。本
実施例では、すべての実施例、比較例いずれも板厚2m
mまで冷間圧延で薄くした後、バッチ焼鈍装置を使い、
550℃×10時間保持の熱処理を行ってから、再度冷
間圧延機で厚み0.24mmに仕上げた。図5に示す矯
正機80の矯正ローラ86によって平面性を改善し、必
要に応じて耳部をスリッタ88で所定の巾まで切除して
も良い。このようにして平版印刷版用アルミニウム板が
製造される。
【0023】このようにしてできたアルミニウム板に粗
面化処理、陽極酸化処理、感光層の塗布・乾燥を行っ
て、平版印刷版とすることができる。ここでは、粗面化
処理及び陽極酸化処理後の外観を評価するため、感光層
の塗布を行わずにスジ発生の有無を評価した。図6、
7、8は本発明の実施例−1〜6の溶湯供給ノズルの側
面図と平面図を示す。また、図9は本発明の比較例中
1、2の溶湯供給ノズルの側面図と平面図を示す。
【0024】図9のノズル16Dは一体構造になってお
り、上板部材、下板部材が上下方向に微少量可動可の構
造にはなっていない。溶湯はノズル入口45から入り、
ノズル吐出口46から吐出される。一方、本発明の実施
例の1つ、図6に示す構造aのノズル16Aは、上板部
材40、下板部材42が独立した部品になっており、ノ
ズル内スペーサ48を貫通する止めボルト90のみによ
って固定されている。
【0025】この結果、上板部材40、下板部材42は
それぞれボルト90を固定点とする片持ちはりの構造と
なるので、溶湯が通過する際の圧力に応じて微少量たわ
みが生じる。この結果、上板部材40は上側の冷却ロー
ラ18(図1参照)に、そして、下板部材42は下側の
冷却ローラ18(図1参照)にそれぞれ密着するので、
ノズル16Aと上側の冷却ローラ18との隙間、及びノ
ズル16Aと下側の冷却ローラ18との隙間にアルミニ
ウム溶湯の微少量漏れが発生しない。
【0026】また、本発明のもう一つの実施例、図7に
示す構造bのノズル16Bは、上板部材40、下板部材
42が独立した部品になっており、ピン92によって支
持されている。このため、溶湯が通過する際の圧力に応
じてノズル先端は微少量たわみ、冷却ローラ18に密着
するのでアルミニウム溶湯の微少量漏れが発生しない。
【0027】また、本発明のもう一つの実施例、図8に
示す構造cのノズル16Cは、上板部材40、下板部材
42が独立した部品になっており、かつノズル内スペー
サ48との間にクリアランス96があり、微少量のガタ
を生じるようになっている。ガタが必要以上にならない
ように、調整ねじ94によってクリアランス96を所定
の量に調整できる。このため、溶湯が通過する際の圧力
に応じてノズル先端は微少量移動し、冷却ローラ18に
密着するのでアルミニウム溶湯の微少量漏れが発生しな
い。
【0028】次に、鋳造板のスジ発生有無、圧延焼鈍後
のスジ発生有無を調べた結果を下記表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1に示す通り、鋳造板厚3mmで
は、比較例−1が3回の鋳造中3回とも鋳造板にスジが
発生し、圧延、焼鈍、表面処理後もスジが残ったのに対
し、本発明の実施例一1、2、3はスジの発生が皆無で
あった。
【0031】また、鋳造板7mmでは、比較例−2が3
回の鋳造中1回鋳造板にスジが発生し、圧延、焼鈍、表
面処理後もスジが残ったのに対し、本発明の実施例−
4、5、6はスジの発生が皆無であった。鋳造板厚3m
mの比較例が鋳造板厚7mmの比較例よりスジの発生頻
度が高い理由は、ノズル先端のスリット巾が狭いことに
依る圧力変動の大きさが大きいためと考えられる。逆に
言えば、本発明の効果は、そのような薄い厚みを鋳造す
る際により大きな効果が得られる。
【0032】以上のように、双ローラ式連続鋳造装置を
用いて厚さ10mm〜lmmの連続鋳造板を鋳造し、途
中で熱処理を行い、冷間圧延で0.1〜0.5mmの厚
みに仕上げて、平版印刷版支持体用アルミニウム合金板
を製造する装置及び方法において、アルミニウムの微少
漏れに起因する鋳造板のスジ発生を防止することで、ス
ジなどの外観故障が発生しない優れた平版印刷版支持体
を製造することができる。
【0033】なお、鋳造の板厚が3mm以下の装置であ
ると、ノズル出口近傍での溶湯圧力の変化が大きくなる
ので、特に有効になる。また、本装置の効果を有効に得
るためにアルミニウム合金の成分は、Fe:0.03〜
0.8%、Si:0.02〜0.3%、0u:0〜0.
05%、Ti:0.005〜0.1%である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るアルミ
ニウム合金製平版印刷版用支持体の製造装置によれば、
溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、溶湯に上面から
接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板部材
とを、それぞれ上下方向に対して微少量可動に構成し、
溶湯圧力によって上板部材、下板部材がそれぞれ隣接す
る冷却ローラ表面に押しつけられるようにしたので、鋳
造開始時の溶湯圧力が急激に変化しても、ローラとノズ
ル間のシール性が向上し、その結果、アルミニウムの微
少漏れを皆無にでき、アルミニウム付着によるスジの発
生を皆無にできるので、スジなどの外観不良が発生しな
い優れた平版印刷版用支持体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様である連続鋳造圧延装置の全
体構成図
【図2】冷間圧延装置の説明図
【図3】連続焼鈍装置の説明図
【図4】バッチ焼鈍装置の説明図
【図5】矯正装置の説明図
【図6】本発明の第1実施例の鋳造ノズルの構造図
【図7】本発明の第2実施例の鋳造ノズルの構造図
【図8】本発明の第3実施例の鋳造ノズルの構造図
【図9】従来の鋳造ノズルの構造図
【符号の説明】
10…連続鋳造圧延装置 12…溶解保持炉 14…樋 16、16A、16B、16C、16D…浴湯供給ノズ
ル 18…回転式冷却ローラ 22…溶湯 32…液面センサ 36…鋳造板 38…カッター 40…ノズル上板部材 42…ノズル下板部材 44…ノズル側板 46…ノズルスリット部 48…ノズル内スペーサ 50…冷間圧延機 56…圧延ローラ 58…バックアップローラ 36…圧延板 80…矯正装置 86…矯正ローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズル
    を介して一対の冷却ローラの間に供給し、該一対の冷却
    ローラよってアルミニウム溶湯を凝固させつつ圧延を行
    うことにより、平版印刷版用支持体を製造する製造装置
    において、 前記溶湯供給ノズルを構成する部材のうち、溶湯に上面
    から接触する上板部材と、溶湯に下面から接触する下板
    部材とが、それぞれ上下方向に可動自在に構成され、該
    上板部材、及び下板部材が溶湯圧力によって加圧され、
    それぞれ隣接する冷却ローラ表面に押しつけられること
    を特徴とする平版印刷版用支持体の製造装置。
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