JP3934775B2 - 射出成形方法および射出成形用金型 - Google Patents

射出成形方法および射出成形用金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は射出成形方法および射出成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、樹脂成形品の成形方法として、射出成形方法が用いられている。この射出成形方法は、固定側金型と可動側金型との間に空間、いわゆるキャビティを形成し、このキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂材料を、キャビティの一部に設けたゲートから射出して充填し、該熱可塑性樹脂材料をキャビティに対応した所定の形状に固化させて樹脂成形品を成形し、その樹脂成形品を取り出す方法であることは良く知られている。
また、射出成形方法に用いられる射出成形用金型には、射出成形装置からキャビティ内に溶融状態の樹脂材料を導く通路(以下、「ランナ」と呼ぶ)の一部を加熱する手段を有するものと有していないものとがあり、前者の加熱手段を有する金型を用いる方法はホットランナ方式と呼ばれ、後者の加熱手段を有しない金型を用いる方法はコールドランナ方式と呼ばれることも良く知られている。
ところで、コールドランナ方式による射出成形においては、成形直後には、キャビティ内に形成された樹脂成形品と、ランナ内で固化した樹脂とが連結した状態で存在している。そのため、ゲート部において、樹脂成形品とランナ内の固化樹脂とを切断する必要があり、何らかの機械的切除手段が設けられているのが通例である。
一方、ホットランナ方式の射出成形においては、その金型構造によってランナ内の樹脂は、溶融状態を保っているため、上記の切断工程は、一般的には不要である。しかし、例えば、一部に開口部を有する成形品を成形する場合には、ウエルドライン(キャビティ内で、複数の異なる方向に流動する溶融樹脂が合流して形成されるラインを言う。外観上および機械的強度の点で、極力その発生を防止することが望ましい)を発生させないように成形するために、前記ゲートを、予め開口部を形成する個所に対応して設けた金型を用いて成形し、その後、該当部分を切除して開口部とすることが望ましい。このような場合には、ホットランナ方式といえども、コールドランナ方式と同様に、機械的切除手段を設けることが必要となる。
【0003】
そこで、コールドランナ方式およびホットランナ方式を問わず、射出成形方法においては、上記の切断を行なう各種の方法または金型が提案されている。例えば、特開昭55−15834号公報には、溶融樹脂をスプルーブッシュを介してキャビティ内に充填してから、ゲート部近傍の樹脂の固化部分を切断するためのカットピンを前進させることに応じて、スプルーブッシュを後退させて、ゲート部を剪断して、サブランナと樹脂成形品とを分離する、リング状の成形品の成形方法が提案されている。また、特開平6−278177号公報には、ゲート部近傍の樹脂の固化部分を切断するためのカットブッシュを前進させることとして、そのカットブッシュの前進と同期させて、カットブッシュが前進した分の樹脂量を機械的に吸収するように、キャビティから後退する第2のブッシュを設ける方法が提案されている。さらに、特開平2−67115号公報には、固定側金型を固定側基盤から離間させるのに連動させて、スプルブッシュの作動を行うとともに、可動側金型に配置したポンチカッターを突出し作動させて、多数個のディスクゲートを切り離す金型が提案されている。
【0004】
また、特開昭58−158231号公報には、キャビティ内のゲート部において、固定側金型の内面に対向して可動側金型に配設されたゲート切断刃を駆動してその先端を固定側金型に当接させて、キャビティ内に形成されたディスクゲートを成形品と分離する方法が提案されている。
【0005】
さらに、特開平8−294944号公報には、ホットランナ内に射出される溶融樹脂の流れをゲートにおいて閉鎖する第1位置と、ゲートを開放して該溶融樹脂をキャビティ内に導入するとともに、ディスクゲート部に相当する軸中心開口部に位置する第2位置との間を、成形品の開口に対応した外形を有する特殊形状のコアーピンを往復動させることにより、中心部に開口を有する樹脂成形品を得る方法が提案されている。また、特開平7−276437号公報には、固定側金型内に配設されたホットランナ内に摺動自在に設けられ、ホットゲートを兼ねる固定側ピンと、該固定側ピンに対応して可動側に摺動自在に設けられ、固定側ピンの先端部と接離自在に嵌合当接するように形成された先端部を有する可動側ピンとを有し、固定側ピンと可動側ピンの先端部が、成形品の開口部に対応してキャビティにおいて相互に嵌合当接するようにし、軸中心に開口を有する樹脂成形品を得る方法が提案されている。
【0006】
さらにまた、特開平1−99821号公報には、キャビティ内に充填された樹脂材料が実質的に固化した後、ゲート部の樹脂が完全に固化する前に、可動側金型から固定側金型に向かって駆動される、スリーブ状のカッターによって、ゲート部を切断する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭55−15834号公報、特開平6−278177号公報または特開平2−67115号公報に記載の方法または金型は、上記目的を達成するために、いわば金型を複雑な構造のものにして対応しようとする考え方に基づくものであり、コスト上昇の原因となり、また、機構の信頼性に欠ける可能性が高い。また、これを複数個取りの金型に適用すると、さらに複雑な構造のものが必要となり、コスト上昇および機構の信頼性の低下も著しくなることは容易に推測できる。
また、特開昭58−158231号公報に記載の方法は、用いる金型の構造は簡単であるが、ゲート部の切断に際して、ゲート切断刃が、金型に接触して固化した樹脂材料の皮膜層を安定的に切断することが困難である問題があり、また、ゲート切断刃が強く当接する固定側金型に傷が付く可能性がある。
特開平8−294944号公報または特開平7−276437号公報に記載の方法は、いずれも、特殊な形状または構造のピンを有する専用のバルブゲートシステムが必要なため、用いる金型が高価なものとなる。また、ゲート部が固化する前に、開口部を打ち抜くため、打抜き部にバリが出やすい等の問題がある。
さらにまた、特開平1−99821号公報に記載の方法は、単純な構造の金型を用いる方法ではあるが、ディスクゲート部に、スリーブ状のカッターの駆動分の容積を吸収するに十分な樹脂量がある場合には有効であるが、ディスクゲート部が比較的小容積の場合には、カッターの駆動が困難となり、適用が困難である。
【0008】
そこで本発明の目的は、簡単な構造の金型で、バリ、白化を生じず、ゲート傷痕が無い成形品を得ることができ、さらに、複数個取りにも十分に対応することができる射出成形方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、前記射出成形方法に有用な射出成形用金型を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、固定側金型と可動側金型とによって画成されるキャビティ内に、前記固定側金型内に配設されたランナを通り、前記固定側金型の側の前記ランナの先端に設けられたゲートから射出される溶融状態の樹脂材料を、前記固定側金型を前記ゲート側に凹状に刻成して形成された樹脂溜り部から導入して成形する射出成形方法であって、前記樹脂溜り部を挟んで前記ゲートと対向する前記可動側金型側に配設され、前記樹脂溜り部に摺接しながら嵌挿するように移動可能に設けられたカットパンチが、前記ゲートから前記樹脂溜り部を介して前記キャビティ内に前記溶融状態の樹脂材料が充填されているときは、前記溶融状態の樹脂材料が前記樹脂溜り部を通じて前記キャビティ内に導入されるように、前記カットパンチの前記樹脂溜り部への移動方向の先端部が、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの間に、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの連絡部を開口する位置にあり、前記溶融状態の樹脂材料が前記キャビティおよび前記樹脂溜り部の内部に充填された後、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの前記連絡部における前記樹脂材料が半固化状態、かつ未だ溶融状態にある樹脂材料が前記樹脂溜り部の内部に存在しているときに、前記カットパンチが、前記ゲートに向けて前記樹脂溜り部に嵌挿するように移動して、前記樹脂溜り部内に存在している前記未だ溶融状態にある樹脂材料を前記ゲート内に強制的に押し戻しながら、前記連絡部を閉塞するとともに、前記連絡部における前記半固化状態の樹脂材料を切断することにより、前記キャビティ内に形成された樹脂成形品を前記樹脂溜り部内に形成された樹脂固化物と切り離すことを特徴とする射出成形方法を提供するものである。
ここで、複数対の前記キャビティ、前記樹脂溜り部および前記カットパンチによって、複数の前記樹脂成形品を成形するのが好ましい。
また、前記ランナが、ホットランナであるのが好ましく、また、前記ホットランナが、その先端にバルブゲート構造を有し、前記カットパンチが移動した後に、バルブゲートを閉じて、前記ゲートを閉塞するのが好ましい。
また、開口を有する前記樹脂成形品を成形する方法であって、該樹脂成形品の前記開口に対応して形成された、前記樹脂溜り部および該樹脂溜り部に嵌挿される前記カットパンチによって、前記樹脂溜り部に対応した形状の前記開口を有する前記樹脂成形品を成形するのが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記射出成形方法に用いられる金型として、固定側金型内に配設されたランナを通り、前記固定側金型の側の前記ランナの先端に設けられたゲートから射出される溶融状態の樹脂材料が、前記固定側金型を前記ゲート側に凹状に刻成して形成された樹脂溜り部から導入されて充填されるキャビティを、前記固定側金型と可動側金型とによって画成する射出成形用金型であって、前記ゲートと、前記キャビティとは、前記固定側金型に凹状に形成された前記樹脂溜り部を介して接続され、前記樹脂溜り部を挟んで前記ゲートと対向する前記可動側金型側には、前記樹脂溜り部に摺接しながら嵌挿するように移動可能なカットパンチが配設され、前記樹脂溜り部の断面形状が、前記カットパンチの移動方向の深さが前記ゲートに向けて徐々に深くなる断面形状、および前記樹脂溜り部の両端の最外周部の部分が深くなる断面形状の少なくとも一方であり、前記カットパンチは、前記キャビティ内に前記溶融状態の樹脂材料が充填されているときは、前記ゲートから射出された前記溶融状態の樹脂材料が前記樹脂溜り部を通じて前記キャビティ内に導入されるように、前記カットパンチの、前記樹脂溜り部への移動方向の先端部は、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの間に、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの連絡部を開口する位置にあり、前記溶融樹脂が前記キャビティおよび前記樹脂溜り部の内部に充填された後、未だ溶融状態にある樹脂材料が前記樹脂溜り部の内部に存在しているときに、前記カットパンチが、前記ゲートに向けて前記樹脂溜り部に嵌挿するように移動して、前記樹脂溜り部内に存在している前記未だ溶融状態にある樹脂材料を前記ゲート内に強制的に押し戻しながら、前記連絡部を閉塞するとともに、前記連絡部における前記樹脂材料を切断することにより、前記キャビティ内に形成された樹脂成形品を前記樹脂溜り部内に形成された樹脂固化物と切り離すようにしてなことを特徴とする射出成形用金型を提供するものである。
ここで、前記キャビティ、前記樹脂溜り部および前記カットパンチを複数対有するのが好ましい。
また、前記ランナが、ホットランナであるのが好ましく、また、前記ホットランナが、バルブゲート構造を有するものであるのが好ましい。
また、開口を有する前記樹脂成形品を成形する射出成形用金型であって、該樹脂成形品の前記開口に対応して形成された、前記樹脂溜り部および該樹脂溜り部に嵌挿される前記カットパンチを有するのが好ましい。
また、前記カットパンチの先端部には、前記固定側金型と前記可動側金型との型開き時に、前記樹脂溜り部に形成された前記樹脂固化物が、前記固定側金型の側の前記樹脂溜り部内に残らないように、前記樹脂固化物を前記可動側金型の側の前記カットパンチ側に係止させるための、アンダーカット部が穿設されているのが好ましい。
また、前記カットパンチには、前記カットパンチの移動方向への投影面積を小さくするように構成された、前記樹脂溜り部に形成される前記樹脂固化物を突き出すための突出しピンが、前記カットパンチとは独立に摺動自在に嵌挿されているのが好ましい。
【0012】
以下、本発明の射出成形方法(以下、「本発明の方法」という)および射出成形用金型について詳細に説明する。
【0013】
本発明の方法において、射出成形機によって射出された溶融状態の樹脂材料は、固定側金型内に配設されたランナを通って固定側金型に設けられたゲートから、固定側金型と可動側金型によって画成されたキャビティに充填される。このとき、ゲートから導入された溶融状態の樹脂材料は、前記固定側金型を前記ゲート側に形成された樹脂溜り部内を流動してキャビティ内に充填される。この溶融状態の樹脂材料を、樹脂溜り部を通ってキャビティ内に導入する際に、樹脂溜り部とキャビティの間に溶融状態の樹脂材料が通過できる連絡部を形成するように、前記樹脂溜り部を挟んで前記ゲートと対向する可動側金型の側に配設され、前記樹脂溜り部に摺接しながら嵌挿するように移動可能に設けられたカットパンチはその先端部が可動側金型の側に配置されている。例えば、後記の図2に示すとおり、カットパンチ15が未だ作動せず、溶融状態の樹脂材料が樹脂溜り部12を通りキャビティ10内に充填される際には、樹脂溜り部12からキャビティ10へ樹脂が通過する連絡部11が開成される位置に、カットパンチ15の先端部23が可動側金型の側に保持される。次に、例えば、後記の図4に示すように、溶融状態の樹脂材料がキャビティおよび樹脂溜り部の内部に充填された後、樹脂材料は、冷却されている金型と接する部分から固化していく。このとき、未だ溶融状態にある樹脂材料が樹脂溜り部の内部に存在しているときに、前記カットパンチを作動させ、前記ゲートに向けて樹脂溜り部に嵌挿するように移動して、例えば、図5に示すとおり、樹脂溜り部内に存在している未だ溶融状態にある樹脂材料を前記ゲート内に強制的に押し戻しながら、前記連絡部を閉塞するとともに、前記連絡部における樹脂材料を切断することにより、キャビティ内に形成された樹脂成形品が、樹脂溜り部内に形成された樹脂固化物と切り離される。
【0014】
この本発明の方法で用いられる射出成形用金型において、樹脂溜り部における前記カットパンチの移動方向の深さ、すなわち、カットパンチが未だ作動せず、可動側金型の側に保持されているときのカットパンチの先端部と樹脂溜り部を構成する固定側金型のゲート側の面との距離、例えば、図2に示す距離L1 と、カットパンチの移動方向における連絡部の開口距離、例えば、図2に示す距離L2 とは、L1 >L2 となるように構成される。このように構成することで、樹脂溜り部における樹脂材料の固化速度が、連絡部における樹脂材料が完全に固化速度よりも遅れ、連絡部における樹脂材料がほぼ固化あるいは半固化し、樹脂溜り部の内部に未だ溶融状態の樹脂材料が存在しているときに、カットパンチを作動させて固定側金型に向けて移動させると、未だ溶融状態の樹脂材料が、ゲートを通してランナ側に強制的に押し戻され、このため、カットパンチの移動ストロークが確保される。したがって、樹脂溜り部の厚さが、前記連絡部の開口距離に比して大きいほど、樹脂溜り部における樹脂の固化時間と連絡部における樹脂の固化時間に大きな差ができ、カットパンチの作動を安定的に行うことができるタイミングを広範囲とするためには有利である。一方、この樹脂溜り部は、毎回の成形終了毎に廃却する部分であるので、必要以上に厚くすることは経済的に好ましくない。そこで、成形工程を安定的、経済的に行なうことができ、かつ樹脂成形品の前記連絡部に対応する部分にバリまたは白化が生じない範囲として、樹脂溜り部におけるカットパンチの移動方向の深さは、連絡部の開口距離の1.5倍〜10倍であるのが好ましく、さらに、2倍〜6倍の範囲が好ましい。
【0015】
また、本発明の方法で用いられる射出成形用金型において、樹脂溜り部の断面形状は、図14(a)に示すように、樹脂溜り部12におけるカットパンチ15の移動方向の深さが、ゲート14に向けて徐々に深くなる断面形状がカットパンチの作動領域を広げる上で有効である。さらに、図14(b)に示すように、樹脂溜り部12の両端の最外周部12aの部分が深くなる断面形状も、カットパンチの作動ストロークを確保する上で有効である。また、図14(c)に示すように、樹脂溜り部12におけるカットパンチ15の移動方向の深さが、ゲート14に向けて徐々に深くなるようにするとともに、樹脂溜り部12の両端の最外周部12aの部分が深くなる断面形状としてもよく、カットパンチの作動ストロークを確保する上で有効である。
さらに、樹脂溜り部の樹脂固化物を突き出すための突出しピンの軸径を大きくして、移動するカットパンチの先端部のカットパンチの移動方向への投影面積を小さくするように構成し、かつカットパンチの作動と突出しピンの作動とを独立させて行い、カットパンチが作動する際に、突出しピンが作動しないようにすると、カットパンチの作動領域およびストロークを確保する上で有効である。
【0016】
本発明の方法においては、キャビティへの溶融状態の樹脂材料の充填が完了した後、樹脂溜り部とキャビティとの連絡部における樹脂材料が半固化状態、かつ樹脂溜り部内に未だ溶融状態の樹脂材料が残存しているときに、カットパンチが作動され、固定側金型のゲートに向けて移動し、連絡部が閉塞される。このカットパンチの作動タイミングは、成形キャビティの形状、すなわち、樹脂成形品の形状、樹脂材料の硬化速度、樹脂溜り部の形状等に応じて適宜選択される。一般に、連絡部における樹脂材料が未だ溶融状態にある時にカットパンチを作動させる、すなわち、作動タイミングが速いと、金型の製作および構造上、若干のスキマを有する構造を採用している樹脂溜り部の側面とカットパンチの側面との間に設けられる作動クリアランス部に樹脂材料が潜り込み、その結果、得られる樹脂成形品の切り口にバリが生じるおそれがある。
また、もし、このバリが発生する問題を解決するために、上記スキマ量を少なくすると、樹脂溜り部の側面とカットパンチとが突き当たってカジリ等が生じたり、甚だしい場合には、固定側金型の連絡部の部位が欠損する等の作動上の問題を生じるおそれがある。さらに、連絡部における樹脂材料が完全に固化した後にカットパンチを作動させる、すなわち、作動タイミングが遅いと、得られる樹脂成形品の切り口に細かいクラックが現れ、外観的には白化が生じる。したがって、本発明の方法において、カットパンチの作動タイミングは、得られる樹脂成形品において、切り口にバリが立つ場合よりも遅く、白化する場合よりも速いタイミングを、実験等によって確認しながら決定することが肝要である。
【0017】
本発明の方法において、カットパンチの作動によって、樹脂溜り部内の未だ溶融状態の樹脂材料がランナ側に押し戻される際に、溶融状態の樹脂材料が通過するゲートは、開口径が大きいほど、溶融状態の樹脂材料がランナ内に容易に逆流させることができ、確実なカットパンチの作動が得られる点で、有利である。一方、コールドランナ構造の射出成形用金型を使用する場合は、ゲートの開口径が大きくなると、樹脂溜り部に形成された樹脂固化物とランナの切り離しが困難になるおそれがある。そのため、コールドランナ方式の射出成形用金型を用いる場合には、予め、一般的なピンゲート径で金型を製作し、カットパンチの作動状況を、得られる成形品のバリまたは白化の発生を確認しながら調べ、必要に応じて拡径して、適切な開口径に設定するのが好ましい。また、ホットランナ構造の射出成形用金型のゲートの開口径についても同様である。さらに、バルブゲートを有するホットランナ方式の射出成形用金型を使用する場合には、ゲートをニードルピンにより機械的に閉塞するため、ゲートにおいて、樹脂溜り部の樹脂固化物とランナとの間の切れの問題を考慮する必要がなく、ゲートの開口径は、可能な限り、大きくすることが望ましい。例えば、ゲートの開口径は、1.0〜2.5mmの範囲が好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法および射出成形用金型について、本発明の好適実施例1および2を示す図1〜13に基づいて詳細に説明する。図1〜7は、本発明の金型の好適実施例であるコールドランナ方式の金型によって、屈曲板状の樹脂成形品の製造を行う第1実施例を示すものである。また、図8〜13は、ホットランナ方式の金型によって、薄肉円環状部品を製造する第2実施例を示すものである。
【0019】
図1に要部破断図を示す第1実施例で用いたコールドランナ方式の射出成形用金型1は、固定側金型2と、可動側金型3とから構成されるものである。固定側金型2は、固定側取付板2aと、固定側取付板2aに固定側背板2bを介して取付けられた固定側型板2cとから構成される。固定側取付板2aには、射出成形機の射出ノズル4から射出される溶融状態の樹脂材料を金型内に導入する導入孔5が穿設されたスプルーブッシュ6が配設されている。スプルーブッシュ6の導入孔5は、固定側背板2bおよび固定側型板2cに内設され、溶融状態の樹脂材料が流通するランナ7に連通されている。
【0020】
可動側金型3は、可動側取付板3aと、該可動側取付板3aにスペーサーブロック3bを介して取付けられている可動側型板3cとを有するものである。
この射出成形用金型1における固定側金型2と可動側金型3の型合わせ時に、前記固定側金型2の固定側型板2cに形成された段差を有する成形面8と、該成形面8に応じて、可動側金型3の可動側型板3cに形成された段差を有する成形面9とによって、図3の平面図に示すとおり、樹脂成形品を形成するためのキャビティ10と連絡部11を介して連通される樹脂溜り部12が、固定側金型の固定側型板2cを凹状に刻成して形成されている。図3において、14は溶融状態の樹脂材料をキャビティ内に導入するためのゲートである。
また、この樹脂溜り部12は、図2に示すとおり、固定側金型の固定側型板2cの成形面8の樹脂溜り面13に穿設されたゲート14を通して、射出成形機のノズル4から溶融状態の樹脂材料を導入するランナ7と接続される。
【0021】
また、樹脂溜り部12を挟んでゲート14と対向する可動側金型3の可動側型板3cの側には、キャビティ内に溶融状態の樹脂材料が充填されているときは、溶融状態の樹脂材料が樹脂溜り部12を通じてキャビティ内に導入されるように、その先端部23が、樹脂溜り部とキャビティとの間に、樹脂溜り部12とキャビティ10との間の連絡部を開口する位置にあり、キャビティ内に溶融状態の樹脂材料が充填された後、樹脂溜り部12内に未だ溶融状態の樹脂材料が存在しているときに、樹脂溜り部12とキャビティ10とを連絡部11において切り離すために、可動側金型3の側から固定側金型2に向けて移動されるカットパンチ15が配設されている。カットパンチ15は、カットパンチ突出しプレート16aおよび16bとともに、カットパンチ駆動油圧シリンダ17に固着されるとともに、スプリング18によって駆動方向とは反対方向に付勢されている。
また、カットパンチ15には、樹脂溜り部に形成される樹脂固化物を突き出すための樹脂溜り突出しピン19が、カットパンチ15とは独立に摺動自在に嵌挿されている。さらに、可動側型板3cには、キャビティ10に形成される樹脂成形品を突き出すための成形品突出しピン20aおよび20bが、摺動自在に嵌挿されている。樹脂溜り突出しピン19、ならびに成形品突出しピン20aおよび20bは、カットパンチ突出しプレート16aおよび16bを貫通して、スプリング21によって、突出しピンの駆動方向とは反対方向に付勢された突出しプレート22aおよび22bに取付けられる。これらの樹脂溜り突出しピン19、ならびに成形品突出しピン20aおよび20bは、成形機の突出しロッド(図示しない)によって突出しロッド受け22cが押され、該突出しロッド受け22cに一体に取付けられた突出しプレート22bが押されて、前進(図1中の上昇方向に)駆動される。
【0022】
図1および図2に示すとおり、カットパンチ15の先端部23には、型開き時に、樹脂溜り部12に形成された樹脂固化物が固定側金型の側に残らないよう、該樹脂固化物をカットパンチ側に係止させるためにアンダーカット部25aおよび25bが穿設されている。
【0023】
また、射出成形用金型1において、樹脂溜り部12とキャビティの間に設けられる連絡部11は、図2に示すとおり、カットパンチ15の移動方向における樹脂溜り部の深さが、カットパンチの移動方向における連絡部の開口距離よりも大となるように形成される。すなわち、樹脂溜り部12の側面26における固定側型板2cの成形面8aとカットパンチ15の先端部23との距離L1 は、連絡部11のカットパンチの移動方向に沿った開口距離、すなわち、固定側型板2cの成形面8bと、カットパンチ15の先端部23との距離L2 よりも大である(L1 >L2 )ように形成される。このように構成することにより、カットパンチ15が矢印Aの方向に駆動されると、カットパンチ15の側面15aによって、連絡部11が閉塞されるとともに、キャビティ10に形成される樹脂成形品と、樹脂溜り部12に形成される樹脂固化物とが、連絡部11において切り離される。
【0024】
この図1に示すコールドランナ構造を有する射出成形用金型1を用いる射出成形方法においては、まず、可動側金型3を駆動して、固定側金型2と可動側金型3とを型閉めして、キャビティ10と該キャビティ10に連通する樹脂溜り部12とが形成される。次に、固定側取付板2aに配設されたスプルーブッシュ6に穿設された導入孔5に当接された、射出成形機の射出ノズル4から溶融状態の樹脂材料が射出される。射出された溶融状態の樹脂材料は、ランナ7を流通してゲート14から樹脂溜り部12に導入され、さらに連絡部11を通ってキャビティ10に充填される。このとき、カットパンチ15は作動せず、可動側金型3の側に保持されている。
【0025】
樹脂溜り部12、連絡部11およびキャビティ10に充填された樹脂材料は、固定側金型2および可動側金型3内に適宜配設された冷却手段、例えば、冷却水流通路に流通する冷却水によって冷却され、固化される。樹脂の充填が完了した後、充填された樹脂材料は、図4に示すとおり、固定側型板2cの成形面8および可動側型板3cの成形面9に接する外側部分から冷却して固化し、まず、成形面8および成形面9とが近接している連絡部11における樹脂材料は、固化または半固化の状態となる。一方、連絡部11よりも厚い、すなわち、固定側型板2cの成形面8および可動側型板3cの成形面9との間の距離が大きい樹脂溜り部12においては、成形面8または9と接する樹脂材料の外側は固化または半固化の状態となるが、内部には、未だ溶融状態の樹脂材料27が存在している状態となる。
【0026】
このとき、スプリング18の付勢力に抗して、カットパンチ駆動油圧シリンダ17によって、カットパンチ突出しプレート16aおよび16bに取りつけられたカットパンチ15が作動し、可動側金型3の側から固定側金型2に向けて移動する。移動されたカットパンチ15の押圧力によって、樹脂溜り部内の未だ溶融状態の樹脂材料27が、ゲート14からランナ7内に押し戻され、樹脂溜り部内の樹脂体積が減少し、カットパンチ15の移動のための容積が確保されることにより、図5に示すとおり、カットパンチ15が固定側型板2cに向けて前進し、カットパンチ15の側面15aによって、連絡部11が閉塞されるとともに、キャビティ10における樹脂成形品28と、樹脂溜り部12に形成される樹脂固化物29とが、連絡部11において切り離される。このとき、カットパンチ15は、図1に示す、カットパンチ突出しプレート16aと16bとの間に足部30を係止されて取付けられ、カットパンチ突出しプレート16aの外面31と可動側型板3cの背面32との間隔によって、カットパンチ15の移動距離が規制される。カットパンチ15内に、カットパンチ15とは独立に摺動自在に嵌挿されている樹脂溜り突出しピン19は、カットパンチ15の移動とともに移動せず、その頂面24は、凹部33を形成する。
【0027】
キャビティ10および樹脂溜り部12の樹脂材料が冷却して固化し、キャビティ10には樹脂成形品28が形成され、樹脂溜り部12には、凹部33、ならびにアンダーカット部25aおよび25bにおける樹脂材料の固化分を含む樹脂固化物29が形成される。この後、図6に示すとおり、可動側金型3を駆動して、射出成形用金型1を開く。このとき、樹脂溜り部に形成された樹脂固化物29は、樹脂成形品と分離されていて、カットパンチ15の先端部側に係止されている。また、アンダーカット部25aおよび25bに形成された固化分は、樹脂固化物29をカットパンチ15の先端部に係止しておく係止部の作用をなす部分である。
【0028】
次に、図7に示すとおり、成形機の突出しロッド(図示しない)によって、突出しプレート22aおよび22bに取付けられた、樹脂溜り突出しピン19、ならびに成形品突出しピン20aおよび20bが、スプリング21の付勢力に抗して駆動され、樹脂成形品28および樹脂固化物29が、それぞれ独立に突き出され、切り離された状態で得られる。
【0029】
また、図8〜13は、バルブゲートシステムによるホットランナ方式の4個取り金型によって、薄肉円環状部品を製造する第2実施例を示すものである。なお、図8は、4個取りの射出成形用金型の片側半分のみを示し、紙面より裏側にある片側半分を省略して示す。以下、図8に示す2つの片側半分に基づいて説明し、紙面より裏側にある片側半分についての同様の説明は省略する。
【0030】
図8に要部破断図を示す第2実施例で用いたホットランナ方式の射出成形用金型41は、固定側金型42と、可動側金型43とから構成されるものである。固定側金型42は、固定側取付板42aと、固定側取付板42aにスペーサブロック42bを介して取付けられた固定側型板42cとを有する。固定側取付板42aには、射出成形機の射出ノズル44から射出される溶融状態の樹脂材料を金型内に導入する導入孔45が穿設されたスプルーブッシュ46が配設されている。スプルーブッシュ46の導入孔45は、固定側取付板42aと固定側型板42cとの間に配設されたマニフォルドブロック47内に内設されたランナ48と接続され、固定側型板42c内に配設されたホットランナノズル49aおよび49bのホットランナ50aおよび50bと連通されている。ホットランナノズル49aおよび49bのホットランナ50aおよび50bには、固定側取付板42aに配設されたニードルピン駆動シリンダ51aおよび51bによって駆動され、ゲート52aおよび52bから、後述の樹脂溜り部58aおよび58b、ならびにキャビティ56aおよび56bへの溶融状態の樹脂材料の導入を制御するニードルピン53aおよび53bが、それぞれ内挿されている。
【0031】
可動側金型43は、可動側取付板43aと、該可動側取付板43aにスペーサーブロック43bを介して取付けられている可動側背板43cおよび43dに固着されている可動側型板43eを有するものである。
この射出成形用金型41における固定側金型42と可動側金型43の型閉じ時に、図8または図9に示すとおり、前記固定側金型42の固定側型板42cに形成された段差を有する成形面54aおよび54bと、該成形面54aおよび54bに応じて、可動側金型43の可動側型板43eに形成された段差を有する成形面55aおよび55bとによって、樹脂成形品を形成するための円環状のキャビティ56aおよび56bと、連絡部57aまたは57bを介して連通する樹脂溜り部58aおよび58bとが形成される。また、樹脂溜り部58aおよび58bの固定側型板42cの側の成形面54aおよび54bの樹脂溜り面59aおよび59bのそれぞれには、ゲート52aおよび52bが穿設されている。
樹脂溜り部58aおよび58bは、固定側金型42の固定側型板42cの成形面54aおよび54bの樹脂溜り面59aおよび59bに穿設されたゲート52aおよび52bを通して、溶融状態の樹脂材料を導入するホットランナ50aおよび50bと接続される。
【0032】
また、樹脂溜り部58aおよび58bを挟んでゲート52aおよび52bと対向する可動側金型43の可動側型板43eの側には、キャビティ内に溶融状態の樹脂材料が充填されているときには、溶融状態の樹脂材料が樹脂溜り部58aおよび58bを通じて、その先端部67aおよび67bが、樹脂溜り部とキャビティとの間に、樹脂溜り部58aおよび58bとキャビティ56aおよび56bとの間の連絡部を開口する位置にあり、キャビティ内に溶融状態の樹脂が充填された後、樹脂溜り部58aおよび58b内に未だ溶融状態の樹脂材料が存在しているときに、樹脂溜り部58aおよび58bとキャビティ56aおよび56bとを連絡部57aおよび57bにおいて切り離すために、可動側金型43の側から固定側金型42に向けて移動されるカットパンチ60aおよび60bがそれぞれ配設されている。カットパンチ60aおよび60bは、可動側背板43cおよび43dとともに、可動側背板43dに配設されたカットパンチ駆動油圧シリンダ61aまたは61bに連結されるとともに、スプリング62aまたは62bによって駆動方向とは反対方向に付勢されている。
また、カットパンチ60aおよび60bには、樹脂溜り部58aおよび58bに形成される樹脂固化物を突き出すための樹脂溜り突出しピン63aおよび63bが、カットパンチ60aまたは60bとは独立に摺動自在に嵌挿されている。
さらに、可動側型板43eには、キャビティ56aおよび56bに形成される樹脂成形品を突き出すための成形品突出しスリーブ64aおよび64bが、摺動自在に嵌挿されている。
樹脂溜り突出しピン63aおよび63b、成形品突出しスリーブ64aおよび64bは、可動側背板43cおよび43dを貫通して、スプリング65によって、これらの突出しピンおよび突出しスリーブの移動方向とは反対方向に付勢された突出しプレート66aおよび66bに取りつけられる。
これらの樹脂溜り突出しピン63aおよび63b、ならびに成形品突出しスリーブ64aおよび64bは、成形機の突出しロッド(図示しない)によって突出しロッド受け66cが押され、該突出しロッド受け66cに一体に取付けられた突出しプレート66aおよび66bが押されて、前進(図8中の上昇方向に)駆動される。
【0033】
図8および9に示すとおり、カットパンチ60aおよび60bの先端部67aおよび67bには、型開き時に、樹脂溜り部58aおよび58bに形成される樹脂固化物が固定側金型の側に残らないように、該樹脂固化物をカットパンチ側に係止させるために、アンダーカット部69aおよび69bが穿設されている。
【0034】
また、射出成形用金型41において、樹脂溜り部58aとキャビティ56aの間に設けられる連絡部57a、ならびに樹脂溜り部58bとキャビティ56bの間に設けられる連絡部57bは、カットパンチ60aおよび60bの移動方向において、樹脂溜り部の深さが、連絡部の開口距離よりも大となるように形成される。すなわち、カットパンチ60aおよび60bが作動されず、可動側型板43eの側に保持されている状態で、樹脂溜り部58aの側面101における固定側型板42cの成形面54aとカットパンチ60aまたは60bの先端部67aまたは67bとの距離L3 は、連絡部57aまたは57bのカットパンチの移動方向に沿った開口距離、すなわち、固定側型板43eの成形面54aと、カットパンチ60aの先端部67aとの距離L4 よりも大である(L3 >L4 )ように形成される。このように構成することにより、カットパンチ60aが作動され、矢印Aの方向に移動されると、カットパンチ60aの側面102aによって、連絡部57aが閉塞されるとともに、キャビティ56aに形成される樹脂成形品と、樹脂溜り部58aに形成される樹脂固化物とが、連絡部57aにおいて切り離される。また、樹脂溜り部58bおよびキャビティ56bにおいても同様である。
【0035】
この図8に示すホットランナ構造を有する射出成形用金型41を用いる射出成形方法においては、まず、可動側金型43を駆動して、固定側金型42と可動側金型43とを型閉じして、キャビティ56aおよび56bと該キャビティ56aおよび56bに連絡部57aおよび57bを介して連通する樹脂溜り部58aおよび58bとが形成される。次に、固定側取付板42aに配設されたスプルーブッシュ46に穿設された導入孔45に射出成形機の射出ノズル44が当接され、溶融状態の樹脂材料が射出される。射出された溶融状態の樹脂材料は、ランナ48を流動してホットランナ50aおよび50b内に導入される。このとき、ニードルピン駆動シリンダ51aおよび51bによってニードルピン53aおよび53bが、図中上方向に駆動されてゲート52aおよび52bが開口され、溶融状態の樹脂材料が、樹脂溜り部58aおよび58b、ならびに連絡部57aおよび57bを通ってキャビティ56aおよび56bに導入され、充填される。このとき、カットパンチ60aおよび60bは作動せず、可動側金型43の側に保持されている。
【0036】
樹脂溜り部58aおよび58b、連絡部57aおよび57b、ならびにキャビティ56aおよび56bに充填された樹脂材料は、固定側金型42および可動側金型43内に適宜配設された冷却手段、例えば、冷却水流通路に流通する冷却水によって冷却され、固化される。
【0037】
次に、樹脂溜り部58a、連絡部57aおよびキャビティ56aにおける作用を例にして説明する。樹脂溜り部58b、連絡部57bおよびキャビティ57bにおける作用も同様である。
溶融状態の樹脂材料の充填が完了した後、充填された樹脂材料は、図10に示すとおり、固定側型板42cの成形面54aと、可動側型板43eの成形面55aに接する外側部分から冷却して固化し、まず、成形面54aと、成形面55aとが近接している連絡部57aにおける樹脂材料は、固化または半固化の状態となる。一方、連絡部57aよりも深い、すなわち、固定側型板42cの成形面54aと可動側型板43eの成形面55aとの間の距離が大きい樹脂溜り部58aにおいては、成形面54aまたは55aと接する樹脂材料の外側は固化または半固化の状態となるが、内部には、未だ溶融状態の樹脂材料103aが存在している状態となる。
【0038】
このとき、スプリング62aの付勢力に抗して、カットパンチ駆動油圧シリンダ61aによって、可動側背板43cおよび43dに取付けられたカットパンチ60aが、可動側金型43の側から固定側金型42に向けて移動される。駆動されたカットパンチ60aの押圧力によって、樹脂溜り部内の未だ溶融状態の樹脂材料103aが、ゲート52aからホットランナ50a内に押し戻され、樹脂溜り部内の樹脂体積が減少し、カットパンチ60aの移動のための容積が確保されることにより、図11に示すとおり、カットパンチ60aが固定側型板42cに向けて移動し、カットパンチ60aの側面102aによって、連絡部57aが閉塞され、キャビティ56aにおける樹脂成形品105aと、樹脂溜り部58aに形成される樹脂固化物106aとが、連絡部57aにおいて切り離される。このとき、カットパンチ60a内に、カットパンチ60aとは独立に摺動自在に嵌挿されている樹脂溜り突出しピン63aは、カットパンチ60aの駆動とともに駆動されず、その頂面68aは、凹部107aを形成する。
【0039】
次に、ニードルピン53aが駆動され、ゲート52aが閉塞され、キャビティ56aおよび樹脂溜り部58aの樹脂材料が冷却されて固化し、キャビティ56aには樹脂成形品105aが形成され、樹脂溜り部58aには、凹部107a、ならびにアンダーカット部69aにおける樹脂材料の固化分を含む樹脂固化物106aが形成された後、図12に示すとおり、可動側金型43を駆動して、射出成形用金型を開く。このとき、樹脂溜り部に形成された樹脂固化物106aは、樹脂成形品105aと分離され、カットパンチ60aの先端部側に係止めされている。また、アンダーカット部69aに形成された固化物は、樹脂固化物106aをカットパンチ60aの先端部に係止しておく係止部の作用をなす部分である。
【0040】
次に、図13に示すとおり、成形機の突出しロッド(図示しない)によって、突出しプレート66aおよび66bに取付けられた、樹脂溜り突出しピン63a、ならびに成形品突出しスリーブ64aが、スプリング62aの付勢力に抗して駆動され、薄肉円環状の樹脂成形品105aおよび円板状の樹脂固化物106aが、それぞれ独立に突き出され、切り離された状態で得られる。
【0041】
(実験例1)
図1に示す、コールドランナ方式の本発明の射出成形用金型を用いて、使用樹脂、金型温度、および樹脂溜り部内面とカットパンチ外周面との摺接部のクリアランスを変えて屈曲板状の樹脂成形品の製造実験を行った。
実験に用いた射出成形用金型の製品部、連絡部、および樹脂溜り部の射出時の厚さは下記のとおりであった。
製品部(キャビティ10)の厚さ 1.5mm
連絡部(11)の厚さ 0.5mm
樹脂溜り部(12)の射出時の厚さ 1.0mm
【0042】
実験において、カットパンチによる切れの品質および問題点を下記の基準で評価し、結果を表1にまとめた。
切れの品質の評価基準
○ カット部にクラックやバリがなく良好な品質
△ カット部に若干のクラックやバリが発生するが、外観上問題ない品質
× カット部にクラックやバリが発生し、製品として不良と判断される品質
問題点
K 摺接部にカジリが発生し。金型の耐久性上の問題あり
B 成形品のカット部にバリが発生
H 成形品のカット部に白化が発生、あるいはカットできない
【0043】
Figure 0003934775
【0044】
表1に示す実験結果から、樹脂溜り部内面とカットパンチ外周面との摺接部のクリアランスは、狭い方が切れの品質は良いが、狭すぎると、カットパンチと樹脂溜り部とが接触し易くなり、金型の耐久性上好ましくない。特に、クリアランスが5μm以下の場合には、この問題を回避するためには、高精度な金型が必要となり、金型コストが上昇し、経済的に好ましくないことがわかる。したがって、経済効果を考慮すると、樹脂特性に応じて最適なクリアランスとすることが望ましい。表1に示す実験結果から、GPPSおよびPCでは、10〜20μmのクリアランスが好ましく、PAでは5〜10μmのクリアランスが好ましいことがわかった。
【0045】
また、上記と同じ金型を用いて、使用樹脂、金型温度、およびカットパンチの駆動タイミングを変えて屈曲板状の樹脂成形品の製造実験を行い、カットパンチによる切れの品質および問題点を前記の基準で評価し、結果を表2にまとめた。なお、駆動タイミングは、射出完了(保圧開始)後、カットパンチを駆動するまでの時間(秒)である。
【0046】
Figure 0003934775
【0047】
表2に示す実験結果から、カットパンチの駆動タイミングは、樹脂特性により異なり、3種の樹脂に共通しているのは、カットパンチの駆動タイミングが早いと切り口にバリが発生し、遅いと白化が生じ、さらに遅いと切れなくなることがわかった。
【0048】
(実験例2)
図8に示す、ホットランナ方式の本発明の射出成形用金型を用いて、樹脂としてPAを用い、70℃の金型温度で、樹脂溜り部内面とカットパンチ外周面との摺接部のクリアランスを変えて、薄肉円環状部品を製造する実験を行い、切れの品質が良好となるカットパンチの駆動タイミングを求めた。結果を表3に示す。実験に用いた射出成形用金型の製品部、連絡部、および樹脂溜り部の射出時の厚さは下記のとおりであった。
製品部(キャビティ10)の厚さ 0.17mm
連絡部(11)の厚さ 0.17mm
樹脂溜り部(12)の射出時の厚さ 0.5mm
【0049】
Figure 0003934775
【0050】
表3に示す実験結果から、樹脂溜り部内面とカットパンチ外周面との摺接部のクリアランスは、狭い方が切れの品質が良好となる駆動タイミングの範囲が広く、クリアランスが広くなると、切れの品質が良好となる駆動タイミングの範囲が狭くなる。また、クリアランスが狭すぎると、前記実験例1と同様に、カットパンチと樹脂溜り部とが接触し易くなり、金型の耐久性上好ましくない。樹脂としてPAを使用する場合、クリアランスが15μmでは、切れの品質が良好となる駆動タイミングの範囲が0.1秒と狭く、安定生産上、好ましくない。また、クリアランスが20μmでは、切れの品質が良好となる駆動タイミングの範囲は無かった。したがって、クリアランスと切れの品質が良好となるカットパンチの最適駆動タイミングは、樹脂特性によって異なる。
【0051】
また、上記と同じ金型を用いて、樹脂としてPAを用い、金型温度60または80℃で、樹脂溜り部の厚さを変えて、薄肉円環状部品を製造する実験を行い、切れの品質が良好となるカットパンチの駆動タイミングを求めた。結果を表4および表5に示す。
【0052】
Figure 0003934775
【0053】
Figure 0003934775
【0054】
表4および5に示す実験結果から、樹脂溜り部の厚さが厚くなるに従って、切れの品質が良好となるカットパンチの駆動タイミングの範囲が広くなることがわかる。また、樹脂溜り部の厚さが連絡部の厚さの1.5倍以下では、十分な駆動タイミングの範囲が得られず、安定生産上問題があることがわかる。さらに、樹脂溜り部の樹脂は、成形サイクル毎に廃却されるものであり、無駄となるので、必要以上に駆動タイミングの範囲を確保する必要はなく、カットパンチの駆動の制御性と資源の有効活用の観点から、樹脂溜り部の厚さは、連絡部の厚さの1.5倍〜10の範囲、さらに好ましくは2〜6倍程度とするのが好ましいことがわかる。
【0055】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の射出成形方法によれば、
▲1▼樹脂を射出充填すると、樹脂溜り部の樹脂材料はその外側から固化してゆき、キャビティとの連絡部における樹脂材料が固化した時点では、樹脂溜り部はその深さが連絡部よりも大であるために、内部に溶融状態の樹脂材料が残っている。
ここで、カットパンチを駆動させると、樹脂溜り部の内部の溶融状態の樹脂材料を、ゲートを通してランナ側に逆流させることができる。これにより、樹脂溜り部の樹脂体積を減少させることができるので、カットパンチの移動ストロークが確保でき、従来の金型における複雑な構造、例えば、光ディスク基板製造用の金型に見るような移動するスプルーブッシュが不要となり、金型構造を簡略化できる。
▲2▼樹脂溜り部を製品の一部として考えると、ゲートが通常のゲートとなるため、カットパンチの駆動システムを付加するのみで、従来のシンプルな構造の金型と同様の設計が可能となる。この結果、多数個取り金型の設計も従来と同様となり、容易になる。さらにランナをホットランナ方式とする場合も、従来のシンプルな金型構造と同様な設計で足りるので、市販のホットランナシステムをそのまま導入することができ、安価な金型とすることができる。
▲3▼固化(半固化状態)した連絡部の樹脂材料を切断するため、切り口に溶融樹脂が潜り込むようなバリが立つことがなく、ゲート傷痕がない樹脂成形品を得ることができる。また、切り口に溶融樹脂が潜り込まないので、カットパンチと、カットパンチが嵌挿する樹脂溜り部とのクリアランスを十分に確保でき、この部分のカジリに配慮する必要がなく、耐久性のある金型とすることができ、かつ、安価に金型部品を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の射出成形方法の第1実施例で用いたコールドランナ方式の射出成形用金型を説明する要部破断図。
【図2】 本発明の射出成形方法の第1実施例で用いたコールドランナ方式の射出成形用金型の主要部を説明する要部破断図。
【図3】 本発明の射出成形方法の第1実施例で用いたコールドランナ方式の射出成形用金型のキャビティおよび樹脂溜り部を示す平面図。
【図4】 本発明の射出成形方法の第1実施例の工程を説明する図。
【図5】 本発明の射出成形方法の第1実施例の工程を説明する図。
【図6】 本発明の射出成形方法の第1実施例の工程を説明する図。
【図7】 本発明の射出成形方法の第1実施例の工程を説明する図。
【図8】 本発明の射出成形方法の第2実施例で用いたホットランナ構造の射出成形用金型を説明する図。
【図9】 本発明の射出成形方法の第2実施例で用いたホットランナ方式の射出成形用金型の主要部を説明する要部破断図。
【図10】 本発明の射出成形方法の第2実施例の工程を説明する図。
【図11】 本発明の射出成形方法の第2実施例の工程を説明する図。
【図12】 本発明の射出成形方法の第2実施例の工程を説明する図。
【図13】 本発明の射出成形方法の第2実施例の工程を説明する図。
【図14】 (a)、(b)および(c)は、それぞれ本発明の射出成形用金型の樹脂溜り部の断面形状の好適例を示す図。
【符号の説明】
1 射出成形用金型
2 固定側金型
2a 固定側取付板
2b 固定側背板
2c 固定側型板
3 可動側金型
3a 可動側取付板
3b スペーサーブロック
3c 可動側型板
4 射出ノズル
5 導入孔
6 スプルーブッシュ
7 ランナ
8 成形面
9 成形面
10 キャビティ
11 連絡部
12 樹脂溜り部
13 樹脂溜り面
14 ゲート
15 カットパンチ
16a,16b カットパンチ突出しプレート
17 カットパンチ駆動油圧シリンダ
18 スプリング
19 樹脂溜り突出しピン
20a,20b 成形品突出しピン
21 スプリング
22a,22b 突出しプレート
22c 突出しロッド受け
23 カットパンチ15の先端部
24 樹脂溜り突出しピン19の頂面
25a,25b アンダーカット部
26 樹脂溜り部12の側面
27 未だ溶融状態の樹脂材料
28 樹脂成形品
29 樹脂固化物
30 足部
31 カットパンチ突出しプレート16aの外面
32 可動側型板3cの背面
41 射出成形用金型
42 固定側金型
42a 固定側取付板
42b スペーサブロック
42c 固定側型板
43 可動側金型
43a 可動側取付板
43b スペーサーブロック
43c,43d 可動側背板
43e 可動側型板
44 射出ノズル
45 導入孔
46 スプルーブッシュ
47 マニフォルドブロック
48 ランナ
49a,49b ホットランナノズル
50a,50b ホットランナ
51a,51b ニードルピン駆動シリンダ
52a,52b ゲート
53a,53b ニードルピン
54a,54b 成形面
55a,55b 成形面
56a,56b キャビティ
57a,57b 連絡部
58a,58b 樹脂溜り部
59a,59b 樹脂溜り面
60a,60b カットパンチ
61a,61b カットパンチ駆動油圧シリンダ
62a,62b スプリング
63a,63b 樹脂溜り突出しピン
64a,64b 成形品突出しスリーブ
65 スプリング
66a,66b 突出しプレート
66c 突出しロッド受け
67a,67b カットパンチの先端部
68a 樹脂溜り突出しピン63aの頂面
69a,69b アンダーカット部
101a 樹脂溜り部の側面
102a カットパンチ60aの側面
103a 未だ溶融状態の樹脂材料
105a 樹脂成形品
106a 樹脂固化物
107a 凹部

Claims (12)

  1. 固定側金型と可動側金型とによって画成されるキャビティ内に、前記固定側金型内に配設されたランナを通り、前記固定側金型の側の前記ランナの先端に設けられたゲートから射出される溶融状態の樹脂材料を、前記固定側金型を前記ゲート側に凹状に刻成して形成された樹脂溜り部から導入して成形する射出成形方法であって、
    前記樹脂溜り部を挟んで前記ゲートと対向する前記可動側金型側に配設され、前記樹脂溜り部に摺接しながら嵌挿するように移動可能に設けられたカットパンチが、前記ゲートから前記樹脂溜り部を介して前記キャビティ内に前記溶融状態の樹脂材料が充填されているときは、前記溶融状態の樹脂材料が前記樹脂溜り部を通じて前記キャビティ内に導入されるように、前記カットパンチの前記樹脂溜り部への移動方向の先端部が、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの間に、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの連絡部を開口する位置にあり、
    前記溶融状態の樹脂材料が前記キャビティおよび前記樹脂溜り部の内部に充填された後、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの前記連絡部における前記樹脂材料が半固化状態、かつ未だ溶融状態にある樹脂材料が前記樹脂溜り部の内部に存在しているときに、前記カットパンチが、前記ゲートに向けて前記樹脂溜り部に嵌挿するように移動して、前記樹脂溜り部内に存在している前記未だ溶融状態にある樹脂材料を前記ゲート内に強制的に押し戻しながら、前記連絡部を閉塞するとともに、前記連絡部における前記半固化状態の樹脂材料を切断することにより、前記キャビティ内に形成された樹脂成形品を前記樹脂溜り部内に形成された樹脂固化物と切り離すことを特徴とする射出成形方法。
  2. 複数対の前記キャビティ、前記樹脂溜り部および前記カットパンチによって、複数の前記樹脂成形品を成形する請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 前記ランナが、ホットランナである請求項1または2に記載の射出成形方法。
  4. 前記ホットランナが、その先端にバルブゲート構造を有し、前記カットパンチが移動した後に、バルブゲートを閉じて、前記ゲートを閉塞することを特徴とする請求項3に記載の射出成形方法。
  5. 開口を有する前記樹脂成形品を成形する方法であって、該樹脂成形品の前記開口に対応して形成された、前記樹脂溜り部および該樹脂溜り部に嵌挿される前記カットパンチによって、前記樹脂溜り部に対応した形状の前記開口を有する前記樹脂成形品を成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形方法。
  6. 固定側金型内に配設されたランナを通り、前記固定側金型の側の前記ランナの先端に設けられたゲートから射出される溶融状態の樹脂材料が、前記固定側金型を前記ゲート側に凹状に刻成して形成された樹脂溜り部から導入されて充填されるキャビティを、前記固定側金型と可動側金型とによって画成する射出成形用金型であって、
    前記ゲートと、前記キャビティとは、前記固定側金型に凹状に形成された前記樹脂溜り部を介して接続され、
    前記樹脂溜り部を挟んで前記ゲートと対向する前記可動側金型側には、前記樹脂溜り部に摺接しながら嵌挿するように移動可能なカットパンチが配設され、
    前記樹脂溜り部の断面形状が、前記カットパンチの移動方向の深さが前記ゲートに向けて徐々に深くなる断面形状、および前記樹脂溜り部の両端の最外周部の部分が深くなる断面形状の少なくとも一方であり、
    前記カットパンチは、前記キャビティ内に前記溶融状態の樹脂材料が充填されているときは、前記ゲートから射出された前記溶融状態の樹脂材料が前記樹脂溜り部を通じて前記キャビティ内に導入されるように、前記カットパンチの、前記樹脂溜り部への移動方向の先端部は、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの間に、前記樹脂溜り部と前記キャビティとの連絡部を開口する位置にあり、前記溶融樹脂が前記キャビティおよび前記樹脂溜り部の内部に充填された後、未だ溶融状態にある樹脂材料が前記樹脂溜り部の内部に存在しているときに、前記カットパンチが、前記ゲートに向けて前記樹脂溜り部に嵌挿するように移動して、前記樹脂溜り部内に存在している前記未だ溶融状態にある樹脂材料を前記ゲート内に強制的に押し戻しながら、前記連絡部を閉塞するとともに、前記連絡部における前記樹脂材料を切断することにより、前記キャビティ内に形成された樹脂成形品を前記樹脂溜り部内に形成された樹脂固化物と切り離すようにしてなことを特徴とする射出成形用金型。
  7. 前記キャビティ、前記樹脂溜り部および前記カットパンチを複数対有する請求項6に記載の射出成形用金型。
  8. 前記ランナが、ホットランナである請求項6または7に記載の射出成形用金型。
  9. 前記ホットランナが、バルブゲート構造を有するものである請求項8に記載の射出成形用金型。
  10. 開口を有する前記樹脂成形品を成形する射出成形用金型であって、該樹脂成形品の前記開口に対応して形成された、前記樹脂溜り部および該樹脂溜り部に嵌挿される前記カットパンチを有する請求項6〜9のいずれかに記載の射出成形用金型。
  11. 前記カットパンチの先端部には、前記固定側金型と前記可動側金型との型開き時に、前記樹脂溜り部に形成された前記樹脂固化物が、前記固定側金型の側の前記樹脂溜り部内に残らないように、前記樹脂固化物を前記可動側金型の側の前記カットパンチ側に係止させるための、アンダーカット部が穿設されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の射出成形用金型。
  12. 前記カットパンチには、前記カットパンチの移動方向への投影面積を小さくするように構成された、前記樹脂溜り部に形成される前記樹脂固化物を突き出すための突出しピンが、前記カットパンチとは独立に摺動自在に嵌挿されていることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の射出成形用金型。
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