JPH054530A - 車両の差動制限装置 - Google Patents

車両の差動制限装置

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JPH054530A
JPH054530A JP3156958A JP15695891A JPH054530A JP H054530 A JPH054530 A JP H054530A JP 3156958 A JP3156958 A JP 3156958A JP 15695891 A JP15695891 A JP 15695891A JP H054530 A JPH054530 A JP H054530A
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differential
inter
wheel
current
axle
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JP3156958A
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Masaru Shiraishi
優 白石
Hideji Hiruta
秀司 昼田
Nobuyuki Nakamura
信之 中村
Yoshitaka Kimura
嘉孝 木村
Minoru Takada
稔 高田
Yoshitsugu Masuda
尚嗣 増田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の運転状態や、構造的特性に適応した差
動制御を行うことができる差動制限装置を提供する。 【構成】 車軸間デファレンシャル及び車輪間デファレ
ンシャルを所定の条件でロック状態として差動制限を行
う車両の差動制限装置において、車軸間デファレンシャ
ルに設けられ、車軸間デファレンシャルの差動を制限す
る第1の電磁クラッチと、車輪間デファレンシャルに設
けられ、車輪間デファレンシャルの差動を制限する第2
の電磁クラッチと、これら電磁クラッチの差動制限動作
を制御するコントロールユニットとを備え、コントロー
ルユニットは、第1の電磁クラッチが車軸間デファレン
シャルをロック状態に保持する時間と、第2の電磁クラ
ッチが車輪間デファレンシャルをロック状態に保持する
時間とを相異なる時期に生じさせる作動時期制御手段を
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の差動制限装置に
関するものであり、より詳細には、車両の運転状態や、
構造的特性に適応した差動制御を行うことができる差動
制限装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車は一般に、旋回時における前
後輪の軌跡差を補償すべく、前後輪の車軸間に配設され
るセンタデファレンシャル、前輪間に配設されるフロン
トデファレンシャル、及び後輪間に配設されるリヤデフ
ァレンシャルをそれぞれ備えている。このような4輪駆
動車が、例えば特開昭62−166114号公報に記載
されており、この4輪駆動車には、油圧によりロック状
態及びアンロック状態の作動状態が夫々設定されるフロ
ントデファレンシャル、リヤデファレンシャル及びセン
タデファレンシャルのための差動制限装置が設けられて
いる。この差動制限装置は、各車輪の車輪速度信号と操
舵角信号とを制御回路に入力し、これらの値に基づいて
悪路判定、直進判定、加速判定及び制動判定を行い、各
種の走行状態に対応して、フロントデファレンシャル、
リヤデファレンシャル及びセンタデファレンシャルの作
動を制御し、これによって、操縦安定性、制動性、加速
性などの向上を図っている。
【0003】また、この種の差動制限装置において、前
後輪の回転数差に基づいて差動制限装置の伝達トルク容
量を制御するように構成されたものが提案されている
(特開昭62─166113号公報)。この差動制限装
置は、前後輪の回転数差が比較的小さいとき、伝達トル
ク容量を低減するように構成され、これによって、運転
状態に応じた適当な差動作用又は差動制限作用を確保し
ようとする。
【0004】また、車両の発進状態を検出し、車両の発
進時にセンタデファレンシャルを自動的にロック状態に
するように構成されたデフロック制御装置が提案されて
いる(特開昭63─251327公報)。このデフロッ
ク装置は、発進時における運転者の手動デフロック操作
を不要にし、発進時の確実なデフロック動作を確保しよ
うとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな差動制限装置では、デファレンシャルをロックする
際に、複数のデファレンシャルを実質的に同時にロック
してしまうことから、駆動トルクが急激に変動し、所謂
トルクショックを生じさせることがある。また、全ての
デファレンシャルの差動制限装置が、実質的に同じ条件
下で略同時にロック又はロック解除を行うので、或る運
転状態では、全ての差動制限装置が一斉にハンチングを
生じさせることが考えられる。更には、差動制限装置
は、各デファレンシャルの差動を規制する電磁式又は油
圧作動式の多板クラッチを一般に備えているが、かかる
クラッチに電磁式のものを用いた場合、各デファレンシ
ャルにおけるクラッチの同時作動は、差動制限装置の制
御系統に急激な電気負荷を課す恐れがある。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、デファレンシャルのロ
ック動作に伴う走行時のトルクショックを抑制すること
ができる車両の差動制限装置を提供することにある。本
発明の目的は又、所望の差動制限作用を確保しつつ、差
動制限装置の作動回数を低減することができる差動制限
装置を提供することにある。
【0007】本発明は更に、電気的に作動される差動制
限装置において、制御系統に急激な電気負荷が生じるの
を回避できる差動制限装置を提供することを目的として
いる。本発明は又、殊に車両の発進時に、車輪のスリッ
プを効果的に防止できる車両の差動制限装置を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、車軸間デファレンシャル及び車輪間デファ
レンシャルを所定の条件でロック状態として差動制限を
行う車両の差動制限装置において、車軸間デファレンシ
ャルに設けられ、該車軸間デファレンシャルの差動を制
限する第1差動制限手段と、車輪間デファレンシャルに
設けられ、該車輪間デファレンシャルの差動を制限する
第2差動制限手段と、前記第1及び第2差動制限手段の
差動制限動作を制御する差動制御手段とを備え、前記差
動制御手段は、前記第1差動制限手段が前記車軸間デフ
ァレンシャルをロック状態に保持する時間と、前記第2
差動制限手段が前記車輪間デファレンシャルをロック状
態に保持する時間とを相異なる時期に生じさせる作動時
期制御手段を備えていることを特徴とする車両の差動制
限装置を提供する。
【0009】かかる構成の差動制限装置によれば、作動
時期制御手段は、車軸間デファレンシャルがロック状態
に保持される時間と、車輪間デファレンシャルがロック
状態に保持される時間とが一致するのを妨げ、車軸間デ
ファレンシャルがロック状態に移行する時期及び/又は
ロック状態を解放する時期と、車輪間デファレンシャル
がロック状態に移行する時期及び/又はロック状態を解
放する時期とを意図的にずらす。従って、各デファレン
シャルは、同時にロック動作を行うことなく、これに伴
う走行時のトルクショックを妨げる。
【0010】本発明の好ましい実施態様においては、前
記作動時期制御手段は、前記第1差動制限手段が車軸間
デファレンシャルのロック状態を解放する時期と、前記
第2差動制限手段が前記車輪間デファレンシャルのロッ
ク状態を解放する時期とを相異なる時期に生じさせる。
また、本発明の他の好適な実施態様では、前記作動時期
制御手段は、第1差動制限手段が車軸間デファレンシャ
ルをロック状態に移行させる時期と、前記第2差動制限
手段が前記車輪間デファレンシャルをロック状態に移行
させる時期とを相異なる時期に生じさせる。
【0011】本発明の更に他の実施態様では、前記作動
時期制御手段は、前記第1及び第2差動制限手段が前記
車軸間及び車輪間デファレンシャルをロック状態に保持
した後に、これらの差動制限手段の一方が前記デファレ
ンシャルの一方をロック状態から解放したとき、この差
動制限手段が該デファレンシャルをロック状態から所定
時間継続的に解放した後に、前記差動制限手段の他方に
より前記車軸間及び車輪間デファレンシャルの他方のロ
ック状態を解放する。このように、いずれか一方の差動
制限手段のロック状態を意図的に長時間維持することに
より、所望の差動制限作用を確保しつつ、差動制限装置
の作動回数を低減し、差動制限装置のハンチングを効果
的に防止できる。
【0012】本発明の他の好適な実施態様においては、
作動時期制御手段は、車速が所定車速未満であるとき、
前記車軸間デファレンシャルを前記車輪間デファレンシ
ャルよりも早期にロック状態に移行させ、車速が前記所
定車速以上であるとき、前記車輪間デファレンシャルを
前記車軸間デファレンシャルよりも早期にロック状態に
移行させるように構成され。これにより、差動制限装置
は、低速走行時に、車輪間デファレンシャルの差動作用
を保持したまま、車軸間デファレンシャルの差動を制限
し、車両の発進時などの車輪のスリップを効果的に打ち
消すことができ、逆に、中高速時には、前後に駆動力を
配分する車軸間デファレンシャルの差動作用を保持した
まま、操縦性に対する影響が比較的少ない車輪間デファ
レンシャルの差動を先に制限し、車両の操縦性を重視し
た差動制限を行うことができる。
【0013】他の観点より本発明は、車軸間デファレン
シャル及び車輪間デファレンシャルを所定の条件でロッ
ク状態として差動制限を行う車両の差動制限装置におい
て、車軸間デファレンシャルに設けられ、該車軸間デフ
ァレンシャルの差動を制限する第1差動制限手段と、車
輪間デファレンシャルに設けられ、該車輪間デファレン
シャルの差動を制限する第2差動制限手段と、前記第1
及び第2差動制限手段の差動制限動作を制御する差動制
御手段とを備え、前記第1及び第2差動制限手段は夫
々、各車軸間又は各車輪間の差動を前記デファレンシャ
ルに比例的に摩擦力を付与することにより制限する摩擦
係合手段を備え、前記差動制御手段は、前記摩擦係合手
段の各々が各デファレンシャルに付与する摩擦力の時間
変化率を互い異なるように設定する変化率制御手段を備
えていることを特徴とする車両の差動制限装置を提供す
る。
【0014】かかる構成の差動制限装置によれば、差動
が生じたときに、各デファレンシャルは、時間的なずれ
をもってロック状態に移行し、或いは、ロック状態から
解放されるので、各デファレンシャルは、同時にロック
動作を行うことなく、これに伴う走行時のトルクショッ
クを生じさせるのを回避できる。また、本発明の或る実
施態様では、前記第1差動制限手段及び/又は第2差動
制限手段は、前記差動制御手段からの電気信号に応じて
前記車軸間デファレンシャル及び/又は車輪間デファレ
ンシャルの差動を制限する摩擦係合手段を夫々備えてい
る。このように電気的に作動される第1差動制限手段及
び/又は第2差動制限手段を備えた差動制限装置では、
各差動制限手段の作動時期が一致するのが妨げられるの
で、差動制限装置の電気系統に過渡的に過大な負荷が生
じるのを回避できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。図1は、本発明の車両の制御装置
の全体構成を示す全体構成図である。先ず、図1に示さ
れた車両の動力伝達系を説明する。10はエンジンであ
り、このエンジン10にはトランスミッション11が接
続され、このトランスミッション11にはトランスファ
12が接続されている。このトランスファ12には、エ
ンジン10からの出力を前輪側に伝達するフロント・プ
ロペラシャフト13及び後輪側に伝達するリヤ・プロペ
ラシャフト14がそれぞれ接続されている。このフロン
ト・プロペラシャフト13には、フロント・アクスル1
5を介して前輪16が接続されている。またリヤ・プロ
ペラシャフト14には、リヤ・アクスル17を介して後
輪18が接続されている。さらにトランスファ12には
センタ・デファレンシャル20(以下、センタデフとい
う。)、フロント・アクスル15にはフロント・デファ
レンシャル21(以下、フロントデフという。)、リヤ
・アクスル15にはリヤ・デファレンシャル22(以
下、リヤデフという。)がそれぞれ設けられている。
【0016】また各前輪16及び各後輪18には、各車
輪の車輪速を検出する車輪速センサ30がそれぞれ取り
付けられている。31はブレーキスイッチであり、この
ブレーキスイッチ31によりブレーキのオン・オフを検
出する。32はスロットルセンサであり、このスロット
ルセンサ32によりエンジン10のスロットル開度を検
出する。
【0017】40はエンジン用コントロール・ユニット
であり、このエンジン用コントロール・ユニット40に
はスロットルセンサ32からスロットル開度が入力され
る。41はアンチスキッドブレーキ装置用コントロール
・ユニット(以下、ABS用コントロール・ユニットと
いう。)であり、このABS用コントロール・ユニット
41には、車輪速センサ30から各車輪速が入力され
る。43はデファレンシャル用コントロール・ユニット
であり、このデファレンシャル用コントロール・ユニッ
ト43には、後述するデフロックのモード選択を行うマ
ニュアル・スイッチ44及びバッテリー45が接続され
ている。このデファレンシャル用コントロール・ユニッ
ト43には、スロットルセンサ32からスロットル開
度、ブレーキスイッチ31からブレーキ信号、及び各車
輪の車輪速、マニュアル・スイッチ44からモード信号
がそれぞれ入力される。これらの各入力された値に基づ
いて、デファレンシャル用コントロール・ユニット43
から、センタデフ20へセンタデフ電流、フロントデフ
21へフロントデフ電流、リヤデフ22へリヤデフ電流
がそれぞれ供給され、これらの電流値に基づいてセンタ
デフ20、フロントデフ21及びリヤデフ22がアンロ
ック状態、中間ロック状態、完全ロック状態とされる。
【0018】図2は、センタデフに設けられた電磁多板
クラッチを示す断面図である。センタデフ20には、電
磁多板クラッチ50が設けられ、この電磁多板クラッチ
50によりセンタデフ20がアンロック状態、中間ロッ
ク状態、完全ロック状態とされる。この電磁多板クラッ
チ50は、フロント・プロペラシャフト13とリヤ・プ
ロペラシャフト14との差動を制限できるものであれ
ば、どのような形式のものでもよい。その一例を図2に
示す。図2において、電磁多板クラッチ50は複数枚の
インナディスクとアウタディスクとよりなるクラッチ板
51及びこのクラッチ板51へ押圧力を生じさせるアク
チュエータ52から構成されている。また53は軸受、
54は一方のプロペラシャフトに伝動連結する伝動部
材、55は他方のプロペラシャフトに伝動連結する伝動
部材である。アクチュエータ52は、ソレノイド56に
電流が流れる時に発生する磁力によってアーマチュア5
7がクラッチ板51を押圧するように構成されている。
この電磁多板クラッチ50においては、ソレノイド56
に流れる電流とクラッチ板51を摩擦係合させる押圧力
すなわち電磁多板クラッチ50で発生するトルクとが比
例関係にあるので、センタデフ20の差動回転数を電流
の増減により連続的に変化させることができる。
【0019】フロントデフ21及びリヤデフ22におい
ても、電磁多板クラッチが設けられているが、図2に示
すものと同様の構成のためその説明は省略する。次に表
1を参照してマニュアル・スイッチ44により選択され
た各モードにおける制御内容について説明する。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示すように、マニュアル・スイッチ
44の「AUTO(Aモード)」においては、フロント
デフ21がアンロック状態、センタデフ20とリヤデフ
22がオートモード制御とされる。「C(Cモード)」
においては、フロントデフ21がアンロック状態、セン
タデフ20が完全ロック状態、リヤデフ22がオートモ
ード制御とされる。「R(Rモード)」においては、フ
ロントデフ21がアンロック状態、センタデフ20とリ
ヤデフ22が完全ロック状態とされる。「F(Fモー
ド)」においては、フロントデフ21、センタデフ20
及びリヤデフ22の全てが完全ロック状態とされる。こ
こで、Ifはフロントデフ電流、Icはセンタデフ電
流、Irはリヤデフ電流を、また数値はその電流値をそ
れぞれ表しており、各デフに設けられた電磁多板クラッ
チにこれらの値のデフ電流が供給されることにより、各
デフが完全ロック状態とされる。
【0022】これらの各モードは、運転者により任意に
選択される。「Aモード」においては、フロントデフ2
1がアンロック状態とされているため、駆動性に影響が
少なく操作性が優れており、市街地などの通常路を走行
するオンロード走行に適している。一方、「Fモード」
においては、フロントデフ21、センタデフ20及びリ
ヤデフ22の全てが完全ロック状態とされているため、
操作性は低下するが駆動性に優れており、悪路などを走
行するオフロード走行に適している。「Cモード」及び
「Rモード」は、これらの間の特性を有し、運転者の好
みに応じて選択される。
【0023】次に、図3乃至図9を参照して、デファレ
ンシャル用コントロール・ユニット43における制御内
容を説明する。図3乃至図8において、符号Pはフロー
チャートにおける各ステップを示す。図3はオートモー
ド制御における車体速演算ルーチンを示すフローチャー
トである。図3に示すように、P10において各車輪速
Nfr、Nfl、Nrr、Nrlを入力する。ここで、Nfrは右
前輪の車輪速、Nflは左前輪の車輪速、Nrrは右後輪の
車輪速、Nrlは左後輪の車輪速をそれぞれ表している。
次にP11において、これらの各車輪速Nfr、Nfl、N
rr、Nrlの内の最低値を車体速度Vspと定義する。
【0024】図4はオートモード制御におけるセンタデ
フ差動回転数演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。図4に示すように、P20において各車輪速Nfr、
Nfl、Nrr、Nrlを入力する。次にP21において、回
転差であるセンタデフ差動回転数ΔNcを求める。図5
はオートモード制御におけるリヤデフ差動回転数演算ル
ーチンを示すフローチャートである。図5に示すよう
に、P30において後輪の各車輪速Nrr、Nrlを入力す
る。次にP31において、リヤデフ差動回転数ΔNrを
求める。
【0025】図6乃至図8はオートモード制御における
センタデフ電流の設定及び決定ルーチンを示すフローチ
ャートである。図6及び図7において、センタデフ差動
回転数ΔNcの関数として設定された制御マップ(図示
せず)から、所望のセンタデフ電流Icaが求められ
(P40)、リアデフ差動回転数ΔNrの関数として設
定された制御マップ(図示せず)から、所望のリアデフ
電流Iraが求められる(P50)。
【0026】図8に示す如く、センタデフ電流Ica及
びリアデフ電流Iraが共に、所定の最大電流値Ima
xに達しているとき、出力すべきセンタデフ電流Ic及
びリアデフ電流Irを夫々、最大電流値Imaxに設定
する(P60、61)。次いで、所定時間T1の経過後
に、センタデフ電流Icを最大電流値Imaxに保持し
たまま、リアデフ電流Irを上記制御マップより求めら
れる現状のリアデフ電流Iraに設定する(P62〜6
5)。更に、この状態、即ち、センタデフ電流Icが最
大電流値Imaxに設定され、リアデフ電流Irが現状
のリアデフ差動回転数ΔNrに相関する状態を所定時間
T2だけ保持する(P66、67、69)。
【0027】この間に、もし、所望のリアデフ電流Ir
aが最大電流値Imaxに達すると(P69)、出力す
べきセンタデフ電流Icを現状のセンタデフ差動回転数
ΔNcに相関するセンタデフ電流Icaに設定し、リア
デフ電流Irを最大電流値Imaxに設定し(P7
0)、この状態を所定時間T3だけ保持する(P71、
72、74)。この間に、もし、所望のセンタデフ電流
Icaが最大電流値Imaxに達したならば(P7
3)、上記ステップP65に移行し、出力すべきセンタ
デフ電流Ic及びリアデフ電流Irを夫々、最大電流値
Imax及び電流値Irに夫々設定して(P60、6
1)、この状態を所定時間T1だけ保持する。
【0028】他方、センタデフ電流Ica及びリアデフ
電流Iraのいずれかが、所定の最大電流値Imaxに
達しないとき(P60)、センタデフ電流Ica及びリ
アデフ電流Iraのいずれが最大電流値流Imaxに達
していないかを判定する(P80、90)。リアデフ電
流Iraが最大電流値流Imaxに達していない場合、
センタデフ電流Icを最大電流値Imaxに設定する一
方、リアデフ電流Irを上記制御マップより求められる
現状のリアデフ電流Iraに設定する(P81)。更
に、この状態、即ち、センタデフ電流Icが最大電流値
Imaxに設定され、リアデフ電流Irが現状のリアデ
フ差動回転数ΔNrに相関する状態を所定時間T2だけ
保持する(P82、83、85)。この間に、もし、所
望のリアデフ電流Iraが最大電流値Imaxに達する
と(P84)、上記ステップ61に移行し、センタデフ
電流Ica及びリアデフ電流Iraの双方が所定の最大
電流値Imaxに達した場合と同様な制御を行う(P6
1〜74)。
【0029】逆に、センタデフ電流Icaが最大電流値
流Imaxに達していない場合、リアデフ電流Irを最
大電流値Imaxに設定する一方、センタデフ電流Ic
を上記制御マップより求められる現状のセンタデフ電流
Icaに設定する(P91)。更に、この状態、即ち、
リアデフ電流Irが最大電流値Imaxに設定され、セ
ンタデフ電流Icが現状のセンタデフ差動回転数ΔNc
に相関する状態を所定時間T3だけ保持する(P92、
93、95)。この間に、もし、所望のセンタデフ電流
Icaが最大電流値Imaxに達すると(P94)、上
記ステップ61に移行し、センタデフ電流Ica及びリ
アデフ電流Iraの双方が所定の最大電流値Imaxに
達した場合と同様な制御を行う(P61〜74)。
【0030】また、上記ステップ80、90において、
センタデフ電流Ica及びリアデフ電流Iraのいずれ
もが、所定の最大電流値Imaxに達していないと判定
されたとき、センタデフ電流Ic及びリアデフ電流Ir
を夫々、現状のセンタデフ差動回転数ΔNc及びリアデ
フ差動回転数ΔNrに相関するセンタデフ電流Ica及
びリアデフ電流Iraに設定する(P100)。
【0031】図9は、上記制御によって達成されるセン
タデフ電流Ica及びリアデフ電流Irの代表的な特性
と、センタデフ差動回転数ΔNc及びリアデフ差動回転
数ΔNrの代表的な特性を示す線図である。図示の如
く、センタデフ電流Icの供給が停止される時期と、リ
アデフ電流Irの供給が停止される時期とは、重なるこ
となく、互いにずれており、これ故、センタデフ20と
リアデフ22とは、同時にロック状態を脱することな
く、或る程度の時間間隔を隔ててロック状態を脱する。
従って、上記制御によれば、両デフが同時に解除動作を
行わず、センタデフ20とリアデフ22のロック解除動
作に伴うトルクショックが軽減される。また、このよう
にセンタデフ20とリアデフ22のロック解除動作が同
時に生じないので、電磁多板クラッチ50に対して作動
電流を供給するコントロール・ユニット43の電気系統
に、急激な電気負荷の変動が生じるのを防止することが
できる。
【0032】次に、図10及び図11を参照して、デフ
ァレンシャル用コントロール・ユニット43における上
記制御の変形例について説明する。図10に示すフロー
チャートでは、図8におけるステップP70〜74が省
かれている。他のステップP60〜69、P80〜8
5、P90〜95およびP100については、図8と実
質的に同じものであるので、各ステップの詳細な説明は
省略する。
【0033】センタデフ電流Ica及びリアデフ電流I
raが共に、所定の最大電流値Imaxに達すると、出
力すべきセンタデフ電流Ic及びリアデフ電流Irが夫
々、最大電流値Imaxに設定され(P60〜65)、
この状態が所定時間T1だけ保持される。そして、セン
タデフ電流Icが最大電流値Imaxに保持されたま
ま、リアデフ電流Irが上記制御マップより求められる
現状のリアデフ電流Iraに設定され(P62〜6
5)、更に、この状態が所定時間T2だけ保持される
(P66、67、69)。この制御に関しては、前述の
実施例と実質的に同じものである。しかしながら、本実
施例の制御では、センタデフ電流Icを最大電流値Im
axに設定し、リアデフ電流Irを現状のリアデフ差動
回転数ΔNrに相関する電流値Iraに保持した間に、
もし、所望のリアデフ電流Iraが最大電流値Imax
に達すると(P68)、出力すべきセンタデフ電流Ic
及びリアデフ電流Irを再び、最大電流値Imaxに夫
々設定し、この状態を所定時間T1、保持する(P61
〜64)。従って、センタデフ電流Icは、現状のセン
タデフ差動回転数ΔNcに相関するセンタデフ電流Ic
aに設定されることなく、最大電流値Imaxに保持さ
れ、現状のリアデフ差動回転数ΔNrに相関するリアデ
フ電流Iraが最大電流値Imaxよりも低下し、しか
も、その後所定時間T2、経過した後に、現状のセンタ
デフ差動回転数ΔNcに相関するセンタデフ電流Ica
に設定される。なお、センタデフ電流Ica及びリアデ
フ電流Iraの一方又は双方が所定の最大電流値Ima
xに達していない場合の制御(P60、P80〜85、
P90〜95、P100)は、前述の実施例と全く同じ
であるので、説明を省略する。
【0034】図12に示すように、上記制御では、リア
デフ電流Irが数回に亘って上下する間、センタデフ電
流Icは最大電流値Imaxに保持される。リアデフ差
動回転数ΔNrが収束し、リアデフ電流Irが所定時間
T2以上、最大電流値Imaxに達しないと、センタデ
フ電流Icは現状のセンタデフ差動回転数ΔNrに相関
するセンタデフ電流Iraに設定される。図示の例で
は、センタデフ差動回転数ΔNcも又、所定時間T2経
過時に既に収束しているので、センタデフ電流Icの供
給も又、停止される。
【0035】かくして、上記制御によれば、リアデフ電
流Irが変動する間、センタデフ電流Icは最大電流値
Imaxに保持されるとともに、各電流Ir及びIc
は、或る程度の時間間隔を隔てて停止されるので、セン
タデフ20とリアデフ22とは同時にロック状態を脱す
ることなく、ロック解除動作に伴うトルクショックを軽
減する。また、センタデフ20とリアデフ22のロック
解除動作が同時に生じないことから、電磁多板クラッチ
50の作動電流を供給するコントロール・ユニット43
の電気系統に、急激な電気負荷の変動が生じ難い。
【0036】図12乃至図16は、本発明の他の実施例
を示している。図12は、センタデフ電流及びリアデフ
電流を求めるための制御マップの切換えルーチンを示す
フローチャートであり、図15及び図16は、所望のセ
ンタデフ電流又はリアデフ電流を差動回転数より求める
ために用いられる2つの制御マップを示す線図である。
また、図13及び図14は、オートモード制御における
センタデフ電流及びリアデフ電流の設定ルーチンを夫々
示すフローチャートである。
【0037】図12に示すように、P110において、
センタデフ電流Icを設定する。このセンタデフ電流I
cは、図15又は図16に示す制御マップの一方を用い
て、センタデフ差動回転数ΔNcから求められる。各制
御マップにおいて電流値Iは、差動回転数ΔNの関数と
して設定されており、例えば、図15に示すように、差
動回転数ΔNが所定の差動回転数を超えるまで、電流値
Iは、差動回転数ΔNと正比例する値に設定され、差動
回転数ΔNが所定の差動回転数を超えると、電流値I
は、最大電流値Imaxに設定される。第1マップ(図
15)と第2マップ(図16)は、差動回転数と電流値
Iとの相関関係が或る領域までは異なっており、従っ
て、両マップを用いた場合、同一の差動回転数に対して
異なる電流値Iがセンタデフ電流Ic又はリアデフ電流
Irとして夫々設定できる。また、第1マップは、第2
マップよりも早期に最大電流値Imaxに達するような
特性を有しており、第1マップによって設定される電流
値Iは、比較的低い差動回転数ΔNの領域で最大電流値
Imaxに達することとなる。なお、図15及び図16
は、センタデフ電流Ic設定用の制御マップと、リアデ
フ電流Ir設定用の制御マップとが共通であるものとし
て例示的に各制御マップを示しているが、センタデフ電
流Ic設定用の制御マップとリアデフ電流Ir設定用の
制御マップとを、各デファレンシャルの特性に応じた制
御マップとして設けても良い。一般に、リアデフ22
は、センタデフ20よりも早期にロックする傾向がある
ので、このような点を考慮して各別の第1及び第2制御
マップを作成するのが良いが、かかる各別の制御マップ
を用いる場合にも、第1マップは、第2マップよりも早
期に最大電流値Imaxに達するような特性を備えなけ
ればならない。また、かかる1対の制御マップを、スロ
ットル開度の関数として電流値Iを求める制御マップと
しても良い。この場合もやはり、第1マップは、第2マ
ップよりも早期に最大電流値Imaxに達するような特
性を備えることとなる。
【0038】いずれの制御マップを用いるべきかの選択
は、図12に示す制御マップ切換えルーチンによってな
される。先ず、車体速度Vspを入力し、車体速度Vspを
所定の車速、例えば、車速10km/hと比較する(P11
0、111)。車体速度Vspが所定車速未満であると
き、図15に示す第1マップをセンタデフ電流Ic設定
用マップとして採用し、図16に示す第2マップをリア
デフ電流Ir設定用マップとして採用する(P11
2)。逆に、車体速度Vspが所定車速以上であるとき、
図16に示す第2マップをセンタデフ電流Ic設定用マ
ップとして採用し、図15に示す第1マップをリアデフ
電流Ir設定用マップとして採用する(P113)。
【0039】第1マップは、上述の如く第2マップより
も早期に最大電流値Imaxに達するような特性を備え
ているので、車体速度Vspが所定車速未満のとき、即
ち、発進時等の極低速時には、センタデフ電流Icは、
リアデフ電流Irよりも早期に増大することとなる。逆
に、車体速度Vspが所定車速以上のとき、即ち、通常走
行時等の車速10km/h以上の中高速時には、リアデフ電
流Irは、センタデフ電流Icよりも早期に増大するこ
ととなる。
【0040】図13に示すP120において、上記第1
マップ又は第2マップの一方を用いて、電流値Iを、セ
ンタタデフ差動回転数ΔNcより求め、これをリヤデフ
電流Icとして設定する。次いで、センタデフ電流Ic
が最大電流値Imaxであるか否かを判断し、センター
デフ電流Icが最大電流値Imaxと異なる場合、すな
わち最大電流値Imaxより小さい場合、P122にお
いて「Ic=Ic」と設定する。このとき、センタデフ
20は中間ロック状態となる。但し、「Ic=0」の場
合はアンロック状態となる。センタデフ電流Icが最大
電流値Imaxの場合、P123においてタイマをリセ
ットし、P124においてセンタデフ電流Icを「Ic
=Imax」と設定する。このとき、センタデフ20は
完全ロック状態となる。次にP124においてタイマが
カウントアップされ、P126において所定時間経過し
たか否が判断される。すなわち、スリップなどによりセ
ンターデフ差動回転数ΔNcが急激に増大したとき、セ
ンタデフ20を所定時間完全ロック状態に保持するよう
にしている。
【0041】図14に示すリヤデフ制御電流値設定ルー
チンは、基本的に上記センターデフ制御電流値設定ルー
チンと同様なものである。すなわち、図15又は図16
に示す制御マップの一方を用いて、電流値Iを、リアタ
デフ差動回転数ΔNrより求め、これをリヤデフ電流I
rとして設定する(P130)。次にP131におい
て、リヤデフ電流Irが最大電流値Imaxか否かを判
断し、リヤデフ電流Icが最大電流値Imaxより小さ
い場合は、P132において「Ir=Ir」と設定す
る。このとき、リヤデフ22は中間ロック状態となり、
また「Ir=0」の場合はアンロック状態となる。リヤ
デフ電流Irが最大電流値Imaxの場合、P133に
おいてタイマをセットし、P134においてセンターデ
フ電流Irを「Ir=Imax」と設定する。このと
き、リヤデフ22は完全ロック状態となる。次にP13
4においてタイマがカウントアップされ、P136にお
いて所定時間経過したか否が判断される。すなわち、ス
リップなどによりリヤデフ差動回転数ΔNrが急激に増
大したとき、リヤデフ22を所定時間完全ロック状態に
保持するようにしている。
【0042】このように、本実施例では、特性の異なる
2種の制御マップを設け、第1マップを、第2マップよ
りも早期に最大電流値Imaxに達するような特性に構
成している。そして、これら制御マップを所定の車速を
基準に切り換えるための制御マップ切換えルーチンを設
け、発進時等の車速10km/h未満の極低速時には、セン
タデフ電流Icを、リアデフ電流Irよりも早期に増大
させ、逆に、通常走行時等の車速10km/h以上の中高速
時には、リアデフ電流Irを、センタデフ電流Icより
も早期に増大させている。従って、極低速時に、リアデ
フ22は比較的遅れてロック状態に移行し、或いは、早
期にロック状態を解放し、センタデフ20はリアデフ2
2よりも早期にロック状態に移行するとともに、リアデ
フ22よりも早期にロック状態を解除する。他方、中高
速時に、センタデフ20は比較的遅れてロック状態に移
行し、或いは、早期にロック状態を解放し、リアデフ2
2はセンタデフ20よりも早期にロック状態に移行する
とともに、センタデフ20よりも早期にロック状態を解
除する。かくして、本実施例では、各デファレンシャル
が同時にロック状態に移行したり、ロック状態を解除す
るのを回避し、これにより、ロック動作に伴うトルクシ
ョックを軽減するとともに、コントロール・ユニット4
3の電気系統に急激な電気負荷の変動が生じるのを防止
できる。しかも、発進時などの低速時に、リアデフ22
の差動作用を比較的長期間保持しているので、発進時に
生じ得るスリップを効果的に防止でき、また、中高速時
に、操縦性に対する影響が比較的大きいセンタデフ20
のロック状態移行時期を遅らせているので、所望の操縦
性を確保できる。
【0043】図17は、本発明による更に別の実施例を
示している。この実施例では、上述した制御マップの切
換えを行うことなく、センタデフ電流Ic及びリアデフ
電流Irの変化率を規制している。図示の如く、センタ
デフ電流Icは、比較的急激に増大するが、リアデフ電
流Irは、比較的緩慢に増大する。このような特性は、
センタデフ電流Icの変化率を所定の変化率dIcma
x以下に規制するとともに、リアデフ電流Irの変化率
を所定の変化率dIrmax以下に規制し、変化率dI
cmaxを変化率dIrmaxよりも大きく設定するこ
とにより達成される。なお、上記変化率は、単位時間当
たりの電流増大値である。
【0044】このようにセンタデフ電流Ic及びリアデ
フ電流Irの変化率を異なる最大変化率dIcmax及
びdIrmaxによって規制し、センタデフ電流Icの
比較的急激に増大させ、リアデフ電流Irを比較的緩慢
に増大させることにより、センタデフ電流Icが最大電
流値Imaxに達する時期と、リアデフ電流Irが最大
電流値Imaxに達する時期とを時間的にずらすことが
できる。かくして、本例の制御によれば、センタデフ2
0とリアデフ22が同時に完全ロック状態に移行するを
回避でき、これに伴うトルクショックを軽減できる。ま
た、センタデフ電流Ic及びリアデフ電流Irの変化率
が異なるので、コントロール・ユニット43の電気系統
に生じ得る急激な負荷変動を緩和できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各デファレンシャルが同時にロック動作を行うのを妨げ
ることにより、デファレンシャルのロック動作に伴う走
行時のトルクショックを抑制できる車両の差動制限装置
を提供することが可能となる。本発明は又、いずれか一
方の差動制限手段のロック状態を意図的に長時間維持す
ることにより、所望の差動制限作用を確保しつつ、差動
制限装置の作動回数を低減することができる差動制限装
置を提供することが可能にする。
【0046】また、本発明によれば、電気的に作動され
る差動制限手段を備えた差動制限装置において、各差動
制限手段の作動時期が一致するのを妨げることにより、
差動制限装置の電気系統に過渡的に過大な負荷が生じる
のを回避できる。更に、本発明によれば、低速時には、
車輪間デファレンシャルの作動作用を生かした状態で、
車軸間デファレンシャルの差動を先に制限して、車輪の
スリップを効果的に打ち消し、逆に、中高速時には、前
後に駆動力を配分する車軸間デファレンシャルの差動作
用を生かした状態で、操縦性に対する影響が比較的少な
い車輪間デファレンシャルの作動を先に制限し、車両の
操縦性を重視した差動制限を行うことができる。これに
よって、殊に車両の発進時に、車輪のスリップを効果的
に防止できる車両の差動制限装置を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限装置を適用した車両の制御装
置の全体構成を示す全体構成図である。
【図2】センタデフに設けられた電磁多板クラッチを示
す断面図である。
【図3】オートモード制御における車体速演算ルーチン
を示すフローチャートである。
【図4】オートモード制御におけるセンタデフ差動回転
数演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】オートモード制御におけるリヤデフ差動回転数
演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】オートモード制御におけるセンタデフ電流の設
定ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】オートモード制御におけるリアデフ電流の設定
ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】オートモード制御におけるセンタデフ電流及び
リアデフ電流の決定ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図9】センタデフ電流及びリアデフ電流の代表的な特
性と、センタデフ差動回転数及びリアデフ差動回転数の
代表的な特性を示す線図である。
【図10】本発明の他の実施例に係るフローチャートで
あり、オートモード制御におけるセンタデフ電流及びリ
アデフ電流の決定ルーチンが示されている。
【図11】図10に示す制御と関連するセンタデフ電流
及びリアデフ電流の代表的な特性と、センタデフ差動回
転数及びリアデフ差動回転数の代表的な特性を示す線図
である。
【図12】本発明の更に他の実施例に係るフローチャー
トであり、電流値設定用制御マップの切換えルーチンが
示されている。
【図13】オートモード制御におけるセンタデフ電流の
設定ルーチンを夫々示すフローチャートである。
【図14】オートモード制御におけるリアデフ電流の設
定ルーチンを夫々示すフローチャートである。
【図15】所望のセンタデフ電流又はリアデフ電流を差
動回転数より求めるために用いられる第1の制御マップ
を示す線図である。
【図16】所望のセンタデフ電流又はリアデフ電流を差
動回転数より求めるために用いられる第2の制御マップ
を示す線図である。
【図17】本発明による更に別の実施例を示すタイムチ
ャートであり、センタデフ電流及びリアデフ電流の代表
的な特性が示されている。
【符号の説明】
16 前輪 18 後輪 20 センタ・デファレンシャル(センタデフ) 21 フロント・デファレンシャル(フロントデフ) 22 リヤ・デファレンシャル(リヤデフ) 30 車輪速センサ 31 ブレーキスイッチ 32 スロットルセンサ 41 アンチスキッドブレーキ装置用コントロール・ユ
ニット 43 デファレンシャル用コントロール・ユニット 44 マニュアル・スイッチ 50 電磁多板クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 嘉孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 高田 稔 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 増田 尚嗣 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸間デファレンシャル及び車輪間デフ
    ァレンシャルを所定の条件でロック状態として差動制限
    を行う車両の差動制限装置において、車軸間デファレン
    シャルに設けられ、該車軸間デファレンシャルの差動を
    制限する第1差動制限手段と、車輪間デファレンシャル
    に設けられ、該車輪間デファレンシャルの差動を制限す
    る第2差動制限手段と、前記第1及び第2差動制限手段
    の差動制限動作を制御する差動制御手段とを備え、前記
    差動制御手段は、前記第1差動制限手段が前記車軸間デ
    ファレンシャルをロック状態に保持する時間と、前記第
    2差動制限手段が前記車輪間デファレンシャルをロック
    状態に保持する時間とを相異なる時期に生じさせる作動
    時期制御手段を備えていることを特徴とする車両の差動
    制限装置。
  2. 【請求項2】 前記作動時期制御手段は、前記第1差動
    制限手段が車軸間デファレンシャルのロック状態を解放
    する時期と、前記第2差動制限手段が前記車輪間デファ
    レンシャルのロック状態を解放する時期とを相異なる時
    期に生じさせることを特徴とする請求項1に記載の車両
    の差動制限装置。
  3. 【請求項3】 前記作動時期制御手段は、第1差動制限
    手段が車軸間デファレンシャルをロック状態に移行させ
    る時期と、前記第2差動制限手段が前記車輪間デファレ
    ンシャルをロック状態に移行させる時期とを相異なる時
    期に生じさせることを特徴とする請求項1に記載の車両
    の差動制限装置。
  4. 【請求項4】 前記作動時期制御手段は、前記第1及び
    第2差動制限手段が前記車軸間及び車輪間デファレンシ
    ャルをロック状態に保持した後に、これらの差動制限手
    段の一方が前記デファレンシャルの一方をロック状態か
    ら解放したとき、この差動制限手段が該デファレンシャ
    ルをロック状態から所定時間継続的に解放した後に、前
    記差動制限手段の他方により前記車軸間及び車輪間デフ
    ァレンシャルの他方のロック状態を解放することを特徴
    とする請求項1に記載の車両の差動制限装置。
  5. 【請求項5】 前記作動時期制御手段は、車速が所定車
    速未満であるとき、前記車軸間デファレンシャルを前記
    車輪間デファレンシャルよりも早期にロック状態に移行
    させ、車速が前記所定車速以上であるとき、前記車輪間
    デファレンシャルを前記車軸間デファレンシャルよりも
    早期にロック状態に移行させるように構成されることを
    特徴とする請求項1に記載の車両の差動制限装置。
  6. 【請求項6】 前記第1差動制限手段及び/又は第2差
    動制限手段は、前記差動制御手段からの電気信号に応じ
    て前記車軸間デファレンシャル及び/又は車輪間デファ
    レンシャルの差動を制限する摩擦係合手段を夫々備えて
    いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に
    記載の車両の差動制限装置。
  7. 【請求項7】 車軸間デファレンシャル及び車輪間デフ
    ァレンシャルを所定の条件でロック状態として差動制限
    を行う車両の差動制限装置において、車軸間デファレン
    シャルに設けられ、該車軸間デファレンシャルの差動を
    制限する第1差動制限手段と、車輪間デファレンシャル
    に設けられ、該車輪間デファレンシャルの差動を制限す
    る第2差動制限手段と、前記第1及び第2差動制限手段
    の差動制限動作を制御する差動制御手段とを備え、前記
    第1及び第2差動制限手段は夫々、各車軸間又は各車輪
    間の差動を前記デファレンシャルに比例的に摩擦力を付
    与することにより制限する摩擦係合手段を備え、前記差
    動制御手段は、前記摩擦係合手段の各々が各デファレン
    シャルに付与する摩擦力の時間変化率を互い異なるよう
    に設定する変化率制御手段を備えていることを特徴とす
    る車両の差動制限装置。
  8. 【請求項8】 前記摩擦係合手段は、電気信号によって
    作動されることを特徴とする請求項7に記載の車両の差
    動制限装置。
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