JP3927398B2 - 作業車両の変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の変速装置および変速操作機構に関するものである。より詳しくは、油圧式無段変速装置(HST)および遊星機構を有する変速装置の構成および操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、変速装置として、HSTと遊星機構を有するものが知られている。例えば、特開2001−108061号公報に示されるものである。これは、エンジンの動力を、一方は遊星歯車機構に伝え、他方はHSTを介して遊星歯車機構に伝えて合成する油圧−機械式変速装置において、走行速度が設定速度に達すると、HST21の斜板アクチュエータ94と電子ガバナ93とを連動させて設定速度を維持するよう構成したものである。また、この機構においては、後進および低速前進域をHSTにより行い、中高速の前進時にはHSTの駆動力を遊星歯車機構に伝え合成された駆動力により車両を走行させるものである。
【0003】
図8(a)は従来の斜板角の目標値と実測値を示す図である。図8(a)において、主変速レバーは一定速度で増速側に回動され、時間t1において、HSTモードからHMTモードへの切換が行われる。図8(a)に示すごとく、従来の目標値により斜板を操作する場合には、時間t1において、コントローラより出力される目標値が、急激に変化する。油圧機器は急激に変化させることが困難である。特に、油圧機器をフィードバック制御している場合には、補正のための動きが大きくなり、急激な変化が生じると制御が不安定になる。すなわち、図8(a)に示すごとく、実測値において斜板角が反転する部分において、急激な角度の変化が発生するものである。
【0004】
図11(a)は従来のバルブ指令値(アクチュエータへの制御電流値)とHSTの回転数の関係を示す図である。油圧変速機の斜板は電磁バルブにより制御されるものである。電磁バルブにコントローラより指令値を出力することにより、電磁バルブが作動し、斜板が油圧制御されるものである。しかし、電磁バルブには、指令値の電流が少ない場合には作動しない不感帯が存在する。このため、図11(a)に示すごとく、バルブの指令値が不感帯範囲内にある場合に、HSTの回転数がほとんど変化しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成において、HSTモードからHMTモードへの切換が急速に行われる場合には、斜板制御が不安定になり、急激な斜板制御が行われる。これにより、変速時のショックを感じる場合がある。さらに、電磁バルブの不感帯域においては、斜板の制御を行うことが困難であり、変速時に無駄な時間を消費し、軽快な変速感を得ることが困難である。また、電磁バルブにおける不感帯は固体により、微妙に異なる場合が多く、変速時の挙動が、電磁バルブが配設される作業車両個々において微妙に変化し、個体差が生じる場合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、発明者等は以下のような課題解決手段を取るものである。
請求項1に記載のごとく、走行速度を調節する変速装置であって、少なくとも一方が可変容量の油圧式無段変速機(21)と、遊星機構(22)とにより変速を行う作業車両の変速装置において、油圧式無段変速機(21)による変速から、油圧式無段変速機(21)と遊星機構(22)とによる変速の切換を行う際に、油圧式無段変速機(21)の斜板制御の目標値に対して、斜板角の変化率を一定範囲内に維持するものである。
【0007】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載の作業車両の変速装置において、該油圧式無段変速機(21)の斜板制御を、電磁バルブとアクチュエータ(86)により制御し、電磁バルブにコントローラ(81)より指令値を出力することにより、電磁バルブが作動し、前記アクチュエータ(86)により斜板を油圧制御すべく構成し、該油圧式無段変速機(21)の回転方向が正転と逆転に切り替わる時に、電磁弁に係る指令値が不感帯幅の電流値となり、油圧式無段変速機(21)の斜板角度が殆ど変化しない域が発生し、該不感帯域において、該電磁バルブの不感帯域をコントローラ(81)により、予測もしくは認識し、電磁バルブの指令値が不感帯を越すように制御し、不感帯域における制御を省略するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明について、図を用いて説明する。図1は作業車両の全体側面図、図2は作業車両の変速構成を示す模式図、図3は作業車両の駆動構成を示すスケルトン図、図4はHMTの構成を示すスケルトン図、図5は遊星機構および正逆転機構の構成を示す展開図、図6は油圧ポンプの吐出量と変速比の関係を示す図、図7は変速機構の制御構成を示す図、図8は斜板角の目標値と実測値の時間変化を示す図、図9は主変速レバーの入力値より目標値の生成される過程を示す図、図10は出力電流値と斜板角および出力軸回転数の関係を示す図、図11はHST回転数とアクチュエータのバルブ指令値の時間変化を示す図である。
【0009】
図1において、作業車両をトラクタとした実施例について、全体構成から説明する。
本機の前後に前輪1及び後輪2を支承し、前部のボンネット6内部にはエンジン5を配置し、該ボンネット6の後方にはステアリングハンドル10を設けており、該ステアリングハンドル10の後方にはシート11を配設している。また、シート11の側部には主変速レバー3、副変速レバー4、高低切換レバー等が突設され、ステアリングハンドル10のハンドルコラム側部に前後進切換操作具として前後進切換レバー7が配置されている。これらステアリングハンドル10やシート11やレバー類等はキャビン12内の運転部に配置されている。
【0010】
また、エンジン5の後部に伝動ハウジングが配置され、該伝動ハウジングの後部にミッションケース9を配設し、エンジン5からの動力を後輪2に伝達して駆動し、4輪駆動切換機構を介して前輪1にも同時に駆動力を伝達することを可能としている。
【0011】
また、エンジン5の駆動力は、ミッションケース9後端から突出したPTO軸15に伝達されて、該PTO軸15から図示しないユニバーサルジョイント等を介して、機体後端に作業機装着装置を介して装着した作業機を駆動するように構成している。そして、前記シート11前下方のステップ上にはブレーキペダルや主クラッチペダルやデフロックペダル等が配設されている。
【0012】
次に、変速機構について図2より説明する。本発明の変速機構においては、エンジン5の出力をHST21および遊星機構22により変速するものである。そして、HST21のみによる変速もしくはHST21と遊星機構22により変速された出力の選択をHST/HMT機構23により制御し、その下流側に副変速機構24が配設されるものである。エンジン5の出力軸(クランク軸)25は機体後方に延出されて、HST21と遊星機構22に駆動力が伝達される。そして、HST/HMT機構23により駆動力の選択が行われ、副変速機構24に伝達されるものである。
【0013】
次に、作業車両の駆動機構について、図3を用いてより詳しく説明する。エンジン5の後方には、HST21および遊星機構22、そして、HST/HMT機構23が配設されている。HST21の油圧ポンプ21は出力軸25により駆動されるものである。そして、出力軸25より延出される軸に挿嵌固定され、遊星機構に歯合した歯車も出力軸25よりの駆動力の伝達をうける。出力軸25はPTOクラッチ(もしくはダンパー)33を介して伝動軸41に接続されている。伝動軸41は出力軸25の駆動力をPTO変速機構34に伝達するものである。そして、出力軸25より伝達された駆動力は、前述したPTO変速機構34を介してPTO軸15を駆動するものである。
【0014】
HST21は油圧ポンプ31および油圧モータ32により構成される。HST21により変速された駆動力は、HST/HMT機構23および遊星機構22に導入されるものである。そして、HST/HMT機構23により、HST21により変速された駆動力を伝動軸42に伝達するか、HST21および遊星機構22により変速された駆動力を伝動軸42に伝達するか、さらには、伝動軸42にエンジン5の駆動力を伝達しないかの選択を行うものである。HST/HMT機構23を介した駆動力は、伝動軸42に伝達される。伝動軸42は副変速機構24に接続されており、副変速機構24により前輪1および後輪2に伝達される駆動力の変速を行うものである。副変速機構24の後部には、デフ機構36を介して後輪2が接続されており、四輪駆動切換機構37を介して前輪1の駆動機構が接続されている。
【0015】
次に、図4および図5を用いて、HMTの構成について説明する。作業車両に搭載されるHMT機構は、HST21および遊星機構22により構成されるものである。HST21の油圧ポンプ31は駆動軸67により駆動されており、駆動軸67の後端は伝動軸51に接続されている。伝動軸51の前部には、歯車54が挿嵌固定されており、歯車54を介して遊星機構22に駆動力が伝達される。また、HST21の油圧モータ32は駆動軸68に接続しており、駆動軸68に一体的に固設された歯車56を介して、遊星機構22に駆動力を伝達するものである。
【0016】
歯車54は歯車55に歯合しており、歯車55は伝動軸52に回動自在に挿嵌されている。さらに、歯車55は遊星歯車58・58を回動自在に枢支する保持体に接続されている。そして、歯車55および保持体が一体的に伝動軸52に対して回動する。遊星歯車58・58は伝動軸52側において、太陽歯車60に歯合している。太陽歯車60は伝動軸52に回動自在に挿嵌されており、前述の歯車57と一体的に回動するものである。また、遊星歯車58・58はリング歯車59の内側歯に歯合している。リング歯車59は伝動軸52に回動自在に挿嵌されている。
【0017】
この様な変速機構をとることにより、後進および低速域においてはHST21により変速を行い、中高速域においてはHMT機構により変速を行うものである。すなわち、クラッチ61の選択によりHST21もしくはHMT機構の選択を行うものである。このため、後進および低速域において微妙な速度調節を容易に行うことができ、円滑に速度制御を行うことができるものである。さらに、HST21が故障した場合においても、油圧モータ32側駆動軸68を固定することにより、非常時の走行が可能となる。
【0018】
次に、HST21の油圧ポンプの作動油吐出量と作業車両の変速比の関係について説明する。図6において、低速および後進域をHST21の変速によりおこなうため、HST21の使用域では、油圧ポンプの吐出量と車両の変速比(走行速度)が比例する。そして、変速比V0 よりHMTによる変速操作が行われる。吐出量を徐々に減少させることにより、変速比が大きくなり、車速が増す。変速比V1 において吐出量は0となる。 さらに車速を増す場合には、油圧ポンプ31の作動油吐出方向を逆転させて、吐出量を増してゆくものである。すなわち、低速域および後進において、クラッチの操作を必要としないものである。低速域および後進において、変速にともなうクラッチ断接を行わないので、変速操作を円滑に行うことができ、円滑な作業をおこなうことができる。さらに、変速制御を簡便におこなうことができ、変速機構の信頼性が向上する。
【0019】
次に、変速装置の制御構成について、図7を用いて説明する。変速機構の制御は、図7に示すごとく、コントローラ81により行われるものである。コントローラ81には、エンジン5に配設された電子ガバナ84、油圧ポンプ31の駆動軸回転速度を検出するピックアップ85、主変速レバー3の位置を認識するポテンションメータ88、前後進レバー7の位置を認識するポテンションメータ87、伝動軸42の回転速度を検出するピックアップ89、油圧ポンプ31の斜板制御を行うアクチュエータ86、クラッチ61の接断を行う電磁弁82、83が接続されている。ポテンションメータ87・88により、コントローラ81において、主変速レバー3および前後進レバー7の位置を認識可能である。そして、その位置に対応させて油圧ポンプ31の斜板制御を行い、クラッチ61の断接を行うものである。
【0020】
このように、作業車量の変速操作装置として、前後進レバー7と主変速レバー3とに分けることにより、従来の車両の操作構成を容易に受け継ぐことが可能である。そして、作業車両のユーザーが新たな操作方法を習得する必要がなく、従来の操作経験を生かすことができる。また、ローダなどの作業機を操作する場合にも、前後進レバー7が効果的である。ローダの操作と同時に前後進が可能であり、前後進の速度再現性を維持できる。
【0021】
次に、HST21における油圧ポンプ31の斜板制御構成について説明する。主変速レバー3の近傍には、主変速レバー3の位置もしくは回動角度を認識可能なセンサが配設されるものである。本実施例においては、主変速レバー3の基部にポテンションメータ88を配設し、このポテンションメータ88により主変速レバー3の位置を認識するものである。そして、コントローラ81において、主変速レバー3の位置が認識される。コントローラ81は、主変速レバー3の位置に対応して、変速制御を行うものである。コントローラ81の内部には、主変速レバー3の位置に対応した油圧ポンプの斜板角度およびクラッチ61の切換が設定されており、この設定に基づき、アクチュエータ86により、斜板角を調節し、電磁バルブ82・83によりクラッチ制御を行うものである。
【0022】
コントローラ81には、前後進レバー7の位置を認識するポテンションメータ87および、HST/HMT機構23のクラッチ断接を行う電磁バルブ82・83が接続されている。そして、前後進レバー7の前進(F)・中立(N)・後進(R)の各位置および主変速レバー3の位置に対応して、電磁バルブ82・83を制御し、クラッチ61の制御を行うものである。すなわち、発進時においては、HSTにより変速されるHSTモードにより車両が駆動され、変速比が一定値(V1 )より大きくなる場合に、電磁バルブ82・83が制御され、HMTにより車両が駆動されるHMTモードとなるものである。
【0023】
次に、HSTモードとHMTモードの切換を行う時の構成について、図8を用いて説明する。図8(a)は従来の斜板角の目標値と実測値を示す図であり、図8(b)は補正が行われた斜板角の目標値と実測値を示す図である。図8(a)および図8(b)において、主変速レバー3は一定速度で増速側に回動されている。これにより、コントローラ81よりなされる指示値が目標値である。実測値はこの際の実際斜板角を示すものである。そして、時間t1において、HSTモードからHMTモードへの切換が行われる。図8(a)に示すごとく、従来の目標値により斜板を操作する場合には、時間t1において、目標値が急激に変化する。油圧機器は急激に変化させることが困難である。特に、油圧機器をフィードバック制御している場合には、補正のための動きが大きくなるものである。すなわち、図8(a)に示すごとく、実測値において斜板角が反転する部分において、急激な角度の変化が発生するものである。
【0024】
しかし、目標値を滑らかに変化させることにより、HSTモードからHMTモードへの切換を円滑に行うことが可能となるものである。図8(b)に示すごとく、目標値を滑らかにすることにより、斜板角の変化を滑らかにすることが可能である。目標値を滑らかにする方法としては、移動平均や、関数により目標値の変化を滑らかにするものである。
【0025】
次に、目標値の生成構成について、図9を用いて説明する。HSTモードからHMTモードへの切換が行われるように、主変速レバー3を回動させた場合に、コントローラ81に、信号100が入力される。信号100はコントローラ81において、HST21の斜板角に換算され、斜板角の目標値の信号101が算出される。この目標値の信号101を、フィルタ回路102をとおすことにより、目標値の信号が滑らかに変換され、信号103となる。このように、切換の目標値を滑らかにするので、HSTモードからHMTモードへの切換の動作をスムーズに行うことができる。
【0026】
上記の斜板制御の目標値の生成する実施例において、フィルタ回路102としては、電子的な目標値の信号の時間変化に対して不連続な部分(微分負荷になる部分)の平滑化を行う平滑化回路を利用することが可能である。この他に、コントローラ81内において、目標値における単位時間当たりの斜板変化量を算出し、その変化量が一定値を超える場合に、コイルやコンデンサにより構成される平滑化回路を作動させることも可能である。なお、単位時間はコントローラ81内部の動作クロックもしくはタイマー等を利用することが可能である。また、コントローラ81において、目標値の信号101より、滑らかな目標値の信号103を算出し、出力することが可能である。この際に、移動平均や、関数により目標値の変化を滑らかにすることが可能である。さらには、単位時間当たりの斜板変化量が一定値を超える場合に、コントローラ81において、目標値の信号101の代わりに、予め設定されている滑らかな目標値の信号103を出力することが可能である。この場合には、フィルタ回路102は目標値の信号101を目標値の信号103に切換る回路となるものである。
【0027】
目標値の信号103を構成する方法としては、単位時間あたりの目標値(101)の変化の平均を用いることが可能である。これにより急激な目標値の変化においても、目標値の変化を滑らかにすることができる。例えば、斜板をS字加減速制御することも可能である。斜板回動が急激に変化する領域で、S字区間の設定を行い、S字加減速制御することにより、滑らか制御ができる。なお、S字加速とは、最初は比較的ゆっくり加速して徐々に加速を増し、最高速に達する前で再度ゆっくり加速するものである。目標値の信号103は、目標値に応じてその都度算出することも可能であり、目標値の変化の度合いにより、予め設定された滑らかな目標値の信号を出力することも可能である。
【0028】
次に、HSTの回転数が逆になる操作(正転と逆転の切換)における、斜板の制御構成について説明する。図10は、HSTの斜板制御を行うアクチュエータにかけられる電流値と、斜板角度、HSTの出力軸回転数の関係を示すものである。図10に示すごとく、アクチュエータに係る電流を0からマイナス方向に下げると、一定の電流値まで斜板角度が変わらない。しかし、一定の値を超えると、斜板角が負側に回動される。電流をプラス方向に上げた場合においても同様に一定の値を超えると、斜板角が正側に回動される。このため、電流に対する出力軸回転数も0付近の一定の範囲において0となり、斜板の回動に伴い回転数が増大する構成となっている。すなわち、一定値範囲の電流に対してアクチュエータ86が作動しないため、主変速レバー3の回動量に比例して、アクチュエータ86に対して電流の制御を行う場合に、不感帯が生じるものである。
【0029】
図11(a)は従来のバルブ指令値(アクチュエータへの制御電流値)とHSTの回転数の関係を示す図であり、図11(b)は不感帯を考慮したバルブ指令値とHSTの回転数の関係を示す図である。図11(a)においては、バルブの指令値が不感帯範囲内にある場合に、HSTの回転数がほとんど変化しない。しかし、図11(b)においては、バルブの指令値を、不感帯を越すように制御し、HSTの回転数を円滑に変化させるものである。すなわち、車両の加速時等において、不感帯を予測して、アクチュエータ86への電流を不感帯の範囲外となるように制御するものである。これにより、アクチュエータの固体のバラツキによる変速性能の変化を抑制することが可能となる。
【0030】
なお、バルブの不感帯域は、コントローラ81において、予測もしくは認識することが可能となる。前述の如く、コントローラ81には、電子ガバナ84、ピックアップ85・89が接続されている。そして、アクチュエータ86はコントローラ81により制御されるものである。すなわち、アクチュエータ86に対する指令値に対しての変速比を認識することにより、一定状態におけるアクチュエータ86の不感帯を認識することができる。そして、これにより、変速動作におけるアクチュエータ86の不感帯を予測し、不感帯域を省略した制御を行うものである。すなわち、アクチュエータ86の不感帯を予測し、不感帯域に対応する電流値の制御を省略し、不感帯域を飛び越した電流制御を行うものである。これにより、アクチュエータ86における個々のバラツキが解消され、変速性能の安定した作業車量を構成することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、走行速度を調節する変速装置であって、少なくとも一方が可変容量の油圧式無段変速機と、遊星機構とにより変速を行う作業車両の変速装置において、油圧式無段変速機による変速から、油圧式無段変速機と遊星機構とによる変速の切換を行う際に、油圧式無段変速機の斜板制御の目標値に対して、斜板角の変化率を一定範囲内に維持するので、油圧式無段変速機による変速(HSTモード)から、油圧式無段変速機と遊星機構とによる変速(HMTモード)への切換がスムーズになる。
HSTモードからHMTモードへの円滑な切換を行うことにより、HSTの斜板にかかる負担を軽減でき、変速機構に与える負荷を軽減できる。作業車両の乗り心地が向上する。
【0032】
請求項2に記載のごとく、該油圧式無段変速機(21)の斜板制御を、電磁バルブとアクチュエータ(86)により制御し、電磁バルブにコントローラ(81)より指令値を出力することにより、電磁バルブが作動し、前記アクチュエータ(86)により斜板を油圧制御すべく構成し、該油圧式無段変速機(21)の回転方向が正転と逆転に切り替わる時に、電磁弁に係る指令値が不感帯幅の電流値となり、油圧式無段変速機(21)の斜板角度が殆ど変化しない域が発生し、該不感帯域において、該電磁バルブの不感帯域をコント ローラ(81)により、予測もしくは認識し、電磁バルブの指令値が不感帯を越すように制御し、不感帯域における制御を省略するので、変速に対する作業車両の反応性を向上できる。また、電磁バルブによる挙動の個体差を解消できる。
即ち、、コントローラ81において、アクチュエータ86に対する指令値に対しての変速比を認識することにより、一定状態におけるアクチュエータ86の不感帯を認識することができる。そして、これにより、変速動作におけるアクチュエータ86の不感帯を予測し、不感帯域を省略した制御を行うのである。
すなわち、アクチュエータ86の不感帯を予測し、不感帯域に対応する電流値の制御を省略し、不感帯域を飛び越した電流制御を行うものである。これにより、アクチュエータ86における個々のバラツキが解消され、変速性能の安定した作業車量を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 作業車両の全体側面図。
【図2】 作業車両の変速構成を示す模式図。
【図3】 作業車両の駆動構成を示すスケルトン図。
【図4】 HMTの構成を示すスケルトン図。
【図5】 遊星機構および正逆転機構の構成を示す展開図。
【図6】 油圧ポンプの吐出量と変速比の関係を示す図。
【図7】 変速機構の制御構成を示す図。
【図8】 斜板角の目標値と実測値の時間変化を示す図。
【図9】 主変速レバーの入力値より目標値の生成される過程を示す図。
【図10】 出力電流値と斜板角および出力軸回転数の関係を示す図。
【図11】 HST回転数とアクチュエータのバルブ指令値の時間変化を示す図。
【符号の説明】
3 主変速レバー
7 前後進レバー
5 エンジン
15 PTO軸
21 HST
22 遊星機構
23 正逆転機構
24 副変速機構
31 油圧ポンプ
32 油圧モータ
61 クラッチ
81 コントローラ
82 電磁弁
83 電磁弁
85 ピックアップ
86 アクチュエータ
89 ピックアップ

Claims (2)

  1. 走行速度を調節する変速装置であって、少なくとも一方が可変容量の油圧式無段変速機(21)と、遊星機構(22)とにより変速を行う作業車両の変速装置において、油圧式無段変速機(21)による変速から、油圧式無段変速機(21)と遊星機構(22)とによる変速の切換を行う際に、油圧式無段変速機(21)の斜板制御の目標値に対して、斜板角の変化率を一定範囲内に維持することを特徴とする作業車両の変速装置。
  2. 請求項1記載の作業車両の変速装置において、該油圧式無段変速機(21)の斜板制御を、電磁バルブとアクチュエータ(86)により制御し、電磁バルブにコントローラ(81)より指令値を出力することにより、電磁バルブが作動し、前記アクチュエータ(86)により斜板を油圧制御すべく構成し、該油圧式無段変速機(21)の回転方向が正転と逆転に切り替わる時に、電磁弁に係る指令値が不感帯幅の電流値となり、油圧式無段変速機(21)の斜板角度が殆ど変化しない域が発生し、該不感帯域において、該電磁バルブの不感帯域をコントローラ(81)により、予測もしくは認識し、電磁バルブの指令値が不感帯を越すように制御し、不感帯域における制御を省略することを特徴とする作業車両の変速装置。
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