JP3927463B2 - ディジタル信号処理受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル信号処理受信装置に係り、特に、受信アンテナに受信されたアナログ受信信号から変調信号によるコード信号を分離するうえで好適なディジタル信号処理受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平8−8744号公報に開示される如く、受信信号をA/D変換処理した後にディジタル信号処理する信号処理装置が知られている。この信号処理装置においては、受信信号がサンプルホールドされ、そのホールド中にA/D処理がN回連続して行われる。そして、それらのN個のディジタルデータが高速フーリエ変換によりスペクトラム解析され、直流成分のみのサンプル信号が取り出される。従って、上記従来の信号処理装置によれば、受信信号から直流成分以外の周波数成分を取り除くことができ、その結果、サンプリング周波数以上の高周波成分のノイズを除去することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両システムとして、携帯機と車載機との間の無線通信によるコード照合の結果に基づいて車両の使用許可又は不許可の制御を行う車載機器遠隔制御システムが知られている。このシステムは、車載機において携帯機から所定の搬送波で送信される変調信号のコード内容が所望のコード内容に一致すると判断される場合、例えば車両ドアを施錠・解錠し、車両の動力であるエンジンや電気モータの始動を許可し、或いは車両始動後に携帯機が車内に存在するか否かを確認するシステムである。かかる車載機器遠隔制御システムにおいて携帯機の送信する変調信号からコード内容を抽出するうえで、上記従来の信号処理装置が用いられると、サンプリング周波数以上の高周波成分のノイズを除去しつつコード内容を抽出することが可能となる。
【0004】
上記した車載機器遠隔制御システムにおいて、車載機と携帯機との通信は、エンジンや電気モータを制御する制御ユニットが起動している状態またはエンジンや電気モータが駆動している状態においても行われる。このため、車載機と携帯機との通信における搬送波の周波数帯域に、制御ユニットの起動に起因するクロック逓倍波等の狭帯域ノイズやエンジンや電気モータの駆動に起因するイグニションノイズやモータノイズ,インバータノイズ等の広帯域ノイズによる妨害波が重畳することがある。かかる妨害波がエネルギの大きなノイズであると、車載機と携帯機との間において通信エラーが生じ易くなる。従って、車載機と携帯機との通信を常時適切に行ううえでは、その搬送波の周波数帯域に重畳したエネルギの大きな妨害波を確実に除去することが必要である。
【0005】
しかしながら、上記従来の信号処理装置では、車両において発生し得る各種ノイズによる妨害波をすべて除去することは不可能である。このため、上記従来の信号処理装置が上記した車載機器遠隔制御システムに適用されても、携帯機から搬送波にのって送られるコード内容を適切に復調することができず、コード内容の照合が適切に行われない事態が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、受信帯域内に妨害波が存在する場合にも所望のコード内容を選択的に抽出することにより通信性能を高く維持することが可能なディジタル信号処理受信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、受信アンテナと、
前記受信アンテナに受信されるアナログ受信信号をディジタル変換するA/D変換手段と、
前記受信アンテナに受信されるべきコードに応じた変調信号のスペクトラムレベルが該コードの最大持続時間ごとに変化することを利用して、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から前記変調信号によるコード信号を分離して出力するディジタル信号処理部と、
を備えるディジタル信号処理受信装置により達成される。
【0008】
本発明においては、受信アンテナに受信されたアナログ受信信号がディジタル変換される。そして、そのディジタル信号から受信されるべき変調信号によるコード信号が分離して出力される。この際、かかる分離は、受信アンテナに受信されるべき変調信号の、妨害波とは異なるユニーク性具体的にはそのスペクトラムレベルが該コードの最大持続時間ごとに変化することを利用して行われる。従って、本発明によれば、受信帯域内に妨害波が存在する場合にも所望のコード内容を選択的に抽出することでき、これにより、通信性能を高く維持することができる。
【0010】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載のディジタル信号処理受信装置において、前記受信アンテナと前記A/D変換手段との間に介挿され、該受信アンテナに受信されたアナログ受信信号のうち前記変調信号の周波数帯域における信号を通過させるフィルタ回路を備えることとすれば、A/D変換手段に入力されるアナログ受信信号の周波数帯域を制限するので、受信装置としての感度を向上させることができ、通信性能を高く維持することができる。
【0011】
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載のディジタル信号処理受信装置において、前記フィルタ回路と前記A/D変換手段との間に介挿され、該フィルタ回路の出力を増幅する増幅回路を備えることとすれば、アナログ受信信号を微弱な状態から増幅するので、A/D変換手段における量子化精度を確保するための処理負荷を軽減することができると共に、受信感度の向上を図ることができる。
【0012】
また、請求項4に記載する如く、請求項1記載のディジタル信号処理受信装置において、前記受信アンテナと前記A/D変換手段との間に介挿され、該受信アンテナに受信されるアナログ受信信号と局部発振器によるローカル周波数信号とを混合するダウンコンバータと、前記ダウンコンバータと前記A/D変換手段との間に介挿され、該ダウンコンバータの出力のうち所望周波数帯域の信号を通過させるIFフィルタ回路と、を備えることとすれば、A/D変換手段におけるサンプリングレートを低く抑えることができ、その結果、消費電力の低減および処理負荷の軽減を図ることができる。
【0013】
また、上記の目的は、請求項5に記載する如く、請求項1記載のディジタル信号処理受信装置において、前記変調信号は、コードに応じて異なる周波数を有すると共に、前記ディジタル信号処理部は、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、周波数変動または出力強度変動が所定の条件を満たさない信号をノイズとして除去するノイズ除去手段を備えるディジタル信号処理受信装置により達成される。
【0014】
本発明において、受信アンテナに受信されるべき変調信号は、コードに応じて異なる周波数を有する。すなわち、コードが異なれば、変調信号の周波数も異なる。この点、コード内容が変化する期間での受信信号の周波数変動または出力強度変動が変調信号のコード変化に伴う変動幅程度である場合には、その周波数における受信信号は、復調すべきコードを有していると判断できる。一方、コード内容が変化する期間での受信信号の周波数変動または出力強度変動がほとんどなく、変調信号のコード変化に伴う変動幅に達しない場合には、その周波数における受信信号はノイズであると判断できる。本発明においては、A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、周波数変動または出力強度変動が所定の条件を満たさない信号がノイズとして除去される。従って、本発明によれば、受信されるべき変調信号のユニーク性と受信されるべきでないノイズのユニーク性との違いを考慮して、受信帯域内にクロックノイズ等の妨害波が存在する場合にもその妨害波をノイズとして除去することができるので、所望のコード内容を選択的に抽出することができる。
【0015】
この場合、請求項6に記載する如く、請求項5記載のディジタル信号処理受信装置において、前記ノイズ除去手段は、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、所定時間中の周波数変動又は出力強度変動が所定値以下に小さい信号をノイズとして除去することとすればよい。
【0016】
また、請求項7に記載する如く、請求項6記載のディジタル信号処理受信装置において、前記ノイズ除去手段によりノイズとして除去された前記信号の情報を学習・記憶し、所定の場合に学習・記憶する該情報をノイズ除去手段へ提供するメモリ部を備えることとすれば、受信アンテナの受信中に妨害波が受信されることに起因して通信性能が低下する際にも、その後直ちにその通信性能を回復させることができる。
【0017】
また、請求項8に記載する如く、請求項7記載のディジタル信号処理受信装置において、前記メモリ部は、常時、所定の電源から電力供給を受けていることとすれば、ノイズ除去手段に電源が投入された直後から通信性能を高く維持することができる。
【0018】
更に、上記の目的は、請求項9に記載する如く、請求項1記載のディジタル信号処理受信装置において、前記ディジタル信号処理部は、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、周波数変動又は出力強度変動が所定速度又は所定値を超えて大きい信号をノイズとして除去するノイズ除去手段を備えるディジタル信号処理受信装置により達成される。
【0019】
一般に、ランダムノイズは、周波数や出力強度が高速にかつランダムに変動する。従って、受信信号の周波数変動または出力強度変動が高速である場合又は大きい場合には、その周波数における受信信号はランダムノイズであると判断できる。本発明においては、A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、周波数変動又は出力強度変動が所定速度又は所定値を超えて大きい信号がノイズとして除去される。従って、本発明によれば、受信されるべき変調信号のユニーク性と受信されるべきでないノイズのユニーク性との違いを考慮して、受信帯域内に広帯域の妨害波が存在する場合にもその妨害波をノイズとして除去することができるので、所望のコード内容を選択的に抽出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例であるディジタル信号処理受信装置を備えるシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、ディジタル信号処理受信装置を有する車載機10および携帯機12を備え、両者間の無線通信によるコード照合の結果に基づいて車両の使用許可又は不許可の制御を行う車載機器遠隔制御システムである。車載機10は車両に搭載されており、一方、携帯機12は車両乗員に携帯される。
【0021】
車載機10は、例えば車内のバックミラー近傍またはCピラー近傍等に配設された車両用電子制御ユニット(以下、車両ECUと称す)14を備えており、車両ECU14により制御される。車両ECU14には、送信部16および受信部18が接続されている。送信部16は、送信アンテナ20を有している。また、受信部18は、受信アンテナ22を有している。受信アンテナ22は、例えば車内のバックミラー近傍またはCピラー近傍に配設されている。送信アンテナ20は、例えば車両乗員が搭乗時や荷役の出し入れ時に手動操作する車両ドアのアウタハンドルに配設されている。送信アンテナ20は、車内全域をカバーすると共に、車両ドアから例えば半径1m程度の通信可能領域を有している。
【0022】
送信部16は、車両ECU14からの指令に従って、“0”と“1”とに2値化されたデータを例えば周波数300MHz〜400MHz帯の電波に変調して出力する。送信部16から出力される変調信号は、送信アンテナ20を介して外部へ送信される。また、受信部18は、携帯機12の送信した周波数300MHz〜400MHz帯の電波を受信アンテナ22を介して受信した場合に、該受信信号を後に詳述する如く2値化データに復調し出力する。受信部18から出力される信号は、車両ECU14に供給される。
【0023】
車両ECU14には、また、ドア開閉検出部24及び操作検出部26が接続されている。ドア開閉検出部24は、各車両ドアの開閉状態に応じた信号を出力する。車両ECU14は、ドア開閉検出部24の出力信号に基づいて車両ドアの開閉状態を検出する。また、操作検出部26は、例えば、車両ドアのアウタハンドルの操作有無に応じた信号を出力し、また、車内の運転席近傍に設けられたイグニションスイッチの操作有無に応じた信号を出力する。車両ECU14は、操作検出部26の出力信号に基づいて車両ドアのアウタハンドルの操作有無及びイグニションスイッチの操作有無をそれぞれ検出する。
【0024】
車両ECU14は、当該車両のIDコード、並びに、後述するドアロック制御および車両動力の始動制御,駆動停止制御等の制御すべき対象を示す互いに異なる複数の制御コードを記憶するメモリ28を内蔵している。車両ECU14は、車両ドアの開閉状態、ドアアウタハンドルの操作有無、及びイグニションスイッチの操作有無等に従って適当な時期に、メモリ28に記憶されている自己のIDコード及び制御コードを含むコードを暗号化し、送信部16に対して供給する。また、車両ECU14は、受信部18から供給されたデータを解読し、その信号に含まれるIDコード等のコード内容が自己のIDコード等の所望のコード内容に一致するか否かを判別し、その照合が完了した場合に後述の処理を実行する。
【0025】
車両ECU14には、車両動力制御部30、ドアロック部32、ステアリングロック部34、及びイモビライザ部36が接続されている。車両動力制御部30は、車両ECU14からの指令に基づいて、車両の動力源であるエンジンや電気モータ等を始動させ或いはその動力駆動中にその駆動を停止させる。ドアロック部32は、車両ECU14からの指令に基づいて、すべての車両ドアをロック(施錠)・アンロック(解錠)させる。ステアリングロック部34は、車両ECU14からの指令に基づいて、車両乗員が車両操舵時に操作するステアリングホイールの回転を許可・禁止させる。また、イモビライザ部36は、車両ECU14からの指令に基づいて、エンジンへの燃料供給または電気モータへの通電を許可・禁止させると共に、イグニション動作を許可・禁止させる。
【0026】
車両ECU14には、また、警告部38が接続されている。警告部38は、車両ECU14からの指令に基づいて、車両乗員に対して所定の注意を喚起すべく、車内に設けられた警告ランプを点灯させ或いは警報スピーカを駆動すると共に、車両周辺に位置する人に対してその注意を喚起すべく、車外に設けられた警報スピーカを駆動する。
【0027】
また、携帯機12は、携帯機用電子制御ユニット(以下、携帯ECUと称す)40を備えており、携帯ECU40により制御される。携帯ECU40には、送信部42および受信部44が接続されている。送信部42は、送信アンテナ46を有している。また、受信部44は、受信アンテナ48を有している。送信アンテナ46は、例えば半径5〜10m程度の通信可能領域を有している。
【0028】
送信部42は、携帯ECU40からの指令に従って、“0”と“1”とに2値化されたデータを例えば周波数300MHz〜400MHz帯の電波に変調して出力する。送信部42から出力される変調信号は、送信アンテナ46を介して外部へ送信される。また、受信部44は、車載機10の送信した周波数300MHz〜400MHz帯の電波を受信アンテナ48を介して受信した場合に、該受信信号を後に詳述する如く2値化データに復調し出力する。受信部44から出力される信号は、携帯ECU40に供給される。
【0029】
携帯ECU40は、自己の携帯機12に対応する車両のIDコードを記憶するメモリ50を内蔵している。携帯ECU40は、受信部44から供給された2値化データを所定の暗号キーを用いて解読し、その解読データ及びメモリ50に格納されている自己のIDコードを含むコードを暗号化し、送信部42に対して供給する。
【0030】
上記の構成において、車載機10の送信部16及び携帯機12の送信部42は共に、Loデータ“0”及びHiデータ“1”のコード内容にそれぞれ対応して搬送波の周波数を変化させるFSK(Frequency Shift Keying)変調を行う。例えば、300MHz〜400MHz帯の中の第1周波数fLをLoデータ“0”の搬送周波数とし、また、300MHz〜400MHz帯の中の第1周波数fLよりも高い第2周波数fHをHiデータ“1”の搬送周波数として、それぞれ変調を行う。
【0031】
尚、以下、車載機10が送信部16から送信アンテナ20を介して外部へ送信するLoデータ“0”及びHiデータ“1”の組み合わせに係る変調信号をリクエスト信号と、携帯機12が送信部42から送信アンテナ46を介して外部へ送信するLoデータ“0”及びHiデータ“1”の組み合わせに係る変調信号をレスポンス信号と、それぞれ称す。
【0032】
次に、本実施例の車載機器遠隔制御システムの動作について説明する。
【0033】
本実施例のシステムにおいて、車両ドアがロックされている状況下において車両ドアのアウタハンドルが操作されると、車載機10は、送信部16から送信アンテナ20を介して自己のIDコード及びドアアンロックを示す制御コードを含む所定周波数帯(300MHz〜400MHz)のリクエスト信号を送信する。かかるリクエスト信号が送信された際に車両ドア付近に携帯機12が存在しない場合には、車載機10に携帯機12からレスポンス信号が返送されないため、車載機10が車両ドアをアンロックさせることはなく、車両ドアのロック状態は維持される。
【0034】
一方、上記リクエスト信号が送信された際に車両ドア付近に携帯機12が存在する場合には、その携帯機12が受信アンテナ48を介して受信部44で車載機10からのリクエスト信号を受信する。この場合、携帯機12は、そのリクエスト信号に応答して送信部42から送信アンテナ46を介して所定周波数帯(300MHz〜400MHz)のレスポンス信号を返送する。
【0035】
車載機10は、車両ドアがロックされている状態でドアアンロックのためのリクエスト信号を送信した後に受信アンテナ22を介して受信部18で携帯機12からのレスポンス信号を受信した場合、そのレスポンス信号の照合を行う。そして、車載機10は、その照合の結果、コード内容が所望のコード内容に一致しない場合には車両ドアのロック状態を維持する一方、そのコード内容が所望のコード内容に一致する場合には、自己の車両に対応する正規の携帯機12を携帯する車両乗員が自己の車両に乗車しようとしているとして、車両ドアのロック状態を解除しアンロックさせるべく、ドアロック部32を制御する。
【0036】
また、車両ドアがアンロックされた後、車両ドアが開閉され、車内に設けられたイグニションスイッチがオン操作されると、車載機10は、送信部16から送信アンテナ20を介して自己のIDコード及び車両動力始動を示す制御コードを含む所定周波数帯のリクエスト信号を送信する。携帯機12は、受信アンテナ48を介して受信部44で車載機10からのリクエスト信号を受信した場合、そのリクエスト信号に応答して送信部42から送信アンテナ46を介して所定周波数帯のレスポンス信号を返送する。
【0037】
車載機10は、車両動力が駆動していない状態で車両動力始動のためのリクエスト信号を送信した後に受信アンテナ22を介して受信部18で携帯機12によるレスポンス信号を受信しない場合、及び、レスポンス信号を受信してもそのコード内容が所望のコード内容に一致しない場合には、車両動力の始動許可を行うことはない。一方、受信した携帯機12からのレスポンス信号のコード内容が所望のコード内容に一致する場合には、自己の車両に対応する正規の携帯機12を携帯する車両乗員が自己の車両を始動させようとしているとして、車両動力の始動許可を行う。具体的には、ステアリングロック部34及びイモビライザ部36を制御することによりステアリングホイールの回転禁止を解除し、エンジンへの燃料供給または電気モータへの通電を許可し、また、イグニションの禁止状態を解除すると共に、その後、車両動力制御部30を制御することにより車両動力を始動させる。
【0038】
このように、本実施例において、車載機10は、車両ドアがロックされている状態でドアアンロックのためのリクエスト信号を送信した後に携帯機12の発するレスポンス信号の有無及びそのコード内容に基づいて車両ドアをアンロックさせる制御を実行すると共に、車両動力が駆動していない状態で車両動力始動のためのリクエスト信号を送信した後に携帯機12の発するレスポンス信号の有無及びそのコード内容に基づいて車両動力を始動させる制御を実行する。従って、本実施例のシステムによれば、車載機10と携帯機12との無線通信により、車両乗員による携帯機12及び車両への操作を伴うことなく車両ドアを非接触で遠隔的に解錠することができると共に、車両キーをキーシリンダへ挿入することなく車両動力の始動を許可することができる。
【0039】
また、本実施例のシステムにおいて、車両動力の駆動が開始された後、一定時間間隔ごと或いは車両停止中に車両ドアが開閉された後等に一定時間継続して、また、車両の窓が開いている場合等には継続して、車載機10は、送信部16から送信アンテナ20を介して自己のIDコード及び車内における携帯機12の存在確認処理を行うことを示す制御コードを含む所定周波数帯のリクエスト信号を送信する。携帯機12は、受信アンテナ48を介して受信部44で車載機10からのかかるリクエスト信号を受信した場合、そのリクエスト信号に応答して送信部42から送信アンテナ46を介して所定周波数帯のレスポンス信号を返送する。
【0040】
車載機10は、車両動力が駆動している状況下、存在確認のためのリクエスト信号を送信した後に受信アンテナ22を介して受信部18で携帯機12からのレスポンス信号を受信し、そのレスポンス信号のコード内容が所望のコード内容に一致する場合には、何らの処理も実行しない。一方、携帯機12によるレスポンス信号を受信しない場合、及び、レスポンス信号を受信してもそのコード内容が所望のコード内容に一致しない場合には、警告部38を制御することにより、車内に正規の携帯機12が存在しない旨を車両乗員及び車両周辺に位置する人に対して知らせるべく警告ランプおよび警報スピーカを駆動する。
【0041】
このように、本実施例において、車載機10は、車両動力が駆動している状況下、存在確認のためのリクエスト信号を送信した後に携帯機12の発するレスポンス信号の有無及びそのコード内容に基づいて車内に正規の携帯機12が存在しているか否かの存在確認処理を実行する。従って、本実施例のシステムによれば、車載機10と携帯機12との無線通信により、車両ドアのロック/アンロックや車両動力始動等の制御を行ううえで不可欠な車両乗員の携帯すべき携帯機12の車外への持ち出し確認を行うことができ、これにより、携帯機12の車外への持ち出しに起因して車両ドアのロック・アンロックや車両動力の再始動を行うことができない不都合を回避させることが可能となっている。
【0042】
更に、本実施例のシステムにおいて、車両動力が駆動している状態でイグニションスイッチがオフ操作されると、車載機10は、車両動力制御部30を制御することにより車両動力の駆動を停止させる。また、車両動力の駆動が停止された後に、車両乗員により車両ドアが開閉されかつドアアウタハンドル付近に設けられた図示しないロック指示スイッチが操作されると、車載機10は、送信部16から送信アンテナ20を介して自己のIDコード及びドアロックを示す制御コードを含む所定周波数帯のリクエスト信号を送信する。携帯機12は、受信アンテナ48を介して受信部44で車載機10からのリクエスト信号を受信した場合、そのリクエスト信号に応答して送信部42から送信アンテナ46を介して所定周波数帯のレスポンス信号を返送する。
【0043】
車載機10は、車両ドアがアンロックされている状態でドアロックのためのリクエスト信号を送信した後に受信アンテナ22を介して受信部18で携帯機12によるレスポンス信号を受信しない場合、及び、レスポンス信号を受信してもそのコード内容が所望のコード内容に一致しない場合には、車両ドアのアンロック状態を維持する。一方、受信した携帯機12からのレスポンス信号のコード内容が所望のコード内容に一致する場合には、自己の車両に対応する正規の携帯機12を携帯する車両乗員が自己の車両から降車しようとしているとして、車両ドアのアンロック状態を解除しロックさせるべく、ドアロック部32を制御する。
【0044】
このように、本実施例において、車載機10は、車両ドアがロックされていない状態でドアロックのためのリクエスト信号を送信した後に携帯機12の発するレスポンス信号の有無及びそのコード内容に基づいて車両ドアをロックさせる制御を実行する。従って、本実施例のシステムによれば、車載機10と携帯機12との通信により、車両乗員による携帯機12及びメカキーの操作を伴うことなく車両ドアを非接触で遠隔的に施錠することができる。
【0045】
図2は、車載機10に受信される信号がノイズにより影響を受ける状況を模式的に表した図を示す。また、図3は、車載機10及び携帯機12の受信すべき変調信号とノイズとを比較した図を示す。
【0046】
ところで、本実施例において、車載機10は携帯機12の無線送信するレスポンス信号を、また、携帯機12は車載機10の無線送信するリクエスト信号を、それぞれ受信する。この車載機10と携帯機12との無線通信は、エンジンや電気モータ等の車両動力が駆動している状態においても行われる。車両動力が駆動する場合には、車両ECU14以外に車両に搭載されている例えばドアECUやシートECU,オーディオ等の車載ECUが起動し得る。
【0047】
このため、車載機10及び携帯機12に各車載ECUにおけるマイコンのクロック逓倍波が、図2に示す如く、直接空間を介して或いは各車載ECUを接続するワイヤハーネスの二次輻射やその結合によりノイズとして受信される事態が生じ、車載機10と携帯機12との無線通信に使用される搬送波の周波数fL,fHを含む帯域にこれらのクロック逓倍波による狭帯域の妨害波が図3(A)及び(B)に示す如く重畳することがある。また、車両が電気自動車やハイブリッド車等の電気モータを動力とする場合には、その動力自体の駆動に起因してモータノイズやインバータノイズ等の広帯域の妨害波が搬送周波数fL,fHを含む帯域に図3(C)に示す如く重畳する。
【0048】
この際、車載機10及び携帯機12に受信される各種ノイズが、搬送波の受信に影響を与えない例えば図3(A)に示す如く−6dB以下の妨害波である場合には、受信部18,44が搬送波にのせて送られるコード内容を適切に復調することができ、車載機10と携帯機12との通信エラーは生じ難い。一方、上記のノイズが妨害波として、搬送波の有するエネルギよりも多大な例えば図3(B)及び(C)に示す如く+10dB以上のエネルギを有していると、受信部18,44が搬送波にのせて送られるコード内容を適切に復調することができず、車載機10と携帯機12との間の通信エラーが生じ易くなる。従って、車載機10と携帯機12との通信を常時適切に行ううえでは、その搬送波の周波数帯域に重畳したエネルギの大きな妨害波を確実に除去することが必要である。
【0049】
以下、図4乃至図9を参照して、本実施例の特徴部について説明する。
【0050】
図4は、本実施例の車載機10又は携帯機12の受信部18,44の具体的構成図を示す。受信部18,44は、受信アンテナ22,48を有している。受信アンテナ22,48には、図4に示す如く、フィルタ回路60が接続されている。フィルタ回路60は、受信アンテナ22,48に受信されたアナログ受信信号のうち車載機10及び携帯機12の搬送周波数fL,fHを含む所定帯域幅内の信号成分のみを通過させる。
【0051】
フィルタ回路60には、プリアンプ62が接続されている。プリアンプ62は、フィルタ回路60の出力した信号をリニアに増幅する。プリアンプ62には、ミキサ64が接続されている。ミキサ64は、また、例えば(受信周波数)+10.7MHzのローカル周波数信号を発生する局部発振器66に接続されている。ミキサ64は、プリアンプ62の出力した信号と局部発振器66によるローカル周波数信号とを混合することにより、受信アンテナ22,48に受信された300MHz〜400MHzの変調信号を10.7MHzの中間(Intermediate Frequency;IF)周波数にダウンコンバートする。ミキサ64には、IFフィルタ68が接続されている。IFフィルタ68は、ミキサ64の出力した中間周波数の、送信されるべき搬送周波数fL,fHの公差以上の帯域幅に対応した信号成分(例えば10.7MHz±100kHz)のみを通過させる。
【0052】
IFフィルタ68には、DSP(Digital Signal Processor)チューナ70が接続されている。DSPチューナ70は、受信アンテナ22,48に受信されるべき携帯機12又は車載機10の送信した変調信号から所望の2値化データを取り出す処理を実行する。すなわち、DSPチューナ70は、A/D変換器72及びディジタル信号処理部74を備えている。
【0053】
A/D変換器72の入力は、IFフィルタ68の出力に接続されている。A/D変換器72は、IFフィルタ68のアナログ出力信号を量子化してディジタル値に変換する。A/D変換器72の出力には、ディジタル信号処理部74の入力が接続されている。ディジタル信号処理部74は、A/D変換器72の量子化により得られたディジタルデータについて高速フーリエ変換(FFT変換)を行うことにより全信号値のアルゴリズム演算を行い、その結果として受信されるべき変調信号による2値化データを分離して出力する。
【0054】
ディジタル信号処理部74は、変調信号の2値化データをコード信号として出力する第1出力端子76と、搬送周波数の有無に応じてハイとローとに変化するスケルチ信号を出力する第2出力端子78と、を有している。ディジタル信号処理部74の出力は共に、上記した車両ECU14又は携帯ECU40に供給されている。車両ECU14又は携帯ECU40は、ディジタル信号処理部74の出力に基づいてかかるコード内容が所望のコード内容に一致するか否かを判別し、上記した各種処理を実行する。
【0055】
ディジタル信号処理部74は、メモリ部80を有している。メモリ部80は、ディジタル信号処理部74のアルゴリズム演算により導出されたデータを記憶する役割を有している。ディジタル信号処理部74は、適宜、メモリ部80に記憶されたデータを読み出し、その読み出しデータを上記のアルゴリズム演算に用いて処理を行う。
【0056】
車載機10の上記したA/D変換器72及びディジタル信号処理部74は、コントロール電源82に接続されている。コントロール電源82は、受信部18,に携帯機12からの送信信号を受信させる一方で、車両動力の停止中におけるバッテリ上がりを防止すべく、間欠的に例えば200msごとに10msだけ電源オンとなる。このため、車載機10のA/D変換器72及びディジタル信号処理部74は、間欠的に動作可能となる。一方、ディジタル信号処理部74に接続するメモリ部80は、バッテリ(+B)電源84に接続されている。バッテリ電源84は、車両の搭載するバッテリである。このため、メモリ部80は、常時、バッテリ電源84から電力供給を受けるので、A/D変換器72及びディジタル信号処理部74が電源オフとなっても、記憶したデータを消去することなくその記憶内容を維持する。
【0057】
上記の構成においては、受信アンテナ22,48とDSPチューナ70のA/D変換器72との間に、車載機10及び携帯機12の搬送周波数fL,fHを含む所定帯域幅内の信号成分のみを通過させるフィルタ回路60が介挿される。この場合には、A/D変換器72にその所定帯域外の信号が入力されることはなく、A/D変換器72に入力されるアナログ受信信号の周波数帯域は所定の帯域幅内に制限される。このため、本実施例によれば、車載機10又は携帯機12において必要のない帯域のノイズをA/D変換器72が量子化するのを回避することができる。従って、本実施例の構成によれば、受信アンテナ22,48とA/D変換器72との間にフィルタ回路60を設けることで、受信感度を向上させることができ、通信性能を高く維持することが可能となっている。
【0058】
図5は、本実施例のプリアンプ62の機能を説明するための図を示す。尚、図5(A)にはプリアンプ62が設けられていない構成でのA/D変換器72の入力と出力との関係を表した図を、また、図5(B)には本実施例の構成でのA/D変換器72の入力と出力との関係を表した図を、それぞれ示す。
【0059】
上記の構成においては、フィルタ回路60とA/D変換器72との間に、フィルタ回路60の出力をリニア増幅するプリアンプ62が介挿される。この場合、A/D変換器72に入力されるアナログ受信信号の振幅レベルは、プリアンプ62が設けられていない構成に比して増大される。A/D変換器72は、入力の振幅レベルが増大するほどアナログ信号を量子化し易い。すなわち、入力振幅レベルが小さい場合には、図5(A)に示す如く、本来的にレベル差のあるアナログ値がA/D変換器72により量子化された際に、互いに同一レベルのディジタル値が演算・出力されるおそれがある一方、入力振幅レベルが大きい場合には、図5(B)に示す如く、レベル差のあるアナログ値が互いに異なるディジタル値に量子化され易い。
【0060】
このため、本実施例によれば、A/D変換器72の量子化精度を上げることなく、元のアナログ受信信号に近似したディジタル波形を得ることができる。従って、本実施例の構成によれば、フィルタ回路60とA/D変換器72との間にプリアンプ62を設けることで、実質的に量子化精度を向上させることができ、受信感度を向上させることができると共に、A/D変換器72の量子化精度を確保するための処理負荷を軽減することが可能となっている。
【0061】
また、上記の構成においては、受信アンテナ22,48とA/D変換器72との間に、プリアンプ62の出力信号と局部発振器66によるローカル周波数信号とを混合するミキサ64が介挿されている。また、ミキサ64とA/D変換器72との間に、所望の中間周波数帯域の信号成分のみを通過させるIFフィルタ68が介挿されている。この場合、A/D変換器72に入力されるアナログ受信信号は、300MHz〜400MHzの搬送周波数fL,fHから10.7MHzの中間周波数へダウンコンバートされたものとなり、そのアナログ受信信号の周波数帯域はIFフィルタ68により中間周波数近傍の帯域内(10.7MHz±100kHz)に制限される。
【0062】
このため、本実施例によれば、A/D変換器72において搬送周波数fL,fHのアナログ信号をそのままサンプリングする場合に比してサンプリングレートを低く抑えることができる。例えば、上記の如くIFフィルタ68が10.7MHz±100kHzの帯域内の信号を通過させる場合には、その通過帯域幅は200kHzであるので、少なくともその帯域幅の2倍に相当する頻度でサンプル値を取得するためには、A/D変換器72のサンプリングレートを400kbpsの伝送速度が確保されるように設定するだけで十分である。従って、本実施例の構成によれば、A/D変換器72の作動クロックの頻度が抑制されるので、消費電力の低減を図ることができると共に、A/D変換器72や次段に接続されるディジタル信号処理部74の処理負荷の軽減を図ることができる。
【0063】
図6は、本実施例において、受信部18,44が受信した変調信号の搬送周波数帯域に重畳したクロック逓倍波による狭帯域ノイズを除去する手法を説明するための図を示す。尚、図6(A)には変調信号の搬送周波数帯域にエネルギの多大なクロック逓倍波による狭帯域ノイズが重畳した状態を模式的に表した図を、図6(B)にはディジタル信号処理部74のFFT変換により得られたスペクトラムのエネルギ解析結果を、図6(C)にはそのスペクトラムの時間解析結果を、また、図6(D)には図6(C)に示す時間解析結果が得られた場合に受信部18,44から出力されるコード信号を表した図を、それぞれ示す。
【0064】
本実施例において、携帯機12及び車載機10は、“0”,“1”のコード内容に応じて搬送周波数を第1周波数fLと第2周波数fHとで変化させるFSK変調を行い、レスポンス信号又はリクエスト信号を出力する。この場合、車載機10 の受信部18及び携帯機12の受信部44は、コード内容に応じて異なる搬送周波数を有する変調信号を受信する。コード内容は、“0”又は“1”に少なくとも一定時間(コードの最小変化周期;ビットレート)だけ維持され、一の内容に維持された状態でその状態が持続し得る最大の時間(以下、最大持続時間と称す)が経過した後は他の内容に変化する。すなわち、受信部18,44に受信されるべき変調信号は、一の搬送周波数fL,fHを有する状態でその最大持続時間が経過した後は、必ず他の搬送周波数fH,fLを有する状態へ変化する。
【0065】
一方、車載機10及び携帯機12のECU14,40以外の各車載ECUによるマイコンクロックの逓倍波ノイズは、ほぼ単一の周波数に固定される。また、その各車載ECUと受信部18,44との位置関係は不変である。このため、クロック逓倍波による妨害波は、コード内容の最大持続時間を超えて、車載機10及び携帯機12の受信部18,44に受信され得る。
【0066】
すなわち、アナログ受信信号を量子化した後のディジタルデータについてFFT変換によるスペクトラム解析が行われると、図6(C)に示す如く、変調信号の第1周波数fL及び第2周波数fHのスペクトラムレベルは共に、多くてもコード内容の最大持続時間ごとに大きく変化するのに対して、クロック逓倍波による狭帯域ノイズのスペクトラムレベルは、ほぼ同一周波数において同一レベルに維持される。
【0067】
従って、ディジタルデータについてFFT変換によるスペクトラムレベルの時間解析を行うこととすれば、そのレベルの変化に基づいて、受信すべき変調信号と狭帯域ノイズとを識別することが可能となり、クロック逓倍波による狭帯域ノイズを受信部18,44にとって不要な信号として受信信号から除去することが可能となる。具体的には、スペクトラムレベルが所定時間ごとに大きく変化する周波数成分を第1周波数fL又は第2周波数fHの変調信号と認識し、一方、スペクトラムレベルがほとんど変化しない周波数成分をクロック逓倍波による狭帯域ノイズと認識することができる。
【0068】
図7は、クロック逓倍波等による狭帯域ノイズを除去すべく、本実施例の受信部18,44のディジタル信号処理部74において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図7に示すルーチンは、その処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図7に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0069】
ステップ100では、A/D変換器72の量子化により得られたディジタルデータについてFFT変換を行う処理が実行される。ステップ102では、後述のステップ106の処理によりメモリ部80に所定の条件を満たす周波数成分が記憶されているか否かが判別される。その結果、かかる周波数成分が記憶されていないと判別された場合は、次にステップ104の処理が実行される。
【0070】
ステップ104では、上記ステップ100でFFT変換が行われた結果として最大持続時間中のスペクトラムレベル変化|ΔV1|が所定しきい値|ΔVSH1|以下である周波数成分が存在するか否かが判別される。尚、所定しきい値|ΔVSH1|は、常時同一レベルで発生するクロックノイズ逓倍波のものと判断される最小のスペクトラム変化である。|ΔV1|≦|ΔVSH1|が成立する周波数成分が存在しない場合は、スペクトラムレベルが高く維持される周波数成分はなく、クロック逓倍波による狭帯域ノイズが受信信号に重畳していないと判断できる。一方、|ΔV1|≦|ΔVSH1|が成立する周波数成分が存在する場合は、スペクトラムレベルが高く維持される周波数成分があり、クロック逓倍波による狭帯域ノイズが受信信号に重畳していると判断できる。従って、かかる肯定判定がなされた場合は、次にステップ106の処理が実行される。
【0071】
ステップ106では、上記ステップ104において存在すると判別された|ΔV1|≦|ΔVSH1|が成立する周波数成分を、メモリ部80に記憶させる処理が実行される。ステップ106の処理が終了した場合、及び、上記ステップ102において|ΔV1|≦|ΔVSH1|が成立する周波数成分がメモリ部80に記憶されていると判別された場合は、次にステップ108の処理が実行される。ステップ108では、メモリ部80に記憶された周波数成分を受信信号から除去する処理が実行される。
【0072】
ステップ108の処理が終了した場合、及び、上記ステップ104において|ΔV1|≦|ΔVSH1|が成立する周波数成分が存在しないと判別された場合は、次にステップ110の処理が実行される。ステップ110では、上記ステップ108において受信信号から除去された周波数成分以外のスペクトラムレベルVが所定しきい値V0以上である周波数成分が、変調信号の搬送周波数である第1周波数fL又は第2周波数fHであるか否かが判別される。その結果、肯定判定がなされる場合は次にステップ112の処理が実行され、一方、否定判定がなされる場合は次にステップ114の処理が実行される。
【0073】
ステップ112では、上記ステップ110において第1周波数fL又は第2周波数fHであると判別された周波数成分に応じたコード信号を第1出力端子76から出力すると共に、スケルチロー信号を第2出力端子78から出力する処理が実行される。また、ステップ114では、スケルチハイ信号を第2出力端子78から出力する処理が実行される。ステップ112又は114の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0074】
上記図7に示すルーチンによれば、FFT変換によるスペクトラムレベルの時間解析の結果に基づいて、所定時間ごとに周波数変化する受信すべき変調信号と、常に同一周波数において同一レベルに維持されるクロック逓倍波による狭帯域ノイズとのユニーク性の違いに着目し、受信信号からそのクロック逓倍波による狭帯域ノイズを妨害波として除去することができる。
【0075】
従って、本実施例のディジタル信号処理受信装置としての車載機10又は携帯機12の受信部18,44によれば、クロック逓倍波による狭帯域ノイズが多大なエネルギ強度を有する場合にもその妨害波を取り除くことができるので、受信信号から受信すべき変調信号のみを選択的に抽出することができる。このため、変調信号のコード内容を適切に復調することができ、車載機10と携帯機12との通信を常時適切に行うことが可能となっている。
【0076】
また、上記の構成においては、クロック逓倍波による狭帯域ノイズに係る周波数成分がメモリ部80に記憶される。従って、本実施例によれば、車載機10と携帯機12との通信が行われている最中に各車載ECUの起動が開始され、クロック逓倍波による狭帯域ノイズの発生が開始されると、その瞬間はその受信信号が車載機10と携帯機12との通信に係る信号であるのか或いはノイズであるのかを識別することができず、一次的に受信感度の低下を招くが、その後は、メモリ部80に記憶された周波数成分を除去することによりクロックノイズを妨害波として受信信号から取り除くことができ、受信感度の速やかな回復を図ることが可能となる。
【0077】
尚、車載機10と携帯機12との通信が行われている最中に上記手法を用いて妨害波が受信される場合においては、その受信ごとに、受信信号から取り除く周波数成分をメモリ部80において更新・記憶することとすれば、妨害波の受信がなされた当初は受信感度が下がる一方、その後は受信感度の回復を図る処理をアダプティブに行うことが可能となる。
【0078】
更に、上記の構成において、車載機10のA/D変換器72及びディジタル信号処理部74は、常時電力供給され、動作状態となるのが理想的ではあるが、車両動力の停止中においてはバッテリ上がりを防止すべくコントロール電源82から間欠的に例えば200msごとに10msだけ電力供給を受ける。このため、仮に車載機10のクロック逓倍波による狭帯域ノイズに係る周波数成分を記憶するメモリ部80が、A/D変換器72等と同様にコントロール電源82から電力供給を受けるものとすると、電力供給の継続時間が10ms程度しかないので、FFT変換によるスペクトラムレベルの時間解析に基づいてクロックノイズの存在有無を判定することができない、或いは、その判定ができたとしてもメモリ部80の記憶内容が直ちに消去され、次の電源オン時に再度ノイズの存在有無を判定する処理から実行する必要がある。
【0079】
これに対して、本実施例においては、車載機10のクロック逓倍波による狭帯域ノイズに係る周波数成分を記憶するメモリ部80が、バッテリ電源84に接続されており、常時バッテリ電源84から電力供給を受けるので、A/D変換器72及びディジタル信号処理部74が電源オフとなっても、記憶したデータを消去することなくその記憶内容を維持する。従って、本実施例によれば、A/D変換器72及びディジタル信号処理部74が間欠動作する場合にも、FFT変換によるスペクトラムレベルの時間解析に基づいてクロックノイズの存在有無を判定することができ、また、次の電源オン時に直ちにメモリ部80に記憶された周波数成分を読み出すことができ、クロックノイズを妨害波として受信信号から除去することが可能となる。
【0080】
尚、このように本実施例において、メモリ部80は常時バッテリ電源84から電力供給を受けるが、この電流消費量は、数μA〜数10μA程度であり、A/D変換器72及びディジタル信号処理部74の電流消費量(例えば20mA)に比べて極めて小さい。このため、本実施例の構成においては、メモリ部80への電力供給に起因する車載バッテリ84のバッテリ上がりが確実に抑制されている。
【0081】
図8は、本実施例において、受信部18,44が受信した変調信号の搬送周波数帯域に重畳したインバータノイズ等の広帯域ノイズを除去する手法を説明するための図を示す。尚、図8(A)には変調信号の搬送周波数帯域にエネルギの多大な広帯域ノイズが重畳した状態を模式的に表した図を、図8(B)にはディジタル信号処理部74のFFT変換により得られたスペクトラムのエネルギ解析結果を、図8(C)にはそのスペクトラムの時間解析結果を、また、図8(D)には図8(C)に示す時間解析結果が得られた場合に受信部18,44から出力されるコード信号を表した図を、それぞれ示す。
【0082】
本実施例において、携帯機12及び車載機10の搬送周波数は、“0”,“1”のコード内容に応じた第1周波数fL又は第2周波数fHである。そして、この第1又は第2周波数fL,fHのスペクトラムレベルは、コードの最小変化周期(ビットレート)だけ一定レベル以上に維持される。一方、電気自動車やハイブリッド車の発生するモータノイズやインバータノイズ等の広帯域ランダムノイズは、周波数全域にわたってそのレベルが大きく変化するものである。
【0083】
すなわち、ディジタル信号処理部74においてコードのビットレートよりもかなり高速にFFT変換によるスペクトラム解析が行われる場合には、一ビットレート期間中に、図8(C)に示す如く、広帯域ランダムノイズのスペクトラムレベルは周波数全域にわたって大きく変動する一方、変調信号の第1又は第2周波数fL,fH(図8(C)においては第2周波数fH)のスペクトラムレベルはある一定以上に維持される。
【0084】
従って、ディジタルデータについてFFT変換によるスペクトラムレベルの時間解析を一ビットレート期間中に高速に行うこととすれば、そのレベル変化に基づいて、受信すべき変調信号と広帯域ランダムノイズとを識別することが可能となり、広帯域ランダムノイズを受信部18,44にとって不要な信号として受信信号から除去することが可能となる。具体的には、一ビットレート期間中にスペクトラムレベルが高速に大きく変動する周波数成分をランダムノイズと認識し、一方、スペクトラムレベルが一定以上に継続して維持される周波数成分を第1又は第2周波数fL,fH(図8(D)においては第2周波数fH)の変調信号と認識することができる。
【0085】
図9は、インバータノイズ等の広帯域ノイズを除去すべく、本実施例の受信部18,44のディジタル信号処理部74において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図9に示すルーチンは、その処理が終了するごとに起動されるルーチンである。図9に示すルーチンが起動されると、まずステップ120の処理が実行される。
【0086】
ステップ120では、A/D変換器72の量子化により得られたディジタルデータについてFFT変換を行う処理が実行される。ステップ122では、上記ステップ120でFFT変換が行われた結果として、一ビットレート期間中におけるスペクトラムレベル変化|ΔV2|が所定しきい値|ΔV2|を上回ることがある周波数成分を受信信号から除去する処理が実行される。
【0087】
ステップ124では、一ビットレート期間中におけるスペクトラムレベル変化|ΔV2|が所定しきい値|ΔV2|を上回ることがない周波数成分、すなわち、そのレベルが一定以上に維持される周波数成分が第1又は第2周波数fL,fHである場合に、その周波数成分に応じたコード信号を第1出力端子76から出力すると共に、スケルチロー信号を第2出力端子78から出力する処理が実行される。本ステップ124の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0088】
上記図9に示すルーチンによれば、FFT変換によるスペクトラムレベルの時間解析の結果に基づいて、一ビットレート期間中にレベルが一定以上に維持される受信すべき変調信号と、レベルが広帯域でランダムに上下動する広帯域ランダムノイズとのユニーク性の違いに着目し、受信信号から広帯域ランダムノイズを妨害波として除去することができる。
【0089】
従って、本実施例のディジタル信号処理装置としての車載機10又は携帯機12の受信部18,44によれば、電気モータやインバータによるモータノイズやインバータノイズ等の、エネルギ総和の多大な、具体的には、受信すべき変調信号のエネルギ強度に比して30〜40dB程度高いエネルギ強度を有する広帯域ランダムノイズが存在する場合にも、その妨害波を取り除くことができるので、受信信号から受信すべき変調信号のみを選択的に抽出することができる。このため、変調信号のコード内容を適切に復調することができ、車載機10と携帯機12との通信を常時適切に行うことが可能となっている。
【0090】
尚、上記の実施例においては、車載機10の受信アンテナ22及び携帯機12の受信アンテナ48が特許請求の範囲に記載された「受信アンテナ」に、A/D変換器72が特許請求の範囲に記載された「A/D変換手段」に、DSPチューナ70のディジタル信号処理部74が特許請求の範囲に記載された「ディジタル信号処理部」に、フィルタ回路60が特許請求の範囲に記載された「フィルタ回路」に、プリアンプ62が特許請求の範囲に記載された「増幅回路」に、ミキサ64が特許請求の範囲に記載された「ダウンコンバータ」に、メモリ部80が特許請求の範囲に記載された「メモリ部」に、ディジタル信号処理部74が上記図7に示すステップ104の処理を実行すること及び上記図9に示すステップ122の処理を実行することが特許請求の範囲に記載された「ノイズ除去手段」に、それぞれ相当している。
【0091】
ところで、上記の実施例においては、車載機10及び携帯機12の受信部18,44が、その送信部42,16の送信する周波数300MHz〜400MHz帯の信号を受信することとしているが、それ以外の周波数帯域の信号を用いることとしてもよい。
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、受信帯域内に妨害波が存在する場合にも所望のコード内容を選択的に抽出することができ、その結果、通信性能を高く維持することができる。
【0092】
請求項2記載の発明によれば、A/D変換手段に入力されるアナログ受信信号の周波数帯域を制限するので、受信感度を向上させることができ、通信性能を高く維持することができる。
【0093】
請求項3記載の発明によれば、アナログ受信信号を微弱な状態から増幅するので、A/D変換手段における量子化精度を確保するための処理負荷を軽減することができると共に、受信感度の向上を図ることができる。
【0094】
請求項4記載の発明によれば、A/D変換手段におけるサンプリングレートを低く抑えることができ、その結果、消費電力の低減および処理負荷の軽減を図ることができる。
【0095】
請求項5及び6記載の発明によれば、受信されるべき変調信号のユニーク性と受信されるべきでないノイズのユニーク性との違いを考慮して、受信帯域内にクロックノイズ等の妨害波が存在する場合にもその妨害波をノイズとして除去することにより、所望のコード内容を選択的に抽出することができる。
【0096】
請求項7記載の発明によれば、受信アンテナの受信中に妨害波が受信されることに起因して通信性能が低下する際にも、その後直ちにその通信性能を回復させることができる。
【0097】
請求項8記載の発明によれば、ノイズ除去手段に電源が投入された直後から通信性能を高く維持することができる。
【0098】
また、請求項9記載の発明によれば、受信されるべき変調信号のユニーク性と受信されるべきでないノイズのユニーク性との違いを考慮して、受信帯域内に広帯域の妨害波が存在する場合にもその妨害波をノイズとして除去することにより、所望のコード内容を選択的に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディジタル信号処理受信装置を備えるシステムの構成図である。
【図2】車載機に受信される信号がノイズにより影響を受ける状況を模式的に表した図である。
【図3】車載機及び携帯機の受信すべき変調信号とノイズとを比較した図である。
【図4】本実施例の車載機又は携帯機の受信部の具体的構成図である。
【図5】本実施例の増幅回路の機能を説明するための図である。
【図6】本実施例において重畳した狭帯域ノイズを除去する手法を説明するための図である。
【図7】本実施例において狭帯域ノイズを除去すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図8】本実施例において重畳した広帯域ノイズを除去する手法を説明するための図である。
【図9】本実施例において広帯域ノイズを除去すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 車載機
12 携帯機
18,44 受信部
22,48 受信アンテナ
60 フィルタ回路
62 プリアンプ
64 ミキサ
66 局部発振器
68 IFフィルタ
72 A/D変換器
74 ディジタル信号処理部
80 メモリ部
84 バッテリ電源

Claims (9)

  1. 受信アンテナと、
    前記受信アンテナに受信されるアナログ受信信号をディジタル変換するA/D変換手段と、
    前記受信アンテナに受信されるべきコードに応じた変調信号のスペクトラムレベルが該コードの最大持続時間ごとに変化することを利用して、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から前記変調信号によるコード信号を分離して出力するディジタル信号処理部と、
    を備えることを特徴とするディジタル信号処理受信装置。
  2. 前記受信アンテナと前記A/D変換手段との間に介挿され、該受信アンテナに受信されたアナログ受信信号のうち前記変調信号の周波数帯域における信号を通過させるフィルタ回路を備えることを特徴とする請求項1記載のディジタル信号処理受信装置。
  3. 前記フィルタ回路と前記A/D変換手段との間に介挿され、該フィルタ回路の出力を増幅する増幅回路を備えることを特徴とする請求項2記載のディジタル信号処理受信装置。
  4. 前記受信アンテナと前記A/D変換手段との間に介挿され、該受信アンテナに受信されるアナログ受信信号と局部発振器によるローカル周波数信号とを混合するダウンコンバータと、
    前記ダウンコンバータと前記A/D変換手段との間に介挿され、該ダウンコンバータの出力のうち所望周波数帯域の信号を通過させるIFフィルタ回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のディジタル信号処理受信装置。
  5. 前記変調信号は、コードに応じて異なる周波数を有すると共に、
    前記ディジタル信号処理部は、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、周波数変動または出力強度変動が所定の条件を満たさない信号をノイズとして除去するノイズ除去手段を備えることを特徴とする請求項1記載のディジタル信号処理受信装置。
  6. 前記ノイズ除去手段は、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、所定時間中の周波数変動又は出力強度変動が所定値以下に小さい信号をノイズとして除去することを特徴とする請求項5記載のディジタル信号処理受信装置。
  7. 前記ノイズ除去手段によりノイズとして除去された前記信号の情報を学習・記憶し、所定の場合に学習・記憶する該情報をノイズ除去手段へ提供するメモリ部を備えることを特徴とする請求項6記載のディジタル信号処理受信装置。
  8. 前記メモリ部は、常時、所定の電源から電力供給を受けていることを特徴とする請求項7記載のディジタル信号処理受信装置。
  9. 前記ディジタル信号処理部は、前記A/D変換手段によりディジタル変換された結果得られる信号から、周波数変動又は出力強度変動が所定速度又は所定値を超えて大きい信号をノイズとして除去するノイズ除去手段を備えることを特徴とする請求項1記載のディジタル信号処理受信装置。
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