JP3597629B2 - 運転信号発生回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに連動するメーク接点とブレーク接点を有する運転スイッチを用いて再起動防止機能を持たせて、作業者の安全を図りつつ産業機械の運転信号を発生する運転信号発生回路に関し、特に、作業者が単独或いは2人のどちらでも作業できるよう作業の運用形態に自由度を持たせた運転信号発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、工場等に設備される産業機械の運転は、作業者と機械可動部とが接触して事故が発生する危険領域に作業者がいないことを確認するだけでなく、作業者が管理上安全な領域に戻ったことを確認してはじめて機械可動部の起動を許可する再起動防止の機能を備えるべきことになっている(産業用ロボットの安全通則(JIS B 8433等))。
【0003】
この作業者が安全な領域に戻っていることの確認を行うのに、従来では互いに連動しON−OFF動作が相補の関係であるメーク接点(作業者が操作した時にONとなる)とブレーク接点(作業者が操作を解除した時にONとなる)とを有する運転スイッチが用いられており、図13に従来のこの種の運転信号発生回路を示す。
【0004】
図13は、運転スイッチがON故障していないこと、言い換えれば、運転スイッチがOFFしていることを確認して運転信号を発生する構成の従来の運転信号発生回路である。
図13において、運転スイッチSWは、互いに連動しON−OFF動作が相補の関係にあるメーク接点aとブレーク接点bとを有し、ブレーク接点bが、電源Eとアースとの間に電磁リレーRY1と直列接続し、メーク接点aが、電源Eとアースとの間に電磁リレーRY2と直列接続する。また、前記電磁リレーRY1の励磁接点r11と電磁リレーRY2の励磁接点r21との並列回路を、運転スイッチSWのメーク接点aと電磁リレーRY2との間に直列接続している。更に、電磁リレーRY2の別の励磁接点r22が、機械可動部(図示せず)の運転信号供給路1に直列接続される。電源Eと運転スイッチSWとの間には、リセットスイッチ2を設ける。
【0005】
かかる構成では、機械可動部の起動前で作業者が運転スイッチSWを操作していない時には、運転スイッチSWのブレーク接点bがONでメーク接点aがOFFの状態にある。この状態では、電磁リレーRY1が励磁され、その励磁接点r11がONとなっている。作業者が運転スイッチSWを押すと、ブレーク接点bがOFFして電磁リレーRY1は非励磁となるが、電磁リレーは通常5ms程度のOFF応答遅れを有しているので、この間にメーク接点aがONすれば電磁リレーRY2が励磁され、その励磁接点r21,r22がONし、運転信号供給路1が閉路されて機械可動部が起動する。電磁リレーRY2は励磁接点r21で自己保持されるので、作業者が運転スイッチSWを押している間は、電磁リレーRY2は励磁され続け機械可動部の運転が継続される。
【0006】
かかる従来の運転信号発生回路では、機械可動部の起動前に運転スイッチSWがON故障(メーク接点aが溶着故障)していると、ブレーク接点bがOFFのままとなり電磁リレーRY1が励磁されず、電磁リレーRY2の自己保持動作ができないので機械可動部は起動しない。従って、図13の従来回路は、運転スイッチSWにON故障がないことを確認して運転信号を発生させている。
【0007】
尚、この回路では、運転スイッチSWを押した後で運転スイッチSWにON故障が生じると、運転スイッチSWの操作を解除しても電磁リレーRY2が励磁され続けて機械可動部の運転信号が発生したままとなるので、リセットスイッチ2によって電磁リレーRY2への電源供給を強制的に遮断できるようにして作業者の安全を確保している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図13に示す従来の運転信号発生回路は、運転スイッチは1個であり作業者が単独の場合を想定した運用形態である。作業者が複数、例えば2人の場合には、運転スイッチを2つ用意して2つの運転スイッチが操作されている時に機械可動部の運転信号が発生するようにして再起動防止機能を持たせる必要がある。しかし、この場合、もし、1人で2個の運転スイッチを同時に操作できる位置に運転スイッチを配置すると、他の1人が機械可動部と接触する危険のある危険領域に存在していても機械可動部が起動される虞れがある。このため、2人で作業する運用形態を想定した場合には、2つの運転スイッチは、1人では同時に操作できない位置に配置しなければならない。
【0009】
このように、従来のように運転スイッチが共にONしている時に運転信号が発生する方式では、運転スイッチが1個の場合には1人の作業者で機械の運転を操作し、運転スイッチが2個の場合には2人の作業者で機械の運転を操作することで安全が確保できるものであり、従来の運転信号発生回路は、その運用形態が設計段階で決まってしまい運用形態の自由度が無かった。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、1人或いは2人のどちらでも作業者の安全を確保しつつ機械可動部の運転操作ができる、運用形態に自由度を持たせることができる運転信号発生回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため請求項1記載の発明では、互いに連動しON−OFF動作が互いに相補の関係にあるメーク接点とブレーク接点を有する運転スイッチを用い、作業者が運転スイッチを操作している期間だけメーク接点がONとなって機械可動部の運転信号が発生する構成の運転信号発生回路であって、前記運転スイッチを2個設け、一方の運転スイッチのメーク接点と他方の運転スイッチのブレーク接点とを直列接続して第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチのブレーク接点と他方の運転スイッチのメーク接点とを直列接続して第2信号伝達経路を形成し、作業者の前記運転スイッチ操作に基づいて前記第1及び第2信号伝達経路のいずれか一方の経路が閉路したことを検出してから所定時間内に他方の経路が閉路して信号が伝達された時に前記運転信号を発生する信号発生回路を備えて構成した。
【0012】
かかる構成では、初めに一方の運転スイッチのメーク接点をONとして対応する信号伝達経路を閉路し、次に他方の運転スイッチのメーク接点をONとして対応する信号伝達経路を閉路する。信号発生回路では、先の運転スイッチ操作により信号経路が閉路されて信号が伝達されたことを検出した時に、先の運転スイッチが操作されてから所定時間内に後の運転スイッチが操作されれば運転信号を発生するが、所定時間を越えれば運転信号を発生しない。従って、運転スイッチが故障して信号伝達経路が閉路しなければ運転信号は発生せず、運転スイッチが正常の時のみ運転信号の発生が可能である。また、先の運転スイッチが操作されてから後の運転スイッチが操作されるまでの所定時間を短過ぎず或いは長過ぎないよう適切に設定すれば、1人の作業者で2つの運転スイッチを操作することが可能であると共に、2人の作業者でそれぞれの運転スイッチを操作する場合も各運転スイッチの担当作業者が運転スイッチ付近に存在しなければ運転信号を発生できず安全を確保できる。
【0013】
請求項2記載の発明では、前記2つの運転スイッチを予め定めた順序で操作した時に前記信号発生回路から運転信号が発生する構成とした。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明における信号発生回路の回路構成として、前記第1信号伝達経路に直列接続した第1電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第1電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第1電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第1オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に直列接続した第2電磁リレーとを備え、前記第1電磁リレーの励磁接点と前記第2電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を前記第2電磁リレーと直列接続し、前記第2電磁リレーの第2励磁接点を機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした。
【0014】
請求項4記載の発明では、請求項2記載の発明における信号発生回路の別の回路構成として、前記第1信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第2信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第1自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記トリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第2オフ・ディレー回路とを備え、前記第1自己保持回路の出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした。
【0015】
かかる構成によれば、請求項3記載の発明のような電磁リレーを用いた回路では、リレー接点の溶着故障を配慮すると、バックチェックを用いたセーフティーリレーの構成をとる必要があるが、本請求項の構成では、このような配慮が不要である。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の構成において、前記第1及び第2信号伝達経路に、それぞれフォトインタラプタを介装し、各フォトインタラプタを介して前記第1自己保持回路にトリガ信号とホールド信号を入力させる構成とした。
【0016】
請求項6記載の発明では、請求項4記載の構成において、前記第1及び第2信号伝達経路に、それぞれトランスを介装し、各トランスを介して前記第1自己保持回路にトリガ信号とホールド信号を入力させる構成とした。
請求項7記載の発明では、前記2つの運転スイッチの操作順序に関係なく、信号発生回路から運転信号が発生可能な構成とした。
【0017】
かかる構成では、運転スイッチの操作順序を配慮する必要がなく、1人で作業する場合等の操作性が向上する。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の発明における信号発生回路の構成として、前記第1信号伝達経路に設けられる第3及び第4電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第3電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第3電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第3オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に設けられる第5及び第6電磁リレーと、前記第2信号伝達経路が開路して前記第5電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第5電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第4オフ・ディレー回路とを備え、前記第3電磁リレーと第4電磁リレーとを互いに並列接続し、第5電磁リレーの励磁接点と第4電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を、前記第3電磁リレーと並列且つ第4電磁リレーと直列に接続すると共に、前記第5電磁リレーと第6電磁リレーとを互いに並列接続し、第3電磁リレーの励磁接点と第6電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を、前記第5電磁リレーと並列且つ第6電磁リレーと直列に接続し、前記第4電磁リレーの第2励磁接点と前記第6電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を、機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした。
【0018】
請求項9記載の発明では、請求項7記載の発明における信号発生回路の構成として、前記第1信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第2信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第2自己保持回路と、前記第2信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第1信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第3自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記第2自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第5オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路が開路した時に前記第3自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第6オフ・ディレー回路とを備え、前記第2及び第3自己保持回路のそれぞれの出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした。
【0019】
請求項10記載の発明では、前記2つの運転スイッチが、それぞれ第1及び第2のブレーク接点と第1及び第2のメーク接点を有し、一方の運転スイッチの第1メーク接点と他方の運転スイッチの第1ブレーク接点とを直列接続して前記第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第1ブレーク接点と他方の運転スイッチの第1メーク接点とを直列接続して前記第2信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第2ブレーク接点と他方の運転スイッチの第2ブレーク接点とを直列接続して第3信号伝達経路を形成する構成とし、前記信号発生回路は、前記第1信号伝達経路に設けられる第7電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第7電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第7電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第7オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に設けられる第8電磁リレーと、前記第2信号伝達経路が開路して前記第8電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第8電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第8オフ・ディレー回路と、前記第3信号伝達経路に設けられる第9電磁リレーと、前記第3信号伝達経路が開路して前記第9電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第9電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第9オフ・ディレー回路と、前記一方の運転スイッチの第2メーク接点に直列接続する第10電磁リレーと、他方の運転スイッチの第2メーク接点に直列接続する第11電磁リレーとを備え、前記各電磁リレーを互いに並列接続し、第7電磁リレーの第1励磁接点と第11電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を前記第11電磁リレーと前記他方の運転スイッチの第2メーク接点との間に直列接続し、前記第8電磁リレーの第1励磁接点と第10電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を第10電磁リレーと前記一方の運転スイッチの第2メーク接点との間に直列接続し、第9電磁リレーの第1励磁接点と第7電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を前記第7電磁リレーに直列接続し、第8電磁リレーの第2励磁接点と第9電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を第8電磁リレーに直列接続し、前記第10電磁リレーの第2励磁接点と前記第11電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした。
【0020】
請求項11記載の発明では、前記2つの運転スイッチが、それぞれ第1及び第2のブレーク接点と第1及び第2のメーク接点を有し、一方の運転スイッチの第1メーク接点と他方の運転スイッチの第1ブレーク接点とを直列接続して前記第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第1ブレーク接点と他方の運転スイッチの第1メーク接点とを直列接続して前記第2信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第2ブレーク接点と他方の運転スイッチの第2ブレーク接点とを直列接続して第3信号伝達経路を形成する構成とし、前記信号発生回路は、前記第3信号伝達経路が開路した時に当該第3信号伝達経路からの信号の停止を所定時間遅延させる第10オフ・ディレー回路と、前記第1信号伝達経路からの信号を一方の入力信号とし前記第10オフ・ディレー回路からの出力信号を他方の入力信号とする第1論理積回路と、前記第2信号伝達経路からの信号を一方の入力信号とし前記第10オフ・ディレー回路からの出力信号を他方の入力信号とする第2論理積回路と、前記第1論理積回路の出力信号をトリガ信号とし前記他方の運転スイッチの第2メーク接点からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第4自己保持回路と、前記第2論理積回路からの信号をトリガ信号とし前記一方の運転スイッチの第2メーク接点からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第5自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記第4自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第11オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路が開路した時に前記第5自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第12オフ・ディレー回路とを備え、前記第4及び第5自己保持回路のそれぞれの出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした。
【0021】
かかる請求項10,11の構成によれば、一方の運転スイッチが押されている時に他方の運転スイッチが押された場合でも、運転信号を生成することが可能となる。従って、運転スイッチ操作に優先順位がない場合の2人作業時の使い勝手が向上する。
請求項12記載の発明では、前記機械可動部と接触する可能性のある危険領域内に作業者が存在しない時に出力を発生する監視手段を設け、該監視手段から出力が発生している時のみ前記第1及び第2信号伝達経路の信号伝達を可能とする構成とした。
【0022】
かかる構成によれば、機械可動部と接触する可能性のなる危険領域に作業者が存在する時には、決して運転信号が発生しないため、作業者の安全性をより一層高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明に係る運転信号発生回路の第1の実施形態の回路図を示す。尚、従来と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図1において、2つの第1及び第2運転スイッチSW1,SW2は、互いに連動しON−OFF動作が相補の関係にあるメーク接点a1 ,a2 とブレーク接点b1 ,b2 をそれぞれ有する。第1運転スイッチSW1のメーク接点a1 と第2運転スイッチSW2のブレーク接点b2 を直列接続して第1信号伝達経路11を形成し、第1運転スイッチSW1のブレーク接点b1 と第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 を直列接続して第2信号伝達経路12を形成する。第1信号伝達経路11と第2信号伝達経路12とは電源Eとアースとの間で並列に接続する。また、2つの運転スイッチSW1,SW2は、例えば互いに1人では同時に操作できない間隔を設けて配置する。
【0024】
前記第1信号伝達経路11には、第2運転スイッチSW2のブレーク接点b2 とアースとの間に、ダイオードDと電磁リレーRY1が順次直列に介装されている。また、抵抗RとコンデンサCとからなるオフ・ディレー回路13が、電磁リレーRY1と並列に接続しており、このオフ・ディレー回路13が、第1信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY1の励磁信号が遮断された時に当該電磁リレーRY1の消磁動作を所定時間遅延させる第1オフ・ディレー回路に対応する。第2信号伝達経路12には、第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 とアースとの間に電磁リレーRY2が直列に介装され、また、前記電磁リレーRY1の励磁接点r11と電磁リレーRY2の励磁接点r21との並列回路を、第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 と電磁リレーRY2との間に直列接続している。更に、電磁リレーRY2の別の励磁接点r22が、機械可動部(図示せず)の運転信号供給路1に直列接続される。本実施形態では、両電磁リレーRY1,RY2、オフ・ディレー回路13より信号発生回路が構成される。また、電磁リレーRY1が第1電磁リレーに対応し、電磁リレーRY2が第2電磁リレーに対応し、励磁接点r21,r22が、第2電磁リレーの第1及び第2励磁接点にそれぞれ対応する。
【0025】
次に第1の実施形態の動作を、図2に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
機械可動部の起動前で作業者が第1及び第2運転スイッチSW1,SW2を操作していない状態では、両運転スイッチSW1,SW2は共にブレーク接点b1 ,b2 がONで、メーク接点a1 ,a2 が共にOFFの状態にある。この状態から、まず、第1運転スイッチSW1を操作してメーク接点a1 をONにする。これにより、第1信号伝達経路11が閉路して図2に示すように電磁リレーRY1が励磁(ON)され、第2信号伝達経路12に設けたその励磁接点r11がONとなる。次に、第1運転スイッチSW1の操作を解除してメーク接点a1 をOFFすると、第1信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY1の励磁信号が遮断されるが、オフ・ディレー回路13の作用により、図2に示すように所定時間TD(抵抗RとコンデンサCの時定数により決定される)電磁リレーRY1の消磁動作が遅延される。
【0026】
この所定時間以内に、第2運転スイッチSW2を操作してメーク接点a2 をONすれば、第1運転スイッチSW1の操作解除によりブレーク接点b1 がONしているので第2信号伝達経路12が閉路し、電磁リレーRY1の励磁接点r11を介して電磁リレーRY2が図2に示すように励磁(ON)される。これにより、その励磁接点r21,r22が共にONとなり、励磁接点r22のON動作により機械可動部の運転信号供給路1が閉路して機械可動部が起動する。また、第1運転スイッチSW1が操作解除されてから所定時間TD経過すると電磁リレーRY1が消磁して励磁接点r11がOFFとなるが、その時には励磁接点r21が既にON状態にあり電磁リレーRY2が自己保持されるため、作業者の操作により第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 がONしている間は、機械可動部への運転信号は供給され続け、作業者が第2運転スイッチSW2の操作を解除したときに機械可動部への運転信号の供給が遮断されて機械可動部は停止する。
【0027】
かかる構成において、第1運転スイッチSW1の操作を解除してから所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作しない場合には、電磁リレーRY2が励磁されず運転信号は発生しない。また、一旦、第2運転スイッチSW2の操作を解除してメーク接点a2 をOFFした後に再度第2運転スイッチSW2を操作してメーク接点a2 をONしても、電磁リレーRY1の励磁接点r11がOFFしてるので電磁リレーRY2は励磁されず運転信号は発生しない。この第1実施形態では、機械可動部の起動時には、予め定めた操作順序、即ち、第1運転スイッチSW1を操作した後、所定時間TD内に第2運転スイッチSW2を操作した時のみ運転信号が発生する。そして、前記所定時間TDを適切な長さに設定することで、1人作業時の操作性と2人作業時の安全性を確保している。即ち、所定時間TDが長過ぎると、第1運転スイッチSW1が操作され機械可動部の起動が可能な状態にある時に第1運転スイッチを操作する作業者が機械可動部と接触する可能性のある危険領域に接近することが可能となり、このような時に第2運転スイッチSW2が操作されると危険である。また、所定時間TDが短過ぎると、作業者が1人の場合に第1運転スイッチSW1を操作した後に直ちに第2運転スイッチSW2を操作しなければならず、第1運転スイッチSW1の設置場所と第2運転スイッチSW2の設置場所との間の往復が大変であり、作業者の作業負担が大きく、1人作業の場合の作業性の面で問題がある。また、本実施形態によれば、第2運転スイッチSW2を一旦OFFした後は再度第1運転スイッチSW1をON操作しなければ運転信号が発生できない構成であり、第1運転スイッチSW1の操作者が不在の時に第2運転スイッチSW2を操作しても運転信号が発生せず2人作業時の安全性を確保できる。
【0028】
図1に示す第1実施形態の回路は、両運転スイッチSW1,SW2が故障しているか否かの検査機能も備えており、これについて説明する。
図3において、電源Eの電圧レベルをeとし、両運転スイッチSW1,SW2が共に正常とした時、第1及び第2運転スイッチSW1,SW2の操作に基づくA点、B点の信号レベルついて見ると、第1運転スイッチSW1が操作され且つ運転スイッチSW2が操作されていない時(メーク接点a1 ON且つブレーク接点b2 ON)は、抵抗RA に電流が流れてA点の信号レベルは+eとなる。また、第1運転スイッチSW1が操作されず且つ運転スイッチSW2が操作された時(ブレーク接点b1 ON且つメーク接点a2 ON)は、抵抗RB に電流が流れてB点の信号レベルは+eとなる。尚、第1運転スイッチSW1のメーク接点a1 とブレーク接点b1 、第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 とブレーク接点b2 は同時にはONしない。
【0029】
表1に、第1運転スイッチSW1のメーク接点a1 とブレーク接点b1 及び第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 とブレーク接点b2 に故障を生じた場合のA点とB点の出力状態を示す。尚、表1中でON故障とは接点の溶着、OFF故障とは断線を意味する。
【0030】
【表1】
【0031】
表1から明らかなように、両運転スイッチSW1,SW2の少なくともどちらかに故障を生じると、両運転スイッチSW1,SW2を操作した時にA点とB点の少なくとも一方は出力なしとなる。
即ち、第1の実施形態のような運転スイッチSW1,SWの接続構成にすれば、運転スイッチの少なくとも一方が故障していると、第1信号伝達経路11と第2信号伝達経路12のどちらか一方は閉路せず、両運転スイッチSW1,SW2が共に正常の時のみ、第1信号伝達経路11と第2信号伝達経路12が閉路して信号の伝達が可能となる。
【0032】
従って、第1運転スイッチSW1を操作した後、第2運転スイッチSW2を操作して機械可動部の運転信号が発生するということは、両運転スイッチSW1,SW2が共に正常であることを意味しており、第1の実施形態の回路は、両運転スイッチSW1,SW2の故障検出機能も備えている。
また、この回路では、第2運転スイッチSW2を操作した後、第2運転スイッチSW2にON故障が生じると、従来回路と同様に、作業者が第2運転スイッチSW2の操作を解除しても電磁リレーRY2が励磁され続けて機械可動部の運転信号が発生したままとなる。この場合、従来回路では、運転スイッチとは別にリセットスイッチ2を設けて電磁リレーRY2への電源供給を強制的に遮断するようにしているが、本実施例回路では、第1運転スイッチSW1をリセットスイッチ2として代用することができる。即ち、本実施例回路では、両運転スイッチSW1,SW2が共にONしている時には第1及び第2信号伝達経路11,12が共に形成されず信号伝達ができない構成となっており、第1運転スイッチSW1を操作してそのメーク接点a1 をONすれば相補の関係にあるブレーク接点b1 がOFFして電磁リレーRY2を消磁させることができ、従来回路におけるリセットスイッチ2を省略することができる。
【0033】
次に、図4に本発明の第2実施形態の回路を示し説明する。尚、第1実施形態の回路と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、図1の電磁リレーを用いて構成した信号発生回路を電子回路化したものである。
図4において、第1信号伝達経路11の第2運転スイッチSW2のブレーク接点b2 と抵抗RA との間に、抵抗RとコンデンサCとからなる図1と同一構成のオフ・ディレー回路13の入力側が接続し、オフ・ディレー回路13の出力側は、ダイオードDを介して後述する自己保持回路14のトリガ端子に接続する。このオフ・ディレー回路13が第1信号伝達経路11が開路した時にトリガ信号の停止を所定時間TD遅延させる第2オフ・ディレー回路に対応する。第2信号伝達経路12の第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 と抵抗RB との間に、前記自己保持回路14のホールド端子が接続する。ここで、自己保持回路14が第1自己保持回路に対応する。
前記自己保持回路14は、複数の抵抗とトランジスタからなるフェールセーフなANDゲートA1と、倍電圧整流回路REC1とフィードバック抵抗Rf とで構成され、トリガ信号とホールド信号が共に入力した時に発生するANDゲートA1の交流出力を、倍電圧整流回路REC1とフィードバック抵抗Rf を介してトリガ端子に帰還して出力信号を自己保持する構成である。そして、この自己保持回路14は、電源電圧VCCより高いレベルの入力信号が入力した時のみ交流信号を発生し故障時には交流信号を発生しないフェールセーフな構成である。このようなフェールセーフな自己保持回路は、米国特許4,757,417 号明細書、米国特許5,027,114 号明細書、WO94/23303及びWO94/23496等で従来公知である。また、フェールセーフなANDゲートは、米国特許4,661,880 号明細書、WO94/23303及びWO94/23496等で公知である。
【0034】
自己保持回路14の出力は、倍電圧整流回路REC2で整流され、この整流出力が発生した時に機械可動部に運転信号が供給される。ここで、本実施形態では、自己保持回路14、オフ・ディレー回路13及び倍電圧整流回路REC2を備えて信号発生回路が構成される。
尚、前記倍電圧整流回路REC1,2は、2つのコンデンサと2つのダイオードを有し、入力信号に電源電圧VCCを重畳した出力を発生する構成であり、米国特許5,027,114 号明細書及びWO94/23303等で従来公知である。
【0035】
次に動作を説明する。
両運転スイッチSW1,SW2の操作は図1と同様であり、第1運転スイッチSW1を操作した後、第2運転スイッチSW2を操作する。第1運転スイッチSW1を操作(メーク接点a1 ON)すると、第1信号伝達経路11が閉路してオフ・ディレー回路13のコンデンサCが充電され、自己保持回路14のトリガ端子に電源Eの電圧eに電圧VCCが重畳された高レベルの信号が印加される。次に、第1運転スイッチSW1の操作を解除した後に第2運転スイッチSW2を所定時間TD以内に操作(メーク接点a2 ON)すると、オフ・ディレー回路13の作用で自己保持回路14のトリガ信号が保持されている間に、第2信号伝達経路12から自己保持回路14のホールド端子側に高レベルの信号が印加し、自己保持回路14から出力が発生しトリガ端子側に帰還される。従って、自己保持回路14は、第2信号伝達経路12からホールド信号が入力している間は出力を自己保持して倍電圧整流回路REC2から整流出力が発生し続け、信号発生回路から出力vが発生して機械可動部に運転信号が供給される。作業者が第2運転スイッチSW2の操作を解除(メーク接点a2 OFF)したときに機械可動部への運転信号の供給が遮断されて機械可動部は停止する。
【0036】
かかる構成によれば、図1の電磁リレーによる回路の場合のようにリレー接点の溶着故障に配慮する必要がない。また、信号発生回路の電子回路化により、信号発生回路の小型化ができる。
図4では、電源Eに直流信号源を用いたが、交流信号源を用いて図5及び図6のように構成することができる。
【0037】
図5に示す第3実施形態の回路では、第1及び第2信号伝達経路11,12からのトリガ信号及びホールド信号を、それぞれフォトインタラプタ15,16を介して自己保持回路14側に伝達する構成とした。
即ち、第1信号伝達経路11の抵抗RA とアースとの間に、フォトインタラプタ15の発光素子であるフォトダイオードPD1を接続し、該フォトダイオードPD1に対面させて受光素子であるフォトトランジスタPT1を配置する。フォトトランジスタPT1のコレクタ側には電圧VCCを印加し、エミッタ側には抵抗R1 を介してアースを接続する。エミッタ側の交流出力は、倍電圧整流回路REC3を介して整流されて自己保持回路14のトリガ端子側に印加される。同様に、第2信号伝達経路12の抵抗RB とアースとの間に、フォトインタラプタ16のフォトダイオードPD2を接続し、該フォトダイオードPD2に対面させてフォトトランジスタPT2を配置し、フォトトランジスタPT2のコレクタ側には電圧VCCを印加し、エミッタ側には抵抗R2 を介してアースを接続する。エミッタ側の交流出力は、倍電圧整流回路REC4を介して整流されて自己保持回路14のホールド端子側に印加される。信号源としてはパルス発生器17が用いられる。尚、倍電圧整流回路REC3,4は、倍電圧整流回路REC1と同じ構成である。
【0038】
かかる動作について説明する。
第1運転スイッチSW1の操作により第1信号伝達経路11に介装されたフォトダイオードPD1が、パルス発生器17のパルス信号周波数に応じて発光し、これをフォトトランジスタPT1が受光して発生する交流出力が倍電圧整流回路REC3で整流され、この整流出力で第2オフ・ディレー回路の機能を有するコンデンサCが充電され、自己保持回路14のトリガ端子に高レベルの信号が印加される。そして、第1運転スイッチSW1の操作を解除した後に所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作すれば、前述と同様にして第2信号伝達経路12側のフォトインタラプタ16からの出力が倍電圧整流回路REC4を介して自己保持回路14のホールド端子に与えられる。これにより、自己保持回路14から出力が発生し当該自己保持回路14が自己保持されると共に倍電圧整流回路REC2から整流出力が発生して機械可動部の運転信号が供給される。
【0039】
図6に示す第4実施形態の回路では、信号源として交流電源18を用い、第1及び第2信号伝達経路11,12からのトリガ信号及びホールド信号を、それぞれのトランスT1,T2を介して自己保持回路14側に伝達する構成である。
かかる構成によれば、第1運転スイッチSW1の操作により第1信号伝達経路11に介装されたトランスT1を介して交流電源18の交流信号に対応する交流出力が倍電圧整流回路REC3に入力し、整流されて自己保持回路14のトリガ端子に高レベルの信号が印加される。第1運転スイッチSW1の操作を解除した後に所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作すれば、第2信号伝達経路12側のトランスT2及び倍電圧整流回路REC4を介して自己保持回路14にホールド端子に高レベルの信号が入力し、自己保持回路14から出力が発生し自己保持回路14が自己保持されると共に倍電圧整流回路REC2から整流出力が発生して機械可動部の運転信号が供給される。
【0040】
次に図7に第5の実施形態の回路を示し説明する。
前述の第1〜4の実施形態の回路は、両運転スイッチSW1,SW2を予め定めた順序(第1運転スイッチSW1を操作した後に第2運転スイッチSW2を操作)で操作しなければ機械可動部の運転信号が発生しない構成であるが、この第5実施形態は、第1運転スイッチSW1,SW2のどちらを先に操作してもよく、操作順序に関係なく運転信号が発生できる構成である。尚、図1の実施形態の構成要素と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
図7において、本実施形態の回路は、図1の回路構成に、電磁リレーRY3,RY4、これら電磁リレーRY3,RY4の各励磁接点r31,r32,r41、ダイオードD′及びオフ・ディレー回路13′を新たに付加して構成した。
即ち、図1の回路構成において、前記第1信号伝達経路11の電磁リレーRY1とダイオードDの直列回路に対して電磁リレーRY3を並列接続し、電磁リレーRY3の第1励磁接点r31と電磁リレーRY4の励磁接点r41との並列回路を、電磁リレーRY1とダイオードDに対して並列且つ電磁リレーRY3に対して直列に接続する。また、前記第2信号伝達経路12の電磁リレーRY2と励磁接点r11、r21の並列回路の直列回路に対して電磁リレーRY4と新たに設けたダイオードD′の直列回路を並列接続し、電磁リレーRY4に対してコンデンサC′と抵抗R′からなるオフ・ディレー回路13′を並列接続している。更に、電磁リレーRY2,RY3の励磁接点r22,r32の並列回路が運転信号供給路1に直列に介装される。尚、オフ・ディレー回路13,13′は同一の構成である。
【0042】
この回路で、電磁リレーRY1が第3電磁リレーに、電磁リレーRY2が第6電磁リレーに、電磁リレーRY3が第4電磁リレーに、電磁リレーRY4が第5電磁リレーに、それぞれ対応し、2つのオフ・ディレー回路13,13′がそれぞれ第3及び第4オフ・ディレー回路に対応する。また、本実施形態では、電磁リレーRY1〜4、2つのオフ・ディレー回路13,13′を備えて信号発生回路が構成される。
【0043】
次に動作を説明する。
第1運転スイッチSW1を先に操作し所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作した時の動作は、図1の第1実施形態と同様であるので説明を省略し、ここでは、第2運転スイッチSW2を先に操作し、その後、第1運転スイッチSW1を操作した場合についてのみ説明する。
【0044】
先に第2運転スイッチSW2を操作してメーク接点a2 をONした場合、第2信号伝達経路12が閉路して電磁リレーRY4が励磁され、第1信号伝達経路11側の励磁接点r41がONとなる。その後、第2運転スイッチSW2の操作を解除してメーク接点a2 をOFFすると、第2信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY4の励磁信号が遮断されるが、当該電磁リレーRY4に並列接続したオフ・ディレー回路13′の作用により、所定時間TDだけ電磁リレーRY4の消磁動作が遅延される。この所定時間TD以内に、第1運転スイッチSW1を操作してメーク接点a1 をONすれば、第1信号伝達経路11が閉路し、電磁リレーRY4の励磁接点r41を介して電磁リレーRY3が励磁(ON)され、その励磁接点r31,r32が共にONとなり、励磁接点r32のON動作により機械可動部の運転信号供給路1が閉路して機械可動部が起動する。また、第2運転スイッチSW2が操作解除されてから所定時間TD経過すると電磁リレーRY4が消磁して励磁接点r41がOFFとなるが、励磁接点r31のON動作で電磁リレーRY3が自己保持されているため、第1運転スイッチSW1を作業者が操作している間、機械可動部への運転信号は供給される。
【0045】
かかる構成によれば、第1及び第2運転スイッチSW1,SW2の操作順序に関係なくどちらを先に操作しても、運転信号を発生させることができる。従って、1人で作業する場合に、機械可動部を起動させる際に第2運転スイッチSW2の付近に作業者がいた時に、わざわざ第1運転スイッチSW1の位置まで行くことなく、第2運転スイッチSW2を操作してから第1運転スイッチSW1の位置に行けばよく、運転の操作性が向上する。
【0046】
次に図8に第6実施形態の回路を示し説明する。
この第6実施形態の回路は、図7の回路の信号発生回路を電子回路化したものであり、図5の第3実施形態を改良したものである。図5に示す実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図8において、本実施形態は、図5の回路に、ANDゲートA1′、倍電圧整流回路REC1′及びフィードバック抵抗Rf′からなる自己保持回路14′と、2つのフォトインタラプタ15′,16′と、3つの倍電圧整流回路REC2′〜4′を付加して構成される。
【0047】
即ち、第1信号伝達経路11側において、フォトインタラプタ15のフォトダイオードPD1と直列に、フォトインタラプタ16′のフォトダイオードPD2′を接続する。このフォトダイオードPD2′と対面するフォトトランジスタPT2′のエミッタと抵抗R2 ′との中間点から発生するフォトインタラプタ16′の交流出力信号は、倍電圧整流回路REC4′で整流されて自己保持回路14′のホールド端子に入力する。同様にして、第2信号伝達経路12側において、フォトインタラプタ16のフォトダイオードPD2と直列に、フォトインタラプタ15′のフォトダイオードPD1′を接続する。このフォトダイオードPD1′と対面するフォトトランジスタPT1′のエミッタと抵抗R1 ′との中間点から発生するフォトインタラプタ15′の交流出力信号は、倍電圧整流回路REC3′で整流されて自己保持回路14′のトリガ端子に入力する。自己保持回路14′は、自己保持回路14と同一構成であり、その出力信号は、倍電圧整流回路REC2′で整流される。
【0048】
この実施形態で、自己保持回路14,14′が、それぞれ第2自己保持回路と第3自己保持回路に対応し、各自己保持回路14,14′のトリガ端子側にそれぞれ接続された各コンデンサC,C′が第5オフ・ディレー回路と第6オフ・ディレー回路に対応する。
次に動作を説明する。
【0049】
第1運転スイッチSW1を先に操作し所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作した時の動作は、図5の第3実施形態と同様であるので説明を省略し、ここでは、第2運転スイッチSW2を先に操作し、その後、第1運転スイッチSW1を操作した場合についてのみ説明する。
第2運転スイッチSW2の操作により第2信号伝達経路12に介装されたフォトインタラプタ15′のフォトダイオードPD1′が、パルス発生器17のパルス信号周波数に応じて発光し、これをフォトトランジスタPT1′が受光して発生する交流出力が倍電圧整流回路REC3′で整流され、この整流出力でコンデンサC′が充電され、自己保持回路14′のトリガ端子に高レベルの信号が印加される。運転スイッチSW2の操作を解除した後に所定時間TD以内に第1運転スイッチSW1を操作すれば、第1信号伝達経路11側のフォトインタラプタ16′からの出力が倍電圧整流回路REC4′を介して自己保持回路14′のホールド端子に与えられる。これにより、自己保持回路14′から出力が発生し倍電圧整流回路REC2′から整流出力が発生して機械可動部の運転信号が供給される。
【0050】
かかる構成によれば、第1運転スイッチSW1を先に操作した時には、倍電圧整流回路REC2からの出力に基づいて運転信号が発生し、第2運転スイッチSW2を先に操作した時には、倍電圧整流回路REC2′からの出力に基づいて運転信号が発生する。従って、どちらの運転スイッチSW1,SW2を先に操作しても運転信号を発生でき、1人で作業する場合の操作性を向上できると共に、電磁リレーによる回路に比べて信号発生回路を小型化できる。
【0051】
ところで、上述のように両運転スイッチSW1,SW2の操作に優先順位を設けていない場合、2人作業時においては、1人の作業者が運転スイッチを押している時に他方の作業者がもう1つの運転スイッチを押してしまうような操作状況が考えられる。
このような操作が行われた場合、図7や図8の回路構成では運転信号が生成されない。例えば、図7の回路において、例えば運転スイッチSW1がONしている時に(ブレーク接点b1 がOFF、メーク接点a1 がONの時)、他方の運転スイッチSW2がONすると、両信号伝達経路11,12が共に遮断されて全ての電磁リレーRY1〜RY4がOFFとなって運転信号は生成されない。運転スイッチSW2が押されている時に運転スイッチSW1が押された場合も同様である。従って、2人作業時における使い勝手の面で充分とは言えない。
【0052】
図9には上述の問題を解消した本発明の第7実施形態の回路構成例を示す。
図9は、図7の電磁リレーによる回路を改良したものである。
図9において、本実施形態の第1及び第2運転スイッチSW1′,SW2′は、それぞれ第1及び第2のメーク接点a1 ,a1 ′とa2 ,a2 ′と、第1及び第2のブレーク接点b1 ,b1 ′とb2 ,b2 ′を有する。第1運転スイッチSW1′の第1メーク接点a1 と第2運転スイッチSW2′の第1ブレーク接点b2 を直列接続して形成される第1信号伝達経路11には、電磁リレーRY1とオフ・ディレー回路13の並列回路と、ダイオードDと、前記電磁リレーRY1の第2励磁接点r12と後述する電磁リレーRY5の第1励磁接点r51の並列回路が直列接続される。また、第1運転スイッチSW1′の第1ブレーク接点b1 と第2運転スイッチSW2′の第1メーク接点a2 を直列接続して形成される第2信号伝達経路12には、電磁リレーRY4とオフ・ディレー回路13′の並列回路と、ダイオードD′と、前記電磁リレーRY4の第2励磁接点r42と電磁リレーRY5の第2励磁接点r52の並列回路が直列接続される。更に、第1運転スイッチSW1′の第2ブレーク接点b1 ′と第2運転スイッチSW2′の第2ブレーク接点b2 ′を直列接続して第3信号伝達経路30を形成し、この第3信号伝達経路30に、前記電磁リレーRY5とオフ・ディレー回路13′′の並列回路と、ダイオードD′′を直列接続する。前記オフ・ディレー回路13′′は、オフ・ディレー回路13,13′と同様に抵抗R′′とコンデンサC′′で構成される。第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′には、電磁リレーRY3と、該電磁リレーRY3の第1励磁接点r31と電磁リレーRY4の第1励磁接点r41の並列回路が直列接続される。また、第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′には、電磁リレーRY2と、該電磁リレーRY2の第1励磁接点r21と電磁リレーRY1の第1励磁接点r11の並列回路が直列接続される。そして、電磁リレーRY2の第2励磁接点r22と電磁リレーRY3の第2励磁接点r32の並列回路が運転信号供給路1に直列接続している。
【0053】
ここで、電磁リレーRY1が第7電磁リレーに、電磁リレーRY2が第11電磁リレーに、電磁リレーRY3が第10電磁リレーに、電磁リレーRY4が第8電磁リレーに、電磁リレーRY5が第9電磁リレーに、それぞれ対応する。また、オフ・ディレー回路13,13′,13′′がそれぞれ第7〜9オフ・ディレー回路に対応する。本実施形態では、これら電磁リレーRY1〜5と、オフ・ディレー回路13,13′,13′′を備えて信号発生回路が構成される。
【0054】
次に動作を説明する。
まず、第1運転スイッチSW1′がONしている時に第2運転スイッチSW2′をONした場合について説明する。
第1及び第2運転スイッチSW1′,SW2′が共にOFFしている時、ブレーク接点b1 ′,b2 ′がON状態にあり第3信号伝達経路30が閉路し、電磁リレーRY5が励磁される。この状態で、第1運転スイッチSW1′をON操作すると、電磁リレーRY5は消磁するがオフ・ディレー回路13′′の作用でその第1励磁接点r51はON状態にあるので第1信号伝達経路11が閉路し、電磁リレーRY1が励磁され、その第2励磁接点r12で自己保持される。以上の動作処理は、第1及び第2運転スイッチSW1′,SW2′が共に正常にOFFし、第1運転スイッチSW1′が正常にONしたことを確認するための処理である。
【0055】
第1運転スイッチSW1′がONしいてる間に第2運転スイッチSW2′が操作されて、そのメーク接点a2 ,a2 ′がONしブレーク接点b2 ,b2 ′がOFFした場合、第1信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY1は消磁されるが、オフ・ディレー回路13の作用によってその第1及び第2励磁接点r11,r12おOFF動作が所定時間遅れる。この間に、第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′を介して電磁リレーRY2が励磁され、その第1励磁接点r21で自己保持されるので、第2励磁接点r22を介して運転信号供給路1から機械可動部に運転信号が供給される。
【0056】
逆に、第2運転スイッチSW2′がONしている時に第1運転スイッチSW1′をONした場合は、第2運転スイッチSW2′のON操作で第2信号伝達経路12の電磁リレーRY4が励磁されその第2励磁接点r42で自己保持される。次に、第1運転スイッチSW1′のON操作で、第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′を介して電磁リレーRY3が励磁され、その第1励磁接点r31で自己保持されることで、第2励磁接点r32を介して運転信号供給路1から機械可動部に運転信号が供給される。
【0057】
かかる構成によれば、一方の運転スイッチSW1′(SW2′)が押されている間に他方の運転スイッチSW2′(SW1′)が押された場合でも、運転信号を生成することができる。このため、2つの運転スイッチの運転操作に優先順位がない場合の2人作業時における使い勝手が向上する。
次に図10に本発明の第8実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態は、図9の信号発生回路を電子回路化したものである。
図10において、第1信号伝達経路11の第2運転スイッチSW2′の第1ブレーク接点b2 と抵抗RA との間に、第1論理積回路としてのANDゲートA2の一方の入力端子を接続する。また、第2信号伝達経路12の第2運転スイッチSW2′の第1メーク接点a2 と抵抗RB との間に、第2論理積回路としてのANDゲートA3の一方の入力端子を接続する。第1運転スイッチSW1′の第2ブレーク接点b1 ′と第2運転スイッチSW2′の第2ブレーク接点b2 ′を直列接続して形成した第3信号伝達経路30には、第2運転スイッチSW2′の第2ブレーク接点b2 ′と抵抗R3 との間に、図4のオフ・ディレー回路13と同様の構成のオフ・ディレー回路13を介して前記ANDゲートA2,A3の他方の入力端子がそれぞれ接続する。前記ANDゲートA2,A3は、フェールセーフな構成である。
【0059】
ANDゲートA2の出力は、倍電圧整流回路REC3とオフ・ディレー機能を有するコンデンサC1 を介して自己保持回路14のトリガ端子に入力する。また、ANDゲートA3の出力は、同じく倍電圧整流回路REC3′とオフ・ディレー機能を有するコンデンサC1 ′を介して自己保持回路14′のトリガ端子に入力する。前記自己保持回路14のホールド端子は、第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′と抵抗R4 との間に接続し、前記自己保持回路14′のホールド端子は、第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′と抵抗R5 との間に接続する。
【0060】
ここで、オフ・ディレー回路13が第10オフ・ディレー回路に対応し、コンデンサC1 ,C1 ′が第11及び第12オフ・ディレー回路に対応する。また、自己保持回路14,14′が第4及び第5自己保持回路に対応する。
次に動作を説明する。
第1運転スイッチSW1′がONしている時に第2運転スイッチSW2′をONした場合について説明する。
【0061】
第1運転スイッチSW1′をONすると、ANDゲートA2の出力が論理値1となり自己保持回路14のトリガ端子に高レベルの入力信号が印加する。この状態で、第2運転スイッチSW2′がONされると、コンデンサC1 の遅延作用により、自己保持回路14のホールド端子に、トリガ入力が高レベルのうちに第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′を介して高レベルの信号が入力する。これにより、倍電圧整流回路REC2から運転信号が供給される。
【0062】
逆に、第2運転スイッチSW2′がONしている時に第1運転スイッチSW1′をONした場合は、同様にしてANDゲートA3の出力に基づいて自己保持回路14′のトリガ入力が高レベルのうちに、第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′を介して自己保持回路14′に高レベルのホールド信号が入力し、倍電圧整流回路REC2′から運転信号が供給される。
【0063】
かかる構成によれば、2人作業時の使い勝手が向上すると共に、信号発生回路の電子回路化により運転信号発生回路の小型化が図れる。
次に図11及び図12に、第9及び第10実施形態の回路を示し説明する。
これら実施形態の回路は、機械可動部と接触する可能性のある危険領域に作業者が存在しないことをセンサにより検出し、センサから作業者が存在しないことを示す出力信号が発生している時だけ、運転信号が発生する構成である。
【0064】
まず、図11に示す第9実施形態の回路について説明する。
図11において、例えば図示しない危険領域に配置したバリアセンサ或いはマットセンサ等のセンサ出力によって励磁される電磁リレーの接点Rxを、電源Eと第1運転スイッチSW1との間に直列に介装する。前記バリアセンサ或いはマットセンサは、前記危険領域に人が存在しない時に高レベルの出力を発生するもので、センサから高レベルの出力が発生している時には、前記接点RxがONとなる。
【0065】
従って、危険領域に作業者等の人が存在しない時は、センサから高レベルの出力が発生し、接点RxがONとなり、電源Eが第1運転スイッチSW1に接続され、両運転スイッチSW1,SW2の操作に基づいて第1信号伝達経路11,12を介して信号発生回路20に信号が入力し、機械可動部の運転信号が発生する。
尚、信号発生回路20としては、前述の第1〜6の各実施形態で示した信号発生回路のいずれも適用でき、電源に直流を使用するか交流を使用するかによって適切に選択すればよい。図9及び図10に示す回路構成の場合も、第1運転スイッチSW1′と電源Eとの間に電磁リレーRxを設けることで同様の効果を有することは言うまでもない。
【0066】
次に、図12に示す第10実施形態の回路について説明する。
本実施形態の回路は、交流のセンサ出力と第1及び第2信号伝達経路11,12のの出力とを論理積演算する構成である。
図12において、例えば、フォトダイオードPDとフォトトランジスタPTからなる光センサ21を危険領域に配置する。この光センサ21は、フォトダイオードPDからの光がフォトトランジスタPTで受光される時は交流の出力信号を発生して危険領域に人が存在しないことを示し、フォトダイオードPDからの光がフォトトランジスタPTで受光されない時は交流信号を発生せず危険領域に人が存在することを示す構成である。この光センサの交流出力信号を、倍電圧整流回路REC5を介してそれぞれフェールセーフなANDゲートA2,A3の一方の入力端子に入力する。ANDゲートA2,A3の他方の入力端子には、それぞれ第1及び第2信号伝達経路11の信号を入力する。ANDゲートA2,A3からの交流信号は、倍電圧整流回路REC6,REC7で整流されて信号発生回路20に入力する。前記ANDゲートA2,A3は、図10と同様のものである。
【0067】
かかる構成によれば、危険領域に人が存在せず光センサ21からの交流信号が、各ANDゲートA2,A3に入力していれば、第1及び第2運転スイッチSW1,SW2の操作に基づいて第1及び第2信号伝達経路11にそれぞれ信号が発生した時に各ANDゲートA2,A3から交流信号が発生し、倍電圧整流回路REC6,REC7を介して信号発生回路20に信号が印加されて、機械可動部の運転信号が発生することになる。
【0068】
尚、図12の回路構成において、マットスイッチを用いて人の存在の有無を検出する場合は、マットスイッチ上に人が存在しない時に、フォトダイオードPDを交流信号でスイッチングしてフォトトランジスタPTで受光させるようにすればよい。
従って、図11及び図12に示す第9及び第10実施形態の回路構成によれば、危険領域に人が存在する時には機械可動部の運転信号を確実に停止させることができ、作業者の安全性をより一層高めることができる。
【0069】
尚、本発明の実施形態における電磁リレーを用いた回路においては、リレーの溶着故障を考慮し、各リレーのバック接点(非励磁の時にONとなる接点)を用いてバックチェック回路を構成して電磁リレーの接点溶着故障の検出を行っていることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、第1運転スイッチを操作してから第2運転スイッチを操作するまでの所定時間の設定を適切にすることで、作業者の安全を確保しつつ1人作業及び2人作業のどちらも可能であり、運用の自由度を持たせることができる。
【0071】
請求項4記載の発明のように信号発生回路を電子回路化すれば、請求項3記載の発明のリレー回路による場合に比べて信号発生回路の小型化を図ることができる。また、リレー接点の溶着故障に対する配慮が不要である。
請求項5或いは請求項6記載の発明によれば、電源に交流信号源を用いることができる。
【0072】
請求項7記載の発明によれば、どちらの運転スイッチを先に操作しても運転信号を発生できるので、作業者の作業効率を高めることができる。
請求項10及び11記載の発明によれば、一方の運転スイッチを操作している間に他方の運転スイッチを操作した場合でも運転信号が発生するので、運転スイッチの操作順序に優先順位がない場合における2人作業時の使い勝手が向上する。
【0073】
請求項12記載の発明によれば、機械可動部と接触する可能性のある危険領域に人が存在する時に運転信号の発生確実に防止でき、作業者の安全性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る運転信号発生回路の第1実施形態を示す回路図
【図2】同上第1実施形態の動作タイムチャート
【図3】同上第1実施形態の運転スイッチの故障検出機能の説明図
【図4】本発明の運転信号発生回路の第2実施形態を示す回路図
【図5】本発明の運転信号発生回路の第3実施形態を示す回路図
【図6】本発明の運転信号発生回路の第4実施形態を示す回路図
【図7】本発明の運転信号発生回路の第5実施形態を示す回路図
【図8】本発明の運転信号発生回路の第6実施形態を示す回路図
【図9】本発明の運転信号発生回路の第7実施形態を示す回路図
【図10】本発明の運転信号発生回路の第8実施形態を示す回路図
【図11】本発明の運転信号発生回路の第9実施形態を示す回路図
【図12】本発明の運転信号発生回路の第10実施形態を示す回路図
【図13】従来の運転信号発生回路の一例を示す回路図
【符号の説明】
1 運転信号供給路
11 第1信号伝達経路
12 第2信号伝達経路
13,13′,13′′ オフ・ディレー回路
14,14′ 自己保持回路
15,15′,16,16′ フォトインタラプタ
21 光センサ
30 第3信号伝達経路
SW1,SW1′ 第1運転スイッチ
SW2,SW2′ 第2運転スイッチ
RY1〜RY5 電磁リレー
a1 ,a1 ′,a2 ,a2 ′ メーク接点
b1 ,b1 ′,b2 ,b2 ′ ブレーク接点
r11,r12,r21,r22,r31,r32,r41, r42,r51,r52 励磁接点
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに連動するメーク接点とブレーク接点を有する運転スイッチを用いて再起動防止機能を持たせて、作業者の安全を図りつつ産業機械の運転信号を発生する運転信号発生回路に関し、特に、作業者が単独或いは2人のどちらでも作業できるよう作業の運用形態に自由度を持たせた運転信号発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、工場等に設備される産業機械の運転は、作業者と機械可動部とが接触して事故が発生する危険領域に作業者がいないことを確認するだけでなく、作業者が管理上安全な領域に戻ったことを確認してはじめて機械可動部の起動を許可する再起動防止の機能を備えるべきことになっている(産業用ロボットの安全通則(JIS B 8433等))。
【0003】
この作業者が安全な領域に戻っていることの確認を行うのに、従来では互いに連動しON−OFF動作が相補の関係であるメーク接点(作業者が操作した時にONとなる)とブレーク接点(作業者が操作を解除した時にONとなる)とを有する運転スイッチが用いられており、図13に従来のこの種の運転信号発生回路を示す。
【0004】
図13は、運転スイッチがON故障していないこと、言い換えれば、運転スイッチがOFFしていることを確認して運転信号を発生する構成の従来の運転信号発生回路である。
図13において、運転スイッチSWは、互いに連動しON−OFF動作が相補の関係にあるメーク接点aとブレーク接点bとを有し、ブレーク接点bが、電源Eとアースとの間に電磁リレーRY1と直列接続し、メーク接点aが、電源Eとアースとの間に電磁リレーRY2と直列接続する。また、前記電磁リレーRY1の励磁接点r11と電磁リレーRY2の励磁接点r21との並列回路を、運転スイッチSWのメーク接点aと電磁リレーRY2との間に直列接続している。更に、電磁リレーRY2の別の励磁接点r22が、機械可動部(図示せず)の運転信号供給路1に直列接続される。電源Eと運転スイッチSWとの間には、リセットスイッチ2を設ける。
【0005】
かかる構成では、機械可動部の起動前で作業者が運転スイッチSWを操作していない時には、運転スイッチSWのブレーク接点bがONでメーク接点aがOFFの状態にある。この状態では、電磁リレーRY1が励磁され、その励磁接点r11がONとなっている。作業者が運転スイッチSWを押すと、ブレーク接点bがOFFして電磁リレーRY1は非励磁となるが、電磁リレーは通常5ms程度のOFF応答遅れを有しているので、この間にメーク接点aがONすれば電磁リレーRY2が励磁され、その励磁接点r21,r22がONし、運転信号供給路1が閉路されて機械可動部が起動する。電磁リレーRY2は励磁接点r21で自己保持されるので、作業者が運転スイッチSWを押している間は、電磁リレーRY2は励磁され続け機械可動部の運転が継続される。
【0006】
かかる従来の運転信号発生回路では、機械可動部の起動前に運転スイッチSWがON故障(メーク接点aが溶着故障)していると、ブレーク接点bがOFFのままとなり電磁リレーRY1が励磁されず、電磁リレーRY2の自己保持動作ができないので機械可動部は起動しない。従って、図13の従来回路は、運転スイッチSWにON故障がないことを確認して運転信号を発生させている。
【0007】
尚、この回路では、運転スイッチSWを押した後で運転スイッチSWにON故障が生じると、運転スイッチSWの操作を解除しても電磁リレーRY2が励磁され続けて機械可動部の運転信号が発生したままとなるので、リセットスイッチ2によって電磁リレーRY2への電源供給を強制的に遮断できるようにして作業者の安全を確保している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図13に示す従来の運転信号発生回路は、運転スイッチは1個であり作業者が単独の場合を想定した運用形態である。作業者が複数、例えば2人の場合には、運転スイッチを2つ用意して2つの運転スイッチが操作されている時に機械可動部の運転信号が発生するようにして再起動防止機能を持たせる必要がある。しかし、この場合、もし、1人で2個の運転スイッチを同時に操作できる位置に運転スイッチを配置すると、他の1人が機械可動部と接触する危険のある危険領域に存在していても機械可動部が起動される虞れがある。このため、2人で作業する運用形態を想定した場合には、2つの運転スイッチは、1人では同時に操作できない位置に配置しなければならない。
【0009】
このように、従来のように運転スイッチが共にONしている時に運転信号が発生する方式では、運転スイッチが1個の場合には1人の作業者で機械の運転を操作し、運転スイッチが2個の場合には2人の作業者で機械の運転を操作することで安全が確保できるものであり、従来の運転信号発生回路は、その運用形態が設計段階で決まってしまい運用形態の自由度が無かった。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、1人或いは2人のどちらでも作業者の安全を確保しつつ機械可動部の運転操作ができる、運用形態に自由度を持たせることができる運転信号発生回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため請求項1記載の発明では、互いに連動しON−OFF動作が互いに相補の関係にあるメーク接点とブレーク接点を有する運転スイッチを用い、作業者が運転スイッチを操作している期間だけメーク接点がONとなって機械可動部の運転信号が発生する構成の運転信号発生回路であって、前記運転スイッチを2個設け、一方の運転スイッチのメーク接点と他方の運転スイッチのブレーク接点とを直列接続して第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチのブレーク接点と他方の運転スイッチのメーク接点とを直列接続して第2信号伝達経路を形成し、作業者の前記運転スイッチ操作に基づいて前記第1及び第2信号伝達経路のいずれか一方の経路が閉路したことを検出してから所定時間内に他方の経路が閉路して信号が伝達された時に前記運転信号を発生する信号発生回路を備えて構成した。
【0012】
かかる構成では、初めに一方の運転スイッチのメーク接点をONとして対応する信号伝達経路を閉路し、次に他方の運転スイッチのメーク接点をONとして対応する信号伝達経路を閉路する。信号発生回路では、先の運転スイッチ操作により信号経路が閉路されて信号が伝達されたことを検出した時に、先の運転スイッチが操作されてから所定時間内に後の運転スイッチが操作されれば運転信号を発生するが、所定時間を越えれば運転信号を発生しない。従って、運転スイッチが故障して信号伝達経路が閉路しなければ運転信号は発生せず、運転スイッチが正常の時のみ運転信号の発生が可能である。また、先の運転スイッチが操作されてから後の運転スイッチが操作されるまでの所定時間を短過ぎず或いは長過ぎないよう適切に設定すれば、1人の作業者で2つの運転スイッチを操作することが可能であると共に、2人の作業者でそれぞれの運転スイッチを操作する場合も各運転スイッチの担当作業者が運転スイッチ付近に存在しなければ運転信号を発生できず安全を確保できる。
【0013】
請求項2記載の発明では、前記2つの運転スイッチを予め定めた順序で操作した時に前記信号発生回路から運転信号が発生する構成とした。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明における信号発生回路の回路構成として、前記第1信号伝達経路に直列接続した第1電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第1電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第1電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第1オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に直列接続した第2電磁リレーとを備え、前記第1電磁リレーの励磁接点と前記第2電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を前記第2電磁リレーと直列接続し、前記第2電磁リレーの第2励磁接点を機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした。
【0014】
請求項4記載の発明では、請求項2記載の発明における信号発生回路の別の回路構成として、前記第1信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第2信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第1自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記トリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第2オフ・ディレー回路とを備え、前記第1自己保持回路の出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした。
【0015】
かかる構成によれば、請求項3記載の発明のような電磁リレーを用いた回路では、リレー接点の溶着故障を配慮すると、バックチェックを用いたセーフティーリレーの構成をとる必要があるが、本請求項の構成では、このような配慮が不要である。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の構成において、前記第1及び第2信号伝達経路に、それぞれフォトインタラプタを介装し、各フォトインタラプタを介して前記第1自己保持回路にトリガ信号とホールド信号を入力させる構成とした。
【0016】
請求項6記載の発明では、請求項4記載の構成において、前記第1及び第2信号伝達経路に、それぞれトランスを介装し、各トランスを介して前記第1自己保持回路にトリガ信号とホールド信号を入力させる構成とした。
請求項7記載の発明では、前記2つの運転スイッチの操作順序に関係なく、信号発生回路から運転信号が発生可能な構成とした。
【0017】
かかる構成では、運転スイッチの操作順序を配慮する必要がなく、1人で作業する場合等の操作性が向上する。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の発明における信号発生回路の構成として、前記第1信号伝達経路に設けられる第3及び第4電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第3電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第3電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第3オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に設けられる第5及び第6電磁リレーと、前記第2信号伝達経路が開路して前記第5電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第5電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第4オフ・ディレー回路とを備え、前記第3電磁リレーと第4電磁リレーとを互いに並列接続し、第5電磁リレーの励磁接点と第4電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を、前記第3電磁リレーと並列且つ第4電磁リレーと直列に接続すると共に、前記第5電磁リレーと第6電磁リレーとを互いに並列接続し、第3電磁リレーの励磁接点と第6電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を、前記第5電磁リレーと並列且つ第6電磁リレーと直列に接続し、前記第4電磁リレーの第2励磁接点と前記第6電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を、機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした。
【0018】
請求項9記載の発明では、請求項7記載の発明における信号発生回路の構成として、前記第1信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第2信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第2自己保持回路と、前記第2信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第1信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第3自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記第2自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第5オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路が開路した時に前記第3自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第6オフ・ディレー回路とを備え、前記第2及び第3自己保持回路のそれぞれの出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした。
【0019】
請求項10記載の発明では、前記2つの運転スイッチが、それぞれ第1及び第2のブレーク接点と第1及び第2のメーク接点を有し、一方の運転スイッチの第1メーク接点と他方の運転スイッチの第1ブレーク接点とを直列接続して前記第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第1ブレーク接点と他方の運転スイッチの第1メーク接点とを直列接続して前記第2信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第2ブレーク接点と他方の運転スイッチの第2ブレーク接点とを直列接続して第3信号伝達経路を形成する構成とし、前記信号発生回路は、前記第1信号伝達経路に設けられる第7電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第7電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第7電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第7オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に設けられる第8電磁リレーと、前記第2信号伝達経路が開路して前記第8電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第8電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第8オフ・ディレー回路と、前記第3信号伝達経路に設けられる第9電磁リレーと、前記第3信号伝達経路が開路して前記第9電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第9電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第9オフ・ディレー回路と、前記一方の運転スイッチの第2メーク接点に直列接続する第10電磁リレーと、他方の運転スイッチの第2メーク接点に直列接続する第11電磁リレーとを備え、前記各電磁リレーを互いに並列接続し、第7電磁リレーの第1励磁接点と第11電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を前記第11電磁リレーと前記他方の運転スイッチの第2メーク接点との間に直列接続し、前記第8電磁リレーの第1励磁接点と第10電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を第10電磁リレーと前記一方の運転スイッチの第2メーク接点との間に直列接続し、第9電磁リレーの第1励磁接点と第7電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を前記第7電磁リレーに直列接続し、第8電磁リレーの第2励磁接点と第9電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を第8電磁リレーに直列接続し、前記第10電磁リレーの第2励磁接点と前記第11電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした。
【0020】
請求項11記載の発明では、前記2つの運転スイッチが、それぞれ第1及び第2のブレーク接点と第1及び第2のメーク接点を有し、一方の運転スイッチの第1メーク接点と他方の運転スイッチの第1ブレーク接点とを直列接続して前記第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第1ブレーク接点と他方の運転スイッチの第1メーク接点とを直列接続して前記第2信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第2ブレーク接点と他方の運転スイッチの第2ブレーク接点とを直列接続して第3信号伝達経路を形成する構成とし、前記信号発生回路は、前記第3信号伝達経路が開路した時に当該第3信号伝達経路からの信号の停止を所定時間遅延させる第10オフ・ディレー回路と、前記第1信号伝達経路からの信号を一方の入力信号とし前記第10オフ・ディレー回路からの出力信号を他方の入力信号とする第1論理積回路と、前記第2信号伝達経路からの信号を一方の入力信号とし前記第10オフ・ディレー回路からの出力信号を他方の入力信号とする第2論理積回路と、前記第1論理積回路の出力信号をトリガ信号とし前記他方の運転スイッチの第2メーク接点からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第4自己保持回路と、前記第2論理積回路からの信号をトリガ信号とし前記一方の運転スイッチの第2メーク接点からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第5自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記第4自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第11オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路が開路した時に前記第5自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第12オフ・ディレー回路とを備え、前記第4及び第5自己保持回路のそれぞれの出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした。
【0021】
かかる請求項10,11の構成によれば、一方の運転スイッチが押されている時に他方の運転スイッチが押された場合でも、運転信号を生成することが可能となる。従って、運転スイッチ操作に優先順位がない場合の2人作業時の使い勝手が向上する。
請求項12記載の発明では、前記機械可動部と接触する可能性のある危険領域内に作業者が存在しない時に出力を発生する監視手段を設け、該監視手段から出力が発生している時のみ前記第1及び第2信号伝達経路の信号伝達を可能とする構成とした。
【0022】
かかる構成によれば、機械可動部と接触する可能性のなる危険領域に作業者が存在する時には、決して運転信号が発生しないため、作業者の安全性をより一層高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明に係る運転信号発生回路の第1の実施形態の回路図を示す。尚、従来と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図1において、2つの第1及び第2運転スイッチSW1,SW2は、互いに連動しON−OFF動作が相補の関係にあるメーク接点a1 ,a2 とブレーク接点b1 ,b2 をそれぞれ有する。第1運転スイッチSW1のメーク接点a1 と第2運転スイッチSW2のブレーク接点b2 を直列接続して第1信号伝達経路11を形成し、第1運転スイッチSW1のブレーク接点b1 と第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 を直列接続して第2信号伝達経路12を形成する。第1信号伝達経路11と第2信号伝達経路12とは電源Eとアースとの間で並列に接続する。また、2つの運転スイッチSW1,SW2は、例えば互いに1人では同時に操作できない間隔を設けて配置する。
【0024】
前記第1信号伝達経路11には、第2運転スイッチSW2のブレーク接点b2 とアースとの間に、ダイオードDと電磁リレーRY1が順次直列に介装されている。また、抵抗RとコンデンサCとからなるオフ・ディレー回路13が、電磁リレーRY1と並列に接続しており、このオフ・ディレー回路13が、第1信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY1の励磁信号が遮断された時に当該電磁リレーRY1の消磁動作を所定時間遅延させる第1オフ・ディレー回路に対応する。第2信号伝達経路12には、第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 とアースとの間に電磁リレーRY2が直列に介装され、また、前記電磁リレーRY1の励磁接点r11と電磁リレーRY2の励磁接点r21との並列回路を、第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 と電磁リレーRY2との間に直列接続している。更に、電磁リレーRY2の別の励磁接点r22が、機械可動部(図示せず)の運転信号供給路1に直列接続される。本実施形態では、両電磁リレーRY1,RY2、オフ・ディレー回路13より信号発生回路が構成される。また、電磁リレーRY1が第1電磁リレーに対応し、電磁リレーRY2が第2電磁リレーに対応し、励磁接点r21,r22が、第2電磁リレーの第1及び第2励磁接点にそれぞれ対応する。
【0025】
次に第1の実施形態の動作を、図2に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
機械可動部の起動前で作業者が第1及び第2運転スイッチSW1,SW2を操作していない状態では、両運転スイッチSW1,SW2は共にブレーク接点b1 ,b2 がONで、メーク接点a1 ,a2 が共にOFFの状態にある。この状態から、まず、第1運転スイッチSW1を操作してメーク接点a1 をONにする。これにより、第1信号伝達経路11が閉路して図2に示すように電磁リレーRY1が励磁(ON)され、第2信号伝達経路12に設けたその励磁接点r11がONとなる。次に、第1運転スイッチSW1の操作を解除してメーク接点a1 をOFFすると、第1信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY1の励磁信号が遮断されるが、オフ・ディレー回路13の作用により、図2に示すように所定時間TD(抵抗RとコンデンサCの時定数により決定される)電磁リレーRY1の消磁動作が遅延される。
【0026】
この所定時間以内に、第2運転スイッチSW2を操作してメーク接点a2 をONすれば、第1運転スイッチSW1の操作解除によりブレーク接点b1 がONしているので第2信号伝達経路12が閉路し、電磁リレーRY1の励磁接点r11を介して電磁リレーRY2が図2に示すように励磁(ON)される。これにより、その励磁接点r21,r22が共にONとなり、励磁接点r22のON動作により機械可動部の運転信号供給路1が閉路して機械可動部が起動する。また、第1運転スイッチSW1が操作解除されてから所定時間TD経過すると電磁リレーRY1が消磁して励磁接点r11がOFFとなるが、その時には励磁接点r21が既にON状態にあり電磁リレーRY2が自己保持されるため、作業者の操作により第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 がONしている間は、機械可動部への運転信号は供給され続け、作業者が第2運転スイッチSW2の操作を解除したときに機械可動部への運転信号の供給が遮断されて機械可動部は停止する。
【0027】
かかる構成において、第1運転スイッチSW1の操作を解除してから所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作しない場合には、電磁リレーRY2が励磁されず運転信号は発生しない。また、一旦、第2運転スイッチSW2の操作を解除してメーク接点a2 をOFFした後に再度第2運転スイッチSW2を操作してメーク接点a2 をONしても、電磁リレーRY1の励磁接点r11がOFFしてるので電磁リレーRY2は励磁されず運転信号は発生しない。この第1実施形態では、機械可動部の起動時には、予め定めた操作順序、即ち、第1運転スイッチSW1を操作した後、所定時間TD内に第2運転スイッチSW2を操作した時のみ運転信号が発生する。そして、前記所定時間TDを適切な長さに設定することで、1人作業時の操作性と2人作業時の安全性を確保している。即ち、所定時間TDが長過ぎると、第1運転スイッチSW1が操作され機械可動部の起動が可能な状態にある時に第1運転スイッチを操作する作業者が機械可動部と接触する可能性のある危険領域に接近することが可能となり、このような時に第2運転スイッチSW2が操作されると危険である。また、所定時間TDが短過ぎると、作業者が1人の場合に第1運転スイッチSW1を操作した後に直ちに第2運転スイッチSW2を操作しなければならず、第1運転スイッチSW1の設置場所と第2運転スイッチSW2の設置場所との間の往復が大変であり、作業者の作業負担が大きく、1人作業の場合の作業性の面で問題がある。また、本実施形態によれば、第2運転スイッチSW2を一旦OFFした後は再度第1運転スイッチSW1をON操作しなければ運転信号が発生できない構成であり、第1運転スイッチSW1の操作者が不在の時に第2運転スイッチSW2を操作しても運転信号が発生せず2人作業時の安全性を確保できる。
【0028】
図1に示す第1実施形態の回路は、両運転スイッチSW1,SW2が故障しているか否かの検査機能も備えており、これについて説明する。
図3において、電源Eの電圧レベルをeとし、両運転スイッチSW1,SW2が共に正常とした時、第1及び第2運転スイッチSW1,SW2の操作に基づくA点、B点の信号レベルついて見ると、第1運転スイッチSW1が操作され且つ運転スイッチSW2が操作されていない時(メーク接点a1 ON且つブレーク接点b2 ON)は、抵抗RA に電流が流れてA点の信号レベルは+eとなる。また、第1運転スイッチSW1が操作されず且つ運転スイッチSW2が操作された時(ブレーク接点b1 ON且つメーク接点a2 ON)は、抵抗RB に電流が流れてB点の信号レベルは+eとなる。尚、第1運転スイッチSW1のメーク接点a1 とブレーク接点b1 、第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 とブレーク接点b2 は同時にはONしない。
【0029】
表1に、第1運転スイッチSW1のメーク接点a1 とブレーク接点b1 及び第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 とブレーク接点b2 に故障を生じた場合のA点とB点の出力状態を示す。尚、表1中でON故障とは接点の溶着、OFF故障とは断線を意味する。
【0030】
【表1】
【0031】
表1から明らかなように、両運転スイッチSW1,SW2の少なくともどちらかに故障を生じると、両運転スイッチSW1,SW2を操作した時にA点とB点の少なくとも一方は出力なしとなる。
即ち、第1の実施形態のような運転スイッチSW1,SWの接続構成にすれば、運転スイッチの少なくとも一方が故障していると、第1信号伝達経路11と第2信号伝達経路12のどちらか一方は閉路せず、両運転スイッチSW1,SW2が共に正常の時のみ、第1信号伝達経路11と第2信号伝達経路12が閉路して信号の伝達が可能となる。
【0032】
従って、第1運転スイッチSW1を操作した後、第2運転スイッチSW2を操作して機械可動部の運転信号が発生するということは、両運転スイッチSW1,SW2が共に正常であることを意味しており、第1の実施形態の回路は、両運転スイッチSW1,SW2の故障検出機能も備えている。
また、この回路では、第2運転スイッチSW2を操作した後、第2運転スイッチSW2にON故障が生じると、従来回路と同様に、作業者が第2運転スイッチSW2の操作を解除しても電磁リレーRY2が励磁され続けて機械可動部の運転信号が発生したままとなる。この場合、従来回路では、運転スイッチとは別にリセットスイッチ2を設けて電磁リレーRY2への電源供給を強制的に遮断するようにしているが、本実施例回路では、第1運転スイッチSW1をリセットスイッチ2として代用することができる。即ち、本実施例回路では、両運転スイッチSW1,SW2が共にONしている時には第1及び第2信号伝達経路11,12が共に形成されず信号伝達ができない構成となっており、第1運転スイッチSW1を操作してそのメーク接点a1 をONすれば相補の関係にあるブレーク接点b1 がOFFして電磁リレーRY2を消磁させることができ、従来回路におけるリセットスイッチ2を省略することができる。
【0033】
次に、図4に本発明の第2実施形態の回路を示し説明する。尚、第1実施形態の回路と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、図1の電磁リレーを用いて構成した信号発生回路を電子回路化したものである。
図4において、第1信号伝達経路11の第2運転スイッチSW2のブレーク接点b2 と抵抗RA との間に、抵抗RとコンデンサCとからなる図1と同一構成のオフ・ディレー回路13の入力側が接続し、オフ・ディレー回路13の出力側は、ダイオードDを介して後述する自己保持回路14のトリガ端子に接続する。このオフ・ディレー回路13が第1信号伝達経路11が開路した時にトリガ信号の停止を所定時間TD遅延させる第2オフ・ディレー回路に対応する。第2信号伝達経路12の第2運転スイッチSW2のメーク接点a2 と抵抗RB との間に、前記自己保持回路14のホールド端子が接続する。ここで、自己保持回路14が第1自己保持回路に対応する。
前記自己保持回路14は、複数の抵抗とトランジスタからなるフェールセーフなANDゲートA1と、倍電圧整流回路REC1とフィードバック抵抗Rf とで構成され、トリガ信号とホールド信号が共に入力した時に発生するANDゲートA1の交流出力を、倍電圧整流回路REC1とフィードバック抵抗Rf を介してトリガ端子に帰還して出力信号を自己保持する構成である。そして、この自己保持回路14は、電源電圧VCCより高いレベルの入力信号が入力した時のみ交流信号を発生し故障時には交流信号を発生しないフェールセーフな構成である。このようなフェールセーフな自己保持回路は、米国特許4,757,417 号明細書、米国特許5,027,114 号明細書、WO94/23303及びWO94/23496等で従来公知である。また、フェールセーフなANDゲートは、米国特許4,661,880 号明細書、WO94/23303及びWO94/23496等で公知である。
【0034】
自己保持回路14の出力は、倍電圧整流回路REC2で整流され、この整流出力が発生した時に機械可動部に運転信号が供給される。ここで、本実施形態では、自己保持回路14、オフ・ディレー回路13及び倍電圧整流回路REC2を備えて信号発生回路が構成される。
尚、前記倍電圧整流回路REC1,2は、2つのコンデンサと2つのダイオードを有し、入力信号に電源電圧VCCを重畳した出力を発生する構成であり、米国特許5,027,114 号明細書及びWO94/23303等で従来公知である。
【0035】
次に動作を説明する。
両運転スイッチSW1,SW2の操作は図1と同様であり、第1運転スイッチSW1を操作した後、第2運転スイッチSW2を操作する。第1運転スイッチSW1を操作(メーク接点a1 ON)すると、第1信号伝達経路11が閉路してオフ・ディレー回路13のコンデンサCが充電され、自己保持回路14のトリガ端子に電源Eの電圧eに電圧VCCが重畳された高レベルの信号が印加される。次に、第1運転スイッチSW1の操作を解除した後に第2運転スイッチSW2を所定時間TD以内に操作(メーク接点a2 ON)すると、オフ・ディレー回路13の作用で自己保持回路14のトリガ信号が保持されている間に、第2信号伝達経路12から自己保持回路14のホールド端子側に高レベルの信号が印加し、自己保持回路14から出力が発生しトリガ端子側に帰還される。従って、自己保持回路14は、第2信号伝達経路12からホールド信号が入力している間は出力を自己保持して倍電圧整流回路REC2から整流出力が発生し続け、信号発生回路から出力vが発生して機械可動部に運転信号が供給される。作業者が第2運転スイッチSW2の操作を解除(メーク接点a2 OFF)したときに機械可動部への運転信号の供給が遮断されて機械可動部は停止する。
【0036】
かかる構成によれば、図1の電磁リレーによる回路の場合のようにリレー接点の溶着故障に配慮する必要がない。また、信号発生回路の電子回路化により、信号発生回路の小型化ができる。
図4では、電源Eに直流信号源を用いたが、交流信号源を用いて図5及び図6のように構成することができる。
【0037】
図5に示す第3実施形態の回路では、第1及び第2信号伝達経路11,12からのトリガ信号及びホールド信号を、それぞれフォトインタラプタ15,16を介して自己保持回路14側に伝達する構成とした。
即ち、第1信号伝達経路11の抵抗RA とアースとの間に、フォトインタラプタ15の発光素子であるフォトダイオードPD1を接続し、該フォトダイオードPD1に対面させて受光素子であるフォトトランジスタPT1を配置する。フォトトランジスタPT1のコレクタ側には電圧VCCを印加し、エミッタ側には抵抗R1 を介してアースを接続する。エミッタ側の交流出力は、倍電圧整流回路REC3を介して整流されて自己保持回路14のトリガ端子側に印加される。同様に、第2信号伝達経路12の抵抗RB とアースとの間に、フォトインタラプタ16のフォトダイオードPD2を接続し、該フォトダイオードPD2に対面させてフォトトランジスタPT2を配置し、フォトトランジスタPT2のコレクタ側には電圧VCCを印加し、エミッタ側には抵抗R2 を介してアースを接続する。エミッタ側の交流出力は、倍電圧整流回路REC4を介して整流されて自己保持回路14のホールド端子側に印加される。信号源としてはパルス発生器17が用いられる。尚、倍電圧整流回路REC3,4は、倍電圧整流回路REC1と同じ構成である。
【0038】
かかる動作について説明する。
第1運転スイッチSW1の操作により第1信号伝達経路11に介装されたフォトダイオードPD1が、パルス発生器17のパルス信号周波数に応じて発光し、これをフォトトランジスタPT1が受光して発生する交流出力が倍電圧整流回路REC3で整流され、この整流出力で第2オフ・ディレー回路の機能を有するコンデンサCが充電され、自己保持回路14のトリガ端子に高レベルの信号が印加される。そして、第1運転スイッチSW1の操作を解除した後に所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作すれば、前述と同様にして第2信号伝達経路12側のフォトインタラプタ16からの出力が倍電圧整流回路REC4を介して自己保持回路14のホールド端子に与えられる。これにより、自己保持回路14から出力が発生し当該自己保持回路14が自己保持されると共に倍電圧整流回路REC2から整流出力が発生して機械可動部の運転信号が供給される。
【0039】
図6に示す第4実施形態の回路では、信号源として交流電源18を用い、第1及び第2信号伝達経路11,12からのトリガ信号及びホールド信号を、それぞれのトランスT1,T2を介して自己保持回路14側に伝達する構成である。
かかる構成によれば、第1運転スイッチSW1の操作により第1信号伝達経路11に介装されたトランスT1を介して交流電源18の交流信号に対応する交流出力が倍電圧整流回路REC3に入力し、整流されて自己保持回路14のトリガ端子に高レベルの信号が印加される。第1運転スイッチSW1の操作を解除した後に所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作すれば、第2信号伝達経路12側のトランスT2及び倍電圧整流回路REC4を介して自己保持回路14にホールド端子に高レベルの信号が入力し、自己保持回路14から出力が発生し自己保持回路14が自己保持されると共に倍電圧整流回路REC2から整流出力が発生して機械可動部の運転信号が供給される。
【0040】
次に図7に第5の実施形態の回路を示し説明する。
前述の第1〜4の実施形態の回路は、両運転スイッチSW1,SW2を予め定めた順序(第1運転スイッチSW1を操作した後に第2運転スイッチSW2を操作)で操作しなければ機械可動部の運転信号が発生しない構成であるが、この第5実施形態は、第1運転スイッチSW1,SW2のどちらを先に操作してもよく、操作順序に関係なく運転信号が発生できる構成である。尚、図1の実施形態の構成要素と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
図7において、本実施形態の回路は、図1の回路構成に、電磁リレーRY3,RY4、これら電磁リレーRY3,RY4の各励磁接点r31,r32,r41、ダイオードD′及びオフ・ディレー回路13′を新たに付加して構成した。
即ち、図1の回路構成において、前記第1信号伝達経路11の電磁リレーRY1とダイオードDの直列回路に対して電磁リレーRY3を並列接続し、電磁リレーRY3の第1励磁接点r31と電磁リレーRY4の励磁接点r41との並列回路を、電磁リレーRY1とダイオードDに対して並列且つ電磁リレーRY3に対して直列に接続する。また、前記第2信号伝達経路12の電磁リレーRY2と励磁接点r11、r21の並列回路の直列回路に対して電磁リレーRY4と新たに設けたダイオードD′の直列回路を並列接続し、電磁リレーRY4に対してコンデンサC′と抵抗R′からなるオフ・ディレー回路13′を並列接続している。更に、電磁リレーRY2,RY3の励磁接点r22,r32の並列回路が運転信号供給路1に直列に介装される。尚、オフ・ディレー回路13,13′は同一の構成である。
【0042】
この回路で、電磁リレーRY1が第3電磁リレーに、電磁リレーRY2が第6電磁リレーに、電磁リレーRY3が第4電磁リレーに、電磁リレーRY4が第5電磁リレーに、それぞれ対応し、2つのオフ・ディレー回路13,13′がそれぞれ第3及び第4オフ・ディレー回路に対応する。また、本実施形態では、電磁リレーRY1〜4、2つのオフ・ディレー回路13,13′を備えて信号発生回路が構成される。
【0043】
次に動作を説明する。
第1運転スイッチSW1を先に操作し所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作した時の動作は、図1の第1実施形態と同様であるので説明を省略し、ここでは、第2運転スイッチSW2を先に操作し、その後、第1運転スイッチSW1を操作した場合についてのみ説明する。
【0044】
先に第2運転スイッチSW2を操作してメーク接点a2 をONした場合、第2信号伝達経路12が閉路して電磁リレーRY4が励磁され、第1信号伝達経路11側の励磁接点r41がONとなる。その後、第2運転スイッチSW2の操作を解除してメーク接点a2 をOFFすると、第2信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY4の励磁信号が遮断されるが、当該電磁リレーRY4に並列接続したオフ・ディレー回路13′の作用により、所定時間TDだけ電磁リレーRY4の消磁動作が遅延される。この所定時間TD以内に、第1運転スイッチSW1を操作してメーク接点a1 をONすれば、第1信号伝達経路11が閉路し、電磁リレーRY4の励磁接点r41を介して電磁リレーRY3が励磁(ON)され、その励磁接点r31,r32が共にONとなり、励磁接点r32のON動作により機械可動部の運転信号供給路1が閉路して機械可動部が起動する。また、第2運転スイッチSW2が操作解除されてから所定時間TD経過すると電磁リレーRY4が消磁して励磁接点r41がOFFとなるが、励磁接点r31のON動作で電磁リレーRY3が自己保持されているため、第1運転スイッチSW1を作業者が操作している間、機械可動部への運転信号は供給される。
【0045】
かかる構成によれば、第1及び第2運転スイッチSW1,SW2の操作順序に関係なくどちらを先に操作しても、運転信号を発生させることができる。従って、1人で作業する場合に、機械可動部を起動させる際に第2運転スイッチSW2の付近に作業者がいた時に、わざわざ第1運転スイッチSW1の位置まで行くことなく、第2運転スイッチSW2を操作してから第1運転スイッチSW1の位置に行けばよく、運転の操作性が向上する。
【0046】
次に図8に第6実施形態の回路を示し説明する。
この第6実施形態の回路は、図7の回路の信号発生回路を電子回路化したものであり、図5の第3実施形態を改良したものである。図5に示す実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図8において、本実施形態は、図5の回路に、ANDゲートA1′、倍電圧整流回路REC1′及びフィードバック抵抗Rf′からなる自己保持回路14′と、2つのフォトインタラプタ15′,16′と、3つの倍電圧整流回路REC2′〜4′を付加して構成される。
【0047】
即ち、第1信号伝達経路11側において、フォトインタラプタ15のフォトダイオードPD1と直列に、フォトインタラプタ16′のフォトダイオードPD2′を接続する。このフォトダイオードPD2′と対面するフォトトランジスタPT2′のエミッタと抵抗R2 ′との中間点から発生するフォトインタラプタ16′の交流出力信号は、倍電圧整流回路REC4′で整流されて自己保持回路14′のホールド端子に入力する。同様にして、第2信号伝達経路12側において、フォトインタラプタ16のフォトダイオードPD2と直列に、フォトインタラプタ15′のフォトダイオードPD1′を接続する。このフォトダイオードPD1′と対面するフォトトランジスタPT1′のエミッタと抵抗R1 ′との中間点から発生するフォトインタラプタ15′の交流出力信号は、倍電圧整流回路REC3′で整流されて自己保持回路14′のトリガ端子に入力する。自己保持回路14′は、自己保持回路14と同一構成であり、その出力信号は、倍電圧整流回路REC2′で整流される。
【0048】
この実施形態で、自己保持回路14,14′が、それぞれ第2自己保持回路と第3自己保持回路に対応し、各自己保持回路14,14′のトリガ端子側にそれぞれ接続された各コンデンサC,C′が第5オフ・ディレー回路と第6オフ・ディレー回路に対応する。
次に動作を説明する。
【0049】
第1運転スイッチSW1を先に操作し所定時間TD以内に第2運転スイッチSW2を操作した時の動作は、図5の第3実施形態と同様であるので説明を省略し、ここでは、第2運転スイッチSW2を先に操作し、その後、第1運転スイッチSW1を操作した場合についてのみ説明する。
第2運転スイッチSW2の操作により第2信号伝達経路12に介装されたフォトインタラプタ15′のフォトダイオードPD1′が、パルス発生器17のパルス信号周波数に応じて発光し、これをフォトトランジスタPT1′が受光して発生する交流出力が倍電圧整流回路REC3′で整流され、この整流出力でコンデンサC′が充電され、自己保持回路14′のトリガ端子に高レベルの信号が印加される。運転スイッチSW2の操作を解除した後に所定時間TD以内に第1運転スイッチSW1を操作すれば、第1信号伝達経路11側のフォトインタラプタ16′からの出力が倍電圧整流回路REC4′を介して自己保持回路14′のホールド端子に与えられる。これにより、自己保持回路14′から出力が発生し倍電圧整流回路REC2′から整流出力が発生して機械可動部の運転信号が供給される。
【0050】
かかる構成によれば、第1運転スイッチSW1を先に操作した時には、倍電圧整流回路REC2からの出力に基づいて運転信号が発生し、第2運転スイッチSW2を先に操作した時には、倍電圧整流回路REC2′からの出力に基づいて運転信号が発生する。従って、どちらの運転スイッチSW1,SW2を先に操作しても運転信号を発生でき、1人で作業する場合の操作性を向上できると共に、電磁リレーによる回路に比べて信号発生回路を小型化できる。
【0051】
ところで、上述のように両運転スイッチSW1,SW2の操作に優先順位を設けていない場合、2人作業時においては、1人の作業者が運転スイッチを押している時に他方の作業者がもう1つの運転スイッチを押してしまうような操作状況が考えられる。
このような操作が行われた場合、図7や図8の回路構成では運転信号が生成されない。例えば、図7の回路において、例えば運転スイッチSW1がONしている時に(ブレーク接点b1 がOFF、メーク接点a1 がONの時)、他方の運転スイッチSW2がONすると、両信号伝達経路11,12が共に遮断されて全ての電磁リレーRY1〜RY4がOFFとなって運転信号は生成されない。運転スイッチSW2が押されている時に運転スイッチSW1が押された場合も同様である。従って、2人作業時における使い勝手の面で充分とは言えない。
【0052】
図9には上述の問題を解消した本発明の第7実施形態の回路構成例を示す。
図9は、図7の電磁リレーによる回路を改良したものである。
図9において、本実施形態の第1及び第2運転スイッチSW1′,SW2′は、それぞれ第1及び第2のメーク接点a1 ,a1 ′とa2 ,a2 ′と、第1及び第2のブレーク接点b1 ,b1 ′とb2 ,b2 ′を有する。第1運転スイッチSW1′の第1メーク接点a1 と第2運転スイッチSW2′の第1ブレーク接点b2 を直列接続して形成される第1信号伝達経路11には、電磁リレーRY1とオフ・ディレー回路13の並列回路と、ダイオードDと、前記電磁リレーRY1の第2励磁接点r12と後述する電磁リレーRY5の第1励磁接点r51の並列回路が直列接続される。また、第1運転スイッチSW1′の第1ブレーク接点b1 と第2運転スイッチSW2′の第1メーク接点a2 を直列接続して形成される第2信号伝達経路12には、電磁リレーRY4とオフ・ディレー回路13′の並列回路と、ダイオードD′と、前記電磁リレーRY4の第2励磁接点r42と電磁リレーRY5の第2励磁接点r52の並列回路が直列接続される。更に、第1運転スイッチSW1′の第2ブレーク接点b1 ′と第2運転スイッチSW2′の第2ブレーク接点b2 ′を直列接続して第3信号伝達経路30を形成し、この第3信号伝達経路30に、前記電磁リレーRY5とオフ・ディレー回路13′′の並列回路と、ダイオードD′′を直列接続する。前記オフ・ディレー回路13′′は、オフ・ディレー回路13,13′と同様に抵抗R′′とコンデンサC′′で構成される。第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′には、電磁リレーRY3と、該電磁リレーRY3の第1励磁接点r31と電磁リレーRY4の第1励磁接点r41の並列回路が直列接続される。また、第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′には、電磁リレーRY2と、該電磁リレーRY2の第1励磁接点r21と電磁リレーRY1の第1励磁接点r11の並列回路が直列接続される。そして、電磁リレーRY2の第2励磁接点r22と電磁リレーRY3の第2励磁接点r32の並列回路が運転信号供給路1に直列接続している。
【0053】
ここで、電磁リレーRY1が第7電磁リレーに、電磁リレーRY2が第11電磁リレーに、電磁リレーRY3が第10電磁リレーに、電磁リレーRY4が第8電磁リレーに、電磁リレーRY5が第9電磁リレーに、それぞれ対応する。また、オフ・ディレー回路13,13′,13′′がそれぞれ第7〜9オフ・ディレー回路に対応する。本実施形態では、これら電磁リレーRY1〜5と、オフ・ディレー回路13,13′,13′′を備えて信号発生回路が構成される。
【0054】
次に動作を説明する。
まず、第1運転スイッチSW1′がONしている時に第2運転スイッチSW2′をONした場合について説明する。
第1及び第2運転スイッチSW1′,SW2′が共にOFFしている時、ブレーク接点b1 ′,b2 ′がON状態にあり第3信号伝達経路30が閉路し、電磁リレーRY5が励磁される。この状態で、第1運転スイッチSW1′をON操作すると、電磁リレーRY5は消磁するがオフ・ディレー回路13′′の作用でその第1励磁接点r51はON状態にあるので第1信号伝達経路11が閉路し、電磁リレーRY1が励磁され、その第2励磁接点r12で自己保持される。以上の動作処理は、第1及び第2運転スイッチSW1′,SW2′が共に正常にOFFし、第1運転スイッチSW1′が正常にONしたことを確認するための処理である。
【0055】
第1運転スイッチSW1′がONしいてる間に第2運転スイッチSW2′が操作されて、そのメーク接点a2 ,a2 ′がONしブレーク接点b2 ,b2 ′がOFFした場合、第1信号伝達経路11が開路して電磁リレーRY1は消磁されるが、オフ・ディレー回路13の作用によってその第1及び第2励磁接点r11,r12おOFF動作が所定時間遅れる。この間に、第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′を介して電磁リレーRY2が励磁され、その第1励磁接点r21で自己保持されるので、第2励磁接点r22を介して運転信号供給路1から機械可動部に運転信号が供給される。
【0056】
逆に、第2運転スイッチSW2′がONしている時に第1運転スイッチSW1′をONした場合は、第2運転スイッチSW2′のON操作で第2信号伝達経路12の電磁リレーRY4が励磁されその第2励磁接点r42で自己保持される。次に、第1運転スイッチSW1′のON操作で、第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′を介して電磁リレーRY3が励磁され、その第1励磁接点r31で自己保持されることで、第2励磁接点r32を介して運転信号供給路1から機械可動部に運転信号が供給される。
【0057】
かかる構成によれば、一方の運転スイッチSW1′(SW2′)が押されている間に他方の運転スイッチSW2′(SW1′)が押された場合でも、運転信号を生成することができる。このため、2つの運転スイッチの運転操作に優先順位がない場合の2人作業時における使い勝手が向上する。
次に図10に本発明の第8実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態は、図9の信号発生回路を電子回路化したものである。
図10において、第1信号伝達経路11の第2運転スイッチSW2′の第1ブレーク接点b2 と抵抗RA との間に、第1論理積回路としてのANDゲートA2の一方の入力端子を接続する。また、第2信号伝達経路12の第2運転スイッチSW2′の第1メーク接点a2 と抵抗RB との間に、第2論理積回路としてのANDゲートA3の一方の入力端子を接続する。第1運転スイッチSW1′の第2ブレーク接点b1 ′と第2運転スイッチSW2′の第2ブレーク接点b2 ′を直列接続して形成した第3信号伝達経路30には、第2運転スイッチSW2′の第2ブレーク接点b2 ′と抵抗R3 との間に、図4のオフ・ディレー回路13と同様の構成のオフ・ディレー回路13を介して前記ANDゲートA2,A3の他方の入力端子がそれぞれ接続する。前記ANDゲートA2,A3は、フェールセーフな構成である。
【0059】
ANDゲートA2の出力は、倍電圧整流回路REC3とオフ・ディレー機能を有するコンデンサC1 を介して自己保持回路14のトリガ端子に入力する。また、ANDゲートA3の出力は、同じく倍電圧整流回路REC3′とオフ・ディレー機能を有するコンデンサC1 ′を介して自己保持回路14′のトリガ端子に入力する。前記自己保持回路14のホールド端子は、第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′と抵抗R4 との間に接続し、前記自己保持回路14′のホールド端子は、第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′と抵抗R5 との間に接続する。
【0060】
ここで、オフ・ディレー回路13が第10オフ・ディレー回路に対応し、コンデンサC1 ,C1 ′が第11及び第12オフ・ディレー回路に対応する。また、自己保持回路14,14′が第4及び第5自己保持回路に対応する。
次に動作を説明する。
第1運転スイッチSW1′がONしている時に第2運転スイッチSW2′をONした場合について説明する。
【0061】
第1運転スイッチSW1′をONすると、ANDゲートA2の出力が論理値1となり自己保持回路14のトリガ端子に高レベルの入力信号が印加する。この状態で、第2運転スイッチSW2′がONされると、コンデンサC1 の遅延作用により、自己保持回路14のホールド端子に、トリガ入力が高レベルのうちに第2運転スイッチSW2′の第2メーク接点a2 ′を介して高レベルの信号が入力する。これにより、倍電圧整流回路REC2から運転信号が供給される。
【0062】
逆に、第2運転スイッチSW2′がONしている時に第1運転スイッチSW1′をONした場合は、同様にしてANDゲートA3の出力に基づいて自己保持回路14′のトリガ入力が高レベルのうちに、第1運転スイッチSW1′の第2メーク接点a1 ′を介して自己保持回路14′に高レベルのホールド信号が入力し、倍電圧整流回路REC2′から運転信号が供給される。
【0063】
かかる構成によれば、2人作業時の使い勝手が向上すると共に、信号発生回路の電子回路化により運転信号発生回路の小型化が図れる。
次に図11及び図12に、第9及び第10実施形態の回路を示し説明する。
これら実施形態の回路は、機械可動部と接触する可能性のある危険領域に作業者が存在しないことをセンサにより検出し、センサから作業者が存在しないことを示す出力信号が発生している時だけ、運転信号が発生する構成である。
【0064】
まず、図11に示す第9実施形態の回路について説明する。
図11において、例えば図示しない危険領域に配置したバリアセンサ或いはマットセンサ等のセンサ出力によって励磁される電磁リレーの接点Rxを、電源Eと第1運転スイッチSW1との間に直列に介装する。前記バリアセンサ或いはマットセンサは、前記危険領域に人が存在しない時に高レベルの出力を発生するもので、センサから高レベルの出力が発生している時には、前記接点RxがONとなる。
【0065】
従って、危険領域に作業者等の人が存在しない時は、センサから高レベルの出力が発生し、接点RxがONとなり、電源Eが第1運転スイッチSW1に接続され、両運転スイッチSW1,SW2の操作に基づいて第1信号伝達経路11,12を介して信号発生回路20に信号が入力し、機械可動部の運転信号が発生する。
尚、信号発生回路20としては、前述の第1〜6の各実施形態で示した信号発生回路のいずれも適用でき、電源に直流を使用するか交流を使用するかによって適切に選択すればよい。図9及び図10に示す回路構成の場合も、第1運転スイッチSW1′と電源Eとの間に電磁リレーRxを設けることで同様の効果を有することは言うまでもない。
【0066】
次に、図12に示す第10実施形態の回路について説明する。
本実施形態の回路は、交流のセンサ出力と第1及び第2信号伝達経路11,12のの出力とを論理積演算する構成である。
図12において、例えば、フォトダイオードPDとフォトトランジスタPTからなる光センサ21を危険領域に配置する。この光センサ21は、フォトダイオードPDからの光がフォトトランジスタPTで受光される時は交流の出力信号を発生して危険領域に人が存在しないことを示し、フォトダイオードPDからの光がフォトトランジスタPTで受光されない時は交流信号を発生せず危険領域に人が存在することを示す構成である。この光センサの交流出力信号を、倍電圧整流回路REC5を介してそれぞれフェールセーフなANDゲートA2,A3の一方の入力端子に入力する。ANDゲートA2,A3の他方の入力端子には、それぞれ第1及び第2信号伝達経路11の信号を入力する。ANDゲートA2,A3からの交流信号は、倍電圧整流回路REC6,REC7で整流されて信号発生回路20に入力する。前記ANDゲートA2,A3は、図10と同様のものである。
【0067】
かかる構成によれば、危険領域に人が存在せず光センサ21からの交流信号が、各ANDゲートA2,A3に入力していれば、第1及び第2運転スイッチSW1,SW2の操作に基づいて第1及び第2信号伝達経路11にそれぞれ信号が発生した時に各ANDゲートA2,A3から交流信号が発生し、倍電圧整流回路REC6,REC7を介して信号発生回路20に信号が印加されて、機械可動部の運転信号が発生することになる。
【0068】
尚、図12の回路構成において、マットスイッチを用いて人の存在の有無を検出する場合は、マットスイッチ上に人が存在しない時に、フォトダイオードPDを交流信号でスイッチングしてフォトトランジスタPTで受光させるようにすればよい。
従って、図11及び図12に示す第9及び第10実施形態の回路構成によれば、危険領域に人が存在する時には機械可動部の運転信号を確実に停止させることができ、作業者の安全性をより一層高めることができる。
【0069】
尚、本発明の実施形態における電磁リレーを用いた回路においては、リレーの溶着故障を考慮し、各リレーのバック接点(非励磁の時にONとなる接点)を用いてバックチェック回路を構成して電磁リレーの接点溶着故障の検出を行っていることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、第1運転スイッチを操作してから第2運転スイッチを操作するまでの所定時間の設定を適切にすることで、作業者の安全を確保しつつ1人作業及び2人作業のどちらも可能であり、運用の自由度を持たせることができる。
【0071】
請求項4記載の発明のように信号発生回路を電子回路化すれば、請求項3記載の発明のリレー回路による場合に比べて信号発生回路の小型化を図ることができる。また、リレー接点の溶着故障に対する配慮が不要である。
請求項5或いは請求項6記載の発明によれば、電源に交流信号源を用いることができる。
【0072】
請求項7記載の発明によれば、どちらの運転スイッチを先に操作しても運転信号を発生できるので、作業者の作業効率を高めることができる。
請求項10及び11記載の発明によれば、一方の運転スイッチを操作している間に他方の運転スイッチを操作した場合でも運転信号が発生するので、運転スイッチの操作順序に優先順位がない場合における2人作業時の使い勝手が向上する。
【0073】
請求項12記載の発明によれば、機械可動部と接触する可能性のある危険領域に人が存在する時に運転信号の発生確実に防止でき、作業者の安全性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る運転信号発生回路の第1実施形態を示す回路図
【図2】同上第1実施形態の動作タイムチャート
【図3】同上第1実施形態の運転スイッチの故障検出機能の説明図
【図4】本発明の運転信号発生回路の第2実施形態を示す回路図
【図5】本発明の運転信号発生回路の第3実施形態を示す回路図
【図6】本発明の運転信号発生回路の第4実施形態を示す回路図
【図7】本発明の運転信号発生回路の第5実施形態を示す回路図
【図8】本発明の運転信号発生回路の第6実施形態を示す回路図
【図9】本発明の運転信号発生回路の第7実施形態を示す回路図
【図10】本発明の運転信号発生回路の第8実施形態を示す回路図
【図11】本発明の運転信号発生回路の第9実施形態を示す回路図
【図12】本発明の運転信号発生回路の第10実施形態を示す回路図
【図13】従来の運転信号発生回路の一例を示す回路図
【符号の説明】
1 運転信号供給路
11 第1信号伝達経路
12 第2信号伝達経路
13,13′,13′′ オフ・ディレー回路
14,14′ 自己保持回路
15,15′,16,16′ フォトインタラプタ
21 光センサ
30 第3信号伝達経路
SW1,SW1′ 第1運転スイッチ
SW2,SW2′ 第2運転スイッチ
RY1〜RY5 電磁リレー
a1 ,a1 ′,a2 ,a2 ′ メーク接点
b1 ,b1 ′,b2 ,b2 ′ ブレーク接点
r11,r12,r21,r22,r31,r32,r41, r42,r51,r52 励磁接点
Claims (12)
- 互いに連動しON−OFF動作が互いに相補の関係にあるメーク接点とブレーク接点を有する運転スイッチを用い、作業者が運転スイッチを操作している期間だけメーク接点がONとなって機械可動部の運転信号が発生する構成の運転信号発生回路であって、前記運転スイッチを2個設け、一方の運転スイッチのメーク接点と他方の運転スイッチのブレーク接点とを直列接続して第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチのブレーク接点と他方の運転スイッチのメーク接点とを直列接続して第2信号伝達経路を形成し、作業者の前記運転スイッチ操作に基づいて前記第1及び第2信号伝達経路のいずれか一方の経路が閉路したことを検出してから所定時間内に他方の経路が閉路して信号が伝達された時に前記運転信号を発生する信号発生回路を備えて構成したことを特徴とする運転信号発生回路
- 前記2つの運転スイッチを予め定めた順序で操作した時に前記信号発生回路から運転信号が発生する構成とした請求項1記載の運転信号発生回路。
- 前記信号発生回路は、前記第1信号伝達経路に直列接続した第1電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第1電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第1電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第1オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に直列接続した第2電磁リレーとを備え、前記第1電磁リレーの励磁接点と前記第2電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を前記第2電磁リレーと直列接続し、前記第2電磁リレーの第2励磁接点を機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした請求項2記載の運転信号発生回路。
- 前記信号発生回路は、前記第1信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第2信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第1自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記トリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第2オフ・ディレー回路とを備え、前記第1自己保持回路の出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした請求項2記載の運転信号発生回路。
- 前記第1及び第2信号伝達経路に、それぞれフォトインタラプタを介装し、各フォトインタラプタを介して前記第1自己保持回路にトリガ信号とホールド信号を入力させる構成である請求項4記載の運転信号発生回路。
- 前記第1及び第2信号伝達経路に、それぞれトランスを介装し、各トランスを介して前記第1自己保持回路にトリガ信号とホールド信号を入力させる構成である請求項4記載の運転信号発生回路。
- 前記2つの運転スイッチの操作順序に関係なく、信号発生回路から運転信号が発生可能な構成である請求項1記載の運転信号発生回路。
- 前記信号発生回路は、前記第1信号伝達経路に設けられる第3及び第4電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第3電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第3電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第3オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に設けられる第5及び第6電磁リレーと、前記第2信号伝達経路が開路して前記第5電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第5電磁リレーの消磁動作を前記所定時間遅延させる第4オフ・ディレー回路とを備え、前記第3電磁リレーと第4電磁リレーとを互いに並列接続し、第5電磁リレーの励磁接点と第4電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を、前記第3電磁リレーと並列且つ第4電磁リレーと直列に接続すると共に、前記第5電磁リレーと第6電磁リレーとを互いに並列接続し、第3電磁リレーの励磁接点と第6電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を、前記第5電磁リレーと並列且つ第6電磁リレーと直列に接続し、前記第4電磁リレーの第2励磁接点と前記第6電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を、機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした請求項7記載の運転信号発生回路。
- 前記信号発生回路は、前記第1信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第2信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第2自己保持回路と、前記第2信号伝達経路からの信号をトリガ信号とし前記第1信号伝達経路からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第3自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記第2自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第5オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路が開路した時に前記第3自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第6オフ・ディレー回路とを備え、前記第2及び第3自己保持回路のそれぞれの出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした請求項7記載の運転信号発生回路。
- 前記2つの運転スイッチが、それぞれ第1及び第2のブレーク接点と第1及び第2のメーク接点を有し、一方の運転スイッチの第1メーク接点と他方の運転スイッチの第1ブレーク接点とを直列接続して前記第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第1ブレーク接点と他方の運転スイッチの第1メーク接点とを直列接続して前記第2信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第2ブレーク接点と他方の運転スイッチの第2ブレーク接点とを直列接続して第3信号伝達経路を形成する構成とし、
前記信号発生回路は、前記第1信号伝達経路に設けられる第7電磁リレーと、前記第1信号伝達経路が開路して前記第7電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第7電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第7オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路に設けられる第8電磁リレーと、前記第2信号伝達経路が開路して前記第8電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第8電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第8オフ・ディレー回路と、前記第3信号伝達経路に設けられる第9電磁リレーと、前記第3信号伝達経路が開路して前記第9電磁リレーの励磁信号が遮断された時に第9電磁リレーの消磁動作を所定時間遅延させる第9オフ・ディレー回路と、前記一方の運転スイッチの第2メーク接点に直列接続する第10電磁リレーと、他方の運転スイッチの第2メーク接点に直列接続する第11電磁リレーとを備え、前記各電磁リレーを互いに並列接続し、第7電磁リレーの第1励磁接点と第11電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を前記第11電磁リレーと前記他方の運転スイッチの第2メーク接点との間に直列接続し、前記第8電磁リレーの第1励磁接点と第10電磁リレーの第1励磁接点との並列回路を第10電磁リレーと前記一方の運転スイッチの第2メーク接点との間に直列接続し、第9電磁リレーの第1励磁接点と第7電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を前記第7電磁リレーに直列接続し、第8電磁リレーの第2励磁接点と第9電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を第8電磁リレーに直列接続し、前記第10電磁リレーの第2励磁接点と前記第11電磁リレーの第2励磁接点との並列回路を機械可動部の運転信号供給路に直列接続する構成とした請求項7記載の運転信号発生回路。 - 前記2つの運転スイッチが、それぞれ第1及び第2のブレーク接点と第1及び第2のメーク接点を有し、一方の運転スイッチの第1メーク接点と他方の運転スイッチの第1ブレーク接点とを直列接続して前記第1信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第1ブレーク接点と他方の運転スイッチの第1メーク接点とを直列接続して前記第2信号伝達経路を形成し、一方の運転スイッチの第2ブレーク接点と他方の運転スイッチの第2ブレーク接点とを直列接続して第3信号伝達経路を形成する構成とし、
前記信号発生回路は、前記第3信号伝達経路が開路した時に当該第3信号伝達経路からの信号の停止を所定時間遅延させる第10オフ・ディレー回路と、前記第1信号伝達経路からの信号を一方の入力信号とし前記第10オフ・ディレー回路からの出力信号を他方の入力信号とする第1論理積回路と、前記第2信号伝達経路からの信号を一方の入力信号とし前記第10オフ・ディレー回路からの出力信号を他方の入力信号とする第2論理積回路と、前記第1論理積回路の出力信号をトリガ信号とし前記他方の運転スイッチの第2メーク接点からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第4自己保持回路と、前記第2論理積回路からの信号をトリガ信号とし前記一方の運転スイッチの第2メーク接点からの信号をホールド信号とし前記トリガ信号入力中に前記ホールド信号が入力した時出力を発生して前記トリガ信号を自己保持する第5自己保持回路と、前記第1信号伝達経路が開路した時に前記第4自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第11オフ・ディレー回路と、前記第2信号伝達経路が開路した時に前記第5自己保持回路のトリガ信号の停止を前記所定時間遅延させる第12オフ・ディレー回路とを備え、前記第4及び第5自己保持回路のそれぞれの出力に基づいて機械可動部の運転信号が発生する構成とした請求項7記載の運転信号発生回路。 - 前記機械可動部と接触する可能性のある危険領域内に作業者が存在しない時に出力を発生する監視手段を設け、該監視手段から出力が発生している時のみ前記第1及び第2信号伝達経路の信号伝達を可能とする構成とした請求項1〜11のいずれか1つに記載の運転信号発生回路。
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