JP2005500559A

JP2005500559A - Ｈｄｐｅラベルフィルム

Info

Publication number: JP2005500559A
Application number: JP2003500172A
Authority: JP
Inventors: ルー、パン−チア
Original assignee: エクソンモービル・オイル・コーポレイション
Priority date: 2001-05-29
Filing date: 2002-04-10
Publication date: 2005-01-06
Also published as: WO2002097001A1; EP1404771A1; US6641914B2; CA2440324A1; US20020192466A1

Abstract

多層熱可塑性ラベルは、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）を含むコア層（前記コア層は第１面と第２面を有する）、熱可塑性材料を含む第１表皮層（前記表皮層は第１面と第２面を有し、第１表皮層の第２面はコア層の第１面に接する）含み、当該熱可塑性ラベルは少なくとも１の方向に延伸される。

Description

【０００１】
発明の背景
本発明はガラス及びプラスチック基材用のプラスチック接着ラベル及びポリエチレンを含む該ラベルを製造することに適したプラスチック接着フィルムに関する。本発明のラベルはガラス又はプラスチック容器（ボトル及びジャー等）に、容器への充填前に貼付され、洗浄、充填、及び低温殺菌操作並びに、需要者の最終使用用途（例えばアイスボックス中への浸漬）にも耐えることができ、又は容器が充填された後に貼付され得る。
【０００２】
最近、ほとんどのガラス容器及びプラスチック容器は紙ラベルで貼付される。これらの紙ラベルは容器が受ける加工に耐えることができない。その結果、紙ラベルへの損傷を回避するために、紙ラベルは、加工工程後に容器に貼付される（即ち、後貼付される）。一般に、プリントされた紙ラベルは後貼付され、水性接着剤又はホットメルト接着剤を用いて容器に貼付される。
【０００３】
後貼付された紙ラベルがボトルに完全には接着しない場合ボトルの正しい位置に貼付されなく、又はさもなければ充填されたボトルに間違って貼付されると、容器と内容物は全て使用できなく、廃棄されるに違いない。従って、不完全なラベルのために廃棄を必要とされる容器内容物の廃棄回避がなされる前に、容器はラベルされ、検査されることが望ましい。
【０００４】
高性能なアクリル粘着剤を用い、プラスチックラベルを容器に後添付し、容器製造工場で容器を製造することは本技術分野において公知である。例とば、Ｏｐｔｉｆｌｅｘラベル（Ｆｌｅｘｃｏｎから市販され、Ｆｌｅｘｃｏｎの商標である）、ＣｌｅａｒＡｄｖａｎｔａｇｅラベル（Ａｖｅｒｙから市販され、Ａｖｅｒｙの商標である）、及びＰｒｉｍｅｌｉｎｅラベルフィルム（Ｐｏｌｙｋｏｔｅ社から市販され、Ｐｏｌｙｋｏｔｅ社の商標である）を含む。これらのラベルは一般に、容器充填工場で容器加工操作に耐え得る。その結果、これらのラベルは後貼付ラベルの欠陥を幾つか克服してきた。
【０００５】
しかし、高性能アクリル粘着剤はコストが高い。高性能アクリル接着剤を用いて製造されたラベルは一般に、紙ラベルの３−５倍ものコストがかかる。このコストの増大により、広範囲に市場で受け入れられない。
【０００６】
延伸ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレート粘着ラベルを用い、容器に貼付することは本技術分野において公知である。これらの物質は、それらの剛性及び透明のために非常に有用となっている。しかし、これらの物質は特定の形状に切断することは困難になりがちである。しばしば、エッジストリンガー（ｅｄｇｅｓｔｒｉｎｇｅｒ）又は不十分なへり切りがみられる。
【０００７】
ポリエチレンを含むフィルム組成物は本技術分野で公知である。米国特許第６，１５０，０１３号は、少なくとも２層を含むインモールドラベルフィルム（１の層は、フィルムをポリマー基材に結合するためのヒートシール層であり、ここでフィルムは、約１．２５０×１０^−４ｋＣａｌ／ｓｅｃｃｍ ℃未満の熱伝導性を有する）を開示する。本発明はさらに、インモールドラベリング用のプロセスを包含し、これは、少なくとも２層を含むラベルを形成する工程（ここで１の層は、フィルムをプラスチック基材に結合するためのヒートシール層であり、ここでフィルムは、約１．２５０×１０^−４ｋＣａｌ／ｓｅｃｃｍ ℃未満の熱伝導性を有する）、内面および外面を有するプラスチック基材を生産するための型にラベルを挿入する工程、その後にプラスチック基材をインモールドにおいて十分に加熱することにより形成する工程（ここで基材の外面は、ラベルのヒートシール層に結合する）を包含する。米国特許第６，１５０，０１３号は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。
【０００８】
米国特許第６，１３６，４３９号は単層のプリント可能なポリマーフィルムとそのフィルムの製造法を開示する。このフィルムは構造材料（ポリプロピレン又はポリエチレン等）をプリント可能な材料（ビニルアセタール又はメチルアクリレート等）と混合することにより形成され、単一の混合物を加工前に形成される。単一混合物は、プリント可能な材料が単一混合物の表面にブルームすることを引き起こすために押出され，加熱される。分離した構造及びプリント可能な物質から形成される多層フィルムに対し許容されるよりも高い温度で混合物を延伸させることにより、形成されるフィルムをヒートセット及び緩和又は応力処理する。得られるものは、剛性であり、カールする傾向にある既に得られた多層フィルムよりもかなり平らに重なり合うモノマー層フィルムである。混合物は好ましくは延伸プロセスの間、２７０°Ｆ以上の温度まで加熱される。米国特許第６，１３６，４３９号は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。
【０００９】
米国特許第６，１２７，０３２号はガラス基材（ガラスボトル等）用のプラスチック接着剤ラベルの製造に有用な多層フィルムを開示する。多層フィルムは基層、接着剤層、及び任意の中間層を含み、基層と接着層との間で結合する中間層を改良する。接着層は、室温で粘着性のない熱活性化熱可塑性接着剤を含む。当該発明のフィルムは分離した剥離ライナーの使用を必要としないために室温で十分にブロッキングをしない。フィルムは従来のグラフィックペインティング操作に利用され、ラベルとなる。当該発明のフィルムから製造されるラベルは、ガラス基質に熱接着され、ガラス基質への十分な接着を示し、洗浄／水洗、充填、及びボトル産業で利用される加熱殺菌法に耐え得る。米国特許第６，１２７，０３２号は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。
【００１０】
米国特許第６，００４，６８２号は加熱延伸の、アニール化された無ライナーの自己巻きフィルムラミナを含み、プリンティング用の表面層と熱活性可能な接着剤を含む基層を有する延伸されたポリマーのインモールドラベルフィルムを開示する。このフィルムの熱収縮性により、厚さのバランスが保たれ、カールを最小化し、フィルムが従来のラベルプリンティングプレスでプリント可能となる。静電防止剤は、熱活性化接着剤を含む基層のための装填物中にのみ含まれ得る。ラベル付きブロー成形容器の製造において、そのフィルムから形成されたシート及びラベルは、補強裏材料なしでさえ、正確な位置合わせ及び寸法および定位結着性を保持しつつ高速度で取り扱うことができ、しかもラベルはシャンプーボトルのような変形性容器で良好に機能する。米国特許第６，００４，６８２号は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。
【００１１】
米国特許第５，９８５，０７５号は、粘着ラベル、テープ、ディキャール、サイン、バンパーステッカー、及びシートとロールストックから形成される他の製品用のプラスチック多層ライナー及びフェースストックの全てを形成するために共押出しされるフィルム形成法を開示する。構造の層のフィルム材料は、問題となっているその機能上の又は使用上の必要条件を考慮する候補となる材料のコスト／利益面の特性に基づいて選択される。米国特許第５，９８５，０７５号は完全に引用により本明細書に組み込まれる。
【００１２】
米国出願シリアル番号０９／３０７，０１１号は艶消し表面フィルム（（ａ）高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）を含む基層、及び（ｂ）相溶性の悪い２以上のポリオレフィンのブレンドを含む艶消し表面層を含む）を開示する。好ましい実施態様において、艶消し表面層は（i）プロピレンホモポリマー又はプロピレン共重合体及び（ii）エチレンホモポリマー又はエチレン共重合体を含む。フィルムは容易に切断でき、切断性は改良され、包装及びラベルの貼付に用いられ得る。米国特許出願シリアル番号０９／３０７，０１１は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。
【００１３】
本発明の概要
本発明は多層プラスチックフィルム、特にガラス及びプラスチック基材用のプラスチックラベルの製造に適した多層プラスチックフィルムを与える。本発明のフィルムは、当該フィルムがガラス及びプラスチック基材用のラベルの製造に特に適することとなる数多くの特徴を示す。
【００１４】
本発明のフィルムは一般に、基層および基層に結合する接着層を含む。接着層は直接基層に結合するか又は中間のタイ層が基層と接着層の間で用いられ、基層と接着層との間で接着する中間層を改良する。
【００１５】
基層を有効に含み得るプラスチックは高密度ポリエチレン（“ＨＤＰＥ”）を含む。好ましくは、本発明のフィルム中の基層とラベルは延伸された高密度ポリエチレン（“ＯＨＤＰＥ”）から製造される。
【００１６】
本発明の他の実施態様において、本発明の多層フィルムはガラス及びプラスチック容器にプリントされ、ガラス及びプラスチック容器に接着する接着ラベル用に切断される。本発明の接着ラベルはガラス及びプラスチックボトルに圧縮ラミネートされ得る。
【００１７】
本発明の利点としては１以上の以下のフィルムを含む。
【００１８】
十分な引張強度、弾性率、耐引裂き性及び平面度を示すフィルムであり、グラフィックプリント作業で容易に取り扱うことができるフィルム、
プリント作業中、フィルム表面のインクがふき取られ、剥がされ、又はすり減らされないようなをプリントインクに十分な接着性を示すフィルム、
ガラス及びプラスチック基材に優れた接着性を示すフィルム、
ガラス及びプラスチックに接着し、その基質に対し耐水性があり、湿気に強い接着を与えるフィルム、
そのままで処理されるか又は表面コーティングを通じて良好な表面プリント性を示すフィルム、
ダイカット対して十分な剛性及び十分な分散性を示すフィルム、
ＰＳＡサンドウィッチ構造に用いられ得る接着適合性を示すフィルム、
透明であるフィルム、
白色であるフィルム、
円滑である表面フィルム、
艶消し表面フィルム、
多色プリントに対しインク見当合せが良好であるフィルム、
水分／湿気に強いフィルム、
引裂きが困難なフィルム
【００１９】
図面の詳細な説明
添付図１−４を参照しながら、本発明は種々の実施態様において説明される。
【００２０】
最初に図１は、第１面１０１及び第２面１０２を有する熱可塑性樹脂を含む第１表皮層１２からなる熱可塑性ラベル１０を表わしている。
【００２１】
ある実施態様において、第１表皮層１２の熱可塑性樹脂はホモポリマーポリプロピレンである。適切なポリプロピレンは標準フィルム品質のアイソタクチックポリプロピレン又は高結晶質ポリプロピレンを含み得る。
【００２２】
他の実施態様において第１表皮層１２の熱可塑性樹脂は高密度ポリエチレンである。第１表皮層１２に対する他の適切な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、オレフィンコポリマー、及びそれらのブレンドを含む。高密度ポリエチレン、及び線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、及び約１０重量％未満の他のアルファ−オレフィン（プロピレン及びブテン）と共重合された線状低密度エチレンもまた用いられる。また、エチレンとプロピレンからなるブロックコポリマー、他のエチレンホモポリマー、コポリマー及びターポリマー、又はそれらのブレンドを含むポリオレフィンのコポリマーもまた用いられ得る。他の適切な熱可塑性樹脂は、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリエステル（ポリブチレンテレフタレートを含むポリアルキレンテレフタレート等）、ポリエーテル、及びポリアミド（ナイロン等）、及びアイソタクチックポリプロピレン（キシレンに不溶な物質の量を測定した場合、アイソタクチック指数が少なくとも約８０重量％、好ましくは約９５乃至１００％である）があるがこれらに制限されるわけではない。
【００２３】
ある実施態様において、ラベル１０は厚さが約０．５ミル乃至約１０ミルである。他の実施態様において、ラベル１０は厚さが約１．０ミル乃至約５ミルである。他の実施態様において、ラベル１０は厚さが約１．５ミル未満である。他の実施態様においてラベル１０は厚さが約１．２５ミル未満であり、他の実施態様においてラベル１０は厚さが約１．０ミル未満であり、他の実施態様においてラベル１０は厚さが約０．９ミル未満である。他の実施態様において、ラベル１０は１軸延伸されている。他の実施態様においてラベル１０は２軸延伸されている。
【００２４】
ある実施態様において、熱可塑性ラベル１０からなる第１表皮層１２は、熱可塑性ラベル１０の少なくとも約１５重量％を含む。他の実施態様において第１表皮層１２は熱可塑性ラベル１０の少なくとも約３０重量％を含む。
【００２５】
図２は、図１の熱可塑性ラベル１０にコア層１４を加えた横断面図である。熱可塑性ラベル１０は第１面１０１と第２面１０２を有する第１表皮層１２及び第１面１０４及び第２面１０６を有するコア層１４、第１表皮層１２とコア層１４に間にある接触面１６（接触面は第１表皮層１２の第２面１０２とコア層１４の第１面１０４とを接着する）を有している。
【００２６】
ある実施態様において、コア層１４はポリエチレン及び任意の気孔形成剤を含む。気孔形成剤は、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、アセタール、アクリル樹脂、固形の予備成形ガラス球、中空の予備成形ガラス球、金属ビーズ、金属球、セラミック球、カルシウムカーボナート（ＣａＣＯ_３）、ＣＯＣ、または他の気孔形成剤、及びそれらの混合物の１となり得る。ＣＯＣ（環状オレフィンポリマー及び環状オレフィンコポリマー）は、Ｐｅｅｔらによる米国特許第６，０４８，６０８号に記載されている。この特許は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。他の実施態様において、コア層１４は気孔形成されない。他の実施態様において、コア層１４のポリエチレンは高い密度又は高い結晶質のポリプロピレンである。
【００２７】
一般に、本発明において用いられ得るコア層１４のＨＤＰＥは、密度が約０．９４０乃至約０．９８０ｇ／ｃｍ^３、融点が約１１５乃至約１４０℃、及びメルトインデックスが約０．５乃至約１２ｇ／１０分（１９０℃で荷重が２．１６ｋｇにて、ＡＳＴＭＤ１２３８に準拠し測定）である。最も好ましくは、基層に含まれるＨＤＰＥは、密度が約０．９５０乃至約０．９７０ｇ／ｃｍ^３、融点が約１２０乃至約１３４℃、メルトインデックスが約１乃至約６ｇ／１０分である。ある実施態様において、コア層１４は少なくとも約５０重量％のＨＤＰＥ、他の実施態様においてコア層１４は少なくとも約７５重量％のＨＤＰＥ、及び第３の実施態様において、コア層１４は少なくとも約９０重量のＨＰＤＥを含む。ある実施態様においてコア層１４は熱可塑性ラベル１０の少なくとも約５０重量％、他の実施態様においてコア層１４は熱可塑性樹脂ラベル１０の少なくとも約７５重量％、及び第３の実施態様においてコア層１４は熱可塑性ラベル１０の少なくとも約９０重量％を含む。
【００２８】
コア層１４を生成するために特に有用なＨＤＰＥポリマーは、ＬｙｏｎｄｅｌｌＣｈｅｍｉｃａｌ社から市販されているＨＤＰＥＭ−６２１１及びＨＤＰＥＭ−６０３０、ＥｘｘｏｎＭｏｂｉｌＣｈｅｍｉｃａｌ社から市販されているＨＤ−６７０４．６７等があるがこれらに制限されるわけではない。
【００２９】
他の実施態様において、第２表皮層（図示されてはいない）は熱可塑性ラベル１０に加えられ、コア層１４に隣接し、コア層１４の第２面１０６に隣接する。ある実施態様において、第２表皮層（図示されてはいない）は熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、オレフィンコポリマー、及びそれらのブレンドを含む。高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、及び約１０重量％未満の他のアルファ−オレフィン（ポリプロピレン及びブテン）と共重合された線状低密度エチレンもまた用いられる。また、エチレンとプロピレンからなるブロックコポリマー、他のエチレンホモポリマー、コポリマー及びターポリマー、又はそれらのブレンドを含むポリオレフィンのコポリマーもまた用いられ得る。他の適切な熱可塑性樹脂は、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリエステル（ポリブチレンテレフタレートを含むポリアルキレンテレフタレート等）、ポリエーテル、及びポリアミド（ナイロン等）、及びアイソタクチックポリプロピレン（キシレンに不溶な物質の量を測定した場合、アイソタクチック指数が少なくとも約８０重量％、好ましくは約９５乃至１００％である）があるがこれらに制限されるわけではない。
【００３０】
他の実施態様において、プライマーは第２表皮層（図示されていない）に加えられる。他の実施態様において、第２表皮層（図示されていない）は適用される金属又はコーティング層を有する。米国特許第６，０７７，６０２号；第６，０１３，３５３号；第５，９８１，０７９号；第５，９７２，４９６号；第６，０７４，７６２号；第６，０２５，０５９号；及び第５，８８８，６４８号はフィルムにおけるコーティング及び／又は金属層の使用を開示する。これらは引用により本明細書中に取り込まれる。ある実施態様において、適切なコーティングは、グロスを高め、機械適応性を増大させ、及び／又はインク接着を増大させる働きをするＰＶｄＣ又はアクリルを含み得る。即ち適切な金属はアルミニウムを含み得る。
【００３１】
図３は、図２の熱可塑性樹脂ラベル１０に第１表皮層１２の第１面１０１に塗布された接着剤２２を伴う切断面図である。接着剤２２は粘着剤又は非粘着剤であり得、ワックス、樹脂、又はエラストマー（例えば天然又は人工ワックス、アクリル又はビニルアセタート樹脂、スチレン−ブタジエン又はイソプレンエラストマー、又はそれらの混合物）となり得る。
【００３２】
ある実施態様において、コーティングまたは処理が第１表皮層１２の第１面１０１になされ、接着剤２２は第１表皮層１２に固定される。米国特許第５，６６２，９８５号は接着剤の定着力の適用を開示しており、この特許は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。
【００３３】
他の実施態様において、粘着剤は接着剤２２を含み得る。加熱することなく接着可能な粘着剤は周知である。粘着剤２２の特定の分類としては米国特許第４，８９８，７８７号及び５，０７０，１６４号において開示されているが、これら特許は双方とも引用により本明細書に組み込まれる。この接着剤２２は、低級アルキルアクリレート（エチルアクリレート等）、低級アルキルメタクリラート（メチルアクリレート等）及び酸（アクリル酸等）のエマルジョン重合から調製される。粘着剤は一般に、室温において粘着性があり、別個の剥離ライナー又はフィルム（例えばシリコン剥離ライナー）と合わせて用いる必要があるかもしれない。他の粘着剤は、例えば、１）エチレン、約１乃至３０重量のα、β−エチレン性不飽和カルボン酸コモノマー、およびα、β−エチレン性不飽和カルボン酸の約１乃至４０重量％のビニルエステル又はアルキルエステルからなるターポリマー、２）エチレン、α，β−エチレン性不飽和カルボン酸からなる約１乃至３０重量のビニルエステル又はアルキルエステル、および約１乃至４重量％の無水マレイン酸、３）無水マレイン酸修飾されたエチレンコポリマーとターポリマー、及び４）有機シラン修飾されたエチレンコポリマーとターポリマーを含む。これらの樹脂は単独で用いられ接着層を含み、又は複数の樹脂の任意の組み合わせがブレンドされ接着層を含み得る。
【００３４】
他の実施態様において、非粘着剤は接着剤２２を含み得る。非粘着剤は一般に、水と組み合わされた固形ベース材料からなる。ある実施態様において、接着剤２２は天然の接着剤（カゼイン等）の水溶性溶液である。他の実施態様において、接着剤２２は樹脂（ＰＶＡ，ＥＶＡ等）の水溶性溶液である。非粘着剤はラップアラウンド型ラベル又は粘着ラベルに対し代替物として幅広く用いられる。接着剤には、水中で種々のタンパク性物質からなるコロイド懸濁溶液となるものもあり、コラーゲンが高い獣皮、腱、骨を沸騰することにより生成される。他には、接着剤は野菜（でんぷん、デキストリン等）から生成され得る。接着剤には合成物質（樹脂）をベースとするものもある。適切な接着剤は、ＨＢＦｕｌｌｅｒＷＢ５０２０、ＮａｔｉｏｎａｌＳｔａｒｃｈＣｙｃｌｏｆｌｅｘ１４−２００Ａ、ＡＡＢＢＩＴＴ７１２−１５０及びＨｅｎｋｅｌ１０−７０２６を含み、接着剤の上記リストは、各々、登録商標ＨＢＦｕｌｌｅｒ、ＮａｔｉｏｎａｌＳｔａｒｃｈ、ＡＡＢＢＩＴＴ、及びＨｅｎｋｅｌとなる。
【００３５】
図４は、図３に記載のラベル１０が容器２６に貼り付けられた場合の切断面図である。
【００３６】
容器２６は表面１０８を有し、表面１０８はラベル１０の第１表皮層１２の第１面１０１に塗布される接着剤２２に接している。容器２６に適切な物質は、ガラス、セラミック、熱可塑性樹脂、又は他の物質である。
【００３７】
他の実施態様において、二酸化チタンのような従来のフィラ−及び顔料はコア層１４に加えられ、プリント又はグラフィックの複製の目的に好適となり得る。一般に、少なくとも経済的観点から、プリントに適切な白色ラベルを得るために約１０重量％を超える二酸化チタンを用いることが特に有利になるとは考えられていない。熱可塑性ラベル１０の好適な性質を達成することに過度の障害がないかぎり、不透明性をより増大させるために二酸化チタンの量をより多く添加し得る。
【００３８】
ラベル１０は透明、又は不透明であり得る。ある実施態様において、ラベル１０は白色不透明である。不透明な型において、これによりラベル１０のコア層１４の第２面１０６又は第２表皮層（図示されていない）の表面（図示されていない）に添付されるプリント材料に対して卓越した対照的なバックグラウンドを与える。ある実施態様は、第１表皮層１２及び第２表皮層（図示されていない）を有する透明なポリエチレンコア層１４である。他の実施態様は第２表皮層（図示されていない）に塗布される金属コーティングを有する。他の実施態様はラベル１０に光沢仕上げを有し、他の実施態様ではラベル１０は艶消し仕上げを有する。
【００３９】
他の実施態様は、不透明コア材料を含むコア層１４を有し、該材料は不透明外観を生むために特別な方法で気孔形成された延伸ポリエチレン構造である。この種の材料はＡｓｈｃｒａｆｔらの米国特許第４，３７７，６１６号、実施例３に記載されている。この特許は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。この特許に準じ、不透明フィルム構造体を調製する方法は以下のとおりである。第１熱可塑性材料（例えばポリプロピレン）の大多数を、第１材料よりも高い融点又は高いガラス転移温度の少量の第２材料と混合する。この混合物を第１材料の融点よりも少なくとも高い温度まで加熱する。その後、第２材料は溶融した第１材料の全体にわたり微小球形で均一分散される。微小球は、溶融ポリエチレン中でミクロ分散された、例えば中空ガラス球のマスターバッチとして都合よく調製され得る。その後、この組み合わせは、材料の組み合わせを含むコア１４の反対表面に２の表皮層を有することができるよう第１表皮層１２と第２表皮層（図示されていない）と共に共押出される。その後、ある実施態様において、この配合は、不透明の閉ざされたセルの、寸法がＸ、Ｙ、Ｚからなるボイド層を生成する温度で且つその程度にまで２軸延伸される。これは米国特許第５，８８５，７２１号に開示されており、引用により本明細書中に組み込まれる。寸法Ｘ及びＹは主な寸法であり、寸法Ｚは微小球の径に少なくとも一般に対応する程度の寸法である。他の実施態様において、この配合は、寸法がＸ、Ｙ及びＺからなる不透明な閉ざされたセルのボイド層を形成する温度で且つその程度まで単軸延伸される。これは米国特許第４，８７０，１２２号及び第４，９１６，０２５号に開示されており、引用により本明細書に組み込まれる。寸法Ｚは主たる寸法であり、寸法Ｙ及びＺは、微小球の径に少なくとも一般に対応する程度の寸法である。ある場合には、そこに無機フィラ−材料を含むことが有利となり得る。例えば、表皮の表面の粗さを促進することに対して有利となり得る。
【００４０】
他の実施態様は、不透明コア材料を含むコア層１４を有し、該材料はＣＯＣ（環状オレフィンポリマー及び環状オレフィンコポリマー）を用いることにより気孔形成される延伸されたポリエチレン構造体である。ＣＯＣはＰｅｅｔらの米国特許第６，０４８，６０８号に記載されており、この特許は完全に引用により本明細書中に組み込まれる。
【００４１】
他の実施態様はカルシウムカーボナートを含むポリエチレン構造体である不透明コア材料を含むコア層１４を有する。
【００４２】
熱可塑性ラベル１０の他の実施態様は、第１表皮層１２の第２面１０２に接し、またコア層１４の第１面１０４にも接する１以上のタイ層（示されてはいない）を有する。タイ層（示されてはいない）は接触面１６で第１表皮層１２とコア層１４の間に存在する。他の実施態様において、タイ層（示されてはいない）は第１表皮層１２及びコア層１４の材料からなる混合物である。コア層１４と第２表皮層（図示されていない）の間に１以上のタイ層（図示されていない）を有することを意図している。
【００４３】
他の実施態様において、第１表皮層１２は熱可塑性ラベル１０から層間剥離し得る。ある実施態様において、ラベル１０が容器２６から取り除かれる場合、ラベル１０の第１表皮層１２と接着剤２２は容器２６の添付されたままである。これは第１表皮層１２がラベル１０の接触層から層間剥離されたことを意味する。
【００４４】
この開示は例示のためであること、及びこの開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱することなく細部を追加、改変または除くことにより多様な変更が行われうることは明らかである。従って、本発明は、従属する請求項が必然的に限定される場合を除き、この開示による個々の詳細に限定されない。
【００４５】
以下の実施例は本発明を説明する。
【００４６】
実施例１
表１は、本実施例に用いられた１２のサンプルを示す。これらサンプルの各層の組成を特定すると共に、各サンプルの厚さ、曇り度、光沢、及び切断性の測定も行った。
【００４７】
切断性試験はＭｉｌｔｏｎ−Ｂｒａｄｌｅｙ＃５１１２剪断機で行った。特に、約８×８”のサンプルフィルムの小片を切断する台に置き、通常の剪断力で１”の小片に切断した。その後切り口を滑らかにして試験をした。フィルムが柔らかい場合、きれいに切断することはできない。切り口は細かく広がる“筋”又は“ティッカー（ｔｉｃｋｅｒ）”となる。
【００４８】
ＨＤＰＥフィルムは共押出３層構造からなる。コア層はＨＤＰＥ樹脂であり、メルトインデックスが１．１、密度が０．９５８、融点が１３０℃である。ある表皮はＣｈｉｓｓｏＣｈｅｍｉｃａｌ社のＥＰＢターポリマーである。他の表皮は同一のＣｈｉｓｓｏＥＢＰターポリマー（クリヤーフィルム用）又は艶消し樹脂ブレンド（艶消しフィルム用）となり得る。
【００４９】
表皮がない場合には、単一層ＨＤＰＥフィルムも用いられる。
【００５０】
ＨＤＰＥフィルムは単軸延伸又は２軸延伸され得る。
【００５１】
フィルム構造においてＨＤＰＥを有する場合、“切り口の筋”なしに良好な切断性が得られる。ＯＰＰフィルムを有する場合、切り口で数多くの細かく短い筋を伴う不良の切断性となる。１枚の紙を切断する場合は、これらの種類の筋は類似しており、刃があまり鋭利でないならば、切り口で紙の粉末となり、粗い切り口となる。ラベルダイカッティングにおいて、このことは許されない。きれいな切断が得られないならば、筋はカットラベルがアプリケーションプロセス中、小分けされることを妨げる。
【００５２】
比較として、ＲｉｃｅＫｒｉｓｐｙ（商標Ｋｅｌｌｏｇｇｓ）Ｃｅｒｅａｌｂｏｘ由来のシリアルライナーを用い、試験した。一般に、ライナーは２層共押出しＨＤＰＥフィルムからなり、約１．５乃至２ミルであり、吹付け又はキャストされ、内部のヒートシール層としてＥＶＡまたはＥＶＡブレンドを有する。このフィルムはまた同一の切断性試験でかなりの数の短い筋も与える。
【００５３】
用語の定義
１．酸：プロトンを供与し得る材料。
２．アクリル酸：構造式がＨ_２Ｃ：ＣＨＣＯＯＨの材料。
３．接着剤：隣接する材料同士を接着する材料。
４．共押出：多層フィルムを生成する方法（各層の溶融された成分がダイを通じて同時に供給され、各層の上に他の層が積み重ねられる方法）。
５．含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）：少なくとも記載された成分から構成されること（他の記載されていない成分もまた含み得る）。
６．１ｇ／ｃｍ^３の密度：１立方ｃｍ当り１ｇの重さを有する密度。
７．高温：温度が約１００乃至約３００°Ｆ、又は約３８乃至約１５０℃であること。
８．エマルジョン：２以上の不混和性の液体からなる安定した混合物。
９．高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）：密度が１ｃｍ^３当り約０．９４５ｇを超えるポリエチレン。
１０．１００℃の融点：１００℃で固体から液体に変化する材料。
１１．縦方向延伸：反対方向にフィルム末端を引張ることにより、プロセスの供給方向に対し実質的に平行にフィルムを延伸すること。
１２．横方向延伸：反対方向にフィルム末端を引張ることにより、プロセスの供給方向に対し実質的に垂直にフィルムを延伸すること。
１３．ポリブチレンテレフタレート：１，４−ブタンジオール由来の熱可塑性ポリマー。
１４．重合：かなり多くの比較的単純な構造の分子が結合することにより鎖状高分子を形成する化学反応。
１５．粘着剤：低級アルキルアクリレート、低級アルキルメタクリラート及び酸からなる、エマルジョン重合から調製される接着剤。
１６．熱可塑性樹脂：熱せられると軟化し、室温まで冷却されると初期の状態に戻る高ポリマー。
【００５４】
【表１】

【図面の簡単な説明】
【００５５】
【図１】図１は本発明に準拠し構築された熱可塑性ラベルの断面図であり、上述した第１表皮層を含む。
【図２】図２は図１の熱可塑性ラベルにコア層を追加した断面図である。
【図３】図３は図２の熱可塑性のラベルに第１表皮層に塗布された接着剤を伴う断面図を示す。
【図４】図４は図３に示されるラベルを容器に貼付した場合の断面図を示す。

Claims

（ａ）高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）を含むコア層（前記コア層は第１面と第２面を有する）、
（ｂ）熱可塑性材料を含む第１表皮層（前記表皮層は第１面と第２面を有し、第１表皮層の第２面はコア層の第１面に接する）、
ここで前記熱可塑性ラベルは少なくとも１の方向に延伸される、
ことを含む多層熱可塑性ラベル。
コア層はボイド層を含み、少なくとも相当数の各前記ボイド内には、該マトリックス材料とは相が異なり、不相溶である少なくとも１の球状ボイド形成粒子が少なくとも実質的に配置され、前記粒子が占めるボイド空間は、実質的に該ボイド体積未満であり、前記粒子の１の一般的な断面積は前記ボイドの対応する断面積に近似する、請求項１記載のラベル。
第１表皮層の第１面に接する接着剤をさらに含む、請求項１記載のラベル。
接着剤が粘着剤である、請求項３記載のラベル。
接着剤が低級アルキルアクリレート、低級アルキルメチルアクリレート、及びアクリル酸からなるエマルジョン重合物である、請求項４記載のラベル。
コア層がポリブチレンテレフタレート、ＣａＣＯ_３、ＣＯＣからなる群から選択されるボイド形成粒子を含む、請求項２記載のラベル。
前記コア層のＨＤＰＥは、密度が約０．９４０乃至約０．９８０ｇ／ｃｍ^３、融点が約１１５乃至約１４０℃、及びメルトインデックスが約０．５乃至約１２ｇ／１０分（１９０℃で荷重が２．１６ｋｇにてＡＳＴＭＤ１２３８に準拠し測定）である、請求項１記載のラミネート。
ラベルがダイカットされる、請求項１記載のラベル。
ラベルは厚さが約１．５ミル未満である、請求項１記載のラベル。
ラベルは厚さが約１．０ミル未満である、請求項１記載のラベル。
ラベルは厚さが約０．９ミル未満である、請求項１記載のラベル。
ラベルは少なくとも２の方向で延伸される、請求項１記載のラベル。
（ａ）高密度ポリエチレンを含むコア層（前記コア層は第１面と第２面を有する）、
（ｂ）熱可塑性材料を含む第１転移層（前記第１転移層は第１面と第２面を有し、転移層の第２面はコア層の第１面に接する）、
（ｃ）熱可塑性材料を含む第１表皮層（前記第１表皮層は第１面と第２面を有し、表皮層の第２面は第１転移層の第１面に接する）、
ここで前記ラベルは少なくとも１の方向に延伸される、
ことを含む多層熱可塑性ラベル。
第１面と第２面を有する熱可塑性樹脂を含む第２表皮層（第２表皮層の第１面はコア層の第２面に接する）をさらに含む、請求項１３記載のラベル。
熱可塑性樹脂を含む第２転移層（第２転移層は第１面と第２面を有し、第２転移層の第１面はコア層の第２面に接する）及び熱可塑性樹脂を含む第２表皮層（第２表皮層は第１面と第２面を有し、ここで第２表皮層の第１面は第２転移層の第２面に接する）をさらに含む、請求項１３記載のラベル。
コア層はボイド層を含み、少なくとも相当数の各前記ボイド内には、該マトリックス材料とは相が異なり、不相溶である少なくとも１の球状ボイド形成粒子が少なくとも実質的に配置されており、前記粒子が占めるボイド空間は、実質的に該ボイド体積未満であり、該粒子の１の一般的な断面積は該ボイドの対応する断面積に近似する、請求項１３記載のラベル。
コア層は、ポリブチレンテレフタレート、ＣａＣＯ_３及びＣＯＣからなる群から選択されるボイド形成粒子を含む、請求項１６記載のラベル。
ラベルは少なくとも２の方向に延伸される、請求項１３記載のラベル。
（ａ）高密度ポリエチレンを含む第１配合物を混合すること、
（ｂ）熱可塑性材料を含む第２配合物を混合すること、
（ｃ）前記配合物を溶融すること、
（ｄ）前記溶融された配合物を共押出し、少なくとも２層のシートを形成すること、
（ｅ）押出シートを冷却すること、
（ｆ）縦方向にシートを単一延伸すること、
及び、
（ｇ）延伸シートをヒートセッティングすること、
からなる工程を含む多層熱可塑性ラベルの製造方法。
横方向にシートを延伸する工程をさらに含む、請求項１９記載の方法。
（ａ）高密度ポリエチレンを含む少なくとも１の層を含む熱可塑性ラベル（前記ラベルは第１面と第２面を有する）、
（ｂ）粘着剤層（前記粘着剤は第１面と第２面を有し、粘着剤の第２面は熱可塑性ラベルの第１面に接する）、
（ｃ）剥離ライナー（当該剥離ライナー層は第１面と第２面を有し、ここで剥離ライナーの第２面はシリコンコーティングを含み、剥離ライナーの第２面は接着層の第１面に接しており）、
ここで前記ラベルは少なくとも１の方向に延伸される、
ことを含む粘着熱可塑性ラベルラミネーション。