JP3954753B2 - Tabテープの製造方法およびそのためのtabテープのソルダーレジストの塗布装置 - Google Patents

Tabテープの製造方法およびそのためのtabテープのソルダーレジストの塗布装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品実装用フィルムキャリアテープ(TAB(Tape Automated Bonding)テープ)(以下、単に「TABテープ」と言う。)の製造方法に関し、特に、絶縁フィルム上に所望の形状に形成された配線パターンのうち、デバイスのパンプなどと接合するリード部分を残して塗布されるソルダーレジストを乾燥、反応硬化させてソルダーレジスト被覆層を形成する方法およびそのための塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス産業の発達に伴い、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)などの電子部品を実装するプリント配線板の需要が急激に増加しているが、電子機器の小型化、軽量化、高機能化が要望され、これら電子部品の実装方法として、最近ではTABテープを用いた実装方式が採用されており、特に、パーソナルコンピュータなどのように高精細化、薄型化、液晶画面の額縁面積の狭小化が要望されている液晶表示素子(LCD)を使用する電子産業においてその重要性が高まっている。
【0003】
従来より、このようなTABテープを製造する方法としては、下記のような行程を経て製造されている。
すなわち、先ず、ポリイミドフィルムのような基材となる絶縁フィルムをプレス機でパターン打ち抜きを行った後、この絶縁フィルムに接着剤を介して銅箔を熱圧着により貼着する。そして、この銅箔の上面にフォトレジストを全面に塗布して、このフォトレジストをフォトレジストマスクを使用して所望のパターン形状に紫外線により露光し、この露光されたフォトレジスト部分を現像液によって溶解除去する。このフォトレジストで覆われていない銅箔部分を、酸で化学的に溶解(エッチング)して除去するとともに、フォトレジストをアルカリ液にて溶解除去することによって絶縁フィルム上に残った銅箔により所望の配線パターンを形成する。
【0004】
そして、実装時のゴミやウィスカー、マイグレーションによる短絡を防止し、配線間の保護並びに絶縁のために、配線パターンのうち、ICなどのデバイス(電子部品)に接続されるインナーリードおよび液晶表示素子などに接続されるアウターリードなどのリード部分を除いて、絶縁樹脂であるソルダーレジストを、スクリーン印刷法によりスキージを用いて塗布パターンの形成されたスクリーンを介して塗布した後、乾燥、硬化させてソルダーレジスト被覆層を形成している。
【0005】
その後、露出したリード部分の酸化、変色を防止するとともに、リード部分に接続されるデバイスのバンプなどの接続部分との接着強度を確保するために、リード部分を、例えば、スズメッキ、金メッキ、スズ−鉛の共晶合金メッキなどを施すことにより製造されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなTABテープの製造においてソルダーレジストは、絶縁性の樹脂を塗工可能なように有機溶媒に溶解若しくは分散させた塗工液として用いられており、配線パターンが形成された表面にスクリーン印刷技術を利用して塗布されている。
【0007】
このようにソルダーレジストを塗布することにより、形成された配線パターンを保護するとともに隣接する配線パターン同士を確実に絶縁し、さらに、次の工程であるメッキ工程におけるマスキング剤ともなる。
このソルダーレジスト層は、エポキシ系樹脂あるいはポリイミド系樹脂が溶媒に溶解若しくは分散した液を、通常は10μm程度の厚さに塗布し、120〜160℃程度の温度に加熱することにより、これらの樹脂を硬化させることにより形成されている。
【0008】
このようにソルダーレジスト被覆層を形成する方法としては、通常、図4に示したように、送り出しリール102から長尺上のTABテープ本体104を送り出した後、スクリーン印刷機106によって、スクリーン印刷法を用いてソルダーレジスト塗布液が塗布される。その後、スペーサ繰出しリール108からエンボス加工された長尺上のスペーサ部材110がソルダーレジスト塗布面に介装され、巻き取りリール112によって巻き取られ、その後、熱硬化炉において熱風乾燥などにより、80〜140℃で約1時間かけて乾燥、凝固反応を行うようになっている。
【0009】
しかしながら、この際、スペーサ部材のエンボスによって、TABテープ本体104とスペーサ部材110との間に形成される空隙は、約1〜2mmの狭い空間であるため、乾燥初期に蒸発したソルダーレジストの溶剤が、この狭い空間に滞留して飽和しやすく、極端に乾燥しにくい状態となる。そのため、ソルダーレジストの溶剤が揮発しない状態で温度が上昇した際に、一時的にソルダーレジストの粘度が低下することになる。
【0010】
そして、粘度の低下したソルダーレジスト202は、図5に示したように、レジスト端部203の形状が崩れてリード部分204に沿って流れ出してしまったり(206)、図6に示したように、リード204の間を毛細管現象によりソルダーレジストが伝わっていくことになる(208)。ところで、リード間隔は、25〜50μmが一般的であるが、ファインピッチ化が進むなか、25μm、場合によっては、それ以下へ進みつつあり、このような現象は、リード間隔が狭くなるにしたがって顕著になる傾向がある。
【0011】
このようなソルダーレジスト端部の流れだしによって、ソルダーレジストの塗布パターン(位置)の精度が悪くなり、リード部分が絶縁されることになり、デバイスの接続が良好でなくなることになる。また、リード204上に薄く広がったソルダーレジスト部分206が、図7に示したように、次行程の無電解スズメッキなどのメッキ行程で、メッキ液の浸食を受けて、ソルダーレジストが剥がれることになり(210)、場合によっては、メッキ液に配線パターンが浸食されて破断することにもなる。さらに、ソルダーレジストが剥がれるまでに至らない場合であっても、図8に示したように、リード204とソルダーレジスト202との間に僅かに空隙が生じて、この空隙に滞留する無電解スズメッキ液によって、SnとCuとの置換反応が生じて、銅箔リードがえぐり取られることになり(212)、機械的強度が低下して接触不良などを起こす原因ともなっていた。
【0012】
このような現象を抑えるためには、熱硬化炉を用いて、▲1▼ソルダーレジストの硬化反応を起こさせるまで、急激に温度を高温まで上昇させるか、または、▲2▼ソルダーレジストの粘度が低下しないように低温(25〜50℃ぐらい)で反応硬化をおこなう方法がある。しかしながら、▲1▼の方法では、ソルダーレジスト中に閉じこめられた気泡が破裂し、ボイドの発生やリードが露出してしまうため好ましくなく、また▲2▼の方法では、乾燥に時間がかかり生産性が良好ではなく、しかも、ソルダーレジスト中の溶剤分などの一部が分離することがあり問題がある。
【0013】
従って、本発明の目的とするところは、ボイドの発生を抑制できるとともに、短時間で乾燥することができ、ソルダーレジスト端部の流れだし、およびリード線間の流れ出しが生じることがなく、しかも、ソルダーレジスト層の剥離が生じることなく、ソルダーレジスト被覆層を形成することができるTABテープの製造方法、すなわち、ソルダーレジスト被覆層を形成する方法、ならびにソルダーレジストの塗布装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明なされたものであって、
本発明のTABテープの製造方法は、
絶縁フィルム表面に接着した銅箔をエッチング処理することによって所望の配線パターンが形成された絶縁フィルムに、その配線パターンのうちデバイスなどに接続されるリード部分を除く部分に、ソルダーレジスト塗布液を塗布する塗布工程と、
次いで、吸気装置で外部の乾燥した新鮮な空気を導入しつつ、前記絶縁フィルムに波長領域4μm〜1000μmの遠赤外線を照射し、排気装置で前記ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を含んだ空気の排気を行いながら、前記ソルダーレジスト塗布液を予備乾燥して、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去し、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤除去率を20〜80%とする予備乾燥工程と、
次いで、前記予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取る巻き取り工程と、
次いで、ソルダーレジスト塗布液を、乾燥、硬化させてソルダーレジスト被覆層を形成する乾燥硬化工程と、
を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のTABテープのソルダーレジストの塗布装置は、
絶縁フィルム表面に接着した銅箔をエッチング処理することによって所望の配線パターンが形成された絶縁フィルムに、その配線パターンのうちデバイスなどに接続されるリード部分を除く部分に、ソルダーレジスト塗布液を塗布する塗布装置と、
吸気装置で外部の乾燥した新鮮な空気を導入しつつ、前記絶縁フィルムに波長領域4μm〜1000μmの遠赤外線を照射し、排気装置で前記ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を含んだ空気の排気を行いながら、前記ソルダーレジスト塗布液を予備乾燥して、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去し、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤除去率を20〜80%とする予備乾燥装置と、
前記予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取る巻き取り装置と、
前記巻き取り装置で巻き取ったフィルムのソルダーレジスト塗布液を、乾燥、硬化させる乾燥硬化装置と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
このように、ソルダーレジスト塗布液をスクリーン印刷などでフィルム上に塗布し、いわば開放系である予備乾燥装置で予備乾燥して、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去した後、予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取り装置にて巻き取り、巻き取ったフィルムのソルダーレジスト塗布液を乾燥硬化装置で乾燥、硬化させるようになっている。
【0017】
従って、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤が、この予備乾燥にて揮発しているため、スペーサ部材のエンボスによって形成される空隙にて飽和状態とならず、乾燥しやすい状態となっているので、次行程である乾燥硬化工程において、温度が上昇した際に残りの溶剤が揮発し、従来のように一時的にソルダーレジストの粘度が低下することがない。これにより、従来のようにソルダーレジスト端部の流れだし、およびリード線間の流れ出しが生じることがなく、しかも、ソルダーレジスト層の剥離が生じることなく、ソルダーレジスト被覆層を形成することができる。
【0018】
また、ソルダーレジスト塗布液をスクリーン印刷などでフィルム上に塗布し、予備乾燥装置で予備乾燥して、予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取るので、インラインで予備乾燥ができ、短時間で予備乾燥できるとともに、その後のソルダーレジスト塗布液の乾燥、硬化時間が短くてすみ、全体として工程時間の短縮化が可能で、効率が極めて良い。
【0019】
さらに、スペーサ部材を介装して巻き取る前に、ソルダーレジスト塗布液を予備乾燥して溶剤を揮発除去しているので、ソルダーレジスト塗布部分の嵩が小さくなっており、スペーサ部材のエンボス部分に付着してソルダーレジストの未塗布部分が発生することがなく、製品の品質を一定に維持することが可能となる。
この場合、予備乾燥におけるソルダーレジスト塗布液中の溶剤除去率が、20〜80%、好ましくは、70〜80%であるのが、スペーサ部材のエンボスによって形成される空隙にて飽和状態とならず、乾燥しやすい状態となり、次行程である乾燥硬化工程において、温度が上昇した際に残りの溶剤が揮発するためには、望ましい。
【0020】
さらに、予備乾燥を遠赤外線を用いて行うことによって、全体的に加熱することができ、ソルダーレジスト塗布液中に含有される溶剤を均一に加熱して揮発することができるので、短時間で予備乾燥でき、しかもボイドあるいはピンホールの発生を予防することができる。
また、本発明では、予備乾燥が、多段階に温度設定した予備乾燥であるのが好ましい。このように多段階に温度設定することによって、徐々に昇温してソルダーレジスト層中に含有される溶剤を除去するとともに、樹脂を硬化させることによってボイドあるいはピンホールの発生を予防することができる。
【0021】
また、このように遠赤外線による乾燥方法では、遠赤外線の波長領域(波長4μm〜1,000μm)において、銅箔が遠赤外線をほとんど約97%以上反射するため(「American Institute of Physics Handbook」、6-120参照)、銅箔表面における遠赤外線の吸収率が低いので銅箔表面の温度が上昇せず、ソルダーレジスト塗布液のみを加熱することができるので、低温で予備乾燥でき、ソルダーレジスト端部の流れだし、およびリード線間の流れ出しが生じることがない。
また、本発明では、予備乾燥装置は、開放された状態で使用されるように構成されることが好ましい。
さらに、本発明では、予備乾燥装置は、絶縁フィルムの上面および下面に対向して配置された一対の遠赤外線照射ユニットで、遠赤外線の照射を行うように構成されていることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(実施例)について説明する。
図1は、本発明のTABテープの製造方法により製造されるTABテープの上面図、図2は、図1のX−X線についての断面図である。
図1および図2に示すように、本発明のTABテープの製造方法により製造されるTABテープ1には、基材となる絶縁フィルム10と、この絶縁フィルム10の表面に、例えば、接着剤層12を介して貼着された電解銅箔からなる配線パターン30がこの順序で積層されている。
【0023】
この電解銅箔からなる配線パターン30を形成するには、先ず銅箔の上面全面にフォトレジストを塗布した後、このフォトレジストをフォトマスクを使用して所望のパターン形状に紫外線により露光する。そして、露光されたフォトレジスト部分を現像液によって溶解除去し、フォトレジストで覆われていない銅箔部分を、酸などで化学的に溶解(エッチング)して除去するとともに、フォトレジストをアルカリ液にて溶解除去することによって絶縁フィルム上に残った銅箔により所望の配線パターン30が形成される。
【0024】
そして、この配線パターン30のインナーリード51またはアウターリード52の部分を除いて、その表面を保護するようにソルダーレジスト20が塗布されている。
本発明のTABテープを構成する絶縁フィルム10は、可撓性樹脂フィルムからなる。また、この絶縁フィルム10は、エッチングする際に酸などと接触するため、このような薬品に侵されないように耐薬品性を有するとともに、ICなどのデバイスをボンディングする際の加熱によっても変質しないように耐熱性を有している。
【0025】
このような可撓性樹脂フィルムしては、ガラスエポキシ、BTレジン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリイミドなどのフィルムを用いることができる。特に、本発明では、ポリイミドからなるフィルムを用いることが好ましい。
絶縁フィルム10を構成するポリイミドフィルムとしては、例えば、ピロメリット酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成される全芳香族ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成されるビフェニル骨格を有する全芳香族ポリイミドが使用可能である。特に、本発明では、ビフェニル骨格を有する全芳香族ポリイミド(例えば、「ユーピレックス(商品名)」、宇部興産(株)製)を用いるのが好ましい。
【0026】
このような絶縁フィルム10の厚さとしては、通常は25〜125μm、好ましくは50〜75μmの範囲内にあるのが望ましい。
このような絶縁フィルム10には、デバイスホール41、スプロケットホール42、アウターリードの切断穴、さらに屈曲部に有する場合には、屈曲位置にフレックススリット等が予めパンチングにより形成されている。
【0027】
一方、配線パターン30は、このような所定の穴41、42・・・が形成された絶縁フィルム10の少なくとも一方の面に、絶縁性の接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、この接着剤層12を介して熱圧着などにより銅箔を接着し、この銅箔を所望のパターンにエッチングすることにより形成される。
この場合、銅箔としては、電解銅箔および圧延銅箔のいずれをも使用することができるが、本発明では、昨今のファインピッチ化に対応可能な電解銅箔を使用することが好ましい。
【0028】
ここで使用される接着剤には、耐熱性、耐薬品性、接着力、可撓性等の特性が必要になる。このような特性を有する接着剤の例としては、エポキシ系接着剤およびフェノール系接着剤が使用可能である。このような接着剤は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などで変性されていてもよく、またエポキシ樹脂自体がゴム変性されていてもよい。このような接着剤は、通常は加熱硬化性である。このような接着剤層の厚さは、通常は8〜23μm、好ましくは10〜21μmの範囲内にあるのが望ましい。なお、絶縁フィルム10に銅箔を貼着する際には、接着剤を用いることなく貼着することもできる。
【0029】
このような接着剤からなる接着剤層12は、絶縁フィルム10の表面に塗布して設けても良いし、また電解銅箔の表面に塗布して設けても良い。ここで使用される電解銅箔としては、TABテープに製造に通常使用されている厚さの銅箔を使用することができるが、ファインピッチのTABテープを製造するためには、銅箔として通常は6〜75μmの範囲内、好ましくは9〜75μm、さらに好ましくは9〜50μmの範囲内にある銅箔を使用する。このような薄い電解銅箔を使用することにより、狭ピッチ幅のインナーリードを容易に形成することが可能になる。
【0030】
このように絶縁フィルム10の表面に銅箔を貼着した後、この銅箔の表面にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを使用しこのフォトレジストに紫外線を照射することによって所望の配線パターンを焼き付けてフォトレジストを硬化させ、硬化していない部分のフォトレジストを、現像液によって溶解除去する。なお、この場合、逆に、露光することにより、特定媒体に溶解可能となるフォトレジストを使用することもできる。
【0031】
このようにして硬化したフォトレジストによって所望の配線パターンが形成された銅箔を酸などで化学的にエッチングすることにより、フォトレジストの存在しない部分の銅箔を溶解除去して、絶縁フィルムの表面に銅箔からなる配線パターン30を形成する。
このようにエッチングにより配線パターン30を形成した後、硬化したフォトレジストを、例えば、アルカリ溶液などで除去する。
【0032】
このように所定の配線パターンを形成した後、インナーリード51及びアウターリード52の先端部を除いてソルダーレジスト塗布液を塗布する。
すなわち、実装時のゴミやウィスカー、マイグレーションによる短絡を防止し、配線間の保護並びに絶縁のために、配線パターンのうち、ICなどのデバイス(電子部品)に接続されるインナーリード51および液晶表示素子などに接続されるアウターリード52などのリード部分を除いて、絶縁樹脂であるソルダーレジストを、スクリーン印刷法によりスキージエッジを用いて塗布パターンの形成されたスクリーンマスクを介して塗布した後、乾燥、硬化させてソルダーレジスト被覆層20を形成している。
【0033】
その後、露出したリード部分の酸化、変色を防止するとともに、リード部分に接続されるデバイスのバンプなどの接続部分との接着強度を確保するために、リード部分を、例えば、スズメッキ、金メッキ、スズ−鉛の共晶合金メッキなどを施すことにより製造される。
なお、ソルダーレジスト塗布液には、硬化性樹脂が有機溶媒に溶解若しくは分散しており、このソルダーレジスト塗布液には、シリコーン系消泡剤は含有してもよいが、シリコーン系消泡剤を含有されていないのが、ソルダーレジストが加熱硬化する際にシリコーン系消泡剤が表面にブリードによるデバイスのボンディング不良を生じないために好ましい。
【0034】
この場合、ソルダーレジスト塗布液中に含有される硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂、エポキシ系樹脂のエラストマー変性物、ウレタン樹脂、ウレタン樹脂のエラストマー変性物、ポリイミド樹脂およびポリイミド樹脂のエラストマー変性物よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂成分を含有するものであることが好ましい。特にエラストマー変性物を使用することが好ましい。このエラストマー変性には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂あるいはポリイミド樹脂にエラストマー成分を混合して変性する方法と、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂あるいはポリイミド樹脂を形成するモノマーと、エラストマーを形成するモノマーとを共重合させる方法があるが、本発明ではいずれのエラストマー変性物を使用することができるが、特にエラストマーを形成するモノマーを共重合させて、主成分である樹脂に弾性を付与する方法によって形成されたエラストマー変性物を使用することが特に好ましい。
【0035】
また、本発明において、ソルダーレジスト塗布液中には、上記のような樹脂成分の他に、硬化促進剤、充填剤、添加剤、チキソ剤、溶剤等、通常ソルダーレジスト塗布液に添加される物質を添加することができる。さらに、ソルダーレジスト層の可撓性等の特性を向上させるために、ゴム微粒子のような弾性を有する微粒子などを配合することも可能である。
【0036】
このようなソルダーレジスト塗布液を用いて、ソルダーレジスト被覆層20を形成する方法としては、図3に示したような塗布装置を用いて塗布する。
すなわち、送り出しリール102から長尺上のTABテープ本体104を送り出した後、スクリーン印刷機106によって、スクリーン印刷法を用いてソルダーレジスト塗布液が塗布される。
【0037】
その後、予備乾燥装置120を通過することによって、TABテープ本体104上に塗布されたソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去する。
そして、予備乾燥装置120によって予備乾燥されたTABテープ本体104は、スペーサ繰出しリール108からエンボス加工された長尺上のスペーサ部材110がソルダーレジスト塗布面に介装され、巻き取りリール112によって巻き取られる。
【0038】
その後、巻き取りリール112によって巻き取られたTABテープ本体104は、熱硬化炉などの乾燥硬化装置114にて乾燥、凝固処理が行われるようになっている。
このように、ソルダーレジスト塗布液をスクリーン印刷などでTABテープ本体104上に塗布し、いわば開放系である予備乾燥装置120で予備乾燥して、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去した後、予備乾燥したTABテープ本体104をスペーサ部材110を介装して巻き取り装置にて巻き取り、巻き取ったTABテープ本体104のソルダーレジスト塗布液を乾燥硬化装置114で乾燥、硬化させるようになっている。
【0039】
従って、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤が、この予備乾燥にて揮発しているため、スペーサ部材110のエンボスによって形成される空隙にて飽和状態とならず、乾燥しやすい状態となっているので、次行程である乾燥硬化工程において、温度が上昇した際に残りの溶剤が揮発し、従来のように一時的にソルダーレジストの粘度が低下することがない。これにより、従来にようにソルダーレジスト端部の流れだし、およびリード線間の流れ出しが生じることがなく、しかも、ソルダーレジスト層の剥離が生じることなく、ソルダーレジスト被覆層を形成することができる。
【0040】
また、ソルダーレジスト塗布液をスクリーン印刷などでフィルム上に塗布し、予備乾燥装置120で予備乾燥して、予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取るので、インラインで予備乾燥ができるので、短時間で予備乾燥できるとともに、その後のソルダーレジスト塗布液の乾燥、硬化時間が短くてすみ、全体として工程時間の短縮化が可能で、効率が極め良い。
【0041】
さらに、スペーサ部材110を介装して巻き取る前に、ソルダーレジスト塗布液を予備乾燥して溶剤を揮発除去しているので、ソルダーレジスト塗布部分の嵩が小さくなっており、スペーサ部材のエンボス部分に付着してソルダーレジストの未塗布部分が発生することがなく、製品の品質を一定に維持することが可能となる。
【0042】
この場合、予備乾燥装置120におけるソルダーレジスト塗布液中の溶剤除去率は、20〜80%、好ましくは、70〜80%であるのが、スペーサ部材のエンボスによって形成される空隙にて飽和状態とならず、乾燥しやすい状態となり、次行程である乾燥硬化工程において、温度が上昇した際に残りの溶剤が揮発するためには、望ましい。
【0043】
また、本発明では、予備乾燥装置120が、多段階に温度設定した予備乾燥手段を配置してあるのが好ましい。
このように多段階に温度設定することによって、徐々に昇温してソルダーレジスト層中に含有される溶剤を除去するとともに、樹脂を硬化させるこよによってボイドあるいはピンホールの発生を予防することができる。
【0044】
すなわち、本発明では、ソルダーレジスト塗布液を塗布した後、ヒータ温度300℃以下の範囲内、好ましくは70℃〜200℃の範囲内で段階的に昇温してソルダーレジスト層中に含有される溶剤を除去する。このときの段階的昇温の例としては、第1予備加熱段階における加熱温度を90℃以下に設定して予備加熱対象物をこの第1予備加熱段階で15〜30秒間保持した後、徐々に温度を挙げて90℃よりも高い第2予備加熱段階に移行させる。この第2予備加熱段階では90℃よりも高い温度、好ましくは95〜180℃程度の温度で15〜30秒間予備加熱対象物を保持する。
【0045】
この例では、2段階で予備加熱させる例であるが、同様にして、本実施例のように、3段階以上の多段階、好ましくは5段階の予備加熱であってもよい。なお、このように多段階に温度設定をして予備加熱させる場合、ある予備加熱段階から次の予備加熱段階に加熱する際には、できるだけ穏和な条件で昇温することが好ましく、たとえば、上記の例で示したように、第1予備加熱段階から第2予備加熱段階への昇温速度は、通常は、10℃/1分間〜100℃/1分間、好ましくは15℃/1分間〜20℃/1分間の範囲内にするとよい。
【0046】
この場合、予備加熱装置120としては、通常のシーズヒータなどのヒーターの他、熱風乾燥装置、遠赤外線乾燥装置、赤外線乾燥装置、近赤外線乾燥装置など種々の乾燥装置を用いることができるが、遠赤外線を用いた遠赤外線乾燥装置を用いるのが望ましい。
すなわち、遠赤外線を用いることによって、全体的に加熱することができるので、ソルダーレジスト塗布液中に含有される溶剤を均一に加熱して揮発することができるので、短時間で予備乾燥でき、しかもボイドあるいはピンホールの発生を予防することができる。
【0047】
また、このように遠赤外線による乾燥方法では、遠赤外線の波長領域(波長4μm〜1,000μm)において、銅箔が遠赤外線をほとんど約97%以上反射するため(「American Institute of Physics Handbook」、6-120参照)、銅箔表面における遠赤外線の吸収率が低いので銅箔表面の温度が上昇せず、ソルダーレジスト塗布液のみを加熱することができるので、低温で予備乾燥できるため、ソルダーレジスト端部の流れだし、およびリード線間の流れ出しが生じることがない。
【0048】
なお、このような遠赤外線による乾燥方法では、遠赤外線の波長としては、特に限定されるものではなく、ソルダーレジストへの吸収率などを考慮して適宜設定すればよい。
この予備乾燥装置120の内部には、図3に示したように、TABテープ本体104の上面(ソルダーレジスト塗布面)および下面に対向して、一対の遠赤外線照射ユニット121〜125が配置されている。
【0049】
一方、予備乾燥装置120のTABテープ導入孔126の近傍には、給気装置127が配設されており、図示しないファンを介して、外部の乾燥した新鮮な空気が予備乾燥装置120内に導入されるようになっている。また、予備乾燥装置120のTABテープ銅箔出口128近傍には、排気装置129が配設されており、TABテープ本体104の表面から揮発したソルダーレジスト塗布液中の溶剤を含んだ空気を予備乾燥装置本体120内から排出されるようになっており、これにより、TABテープ本体104の表面の溶剤揮発が促進されるようになっている。
【0050】
遠赤外線照射ユニット121〜125は、それぞれ制御装置150に接続されており、制御装置150によって、それぞれ遠赤外線照射ユニット121〜125へ電源155から供給する電圧または電流を制御することによって、遠赤外線照射ユニット121〜125からTABテープ本体104の表面へ輻射される遠赤外線の輻射量を調整して、乾燥の際のTABテープ本体104の表面のソルダーレジスト塗布液の温度を調整できるように構成されている。
【0051】
なお、この場合、遠赤外線照射ユニット121〜125への電圧または電流の制御方法として、図示しないが、TABテープ本体104の表面近傍に温度センサーを配置して、この温度センサーの検知温度に基づいて、制御装置150により、遠赤外線照射ユニット121〜125への電圧または電流の供給値を制御すれば、自動的に連続的な制御が可能となる。
【0052】
また、遠赤外線照射ユニット121〜125とTABテープ本体104の表面との間の距離としては、エネルギー効率を考慮すれば、20〜150mm、好ましくは30〜100mmに設定するのが望ましい。
また、この場合、制御装置150によって、TABテープ本体104の上面(ソルダーレジスト塗布面)又は下面側に配置した遠赤外線照射ユニット121〜125の何れか一方側又は両方側を選択的に作動させるように制御するように構成してもよい。なお、上記実施例では、TABテープ本体104の上面(ソルダーレジスト塗布面)および下面側の双方にに遠赤外線照射ユニット121〜125を配置したが、TABテープ本体104の上面(ソルダーレジスト塗布面)のみに遠赤外線照射ユニット121〜125を配設することも勿論可能である。
【0053】
このように、予備乾燥したTABテープ本体104は、スペーサ部材110を介装して巻き取り装置にて巻き取られ、巻き取ったTABテープ本体104のソルダーレジスト塗布液を乾燥硬化装置114で乾燥、硬化させるようになっている。
この乾燥硬化装置114としては、通常のヒーターの他、熱風、(遠)赤外線ヒーター等を使用することができる。また、加熱は減圧乃至加圧条件で行うことができるが、特に減圧条件で加熱することにより、ボイドあるいはピンホールの発生を予防することができる。また、加熱条件としては、120〜170℃であるのが好ましい。
【0054】
このようにしてソルダーレジスト層を形成した後、この配線パターンおよびソルダーレジスト層の形成された絶縁フィルムをメッキ槽に移動して、配線パターンの表面にスズメッキ層を形成する。本発明においてこのメッキ層は、種々の金属により形成することができるが、通常はこのメッキ層は、スズメッキ層を用いる。スズメッキ層は、無電解スズメッキあるいは電気スズメッキ等の方法によって形成される。このようにして形成された当初のスズメッキ層は、通常は実質的にスズから形成されているが、このスズメッキ層の特性を損なわない範囲内で他の金属が含有されていても良い。
【0055】
スズメッキ層の厚さは、0.1〜0.5μmの範囲内にあることが好ましい。このような厚さでスズメッキ層を形成することにより、インナーリードとデバイスのバンプをボンディングする際、バンプを形成する金等の金属とスズとが適量の共晶金属を形成するので、インナーリードとバンプとを良好に接合することができる。また、過度の共晶金属が形成されることがなく、ファインピッチのTABテープであってもボンディングの際にインナーリード部で短絡が生ずることが少ない。なお、このスズメッキ層は、ソルダーレジスト層が形成されている部分から露出している配線パターン全面に形成される。
【0056】
このようにしてスズメッキ層を形成した後、加熱することにより、リードを形成する銅の一部がスズメッキ層に拡散し、リード部からのウィスカーの生成を抑制することができる。また、上記のようにしてスズメッキ層を形成した後、形成されたスズメッキ層の表面に薄いスズメッキ層が形成されるようにスズメッキ(フラッシュメッキ)することによっても、ウィスカーの生成を制御することができる。
【0057】
上記の方法では、ソルダーレジスト層を形成した後に、メッキ層を形成するが、メッキ層を形成した後にソルダーレジストを塗布する前にメッキ層を形成しても良い。すなわち、エッチングにより配線パターンを形成した後、この配線パターンが形成された絶縁フィルムをメッキ槽に移して例えばスズメッキ層を形成し、次いで、このようにしてメッキ層が形成された上からソルダーレジストを塗布することができる。
【0058】
このようにして形成されたTABテープには、通常の方法に従ってデバイスをボンディングすることができる。
このようにしてデバイスをボンディングした後、通常の方法に従って、樹脂を塗布してデバイスを封止する。この場合、シリコーン系消泡剤を使用していないソルダーレジストを用いた場合には、このような封止樹脂がベースフィルム上などで封止不良(密着不良)を起こすことがない。
【0059】
【実施例】
【0060】
【実施例1】
厚さ75μmのポリイミドフィルムに、パンチングにより、デバイスホール、スプロケットホールを形成した。次いで、このポリイミドフィルム表面に、エポキシ系接着剤を塗布し、厚さ18μmの銅箔を貼着した。
さらに、この銅箔上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストを露光し、さらにエッチングすることにより銅箔に配線パターンを形成した。
【0061】
次いで、インナーリードおよびアウターリードの先端部がマスキングされたシルクスクリーンを用いてシルクスクリーン印刷法により、シリコーン系消泡剤を含有していないウレタン系ソルダーレジスト塗布液を用いて塗布した。
このようにしてソルダーレジストを塗布した後、図3に示したような遠赤外線予備乾燥装置を用いて、70℃、70℃、90℃、120℃、150℃の5段階の昇温にて予備乾燥することにより、ソルダーレジスト塗布溶液の溶剤の除去率が、60%となるようにして予備乾燥した。
【0062】
予備乾燥したフィルムにエンボス加工されたスペーサ部材(エンボス空隙2.0mm)をソルダーレジスト塗布面に介装して巻き取りリールによって巻き取った。これを、熱風乾燥炉内で140℃の温度にて120分間加熱してソルダーレジストを硬化させた。
このようにしてソルダーレジスト層を形成した後、このフィルムを無電解スズメッキ層に移してソルダーレジストが塗工されていない配線パターン表面に0.2μmの厚さでスズメッキ層を形成した。
【0063】
スズメッキ層を形成した後、このTABテープを120℃の温度に1時間保持した。
このようにして得られたTABテープ100個について、ソルダーレジスト層のピンホールおよびボイドの数を測定したところ、TABテープ1個当たりのピンホールあるいはボイドの平均発生数は、0.01個であり、実質的にボイドあるいはピンホールは発生しなかった。
【0064】
また、ソルダーレジストのリード部に沿う流れ出し、リード間の毛細管現象による流れ出しを顕微鏡によって測定するとともに、ならびにソルダーレジストの剥がれ、破断による接触不良などを金属顕微鏡によって測定したところ、予備乾燥における溶剤除去率が20〜70の範囲では、このような流れだし、接触不良は生じなかった。
【0065】
また、このようにして得られたTABテープにデバイスをボンディングし、このデバイスを含む部分にエポキシ系樹脂を塗布してデバイスを封止したが、封止樹脂はデバイスおよびTABテープに良好に密着して封止不良は見られなかった。
【0066】
【比較例1】
実施例1と同様にエッチングして配線パターンを形成し、シリコーン系消泡剤を含有していないウレタン系ソルダーレジスト塗布液をシルクスクリーン印刷法により用いて塗布した。
このようにしてソルダーレジストを塗布した後エンボス加工されたスペーサ部材(エンボス空隙2.0mm)をソルダーレジスト塗布面に介装して巻き取りリールによって巻き取った。これを、熱風乾燥炉内で140℃の温度にて120分間加熱してソルダーレジストを硬化させた。
【0067】
このようにしてソルダーレジスト層を形成した後、このフィルムを無電解スズメッキ層に移してソルダーレジストが塗工されていない配線パターン表面に0.2μmの厚さでスズメッキ層を形成した。
スズメッキ層を形成した後、このTABテープを120℃の温度に1時間保持した。
【0068】
このようにして得られたTABテープ100個について、ソルダーレジスト層のピンホールおよびボイドの数を測定したところ、TABテープ1個当たりのピンホールあるいはボイドの平均発生数は、0.1個であり、TABテープの歩留まり低下の主要因となった。
【0069】
さらに、得られたTABテープにソルダーレジストのリード部に沿う流れ出し、リード間の毛細管現象による流れ出しを実体顕微鏡によって測定するとともに、ならびにソルダーレジストの剥がれ、破断による接触不良などを電気特性検査装置によって測定したところ、流れだし、接触不良が生じていた。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、ソルダーレジスト塗布液をスクリーン印刷などでフィルム上に塗布し、いわば開放系である予備乾燥装置で予備乾燥して、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去した後、予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取り装置にて巻き取り、巻き取ったフィルムのソルダーレジスト塗布液を乾燥硬化装置で乾燥、硬化させるようになっている。
【0071】
従って、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤が、この予備乾燥にて揮発しているため、スペーサ部材のエンボスによって形成される空隙にて飽和状態とならず、乾燥しやすい状態となっているので、次行程である乾燥硬化工程において、温度が上昇した際に残りの溶剤が揮発し、従来のように一時的にソルダーレジストの粘度が低下することがない。これにより、従来のようにソルダーレジスト端部の流れだし、およびリード線間の流れ出しが生じることがなく、しかも、ソルダーレジスト層の剥離が生じることなく、ソルダーレジスト被覆層を形成することができる。
【0072】
また、ソルダーレジスト塗布液をスクリーン印刷などでフィルム上に塗布し、予備乾燥装置で予備乾燥して、予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取るので、インラインで予備乾燥ができ、短時間で予備乾燥できるとともに、その後のソルダーレジスト塗布液の乾燥、硬化時間が短くてすみ、全体として工程時間の短縮化が可能で、効率が極め良い。
【0073】
さらに、スペーサ部材を介装して巻き取る前に、ソルダーレジスト塗布液を予備乾燥して溶剤を揮発除去しているので、ソルダーレジスト塗布部分の嵩が小さくなっており、スペーサ部材のエンボス部分に付着してソルダーレジストの未塗布部分が発生することがなく、製品の品質を一定に維持することが可能となる。
また、本発明では、予備乾燥におけるソルダーレジスト塗布液中の溶剤除去率が、20〜80%としてあるので、スペーサ部材のエンボスによって形成される空隙にて飽和状態とならず、乾燥しやすい状態となり、次行程である乾燥硬化工程において、温度が上昇した際に残りの溶剤を揮発することが可能となり、ソルダーレジスト端部の流れだし、リード線間の流れ出し、およびソルダーレジスト層の剥離が生じることがない。
【0074】
また、本発明では、予備乾燥が、多段階に温度設定した予備乾燥であるので、徐々に昇温してソルダーレジスト層中に含有される溶剤を除去するとともに、樹脂を硬化させることによってボイドあるいはピンホールの発生を予防することができる。
さらに、本発明では、予備乾燥が、遠赤外線を用いて予備乾燥を行うようにするのが好ましい。このように遠赤外線を用いることによって、全体的に加熱することができ、ソルダーレジスト塗布液中に含有される溶剤を均一に加熱して揮発することができるので、短時間で予備乾燥でき、しかもボイドあるいはピンホールの発生を予防することができる。
【0075】
また、このように遠赤外線による乾燥方法では、銅箔が遠赤外線をほとんど反射するため銅箔表面における遠赤外線の吸収率が低いので銅箔表面の温度が上昇せず、ソルダーレジスト塗布液のみを加熱することができ、低温で予備乾燥できるため、ソルダーレジスト端部の流れだし、およびリード線間の流れ出しが生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のTABテープの製造方法により製造されるTABテープの上面図である。
【図2】図2は、図1のX−X線についての断面図である。
【図3】図3は、本発明のTABテープのソルダーレジスト塗布装置の概略図である。
【図4】図4は、従来のTABテープの製造方法の概略図である。
【図5】図5は、従来のTABテープの製造方法におけるソルダーレジストの流れだしを説明する概略図である。
【図6】図6は、従来のTABテープの製造方法におけるソルダーレジストのリード線間流れだした状態を説明する概略図である。
【図7】図7は、従来のTABテープの製造方法におけるソルダーレジストの剥がれた状態を説明する概略図である。
【図8】図8は、従来のTABテープの製造方法におけるリードのえぐり取られた状態を説明する概略図である。
【符号の説明】
10 絶縁フィルム
12 接着剤層
20 ソルダーレジスト
20 ソルダーレジスト被覆層
30 配線パターン
41 デバイスホール
41 穴
42 スプロケットホール
51 インナーリード
52 アウターリード
120 予備乾燥装置
121〜125 遠赤外線照射ユニット

Claims (8)

  1. 絶縁フィルム表面に接着した銅箔をエッチング処理することによって所望の配線パターンが形成された絶縁フィルムに、その配線パターンのうちデバイスなどに接続されるリード部分を除く部分に、ソルダーレジスト塗布液を塗布する塗布工程と、
    次いで、吸気装置で外部の乾燥した新鮮な空気を導入しつつ、前記絶縁フィルムに波長領域4μm〜1000μmの遠赤外線を照射し、排気装置で前記ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を含んだ空気の排気を行いながら、前記ソルダーレジスト塗布液を予備乾燥して、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去し、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤除去率を20〜80%とする予備乾燥工程と、
    次いで、前記予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取る巻き取り工程と、
    次いで、ソルダーレジスト塗布液を、乾燥、硬化させてソルダーレジスト被覆層を形成する乾燥硬化工程と、
    を有することを特徴とするTABテープの製造方法。
  2. 前記予備乾燥が、多段階に温度設定した予備乾燥であることを特徴とする請求項1に記載のTABテープの製造方法。
  3. 前記予備乾燥工程において、
    予備乾燥が開放された状態で行われることを特徴とする請求項1または2に記載のTABテープの製造方法。
  4. 前記予備乾燥工程において、
    前記予備乾燥が、前記絶縁フィルムの上面および下面に対向して配置された一対の遠赤外線照射ユニットによって行われることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のTABテープの製造方法。
  5. 絶縁フィルム表面に接着した銅箔をエッチング処理することによって所望の配線パターンが形成された絶縁フィルムに、その配線パターンのうちデバイスなどに接続されるリード部分を除く部分に、ソルダーレジスト塗布液を塗布する塗布装置と、
    吸気装置で外部の乾燥した新鮮な空気を導入しつつ、前記絶縁フィルムに波長領域4μm〜1000μmの遠赤外線を照射し、排気装置で前記ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を含んだ空気の排気を行いながら、前記ソルダーレジスト塗布液を予備乾燥して、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤を除去し、ソルダーレジスト塗布液中の溶剤除去率を20〜80%とする予備乾燥装置と、
    前記予備乾燥したフィルムをスペーサ部材を介装して巻き取る巻き取り装置と、
    前記巻き取り装置で巻き取ったフィルムのソルダーレジスト塗布液を、乾燥、硬化させる乾燥硬化装置と、
    を備えることを特徴とするTABテープのソルダーレジストの塗布装置。
  6. 前記予備乾燥装置が、
    多段階に温度設定してあることを特徴とする請求項5に記載のソルダーレジストの塗布装置。
  7. 前記予備乾燥装置は、
    開放された状態で使用されるように構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載のソルダーレジストの塗布装置。
  8. 前記予備乾燥装置は、
    前記絶縁フィルムの上面および下面に対向して配置された一対の遠赤外線照射ユニットで、前記遠赤外線の照射を行うように構成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のソルダーレジストの塗布装置。
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