JP3937121B2 - 車両用差動制限装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前後輪間や左右輪間の差動を制限する車両用差動制限装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
近年広く実用化されているフルタイム4輪駆動車では、車両の旋回時に発生する前後輪間の回転差をセンタデフにより許容して、所謂タイトコーナブレーキング現象を防止している。この種のセンタデフには油圧多板クラッチからなる差動制限装置が備えられる場合があり、油圧多板クラッチによりセンタデフに拘束トルクを作用させて差動状態を制限し、これにより前後輪のトルク配分を調整して走行特性(例えば、回頭性や走行安定性等)を任意に変更可能としている。
【0003】
車両の運転状態に応じた最適な走行特性を達成させるべく、拘束トルクは種々のパラメータに基づいて設定される。例えば、運転者による急操舵が行われたときには、車両の回頭性を向上させて迅速に姿勢変更すべきとの観点の基に、操舵角速度が所定値以上のときに拘束トルクを減少補正して、車両の回頭性を確保するようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、急操舵により操舵角速度が増加するのは操舵初期のごく短時間であり、上記した差動制限装置では、その間だけ補正値の切換により拘束トルクが減少補正されるに過ぎない。よって、拘束トルク制御の油圧回路の応答性等によっては、補正が行われても実際の拘束トルクがほとんど変化しない場合もあり、結果として拘束トルク制御が車両の挙動に反映されず、十分な回頭性の確保は到底期待できなかった。
【0005】
本発明の目的は、操舵状態に応じた適切な期間に亘って拘束トルクを変化させて車両の挙動に確実に反映させ、もって、常に最適な走行特性を実現することができる車両用差動制限装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、エンジンからの駆動力を各駆動輪に差動を許容して分配する差動手段と、差動手段に拘束トルクを作用させて差動を制限可能な差動制限手段と、車両の前後加速度と操舵角速度に基づいて差動制限手段の拘束トルクを制御する制御手段とを有し、制御手段が、前後加速度の減速側への増加に伴って拘束トルクを増加させるべく算出される拘束トルクの目標値を、操舵角速度の増加に伴って拘束トルクが減少するよう補正して拘束トルクを制御し、同補正の応答性を拘束トルクの減少補正側に対して増加補正側を低く設定したものである。
【0007】
従って、車両の減速時には車両姿勢の安定化等を目的として、前後加速度の減速側への増加に伴って拘束トルクを増加させるべく拘束トルクの目標値が設定され、この減速中に操舵が行われると、急操舵時の車両の回頭性の確保等を目的として、操舵角速度の増加に伴って拘束トルクが減少するよう目標値が補正され、この目標値に基づいて拘束トルクが制御される。操舵角速度が増加するのは操舵初期のごく短時間であるが、拘束トルクの減少補正側に比較して増加補正側では低い応答性が適用されるため、拘束トルクは速やかに減少補正された後に緩やかに増加補正されることになる。その結果、操舵角速度の増加期間に対して、拘束トルクがより長時間に亘って減少状態に保持されて、このときの拘束トルクの変化が車両の挙動に確実に反映される
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をセンタディファレンシャル(以下、センタデフという)の差動を制限する差動制限装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の車両用作動制限装置を示す全体構成図、図2はセンタデフ及びフロントデフの詳細を示す部分拡大図である。これらの図に示すように、差動手段としてのセンタデフ1はフロントディファレンシャル(以下、フロントデフという)2と共に車両の前輪3Fの車軸上に配設され、エンジン4の回転が手動式の変速機5を介してセンタデフ1の外周のリングギア6に入力されるようになっている。センタデフ1はピニオンギア7に一対のサイドギア8a,8bを噛合させた一般的な構成であり、エンジン4によりリングギア6が回転駆動されると一体でピニオンギア7が回転し、左右のサイドギア8a,8bに回転差を許容しながら50:50の比率でトルクが配分される。
【0009】
センタデフ1の一方のサイドギア8aはフロントデフ2のアウタケーシング9に連結され、アウタケーシング9の外周に設けられたリングギア10がピニオンギア11及びプロペラシャフト12を介してリアディファレンシャル(以下、リアデフという)13に接続されている。一方のサイドギア8aと共にアウタケーシング9が回転すると、その回転はリングギア10、ピニオンギア11、プロペラシャフト12を経てリアデフ13に伝達され、ドライブシャフト14を介して左右の後輪3Rが回転駆動されると共に、リアデフ13に内蔵された図示しない差動機構により左右の回転差が許容される。
【0010】
センタデフ1の他方のサイドギア8bは、前記アウタケーシング9に内装されたインナケーシング15に接続され、このインナケーシング15内に支持された一対のプラネタリギア16は、左右のドライブシャフト17の内端に形成されたサンギア18にそれぞれ噛合している。他方のサイドギア8bと共にインナケーシング15が回転すると、その回転はプラネタリギア16、サンギア18を経てドライブシャフト17に伝達されて左右の前輪3Fが回転駆動されると共に、プラネタリギア16の自転に伴って左右の回転差が許容される。
【0011】
フロントデフ2のアウタケーシング9とインナケーシング15との間には,差動制限手段としての油圧多板クラッチ19が設けられ、この油圧多板クラッチ19の係合状態に応じて拘束トルクが発生して、両ケーシング9,15の相対回転が規制される。油圧多板クラッチ19の完全開放時(拘束トルク0)には、両ケーシング9,15が回転規制されることなくフリー状態に保持されて、上記のように50:50の比率で前輪3F側と後輪3R側へのトルク配分が行われ、一方、油圧多板クラッチ19の完全係合時(拘束トルク最大)には、両ケーシング9,15が回転規制されてロック状態に保持され、このときには前後輪3F,3Rの接地荷重に応じた比率でトルク配分が行われる。そして、このような拘束トルクの調整に応じて、後述のように車両の走行特性が変化する。油圧多板クラッチ19は油圧ユニット20から作動油の供給を受けて作動し、その作動油の供給状態がソレノイドバルブ21で制御されることにより油圧多板クラッチ19の係合状態が調整されて、任意の拘束トルクが実現される。
【0012】
一方、車両の室内には、制御手段としての4WD用ECU(電子制御ユニット)31が図示しないエンジン・変速機用ECUやABS用ECU等と共に設置されており、この4WD用ECU31は他のECUと同様に、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。4WD用ECU31の入力側には、車両に作用する前後方向の加速度Gxを検出する前後加速度センサ33、ステアリング操舵角θsを検出する操舵角センサ37、及び、運転者が高μ路面(例えば、舗装路)、中μ路面(例えば、未舗装路)、低μ路面(例えば、凍結路)の3種の路面状況を選択するためのモード切換スイッチ38が接続されている。又、4WD用ECU31の出力側には、前記ソレノイドバルブ21が接続されている。
【0013】
次に、以上のように構成された車両用差動制限装置のECU31が実行するセンタデフ1の差動制限制御、特に差動制限制御に適用する拘束トルクの設定手順を説明する。
図3はECUが実行する拘束トルクの設定手順を系統的に示したブロック図である。図に示すように、この拘束トルク設定手順は、車両の運転状態に応じて異なるパラメータからそれぞれ拘束トルクを算出する前後差回転拘束トルク設定部41、前後G比例拘束トルク設定部42、加速対応拘束トルク設定部43、及び減速対応拘束トルク設定部44と、それらの各設定部41〜44で設定された拘束トルクTv,Tx,Ta,Tbから最終的な拘束トルクTfinalを設定する最終拘束トルク設定部45とから構成されている。
【0014】
各拘束トルク設定部41〜44による拘束トルクTv,Tx,Ta,Tbの設定は、それぞれ以下の趣旨に基づくものである。前後差回転拘束トルク設定部41は、旋回時に運転者の意志に沿った車両の挙動を実現することを目的とし、前後輪の回転差に基づいて前後差回転拘束トルクTvを算出している。前後G比例拘束トルク設定部42は、低μ路面等において前後輪の回転差に基づく前後差回転拘束トルクTvに生じるハンチングの防止を目的とし、前後差回転拘束トルクTvの代替として車両の前後加速度Gxに基づいて前後G拘束トルクTxを算出している。加速対応拘束トルク設定部43は、停車状態からの急発進時等のように伝達トルクが急増することが予測される場合に、後輪3Rの初期スリップを防止することを目的とし、車両の加速状態に基づいて加速対応拘束トルクTaを算出している。減速対応拘束トルク設定部44は、急減速時において車両姿勢の安定性を確保することを目的とし、車両の減速状態に基づいて減速対応拘束トルクTbを算出している。
【0015】
以上の各拘束トルクTv,Tx,Ta,Tbが最終拘束トルク設定部45に入力され、最終拘束トルク設定部45の最大値選択部101では、前後差回転拘束トルクTvと前後G比例拘束トルクTxとの大きい側が選択される。4輪スリップに伴い前後差回転拘束トルクTvに制御ハンチングが発生した場合には、前後G比例拘束トルクTxが適宜選択されることになり、結果として最大値選択部101の出力値が安定化されてハンチングの影響が抑制される。
【0016】
選択された拘束トルクTv,Txは、加算処理部102において加速対応拘束トルクTa及び減速対応拘束トルクTbと加算されて、最終拘束トルクTfinalとされる。この最終拘束トルクTfinalはリミッタ103に入力されて、センタデフ1の油圧多板クラッチ19で実現可能な最大拘束トルクに制限され、その後に加算処理部104に入力される。又、加算処理部104にはハイパスフィルタ105を通過した最終拘束トルクTfinalも入力され、双方が加算された後に再びリミッタ106により最大拘束トルクに制限され、最終拘束トルクTfinalとして出力される。ハイパスフィルタ105では、最終拘束トルクTfinalの急変時にサージ的な上乗せを行うことにより、この最終拘束トルクTfinalに基づいてソレノイドバルブ21が駆動制御される際の応答遅れを低減している。
【0017】
このようにして設定された最終拘束トルクTfinalに基づいて、センタデフ1の実際の拘束トルクが制御される。即ち、最終拘束トルクTfinalに対応するデューティ率が図示しないマップから設定され、そのデューティ率に基づいてソレノイドバルブ21が作動して、油圧ユニット20から油圧多板クラッチ19に供給される作動油を制御し、その結果、油圧多板クラッチ19の係合状態が調整されて、拘束トルクが上記最終拘束トルクTfinalに制御される。
【0018】
一方、図4は減速対応拘束トルク設定部の拘束トルクの詳細な設定手順を示すブロック図であり、以下、この図に従って減速対応拘束トルク設定部44の設定処理を説明する。
減速対応拘束トルク設定部44の拘束トルク算出部91には、前後加速度センサ33にて検出された前後加速度Gxとモード切換スイッチ38の操作状況とが入力され、予め設定された3種のマップから路面状況に対応するマップが選択される。選択されたマップに基づいて前後加速度Gxから減速対応拘束トルクTbが算出される。
【0019】
図に示すように、何れのマップにおいても、前後加速度Gxの負側(減速側)への増加に伴って減速対応拘束トルクTbが増加設定され、これにより、減速時の車両姿勢の安定化が図られる。又、各マップは、同一の前後加速度Gxにおいて、高μ路面のマップほど大きな減速対応拘束トルクTbが算出されるように設定されている。この設定により、ブレーキ時の前輪荷重が高くて4輪同時ロックし難い高μ路面では、より大きな拘束トルクが設定されて制動力の向上が図られる。
【0020】
又、K2算出部92には、操舵角センサ37にて検出された操舵角θs、モード切換スイッチ38の操作状況、及び推定車体速算出部54にて算出された推定車体速VBが入力される。推定車体速VBとは所定時間t後の車体速VBを表し、例えば、2番目に小さい車輪速を現在の車体速と見なし(最小値は故障中の可能性があるため除外)、その値を前後加速度Gx(以降の車体速の変化を意味する)で補正することにより算出される。K2算出部92では、予め設定された3種のマップから路面状況に対応するマップが選択され、そのマップに基づいて、操舵角θs及び推定車体速VBから補正係数K2が算出される。算出された補正係数K2はC/S補正部93を経て乗算処理部94に入力され、乗算処理部94では、減速対応拘束トルクTbに補正係数K2が乗算される。図示はしないが、補正係数K2は0〜1.0の範囲内で設定され、例えば操舵角θsの増加に伴って減少設定され、これにより減速対応拘束トルクTbが減少補正されて回頭性の確保が図られる。
【0021】
又、C/S補正部93では、現在の操舵状況がカウンタステアであるか否かが判定される。このカウンタステアの判定は、例えば操舵角θsから推定した操舵方向と横加速度センサ等で検出した車両の横加速度とに基づいて行われ、両者が一致している場合に非カウンタステア(CSH=0)と判定され、一致していない場合にカウンタステア(CSH=1)と判定される。前記C/S補正部93では、C/S判定部60の判定結果がカウンタステア(CSH=1)であるときのみ、補正係数K2を1に置換する。よって、操舵角θsに基づいて設定される補正係数K2がカウンタステアによって不適切となったときには、これに基づく補正が禁止される。
【0022】
一方、操舵角センサ37からの操舵角θsは微分処理部95で時間微分されて操舵角速度Dθsに変換され、この操舵角速度Dθsは前記モード切換スイッチ38の操作状況と共にK3算出部96に入力される。K3算出部96では、予め設定された3種のマップから路面状況に対応するマップが選択され、そのマップに基づいて操舵角速度Dθsから補正係数K3が算出される。算出された補正係数K3はフィルタ97及びC/S補正部98を経て乗算処理部99に入力され、乗算処理部99では、減速対応拘束トルクTbに補正係数K3が乗算され、乗算後の減速対応拘束トルクTbが、上記した最終拘束トルク設定部45に出力されて最終拘束トルクTfinalの算出に適用される。
【0023】
補正係数K3は0〜1.0の範囲内で設定されるが、何れのマップにおいても、操舵角速度Dθsが所定値以上の領域では、操舵角速度Dθsの増加に伴って補正係数K3が減少設定される。これにより急操舵に伴って操舵角速度Dθsが増加すると、補正係数K3が減少側に設定されて減速対応拘束トルクTbを減少補正し、その結果、回頭性の確保が図られる。又、低μ路面のマップほど、より高い操舵角速度Dθsまで補正係数K3が最大値(1.0)に維持されるように設定され、結果として急操舵による減速対応拘束トルクTbの減少が抑制されて、走行安定性が確保される。尚、この例では操舵の方向(切込み側と切戻し側)に拘わらず同一のマップを適用したが、操舵方向に応じて異なる特性のマップを適用してもよい。
【0024】
C/S補正部98では、このように設定された補正係数K3をカウンタステア(CSH=1)であるときのみ1に置換する。よって、操舵角速度Dθsに基づいて設定される補正係数K3がカウンタステアによって不適切となったときには、これに基づく補正が禁止される。
前記フィルタ97の特性は、例えば増加側が0.5Hzに、減少側が8Hzに設定されて、増加側の応答性が減少側の応答性に比較して大幅に低められている。このため、急操舵により操舵角速度Dθsが増加して、フィルタ97に入力される補正係数K3が減少側に変化したときには、フィルタ97は高い応答性をもって迅速に出力を減少させることから、減速対応拘束トルクTbも速やかに減少されることになり、一方、その直後の操舵角速度Dθsの減少時には、入力される補正係数K3が増加しても、フィルタ97の応答性が低いことから出力は緩慢にしか増加せずに、減速対応拘束トルクTbの増加も緩やかなものとなる。
【0025】
つまり、急操舵により操舵角速度Dθsが増加するのは操舵初期のごく短時間であるが、その操舵角速度Dθsの増加期間に対して、減速対応拘束トルクTbはより長時間に亘って減少状態に保持されることになる。そして、この減速対応拘束トルクTbの減少期間に亘ってセンタデフ1の実際の拘束トルクが減少されることから、車両の挙動が回頭性を向上させる方向に確実に変化する。尚、言うまでもないが、拘束トルクの適切な減少期間は油圧ユニット20の応答性や車両の旋回性能等の諸条件によって異なることから、前記フィルタ97の特性は、これらの諸条件を考慮した上で任意に変更可能である。
【0026】
以上のように本実施形態の車両用差動制限装置によれば、操舵状態に応じた適切な期間に亘って減速対応拘束トルクTbを減少させるため、このときの減速対応拘束トルクTbの減少を車両の挙動に確実に反映させることができ、もって、急操舵時に十分な回頭性を確保して常に最適な走行特性を実現することができる。
【0027】
又、上記のように補正係数K3は、K3算出部96のマップに従って操舵角速度Dθsに応じて無段階に設定され、その補正係数K3による補正に基づいて減速対応拘束トルクTbも無段階で変化する。操舵角速度Dθsに応じて補正係数K3を設定する手法としては、操舵角速度Dθsが所定値を越えるか否かに応じて補正係数K3をステップ状に切換えることも考えられるが、この場合には、減速対応拘束トルクTbもステップ状に切換えられて車両の挙動を急変させる要因となってしまう。これに対して減速対応拘束トルクTbを無段階で変化させた場合には車両の挙動が円滑に変化することから、運転者が挙動変化を把握し易くなって運転操作を容易化できるという効果も得られる。
【0028】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、前輪及び後輪間の差動を許容するセンタデフ用の差動制限装置として具体化したが、例えば左右輪間の差動を許容するフロントデフやリアデフ用の差動制限装置に具体化してもよい。
又、上記実施形態では、前後差回転拘束トルクTv、前後G比例拘束トルクTx、加速対応拘束トルクTa、減速対応拘束トルクTbをそれぞれ算出して最終的な拘束トルクTfinalを設定したが、何れかの拘束トルクを省略したり、別のパラメータから算出された拘束トルクを追加したりしてもよい。
【0029】
更に、上記実施形態では、K3算出部96の出力側にフィルタ97を設け、補正係数K3の増減状態をフィルタ97により変更することで、所望の減速対応拘束トルクTbの減少期間を実現したが、例えば図4に二点鎖線で示すように、フィルタ97の位置を微分処理部95の出力側に変更して、操舵角速度Dθsの増減状態をフィルタ97により変更してもよい。この場合のフィルタ97の特性は、上記した場合とは逆に、増加側の応答性より減少側の応答性を低めるように設定する。これにより、急操舵で操舵角速度Dθsが増加したときに、フィルタ97は高い応答性をもって迅速に出力を増加させ、その直後の操舵角速度Dθsの減少時には、フィルタ97の応答性が低いことから出力が緩慢にしか減少せず、結果として操舵角速度Dθsの増加期間に対して、減速対応拘束トルクTbの減少期間が延長されて、上記実施形態と同様に十分な回頭性を確保可能となる。
【0030】
一方、上記実施形態では、増加側と減少側の応答性が異なるフィルタ97を用いたが、例えば最大値を所定時間保持するピークホールドフィルタや最小値を所定時間保持するボトムホールドフィルタを用いてもよい。具体的には、上記実施形態のように補正係数K3の増減状態を変更する場合には、ボトムホールドフィルタにより補正係数K3の減少期間を延長化し、又、上記した別例のように操舵角速度Dθsの増減状態を変更する場合には、ピークホールドフィルタにより操舵角速度Dθsの増加期間を延長化すればよい。更に、これらのフィルタに代えて、例えば入力側の変化率が所定値を越えたときのみに、それに応じて出力を変化させる特性の勾配リミッタを用いてもよく、この場合でも上記と同じく減速対応拘束トルクTbの減少期間を延長することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車両用差動制限装置によれば、操舵状態に応じた適切な期間に亘って拘束トルクを変化させて車両の挙動に確実に反映させ、もって、常に最適な走行特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の車両用作動制限装置を示す全体構成図である。
【図2】センタデフ及びフロントデフの詳細を示す部分拡大図である。
【図3】ECUが実行する拘束トルクの設定手順を系統的に示したブロック図である。
【図4】減速対応拘束トルク設定部の拘束トルクの詳細な設定手順を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 センタデフ(差動手段)
3F 前輪(駆動輪)
3R 後輪(駆動輪)
4 エンジン
19 油圧多板クラッチ(差動制限手段)
31 ECU(制御手段)

Claims (1)

  1. エンジンからの駆動力を各駆動輪に差動を許容して分配する差動手段と、
    上記差動手段に拘束トルクを作用させて差動を制限可能な差動制限手段と、
    車両の前後加速度と操舵角速度に基づいて上記差動制限手段の拘束トルクを制御する制御手段とを有し、
    上記制御手段は、上記前後加速度の減速側への増加に伴って上記拘束トルクを増加させるべく算出される拘束トルクの目標値を、上記操舵角速度の増加に伴って上記拘束トルクが減少するよう補正して上記拘束トルクを制御し、同補正の応答性を拘束トルクの減少補正側に対して増加補正側を低く設定したことを特徴とする車両用差動制御装置
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