JP3957009B2 - 易剥離性積層フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機微細粉末含有熱可塑性樹脂二軸延伸フィルムを層間剥離性層として利用し、該表裏面にこれよりも強度の高い熱可塑性樹脂フィルムを融着積層した易剥離性積層フィルムに関する。
該易剥離性積層フィルムは、葉書や通帳の隠蔽シール、貼り替え防止用ラベル等の基材として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、スーパーマーケット、百貨店などの食品売場などで賞味期限切れが近い商品をバーゲン用にして貼った安い値札粘着ラベルを引き剥がし、これを通常価格の商品の値札ラベルに貼り替えて安い価格で商品を購入する輩がいるという問題があった。
このため、商品に剥離したラベルを貼り替えた後、これが剥離したものであることが容易に判る貼り替え防止用の粘着ラベル、或いは貼り替えることが不可能な粘着ラベルが要求されており、実用化されている。しかしこれらの貼り替え防止用粘着ラベルは、価格が高く、ラベルを剥がした時に剥離面上に接着剤が残りベトついたり、ゴミが付着するという問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するため、特開平8−99377号公報には、第1の層を剥離剤にて第2の層から剥離せしめるに要する力をaとし、接着剤層の被貼着材との接着力をbとし、剥離シートを接着剤層より剥離せしめるに要する力をcとしたとき、下記式、c<a<b、を満足する貼り替え防止用ラベルの製法であって、(a)剥離シートに接着剤層を形成するステップと、(b)第1の層の一方主面上にワックスを含む剥離剤層を積層するステップと、(c)前記第1の層の剥離剤層の表面上に、第2の層を形成するステップと、(d)前記剥離シートの接着剤層面と、前記第1の層に積層された第2の層の面とを重ね合わせ積層するステップとを含む、貼り替え防止用ラベルの製法、が提案されているが、この製法は複雑であると共に第1の層の表面材にパルプ抄造紙を用いた場合には耐水性が劣るため水に触れると容易に破壊し、被貼着基材より剥がれてしまう欠点があり、漬け物、豆腐、こんにゃく等の水封入容器用ラベルには向いていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐水性に優れ、容易に層間剥離する隠蔽シール、貼り替え防止用ラベル等の基材として有用な易剥離性積層フィルムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、肉厚が0.1〜10μmであり、無機微細粉末10〜80重量%、および熱可塑性樹脂90〜20重量%を含有する熱可塑性樹脂二軸延伸フィルムよりなる層間剥離性層(B)の表面に肉厚10〜500μmであり、無機微細粉末2〜35重量%、但し(B)層のそれより8重量%以上少なく含有する熱可塑性樹脂フィルムよりなる表面層(A)、および層間剥離性層(B)の裏面に肉厚10〜500μmであり、無機微細粉末20重量%以下、但し(B)層のそれよりも少なく含有する熱可塑性樹脂フィルムよりなる裏面層(C)が融着積層されてなる積層フィルムを含むものであって、表面層(A)と裏面層(C)との剥離が、層間剥離性層(B)の層間剥離によってなる易剥離性積層フィルム、及びその際、裏面層(C)が無機微細粉末を含んでいない熱可塑性樹脂フィルムである易剥離性積層フィルム、を提供するものである。
【0006】
【作用】
各層(A)、(B)、(C)が熱可塑性樹脂フィルムより構成されているため、耐水性に優れる。また、層間剥離性層(B)の肉厚が0.1〜10μmと薄いため、層間剥離時に(A)層または(C)層に作用した応力が強度の弱いこの(B)層に伝幡し、集中してかかり、(B)層の層間剥離が容易に起きる。さらに(B)層は延伸配向されているので剥離面が均一となり、また、その肉厚が薄いことから剥離後に裏面層の持つ特徴(透明性、耐擦過性など)を有効に活用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは上述したように、表面層(A)、層間剥離性層(B)および裏面層(C)より構成されてなり、必要により粘着剤層、離型紙、または他の積層フィルムを設けても良い易剥離性積層フィルムである。
層間剥離性層(B):
層間剥離性層(B)は、肉厚が0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmであり、無機微細粉末を10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%、熱可塑性樹脂を90〜20重量%、好ましくは85〜30重量%を含有する熱可塑性樹脂二軸延伸フィルムである。この層間剥離性層(B)の基材となる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1)、又、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分加水分解物、塩化ビニリデン共重合体たとえば塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸アルキルエステル共重合体、その他、およびこれらの混合樹脂組成物を例示することができる。これらの中でもコスト面、耐水性、耐薬品性の面からポリプロピレン、高密度ポリエチレンが好ましい。
【0008】
無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられ、これら無機微細粉末は、その平均粒径が0.03〜8μm、好ましくは0.03〜4μmの範囲のものである。
この二軸延伸フィルムよりなる(B)層の無機微細粉末含有量が10重量%未満では十分な剥離性が得られず、80重量%を越えては成形安定性が損なわれる。
(B)層の肉厚は0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmの範囲である。0.1μm未満では、十分な剥離性が得られず、10μmを越えては剥離強度には問題はないが、剥離面が均一とはならず凸凹となるため剥離面に印字したり、剥がした表面層(A)を管理票等としてバーコード印字する場合に問題となる。
【0009】
表面層(A):
表面層(A)は後述する裏面層(C)と共にそれ自体の強度が前記層間剥離
性層(B)の強度よりも高く、(A)層または(C)層を持って引き剥がしたときに、それ自体内では剥離しないものである。
表面層(A)を構成する熱可塑性樹脂としては層間剥離性層(B)項で挙げた熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂から得られる熱可塑性樹脂フィルムは、一軸延伸あるいは二軸延伸されていても良いものである。
表面層(A)の肉厚は10〜500μm、好ましくは20〜200μmの範囲である。
表面層(A)は無機微細粉末を含有していても、含有していなくても良い。含有する場合には層間剥離性層(B)で挙げた無機微細粉末を使用することができる。表面層(A)と層間剥離性層(B)の無機微細粉末は同種のものであっても、異種のものであってもよい。
【0010】
表面層(A)は、2層構造、3層以上の多層構造のものであってもよく、この多層構造の延伸軸数が一軸/二軸、一軸/一軸/二軸、一軸/二軸/二軸、二軸/二軸/二軸であっても良い。
裏面層(C):
裏面層(C)を構成する熱可塑性樹脂としては層間剥離性層(B)の項で挙げた熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂から得られる熱可塑性樹脂フィルムは一軸、あるいは二軸に延伸されていても良いが、特に一軸に延伸された場合は、二軸延伸フィルムの(B)層よりも強度が高くなるため(B)層の層間剥離が容易になるので好ましい。
裏面層(C)の肉厚は10〜500μm、好ましくは20〜200μmの範囲である。
【0011】
裏面層(C)に含有させる無機微細粉末としては、層間剥離性層(B)の項で挙げた無機微細粉末を使用することができる。裏面層(C)と層間剥離性層(B)で含有させる無機微細粉末は同種のものであっても異種のものであってもよい。
裏面層(C)は単層構造であっても、2層構造、3層以上の多層構造のものであってもよい。
積層フィルムの製造例:
本発明の積層フイルム(1)は、例えば熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用い図1に示すような表面層(A1、A2の二層構造)、層間剥離性層(B)及び裏面層(C)よりなる積層フィルムを製造する場合は以下に示す通りの方法により製造することができる。
【0012】
表面層の層間剥離性層(B)側の層(A1)用の無機微細粉末2〜35重量%、ポリオレフィン樹脂98〜65重量%含有のポリオレフィン樹脂組成物と、層間剥離性層(B)用の無機微細粉末10〜80重量%、ポリオレフィン90〜20重量%含有のポリオレフィン樹脂組成物〔ただし(A1)層の無機微細粉末の含有量は(B)層のそれより8重量%以上少ない〕を、別々の押出機を用いて溶融混練し、これを一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で溶融積層し、これをシート状に共押出し、10〜60℃まで一旦冷却し、その後ポリオレフィン樹脂の融点よりは3〜40℃低い温度で縦方向にロール群の周速差を用いて4〜10倍延伸することにより得られる一軸に延伸されたフィルムの層(A1)側に表面層(A2)の無機微細粉末0〜80重量%、ポリオレフィン樹脂100〜20重量%含有のポリオレフィン樹脂フィルムを、層間剥離性層(B)側に裏面層(C)用の無機微細粉末0〜55重量%、ポリオレフィン樹脂100〜45重量%含有のポリオレフィン樹脂フィルムを溶融積層し、次いで、この積層体を、表面層(A1)、層間剥離性層(B)で構成する延伸積層フイルムの延伸方向と直角の方向に、ポリオレフィン樹脂の融点よりは3〜40℃低い温度で4〜12倍延延伸することにより4層構造の積層フィルムを得ることができる。
【0013】
この方法で得られる4層構造の積層フィルムは、表面層構成の中間層(A1)、層間剥離性層(B)は二軸方向に延伸され、表面層(A2)、裏面層(C)が一軸方向に延伸さた積層構造物である。
延伸倍率は熱可塑性樹脂の種類、延伸温度に依存するが、縦、横方向とも3〜12倍が好ましく、延伸温度は基材樹脂の融点よりも低い温度で、例えば樹脂がプロピレン単独重合体(融点164〜167℃)の場合は150〜162℃、高密度ポリエチレン(融点124〜134℃)の場合は115〜130℃、ポリエチレンテレフタレ−ト(融点246〜252℃)の場合は104〜115℃である。また、延伸速度は50〜350m/分である。
このようにして得られる積層フイルムは、次式(1)で算出されたボイド率が10〜60%、好ましくは20〜45%の微細なボイドをフィルム内部に多数有するものである。ボイドの存在により、ボイドが存在しない多層延伸フィルムと比較してよりしなやかになる。
【0014】
【数1】
【0015】
易剥離性積層フイルムの肉厚は25〜600μm、好ましくは30〜200μmの範囲である。
積層フィルムの(B)層の層間剥離強度は、10〜150g/20mm幅であり、好ましくは15〜100g/20mm幅である。層間強度が10g/20mm幅未満では、印刷、印字、断才等の二次加工時の給排紙において簡単に層間剥離が生じる欠点があり、二次加工性に問題がある。150g/20mm幅を超えては、層間剥離性層(B)からきれいに層間剥離しないか、層間剥離に要する応力を高くする必要があり実用的でない。また積層フィルムの材料破壊が起き、剥離面が毛羽立つ。
本発明における易剥離性積層フィルムを隠蔽シールに用いる場合について、図1、図2を用いて次に説明する。図2は、葉書(2)の表面に印字された文字(3)面にロールを用いて圧着された隠蔽シール(1)を貼着したものから、表面層(A)を指で引っ張った状態を示す。剥離は層間剥離性層(B)の層間剥離により生じる。
【0016】
積層フィルムの表面層(A)の不透明度(JIS Z−8722に準拠して測定)は、60〜100%であり、好ましくは80〜100%である。積層フィルムの裏面層(C)の不透明度(JIS Z−8722に準拠して測定)は、50%以下であり、好ましくは35%以下である。不透明度が50%以上では(C)層を通して葉書上の文字、あるいは印刷物などを肉眼で判別することが困難となる。
表面層間の中間層(A1)の無機微細粉末の含有量としては2〜35重量%が好ましく、更に好ましくは3〜30重量%である。ただし(B)層のそれより8重量%以上少ないことが必要でであり、含有量の差が8重量%未満では(A1)層においても剥離時に材料破壊が起き、剥離面が毛羽立ち、均一な剥離面が得られない。
【0017】
表面層(A2)の無機微細粉末の含有量は隠蔽シールとして使用する場合には表面に紙的風合いを出すためと不透明化するために35〜80重量%の範囲とする。
裏面層(C)の無機微細粉末の含有量は、(C)層が透明乃至半透明であることが要求されるので0〜20重量%の範囲である。
中間層(A1)の肉厚は5〜100μmの範囲であり、表面層(A2)の肉厚は5〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0018】
次に本発明の易剥離性積層フィルム(1)を貼り替え防止用ラベルなどに用いる例を図3を用いて説明する。かかる用途に用いる易剥離性積層フィルム(1)の裏面層(C)側に感圧粘着剤層(4)を設け、感圧粘着剤層を離型紙で覆って用いる。使用時に離型紙を引き剥がし、感圧粘着剤層を介してラベルを商品に貼合させる。
この貼り替え防止用ラベルの場合、易剥離性積層フィルム(1)の(A)層の不透明度(JIS Z−8722に準拠して測定)は0〜100%の範囲であり、無機微細粉末含有量は0〜65重量%の範囲である。(A)層に紙的風合、印刷性、印字性の向上を求めるときには不透明度は80〜100%の範囲であり、無機微細粉末含有量は8〜65重量%の範囲である。積層フィルムの裏面層(C)の不透明度(JIS Z−8722に準拠して測定)は0〜100%の範囲であり、無機微細粉末含有量は0〜65重量%である。但し、(C)層に紙的風合を求めるときには不透明度は80〜100%、無機微細粉末含有量は8〜65重量%である。また、透明性を求めるときは不透明度は50%以下である。
【0019】
(A)層は隠蔽シールと同じ積層構造としてもよく、表面中間層(A1)の無機微細粉末含有量としては2〜35重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜30重量%である。
表面層(A2)の無機微細粉末の含有量は0〜65重量%、好ましくは8〜55重量%である。又、(A2)層は1軸延伸物であることが好ましい。
感圧粘着剤:
感圧粘着剤としては、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、これらの混合物をベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤に溶解したゴム系粘着剤、或いは、これらゴム系粘着剤にアビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配合したもの、或いは、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体などのガラス転移点が−20℃以下のアクリル系共重合体を有機溶剤で溶解したアクリル系粘着剤などを挙げることができる。
【0020】
該感圧粘着剤の塗工量としては、固形分量で3〜40g/m2 、好ましくは10〜30g/m2 の範囲である。
上記塗工・乾燥後の感圧粘着剤の肉厚は、アクリル系粘着剤の場合で10〜50μm、ゴム系粘着剤の場合で80〜150μmとするのが一般的である。この粘着剤の層間剥離強度は200〜3000g/20mm幅である。
積層フイルムと感圧粘着剤との接着力が小さい場合は、上記感圧粘着剤を塗工する前に積層フイルムの裏面にアンカーコート剤を塗布することが好ましい。
【0021】
該アンカーコート剤としては、ポリウレタン、ポリイソシアネート・ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート・ポリエステルポリオール・ポリエチレンイミン、アルキルチタネートなどが使用でき、これらは一般に、メタノール、水、酢酸エチル、トルエン、ヘキサンなどの有機溶剤に溶解して使用される。
基体へのアンカーコート剤の塗布量は、塗布・乾燥後の固形分量で0.01〜5g/m2 、好ましくは0.05〜2g/m2 の範囲である。
【0022】
離型紙:
離型紙は、坪量80〜300g/m2 のパルプ抄造紙の表面に離型性樹脂層を形成したものであり、該離型性樹脂層はシリコン樹脂やポリエチレンワックスなどの離型性樹脂を前記有機溶剤などによって溶解した後、これをパルプ抄造紙に直接塗布・乾燥することによって形成することができる。
該離型性樹脂層の塗布量は、塗布・乾燥後の固形分量で0.5〜10g/m2 、好ましくは1〜8g/m2 の範囲である。
印刷、印字:
積層フイルムの表面には、必要により商品名、製造元、賞味期限、キャラクター絵図、記入欄、バーコード等が印刷される。
この印刷は、感圧粘着剤を塗布する前に行ってもよいし、離型紙を貼着した感圧粘着ラベル構造とした後、印刷を施こしてもよい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例などにより、更に詳細に説明する。
(実施例1)
▲1▼ メルトフローレート(MFR)が0.8g/10分のプロピレン単独重合体80重量%と高密度ポリエチレン5重量%の混合物に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム15重量%を配合した組成物(A1)と、メルトフローレート(MFR)が0.8g/10分のプロピレン単独重合体55重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%を配合した組成物(B)を、各々270℃の温度に設定した押出機にて混練させた後、これを一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。
次いで、この無延伸シートを140℃の温度に加熱した後、縦方向に5倍延伸して、5倍延伸シートを得た。
【0024】
▲2▼ MFRが4.0g/10分のプロピレン単独重合体55重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%を混合した表面層用組成物(A2)を270℃に設定した押出機にて混練し押し出したシートを▲1▼の工程で得られた5倍延伸シートの(A1)側に積層し、又、MFRが4.0g/10分のプロピレン単独重合体85重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム15重量%を混合した組成物(C)を、270℃に設定した押出機にて溶融混練し、ダイより押し出したシートを前記▲1▼の工程で得た5倍延伸シートの(B)層側に積層し、次いで60℃の温度にまでこの積層体を冷却した後、再び150℃の温度にまで加熱してテンターで横方向に7.5倍延伸し、162℃の温度でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷却した後、コロナ放電処理し、次いで耳部をスリットして4層〔(A2)/(A1)/(B)/(C):肉厚20/60/1/19μm〕構造の100μmの微細空洞を有する積層フィルムを得た。
【0025】
この積層フィルムの(A2)層と(C)層を持って引き剥したところ、(B)層で層間剥離し、その際の層間剥離強度は50g/20mm幅であった。また、剥離後の表面層側のフィルム(A2/A1/B)の不透明度は92%であり、裏面層側のフィルム(B/C)の不透明度は28%であった。
結果を表1に示す。
なお、(A2)/(A1)の積層フィルムを別途作成したとき(肉厚80μm)の不透明度は91%であった。
なお、評価方法は次に示す方法で測定し、評価した。
【0026】
(1)層間剥離強度:
積層フィルムを幅20mm、長さ100mmに切り取り、オリエンテック(株)製引張試験機(RTM−250)を使用し、引張速度300mm/分にて、90゜の角度で剥離させ、剥離が安定している時の応力をロードセルにより測定した。
(2)不透明度:
JIS Z−8722に準拠し、スガ試験機(株)製のSMカラーコンピューター(SM−5)を使用し、測定背面に、黒色および白色標準板を当て、光の反射率の比(黒色板/白色板)を百分率で示した。
【0027】
(実施例2)
▲1▼ MFRが0.8g/10分のプロピレン単独重合体70重量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム27重量%を混合した組成物(A)と、メルトフローレート(MFR)が0.8g/10分のプロピレン単独重合体50重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム50重量%を配合した組成物(B)を、各々270℃の温度に設定した押出機にて混練させた後、これを一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。
次いで、この無延伸シートを140℃の温度に加熱した後、縦方向に5倍延伸して、5倍延伸シートを得た。
【0028】
▲2▼ MFRが4.0g/10分のプロピレン単独重合体85重量%に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム15重量%を混合した組成物(C)を、270℃に設定した押出機にて溶融混練し、ダイより押し出したシートを▲1▼の工程で得た5倍延伸シートの(B)層側に積層し、次いで60℃の温度にまでこの積層体を冷却した後、再び150℃の温度にまで加熱してテンターで横方向に7.5倍延伸し、162℃の温度でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷却し後、コロナ放電処理し、耳部をスリットして3層〔(A)/(B)/(C):肉厚70/1/19μm〕構造の90μmの微細空洞を有する積層フィルムを得た。
この積層フィルムは(B)層で層間剥離した。そのときの層間剥離強度、剥離した各層側の不透明度を表1に示す。
【0029】
(実施例3)
実施例1で得られた積層フィルムの裏面層(C)側に、東洋インキ化学工業(株)製の感圧粘着剤“オリバイン BPS−1109”(商品名)を固形分量で25g/m2 塗工して(強度が約2000g/20mm幅)感圧粘着剤層を形成し、更に、その上に王子化工(株)製離型紙(「ノンカール」(商品名);肉厚150μm)を積層して、積層フイルム/感圧粘着剤層/剥離紙よりなる積層構造の感圧粘着ラベルを得た。
この感圧粘着ラベルを、剥離紙を剥がした後印刷物の上に貼着し、(A)層を引っぱったところ、(B)層で層間剥離した。そのときの剥離強度は50g/20mm幅であり、(A)層を剥がした後、残っている(B)層および(C)層を通して印刷物をはっきりと目で確認することができた。また剥がした(A)層側の形状も安定しており、管理票等として使用可能であった。
【0030】
(比較例1)
実施例1において、剥離層(B)の組成をプロピレン単独重合体95重量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム5重量%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で100μmの微細空洞を有する積層フィルム〔(A2)/(A1)/(B)/(C):肉厚20/60/1/19μm〕を得た。
この積層フィルムを(A1)層を持って引き剥したところ、(B)層が層間剥離した。そのときの層間剥離強度は210g/20mm幅であり、容易な剥離は困難であった。また剥離面は材料破壊を起こし毛羽立ちが激しく、外観が悪く、また不透明度の測定は困難であった。
結果を表1に示す。
【0031】
(比較例2)
実施例2において、組成物(A)および(B)を混練する押出機の吐出量を変更し、延伸後に得られた積層フィルムの各層の肉厚が〔(A)/(B)/(C):肉厚30/40/20μm〕となるように変更した以外は、実施例2と同様の方法で90μmの微細空洞を有する積層フィルムを得た。
この積層フィルムを(A)層を持って引き剥したところ、(B)層が層間剥離した。そのときの層間剥離強度は30g/20mm幅であり、容易に剥離したが、(C)層側の不透明度が62%であり、層間剥離した(B)層および(C)層を通して反対側の文字、あるいは印刷物を肉眼で容易に判別することができなかった。
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明の易剥離性積層フィルムは、小さな力で易剥離性層(B)が層間剥離するので、隠蔽シール、貼り替え防止用ラベル等に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層フィルムの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の積層フィルムを隠蔽シールとして用いた例を示す断面図である。
【図3】本発明の積層フィルムを貼り替え防止用粘着ラベルとして用いた例を示す断面図である。
【符号の説明】
A 表面層
A1 表面中間層
A2 表面層
B 層間剥離性層
C 裏面層
1 積層フィルム(シール、ラベル)
2 葉書
3 印刷
4 感圧粘着剤層
5 商品
Claims (6)
- 肉厚が0.1〜10μmであり、無機微細粉末10〜80重量%、および熱可塑性樹脂90〜20重量%を含有する熱可塑性樹脂二軸延伸フィルムよりなる層間剥離性層(B)の表面に肉厚10〜500μmであり、無機微細粉末2〜35重量%、但し(B)層のそれより8重量%以上少なく含有する熱可塑性樹脂フィルムよりなる表面層(A)、および層間剥離性層(B)の裏面に肉厚10〜500μmであり、無機微細粉末20重量%以下、但し(B)層のそれよりも少なく含有する熱可塑性樹脂フィルムよりなる裏面層(C)が融着積層されてなる積層フィルムを含むものであって、表面層(A)と裏面層(C)との剥離が、層間剥離性層(B)の層間剥離によってなることを特徴とする易剥離性積層フィルム。
- 肉厚が0.1〜10μmであり、無機微細粉末10〜80重量%、および熱可塑性樹脂90〜20重量%を含有する熱可塑性樹脂二軸延伸フィルムよりなる層間剥離性層(B)の表面に肉厚10〜500μmであり、無機微細粉末2〜35重量%、但し(B)層のそれより8重量%以上少なく含有する熱可塑性樹脂フィルムよりなる表面層(A)、および層間剥離性層(B)の裏面に肉厚10〜500μmであり、無機微細粉末を含んでいない熱可塑性樹脂フィルムよりなる裏面層(C)が融着積層されてなる積層フィルムを含むものであって、表面層(A)と裏面層(C)との剥離が、層間剥離性層(B)の層間剥離によってなることを特徴とする易剥離性積層フィルム。
- 層間剥離性層(B)の層間剥離強度が10〜150g/20mm幅であることを特徴とする請求項1または2に記載の易剥離性積層フィルム。
- 表面層(A)の不透明度が60〜100%であり、裏面層の(C)の不透明度が50%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の易剥離性積層フィルム。
- 裏面層(C)が熱可塑性樹脂一軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の易剥離性積層フィルム。
- 表面層(A)が積層体構造であって、そのうち(B)層と接する層(A1)の構成が無機微細粉末2〜35重量%、および熱可塑性樹脂98〜65重量%含有する二軸延伸フィルムよりなる層であって、その無機微細粉末の含有量は層間剥離性層(B)のそれより8重量%以上少ない層であり、さらにその外側の層(A2)は無機微細粉末含有量が8〜55重量%、および熱可塑性樹脂92〜45重量%含有する熱可塑性樹脂一軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項5記載の易剥離性積層フィルム。
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