JP3946261B2 - フェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置 - Google Patents

フェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置 Download PDF

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Description

〔技術分野〕
本発明は、プレス機械のスライド運転に際して作業者の安全を確保し、且つ、スライドの自動運転を可能とするフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置に関する。
〔背景技術〕
プレス機械制御では、制御系に万一危険側の誤りが起こると重大事故につながる虞れがある。このため、プレス機械のスライド運転に関連する制御回路等はフェールセーフな構成が望まれる。尚、以下の説明で、フェールセーフな構成とは、危険な時に誤って安全を示すことがないセンサ又は制御回路のシステム構成を意味し、電気/電子回路では、回路に故障が生じた時、出力信号が生成されない構成を意味する。
従来のプレス機械は、図1に示すように、本体1内の図示しないクランク機構によって上下に往復運動するスライド2がボルスタ3上方に位置し、運転ボタン4が本体1の正面側に設けられる。また、ボルスタ3上の危険領域の安全を確認するための光線式安全装置(以下、光カーテンとする)5が、ボルスタ3と運転ボタン4との間に設けられる。6、7は、それぞれスライド2側とボルスタ3側にセットされる金型(上型と下型)である。
かかるプレス機械における従来の安全一行程の運転制御は、光カーテン5で作業者の安全が確認され、且つ、作業者が運転ボタン4を押している時のみスライド2が下降し、上昇区間では自動的にスライド2が上昇する。運転ボタン4はスライド2の1往復毎に操作する。尚、通常、ブレーキ性能確認のために、スライド1往復毎に、スライド上昇区間の所定位置でブレーキを作動させ、スライドが上死点付近(所定のクランク角度範囲内)で停止できることを確認する(オーバーラン監視機能)。
図2に、図1のプレス機械の光カーテン5と運転ボタン4の位置関係を示す。
通常の作業において、プレス機械の本体1正面の光カーテン5とボルスタ3の両側面(通常、人の侵入を防止するため防護柵で囲われている)で囲われる一点鎖線内の領域Dは危険領域(EN292−1或いはISO/TR12100−1で定義されるDanger zone)である。この危険領域Dは、スライドの速度と手の移動速度から定まる範囲で、作業者の安全を確保するために必要なぎりぎりの範囲である。この範囲は、プレス機械正面でボルスタ3と光カーテン5の距離で示し、万一、スライド下降中に作業者の手がこの距離内にあればスライドを急停止すべきことを意味している。また、光カーテン5と運転ボタン4の距離Lは、危険領域Dの安全(手がないこと)が通報されて後、スライドの起動に際して、更に、安全の再確認として手が危険領域Dから離れるべき距離を示しており、この距離Lを含む危険領域をDNで示す。
プレス機械の安全一行程運転は、スライド下降中、常に作業者の手は危険領域DNの外側、即ち、運転ボタン上(或いは運転ボタンの外)に存在すべきことを意味する。従って、安全一行程運転では、光カーテン5はスライド急停止の条件を与え、運転ボタン4はスライド起動の条件を与えていることになる。
運転ボタンを利用する安全一行程運転の特徴は次の通りである。
1)運転ボタンの利用
運転ボタンはスライドの下降時だけ用いられ、スライドの上昇は自動的に行われる。言い換えれば、スライド下降時は危険を伴う作業行程(危険行程)で、スライド上昇時は危険を伴わない作業行程であるから、運転ボタンは危険行程だけで用いられる。
2)運転ボタンの位置
運転ボタンの位置は、光カーテンの向う側のボルスタ上の危険領域内で作業者の安全が確保され、且つ、作業者の手が光カーテンから所定距離離れていることを示し、この時、初めてスライド下降の運転が許されることを意味している。しかも、運転ボタンが両手操作であるのは、作業者の両手が共にこの距離にあることを示すためである。
3)運転ボタンの存在
運転ボタンは作業者のスライド起動の意志を伝達するためのものであり、この意志伝達を確認するためのプレス機械側のセンサである。
4)運転ボタンの構造
運転ボタンを利用した電流IのON/OFF操作の方法としては、図3(A)に示すように運転ボタンを押した時に接点がONして電流Iを流す方法と、同図(B)に示すように運転ボタンを押した時に接点がOFFして流れていた電流Iを遮断する方法がある。図3(A)の構造では、運転ボタンを押した時、万一接点が接触しないと電流Iは流れない。このため、電流Iを用いてスライドの運転を行う場合、運転ボタンを押してもスライドは下降せず安全側に動作することになる。一方、図3(B)の構造では、電流Iの通電線に断線故障が起こると、運転ボタンを押した時と同じ状態となりスライドが下降する。従って、フェールセーフなプレス機械の運転には図3(A)の構造の運転ボタンが用いられる。
図3(A)の運転ボタンは、作業者の手の力によって運転ボタンが押され、この力で接点が接続されて電流Iが流れる構成である。つまり、作業者の運転ボタンを押すエネルギがスライドを駆動するための電流Iのエネルギに変換される論理構造である。
図4(A)、(B)に、図3(A)、(B)の運転ボタンと同じ論理構造のセンサ例を示す。
図4(A)は、図3(A)に示すプレス機械で用いる運転ボタンと同じ論理構造、即ち、フェールセーフなセンサの例を示す。
図4(A)において、センサ10は、カバー11の略中央に反射光検出型センサを用いた検出部12を備える。人の手13を検出部12上に置くと(運転ボタンを押したことに相当する)、検出部12から常時発射されている光ビームが手13で反射して受信され手13の存在を通報する(この通報は電流Iの生成に対応する)。従って、図4(A)のセンサ10では、作業者の手13が検出部12上に位置した時に受光の信号エネルギが発生し、このエネルギで電流Iを生成するならば反射光の発生は、運転ボタンを押す作業者の手の力に相当する。
図4(B)は、図3(B)の運転ボタンに対応するセンサの例を示す。
図4(B)において、このセンサ10′は、カバー11′の両側面に互いに対向して投光部14と受光部15を備える。人の手13が光ビームBeを遮断すると、受光部15の光検出出力信号が消滅しその出力電流(即ち、図3(B)の電流I)が消滅する。このセンサ10′では、投光又は受光の素子が故障すると電流Iが消滅する。従って、図4(B)のセンサ構造は、センサ回路を、例え故障時に出力信号が発生しないようなフェールセーフな構成にしても、故障時に誤って危険側の出力信号を生じる場合がありフェールセーフなシステムとはならない。
以上述べた安全一行程運転における運転ボタンの機能をまとめると表1の通りとなる。
Figure 0003946261
危険と考えられる領域が安全である時のみ機械の起動を許す仕組みをインタロックと呼ぶ。欧州規格EN1088或いはEN292−1で定義されるインタロックは、図2の危険領域Dが安全であるというだけでは、スライドの起動を許さない。もう一度安全(危険領域DNに手がないこと)を再確認し明らかに安全が確認されて初めてスライドの起動を許可する。この再確認の手段が安全一行程運転における運転ボタンである。この運転ボタンで再確認される安全とは、表1で示される運転ボタンの持つ情報である。
従来のプレス機械の安全一行程運転では、スライド下降中に万一作業者がボルスタ上に手を出した場合、まず、運転ボタンがOFFとなって常用ブレーキの機能が動作し、その後、光カーテンが遮断されて非常ブレーキの機能が動作するので、2つのスライド停止操作が行われることになる(作業者の運転拒否と光カーテンによる非常停止の2重の措置が取られている)。
しかし、運転ボタンを押す頻度が多くなると、腱鞘炎等になる虞れがある。このため、作業者に負担がかからない運転システムが望まれている。
図4(A)のセンサ10を利用しても、運転ボタンを押す動作はなくなるが、スライドの1往復毎にセンサ10の検出部12上に手13を置く動作が必要で作業自体はさほど変わらない。むしろ、凹部に手を置く動作によって作業性が損なわれる虞れがある。
図1の光カーテン5だけに依存したスライド自動運転制御が考えられるが、以下に述べるように安全上の問題点が存在する。
両手操作の運転ボタンが存在しない状態のスライドの起動は、表1で示した運転ボタンの機能が全てないことに等しい。つまり、図1において、作業者が上下の金型6,7間にワークを挿入して危険領域Dから手が離れると、危険領域D内に手がない(光カーテン5が遮断されていない)ということだけで、直ちにスライド2が下降する。
この方法は先に述べた従来の安全一行程運転と比較して以下のような問題点がある。
(1)作業者は危険領域Dから離れているが、すぐ近くにいて、誤って危険領域D内に容易に進入してしまうかも知れない。つまり、作業者の存在すべき範囲が規制されていない。
(2)作業者はスライド下降中に拘束されていない。よって、作業者はどんな振る舞いをするか分からない。
(3)作業者はスライドの起動に対してその意志を伝達できない。作業者とプレス機械の対話手段がないので、作業者の意志に反してスライド下降が起こる可能性がある。
(4)作業者は1人であるとしてスライド停止の手段が単一系になっている。
(5)プレス機械はいつスライドを下降させればよいか、そのタイミングが示されていない。
従って、従来の運転ボタンの機能を何等かの方法で与える必要がある。その方法として、例えば、作業者の手の位置をCCDカメラでモニタする方法が考えられる。しかし、手の動きを誤りなく判断するような複雑な情報処理が必要である。また、高価なものとなってしまう。
そこで、プレス機械の自動運転化のための光線式安全装置が特公平7−92193号公報で従来提案されている。このものは、プレス機械の外側から内側に向けて複数層の光カーテンを設け、危険領域からの人体の侵入・脱出の動作を、複数層の光カーテンの遮断形態により検出するようにしている。しかし、この光線式安全装置は、フェールセーフな構成にはなっていない。
以下にその理由を詳細に説明する。
まず、フェールセーフな光カーテンの構成原理について述べる。
図5(A)〜(C)に、光カーテンの構成例を示す。尚、受光器は否定演算機能がないものとし、光ビームは1本とする。
図5(A)の光カーテンは、危険領域(図2の危険領域D)に人が侵入すると光ビームが遮断されて受光器で光ビームが受光されない。
図5(B)の光カーテンでは、危険領域に人が侵入した時、人からの反射光が受光器で受光される。従って、人の有無と受光器の入出力信号の有無を各々1と0の2値の論理値で表すと、図5(A)の光カーテンの場合は表2のようになり、図5(B)の光カーテンの場合は、表3のようになる。尚、表中の括弧内が論理値である。
Figure 0003946261
Figure 0003946261
人が存在しない時に危険領域の安全を論理値1で示すとすれば、図5(B)の光カーテンの構成では、図中に点線で示すように受光器の出力を否定演算する否定回路Nが必要である。
図5(B)の光カーテンの構成は、フェールセーフな構成とする場合に以下の問題点を有し、フェールセーフなシステム構成にはならない。
(1)投光器(例えば発光素子)に故障が生じた場合、受光器の回路が正常に動作していれば、危険領域に例え人が存在しても受光器から論理値1の出力が生じない。この時、否定回路Nの出力信号は論理値1となって安全(人が存在しない)を示し、危険(論理値0)を示すことができない。
(2)投光器と受光器が正常に動作していても、否定回路Nの入力線に断線故障が起こると、危険領域の状況に関係なく、常に否定回路Nの出力は論理値1となって安全を示してしまう。
つまり、フェールセーフなシステムとするには、図5(B)のように否定回路による2値の否定演算を用いて安全を示す構成にしてはならない。
一方、図5(A)の構造は、表2に示すように、出力が安全(論理値1)を示すための受光器の入出力関係が論理的に単調な(或いはユネイトな)関係で実現されている。即ち、入力と出力の論理関係が等しくなっている。このような論理構造がフェールセーフシステムにおける信号処理の基本原理である。この基本原理は、米国特許5,345,138号明細書で公知である。
現実には、図5(C)のように受光器の出力信号を増幅する場合がある。この場合、増幅器もフェールセーフ(故障時に出力信号が発生しない)特性を有する必要がある。フェールセーフな増幅器は、国際公開WO94/23303号等で公知である。また、光ビームを複数備えて表2の論理関係で出力信号が生成されるフェールセーフな光センサは、国際公開公報WO93/23772及び国際公開公報WO95/10789等で公知である。
次に、上述のフェールセーフなセンサを用いて、プレス機械のスライド駆動用のソレノイドバルブを制御する場合のシステム構成について述べる。
ここで示すフェールセーフな機械運転制御の原理は前述の米国特許5,345,138号明細書で示され、運転許可を与えるセンサ出力信号Seを許可信号としている。尚、フェールセーフなプレス機械の運転制御回路については、米国特許5,285,721号明細書等で提案されている。
図6は、センサの出力信号Seを用いてフェールセーフなプレス機械運転制御を行う場合の構成原理を示している。
図6の(A)のシステムの回路構成では、運転命令Mがあって、センサ(光カーテン)の出力信号Seが発生している時のみ、ソレノイド駆動回路の出力SI(電流)が発生する。同図(B)は図(A)の回路の各信号のタイムチャートを示す。ここで、各信号M,Se,Si,SIが発生する時を論理値1、発生しない時を論理値0で表した場合、各出力信号の論理関係は、表4のようになる。
Figure 0003946261
表4から、ANDゲートの入力信号M,Seが論理値1である時のみ出力信号SIが論理値1となって、入力信号M,Seのいずれかが論理値0である時、必ず出力信号SIは論理値0となり、否定演算の論理を含まない。即ち、図6(A)の構成は、前述の単調な論理的関係で入出力間が結合されている。
プレス機械のソレノイドバルブには、弁が常時閉状態にあって、コイルLに電流が供給されると可動鉄心(プランジャ)が持ち上げられて開弁し圧力が供給され、電流が流れなくなると可動鉄心が重力で落下して閉弁するような構造のもの、即ち、ノーマルクローズのソレノイドバルブが用いられる。図6(A)のシステム構成では、センサ出力に基づいて出力停止を行う機能は使われない。このような仕組みのシステムはノーマルクローズシステムと呼ばれる。ノーマルクローズシステムの最もよく知られたシステムは電磁クラッチブレーキである。
図7は、センサ出力により出力停止を行う機能を備えた機械運転制御回路の構成例である。
図7(A)は、具体的な回路例を示し、ソレノイドバルブのコイルLの通電回路に、電流を遮断するための電磁リレーReの接点rが直列に挿入されている。
図7(A)の構成では、危険が示された時、即ち、出力信号SIを論理値0とすべき時、コイルLの電流を遮断するために否定回路N′を挿入しなければならない。即ち、否定回路N′を設けることで、センサ出力信号Seが消滅して論理値0(危険を示す)になった時、電磁リレーReに電流が流れて接点rが開(OFF)となって出力信号SIが遮断される。尚、センサ出力信号Seが論理値1(安全を示す)の時は、電磁リレーReには電流が流れず接点rが閉(ON)のままとなる。ここに、否定回路N′と電磁リレーReとその接点rは、センサ出力信号Seが危険を示した時(論理値0)に、ソレノイドバルブの駆動を停止させるための出力停止回路を構成する。この出力停止回路は、安全が示されている時、つまり、通常は電磁リレーReには電流が流れておらず、危険状態になった時に初めて電流が流れる構成である。このような出力停止回路を用いた図7(A)のシステム構成は、ノーマルオープンシステムと呼ばれる。このノーマルオープンシステムは否定回路N′を含むので、例えば、センサ出力信号Seが論理値0になって出力信号SIを遮断しなければならない時でも、否定回路N′の入力線や出力線に断線故障が起こると、電磁リレーReが励磁できずに接点rは閉成(ON)されたままとなってしまう。このため、このような出力停止回路を用いるシステム構成は、フェールセーフなシステムに使用できない。
図7(B)は、同図(A)の回路構成を論理回路で表している。表5に図7(B)の各信号の真理値表を示す。
Figure 0003946261
表5で信号
Figure 0003946261
は、図7(A)の否定回路N′、電磁リレーRe、及び接点rで構成される出力停止回路で改めて作り出された信号である。図7(B)の論理回路では、運転命令Mとセンサ出力信号Seとソレノイド駆動回路の出力信号SIの論理的関係は見かけ上では表4と同一であるが、内部に2段の否定演算機能を持っている。従って、内部構造を含めて真理値表を作ると、表5で示すように、出力停止機能による信号
Figure 0003946261
が介在して単調な関係になっていない(論理値1を0に変換し、更に論理値0を1に変換するプロセスを含む)。そして、従来の特公平7−92193号公報に記載の光線式安全装置は、このような否定演算機能を有するシステム構成となっているので、フェールセーフな構成にはなっていない。
即ち、特公平7−92193号公報に記載の光線式安全装置は、停止信号発生回路と、異物脱出信号発生回路と、停止解除信号発生回路とを備えている。この装置の最大の特徴は、プレス機械運転を始動させるための停止解除信号発生回路と、プレス機械の運転を停止させるための停止信号発生回路を持っており、プレス機械の運転に際して、始動と停止が別系で与えられる点にある。このシステムは、図7で示した如く出力停止回路を所有する点で本質的にフェールセーフな構成とならない。事実、特公平7−92193号公報の第1図の回路構成では、停止信号発生回路に入力する光線の遮断信号が、光線受信信号の否定で供給される構成である。このため、停止信号発生回路の入力線又は出力線に断線故障が起こると停止信号が発生しないため、上述した3つの回路要素をどのように構成しようともプレス機械を停止させることができない。そればかりでなく、図6のフェールセーフなシステムの基本構成に比較して複雑となる。フェールセーフな運転制御回路として従来技術の光線式安全装置を用いる場合には、出力停止信号が発生できない時には停止解除信号も発生しない構成にする必要がある。従って、従来技術の光線式安全装置は、プレス機械の安全装置としては不十分であり、しかも、安全確保の基本原則から外れていると考えられる。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、フェールセーフ制御の基本原理に基づいて、複数の検出手段からの出力信号により運転許可の信号を与える構成とすることで、作業者の安全を確実に確保し、且つ、低コストなフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置を提供することを目的とする。また、運転許可の信号を生成する条件を規定して安全性をより一層高めることを目的とする。
尚、本発明で示す論理処理はフェールセーフ信号処理(ダイナミックフェールセーフ信号と呼ばれる)に基づく。しかし、論理処理を例えば多重系処理に基づいて、特開平6−202895号公報のような多数決演算を行うような処理が可能であることは公知である。
〔発明の開示〕
このため、本発明では、ワークをセットしたボルスタ上にスライドを下降させて前記ワークを加工するプレス機械の自動スライド運転制御装置であって、前記ボルスタを含んで設定される第1の危険領域内に人体が侵入したか否かを検出する第1の検出手段と、前記第1の危険領域を含みその外側に設定される第2の危険領域内に人体が侵入したか否かを検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段から人体無しの検出信号が発生し続いて前記第2の検出手段から人体無しの検出信号が発生した時に前記第1及び第2の危険領域からの人体退出を示す人体退出検出信号を発生する退出検出手段と、該退出検出手段から人体退出検出信号が発生した時に前記スライドの自動起動信号を発生する起動制御手段と、該起動制御手段による自動起動制御の継続許可条件が満足されているか否を監視し満足されている時に自動起動許可信号を発生する許可条件監視手段と、を備え、前記起動制御手段は、前記自動起動許可信号が発生している時のみ前記人体退出検出信号の発生により前記自動起動信号を発生する構成とした。
かかる構成では、許可条件監視手段からの自動起動許可信号が発生していることを条件に、作業者がワーク交換作業を行った後、作業者の手が、第1及び第2の危険領域から退出したことを退出検出回路が検出した時に、起動制御手段から自動起動信号が発生してスライドが起動する。
前記退出検出手段は、前記第2の検出手段から人体有りの検出信号が発生し続いて前記第1の検出手段から人体有りの検出信号が発生した後、前記第1の検出手段から人体無しの検出信号が発生し続いて前記第2の検出手段から人体無しの検出信号を発生した時に、前記人体退出検出信号が発生する構成とした。
かかる構成では、作業者がワーク交換作業を行う場合、作業者の手が、第1及び第2の危険領域に一度侵入し、その後、第1及び第2の危険領域から退出する。この動作手順を第1及び第2の検出手段の出力発生状態に基づいて退出検出回路が検出し、危険領域から退出した時に起動制御手段から自動起動信号が発生してスライドが起動する。
前記退出検出手段は、人体退出時は前記第2の検出手段の人体無しの検出信号で人体退出と判断し人体退出検出信号を発生し、人体侵入時は前記第1の検出手段の人体有りの検出信号で人体侵入と判断し前記人体退出検出信号を停止する構成としてもよい。
かかる構成では、人体の退出時と侵入時とで空間的なヒステリシスを設けることができ、人体退出検出信号の発生状態を安定化できる。
前記ボルスタを囲むように、前記第2の危険領域周囲に、作業者のワーク挿入領域を除いて防護柵を設けるとよい。
これにより、第1及び第2の検出手段の人体検出領域を限定できる。
前記起動制御手段による自動起動制御の継続許可条件が満足されているか否かを監視し満足されている時に自動起動許可信号を発生する許可条件監視手段を備え、前記起動制御手段は、前記自動起動許可信号が発生している時のみ前記人体退出検出信号に基づいて前記自動起動信号を発生する構成とした。
かかる構成では、許可条件監視手段から自動起動許可信号が発生していることを条件に、起動制御手段による自動起動が実行される。
前記許可条件監視手段の具体的構成としては、スライド下降中に前記第1及び第2の検出手段の人体無しを示す信号が消滅した時に前記自動起動許可信号を停止する構成とした。
また、前記許可条件監視手段は、前記第1及び第2の検出手段からの人体無しを示す信号が発生してから所定時間以内に前記第1及び第2の検出手段から人体有りを示す信号が発生した時に前記自動起動許可信号を停止する構成としてもよい。
また、前記許可条件監視手段は、前記第1及び第2の検出手段からの人体有りを示す信号の発生間隔が、予め設定した作業間隔時間を越えた時に前記自動起動許可信号を停止する構成としてもよい。
作業者が手動操作する始動ボタンを設け、前記起動制御手段は、前記始動ボタンのON操作に基づいて動作可能にセットされて前記人体退出検出信号に基づいて自動起動信号を発生する構成とした。
かかる構成では、作業者の始動ボタン操作によって自動起動制御が開始される。これにより、作業者に作業意志がない時にスライドが起動することがない。
前記起動制御手段は、前記始動ボタンのON操作で前記スライドの手動起動信号を発生する手動起動信号発生手段と、前記手動起動信号に基づいて起動されたスライドが下死点を通過した時にセットされて前記人体退出検出信号に基づいて前記自動起動信号を発生する自動起動信号発生手段とを備える構成とした。
かかる構成では、初回のスライド起動において、スライドが下死点を通過するまでは始動ボタンにより下降し、下死点通過後に自動起動制御に移行する。
前記起動制御手段は、前記始動ボタンがONした後にOFFしたことを確認する始動ボタンOFF確認手段を有し、前記始動ボタンOFF確認手段の確認信号の発生で動作可能にセットされる構成とした。
かかる構成では、始動ボタンが正常の時のみ、自動起動制御が可能となる。
スライド上昇区間で前記退出検出回路からの退出検出信号をリセットするリセット手段を有する構成とした。
かかる構成では、スライド1往復毎に退出検出信号を停止できる。
スライド上昇区間で発生するブレーキ信号に基づいて前記スライドが上死点を含む所定範囲内の位置に停止したか否かを監視し前記所定範囲内に停止した時にブレーキ正常信号を発生するオーバーラン監視手段を備え、前記起動制御手段は、前記ブレーキ正常信号が発生した時に自動起動信号の発生が許可される構成とした。
かかる構成では、スライドを停止させるためのブレーキ装置が正常である時だけ、スライドの自動起動制御が可能となるので、安全性が向上する。
前記オーバーラン監視手段は、前記所定範囲内にスライドが停止した状態で前記人体退出検出信号が発生した時に前記ブレーキ正常信号が継続される構成とした。
かかる構成では、退出検出回路の退出検出信号を利用してオーバーラン監視が行われる。
前記オーバーラン監視手段のブレーキ正常信号を前記許可条件監視手段に入力し、前記ブレーキ正常信号が発生している時に前記許可条件監視手段から自動起動許可信号の発生を可能とする構成とした。
作業者の手動操作に基づいてスライドの手動起動信号を発生する手動起動手段と、該手動起動手段によるスライド起動運転と前記起動制御手段によるスライド起動運転を切換え手段により選択可能に構成した。
かかる構成では、スライドの起動運転モードとして、手動と自動を選択することができる。
前記切換え手段は、前記第2の検出手段の電源スイッチであり、前記電源スイッチの投入で前記起動制御手段がセットされる構成とした。
かかる構成では、第2の検出手段の電源の入/切の操作だけで、手動と自動の切換えができ、手動/自動の切換えが簡単となる。
前記人体退出検出信号を所定時間遅延して前記起動制御手段に入力する遅延手段を備える構成とした。
かかる構成では、ワーク交換作業完了後にワークセットの作業ミスに気付いた時に、所定時間内であれば修正することが可能である。
前記第1及び第2の検出手段は、前記それぞれの危険領域の境界部にそれぞれ対向配置した発光素子と受光素子とからなるインタラプタ型光センサとした。
前記光センサは、互いに対向する発光素子及び受光素子が、前記危険領域の境界面に沿って垂直方向に複数個設けられる構成である。
これにより、複数の光軸による光カーテンを構成できる。
前記光センサは、前記危険領域の境界面の一方側の垂直方向に発光素子と受光素子を交互に配列し、他方側の垂直方向に前記一方側の発光素子と受光素子に対向させて受光素子と発光素子を交互に配列する構成とするとよい。
これにより、光センサ近傍に反射物体が存在した時に、発光素子及び受光素子の指向性から反射物体からの反射光の影響を受けるが、この影響範囲を軽減できるようになる。
前記第1の危険領域の境界面に設ける第1の光センサの光軸と、前記第2の危険領域の境界面に設ける第2の光センサの光軸とを、前記境界面を正面方向から見た時に境界面に沿って垂直方向にずらして配置するとよい。
かかる構成では、従来の光センサに比べて、人体検出能力を低下させることなく、各光センサの光軸間隔を広げることができる。従って、光センサの発光素子及び受光素子の数を減らすことができ、光センサのコストを低減できる。
前記起動制御手段からの自動起動信号に基づく駆動信号の発生により、前記スライドの通電回路を閉成するスイッチ回路が、前記起動信号の入力と同時にONし入力停止から所定のオフ・ディレー時間後にOFFする非常用遮断スイッチと、前記起動信号の入力から所定のオン・ディレー時間後にONし入力停止と同時にOFFする2つの常用遮断スイッチとを備え、前記2つの常用遮断スイッチを互いに並列接続して前記非常用遮断スイッチと直列接続する構成とし、前記2つの常用遮断スイッチを、互いに相補の関係を有する信号により交互にON/OFF駆動する構成とした。
また、前記非常用遮断スイッチは、前記2つの常用遮断スイッチが共にOFFしていることを示すOFF確認信号によりON駆動され、前記2つの常用遮断スイッチが交互にON/OFFしている正常状態を示す正常確認信号により、ON状態が継続される構成とするとよい。
また、プレス機械可動部の通電回路の開閉を制御するスイッチ回路を備えるプレス機械の自動スライド運転制御装置であって、前記通電回路に、前記可動部の起動信号の入力と同時にONし入力停止から所定のオフ・ディレー時間後にOFFする非常用遮断スイッチと、前記起動信号の入力から所定のオン・ディレー時間後にONし入力停止と同時にOFFする2つの常用遮断スイッチとを備えると共に、前記2つの常用遮断スイッチを互いに並列接続して前記非常用遮断スイッチと直列接続すると共に、前記2つの常用遮断スイッチを、前記起動信号に基づく互いに相補の関係を有する信号により交互にON/OFF駆動する構成とする一方、前記2つの常用遮断スイッチが交互にON/OFFしていることを条件として前記非常用遮断スイッチを閉成保持する制御手段を設ける構成とした。
かかる構成では、通常の通電状態では、非常用遮断スイッチは、ON状態にあって2つの常用遮断スイッチが交互にON/OFFするので、可動部の通電回路には連続的に電流が流れる。常用遮断スイッチが正常に交互にON/OFFしない時は、制御手段によって非常用遮断スイッチをOFFして通電回路が開成されて通電回路の電流を停止できる。これにより、通電回路への通電中でも故障が発生すれば直ちに通電回路の電流を停止して可動部の可動を停止できる。
具体的には、前記制御手段は、前記起動信号入力時に前記2つの常用遮断スイッチが共にOFFしていることを示すOFF確認信号が発生していることを条件に前記非常用遮断スイッチのON駆動信号を発生し、前記起動信号に基づいて前記2つの常用遮断スイッチが交互にON/OFFしている正常状態を示す正常確認信号が発生していることを条件に前記非常用遮断スイッチのON駆動信号を継続して発生する構成とした。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来のプレス機械の外観図である。
図2は、図1のプレス機械の光カーテンと運転ボタンの位置関係を示す図である。
図3は、運転ボタンの構成例で、(A)はボタンONで電流が流れる構成例、(B)はボタンOFFで電流が流れる構成例である。
図4は、図3の運転ボタンに相当するセンサの構成例で、(A)は図3(A)に相当する例、(B)は図3(B)に相当する例である。
図5は、光カーテンのフェールセーフなシステムの構成原理を説明するための図で、(A)はフェールセーフな構成の例、(B)はフェールセーフなシステムとならないような構成の例、(C)は(A)で増幅器を設けた場合の例である。
図6は、センサ出力を用いたフェールセーフな機械運転制御の構成原理を説明する図で、(A)はそのシステムの回路構成原理図、(B)はタイムチャートである。
図7は、センサ出力を用いたフェールセーフでない機械運転制御の構成原理を説明する図で、(A)は具体的回路図、(B)は(A)の論理回路図である。
図8は、本発明に係るプレス機械の自動スライド運転制御装置の参考例の全体回路図である。
図9は、本発明の光カーテンと始動ボタンの位置関係図である。
図10は、2つの光カーテンの出力関係を示すタイムチャートである。
図11は、図8の退出検出回路の回路図である。
図12は、退出検出回路の別の回路図である。
図13は、侵入を示す信号と退出を示す信号の生成例で、(A)は回路図、(B)はそのタイムチャートである。
図14は、本発明で使用するウィンドウコンパレータ、ANDゲート、自己保持回路に使用するフェールセーフ・ウィンドウコンパレータ/ANDゲートの回路例である。
図15は、図14のフェールセーフ・ウィンドウコンパレータ/ANDゲートを用いる場合の自己保持回路の別の回路例である。
図16は、1往復毎に退出検出信号をリセットする退出検出回路図である。
図17は、クランク角検出信号のタイムチャートである。
図18は、1往復毎に退出検出信号をリセットする別の退出検出回路図である。
図19(A)は、退出検出回路の更に別の回路図、(B)は(A)の立上がり検出回路の具体例である。
図20は、防護柵の構成例を示す図である。
図21は、始動ボタンの別の配置例を示す図である。
図22(A)は、退出検出回路の更に別の回路図、(B)はそのタイムチャートである。
図23(A)は、退出検出回路の更に別の回路図、(B)はそのタイムチャートである。
図24は、本発明の第1実施形態の全体回路図である。
図25は、第1実施形態の許可条件監視回路と自動起動制御回路の回路図である。
図26は、許可条件監視回路の別の要部回路図である。
図27は、図26の回路の動作タイムチャートである。
図28は、許可条件監視回路の更に別の要部回路図である。
図29は、許可条件監視回路の更に別の要部回路図である。
図30は、許可条件監視回路の更に別の要部回路図である。
図31は、退出検出信号を遅延する回路図である。
図32は、本発明の第2実施形態を示す全体回路図である。
図33は、図32の回路を簡素化した要部回路図である。
図34は、本発明の第3実施形態の全体回路図である。
図35は、本発明の第4実施形態の全体回路図である。
図36は、本発明の第5実施形態の全体回路図である。
図37は、本発明の第6実施形態の全体回路図である。
図38は、投受光器間の中心軸に平行に反射板を置いた時の受光状態の説明図である。
図39は、投受光器の指向性、反射板距離及び投受光器間距離の関係を示すグラフである。
図40(A)は、投受光器の指向性が同じ場合と異なる場合の反射光の影響領域の測定結果を示すグラフ、(B)は反射板の影響の最大距離と反射板の向き及び位置との関係を示す図である。
図41は、光カーテンに平行に反射物体が存在する時の反射光の影響状態の説明図である。
図42は、本発明に適用する光カーテンの好適な構成例を示す略図である。
図43は、図42の構成による効果の説明図である。
図44は、本発明に適用する光カーテンの好適な別の構成例で、(A)は部分斜視図、(B)は(A)の上面から見た場合の略図、(C)は(A)の正面から見た場合の略図である。
図45は、本発明に適用する光カーテンの好適な更に別の構成例である。
図46は、投受光器の指向性を高める構成例である。
図47は、図46の効果の説明である。
図48は、スイッチ回路の通常の構成図である。
図49は、図48のスイッチ動作タイムチャートである。
図50は、本発明に適用するスイッチ回路の基本構成図である。
図51は、図50の常用遮断スイッチの駆動信号タイムチャートである。
図52は、図50のスイッチ回路の制御回路の基本構成図である。
図53は、図52のスイッチ回路の常用遮断スイッチがトランジスタの場合のOFF確認信号及び正常確認信号のモニタ回路図である。
図54は、図52の制御回路をフェールセーフに構成する回路例を示す図である。
図55は、図50のスイッチ回路の常用遮断スイッチがリレー接点の場合の回路図である。
図56は、図55のOFF確認信号のモニタ回路図である。
図57は、図55の正常確認信号のモニタ回路図である。
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下に、本発明に係る自動スライド運転制御装置の実施例について添付図面に基づいて説明する。
図8は本発明の参考例の回路構成図を示す。尚、図1の従来装置と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図8において、第1及び第2の検出手段である第1及び第2光カーテン5,21は、図5(A)又は(C)で構成原理を示したようなインタラプタ型光センサを用いて構成される。これら第1及び第2光カーテン5,21の検出出力は、退出検出手段としての退出検出回路22に入力する。退出検出回路22は、両光カーテン5,21の検出出力に基づいて、後述するように人体(作業者の手)が第1及び第2の危険領域D,DN(図9に示す)に侵入しその後に第1及び第2の危険領域D,DNから退出したことを検出した時に人体退出の検出信号PTを発生して起動制御手段である自動起動制御回路23へ出力する。
自動起動制御回路23は、図6(A)で構成原理を示したような、始動ボタン24がON操作された後、前記検出信号PTの入力を運転許可の信号としてスライド2の自動起動信号である運転信号Opを発生する。
図9に、第1及び第2光カーテン5,21と始動ボタン24の配置例を示す。
図9において、第1光カーテン5は、ボルスタ3を含む従来同様の第1の危険領域Dを定めるものである。第2光カーテン21は、従来の運転ボタン4上方に光ビームのカーテンを形成するよう配置され、第1の危険領域Dを含む第2の危険領域DNを定める。始動ボタン24は、第2光カーテン21の外側に配置される。プレス機械の本体1の正面を除いた本体側面には防護柵25が設けられる。
次に、本参考例のプレス機械の自動スライド運転制御装置の動作を説明する。
電源投入によりプレス機械が使用可能な状態になると、まず、上下の金型6,7間に作業者がワーク(図示せず)をセットする。その後、始動ボタン24が作業者によって押されるとスライド2は下降して後、上昇して上死点で停止する。次に、作業者が2番目のワークの挿入作業を行った後、第1光カーテン5の光ビームと第2光カーテン21の光ビームの両方が、作業者及びその一部で遮られない状態、即ち、第1及び第2の危険領域D,DNから退出した状態に戻ると、退出検出回路22からの検出信号PTの発生により、自動起動制御回路23から運転信号Opが発生しスライド2は自動的に下降を開始する。
即ち、従来のシステムでは、運転ボタン4上に作業者の手があることによって安全が示されるのに対し、本実施形態のシステムは、第2光カーテン21内の第2の危険領域DNから作業者の手が退出したことで安全が示される。このため、光カーテンの占める領域を十分広くすることが望ましい。
次に、図8の退出検出回路22の具体例について説明する。
図9で、第1の危険領域Dを監視する第1光カーテン5の出力信号をLD、第2の危険領域DNを監視する第2光カーテン21の出力信号をLDnとする。第1及び第2の危険領域D、DNの側面周囲は防護柵25で囲われているので、作業者がワーク交換作業を行う場合、第1及び第2光カーテン5,22の出力信号LD、LDnのタイムチャートは図10のようになる。ここで、信号LD、LDnを1と0の2値の論理値で表し、光が遮光されていない時はLD=LDn=1、遮光されている時はLD=LDn=0とする。
そして、信号
Figure 0003946261
をそれぞれ出力信号LD,LDnの否定信号とすると、第1及び第2の危険領域D,DNの侵入は、
Figure 0003946261
で示し、第1及び第2の危険領域D,DNからの退出は、LD∧LDn=1で示すことができる。尚、記号∧は、論理積を表す。
以上から、退出検出回路22は例えば図11のように構成することができる。
図11において、侵入を示す信号
Figure 0003946261
をトリガ入力とし、退出を示す信号(LD∧LDn=1)をホールド入力とする自己保持回路M1と、信号
Figure 0003946261
の停止を所定時間T1遅延させるオフ・ディレー回路OFD1とで構成する。ここで、前記オフ・ディレー回路OFD1の遅延時間T1は、図10に示すように、信号LD,LDnが共にOFFした状態(侵入状態)から作業者が第2の危険領域DNから退出して共にONした状態(退出状態)になるまでの間、
Figure 0003946261
を保持するためのもので、遅延時間T1は作業者又は作業者の手で危険領域に進入してから退出するまでの作業時間以上に設定する。
即ち、作業者の侵入で第1及び第2光カーテン5,21が遮光されると、
Figure 0003946261
となる。ワーク交換作業が完了して作業者が第1の危険領域Dを退出した時点で、
Figure 0003946261
となるが、オフ・ディレー回路OFD1によって自己保持回路M1のトリガ入力は論理値1に保持される。遅延時間T1以内に作業者が第2の危険領域DNを退出して信号LD∧LDn=1となると、自己保持回路M1から検出信号PTが生成される。尚、フェールセーフなオフ・ディレー回路は、米国特許4,667,184号明細書で構成方法が示されている。
図12に退出検出回路22の別の構成例を示す。
図12において、侵入を示す信号
Figure 0003946261
をトリガ入力とし信号LDをホールド入力とする自己保持回路M2と、自己保持回路M2の出力信号と信号LDnとの論理積を演算するANDゲートA1とで構成する。
図12では、図11のオフ・ディレー回路OFD1による処理の代わりに、自己保持回路M2で第1の危険領域Dからの退出を示す信号LDだけで信号
Figure 0003946261
を自己保持し、第2の危険領域DNから退出した時に信号LDnの発生で検出信号PTを発生させる構成である。
次に、図11の検出信号PTの生成をフェールセーフとするための信号
Figure 0003946261
と信号LD∧LDnの生成回路を図13に示す。
図13(A)において、REC1〜4は倍電圧整流回路、W1,W2はウィンドウコンパレータである。光カーテン5,21の出力信号LD,LDnは交流信号とする。
尚、光カーテン5,21は、複数の発光素子及び受光素子を順次走査駆動する米国特許5,495,228号明細書及び米国特許5,432,337号明細書等で公知のフェールセーフな構成とする。これらの光カーテンの出力信号は交流出力信号を整流して直流出力信号としているが、整流回路を経由しない出力信号とすればよい。また、前記倍電圧整流回路REC1〜4は、2つのコンデンサと2つのダイオードを有し、入力信号に応じた整流出力を電源電圧に重畳して出力を発生する構成であり、米国特許5,027,114号明細書及び国際公開公報WO94/23303等で従来公知である。また、ウィンドウコンパレータW1,W2は、複数の抵抗とトランジスタからなるフェールセーフ・ウィンドウコンパレータ/ANDゲートで構成され、米国特許5,027,114号明細書、米国特許5,285,271号明細書及び米国特許5,345,138号明細書等で公知である。
図13(A)の回路では、ウィンドウコンパレータW1,W2の入力レベルVinは、図13(B)のタイムチャートで示すように、両光カーテン5,21の出力信号LD,LDnが共に生成されない時は定電圧Vr(Vr>VCC,VCCは電源電位)であり、出力信号LDが生成されて出力信号LDnが生成されない時はVr+V0(V0は出力信号LD,LDnに基づく各倍電圧整流回路REC1,2の各整流出力電圧)であり、出力信号LD,LDnが共に生成される時はVr+2V0であるものとする。そして、ウィンドウコンパレータW1の下限閾値TL1はVCCとVrの間に設定し、上限閾値TH1はVrとV0+Vrとの間に設定する。ウィンドウコンパレータW2の下限閾値TL2はVr+V0とVr+2V0の間に設定する。尚、図13(A)のように、交流の入力信号を倍電圧整流回路を用いて加算して多値とし、フェールセーフ・ウィンドウコンパレータを用いて閾値演算を行う回路構成は、米国特許5,432,337号明細書や米国特許5,495,228号明細書等で公知である。
かかる構成によれば、作業者の手が第1及び第2の危険領域D,DNに侵入して出力信号LD,LDnが共に生成されない時は倍電圧整流回路REC1の出力レベルはVrとなり、ウィンドウコンパレータW1の上下限閾値範囲内となる。これにより、ウィンドウコンパレータW1が発振し交流信号が生成され、倍電圧整流回路REC3から電源電圧VCCより高レベルの信号
Figure 0003946261
が生成される。また、作業者の手が第1及び第2の危険領域D,DNを退出して出力信号LD,LDnが共に生成された時は倍電圧整流回路REC1の出力レベルはVr+2V0となり、ウィンドウコンパレータW2の下限閾値TL2を越える。これにより、ウィンドウコンパレータW2が発振して交流信号が生成され、倍電圧整流回路REC4から電源電圧VCCより高レベルの信号LD∧LDn=1が生成される。
図13(A)の回路において、倍電圧整流回路REC1,2の少なくとも一方が故障すると、ウィンドウコンパレータW1,W2の入力レベルが低下してVr+2V0にはならないので、ウィンドウコンパレータW2は発振せず、自己保持回路M1のホールド入力信号が生成されないので検出信号PTは生成されない。
自己保持回路M1は、前述した米国特許5,027,114号明細書等で公知のフェールセーフなウィンドウコンパレータ/ANDゲートを用いて構成できる。この場合には、自己保持回路M1を構成するウィンドウコンパレータのホールド端子側に、図13(A)のウィンドウコンパレータW2で行う処理の機能を持たせれば、ウィンドウコンパレータW2及び倍電圧整流回路REC4を省略することが可能となる。
また、図12の回路も同様にフェールセーフに構成することができる。但し、信号
Figure 0003946261
は倍電圧整流回路REC3の平滑作用によって少し遅れるものとする。この場合は、倍電圧整流回路REC2の出力を直接自己保持回路M2のホールド端子に入力し、このホールド端子の下限閾値をVrとVr+V0の間に設定する。また、ANDゲートは、従来公知の前述のフェールセーフ・ウィンドウコンパレータ/ANDゲートで構成し、信号LDnが入力する端子側において、ウィンドウコンパレータW2と同様の閾値処理を行えばよい。
ここで、フェールセーフ・ウィンドウコンパレータ/ANDゲートについて簡単に説明する。
第14図は2入力のフェールセーフ・ウィンドウコンパレータ/ANDゲートの例を示す。
図において、R11〜R15は抵抗、Tr1〜Tr7はトランジスタ、Eは回路の電源電圧、In1,In2は入力端子、300は整流回路を示す。尚、トランジスタTr2,Tr6はPNP型でありその他のトランジスタはNPN型である。
次に動作を簡単に説明すると、入力端子In1,In2に入力電圧が印加されていないときは、トランジスタTr2,Tr6はON状態にある。入力端子In1,In2に共に所定の電圧が印加されると、Tr2OFF→Tr3OFF→Tr4ON→Tr5OFF→Tr6OFF→Tr7OFF→Tr1ON→Tr2ON→Tr3ON→Tr4OFF→Tr5ON→Tr6ON→Tr7ON→Tr1OFF→・・・・と順次トランジスタTr1〜Tr7がONとOFFを繰り返して発振する。この発振出力は整流回路300を介して直流出力として出力される。ここで、この回路の発振条件は入力端子In1,In2の入力電圧をV1,V2とすると、入力電圧V1,V2が共に、
(E<)(R11+R12+R13)E/R13<V1=V2
<(R14+R15)E/R15
を満たすことである。これにより、ANDゲート機能を有することが判る。この回路は、いずれの抵抗R11〜R15に断線故障が生じても、いずれのトランジスタTr1〜Tr7に故障が生じても出力が発生しない特性を有する。即ち、2つの入力端子に入力信号がないのに出力を発生することはなく、且つ、2つの入力端子の一方の入力信号だけで出力を発生しないフェールセーフな特性をもつ。
そして、ウィンドウコンパレータは、図14において各入力端子In1,In2に関する各抵抗R11〜R15を非対称に設定して入力端子In1,In2の入力閾値を異ならせることで構成できる。
また、図中、破線で示すように、別の整流回路301を設け、この整流出力を一方の入力端子(例えばIn1)側に帰還することで、帰還されている側の入力端子In1に与えられる入力信号をトリガ信号とし、他側の入力端子In2の入力信号をホールド信号とするフェールセーフな自己保持回路が構成できる。
尚、フェールセーフ・ウィンドウコンパレータ/ANDゲートを用いて自己保持回路を構成する場合、トリガ信号と帰還信号の干渉を緩和するため、図15のようにトリガ信号の入力端子In1とは別に帰還信号入力用の入力端子In1′を設けてもよい。
図11及び図12の回路構成では、検出信号PTは一度生成されると、第1及び第2光カーテン5,21のどちらか一方が遮光されない限り発生し続ける。このため、ワークの交換作業がなければスライドの下降動作が連続して実行されてしまう虞れがある。
これを防止するため、スライドの1往復毎に検出信号PTをリセットする回路構成例を図16に示す。
図16において、信号P4は、クランク式プレス機械のスライド2の1往復毎に生成されるクランク角の検出信号であり、スライド上昇区間の例えばクランク角240°〜270°でOFF(論理値0)となる信号である。
クランク式プレス機械では、例えばカムスイッチを用いてクランク角の検出を行っている。そして、クランク角度に応じて、スライドが上死点(クランク角度で0°)付近の所定範囲(例えばクランク角度で340°〜上死点後15°の範囲)に存在することを示す信号であってスライドが前記所定範囲内にある時に出力レベルが論理値1となる信号P1と、スライドを上記所定範囲内に停止させるための信号であってスライドの上昇区間の所定範囲(例えばクランク角度300°〜345°の範囲)で論理値0となる信号P2と、スライドが上昇過程にあることを示す信号であってスライドの所定の上昇区間(例えばクランク角度で180°〜350°)で論理値1とな信号P3と、スライドの上昇区間の所定範囲(例えばクランク角度で240°〜270°)で論理値0となる前述の信号P4とを、それぞれ生成する。図17に、上記各信号P1〜P4のタイムチャートを示す。
クランク角の検出信号をフェールセーフな構成とするには、例えば、交流信号を整流回路で整流する方法を用いればよい。この場合、整流回路出力が高レベルの時が論理値1、低レベルの時が論理値0に各々対応する。尚、クランク角の検出信号をフェールセーフとする構成は、例えば特開平6−147398号公報等で公知である。
図16は、図11の回路において、スライド1往復毎に検出信号PTをリセットする構成であり、信号LD∧LDnと信号P4とをANDゲートA2に入力し、その論理積出力を自己保持回路M1のホールド入力とするものである。
かかる構成によれば、スライド1往復毎に、ANDゲートA2の論理積出力がなくなって自己保持回路M1からの検出信号PTがリセットされる。従って、スライド1往復毎に検出信号PTが生成されることになる。ここで、ANDゲートA2がリセット手段の機能を有する。
また、図12の回路の場合は、図18に示すように、自己保持回路M2のホールド端子に信号P4を直接入力し、ANDゲートA1の一方の入力端子に、信号LD∧LDnを入力するようにすればよい。ここで、自己保持回路M2がリセット手段の機能を有する。
また、図19(A)に示すように、信号
Figure 0003946261
を検出する代わりに、信号LD,LDnの各立上がりを検出するよう構成してもよい。
即ち、図19(A)の回路では、信号LDの立上がり検出回路31と、信号LDnの立上がり検出回路32を設ける。これら立上がり検出回路31,32は、同図(B)に示すようなコンデンサとダイオードで構成した微分回路を用いればよい。M3,M4は自己保持回路、A3はANDゲートである。
かかる構成では、作業者の手がワーク交換作業で第1及び第2の危険領域D,DNに侵入した後、退出する時、初めに第1光カーテン5の遮光がなくなり信号LDが立ち上がって、立上がり検出回路31の出力により自己保持回路M3の出力が生成される。次に、第2光カーテン21の遮光がなくなり、信号LDnが立ち上がってANDゲートA3の論理出力が発生すると共に、立上がり検出回路32の出力で自己保持回路M4から検出信号PTが発生する。
尚、本発明装置では、作業者の作業意志の伝達を明確にするため、図9の防護柵25を、図20に示すように構成するとよい。即ち、図11、図12の回路の信号PTは作業者の手の進入の判断を伴っていないので、屋外作業で図9の点線Jで示すように小鳥が光ビームを遮ってしまったり塵が飛んできた時等に作業者の意志に反してスライド起動の運転許可信号が生じないように、側面全面及び作業者によるワーク挿入領域となる開口部25aを除く正面側領域を防護柵で覆い、開口部25aの上方の柵部分は、挿入した手が見えるようにプラスチック等の透明部材25bで構成する。また、始動ボタン24の位置は、図21に示すように、第2光カーテン21の下方で、始動ボタン24を操作する時に直接作業者の手が第2光カーテン21の光ビーム群を遮光しないような位置に配置してもよい。
図22には、第1及び第2光カーテンを用いて一行程運転を実現するための退出検出回路の例を示す。
運転ボタンを用いたプレス機械の一行程運転は、作業者が一度運転ボタンを押すと、運転許可信号が与えられておればスライドが自動的に下降し、作業者の手が運転ボタンを越える、即ち、図2に示す危険領域DNに侵入しても、危険領域D監視用の光カーテン5が遮断されない限り、スライドは下降するような運転である。
図22(A)に、このような一行程運転制御を自動的に行えるようにした退出検出回路の構成例を示す。
図22(A)において、第1及び第2光カーテン5,21の各出力信号LD,LDnは、図13と同様の構成を有する倍電圧整流回路REC3,REC4によって整流され整流出力V0に電源電圧VCCが重畳されて加算される。倍電圧整流回路REC3からの出力信号yは、ウィンドウコンパレータW3と自己保持回路M20のトリガ端子側に入力する。ウィンドウコンパレータW3の出力は、倍電圧整流回路REC5で整流されて自己保持回路M20のホールド入力となる。そして、ウィンドウコンパレータW3と自己保持回路M20の各下限閾値TL3,TL4を、それぞれ図22(B)に示すように、VCC<TL3<VCC+V0、VCC+V0<TL4<VCC+2V0に設定する。
作業者の手が危険領域D、DNを退出する時のプロセスは、図22(B)に示す通り、出力信号LDが復帰し、続いて出力信号LDnが復帰する。従って、倍電圧整流回路REC3の出力信号yは、両光カーテン5,21の出力の変化に対して図22(B)に示すようにステップ状に変化する。これにより、作業者の手が危険領域Dを退出した時にウィンドウコンパレータW3から出力が発生し、危険領域DNから退出した時に自己保持回路M20がトリガされて両危険領域D,DNから作業者の手が退出したことを示す退出検出信号PTが発生する。そして、この回路では、退出検出信号PTが発生した後は、作業者の手が危険領域DNに侵入してもウィンドウコンパレータW3の出力によって自己保持回路M20からの退出検出信号PTは継続して発生し、作業者の手が危険領域Dに侵入した時に自己保持回路M20の出力が停止する。即ち、自己保持回路M20の出力信号PTは、図22(B)に示す通り退出時と侵入時とでヒステリシスを持つ。つまり、光カーテン21で初めて作業者の手の退出を論理値1として通報し、作業者の手が危険領域内に入ると光カーテン5で論理値0として通報する。
かかる構成のように、退出検出信号PTにヒステリシスを持たせることで、プレス機械の一行程運転による自動化を図ることができる。
図23に、スライドの上昇区間中に作業者の手の侵入、退出の順序を踏まえて作業者によりワークのセット作業が正常に行われた時のみ退出検出信号を発生する回路例を示す。
図23(A)において、M21、M22は、自己保持回路、400は、図22(A)に示した自己保持回路M20の負の整流出力信号の立上がり成分を抽出するための微分回路、REC6〜7は整流回路を示す。また、信号P1、P3は図17に示すクランク角の検出信号で、信号P1はクランク角340°〜15°の範囲でONとなり、信号P3はクランク角180°〜350°の範囲でONとなる。自己保持回路M20は、図22(A)に示すものである。
図23(B)のタイムチャートに示すように、ワークセットのため作業者の手が危険領域Dに侵入して光カーテン5が遮断されると自己保持回路M20の出力信号PTは消滅する。これにより、負の整流出力信号PT″が立上がりその微分信号が自己保持回路M21のトリガ端子に入力する。この時、スライドの上昇区間であれば、自己保持回路M21のホールド端子に入力する信号P1と信号P3の論理和信号(P1∨P3,記号∨は論理和を示す)が論理値1であるので、自己保持回路M21から出力が発生し、自己保持回路M22のトリガ端子に入力する。その後、ワークセット終了により作業者の手が危険領域DNから退出し光カーテン21から出力が発生し、自己保持回路M20の出力信号PTが復帰し、自己保持回路M22のホールド端子に前記出力信号PTが入力することにより、自己保持回路M22から最終的な退出検出信号PT′が発生する。
かかる構成によれば、スライドの上昇区間(180°〜15°の範囲)において、作業者の手の侵入動作と退出動作が行われた時のみ最終的な退出検出信号PT′が発生する。
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
この実施形態は、スライド2の自動起動制御の継続を許す条件を定め、この継続許可条件が満足されているか否かを監視する監視回路を設け、定めた条件が満足している時に自動起動の継続を許可するものである。継続許可の条件を監視する目的は、従来の運転ボタンの情報の1つである作業者の意志を確認するためである。
図24に上記実施形態の回路構成を示す。尚、図8の実施形態と同一要素には同一符号を付す。
図24において、スライド2の自動起動制御の継続許可条件が満足されているか否かを監視し満足されている時に自動起動許可信号AS′を発生する許可条件監視手段としての許可条件監視回路40を設ける。この許可条件監視回路40は、例えば、始動ボタン24のON操作によりセットされる自動起動指令を、継続許可条件が満たされたことを示す継続許可信号ASの発生で記憶し、始動ボタン24がOFFであることを条件として自動起動許可信号AS′を発生する。
自動起動制御回路41は、前記許可条件監視回路40の自動起動許可信号AS′を入力し、この自動起動許可信号AS′が発生状態にあれば検出信号PTの入力毎にスライド運転信号Opを発生する構成である。
図25に、許可条件監視回路40の回路例を示す。この回路40は、継続許可条件として作業者の危険側誤り動作、例えば、スライド下降中に第1の危険領域Dに接近する動作を監視する構成例である。
図25において、ORゲートOR1は、信号LD∧LDnと信号P1∨P3の論理和演算を行い継続許可信号ASを発生する(記号∨は論理和を示す)。信号P1,P3は、図17のクランク角の検出信号で、前述のように、信号P1はスライド上死点付近の角度範囲例えば340°〜15°の間でON(論理値1)となる信号、信号P3はスライド上昇区間の角度例えば180°〜350°でON(論理値1)となる信号である。自己保持回路M5は、始動ボタン24のON信号(論理値1)でセットされ、ORゲートOR1の出力信号で始動ボタン24のON信号をホールドする。ANDゲートA4は、始動ボタン24のOFF信号と自己保持回路M5の出力信号の論理積演算を行い、自動起動許可信号AS′を自動起動制御回路41のANDゲートA5に入力する。自動起動制御回路41のANDゲートA5は、前記自動起動許可信号AS′と検出信号PTの論理積演算を行い、スライド運転信号Opを発生する。
通常、作業者は、スライド上昇区間(安全なクランク角の区間)の範囲でワーク交換作業を行うので、クランク角180°〜15°の範囲(論理的にはP1∨P3=1の発生範囲)では光カーテン5,21は遮光されてよい。従って、信号P1∨P3=1の範囲では、人体無しを示す信号LD∧LDnが停止しても、作業者の正常な作業動作として継続許可信号ASは停止せず自己保持回路M5の出力は自己保持される。
一方、スライド2がクランク角15°を越えて下降行程(15°〜180°)にある時は信号P1∨P3=0であり、この時に作業者が第1の危険領域Dに侵入して第1及び第2光カーテン5,21が遮光された場合は危険であり、人体無しを示す信号LD∧LDnの消滅(LD∨LDn=0、即ち、LD=0又はLDn=0、即ち、LD∧LDnの消滅)でORゲートOR1からの継続許可信号ASが停止する。これにより、自己保持回路M5の出力が停止して自動起動許可信号AS′が消滅する。その後、危険領域D,DNからの退出によって検出信号PTが生成されても、自動起動許可信号AS′がなくスライド運転信号Opは生成されず自動起動運転は停止する。その後、自動起動運転を行うには、再度、始動ボタン24のON操作を行う必要がある。このような運転操作は、プレス機械運転では再起動防止制御と呼ばれ、この再起動防止が図25で実現されることを意味している。
尚、自動起動許可信号AS′の発生条件として始動ボタン24のOFF信号を使用するのは、始動ボタン24のON信号の生成が、始動ボタン24のON側故障でないことを確認するためである。即ち、始動ボタン24が正常な時のみ自動起動許可信号AS′が生成する構成としている。従って、ANDゲートA4は始動ボタンOFF確認手段の機能を備える。
次に、図25の自己保持回路M5のホールド端子に入力する継続許可信号ASを生成するための別の回路例を示す。
図26は、継続の許可条件として作業者の不安定な動作、例えば、退出した後に直ちに再度侵入するような動作を監視して継続許可信号ASを生成する回路例である。尚、当然、ワーク交換作業は1回の入退出で完了することを前提とする。
図26において、オフ・ディレー回路OFD2,OFD4は、光カーテン5,21が共に透光の状態から共に遮光の状態に移行するための許容時間T2,T4を設定する。オフ・ディレー回路OFD3は、逆に、光カーテン5,21が共に遮光の状態から共に透光の状態に移行するための許容時間T3を設定する。オン・ディレー回路OND1は、前記継続許可条件である退出してから再度侵入することが許されない時間TDxを設定する。
図27に図26の回路動作のタイムチャートを示す。
図27から明らかなように、危険領域D,DNを退出(LD∧LDn=1)した後、時間TDx経過する以前に再度侵入
Figure 0003946261
すると、オン・ディレー回路OND1の出力が生成されない。このため、自己保持回路M6の出力が生成されず、オフ・ディレー回路OFD4の出力が停止した時点で継続許可信号ASが消滅する。尚、フェールセーフなオン・ディレー回路は、国際公開公報WO94/23303や国際公開公報WO94/23496等で公知である。
危険領域D,DNを退出した後、時間TDx経過してから侵入した場合は、オン・ディレー回路OND1の出力が生成されており、人体無しを示す信号LD∧LDnがOFFしてから人体有りを示す信号
Figure 0003946261
がONするまでオフ・ディレー回路OFD2で保持され、信号
Figure 0003946261
がONして自己保持回路M6の出力が生成される。その後に退出すると、信号
Figure 0003946261
がOFFしてから信号LD∧LDnがONするまでオフ・ディレー回路OFD3で出力が保持される。また、信号LD∧LDnがOFFしてから信号
Figure 0003946261
がONするまでのORゲートOR2からの継続許可信号ASは、オフ・ディレー回路OFD4で保持される。
従って、正常な作業者のワーク交換作業においては、ORゲートOR2からの継続許可信号ASは発生し続けるが、前述のように、危険領域D,DNを退出してから所定時間TDxを経過する以前に再度侵入した場合には、オフ・ディレー回路OFD4の出力が停止した時点で継続許可信号ASが消滅する。
次に、図28及び図29に継続の許可条件として、所定の作業間隔時間で作業が行われることを監視して継続許可信号ASを生成する場合の回路例を示す。
作業時間間隔を監視するのは、作業間隔が必要以上に開いて自動起動モードに設定されていることを忘れて作業が行われることを防止するためである。即ち、作業間隔が必要以上に開いた後に検出されるワーク交換作業(侵入検出の信号
Figure 0003946261
の発生)を作業者の意志と見倣さない。
図28において、人体有りを示す信号
Figure 0003946261
をオフ・ディレー回路OFD5で遅延させて継続許可信号ASを生成する。オフ・ディレー回路OFD5の遅延時間が作業間隔時間に相当し、適切に設定する。
かかる構成では、人体有りを示す信号
Figure 0003946261
が発生してから遅延時間以内に次回の信号
Figure 0003946261
が発生しなければ継続許可信号ASは停止し、図25の自己保持回路M5はリセットされて自動起動許可信号AS′は消滅する。
図29は、クランク角の検出信号をタイミング信号として用いて作業間隔時間を監視する回路例である。
図29において、信号
Figure 0003946261
をトリガ入力とし、前述のクランク角の検出信号P4(240°〜270°でOFFとなる)をホールド入力とする自己保持回路M7と、自己保持回路M7の出力停止を所定時間遅延するオフ・ディレー回路OFD6とで構成する。
かかる構成では、自己保持回路M7の出力は、スライド1往復毎に強制的にクランク角240°でリセットされる。ワーク交換作業の開始が自己保持回路M7のリセット後、オフ・ディレー回路OFD6で設定される遅延時間を越えると、継続許可信号ASは消滅し、図25の自己保持回路M5はリセットされて自動起動許可信号AS′は消滅する。
図30は、作業者の誤り動作として、退出後、自動起動が開始された直後、或いは同時に再度侵入してしまう動作を監視する回路例である。
図30において、出力信号MOFFを所定時間遅延させるオン・ディレー回路OND2と、このオン・ディレー回路OND2の出力と信号LD∧LDnの論理和を演算するORゲートOR3とで構成される。出力信号MOFFは、スライド2を起動するソレノイドバルブに電流が流れていないことを検出する電流ゼロセンサの出力で、電流が流れていない時に論理値1となる。出力信号MOFFをフェールセーフに生成する電流ゼロセンサは、例えば特開平6−201733号公報や米国特許5,568,059号明細書等で公知である。
かかる構成では、退出後、自動起動が開始されて出力信号MOFFが消滅した状況で再度侵入すると、ORゲートOR3の出力、即ち継続許可信号ASが停止する。尚、スライド2は作業者の侵入で急停止されるから、信号LD∧LDn=0(侵入検出)と殆ど同時に出力信号MOFFが立上がってORゲートOR3の出力が直ちに発生する虞れがあるので、オン・ディレー回路OND2を設けて継続許可信号ASがOFFした時のOFF時間を確保する。
尚、退出後、作業ミスに気付いて再度侵入するような状況を考慮した場合、退出検出後にスライドの起動を、作業に支障のない程度の時間遅延することは、作業者の安全確保において有効である。
従って、図31に示すように、図8及び図24等に示す退出検出回路22からの検出信号PTを遅延手段としてのオン・ディレー回路OND3で所定時間遅延させて最終的な検出信号PT′を生成するとよい。
かかる構成とすれば、オン・ディレー回路OND3の設定時間内に作業ミスに気付けば、自動起動は開始されない。
次に、図32に本発明の第2実施形態を示す。
これは、最初に手動でスライド2を起動し、スライド2が下死点を通過した後に自動起動に移行する構成とした自動起動制御回路例である。尚、前述の各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図32において、本実施形態の自動起動制御回路50は、3つのANDゲートA5,A6,A7と、自己保持回路M8と、ORゲートOR4とを備えて構成される。
許可条件監視回路51は、図25に示すものと略同様であるが、自己保持回路M5のトリガ入力信号として、始動ボタン24のON信号の代わりに自己保持回路M8の自己保持出力信号が入力する構成である。信号P2は、前述したように、スライド2を上死点範囲(340°〜15°)で停止させるためのブレーキ作動開始のタイミングを定める停止信号で、クランク角の検出信号でクランク角例えば300°〜345°の間でOFFとなる。
かかる構成では、継続許可信号ASが発生している状況で、始動ボタン24が押されると、ANDゲートA7の出力によってORゲートOR4から手動起動信号としてスライド運転信号Op′が発生してスライド2が下降を開始する。同時に、自己保持回路M8のトリガ端子にもANDゲートA7の出力が入力する。スライド2が下死点(クランク角180°)を通過すると、信号P2∧P3によりANDゲートA6からの出力により自己保持回路M8から出力が発生しORゲートOR4に入力するので、スライド2が下死点を通過した後は、始動ボタン24を離しても自動上昇する。また、自己保持回路M8の出力は自己保持回路M5のトリガ端子にも入力するので、継続許可信号ASが生成されている状況でスライド2が下死点を通過すると、自己保持回路M5から出力が発生する。これにより、始動ボタン24のOFFと同時にANDゲートA4から自動起動許可信号AS′が発生する。自己保持回路M8の出力は、クランク角300°で信号P2がOFFした時点で消滅し、ORゲートOR4からの手動操作に基づくスライド運転信号Op′は以後発生しない。
その後は、作業者のワーク交換作業毎に退出検出回路22から発生する退出検出信号PTに基づいてANDゲートA5から自動起動信号としてスライド運転信号Opが発生して自動起動運転制御に移行する。
ここで、前記ANDゲートA7とORゲートOR4とで、手動起動信号発生手段を構成し、ANDゲートA5,A6及び自己保持回路M8で自動起動信号発生手段を構成する。
尚、図32を簡略化した回路例として、図33のように構成してもよい。
即ち、図32の自己保持回路M8及びANDゲートA6を省略し、自己保持回路M5のトリガ端子にANDゲートA8を介して始動ボタン24のON信号と信号P3の論理積出力を入力し、始動ボタン24をON操作することで、自己保持回路M5から出力を発生させて自動起動許可信号AS′を生成させる。尚、この回路では、図示しないが、始動ボタン24のON操作で発生するON信号を直接に手動のスライド運転信号Op′として発生させればよい。
次に、図34に、本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態は、始動ボタン24の手動操作によってスライドを起動させた後に自動起動制御に移行する自動起動制御回路例である。尚、前述の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図34において、本実施形態の自動起動制御回路60は、ANDゲートA9,A10と、自己保持回路M9と、ORゲートOR5とで構成される。許可条件監視回路61は、図25と同様で始動ボタン24のON操作で自己保持回路M5をトリガして自動起動許可信号AS′を生成する構成である。信号P2,P3は前述したクランク角の検出信号である。
かかる構成では、スライド2が正常に所定の上死点範囲に停止している状態で、作業者によるワーク交換作業が完了して第1及び第2の危険領域D,DNから退出すれば、退出検出回路22から検出信号PTが発生すると共に、ORゲートOR5の出力によりANDゲートA9から出力が発生する。この状態で、始動ボタン24をON操作すると、継続許可信号ASが発生していれば自己保持回路M5から自動起動許可信号AS′が発生し、ANDゲート10からの出力によって自己保持回路M9が自動起動信号としてスライド運転信号Opを発生してスライド2が下降を開始する。
その後は、信号P2のOFF毎に自己保持回路M9はリセットされるが、前記自動起動許可信号AS′は、継続許可信号ASが発生している限り自己保持されるので、ワーク交換作業完了による検出信号PTの発生毎にスライド運転信号Opが発生して自動起動運転制御に移行する。この際、スライド下降中(信号P3はOFF)に、第1及び第2の危険領域D,DNに作業者が侵入すれば、ORゲートOR5の出力が停止するためスライド運転信号Opは直ちに停止する。
尚、図34において、信号LD∧LDnの代わりに、信号LDをORゲートOR5に入力するよう構成すれば、スライド下降中に第2の危険領域DNへの侵入を許す一行程運転による自動運転制御が可能である。
次に、図35に本発明の第4実施形態を示す。
この実施形態は、図8の構成に退出検出を用いたオーバーラン監視回路を付加したものである。尚、図8と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図35において、オーバーラン監視回路70は、自己保持回路M10,M11と、ANDゲートA11,A12,A13と、ORゲートOR6とを備えて構成される。
ANDゲートA11には、図示しない準備ボタンのON信号と信号P1が入力する。ANDゲートA11の出力は自己保持回路M10のトリガ端子に入力する。ORゲートOR6には、信号P1、信号P3及び自己保持回路M11の出力が入力し、ORゲートOR6の出力は、前記自己保持回路M10のホールド端子に入力する。自己保持回路M10の出力は、ANDゲートA12の一方の入力端子に入力し、ANDゲートA12の他方の入力端子には、前記準備ボタンのOFF信号が入力する。ANDゲートA12の出力は、ブレーキ正常信号OVRとして自動起動制御回路23に入力すると共に、ANDゲートA13の一方の入力端子に入力する。ANDゲートA13の他方の入力端子には信号P2が入力する。ANDゲートA13の出力は、前記自己保持回路M11のホールド端子に入力し、自己保持回路M11のトリガ端子には、退出検出回路22の検出信号PTが入力する。前記退出検出回路22は、図16或いは図18の回路構成を備えるもので、検出信号PTはスライド1往復毎にリセットされる。
尚、前記準備ボタンは、スライド起動を開始するための始動ボタン24とは別のもので、電源投入後にスライド起動制御をセットするためのものである。
次に、動作を説明する。
スライド2が上死点範囲(クランク角340°〜15°)に停止し信号P1がONの状態にある時、準備ボタンが押されるとANDゲートA11から出力が発生する。自己保持回路M10のホールド端子には、信号P1によりORゲートOR6の出力が印加されているので、自己保持回路M10から出力が生成される。準備ボタンが正常にOFFすれば、そのOFF信号によりANDゲートA12から、ブレーキ正常信号OVRが生成されて自動起動制御回路23に入力する。ブレーキ正常信号OVRはANDゲートA13にも入力し、この時、信号P2(クランク角300°〜345°でOFF)はONなので、ANDゲートA13から出力が生成される。そして、退出検出回路22の検出信号PTで自己保持回路M11から出力が生成されてORゲートOR6を介して自己保持回路M10のホールド端子に入力するので、自己保持回路M10は出力を継続する。
自動起動制御回路23は、ブレーキ正常信号OVRが発生していることを条件に、検出信号PTの生成によってスライド2を自動起動してスライドの下降が開始する。スライド2の下降により信号P1はOFFになるが、スライド下降中は信号P2によって自己保持回路M11はホールドされ、自己保持回路M10の出力は継続してブレーキ正常信号OVRは生成され続ける。
スライド2がクランク角300°の位置に達するとブレーキの機能が動作し、この時信号P2がOFFとなり、検出信号PTは既にリセットされて消滅しているので自己保持回路M11の出力が停止するが、それ以後は、信号P3(クランク角180°〜350°でON)と信号P1によって自己保持回路M10の出力は継続する。ブレーキの機能が正常ならば、スライド2は上死点範囲(信号P1のON範囲)に停止するので、信号P1で自己保持回路M10がホールドされている間にワーク交換作業の完了で再度自己保持回路M11から出力が発生する。従って、ブレーキの機能が正常であれば、ブレーキ正常信号OVRは継続して発生し、自動起動制御回路23によって検出信号PTの入力毎にスライド2の自動起動が行われる。
ブレーキの機能が異常でスライド2がクランク角15°以内に停止しない場合は、信号P1のOFFと同時に、自己保持回路M10の出力が消滅する。これにより、ANDゲートA12からのブレーキ正常信号OVRも消滅し、自動起動制御回路23のスライド自動起動制御は停止する。スライド運転を再開するには、準備ボタンを手動操作してブレーキ正常信号OVRを生成する必要がある。
次に、図36に本発明の第5実施形態を示す。
本実施形態は、オーバーラン監視回路からのブレーキ正常信号OVRを自動起動継続の許可条件に含め、最初から自動起動制御する構成である。
図36において、許可条件監視回路80は、図35で述べたオーバーラン監視機能を含み、オーバーラン監視を継続許可条件に含めて自動起動許可信号AS′を生成する構成である。
即ち、図35のオーバーラン監視回路にANDゲートA14を付加し、ANDゲートA14の一方にORゲートOR6の出力を入力し、ANDゲートA14の他方の入力に、前述した図25、図26、図28〜図30のいずれか或いはこれらを組み合わせて得られる継続許可信号ASを入力し、ANDゲートA14の出力を自己保持回路M10のホールド端子に入力する構成とする。これにより、ANDゲートA12の出力信号が、ブレーキ正常信号OVRを継続許可条件として含む自動起動許可信号AS′となる。尚、本実施形態では、図35の準備ボタンに代えて始動ボタンのON信号をANDゲートA11に、OFF信号をANDゲートA12に入力している。
退出検出回路22は、自動起動許可信号AS′と信号P4との論理積演算を行うANDゲートA15の出力を自己保持回路M2のホールド入力とする構成を除いて、図18に示すものと同様の構成である。
そして、自動起動許可信号AS′と退出検出信号PTに基づく最終的な検出信号PT′の入力により、図34の自動起動制御回路60によってスライド2の自動起動運転制御が実行される。
かかる構成では、継続許可の条件が満足されていて継続許可信号ASが発生している状態で、始動ボタン24をON操作した後にOFFした時に、ANDゲートA12からブレーキ正常信号OVR含む自動起動許可信号AS′が発生する。そして、作業者のワーク交換作業の完了によって退出検出信号PTが発生して自己保持回路M11がセットされる。そして、オン・ディレー回路OND3を介して最終的な検出信号PT′が発生すると、自動起動制御回路60からの運転信号Opによってスライド2の自動起動運転制御が開始される。
かかる構成によれば、継続許可条件が成立しない時、又はスライド2がオーバーランした時は、自己保持回路M10の出力が消滅し、ANDゲートA12からの自動起動許可信号AS′が停止してスライド自動起動運転は停止する。自動起動運転制御を再開するには、始動ボタン24を操作する必要がある。
尚、自動起動制御回路60のORゲートOR5に入力する光カーテン信号が、信号LDの場合にはスライド下降時に第2の危険領域DNへの侵入を許す一行程運転制御となり、信号LD∧LDnとすれば第2の危険領域DNへの侵入も許さない安全一行程運転制御になる。
次に、図37に本発明の第6実施形態を示す。
本実施形態は、最初の起動は手動で行いスライドが下死点を通過した時点で自動起動運転に移行する自動起動制御と、手動起動回路による手動起動運転とを選択できる手動/自動両用のものである。尚、前述の各実施形態と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
図37において、本実施形態のプレス機械の自動スライド運転制御装置は、オーバーラン監視回路101と、許可条件監視回路102と、退出検出回路103と、手動起動回路104と、手動起動運転信号の発生も兼ねる自動起動制御回路105とを備えて構成される。
前記オーバーラン監視回路101は、自己保持回路M11のトリガ入力が後述する自動起動制御回路105のORゲートOR7からの出力であることを除いて、図35に示したものと同様の構成である。前記ORゲートOR7には、後述する退出検出回路103の検出信号PTに基づく最終的な検出信号PT′が入力しているので、このオーバーラン監視回路101も、検出信号PT′を用いてオーバーラン監視を行う構成である。
前記許可条件監視回路102は、自己保持回路M5の入力信号を除いて図25に示す回路と同様である。前記自己保持回路M5は、トリガ端子には自動起動制御回路105の自己保持回路M13の出力が入力し、ホールド端子にはANDゲートA16によるブレーキ正常信号OVRと継続許可信号ASの論理積出力が入力する。従って、ブレーキの機能が正常か否かが自動運転の継続許可条件として含まれる構成である。
前記退出検出回路103は、図36に示す回路と同様である。
手動起動手段としての前記手動起動回路104は、ANDゲートA17,A18と自己保持回路M12とを備えて構成される。ANDゲートA17は、信号P4とブレーキ正常信号OVRの論理積演算を行う。自己保持回路M12は、始動ボタン24のOFF信号をトリガ入力とし、前記ANDゲートA17の出力をホールド入力としている。ANDゲートA18は、自己保持回路M12の出力と始動ボタン24のON信号の論理積演算を行う。従って、スライド2がオーバーランしていないことを条件に、始動ボタン24のON操作で手動起動信号Kが発生する構成となっている。
前記自動起動制御回路105は、ANDゲートA19と、ORゲートOR7,OR8と、自己保持回路M13とを備えて構成される。ANDゲートA19は、前記手動起動信号Kと第1光カーテン5の信号LDとの論理積演算を行う。ORゲートOR7は、オン・ディレー回路OND3からの検出信号PT′とANDゲートA19の出力との論理和演算を行う。自己保持回路M13は、ORゲートOR7の出力をトリガ入力とし、信号P2と信号P3の論理積信号P2∧P3をホールド入力とする。ORゲートOR8は、ORゲートOR7の出力と自己保持回路M13の出力の論理和演算を行いスライド運転信号Opを発生する。従って、手動起動時は、始動ボタン24のON操作毎にORゲートOR7からの出力に基づいて手動によるスライド運転信号Opが発生する。また、自動制御時は、オン・ディレー回路OND3からの退出検出信号PT′の発生毎に自動制御によるスライド運転信号Opが発生する。
そして、自動起動運転と手動起動運転の切換えは、第2光カーテン21の電源スイッチ(図示せず)の入/切によって行うことができる。即ち、第2光カーテン21の電源スイッチの入/切によって第2光カーテン21の信号LDnの発生が制御でき、電源入りでは検出信号PT′が発生可能で自動起動が可能となり、電源切りでは検出信号PT′は発生せず自動起動ができない。従って、第2光カーテン21の電源スイッチが切換え手段の機能を有する。
次に動作を説明する。
まず、自動起動制御の場合について説明する。
最初のスライド起動は、始動ボタン24のON操作で行う。スライド2が正常位置に停止していれば、始動ボタン24のON操作により、手動起動回路104のANDゲートA18から手動起動信号Kが発生する。手動起動信号Kの発生で、ANDゲートA19の出力が発生し、ORゲートOR7を介してORゲートOR8からスライド運転信号Opが発生しスライド2が起動を開始する。同時に、オーバーラン監視回路101の自己保持回路M11がセットされ出力が生成される。
スライド2が下死点を通過すると、自動起動制御回路105の自己保持回路M13の出力が信号P2∧P3によって自己保持され自動上昇する。また、自己保持回路M13の出力によって許可条件監視回路102の自己保持回路M5の出力が生成され、始動ボタン24がOFFしていればANDゲートA4から自動起動許可信号AS′が生成する。第2光カーテン21が動作状態にあれば、その後は、作業者のワーク交換作業の完了毎に発生する退出検出信号PT′の発生によってORゲートOR7を介してORゲートOR8から自動的にスライド運転信号Opが発生し、自動起動制御に移行する。
手動起動運転の場合は、第2光カーテン21の電源を切る。これにより、検出信号PT′は発生しない。従って、ブレーキ正常信号OVRが生成されていば、作業者の始動ボタン操作のみでスライド運転信号Opが発生し、スライド2の1往復毎に信号P2でリセットされる。このため、スライド1往復毎の始動ボタン操作による手動運転が実行できる。
次に、この装置で使用する光カーテンの構成について述べる。
光カーテンの投光器及び受光器は、各々ある指向性を持つ。このため、図38で示すように、間隔rで対峙している投光器Aと受光器Bの中心軸からある距離dの位置に反射板C(例えば鏡)を置くと、反射板Cからの反射光により投受光器A、Bの中心軸上でない所からも光を受光する。反射板Cで反射して受光器Bで受光される光は、恰も投光器Aが反射板Cを挟んで図中A′(点線で示す)の位置にあるかのように受信されることは公知である。
図39は、投光器Aと受光器Bの指向角が共に半値角で4度の場合と、2度の場合とにおいて、受光器Bの中心軸上の受信レベルが14dB低下した時に「受光なし」を示す光カーテンを用い、鏡面状反射板Cを図38のように置いた時に受光器Bの受信レベルが14dB低下する反射板Cの中心軸からの距離dcと投受光器A,B間距離rとの関係の測定結果である。
図39から明らかなように、投受光器間距離rが大きくなる程、また、投受光器の指向性が低くなる程、中心軸からの距離dcは大きくなることが分かる。
図40(A)は、反射板Cが任意の向きをとれるものとして、投受光器間隔rを3mに固定し上述の閾値−14dBに達する反射板Cの中心軸上からの距離dcの測定結果の例である。
図40(A)で、曲線aは、投光器Aと受光器Bの指向角が共に半値角で2度の場合であり、中心軸から反射板Cまでの距離dcが最も遠くなる位置は投受光器間の中央となる。曲線bは、投光器Aの指向角を半値角で約4度、受光器Bの指向角を半値角で約5度とした場合であり、中心軸から反射板までの距離dcが最大となる位置が中央より受光器B側に寄っている。そして、上述の閾値−14dBに達する反射板Cの距離dcと向きは、図40(B)で示すように投受光器間の場所によって異なる。
図39、図40の測定結果は、安全装置に適用される光線式センサとして以下の意味を持つ。
(1)例えばボルスタ上若しくは光カーテン近くに金属製物体等の反射物体が存在すると、例え光カーテン中心軸上の光ビームを作業者の手が遮ったとしても、反射物体による反射光が受光されて作業者の手の侵入を通報できない虞れがある。特に、図41に示すように光カーテンの縦に複数並んだ光ビーム列に対して平行に反射物体が存在する場合、これら光ビームの全てがこの状況に陥る。
(2)投光器と受光器の指向性を異ならせることによって、反射光の影響が存在する反射板の投受光器中心軸上からの最大距離を、投光器側若しくは受光器側に移動させることができる。殊に、現状の投光素子と受光素子を用いて投光器若しくは受光器を設計する場合、投光器に比較して受光器の指向角を狭くすることが難しい。
上記(2)の特徴を利用して、反射物体による中心軸からの影響範囲を狭くする光カーテンの構成例を図42に示し説明する。
図42において、光カーテンの縦に複数例えばm個並べた一対の投光素子anと受光素子bn(n=1〜m)を、交互に逆に配置する。即ち、光カーテンの一方側には、投光素子an(n=1,3,・・・,m−1)と受光素子bn(n=2,4,・・・,m)を配置し、他方側には、投光素子an(n=2,4,・・・,m)と受光素子bn(n=1,3,・・・,m−1)を配置する。そして、上から一番目と二番目、三番目と四番目のように縦方向に並ぶ2つの受光素子の出力の論理積演算の結果が論理値1となった時に「受光有り」とする。
かかる構成によれば、図43に示すように、光カーテンの一方の受光素子側における反射板の影響範囲が曲線aであり、他方の受光素子側における反射板の影響範囲が曲線bとなる。従って、両受光素子の論理積演算結果、即ち、一方と他方の各受光素子の受光レベルが共に閾値を越える時のみ受光があるとすれば、反射板の影響する範囲は、図43の曲線aと曲線bが重なった斜線領域となり、それぞれの曲線a,bの中心軸からの最大距離daに比較して中心軸からの最大距離dbを短くでき、反射板の影響範囲を狭くできる。
従って、プレス機械に適用する光カーテンを構成する場合、光カーテンを構成する縦に並ぶ複数の投光素子anと受光素子bnを、図42のように構成すれば、これらの投光素子/受光素子列に平行に反射物体が存在する場合、実質的に反射光による影響範囲を狭くすることができ、光カーテンの信頼性が向上し、延いては作業者の安全性を向上できる。
次に、上記(1)の問題について述べる。
例えば、図1に示すプレス機械(光カーテン5と運転ボタン4を備えるプレス機械)では、光カーテン5とボルスタ3との距離は、1.6Tcm(Tの単位はms)と定められている。ここで、Tは作業者が光カーテンを遮ってからスライドが停止するまでの時間である。運転ボタンは、この距離1.6Tの外側に配置される。ところで、光カーテン5の複数並んだ投受光素子に縦に平行に反射物体がボルスタ正面にある場合、作業者はボルスタ上のワーク交換作業ができない。従って、光カーテンに対する反射物体からの反射光の影響を考える場合、作業に差し支えない所に反射物体が置かれた場合である。
例えば、作業者の作業範囲が図40(A)で投受光器間の中央から75cm(α−β間)の範囲とすると、図40(A)の曲線bの特性を持つ光カーテンを用いた場合、前記作業範囲(α−β間)外に反射物体が置かれた時に、投受光器の中心軸から最大で約7cm程度、実質ボルスタに近い所に恰も光カーテンが存在することになる虞れがある。ここで、例えば図8等に示す2つの光カーテン5,21に基づいたプレス機械の運転制御の場合、作業者の手が光カーテン21を遮った時、スライド起動許可の信号は消滅する。しかし、反射物体の反射光の影響を考えると、光カーテン21が例えば図40(A)の曲線bの特性であれば、光カーテン21の位置から7cmボルスタに近づいた位置に作業者の手が侵入して初めてスライド起動許可の信号が消滅する場合が起こる。このようなトラブルを避けるには、光カーテン21より7cm奥にもう一つの光カーテン5を配置すればよい。このようにすれば、万一、反射物体が光カーテン21から7cm奥に置かれても、この反射物体で光カーテン5が遮られることになる。
次に、光カーテンの縦に並ぶ光軸の幅(光軸間隔)について述べる。
手の指を検出するには光カーテンの光軸間隔は10mmとされる場合がある。本発明のシステムでは、光カーテン21と光カーテン5のどちらが遮られてもスライドの起動許可の信号を発生しない。よって、作業者の手は光カーテン21と光カーテン5のいずれで検出されてもよい。
従って、図44(A)〜(C)に示すように両光カーテン5,21を構成・配置するとよい。ここで、図44の(A)は斜視図、(B)は図(A)を上面から見た略図、(C)は図(A)を正面から見た略図である。図中、a1n,a2n(n=1,2,・・・)は各光カーテン5,21の投光素子を示し、b1n,b2nは各光カーテン5,21の受光素子を示す。
即ち、各光カーテン5,21の間隔gを、前述のように反射光の影響を考慮して配置すると共に、各光カーテン5,21の各光軸間隔fを20mmとして、互いの光カーテン5,21の光軸を縦方向に10mmずらして配置する。
かかる構成によれば、反射物体の影響を低減できるだけでなく、正面から見た時に両光カーテン5,21による光軸が実質的に10mm間隔で存在し、各光カーテン5,21については光軸数を半分に減らすことができ、各光カーテン5,21のコストを低減できる。
また、図45のように、各光カーテン5,21それぞれを、図44で説明した位置関係で配置した2列の投受光素子列を設けるようにしてもよい。
この場合、光カーテン5においては、図中手前側の光軸は、ボルスタから1.6Tより遠くに位置するから、例え手前側の光軸間(間隔が20mm)を指が通過しても、手の平の厚い所でその光軸が遮断されて手を検出できる。従って、ボルスタから1.6Tの所に10mmの幅で光軸を並べる場合に比べて、反射物体からの反射光による影響を避けることができる利点があるだけでなく、各光カーテン5,21の光軸数は10mm幅の光カーテンと同数であって、光センサのコストは大幅に上昇することがない。
尚、図44及び図45の構成において、各光カーテンの縦方向の投受光素子の配置を、図42のように、交互に反対向きにすれば反射物体の影響範囲が減少する。
図46は、光カーテンの指向性を高める別の構成例である。
図46において、光カーテンの投光素子an或いは受光素子bnの前面に、中心軸に平行に導光管Uを設ける。導光管Uは例えば中空パイプ等を用いればよい。導光管Uの中空部分の直径をDa、導光管Uの長さをLa、投光素子から出射、或いは受光素子に入射する光ビームと投光素子an或いは受光素子bnの中心軸とのなす最大角度をθとすると、中空部分の直径Daを小さくする程、また、導光管Uの長さLaを長くする程、θを小さくでき、投光素子an或いは受光素子bnの指向性を高めることができる。
そして、このような導光管Uを投光素子或いは受光素子の前面に設けて指向性を高めれば、図47に示すように互いに対向した光カーテンの投光器A側或いは受光器B側が例えば振動等によって図中ω方向に回転して中心軸のズレが起こった時、受光器B側から受光出力が発生せず、このズレを検出できるようになる。従って、投光素子an或いは受光素子bn自体の指向性が高くない場合でも、振動等による光カーテンの光軸のずれが検出可能となる。
尚、導光管Uの代わりに、投光素子an或いは受光素子bnの前面に凸レンズを設けても指向性を高めることができ、同様の効果を得ることができる。
次に、スライド駆動の信号伝達経路に関して述べる。
プレス機械では、スライド駆動のための運転信号伝達は通常リレー接点のスイッチングで行われる。このため、リレー接点の溶着故障は、直ちに危険側誤りとなるので、スライド1往復毎にバックチェックを行って(後述のB接点がONすることをチェックする)溶着故障していないことがモニタされる(特開平8−273508号公報等参照)。尚、欧州規格prEN50100−1で定義されるダイナミックな信号処理に基づいてスライド駆動の出力生成の構造をフェールセーフとすれば、バックチェックは不要である。具体的手段としては米国特許出願08/108579で示される実施例が公知である。しかし、既存設備を用いる場合、インタフェースを変更する必要がある。
スライドの通電回路に励磁時ONとなる2つのリレー接点(A接点とする)を直列接続する2重系の場合、各リレーの非励磁時ONとなるリレー接点(B接点とする)がONしていること(A接点がOFFしていること)をモニタして初めて両方のA接点がONするような起動時のチェックに基づくスイッチング制御が行われる。この場合では、一方のA接点が溶着しても、他方のA接点が正常ならば出力の遮断が可能である。しかし、両方とも溶着すれば、出力を遮断できない欠点がある。
また、図48は、スイッチSWBを常用遮断スイッチとし、スイッチSWAを非常用遮断スイッチとするPCT/JP96/00866で公知の構成のスイッチ回路である。
この構成では、図49のタイムチャートで示すように、非常用遮断スイッチSWAは通常は電流を直接ON/OFFせず、常用遮断スイッチSWBが溶着した時、或いは出力側が短絡した時、1度だけ電流を遮断する。
しかし、常用遮断スイッチSWBの溶着/短絡故障は、入力信号がOFFしないと分からない。入力信号があって、常用遮断スイッチSWBがONしてよい状況で、本当は故障して遮断能力を失っているかもしれない。また、常用遮断スイッチSWBが正常な場合、入力信号のOFFで直ちにスライドへの出力が遮断される(出力xが停止)。しかし、常用遮断スイッチSWBが短絡して非常用遮断スイッチSWAで出力を遮断する場合、オフ・ディレー回路の遅延時間TOFFだけ出力zが継続し応答が遅れる。これは、非常用遮断スイッチSWAで直接電流をON/OFFしない構成のスイッチ回路の宿命である。図中、TONはオン・ディレー回路の遅延時間を示す。
図50に、本発明のプレス機械の自動スライド運転制御装置に適用するスライド駆動のスイッチ回路例を示す。
図50において、本実施形態のスイッチ回路は、2つの常用遮断スイッチSWB1,SWB2の並列回路を、非常用遮断スイッチSWAと直列に接続する。そして、入力信号(スライドの運転信号に相当する)に基づいて、制御手段としての制御回路200から発生する、図51のタイムチャートに示すような互いに相補の出力関係を持つ2相信号
Figure 0003946261
(信号xの否定信号)によって、2つの常用遮断スイッチSWB1,SWB2を交互にON/OFF駆動する。前記制御回路200は、従来と同様に、入力信号の入力によってオフ・ディレー回路OFD10(図52に示す)を介して非常用遮断スイッチSWAにON駆動信号を出力すると共に、オン・ディレー回路OND10(図52に示す)を介して後述する2相信号発生回路122により前記2相信号
Figure 0003946261
を常用遮断スイッチSWB1,SWB2に出力する。また、制御回路200は、常用遮断スイッチSWB1,SWB2が共にOFF状態であることをモニタするモニタ回路201からOFF状態であることを示す信号VOFFが入力していることを条件に運転信号が入力すれば、非常用遮断スイッチSWAをON駆動する。更に、制御回路200は、各常用遮断スイッチSWB1,SWB2のスイッチング動作(ON/OFF動作)をモニタするモニタ回路202,203から交互にON/OFFしていることを示す信号AC1,AC2の入力によって、非常用遮断スイッチSWAのON状態を継続するよう制御する。
かかる構成によれば、非常用遮断スイッチSWAがONして通電してよい状況で、常用遮断スイッチSWB1,SWB2を交互にON/OFFすることで、短絡故障していないことを確認しつつ、連続的に通電することができる。もし、短絡故障があれば、たとえ入力信号があって通電してよい状況でも、非常用遮断スイッチSWAをOFFして電流を遮断する。
従って、従来のような図48の構成のように入力信号をOFFしないと常用遮断スイッチSWBの故障が判らないのに対して、入力信号がONしている状態で常用遮断スイッチSWB1,SWB2の故障に気付いたら直ちに出力を遮断できる利点がある。
次に、図52に、常用遮断スイッチSWB1,SWB2のOFF確認に基づいて非常用遮断スイッチSWAをONし、以後、常用遮断スイッチSWB1,SWB2の正常確認を、常用遮断スイッチSWB1,SWB2のスイッチング動作(ON/OFF動作)をモニタすることで、非常用遮断スイッチSWAのON継続を許可する前記制御回路200の基本構成図を示す。
図52において、常用遮断スイッチSWB1,SWB2が共にOFFしている状況(モニタ回路201からOFF確認信号VOFFが発生している)で入力信号が発生すると、ANDゲートA20から出力が発生し、オフ・ディレー回路OFD10の出力信号zによって非常用遮断スイッチSWAがONする。その後、オン・ディレー回路OND10で定まる遅延時間後に2相信号
Figure 0003946261
が生成されて、常用遮断スイッチSWB1,SWB2が交互にON/OFFする。これと同時に、常用遮断スイッチSWB1,SWB2のスイッチング動作がモニタ回路202,203でモニタされ、正常の場合は信号AC1,AC2が共に発生することで正常確認信号VSWが発生してORゲートOR10の出力が継続し、非常用遮断スイッチSWAはONし続ける。入力信号が発生している状況で、常用遮断スイッチSWB1,SWB2のいずれか一方、又は両方に出力側短絡故障を生じると、正常確認信号の停止で非常用遮断スイッチSWAがOFFする。それ以後、常用遮断スイッチSWB1,SWB2のOFF確認信号VOFFは生成されず、非常用遮断スイッチSWAのON駆動は不能となる(ロックアウトされる)。
図53に、常用遮断スイッチSWB1,SWB2としてトランジスタを使用した場合の、OFF確認信号VOFFを生成するモニタ回路201及びスイッチング動作の正常確認信号VSWを生成するモニタ回路202,203の具体例を示す。
図53において、モニタ回路201は、電源電位VCCを抵抗RDを介して非常用遮断スイッチSWAと常用遮断スイッチSWB1,SWB2との間の通電線に接続して構成される。また、110,111は整流回路、CT1,CT2はカレントセンサで、カレントセンサCT1と整流回路110でモニタ回路202が構成され、カレントセンサCT2と整流回路111でモニタ回路203が構成される。RYはリレーで、そのA接点が非常用遮断スイッチSWAとなる。
かかる構成では、常用遮断スイッチSWB1,SWB2が共にOFFしている時に限り、モニタ回路201から電源電位VCCが抵抗RDを介してOFF確認信号VOFFとして発生する。常用遮断スイッチSWB1,SWB2のいずれか一方がONしていれば、OFF確認信号VOFFは0ボルトである。常用遮断スイッチSWB1,SWB2が交互にON/OFFしている場合に限り、カレントセンサCT1,CT2には交流信号が流れ、整流回路110,111から整流信号AC1,AC2が生成され、両モニタ回路202,203から信号AC1,AC2が発生する。そして、この両信号AC1,AC2の論理積出力が図52に示す正常確認信号VSWとなる。常用遮断スイッチSWB1,SWB2のいずれか一方がONのままになると、対応するカレントセンサCT1又はCT2の1次側に所定レベルより大きい値の電流が流れ整流回路110又は111の出力が停止する。
図54に、図53のモニタ回路を用いて図52の回路をフェールセーフに実現する具体的な回路例を示す。
図54において、120は立上がり検出回路、121は増幅器、トランス及び整流回路で構成されるリレードライバ、122は発振器SG及びフリップ・フロップ回路F/Fを備える図52の2相信号発生回路である。コンデンサC1,C2は、4端子コンデンサであり、コンデンサC1はオン・ディレー回路OND10の機能を有し、コンデンサC2はオフ・ディレー回路OFD10の機能を有する。
かかる構成において、入力信号が発生すると、その立上がりに基づく立上がり検出回路120の出力がANDゲートA21に入力する。この時に、常用遮断スイッチSWB1,SWB2が共にOFF状態にあり、図53の回路からOFF確認信号VOFFが生成していれば、ANDゲートA21の出力に基づいてORゲートOR10の出力がANDゲートA20に印加され、ANDゲートA20から出力が生成される。これにより、リレードライバ121の出力に基づいてリレーRYが励磁され、その接点からなる非常用遮断スイッチSWAがONする。
また、リレーRYの励磁により接点k2がONし、所定時間後に発振器SGが動作し、フリップ・フロップ回路F/Fを介して互いの信号
Figure 0003946261
が生成され、常用遮断スイッチSWB1,SWB2が交互にON/OFFする。そして、正常動作時は、図53の信号AC1,AC2が生成され、ANDゲートA22を介して正常確認信号VSWが生成し、リレーRYは励磁され続ける。
常用遮断スイッチSWB1,SWB2を図55に示すように、リレーRY1,RY2のA接点(励磁時にONする接点)で構成した時、OFF確認信号VOFF及び正常確認信号VSWは、図56に示すようにリレーRY1,RY2のB接点(励磁時OFFする接点)を利用して生成できる。
即ち、OFF確認信号VOFFは、リレーRY1,RY2の第1B接点B11,B21を直列接続して生成する。また、正常確認信号VSWは、図57に示すように、常用遮断スイッチSWB1,SWB2が交互にON/OFFすることから、リレーRY1,RY2の第2B接点B12,B22の交互のON/OFF動作に基づく倍電圧整流回路130のコンデンCの充放電により生成する。この場合、第2B接点B12,B22のどちらか一方が、ON側又はOFF側に固定すると、コンデンサCは充放電を繰り返さなくなり、正常確認信号VSWは生成されない。
本実施形態によれば、図50のモニタ回路202,203を1つの回路で構成することができ、図52に示すANDゲートA22を省略することができる。
尚、本実施形態では、スイッチ回路を自動的にスライドを起動するプレス機械に適用した例を示したが、従来のような運転ボタン操作に基づいて手動でスライド駆動するプレス機械にも適用できることは言うまでもない。また、本発明のスイッチ回路は、プレス機械の可動部の通電回路に適用した場合について説明したが、プレス機械に限らず、負荷に通電するための通電回路を有する機械であればどのような機械にも適用できることは明らかである。
以上説明したように本発明によれば、第1及び第2の検出手段出力の時間的変化状態に基づいて作業者のワーク交換作業の完了を判断してスライドを自動起動するので、従来のような運転ボタン操作の必要がなく作業者の負担を軽減できる。そして、本発明では、プレス機械の運転制御のために生成する信号は、フェールセーフ制御の基本原理に基づいた運転許可を示す信号であって、出力停止の制御条件を与える信号ではない。従って、フェールセーフな構成である。また、作業者の異常な動作を監視し、異常な動作が行われた時に自動起動制御を停止する構成とすれば、スライドを自動起動制御する際の安全性がより向上する。
〔産業上の利用可能性〕
本発明は、プレス機械のスライド運転の自動運転化を、フェールセーフな構成で達成することができ、プレス作業の能率が向上し、作業者の安全を確実に確保できるので、産業上の利用可能性が大である。

Claims (27)

  1. ワークをセットしたボルスタ上にスライドを下降させて前記ワークを加工するプレス機械の自動スライド運転制御装置であって、
    前記ボルスタを含んで設定される第1の危険領域内に人体が侵入したか否かを検出する第1の検出手段と、
    前記第1の危険領域を含みその外側に設定される第2の危険領域内に人体が侵入したか否かを検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段から人体無しの検出信号が発生し続いて前記第2の検出手段から人体無しの検出信号が発生した時に前記第1及び第2の危険領域からの人体退出を示す人体退出検出信号を発生する退出検出手段と、
    該退出検出手段から人体退出検出信号が発生した時に前記スライドの自動起動信号を発生する起動制御手段と、
    該起動制御手段による自動起動制御の継続許可条件が満足されているか否を監視し満足されている時に自動起動許可信号を発生する許可条件監視手段と、
    を備え、
    前記起動制御手段は、前記自動起動許可信号が発生している時のみ前記人体退出検出信号の発生により前記自動起動信号を発生する構成としたことを特徴とするフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  2. 前記退出検出手段は、前記第2の検出手段から人体有りの検出信号が発生し続いて前記第1の検出手段から人体有りの検出信号が発生した後、前記第1の検出手段から人体無しの検出信号が発生し続いて前記第2の検出手段から人体無しの検出信号を発生した時に、前記人体退出検出信号が発生する構成とした請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  3. 前記退出検出手段は、人体退出時は前記第2の検出手段の人体無しの検出信号で人体退出と判断し人体退出検出信号を発生し、人体侵入時は前記第1の検出手段の人体有りの検出信号で人体侵入と判断し前記人体退出検出信号を停止する構成である請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  4. 前記退出検出手段は、前記スライドの上昇区間内において、前記第1の検出手段から人体有りの検出信号が発生した後に前記第2の検出手段から人体無しの検出信号が発生した時のみ、前記第2の検出手段の人体無しの検出信号に基づいて人体退出検出信号が発生する構成である請求項3記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  5. 前記ボルスタを囲むように、前記第2の危険領域周囲に、作業者のワーク挿入領域を除いて防護柵を設ける構成とした請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  6. 前記防護柵は、前記ワーク挿入領域の上方柵部分を透明部材とする請求項5記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  7. 前記許可条件監視手段は、スライド下降中に前記第1及び第2の検出手段の人体無しの検出信号が消滅した時に前記自動起動許可信号を停止する構成である請求項記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  8. 前記許可条件監視手段は、前記第1及び第2の検出手段からの人体無しの検出信号が発生してから所定時間以内に前記第1及び第2の検出手段から人体有りの検出信号が発生した時に前記自動起動許可信号を停止する構成である請求項記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  9. 前記許可条件監視手段は、前記第1及び第2の検出手段からの人体有りを示す信号の発生間隔が、予め設定した作業間隔時間を越えた時に前記自動起動許可信号を停止する構成である請求項記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  10. 作業者が手動操作する始動ボタンを設け、前記起動制御手段は、前記始動ボタンのON操作に基づいて動作可能にセットされて前記人体退出検出信号に基づいて自動起動信号を発生する構成である請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  11. 前記起動制御手段は、前記始動ボタンのON操作で前記スライドの手動起動信号を発生する手動起動信号発生手段と、前記手動起動信号に基づいて起動されたスライドが下死点を通過した時にセットされて前記人体退出検出信号に基づいて前記自動起動信号を発生する自動起動信号発生手段とを備える構成である請求項10記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  12. 前記起動制御手段は、前記始動ボタンがONした後にOFFしたことを確認する始動ボタンOFF確認手段を有し、前記始動ボタンOFF確認手段の確認信号の発生で動作可能にセットされる構成である請求項10記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  13. スライド上昇区間で前記退出検出回路からの退出検出信号をリセットするリセット手段を有する請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  14. スライド上昇区間で発生するブレーキ信号に基づいて前記スライドが上死点を含む所定範囲内の位置に停止したか否かを監視し前記所定範囲内に停止した時にブレーキ正常信号を発生するオーバーラン監視手段を備え、前記起動制御手段は、前記ブレーキ正常信号が発生した時に自動起動信号の発生が許可される構成である請求項13記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  15. 前記オーバーラン監視手段は、前記所定範囲内にスライドが停止した状態で前記人体退出検出信号が発生した時に前記ブレーキ正常信号が継続される構成である請求項14記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  16. 前記オーバーラン監視手段のブレーキ正常信号を前記許可条件監視手段に入力し、前記ブレーキ正常信号が発生している時に前記許可条件監視手段から自動起動許可信号の発生を可能とする構成である請求項14記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド起動運転制御装置。
  17. 作業者の手動操作に基づいてスライドの手動起動信号を発生する手動起動手段と、該手動起動手段によるスライド起動運転と前記起動制御手段によるスライド起動運転を切換え手段により選択可能に構成した請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  18. 前記切換え手段は、前記第2の検出手段の電源スイッチであり、前記電源スイッチの投入で前記起動制御手段がセットされる構成である請求項17記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  19. 前記人体退出検出信号を所定時間遅延して前記起動制御手段に入力する遅延手段を備える請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  20. 前記第1及び第2の検出手段は、前記それぞれの危険領域の境界部にそれぞれ対向配置した発光素子と受光素子とからなるインタラプタ型光センサである請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  21. 前記光センサは、互いに対向する発光素子及び受光素子が、前記危険領域の境界面に沿って垂直方向に複数個設けられる構成である請求項20記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  22. 前記光センサは、前記危険領域の境界面の一方側の垂直方向に発光素子と受光素子を交互に配列し、他方側の垂直方向に前記一方側の発光素子と受光素子に対向させて受光素子と発光素子を交互に配列する構成である請求項21記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  23. 前記第1の危険領域の境界面に設ける第1の光センサの光軸と、前記第2の危険領域の境界面に設ける第2の光センサの光軸とを、前記境界面を正面方向から見た時に境界面に沿って垂直方向にずらして配置する請求項21記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  24. 前記起動制御手段からの自動起動信号に基づく駆動信号の発生により、前記スライドの通電回路を閉成するスイッチ回路が、前記起動信号の入力と同時にONし入力停止から所定のオフ・ディレー時間後にOFFする非常用遮断スイッチと、前記起動信号の入力から所定のオン・ディレー時間後にONし入力停止と同時にOFFする2つの常用遮断スイッチとを備え、前記2つの常用遮断スイッチを互いに並列接続して前記非常用遮断スイッチと直列接続する構成とし、前記2つの常用遮断スイッチを、互いに相補の関係を有する信号により交互にON/OFF駆動する構成である請求項1記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  25. 前記非常用遮断スイッチは、前記2つの常用遮断スイッチが共にOFFしていることを示すOFF確認信号によりON駆動され、前記2つの常用遮断スイッチが交互にON/OFFしている正常状態を示す正常確認信号により、ON状態が継続される構成である請求項24記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  26. プレス機械可動部の通電回路の開閉を制御するスイッチ回路を備えるプレス機械の自動スライド運転制御装置であって、前記通電回路に、前記可動部の起動信号の入力と同時にONし入力停止から所定のオフ・ディレー時間後にOFFする非常用遮断スイッチと、前記起動信号の入力から所定のオン・ディレー時間後にONし入力停止と同時にOFFする2つの常用遮断スイッチとを備えると共に、前記2つの常用遮断スイッチを互いに並列接続して前記非常用遮断スイッチと直列接続すると共に、前記2つの常用遮断スイッチを、前記起動信号に基づく互いに相補の関係を有する信号により交互にON/OFF駆動する構成とする一方、前記2つの常用遮断スイッチが交互にON/OFFしていることを条件として前記非常用遮断スイッチを閉成保持する制御手段を設けたことを特徴とするフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
  27. 前記制御手段は、前記起動信号入力時に前記2つの常用遮断スイッチが共にOFFしていることを示すOFF確認信号が発生していることを条件に前記非常用遮断スイッチのON駆動信号を発生し、前記起動信号に基づいて前記2つの常用遮断スイッチが交互にON/OFFしている正常状態を示す正常確認信号が発生していることを条件に前記非常用遮断スイッチのON駆動信号を継続して発生する構成である請求項26記載のフェールセーフなプレス機械の自動スライド運転制御装置。
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