JP3961637B2 - 砥粒回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウエハーなどの切断に使われたワイヤーソーの研削廃液から砥粒を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、特開平8−168950号公報に示されているシリコンウエハー等を切断するマルチワイヤーソーにて使用された研削液から砥粒を回収する装置である。
図6において、33は遠心分離機を構成する回転体容器で、タンク36からポンプ37によって研削液(砥液)が供給管34を介して供給される。
【0003】
回転体容器33内で大径の砥粒を遠心分離された研削液は外側のオーバーフロー回収容器35に流れ研削液戻り口38からタンク36へ戻される。
39は、タンク36内の攪拌機である。
【0004】
このように、本装置では、使用済みの研削液を遠心分離機にかけ、油(ラッピングオイル)中から大径(10μm以上)の砥粒のみを回収しようとするもので、研削性能を低下させると考えられているワークの研削粉や破砕して微粉化した砥粒は油とともに排出し、残った大径の砥粒のみを再度支持油と混合し再使用するものである。
【0005】
以上のような仕様では、切断性能に悪影響を及ぼすものは遠心分離によって全て除去されている筈であるから、砥粒は破砕して小径化しない限り、永久に使用可能な筈であるが、実際には寿命は2倍程度(再使用回数1回)しか伸びないと書かれている。
【0006】
この事は、特開平8−168950号公報の技術では切断性能に悪影響する要因、物質が全て除去されていないものと思われる。また、砥粒径についても、新品の砥粒では、既に10μm以下のものを含む砥粒であっても問題無く使用されている事から砥粒の小径化が切断性能の低下の主因では無いように考えられる。
【0007】
そこで、上記の疑問を解明するために、ワイヤーソーの使用済み研削液を遠心分離し回収された大径の砥粒の性状の調査を試みた。しかし、そのままのものはもとより、更に支持油を添加・希釈し粘度を低下させて遠心分離し易くした後遠心分離しても、砥粒の周りには強固に油が付着しており、砥粒がどのようになっているのかを観察する事は出来なかった。
【0008】
そこで、砥粒周りの油を除去するために、遠心分離して大部分の油を除去した後、油性の溶剤を添加後遠心分離してみたが、この状態では、相変わらずスラリー状を呈しており砥粒の観察は出来なかった。そこで次に、水溶性の溶剤であるメチルアルコールを添加し遠心分離したところ、油分は完全に除去され砥粒の状況を観察出来るようになった。
【0009】
図7はこのときの砥粒の状況を走査型電子顕微鏡で観察したものである。砥粒の表面が粒状の物質で覆われている事がわかる。この物質をEPMAで分析したところ、Si即ちワークであるシリコンウエハーの研削粉である事がわかった。
【0010】
以上のようにワークの研削粉は砥粒表面に付着しており、単なる遠心分離ではこのワーク研削粉を除去不可能であり、これが特開平8−168950号の方法では砥粒の寿命が2倍程度しか伸びなかった理由と考えられる。更に、切断回数とともに研削性能が低下する主因も砥粒表面への研削粉の付着にあるものと推定される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のところで述べたように、単なる遠心分離では、砥粒表面に付着した研削粉の除去は不可能であり、これが従来法で回収された砥粒の寿命増加が2倍程度にとどまった理由と考えれた。
【0012】
即ち、使用済み研削液から、効果的に砥粒を回収するためには、砥粒表面に付着したワークの研削粉を除去する方法を確立する必要があり、このため本発明は次の方法を確立することを課題としている。
(1)砥粒の周りに強固に付着している油を除去する方法の確立。
(2)砥粒表面に付着しているワークの研削粉を除去する方法の確立。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第一の課題の解決に対し、本発明では油性と水溶性の2種類の溶剤を用いる事で解決をはかった。
即ち、まず研削液から大部分の油を除去した後の廃液に対し油性の溶剤を添加した後、遠心分離等により液と固形物を濃縮した液とに分離し、次に固形物を濃縮した液に水溶性の溶剤を添加し遠心分離等により固形物を回収する。
【0014】
尚、このようなプロセスを採用するに先立って、色々な溶剤を単独で用いる方法或いは、水溶性の溶剤をまず用い次に油性の溶剤を用いる方法を試みたがいずれも固形物と液の分離は出来なかった。
【0015】
ワイヤーソーに用いられる研削液はラッピングオイルにSiC等の砥粒を添加したものであるが、砥粒の沈澱防止等を目的に種々の添加剤が加えられており、これが単一の溶剤では油と固形物が分離しなかった理由と考えられる。
【0016】
油性の溶剤を先に用いる必要があったのは、量的に油分が多いだけでなく水溶性の溶剤に溶ける物質が固形物周りに存在し、水溶性の溶剤と接するためには、先ず周りの油分を取り除く必要があったものと考えられる。
【0017】
ここで油性及び水溶性夫々の溶剤は次のものを試み、有効である事を確認した。
油性の溶剤:THF(テトラヒドロフラン)、アセトン、灯油、アイソパー。
水溶性の溶剤:メチルアルコール、エチルアルコール、IPA(イソプロピルアルコール)、か性ソーダ水溶液。
【0018】
また、本発明において、研削液から大部分の油を除去する工程には遠心濾過法や遠心分離法を用いることができる。
【0019】
次に、第二の課題の解決に対し、本発明では、研削液から前記したように油性の溶剤と水溶性の溶剤を用いて油分を除去した固形物を得たのち、この固形物から次の(1)、(2)のいづれかの方法で砥粒を分離することで対応する。
【0020】
(1)か性ソーダ水溶液によりワーク研削粉を溶解。
常温近くの温度ではSiとか性ソーダの反応は不可能と考えられていたが、微粉末の場合には十分反応する事を見い出し、研削粉の除去に利用した。
【0021】
この方法では、ワーク研削粉であるSiが定性的には次の反応によって除去される。
【0022】
【化1】
【0023】
尚、化学便覧によると700℃以下ではSiはアルカリと反応しない事になっているが、本発明においてSiの除去にアルカリの使用が可能になったのは、Siが微粉末で極めて表面積が大であったためと考えれる。一例として20%か性ソーダ水溶液に浸漬し20℃において10分間程度で除去できる。
この場合、SiはSiO3 2- として存在するため水洗により除去出来、フィルター等による分級は不要である。また、本法の場合、処理液が水溶性の溶剤と同系統となるため、濃度を適正化すれば統一することができる。
【0024】
(2)界面活性剤を添加した水中で固形物に機械力を作用させ、砥粒からワークの研削粉を除去した後、フィルター等により大径の砥粒と小径の砥粒及び研削粉を分離。
第一の課題を解決する方法で分離した固形物を水或いはメチルアルコールに侵漬し、超音波洗浄を行ったが砥粒に付着した研削粉は除去出来なかった。
また、油性及び水溶性の溶剤による2段階の油除去では、ワークの研削粉と砥粒を付着させている油分等の除去は不可能であった。
【0025】
そこで、本発明では研削粉表面の油分を表面活性剤と置換することにより研削粉と砥粒との付着力を弱めた後、超音波力や回転式の攪拌翼による攪拌などの機械的力を作用させ砥粒から研削粉を分離させ、その後フィルターにより砥粒より小径の研削粉を除去し、砥粒を回収する。
【0026】
一例として1%の界面活性剤(商品名「ママレモン」)を添加後超音波洗浄や回転式の攪拌機による攪拌を実施したところ、砥粒から研削粉を分離する事が出来た。次に研削粉や微細な砥粒を除去するため5μmのフィルターで濾過した結果、ほぼ砥粒のみを回収する事が出来た。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を用い、本発明の砥粒回収方法について実施の形態に基づいて具体的に説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1に第1実施形態における砥粒回収システムを示した。1は遠心濾過機である。15は遠心濾過するための濾布16と濾布を支持する金網17を支持回転する回転ドラムであり、軸受5で支持しモーター4で駆動されるようになっている。回転ドラム15の直径dは380mm、高さhは250mm、堰の幅a(回転ドラムの回転による遠心力は水平方向に働くため、この幅aは堰の高さとして働く)は50mmである。
【0029】
2はスラリータンク、3は定量ポンプである。6は回収オイルタンク、7は溶剤(アセトン)タンク、8は溶剤(アルコール)タンク、9はアルカリタンクを示す。
11は洗浄水の供給量を調節するバルブである。
【0030】
図1の砥粒回収システムにおいて、研削廃液からの砥粒の回収は先ずスラリータンク2に溜められている研削廃液をポンプ3によって回転ドラム15中に注ぎ回転ドラム15の遠心力(1500r.p.m)によって濾過し、濾過した液は回収タンク6に入れる。18は供給したスラリーがそのまま回収タンク6に流れ込まないようにするための堰である。
【0031】
次に溶剤タンク7からアセトンをポンプ12でくみ上げ、回転ドラム15の内面の濾布16上に堆積した油を含む固形層に吹き付ける等してアセトン中に油を溶かし込みながら遠心濾過し、濾過した液は溶剤タンク7に回収する。
【0032】
更に引き続き、溶剤タンク8から水溶性の溶剤メチルアルコールをポンプ13でくみ上げ遠心濾過機1の固形層上に注ぎ、遠心濾過し完全に油分を除去する。以上の操作で砥粒及びワーク研削粉上の油分は、ほぼ完全に取り除かれ研削粉末表面と溶液との反応が可能な状態となる。
【0033】
この段階で次に20%程度のか性ソーダ水溶液をタンク9からポンプ14によりくみ上げ固形層の砥粒に接触させることによりSiの粉末を溶解し除去する。次に、アルカリ分を除去するためバルブ11から洗浄水を供給し洗浄する。
【0034】
最後に遠心力により水切りをし、図示されていないブレードにより固形層をかき落とし回転ドラムの下部にあけられたケーキ取り出し口より外部に取り出し、支持油等と混合し研削液として再利用する。図2は回収された砥粒の外観(走査型電子顕微鏡写真)であり、図7に見られるような研削粉の付着は認められない。尚、タンク7,8,9の洗浄液は洗浄効果が低下した場合更新が必要である。
【0035】
この結果、回収された砥粒は回収率が90%程度であったため、一部新品の砥粒を補給したが、5回までの再使用では、特に切断性能の低下は認められなかった。このように本方法で回収された砥粒は極めて優れており新品同様である事がわかった。
【0036】
(第2実施形態)
第1実施形態では研削廃液からの砥粒の分離に遠心濾過法を採用したが、遠心分離法でも、砥粒の回収が可能な事が分かった。即ち、図1において1の遠心濾過機の代わりに遠心分離機を用いる方法である。この場合、回転ドラム15は孔なしであり、濾布16、金網17は無い。
【0037】
この代わりに回転ドラムの端部にある堰18の幅を調整し分離された研削粉及び破砕した微細な砥粒粉が油とともにオーバーフローし回収オイルタンク6に入るようにする。この場合、遠心濾過と異なり固形層中の油分は回収不可能で、次の洗浄液に持ち込まれるため、その分、洗浄液の寿命が小さくなるが、回収される砥粒の品質は第1実施形態の場合と同様である。
【0038】
(第3実施形態)
第1,第2実施形態においては砥粒上に付着したSiの粉末を、アルカリ水溶液中に溶解させる事により除去したが、本実施形態では図1のプロセスにおいて、水溶性の溶剤メチルアルコールで完全に油分を除去するまでの工程は同じとし、その後、次のように処理した。
【0039】
界面活性剤を1%程度添加した水とともに、前記したようにほぼ完全に油分を除去した固形物(Siの研削粉が付着した砥粒)を図3の攪拌槽19に入れ10分間程度ヘリカルスクリュウ20によって、攪拌した。その結果、砥粒とSiの粉末が分離する事を確認した。尚、ドラフト管21は循環を安定化させるためのものである。
【0040】
また、この時の水と砥粒の体積割合は1:1であった。そこで引き続き水洗するとともに5μmのフィルターで濾過した結果、Si粉末は5μm以下のため、フィルターを通過しフィルター上には粗い砥粒のみが残り、これを回収する事により砥粒の回収が出来た。
回収された砥粒による切断テストでは新品同様の性能が得られた。勿論、寿命についても5回までの再使用では、性能低下は見られなかった。
【0041】
(第4実施形態)
第3実施形態と同様、図1のプロセスにおけるメチルアルコールで洗浄するまでの工程は同じで、その後、ほぼ完全に油分が除去された固形物を1%程度界面活性剤を添加した水とともに図4の攪拌槽19に入れゆっくり攪拌しながら超音波振動子24によって超音波エネルギーを照射した。
【0042】
このように、超音波洗浄を併用した結果、Siの付着量が超音波洗浄を併用しなかった場合の1/2以下になり、超音波洗浄の併用の有効性がわかった。尚、砥粒は第3実施形態と同様水洗するとともに5μmのフィルター23で濾過後回収した。このようにして回収された砥粒の切断性能は他の実施形態の場合と同様であった。
【0043】
(第5実施形態)
第1実施形態においてSiの粉末の除去に用いたか性ソーダ水溶液は水容性の溶剤であることから、メチルアルコールの添加工程を省略し、直ちにか性ソーダ水溶液による溶解除去に入ることを試みた。その結果、最初は洗浄作用のためか反応開始が多少遅れたが、その後は順調に反応が進み、本方法が実用可能なことを確認した。(メチルアルコールの添加を省略した以外は第1実施形態と同様である。
【0044】
(第6実施形態)
図5はケーク層(砥粒が濃縮したスラリー層)の濾過抵抗が大きく、固形層が形成したままではアセトンやアルコールによる洗浄が不可能な場合のプロセスを示す図である。
1′は第2実施形態と同様、遠心分離機である。スラリータンク2から供給されたスラリーは、遠心分離器1によって2300r.p.m程度で、遠心分離され微細な砥粒及び研削粉は油とともに堰18を越え、回収オイルタンク6に分離回収される。この場合、砥粒間に存在する油の分離は不可能である。
【0045】
次に、回転ドラム15′を60r.p.m程度で回転させながら、ブレード25を半径方向及び上下方向に動かすことにより固形層を掻き落とし、次に溶剤タンク7よりアセトンを供給し、更に攪拌機26により固形層とアセトンを十分に混合する事により、アセトン中に油を完全に溶け込ます。
【0046】
ここで、回転ドラム15′の回転を2300r.p.mに上げ、油の溶け込んだアセトンと砥粒を分離し、アセトンは溶剤タンク7に回収する。
次にアルコールによる油分の分離についてもアセトンによる場合と同様に固形層の掻き落とし、溶剤タンク8からのアルコールの添加・攪拌機26による攪拌、分離機1′による遠心分離でアルコールの回収を行う。
【0047】
更にアルカリによる研削粉の溶解についても、同様の手順を踏み、処理を行った。最後に回収砥粒に付着しているアルカリ分を洗浄するのであるが、固形層を崩し、液を加えて再スラリー化する遠心分離機では底部に取り出し口を設ける事が困難なため、バルブ11を開放して洗浄水を供給後、洗浄水とともに、砥粒を吸引ポンプ28により吸出しフィルターにより濾過する。濾過排水は排水タンク10′に回収する。
【0048】
以上のプロセスにより固形層の濾過抵抗が大きいスラリーについても能率良く回収する事が出来る。以上のプロセスで砥粒を回収したが、回収された砥粒の切断性能には問題は見出せなかった。
【0049】
以上の実施形態では、油性の溶剤としてはアセトン、水溶性の溶剤としてはメチルアルコール、か性ソーダ水溶液しか記述しなかったが、油性の溶剤については、THF、灯油,アイソパー、水溶性の溶剤については、エチルアルコール、IPAについて実施し、良好な結果を得た。このため、ここに記述した溶剤以外についても同様に回収プロセスが成り立つものと考えられる。尚、溶剤の選択は、研削液に添加された成分に拠る他、溶剤の価格、入手性、安全性、耐環境性等を考えて実施すればよい。
【0050】
また、界面活性剤については、今回はテストにより非イオン系の界面活性剤(商品名「ママレモン」)を選択したが、ラッピングオイル中の添加剤によっては、イオン系界面活性剤(アニオン型、カチオン型、両性イオン型)を含めた各種の界面活性剤の中から適当なものを選定すればよい。
【0051】
この他、前記実施形態には記述していないが、本発明の最初のステップにおける遠心濾過や遠心分離に代えて加圧濾過等の採用可能な事、また、本発明のプロセスの運転効率をあげるため、溶剤の蒸留回収などの設置が有効である事は自明である。
【0052】
更に実施形態3、4において砥粒と研削粉の分離にフィルターを用いているが、これらの比重差や水に対する濡れ性の相違を利用した浮遊分離、サイクロン等の利用も有効である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の砥粒回収方法においては、油性の溶剤を使った遠心分離の後、分離された固形層に対し水溶性の溶剤を使った遠心分離で固形物に付着した油分を充分に除去することができる。こうして油分を除去した固形分からは、か性ソーダ水溶液によるSiの溶解、または界面活性剤を添加した水中で機械的力を作用させることにより付着しているSi粒を分離し、再利用可能な砥粒を回収することができる。
【0054】
以上のように、本発明の砥粒回収方法によれば、油分やSi粒が付着していない純度の高い砥粒が回収されるため、切断性能の低下がなく繰り返し使用回数が大きい。また、本発明による砥粒回収方法は高温での反応を伴わないので、エネルギー効率が良く、安全なプロセスである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る砥粒回収システムの概念図。
【図2】第1実施形態の方法によって回収された砥粒の走査型電子顕微鏡写真。
【図3】第3実施形態における砥粒に付着した研削粉を分離する装置(攪拌槽)の説明図。
【図4】第4実施形態における砥粒に付着した研削粉を分離する装置(攪拌槽に超音波発振子を併設)の説明図。
【図5】第6実施形態における砥粒回収システムの概念図。
【図6】従来の砥粒回収システムを示す概念図。
【図7】油を完全に除去した砥粒表面に付着している研削粉の走査型電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1 遠心濾過機
1′ 遠心分離機
7 油性の溶剤タンク
8 水溶性の溶剤タンク
9 アルカリタンク(Siの溶解用)
23 フィルター
Claims (6)
- シリコンウエハーの切断の際に使用されるワイヤーソーの研削液の廃液からの砥粒回収方法であって、
a)研削液から大部分の油を除去する工程と、
b)この油の大部分が除去された残りの廃液に油性の溶剤を添加後遠心分離して固形層を分離し、前記油性の溶剤により分離して得られた固形層に水溶性の溶剤を添加・遠心分離する事により固形物に付着した油分を除去する工程と、
c)上記工程で回収された固形物から砥粒と研削粉を分離する工程と、を有する事を特徴とするシリコンウエハー切断廃液からの砥粒回収方法。 - 請求項1の方法でa)の工程に遠心濾過法を用いる事を特徴とする砥粒回収方法。
- 請求項1の方法でa)の工程に遠心分離法を用いる事を特徴とする砥粒回収方法。
- 請求項1の方法でc)の工程がか性ソーダ水溶液によるSiの溶解工程である事を特徴とする砥粒回収方法。
- 請求項1の方法でc)の工程が界面活性剤を添加した水中での機械的作用による分離操作とその後の大径の砥粒と小径の砥粒及び研削粉との分離にフィルターを利用する事を特徴とする砥粒回収方法。
- 請求項5の方法で大径の砥粒と小径の砥粒及び研削粉との分離に前記フィルターの利用に代えて、比重分離または浮遊分離を利用する事を特徴とする砥粒回収方法。
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