JP3956902B2 - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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    • B60T8/3275Systems with a braking assistant function, i.e. automatic full braking initiation in dependence of brake pedal velocity

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の負圧倍力装置に関し、特に緊急ブレーキ時にブレーキペダルの踏力不足を補うことができる負圧倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の進路上に障害物が突然出現して運転者が緊急にブレーキペダルを踏込む緊急ブレーキにおいては、運転者がブレーキペダルに加える踏力は、車輪がロックする液圧をマスタシリンダに発生させる踏力に比べて相当小さく、車両のブレーキ能力が十分発揮されない場合が多いとの解析結果がある。この解析結果に基づいて、ブレーキペダルの踏込み速度やマスタシリンダの液圧の上昇速度から通常ブレーキであるか緊急ブレーキであるかを判定し、緊急ブレーキ時にはブレーキ液圧を車輪がロックする程度にまで自動的に上昇させる負圧倍力装置が開発されている。係る緊急ブレーキ時にブレーキペダルの踏力不足を補うことができる、例えば特許文献1に開示された負圧倍力装置では、ブースタシェルを区画部材により変圧室と定圧室とに区画し、該区画部材に有底円筒状の出力ピストンの基端部を固着し、両室内間の圧力差に基づく区画部材の前後方向の移動を出力ピストンから出力ロッドに反力機構を介して伝達し、反力機構と連係して作用するプランジャをブレーキペダルによって軸動される入力ロッドに連結している。そして、出力ピストンの円筒部の基端部側に小径孔、開口端側に大径孔を形成し、小径孔と大径孔との段部面に小径孔の内周面に沿って負圧弁座を環状に突設し、該段部面に定圧室に連通する通路を負圧弁座より大径側で開口し、大気弁座をプランジャの後面に負圧弁座より後方位置で大気導入路を取囲んで環状に形成している。前壁および後壁を外周壁で結合した断面コの字状の筒状弁体を出力ピストンに前後方向に移動可能に装架し、前記負圧弁座および大気弁座に接離して変圧室を定圧室および大気に連通、遮断する負圧弁および大気弁を前記筒状弁体の前壁および後壁の前端面に夫々設け、該筒状弁体を圧縮スプリングにより前方に付勢している。
【0003】
前記プランジャを取囲む筒状の弁座部材を出力ピストンの小径孔に気密的に軸線方向に摺動可能に嵌合し、該弁座部材の後端に第2負圧弁座を負圧弁座より小径側に形成し、該第2負圧弁座に接離する第2負圧弁を弁座部材の前壁前端面に負圧弁の小径側に設け、出力ピストンおよび弁座部材の側壁に弁座部材の内周側を変圧室に連通する通路を設けている。第2負圧弁座が負圧弁座より弁体側に位置するように弁座部材をバネ部材によって後方に付勢し、第2負圧弁座が負圧弁座より弁体から前方に離れるように弁座部材をバネ部材のバネ力に抗して通常位置に係止する係止手段を出力ピストンの基端部に設けている。ブレーキペダルが急速に踏まれて、プランジャが出力ピストンに対して所定量以上相対前進すると、係止手段は弁座部材を解放し、第2負圧弁座が筒状弁体の前壁に形成された第2負圧弁に当接して筒状弁体を後方に移動し、大気弁を大気弁座から開離するため、変圧室が急速かつ強制的に大気に連通され、通常ブレーキ時より大きい推力が出力部材に出力され、十分大きい液圧をマスタシリンダに発生させることができる。ブレーキペダルが踏まれたとき、プランジャが反力部材に当接するまでは、入力に対する出力の比率が無限大になり、出力が階段状に増加するジャンピング特性を示す。緊急ブレーキ時に係止手段が弁座部材を解放し、第2負圧弁座が第2負圧弁に当接して筒状弁体を後方に押動すると、ジャンピング特性が通常ブレーキ時より高くなり、通常ブレーキ時より大きな推力が出力部材に出力されるのである。即ち、係止手段が弁座部材を係止、解放することによって通常ブレーキ用と緊急ブレーキ用の2種類の入力‐出力特性に切換えられる。ブレーキペダルが解放されてプランジャが出力ピストンに対して所定量以上相対前進していない状態となり、弁座部材が出力ピストンに対して相対的に前進されると弁座部材は係止手段によって通常位置に係止される。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第WO01/32488号パンフレット(第5−9頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
緊急ブレーキ時に、係止手段が弁座部材を解放すると、弁座部材がバネ部材によって後方に付勢され第2負圧弁座が第2負圧弁に当接して筒状弁体を後方に迅速に移動するために、筒状弁体を小型軽量化して移動時の抵抗力を小さくする必要がある。ところが、従来装置では、負圧弁および大気弁を断面コの字状の筒状弁体の前壁および後壁の前端面に夫々環状に設けて弁体の移動時の抵抗力を小さくするように構成されているが、筒状弁体が複雑になって軸線方向に長く大型になって質量が増大する。また、筒状弁体に定圧室と変圧室との差圧によって推力が作用しないようにするために、この差圧が筒状弁体に作用する面積を小さくする必要がある。従来装置は、負圧弁座がプランジャを取囲んで環状に設けられているので、負圧弁座の周囲長さおよび定圧室と変圧室との差圧が筒状弁体に作用する面積を、大気弁座の径に対して独立して設定することができず、変圧室から定圧室に空気を高応答、且つ静粛に排出できないことがある。さらに従来装置では、緊急ブレーキ時に出力を増大する機構を構成する部品が複雑な形状を呈しており、生産性が劣るという問題があった。
【0006】
本発明は係る従来の不具合を解消するためのもので、弁機構、特に弁体の構造を簡単にし、緊急ブレーキ時にブレーキペダルの踏力不足を応答性よく補うことができる負圧倍力装置を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ブースタシェルを区画部材により変圧室と定圧室とに区画し、該区画部材に出力ピストンの基端部を固着し、前記両室内間の圧力差に基づく前記区画部材の出力を前記出力ピストンから出力ロッドに反力部材を介して伝達し、前記反力部材と連係して作用するプランジャをブレーキペダルによって軸動される入力ロッドに連結し、第1負圧弁座および大気弁座を前記出力ピストンおよび前記プランジャに形成し、該第1負圧弁座および大気弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する第1負圧弁および大気弁を弁体に設け、前記弁体の前方に位置して前記出力ピストンに一体的に筒状部を設け、第2負圧弁座を有するとともに付勢手段によって前記出力ピストンに対して後方に付勢される弁座部材を前記筒状部に円筒部で気密的に摺動自在に嵌合し、該第2負圧弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する第2負圧弁を前記弁体に設け、前記プランジャの前記出力ピストンに対する相対前進量が所定値より小さい場合には前記付勢手段による前記弁座部材への後方への付勢力に抗して前記出力ピストンに前記弁座部材を係止するとともに、前記プランジャの前記出力ピストンに対する相対前進量が所定値以上の場合には前記出力ピストンへの前記弁座部材の係止を開放する係止手段を備えた、緊急ブレーキ時に出力を増大可能な負圧式倍力装置において、前記筒状部の外周に前記定圧室と前記変圧室とを連通する通路を設け、該通路の前記弁体に対向する後端部に湾曲長円状に前記第1負圧弁座を突設し、前記弁座部材の円筒部の後端に設けられて前記大気弁座を包囲する第2負圧弁座は、前記第1負圧弁座から円周方向に所定角度ずらした位置で部分的に前記円筒部より大径側に拡大され、該拡大された部分が大気導入部となり、前記第1負圧弁座、前記第2負圧弁座および前記大気弁座に夫々接離する前記第1負圧弁、前記第2負圧弁および前記大気を前記弁体に略同一面内に形成したことである。
【0008】
請求項1に係る発明の作用において、ブレーキペダルが踏まれて入力ロッドによりプランジャが出力ピストンに対して前方に移動されると、第1負圧弁が第1負圧弁座に当接して変圧室と定圧室との連通を遮断し、大気弁座が大気弁から開離して大気が変圧室に流入し、両室内の圧力差により区画部材及び出力ピストンが前方に移動されて出力ロッドを押動し、マスタシリンダのマスタピストンが前進されてブレーキ油圧が発生する。ブレーキペダルが解放されると、プランジャが出力ピストンおよび弁体に対して相対的に後方に移動され、第1負圧弁が第1負圧弁座から開離される。これにより変圧室に定圧室の負圧が導入されて両室の圧力差が無くなり、区画部材及びピストンはリターンスプリングのバネ力により後方に移動される。
【0009】
ブレーキペダルが急速に踏込まれてプランジャが出力ピストンに対して所定量以上相対前進されると係止手段が弁座部材を開放し、弁座部材が付勢手段によって後方に付勢され、第2負圧弁座が第2負圧弁に当接して弁体を後方に移動し、大気弁を大気弁座から開離する。これにより、変圧室が急速かつ強制的に大気に連通され、通常ブレーキ時より大きい推力が出力部材に出力され、十分大きい液圧がマスタシリンダに発生される。ブレーキペダルが解放されると、プランジャが出力ピストンおよび弁体に対して相対的に後方に移動され、第2負圧弁が第2負圧弁座から開離され、出力ピストンがリターンスプリングによって後方に移動される。弁座部材が後退端に停止された後に、出力ピストンがリターンスプリングのバネ力によって相対的に後方に移動されると、弁座部材が通常位置に復帰されて係止手段に係止される。
【0010】
このように、第1負圧弁、第2負圧弁および大気弁を弁体に略同一面内に形成し、弁体の構造を簡単にして小型軽量化したので、負圧倍力装置を小型軽量化、特に全長を短縮することができるとともに、緊急ブレーキ時に弁座部材が付勢手段によって後方に付勢されると、第2負圧弁座が第2負圧弁に当接して弁体を後方に小さな力で迅速に移動し大気弁を大気弁座から開離することができ、変圧室が急速かつ強制的に大気と連通されて通常ブレーキ時より十分大きい液圧がマスタシリンダに発生される。また、筒状部の外周に定圧室と変圧室とを連通する通路を設け、該通路の弁体に対向する後端部に湾曲長円状に第1負圧弁座を突設し、該第1負圧弁座に接離する第1負圧弁を弁体に形成したので、第1負圧弁座の周囲長さおよび定圧室と変圧室との差圧が弁体に作用する面積を弁特性に合わせて容易に設定できる。さらに、負圧弁座の周囲長さおよび定圧室と変圧室との差圧が弁体に作用する面積を、大気弁座の径などに対して独立して設定することができるので、高応答、且つ静粛な作動で変圧室から定圧室に空気が排出される。また、弁体に作用する力を適宜変更して適切な立上がり荷重に設定したり、弁座部材が弁体を後方へ押圧する際の反力を低減して速やかな作動が得られるように設定することができる。
さらに、前記出力ピストンの筒状部に気密的に摺動自在に嵌合する前記弁座部材の円筒部の後端に、前記大気弁座を包囲する第2負圧弁座を設け、該第2負圧弁座を、前記第1負圧弁座から円周方向に所定角度ずらした位置で部分的に前記円筒部より大径側に拡大させ大気導入部を設けたので、緊急ブレーキ時に第2負圧弁座が第2負圧弁に当接して弁体を後方に移動したとき、開離された大気弁と大気弁座との間から流入した空気が大気導入部を通って変圧室に高応答、且つ静粛に導入される。
【0012】
請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項において、前記係止手段は、係止基部を介して前記出力ピストンに係合するとともに爪部を介して前記弁座部材に係合する係止部材と、前記出力ピストンの基端部に形成されて該係止部材を収納する係止部材収納孔と、該係止部材収納孔内に前記出力ピストンと一体的に形成され前記係止基部が係合する支承部と、前記係止部材が前記弁座部材と係合する方向に付勢するバネ部材と、前記反力部材と前記係止部材収納孔との間に設けられて前記反力部材と前記係止部材収納孔とを隔離する蓋部材と、を備えていることである。
【0013】
本発明によれば、係止部材は、出力ピストンに一体的に形成された支承部に係止基部で係合し、爪部を介して弁座部材に係合するので、弁座部材の弁体に対する相対変位精度を向上することができる。また、係止部材は出力ピストンの基端部に形成された係止部材収納孔に収納されているので、係止部材の回動時に係止部材の基部が支承部から浮き上がることを防止して、弁座部材が係止手段から開放される位置のバラツキを簡単な構成で抑制することができる。
【0014】
請求項に係る発明の構成上の特徴は、請求項において、前記バネ部材は、前記出力ピストンの基端部側から後方に延在する板バネであって、前記支承部より後方において、前記弁座部材との係合方向に前記係止部材を付勢することである。係止部材を弁座部材と係合する方向に板バネによって付勢するので、低コスト、且つ確実に弁座部材を通常位置に係止することができる。
【0015】
【実施の形態】
以下、本発明に係るブレーキ倍力装置の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ブースタシェル1は、フロントシェル2及びリアシェル3から構成され、両シェル2,3間には、フレキシブルなダイヤフラム4が外周縁のビードで気密的に挟着され、ブースタシェル1の内部を定圧室5と変圧室6とに区画している。ダイヤフラム4には円盤状のプレート7が定圧室5側で重合され、ダイヤフラム4及びプレート7には円筒状の出力ピストン8の基端部8aの外周面が気密的に固着され、基端部8aの前端面が定圧室5に露出している。リアシェル3の中心部は外方に屈曲されて円筒状の突出部3aが後方に向けて突設され、軸線上に貫通孔3bが形成されている。出力ピストン8には基端部8aから摺動円筒部8bが後方に突設され、摺動円筒部8bが貫通孔3bを貫通してブースタシェル1の突出部3aから後方に突出され、貫通穴3bの内周面と摺動円筒部8bの外周面との間にはシール9が介在されて変圧室6を大気から遮断している。フロントシェル2には負圧導入管10が取付けられ、定圧室5は負圧導入管10を介してエンジンの吸気マニホールドに連通されてエンジン作動中は常に負圧に維持されている。
【0016】
11はマスタシリンダで、先端部11aがフロントシェル2に形成された中心孔を貫通して定圧室5内に気密的に突出し、フランジ部11bがフロントシェル2の後面に当接している。フロントシェル2とリアシェル3とは、両シェルで構成されるブースタシェル1の軸線と外周との略中間位置で軸線と平行に延在する複数本、例えば2本のタイロッド12で結合されてマスタシリンダ11に固定されている。各タイロッド12にはダイヤフラム4に設けた各シール部の摺動穴が気密を保って夫々摺動自在に嵌合され、定圧室5と変圧室6との間の気密的な区画を維持している。
【0017】
13はマスタシリンダ11に前後方向に摺動可能に嵌合されたマスタピストンで、マスタシリンダ11の先端部から定圧室5内に突出し出力ピストン8の前端面近傍まで延在している。出力ピストン8とマスタピストン13との間には出力ロッド14が介在され、出力ピストン8は定圧室5と変圧室6との室内の圧力差に基づくダイヤフラム4の出力を反力部材17を介して出力ロッド14に伝達し、出力ロッド14がマスタピストン13を前方に押動する。フロントシェル2と出力ピストン8の前端面との間にはリターンスプリング16が介在され出力ピストン8を後方に付勢している。
【0018】
図2に示すように、出力ピストン8には前端面から後端面に向けて反力室孔8c、反力室孔8cより小径の係止部材収納孔8d、プランジャ収納孔8e、プランジャ収納孔8eより大径の弁体収納孔8fが軸線上に順次穿設されている。反力室孔8cと係止部材収納孔8dとの段部8gには、鍔付き筒体18が鍔底面を段部8gと同一面にして固定されるとともに、環状凹溝8nが筒体18の鍔を囲んで軸線方向に形成されている。環状凹溝8nには出力ロッド14の後端に形成された環状突起14aが軸線方向に相対移動可能に嵌合され、筒体18の鍔底面と段部8gを底面とする反力室15が形成され、反力室15内に弾性材料で形成された円盤状の反力部材17が収納されている。21はプランジャ収納孔8eに前後方向に移動可能に収納され後端面に大気弁座21aが形成されたプランジャで、先端軸部21bは筒体18の後壁に摺動可能に嵌合して反力穴18a内に延在し、先端面が反力穴18aに摺動自在に嵌合された当接部材19の後端面に当接している。
【0019】
22はH字状のキー部材で、両側の直線部の内側がプランジャ21の軸部21bに形成された環状溝21c内に侵入し、両端部は係止部材収納孔8dの側壁に半径方向に穿設された矩形穴8iに両直線部の外側面で摺接して外部に延在している。これにより、出力ピストン8とプランジャ21とは、矩形穴8iおよび環状溝21cの幅を加算した距離からキー部材の厚さを2倍した距離を減じた距離だけ軸線方向に相対移動することができる。プランジャ21の後端には入力ロッド23が回動可能に連結され、入力ロッド23はフィルタ24を貫通して摺動円筒部8bより後方に延在し、ブレーキペダル25に連結されている。入力ロッド23とリアシェル3の突出部3aとの間には蛇腹26が固定され、出力ピストン8の摺動円筒部8bの外周を覆っている。
【0020】
変圧室6を定圧室5または大気に切換えて連通する弁機構30は、出力ピストン8の弁体収納孔8fの断面部とプランジャ収納孔8eの後方延長部が湾曲長円状の平面8jを形成し、2個の湾曲長円状の平面8jに第1負圧弁座8kが2個軸線に対して対称に突設されている。第1負圧弁座8kは平面8jに凸条が軸線を中心とする円弧に沿って彎曲した長円の周囲に突設して形成され、第1負圧弁座8kに取囲まれた通路8mは出力ピストン8の側壁を貫通して定圧室5に開口している。プランジャ21の後端部に形成された拡張部21dの後面に弁体収納孔8f内周に形成される空気導入路を取囲むように大気弁座21aが形成されている。弁体収納孔8fには円盤状の弁体31が前後方向に移動可能に遊嵌されている。弁体31の前端面には第1負圧弁座8kに接離して変圧室6と定圧室5とを連通、遮断する平面の第1負圧弁31aが形成されている。弁体31の前端面の第1負圧弁31aより小径側には大気弁31bが環状に突設され、大気弁31bが大気弁座21aに接離して変圧室6と大気とを連通、遮断する。
【0021】
弁体31の後端は弁体31の軸線方向の移動を許容するベローズ34により環状の保持体35に連結されている。保持体35は弁体収納孔8fの内周に嵌合され、入力ロッド23の中央部に突設されたバネ受けとの間に介在された圧縮スプリング36のバネ力により弁体収納孔8fの肩部に押圧されている。保持体35の前端面と弁体31の後端面との間には圧縮スプリング37が介在され弁体31を前方に付勢している。プランジャ収納孔8eは、矩形穴8iを介して変圧室6に連通されている。
【0022】
40はプランジャ21を取囲む弁座部材で、後方の円筒部40aは出力ピストン8のプランジャ収納孔8e内周面にシール41よって気密的にシールされて軸線方向に摺動可能に嵌合されている。弁座部材40の円筒部40a後端には大気弁座21aを包囲する第2負圧弁座40bが設けられ、第2負圧弁座40bは通常状態においては、第1負圧弁座8kより僅かに前方に位置していて、通常状態において弁体31に接することはない。弁座部材40の円筒部後端は、第1負圧弁座8kと円周方向にずらした位置、例えば2個の第1負圧弁座8kの間で部分的に大径側に拡大され、拡大した部分の第2負圧弁座40bが主な大気導入部40cとなっている。第2負圧弁座40bが第1負圧弁座8kより弁体31側に位置するように弁座部材40を後方に付勢するバネ部材43が弁座部材40の円筒部40a外周面に突設された環状突起40hとプランジャ収納孔8e内周面に突設された環状突起8hとの間に介在されている。
【0023】
弁座部材40の先端部にはプランジャ21の先端軸部21bの大径部に摺動可能に嵌合する環状の係合部40dが設けられ、係合部40dと円筒部40aとの間は2本の連結部40eで連結されている。2本の連結部40eは先端軸部21bの両側でH字状のキー部材22の両直線部に挟まれ、キー部材22の横棒部が一方の連結部40eの外周に当接し両直線部の内側面に形成された係止部が他方の連結部40eの外周に係合して抜け止めされている。これにより、弁座部材40はキー部材22によって回り止めされ、一対の大気導入部40cがキー部材22と同位相に保持され、2個の第1負圧弁座8kの間に位置される。2本の連結部40eは、環状突起8hに設けられた切欠き部、および環状突起8hに嵌合するプランジャ21の嵌合部に軸線方向に設けられた連通溝を通ってプランジャ収納孔8eから係止部材収納孔8dに延在している。
【0024】
第2負圧弁座40bが第1負圧弁座8kより弁体31から前方に離れるように弁座部材40をバネ部材43のバネ力に抗して通常位置に係止する係止手段44は、係止部材45の後端部に半径方向内側に突設された爪部45aが係合部40dの外周面に突設された環状の係合突起40fに係合して弁座部材40を通常位置に係止している。係止部材45は、中空円錐台を中心軸を通る平面で半割りにした形状をしており、この半割り中空円錐台形状の係止部材45が2個、筒体18の外周面を包囲して係止部材収納孔8d内に収納され、係止部材45の基部内周面に刻設された凹部45bが筒体18外周面に突設された凸部18bに係合されている。係止部材45の基部外周と係止部材収納孔8d内周面との間にはスペーサ46が介在され、係止部材45が回動するときに外側に移動して凹部45bが凸部18bから浮き上がることを防止している。2個の係止部材45の外周面に刻設された環状溝には環状のガータースプリング47が嵌められ、爪部45aが環状の係合突起40fに係合する内側方向に係止部材45を付勢している。
【0025】
係止手段44は、プランジャ21が出力ピストン8に対して所定量以上相対前進すると、弁座部材40を解放する解放手段48を備えている。解放手段48としてプランジャ21の先端軸部21bの大径部の先端にはテーパ面21eが形成され、係止部材45の中央部内周面にはカム面45cが形成された突起が周方向に形成され、プランジャ21が出力ピストン8に対して所定量以上相対前進するとテーパ面21eがカム面45cに係合して係止部材45を回動して爪部45aを環状の係合突起40fから開離する。
【0026】
係止手段44は、プランジャ21が出力ピストン8に対して所定量以上相対前進していない状態で弁座部材40が出力ピストン8に対して相対的に前進されると、爪部45aを環状の係合突起40fに係合して弁座部材40を通常位置に係止する復帰手段49を備えている。弁座部材40の係合部40dの後端がキー部材22に当接した状態で、キー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接した後に、出力ピストン8がリターンスプリング16のバネ力によって後退されると、弁座部材40が出力ピストン8に対して相対的に前進され、環状の係合突起40fの先端面に形成されたテーパ面40gが爪部45a端面に形成された傾斜面45cに係合して爪部45aをガータースプリング47のバネ力に抗して押し広げて通過し、環状の係合突起40fが爪部45aと係合して弁座部材40を通常位置に係止する。
【0027】
次に、上記実施形態に係るブレーキ倍力装置の作動について説明する。ブレーキペダル25が踏まれて、入力ロッド23によりプランジャ21が圧縮スプリング36のバネ力に抗して前進されると、弁体31が圧縮スプリング37のバネ力により前進され、第1負圧弁31aが第1負圧弁座8kに当接して変圧室6と定圧室5との連通を遮断する。プランジャ21が更に前進されると、大気弁座21aと大気弁31bとが開離され、エアフィルタ24により濾過された大気が変圧室6に流入する。変圧室6と低圧室5の圧力差によりダイヤフラム4、プレート7及び出力ピストン8が前方に移動され、出力ロッド14が反力部材17を介して出力ピストン8により前進され、マスタピストン13が出力ロッド14により押動され、ブレーキペダル25の踏力に応じたブレーキ油圧がマスタシリンダ11に発生される。
【0028】
出力ピストン8はダイヤフラム4に作用する両室5,6内の圧力差に応じた作動力で反力部材17を弾性変形して出力ロッド14を介してマスタピストン13を押動する。反力部材17の弾性変形により、反力部材17が反力穴8dに流入してプランジャ21の先端軸部21bの先端部を後方へ押圧するため、プランジャ21が後退させられて大気弁座21aが大気弁31bに着座して大気と変圧室6との連通を遮断し、所望のブレーキ油圧を保持する。このとき、ブレーキペダル25を踏む力は、入力ロッド23を介してプランジャ21の軸部21bから反力部材17に伝達され、反力部材17が踏力に応じて弾性変形するので、運転者は反力を感じることができる。
【0029】
ブレーキペダル25が開放されると、プランジャ21が圧縮スプリング36のバネ力により出力ピストン8に対して後方に移動され、大気弁座21aが大気弁31bに当接して弁体31が圧縮スプリング37のバネ力に抗して出力ピストン8に対して相対的に後方に移動され、第1負圧弁31aが第1負圧弁座8kから開離される。これにより定圧室5内の負圧が通路8mを通って変圧室6に導入され、変圧室6と定圧室5との室内の圧力差が無くなり、出力ピストン8、プレート7及びダイヤフラム4がリターンスプリング16のバネ力により後方に移動され、マスタピストン13がリターンスプリング16のバネ力により後方に移動されてマスタシリンダ11内の油圧が無くなる。このとき第1負圧弁座8kの周囲長さおよび定圧室5と変圧室6との差圧が弁体31に作用する面積を弁特性に合わせて容易に設定でき、さらに第1負圧弁座8kの周囲長さおよび定圧室5と変圧室6との差圧が弁体31に作用する面積を、大気弁座21aの径、大気弁31bの径またはベローズ34の受圧有効径に対して独立して設定することができるので、高応答、且つ静粛な作動が可能となる。また、弁体31に作用する力を適宜変更して適切な立上がり荷重に設定したり、弁座部材40が弁体31を後方へ押圧する際の反力を低減して速やかな作動が得られるように設定可能である。
【0030】
プランジャ21はキー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接するのと同時に停止し、出力ピストン8はキー部材22に当接して停止する。これによりブレーキの非作動時に第1負圧弁31aが第1負圧弁座8kに極めて接近した状態となり、ブレーキが掛けられたとき弁体31の前方移動により第1負圧弁31aが第1負圧弁座8kに迅速に当接することができる。そして、キー部材22が連結部40eを跨いで矩形孔8iを摺接するので、弁座部材40は出力ピストン8に対して回転方向に位置決めされ、大気導入部40cは2個の第1負圧弁座8k間に保持される。
【0031】
運転者がブレーキペダル25を急速に踏み込んだ緊急ブレーキ時には、ジャンピング特性が高くなり、通常ブレーキ時より大きな推進力が出力部材14に出力される。通常ブレーキ時において入力に対する出力の比率が無限大になるジャンピング特性は、第1負圧弁31aが第1負圧弁座8kに当接し、大気弁31bが大気弁座21aから開離し始めてから当接部材19が反力部材17に当接するまでのプランジャ21の前進距離によって決まる。緊急ブレーキ時には、第2負圧弁座40bが弁体31に形成された第2負圧弁31cに当接して弁体31を後方に移動するので、大気弁31bが大気弁座21aから開離し始めてから当接部材19が反力部材17に当接するまでのプランジャ21の前進距離が通常ブレーキ時より大きくなって、その間に大気弁31bが大気弁座21aから開離される距離が大きくなり、変圧室6が急速かつ強制的に大気に連通され、通常ブレーキ時より大きい推力が出力部材14に出力されてジャンピング特性が高くなる。
【0032】
緊急ブレーキ時にプランジャ21が出力ピストン8に対して所定量以上相対前進すると、解放手段48のテーパ面21eがカム面45cを押圧して爪部45aが環状の係合突起40fから離脱するように係止部材45が回動され、係止手段44が弁座部材40を解放する。弁座部材40はバネ部材43のバネ力によって出力ピストン8に対して所定量後退され、第2負圧弁座40bが第2負圧弁31cに当接して弁体31を後退させ、大気弁31bを大気弁座21aから開離させる。弁座部材40の出力ピストン8に対する後退は、矩形穴8iの後端面に当接したキー部材22に係合部40dの後端が当接することによって規制される。これにより、変圧室6が急速かつ強制的に大気と連通され、通常ブレーキ時より大きい推力が出力部材14に出力され、十分大きい液圧がマスタシリンダから送出される。出力が増大されると反力部材17が孔18a内に流入してプランジャ21を後方に押し戻すため、大気弁座21aが大気弁31bと当接して大気の流入が阻止され、緊急ブレーキ時の出力が決定される。
【0033】
ブレーキペダル25が解放されると、圧縮スプリング36のバネ力によりプランジャ21が出力ピストン8および弁体31に対して相対的に後方に移動され、第2負圧弁31cが第2負圧弁座40bから開離されて変圧室6と定圧室5とが連通されるため出力が低下し、出力ピストン8がリターンスプリング16によって後方に移動される。キー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接した後に、出力ピストン8がリターンスプリング16のバネ力によって後退されると、キー部材22に係合部40dの後端で当接していた弁座部材40が出力ピストン8に対して相対的に前進される。これにより、環状の係合突起40fがその先端に形成されたテーパ面と爪部45aの端面に形成された傾斜面との係合によって係止部材45をガータースプリング47のバネ力に抗して押し広げて爪部45aを通過し、通過後にガータースプリング47のバネ力によって係止部材45が戻されて爪部45aが環状の係合突起40fと係合して弁座部材40を通常位置に係止する。
【0034】
図4に示す第2の実施形態は、弁座部材40を係止、解放する係止手段44の構成、および弁体31を前方に付勢する圧縮スプリングの配置位置が第1の実施形態と相異するが、他の部分は同じであるので、相違点のみについて説明し、同一構成部分は同一部品に同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。第2の実施形態においては、出力ピストン8に反力室孔8cと係止部材収納孔8dとの間に隔壁50が一体に形成され、隔壁50の前端面が反力室14の底面となっている。隔壁50には前端面から反力穴50aが軸線上に設けられ、プランジャ21の先端軸部21bが隔壁50の反力穴50aの底部に摺動可能に嵌合して反力穴50a内に延在し、先端面が反力穴50aに摺動自在に嵌合された当接部材19の後端面に当接している。
【0035】
係止手段44は、装着穴50bが隔壁50に反力穴50aを取囲むように軸線方向に貫通して複数個穿設され、各装着穴50b内に収納された係止部材51の後端部に半径方向内側に突設された爪部51aが弁座部材40の環状の係合突起40fに係合して弁座部材40を通常位置に係止している。各装着穴50bの内側面には凸部50cが外側に向けて突設され、凸部50cに係止部材51基部の内側面に刻設された凹部51bが係合されている。隔壁50の前端面には、装着穴50bの外側面と接するように環状溝50dが刻設され、断面L字状の環状体であるカバー52が円筒部を環状溝50dに嵌入されている。カバー52の端面部は装着穴50bを閉塞して隔壁50の前端面と同一面を形成し、隔壁50の前端面とともに反力室15の底面をなしている。カバー52の円筒部は係止部材51基部の外側面と装着穴50bの外側面との間に介在され、係止部材51が回動するときに凹部51bが外方に移動して凸部50cから浮き上がることを防止している。各装着穴50bの内側面に突設された凸部50cおよび係止部材51の基部に刻設されて凸部50cに係合された凹部51bによって、各装着穴50bの内側面と係止部材51の基部とを係止部材51が回動可能に連結する連結手段54が構成されている。
【0036】
隔壁50の後端面に形成され装着穴50b部分を切り欠かれた円筒壁50eと複数の係止部材51の外周面に刻設された環状溝とには環状のガータースプリング47が嵌められ、爪部51aが環状の係合突起40fに係合する内側方向に係止部材51を付勢している。解放手段48は、第1の実施形態と同様に、プランジャ21が出力ピストン8に対して所定量以上相対前進するとテーパ面21eが係止部材51に形成されたカム面51cに係合して係止部材51を回動させ、爪部51aを環状の係合突起40fから開離する。復帰手段49も同様に、キー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接した後に、出力ピストン8がリターンスプリング16のバネ力によって後退されると、キー部材22に係合部40dの後端で当接していた弁座部材40が出力ピストン8に対して相対的に前進され、環状の係合突起40fが爪部51aを押し広げて通過して爪部45aと係合する。
【0037】
第1の実施形態では、弁体31は、ベローズ34によって弁体31に連結された保持体35と弁体31との間に介在された圧縮スプリング37によって前方に付勢されているが、第2の実施形態では、弁体31は、弁体31と入力ロッド23の段部との間に介在された圧縮スプリング55によって前方に付勢されている。
【0038】
第3の実施形態は、爪部51aが環状の係合突起40fに係合する方向に係止部材51をリーフスプリング53によって付勢している点のみが第2の実施形態と相違する。図5に示すように、カバー52の端面部の裏面にはリーフスプリング53の環状基部が固定され、各装着穴50b内にリーフスプリング53が軸線方向に延在して各係止部材51の背面に当接し、爪部51aが環状の係合突起40fに係合する方向に係止部材51を付勢している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る負圧倍力装置の第1の実施形態の縦断面図。
【図2】 弁機構部分の拡大断面図。
【図3】 図2のIII−III方向断面図。
【図4】 第2の実施形態の弁機構部分の拡大断面図。
【図5】 第3の実施形態の弁機構部分の拡大断面図。
1…ブースタシェル、2…フロントシェル、3…リアシェル、4…ダイヤフラム(区画部材)、5…定圧室、6…変圧室、8…出力ピストン、8a…基端部、8b…摺動円筒部、8c…反力室孔、8d…係止部材収納孔、8e…プランジャ収納孔(筒状部)、8f…弁体収納孔、8i…矩形穴、8j…段部面、8k…第1負圧弁座、8m…通路、9…シール、11…マスタシリンダ、13…マスタピストン、14…出力ロッド、15・・・反力室、16…リターンスプリング、17…反力部材、18…鍔付き筒体(蓋)、18b,50c…凸部(支承部)、20…反力機構、21…プランジャ、21a…大気弁座、21b…先端軸部、21c…環状溝、21d…拡張部、22…キー部材、23…入力ロッド、25…ブレーキペダル、30…弁機構、31…弁体、31a…負圧弁、31b…大気弁、31c…第2負圧弁、36,37…圧縮スプリング、40…弁座部材、40a…円筒部、40b…第2負圧弁座、40c…大気導入部、40d…係合部、40e…連結部、40f…係合突起、40g…テーパ面、40h…環状突起、41…シール、43…バネ部材(付勢手段)、44…係止手段、45,51…係止部材、45a,51a…爪部、45b,51b…凹部(係止基部)、45c,51c…カム面、46…スペーサ、47…ガータースプリング(バネ部材)、48…解放手段、49…復帰手段、50…隔壁、50a…反力穴、50b…装着穴、52…カバー(蓋)、53…リーフスプリング(板状バネ)、54…連結手段。

Claims (3)

  1. ブースタシェルを区画部材により変圧室と定圧室とに区画し、該区画部材に出力ピストンの基端部を固着し、前記両室内間の圧力差に基づく前記区画部材の出力を前記出力ピストンから出力ロッドに反力部材を介して伝達し、前記反力部材と連係して作用するプランジャをブレーキペダルによって軸動される入力ロッドに連結し、第1負圧弁座および大気弁座を前記出力ピストンおよび前記プランジャに形成し、該第1負圧弁座および大気弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する第1負圧弁および大気弁を弁体に設け、前記弁体の前方に位置して前記出力ピストンに一体的に筒状部を設け、第2負圧弁座を有するとともに付勢手段によって前記出力ピストンに対して後方に付勢される弁座部材を前記筒状部に円筒部で気密的に摺動自在に嵌合し、該第2負圧弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する第2負圧弁を前記弁体に設け、前記プランジャの前記出力ピストンに対する相対前進量が所定値より小さい場合には前記付勢手段による前記弁座部材への後方への付勢力に抗して前記出力ピストンに前記弁座部材を係止するとともに、前記プランジャの前記出力ピストンに対する相対前進量が所定値以上の場合には前記出力ピストンへの前記弁座部材の係止を開放する係止手段を備えた、緊急ブレーキ時に出力を増大可能な負圧式倍力装置において、
    前記筒状部の外周に前記定圧室と前記変圧室とを連通する通路を設け、該通路の前記弁体に対向する後端部に湾曲長円状に前記第1負圧弁座を突設し、
    前記弁座部材の円筒部の後端に設けられて前記大気弁座を包囲する第2負圧弁座は、前記第1負圧弁座から円周方向に所定角度ずらした位置で部分的に前記円筒部より大径側に拡大され、該拡大された部分が大気導入部となり、
    前記第1負圧弁座、前記第2負圧弁座および前記大気弁座に夫々接離する前記第1負圧弁、前記第2負圧弁および前記大気を前記弁体に略同一面内に形成したことを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 請求項において、前記係止手段は、係止基部を介して前記出力ピストンに係合するとともに爪部を介して前記弁座部材に係合する係止部材と、前記出力ピストンの基端部に形成されて該係止部材を収納する係止部材収納孔と、該係止部材収納孔内に前記出力ピストンと一体的に形成され前記係止基部が係合する支承部と、前記係止部材が前記弁座部材と係合する方向に付勢するバネ部材と、前記反力部材と前記係止部材収納孔との間に設けられて前記反力部材と前記係止部材収納孔とを隔離する蓋部材と、を備えていることを特徴とする負圧倍力装置。
  3. 請求項において、前記バネ部材は、前記出力ピストンの基端部側から後方に延在する板バネであって、前記支承部より後方において、前記弁座部材との係合方向に前記係止部材を付勢することを特徴とする負圧倍力装置。
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