JP3408622B2 - 動力伝達装置の油圧リターダ変速方法 - Google Patents

動力伝達装置の油圧リターダ変速方法

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JP3408622B2 JP10179694A JP10179694A JP3408622B2 JP 3408622 B2 JP3408622 B2 JP 3408622B2 JP 10179694 A JP10179694 A JP 10179694A JP 10179694 A JP10179694 A JP 10179694A JP 3408622 B2 JP3408622 B2 JP 3408622B2
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばホイール式建設
機械、農業機械、自動車等に用いるに好適な動力伝達装
置の油圧リターダ変速方法及び油圧リターダ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】動力伝達装置は、機械式動力伝達経路だ
けの構造が普通であるが、本出願による先の提案(特開
平3−56754号公報)のような機械式動力伝達経路
と油圧式動力伝達経路との組み合わせ構造もある。これ
は、一方のクラッチの係合で原動力を外部へ伝達する機
械式動力伝達経路と、前記原動力で油圧ポンプを回しそ
の圧油を切替弁で切り換えて油圧モータを停止又は回転
させ、その回転に基づく駆動力を他方のクラッチの係合
で外部へ伝達する油圧式動力伝達経路とを備え、両クラ
ッチを同時又は交互に開放しまた係合することで機械式
動力伝達経路と油圧式動力伝達経路とを切り換えて変速
制御する構造となっている。このような機械油圧式の動
力伝達装置は両クラッチを個別制御できる利点があり、
またこれを例えば車両の変速機として用いると、高速走
行時は動力伝達効率が良い機械式動力伝達経路を使用で
き、他方低速走行時は前後進の切替え効率が良く、か
つ、無段変速できる油圧式動力伝達経路を使用できる等
の利点がある。
【0003】他方、リターダは例えば車速を連続的に減
少し又は制限するための補助ブレーキであり、排気式や
電磁式がある。油圧リターダ装置としては先に本出願人
が提案した技術(特開平3−273968号公報)があ
る。これは、油圧ポンプとリリーフ弁との間のドレン回
路に、リターダ駆動信号を入力したときに該ドレン回路
を閉じる開閉弁を設けた構造である。従ってリターダ駆
動信号を得て開閉弁が閉じると、リターダ制動としての
リリーフ油圧が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが動力伝達装置
に油圧リターダ装置を装着し、リターダ制動時に変速さ
せるとき、只単に両クラッチを個別制御したり、リター
ダ制動を断続させたのでは、リターダ制動トルクの急変
や変速ショック(クラッチの開放ショックや係合ショッ
ク)の発生等の問題が起こる。この結果、該動力伝達装
置の寿命を短くしたり、オペレータに疲労感を与えるよ
うになる。
【0005】ところで近時、油圧アクチュエータの負荷
圧に係わりなく、油圧アクチュエータの操作弁(以下、
切換弁とする)の開口面積に応じた流量だけを可変容量
形油圧ポンプ(以下、単に油圧ポンプとする)で吐出さ
せるCLSS式油圧回路(クローズドセンタ・ロード・
センシング・システム)がその微操作性や省エネ性から
脚光を浴びている。ところがかかるCLSS式油圧回路
を備えた動力伝達装置において、仮に上記従来の油圧リ
ターダ装置と同じような開閉弁を設けても、次の理由で
リターダ制動が得られない。
【0006】先ずCLSS式油圧回路を簡単に説明す
る。切換弁の流量Qiは、その前後差圧ΔPi〔=ポン
プ側圧Pp−負荷圧Pi〕が一定であれば、その負荷圧
Piの大きさに係わらずその開口面積Aiに比例する。
そこでCLSS式油圧回路は、ポンプ吐出圧Ppと切換
弁の負荷圧Pi(以下、LS圧という)とを入力し(以
下、この入力路をLS回路という)、これらの差圧ΔP
LS〔=Pp−Pi〕(以下、LS差圧という)が一定
となるように、ポンプ吐出量Qpを制御する弁(以下、
LS弁という)を備えている。このLS弁は、LS差圧
ΔPLSが基準差圧ΔPsより小さいときはポンプ吐出
量Qpを増やし、逆にLS差圧ΔPLSが基準差圧ΔP
sより大きいときはポンプ吐出量Qpを減らす信号をサ
ーボ機構へ出力する弁である。具体的にはLS弁は、切
換弁の開口面積Aiが広がると、LS差圧ΔPLSが小
さくなるため、ポンプ吐出量Qpを増やし、逆に切換弁
の開口面積Aiが狭くなると、LS差圧ΔPLSが大き
くなるため、ポンプ吐出量Qpを減らすように作用す
る。尚、CLSS式油圧回路での切換弁はクローズドセ
ンタ式が用いられる。これは、仮にCLSS式油圧回路
の切換弁がオープンセンタ式とすると、その中立位置
時、LS弁へのポンプ吐出圧Ppが油タンク圧となるた
めLS差圧ΔPLSを検出できず、このため、上記CL
SSの機能を達成できなくなるためである。
【0007】即ち、かかるCLSS式油圧回路を備えた
動力伝達装置において、仮に従来の油圧リターダ装置と
同じように開閉弁を設けても、この開閉弁を閉じるとリ
リーフ油圧は得られるものの、該開閉弁を油が流れない
ため、CLSSの機能に基づき、油圧ポンプの押しのけ
容積が最小になってしまい、このため油圧ポンプのポン
プ吸収トルクが低下し、リターダ制動力を得られなくな
る。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に着目
し、各種動力伝達装置の油圧リターダ制動時における最
適変速方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明なる動力伝達装置の油圧リターダ変速方法
は、油圧ポンプおよび油圧モータを備えた動力伝達装置
における油圧式動力伝達経路中の油圧ポンプのリリーフ
油圧を用いたリターダ制動時に、機械式動力伝達部の一
方のクラッチBを開放し、かつ、油圧式動力伝達部のク
ラッチAを係合することで機械式動力伝達経路から前記
油圧式動力伝達経路へ切り換えてシフトダウンすること
を達成してなる動力伝達装置の油圧リターダ変速方法に
おいて、前記リターダ制動時にシフトダウンさせるとき
は、油圧モータの押しのけ容積を予め小さい側の位置と
して、該シフトダウン中に前記リターダ制動から、油圧
式動力伝達経路中の油圧モータのリリーフ油圧を用いた
リターダ制動へ切り換えることを特徴としている。
【0010】尚、第2発明は、上記第1発明において、
油圧ポンプのリリーフ油圧を用いた油圧リターダ制動時
に、前記機械動力伝達部の他方のクラッチCを開放し、
かつ、前記機械式動力伝達部の一方のクラッチBを係合
することで機械式動力伝達経路間を切り替えてシフトダ
ウンするときは、該シフトダウン中は前記油圧ポンプの
リリーフ油圧を用いた油圧リターダ制動を弱めること特
徴としている。
【0011】さらに、第3発明は、上記第発明におい
て、前記機械式動力伝達部の一方のクラッチBの初期係
合力を、油圧ポンプのリリーフ油圧を用いた油圧リター
ダ非制動時のシフトダウン中の前記機械式動力伝達部の
一方のクラッチBの初期係合力よりも高めることを特徴
としている。
【0012】
【0013】
【作用】第1発明は、油圧ポンプおよび油圧モータを備
えた動力伝達装置における油圧式動力伝達経路中の油圧
ポンプのリリーフ油圧を用いたリターダ制動時に、機械
式動力伝達部の一方のクラッチBを開放し、かつ、油圧
式動力伝達部のクラッチAを係合することで機械式動力
伝達経路から前記油圧式動力伝達経路へ切り換えてシフ
トダウンすることを達成してなる動力伝達装置の油圧リ
ターダ変速方法において、前記リターダ制動時にシフト
ダウンさせるときは、油圧モータの押しのけ容積を予め
小さい側の位置として、該シフトダウン中に前記リター
ダ制動から、油圧式動力伝達経路中の油圧モータのリリ
ーフ油圧を用いたリターダ制動へ切り換えることにした
ものである。このようにすると、リターダ制動トルクの
変動や変速ショックが抑制されるようになり、動力伝達
装置の寿命が延び、オペレータの疲労も少なくなる。
【0014】第2発明は第1発明において、油圧ポンプ
のリリーフ油圧を用いた油圧リターダ制動時に、前記
械動力伝達部の他方のクラッチCを開放し、かつ、前記
機械式動力伝達部の一方のクラッチBを係合することで
機械式動力伝達経路間を切り替えてシフトダウンすると
きは、該シフトダウン中は前記油圧ポンプのリリーフ油
圧を用いた油圧リターダ制動を弱める。このようにする
と、リターダ制動トルクの変動や変速ショックが抑制さ
れるようになる。この結果、動力伝達装置の寿命は延
び、またオペレータの疲労も少なくなる。
【0015】第3発明は、第2発明において、リターダ
制動を停止させると共に、係合側の前記機械式動力伝達
部の一方のクラッチBの初期系合力を、油圧ポンプのリ
リーフ油圧を用いた油圧リターダ非制動時のシフトダウ
ン中(即ち通常シフトダウン中)の前記機械式動力伝達
部の一方のクラッチBの初期系合力よりも高めると、リ
ターダ制動トルクの変動や変速ショックがより効果的に
抑制されるようになる。
【0016】
【0017】
【実施例】以下図面を参照して実施例を説明する。図1
は実施例なる動力伝達装置とその油圧リターダ装置とを
備えたホイール式建設機械の変速機の図である。エンジ
ン100の駆動力Poは変速機200を介して外部の車
軸300へ伝達される。変速機200は変速レバー1
0、クラッチ油圧回路20、機械式動力伝達部30、油
圧式動力伝達部40、マイコン等でなる制御部50及び
リターダスイッチ60等から構成される機械油圧式の動
力伝達装置である。
【0018】変速レバー10はR(後進)、N(中
立)、F1(前進1速)、F2(前進2速)及びF3
(前進3速)の5位置を備え、オペレータの操作で選択
される。選択位置は図示しない位置検出器で検出され制
御部50へ出力される。
【0019】クラッチ油圧回路20は、エンジン100
で駆動された油圧ポンプ22によって油タンク21から
吸い出した油を切換弁23a、23b、23cを介して
クラッチA、B、Cへ送る。各切換弁23a、23b、
23cは各クラッチA、B、Cに対応して付設され、制
御部50からの変速制御信号S1a、S1b、S1cを
入力して切り換わることにより、各クラッチA、B、C
の油の給排を行う。尚、各切換弁23a、23b、23
cは、各制御信号S1a、S1b、S1cの大きさによ
り供油油圧(即ち、クラッチ係合油圧)を無段階に調整
でき、かつ、各クラッチA、B、Cへの給油時に各クラ
ッチA、B、Cが油で満たされた時、そのフィリング信
号S2a、S2b、S2cを制御部50へフィードバッ
クし、その後、各クラッチ油圧を漸増させるフィリング
時検出器付き比例電磁式モジュレーションバルブであ
る。
【0020】機械式動力伝達部30は、クラッチB(又
はC)の係合により駆動力Poを外部なる車軸300へ
伝達する2つの機械式動力伝達経路を備えている。詳し
くは、2つの遊星歯車機構31c、31bが備えられ、
クラッチCが係合すると、遊星歯車機構31cのリング
ギヤが固定されてF3走行が達成され、他方クラッチB
が係合すると、遊星歯車機構31bのリングギヤが固定
されてF2走行が達成される。
【0021】油圧式動力伝達部40は次の通りである。
先ず本例の全体油圧回路を説明する。全体油圧回路は、
本油圧式動力伝達部40用油圧回路の他、作業機用油圧
回路400や回路全体の最高油圧を規定するリリーフ弁
500等から構成される。作業機用油圧回路400はブ
ーム、アーム、バケット等の各油圧シリンダ及び旋回油
圧モータ等のアクチュエータ、各アクチュエータの切換
弁(いわゆる操作弁)、各切換弁に対応する圧力補償弁
並びに複数個シャトル弁等とこれらの油路等で構成され
ている。尚、全体油圧回路は、TVC(トルク・バリア
ブル・コントロール)で制御された可変容量形油圧ポン
プ41に対するCLSS式の油圧回路となっている。
【0022】TVCを説明する。油圧ポンプ41のサー
ボ装置41aは、電磁ソレノイド、LS弁及びサーボ機
構をこの順で並べて構成されている。制御部50は、ス
ロットル開度検出器51で検出されたエンジン燃料噴射
量信号S3と、回転検出器52で検出されたエンジン回
転数信号S4とを入力してエンジントルクTeを算出す
る。また制御部50は、油圧検出器53で検出された回
路油圧信号S5を入力し、前記エンジントルクTeに対
し油圧ポンプ41のポンプ吸収トルクTpが最適マッチ
ングするように〔Te≒Tp〕、即ち、ポンプ吐出量Q
pmとポンプ吐出油圧Ppとの積が一定となるように
〔Qpm×Pp=一定〕、ポンプ吐出量可変制御信号S
6(以下、TVC信号S6という)を前記電磁ソレノイ
ドへ出力する。
【0023】本例のCLSS式油圧回路を詳しく説明す
る。CLSS式油圧回路の基本形は前述の通りである
が、通常の油圧回路は、本例のように、アクチュエータ
が(従ってその切換弁も)多数装着されている。そこで
各LS回路の合流点毎にシャトル弁44を設け、これに
より、LS弁へのLS圧として各LS回路中の最大負荷
圧Pmax が入力される。LS弁はLS差圧ΔPLS〔=
Pp−PLS(PLS=Pmax )〕が一定となるよう
に、油圧ポンプ41の吐出量Qpnを制御する。このポ
ンプ吐出量Qpnは、各切換弁の要求流量Qiの総和で
あるが、TVC信号S6によるポンプ吸収トルクを越え
ることはない。また各切換弁には圧力補償弁45がそれ
ぞれ設けられ、各切換弁の固有の前後差圧ΔPiと係わ
りなく、総ての切換弁に見かけの前記LS差圧ΔPLS
を与えており、これにより各切換弁の流量Qiを負荷圧
Piや差圧ΔPiに係わらず、さらに他の切換弁の影響
されることなく、各開口面積Aiに比例したものとして
いる。尚、各圧力補償弁の設定値を予め調整しておくこ
とにより、各切換弁の流量Qiに優先度を与えるのが普
通である。
【0024】TVCとCLSSとの関係を簡単に説明す
る。エンジン100がエンストしない程度のポンプ吸収
トルクが維持されるように、油圧ポンプ41の吐出量Q
pmを、ポンプ吐出油圧Ppが高くなれば少なくし、逆
にポンプ吐出油圧Ppが低くなれば多くするのがポンプ
ユニットで制御され、ポンプ吸収トルクを指定する信号
がTVC信号S6である。そしてこのTVC信号S6に
よるポンプ吸収トルク(即ち、リターダ量)を上限とし
て、各油圧アクチュエータの負荷圧Piに係わりなく、
各切換弁の開口面積Aiに応じて各アクチュエータへそ
の要求流量Qiの総和を流すのがCLSS式の油圧回路
である。リターダ時はアクチュエータ負荷圧はポンプの
リリーフ圧となるので、TVC信号がポンプ吐出量に比
例する。尚、予め説明すれば、TVC信号S6を大きく
すると、ポンプ吸収トルクが減る構造が普通であるた
め、後述する図6(a)及び図7(a)もこれに従って
記載されている。
【0025】かかる全体油圧回路において、油圧式動力
伝達部40は、エンジン100の駆動力Poで油圧ポン
プ41を回しその圧油を切換弁なる走行弁43で切り換
えることにより油圧モータ42を停止又は回転させ、そ
の回転に基づく駆動力PmをクラッチAを係合させるこ
とより外部へ伝達する油圧式動力伝達経路を備えてい
る。勿論、この油圧回路もCLSS式となっており、走
行弁43はクローズドセンタ式である。クラッチAの油
の給排や増圧は切換弁23aで行われる。走行弁43は
前進位置F、中立位置N及び後進位置Rを備えている。
尚、46はオーバラン時の異常圧やキャビテーションの
発生を阻止するための吸込弁付きリリーフ弁であり、後
述するように、油圧式動力伝達経路での走行時(即ち、
F1走行時)でのリターダ制動中の制動力の吸収も司
る。47は吸込弁付きリリーフ弁46における吸い込み
時、強制的に吸込させるための背圧弁である。44は走
行弁43に対するCLSS用の前記シャトル弁である。
45は走行弁43に対するCLSS用の前記圧力補償弁
である。油圧モータ42はサーボ機構42aを備え、制
御器50からのサーボ駆動信号S9に応じてその押しの
け容積が変化する可変容量形モータである。
【0026】制御部50は、変速レバー10から選択位
置信号R、N、F1〜F3を入力すると、本ホイール式
建設機械を次の通り停止又は走行させる。変速レバー1
0がN位置であると(停車時)、走行弁43へも切換弁
23へも信号は出力されず、走行弁43も切換弁23も
N位置となり、油圧モータ42は停止し、クラッチA、
B、Cも開放されて停車する。変速レバー10がR位置
であると(R走行時)、走行弁43へ信号S8が出力さ
れ、これをR位置とし油圧モータ42を後進方向へ回転
させる。また切換弁23aへ信号S1aが出力されクラ
ッチAが係合する。これにより後進する。変速レバー1
0がF1位置であると(F1走行時)、走行弁43へ信
号S7が出力され、これF位置とし、油圧モータ42を
前進方向へ回転させる。また切換弁23aへ信号S1a
が出力されクラッチAが係合する。これによりF1走行
する。変速レバー10がF2位置であり、かつ車速があ
る一定以上のF2走行設定値である時、走行弁43へ信
号は出力されず、これをN位置とし、油圧モータ42を
停止させ、F2走行させる。尚、車速がF2走行設定値
以下の時は上記F2走行となる。他方、切換弁23bへ
信号S1bが出力されクラッチBが係合する。これによ
りF2走行する。変速レバー10がF3位置であり、か
つ車速がある一定以上のF3走行設定値である時、走行
弁43へ信号は出力されず、これをN位置とし、油圧モ
ータ42を停止させる。他方、切換弁23cへ信号S1
cが出力されクラッチCが係合する。これによりF3走
行する。尚、車速がF3走行設定値以下の時は上記F2
走行となり、さらに車速がF2走行設定値以下の時は上
記F1走行となる。
【0027】尚、本例の制御部50は、スロットル開度
検出器51により検出されたエンジン燃料噴射量S3の
大きさに応じた信号S7、S8を走行弁43へ出力で
き、これにより、走行弁43の開口面積を自在に調整で
き、上記CLSSの機能により、F1走行及びR1走行
の走行速度を自在に制御できる。
【0028】リターダスイッチ60はこれをON位置と
すると、この信号が制御器50へ出力され、制御器50
からリターダ弁48へリターダ駆動信号S10が出力さ
れる。リターダ弁48は、LS弁のポンプ圧入力側41
1とLS圧入力側412との間に備えられ、前記リター
ダ駆動信号S10を入力したとき、ポンプ圧入力側41
1とLS圧入力側412との間を連通させる。この結
果、LS差圧ΔPLSが小さくなり、ポンプ吐出量Qp
が増える。しかしポンプ吐出量Qpが増えても流れて行
く箇所がないため、ポンプ圧力が上昇し、リリーフ圧力
に達する。通常リターダ弁をONすると、ポンプ圧力が
リリーフ圧力になってしまうと考えてよい。TVC信号
S6はポンプ吐出量×ポンプ圧力の最大値を制御する信
号であり、ポンプ圧力がここでリリーフ圧になってしま
うことから。TVCの指令がポンプの吐出量と比例する
ことになる。但し、上述の通り、本例では、TVC信号
S6が大きいとき吸収トルクは小さくなる。これによ
り、TVCで指定したポンプ吸収トルクが発生し、この
トルクがリターダ制動トルクとなる。但し、リターダ制
動時に変速レバー10を操作してF3走行からF2走行
へ、F3走行からF1走行へ、又は、F2走行からF1
走行へシフトダウンさせると、制御器50はこれら変速
信号を入力し、リターダスイッチ60をOFF位置に切
り換えるまでの間、下記実施例に示すように、予め記憶
した手順に従って前記リターダ駆動信号S10の出力
を、F3走行からF2走行へのシフトダウン時は一時停
止させ、また、F2走行からF1走行へのシフトダウン
時は完全停止させ、さらに切換弁23bへの信号S1
b、油圧モータ42へのサーボ駆動信号S9、TVC信
号S6及び走行弁43への信号S7等を調整しつつ出力
する。詳しくは、次の実施例の通りである。
【0029】リターダ弁48は、制御部50からリター
ダ駆動信号S10を入力しさえすれば、何時でもリター
ダ制動させることができる。ところでかかるリターダ制
動は、例えば長い降坂時での連続制動には好適であり、
このような場合はシフトダウンも伴うことが多い。本例
の変速機200では、F3走行からF2走行への機械式
動力伝達経路間のシフトダウンと、F3走行からF1走
行への又はF2走行からF1走行への機械式動力伝達経
路から油圧式動力伝達経路へのシフトダウンとがある。
【0030】第1実施例として、図2、図4を参照し、
F3走行からF2走行への(即ち、機械式動力伝達経路
から機械式動力伝達経路への)リターダ制動時のシフト
ダウン方法を述べる。また比較例を図5を参照して述べ
る。図2のフローチャートを、図4を参照しつつ順を追
って説明する。ちなみにリターダ制動はアクセルOFF
で、かつリターダスイッチ60がONの時に実施する。
尚、リターダスイッチ60以外にフートブレーキ等から
信号を入力してもよく、従ってこのようなフートブレー
キ等もリターダスイッチとしてもよい。
【0031】図2に示す通り、F3走行時、リターダ制
動させるときは〔工程(1)〕、エンジン回転を下げる
と共に、リターダスイッチ60をON位置にする。これ
により、制御部50からリターダ弁48へリターダ駆動
信号S10が出力される〔工程(2)〕。詳しくは次の
通りである。リターダ弁48はリターダ駆動信号S10
を入力すると、通常位置(閉位置a)からリターダ走行
位置(連通位置b)へ切り換わる。リターダ弁48が連
通位置bになると、ポンプ吐出圧PpとLS圧PLSと
が等しくなり、LS差圧ΔPLSがなくなる〔ΔPLS
=Pp−PLS=0〕。この結果、上記LS機能によっ
てポンプ油圧は最大側へと変化する。この結果、油圧ポ
ンプ41の吸収トルクが大きくなり、路面及びエンジン
からの駆動力はF3走行用機械式動力伝達経路を経て油
圧ポンプ41へ伝達され、ここで吸収されてリターダ制
動する。こうしてF3走行時におけるリターダ走行が達
成される。尚、このとき制御部50は、車速、速度段、
サービスブレーキの踏み込み量等も別途入力しており、
これらを予め記憶してある設定値と比較し、エンジンの
エンスト防止に定めたTVC信号S6の範囲を越えた値
のTVC信号S6を生成することにより、上記リターダ
制動をより効果的なものとしている。
【0032】次に、上記リターダ走行時、F2走行へシ
フトダウンするときは〔工程(31)〕、クラッチCの
圧油を任意値まで減圧すると共に、クラッチBへの給油
を開始する〔工程(4)〕。詳しくは次の通りである。
図4bのt1時、切換弁23cへの信号S1cを小さく
してクラッチCの保持圧Pcを下げる。尚、この減圧
は、後述する工程(6)でのクラッチCの開放応答性を
良くするためである。また、切換弁23bへ信号S1b
を送りクラッチBへの給油を開始する。
【0033】次に、クラッチBがフィリング状態になっ
た時〔工程(5)〕、クラッチCの圧油をドレンし、リ
ターダ制動を停止させる〔工程(6)〕。詳しくは次の
通りである。クラッチBがフィリング状態になると、切
換弁23bから制御部50へフィリング完了信号S2が
出力される。制御部50はこの信号S2を入力すると、
切換弁23cへの信号S1cを停止し、クラッチCの圧
油をドレンさせる〔図4bのt2〕。また制御器50は
リターダ弁48への信号S10を停止する(但し、リタ
ーダスイッチ60はON位置のままである)〔図4aの
t2〕。このようにすると、リターダ弁48は連通位置
bから閉位置aへ切り換わり、油圧ポンプ41は作業機
用の油圧回路400への供給流量Qpnのみを吐出する
ようになる。但し実際は、走行中に作業機を作動させな
いのが普通であり、この場合、図4dのt2に示すよう
に、LS機能により油圧ポンプ41の吐出量Qpnは最
小まで下がり、かつ、図4cのt2に示すように、吐出
油圧Ppも低圧となる。もっとも上記LS機能やリター
ダ弁を用いなくても、このときTVC制御信号6を大き
くして油圧ポンプ41の吐出流量Qpmを低下させても
よい。かかる結果、油圧ポンプ41はリターダ制動力を
吸収トルクしなくなり、その分、クラッチBに余計な負
荷を与えることもなくなる。即ち、切り換えショックが
低減する。
【0034】尚、このように油圧ポンプ41がリターダ
制動力を吸収しなくなるため、上記工程(6)では、図
4bのt2にように、クラッチBの初期圧を通常走行時
(即ち、リターダ非制動時)のシフトダウン中の初期圧
よりも高めるのがよい。この初期圧設定は、切換弁23
bへのS1bを高めに出力することで達成される。即
ち、漸増圧を、破線L1から実線L2へ移行させること
により、エンジンブレーキによる制動トルクが得られる
ようになり、この結果、図4eに示すように、制動トル
クは破線L3から実線L4へと変化し、制動トルク変動
をさらに抑制することができる。
【0035】次に、クラッチBが係合したら〔工程
(7)〕、リターダ制動させる〔工程(8)〕。詳しく
は次の通りである。図4bのt3に示すように、切換弁
23bのモジュレーション機能によってクラッチBの油
圧の漸増が終了し、クラッチBが係合したら、図4aの
t3に示すように、制御部50はリターダ弁48へリタ
ーダ駆動信号S10を再出力する。これにより、リター
ダ弁48は上記工程(2)と同様に作動し、F2走行時
のリターダ走行を開始する。
【0036】尚、上記工程(8)でのポンプ容量を、図
4dのt3〜t4に示すように、図4cのポンプ吐出圧
Ppの増加に倣って漸増するように、TVC制御信号S
6で漸増させると、図4eに示すように、制動トルクの
変動が少なくなる。
【0037】上記シフトダウン制御の効果を比較例(図
5)を参照して説明する。図5a〜図5eの実線は比較
例を示し、破線は上記第1実施例の図4a〜図4eにそ
れぞれである。図4a及び図4bに示すように、第1実
施例ではクラッチBのフィリング時t2〜係合時t3の
間にリターダ弁48によるリターダ制動を停止させた
が、比較例ではクラッチBのフィリング時t2〜係合後
の所定時t4の間にリターダ弁48によるリターダ制動
を停止させた。比較例のようにすると、図5eに示すよ
うに、制動トルクの変動が激しく、リターダ制動トルク
を得られないばかりか、変速ショックやこれに伴うクラ
ッチ発熱及び制動力変化等が生じ、該動力伝達装置の寿
命を短くしたり、オペレータに疲労感を与えるようにな
る。
【0038】尚、他の比較例として図示しないがリター
ダ弁48による制動を行ったままF3走行からF2走行
へシフトダウンさせると、制動力は得られるが、エンジ
ンへの見かけ上の逆負荷が増大するため、クラッチBの
負荷が著しく増大するため、変速ショックの発生は元よ
り、クラッチ寿命も短くなる等の弊害が生ずる。但し、
リターダ弁48がONのままでもTVC信号を大きく
(即ち、ポンプ吸収トルクを小さく)する場合は、上記
制御例と同様となる。
【0039】第2実施例は、図3、図6に示すとおり、
F2走行からF1走行への(即ち、機械式動力伝達経路
から油圧式動力伝達経路への)リターダ制動時のシフト
ダウン方法である。また比較例を図7を参照して述べ
る。尚、F2走行中のリターダ制動方法は、第1実施例
のF3走行中のリターダ制動方法である工程1〜工程2
と同様であるのでその説明を省略する。図3のフローチ
ャートを、図6を参照しつつ順を追って説明する。
【0040】即ち、F2走行中でのリターダ走行時、F
1走行へシフトダウンするときは〔工程(32)〕、走
行弁43を全開する〔工程(9)〕。詳しくは次の通り
である。F2走行中でのリターダ走行時の油圧ポンプ4
1は、図6aの範囲Hに示すように(また第1実施例の
工程(1)での尚書きで示したように)、その範囲H内
で、車速、速度段、サービスブレーキの踏み込み量等に
応じて最適リターダ走行が得られるようにTVC信号S
6が生成され、油圧ポンプ41の吐出量制御がなされて
いる。ここで、制御部50がシフトダウン信号入力する
と、図6bのt5に示すように、先ず走行弁43へ信号
S7を最大にして出力する。走行弁43はこの最大信号
S7を入力すると、中立位置Nから前進位置Fの最大開
口位置へと切り替わる。そしてLS機能により、油圧ポ
ンプ41から該走行弁43の該開口面積に応じた大流量
の油が流れ油圧モータ42の回転を、図6cのt5に示
すように、漸増させる。このように油圧モータ41の回
転を予め高めておくと、F1走行での油圧モータ42に
よるリターダ制動への移行を円滑に行える。尚、油圧モ
ータ42の押しのけ容積は、図6gに示すように、予め
信号S9によって小さい側の位置としてある。油圧モー
タの可変信号S9も、TVC信号S6と同様、信号S9
が小さいと油圧モータ42の押しのけ容積を大きくし、
他方信号S9が大きいと油圧モータ42の押しのけ容積
を小さくする。
【0041】次に、油圧モータ42の回転速度が予め設
定した回転速度になったとき又は一定時間を経過したと
き〔工程(10)〕、クラッチBへの圧油を任意値まで
降下させると共に、クラッチAへの給油を開始させる
〔工程(11)〕。詳しくは次の通りである。油圧モー
タ42の回転速度Nmの検出は、その出力軸に回転セン
サを設けて制御部50へ出力するが、本例では、制御部
50に、図6cに示すように、一定時間T1を予め記憶
して制御している。この一定時間T1が経過したとき、
図6eのt6に示すように、切換弁23bへの信号S1
bを小さくしてクラッチBの保持圧Pbを下げる。この
ようにすると、次のクラッチBの開放の応答性が良くな
る。また、切換弁23aへ信号S1aを送り、クラッチ
Aへの給油を開始する。
【0042】次に、クラッチAがフィリング状態になっ
た時〔工程(12)〕、クラッチAの油圧を漸増させ、
リターダ制動を停止させ、走行弁43の漸減を開始する
〔工程(13)〕。詳しくは次の通りである。図6eの
t7に示すように、クラッチAがフィリング状態になる
と、切換弁23aから制御部50へフィリング完了信号
S2が出力される。以降は切換弁23aのモジュレーシ
ョン機能によりクラッチAの油圧は任意な値で漸増す
る。制御部50はこの信号S2を入力すると、図6fの
t7に示すように、リターダ弁48へのリターダ駆動信
号S10の出力を停止してリターダ弁48を連通位置b
のから閉位置aへと切り換える。また図6bのt7に示
すように、走行弁43への信号S7の漸減を開始し、中
立位置Nへ移行させる。尚、この信号S7の漸減によっ
て油圧モータ42の回路内でのキャビテーションの発生
が阻止される。また本実施例では中立位置Nへ移行させ
たが、中立位置Nに近い開口量までの移行でもよい。
【0043】上記工程(13)により油圧リターダ制動
の方式は変化する。即ち、前者F2走行時での油圧リタ
ーダ制動は、第1実施例での油圧リターダと同様、リタ
ーダ弁48による油圧ポンプ41のポンプ吸収トルクに
基づく油圧リターダ制動である。これに対し、後者F1
走行時での油圧リターダ制動は、油圧モータ42のモー
タ吸収トルクに基づく油圧リターダ制動である。即ち、
油圧モータ42の押しのけ容積と吸込弁付きリリーフ4
6によるリリーフ油圧とによるモータ吸収トルクに基づ
く油圧リターダ制動である。
【0044】尚、上記工程(13)での油圧モータ42
の押しのけ容積は、図6gのt7に示すように(また上
記工程(9)の尚書きのように)、予め小さくしてある
が、これを放置せず、車速、速度段、サービスブレーキ
の踏み込み量等に応じて予め可変制御しておくのがよ
い。油圧ポンプ41については、F1走行が油圧駆動で
あるため、図6aに示すように、TVC信号S6を予め
小さくしておき、これにより該油圧ポンプ41の吸収可
能トルクを予め大きくしておくのがよい。
【0045】次に、クラッチAが係合したら〔工程(1
4)〕、クラッチBの圧油をドレンさせ〔工程(1
5)〕、次に、エンジン100の回転を増加させる〔工
程(16)〕。詳しくは次の通りである。クラッチAが
係合したとき、切換弁23bへの信号S1bを切りクラ
ッチBの圧油をドレンさせる。尚、図6eのt8に示す
ように、この前後関係は厳格に規定する必要はなく、ク
ラッチAが係合時前後でクラッチBの圧油をドレンさせ
てもよい。さらに尚、クラッチAの油圧は切換弁23a
により増圧させる。以降は、F1走行でのリターダ走行
であるから、走行も可能なように、図6hに示すよう
に、アクセルペダルの踏角を調整し、エンジン100の
回転速度(即ち、エンジン出力)を調整することにな
る。
【0046】上記シフトダウン制御の効果を比較例(図
7)を参照して説明する。図7a〜図7iの実線は比較
例を示し、破線は第2実施例の図6a〜図6iにそれぞ
れ対応する。図7fに示すように、リターダ弁48のO
FF時は、第2実施例ではフィリング時t7としたが、
比較例ではクラッチBへの圧油を任意値まで降下させた
時t6とした。また図7gに示すように、油圧モータ4
2の容量制御は、第2実施例ではリターダ弁48のOF
F後に制御したが、比較例ではリターダ弁48のON時
のままとした。比較例のようにすると、図7iに示すよ
うに、制動トルクの変動が激しく、リターダ制動トルク
を得られないばかりか、変速ショックやこれに伴うクラ
ッチ発熱及び制動力変化等が生じ、該動力伝達装置の寿
命を短くしたり、オペレータに疲労感を与えるようにな
る。
【0047】他の実施例を項目列記する。 (1)上記実施例における油圧リターダ装置は、実施例
本体がCLSS回路であるため、上記実施例の通り特別
に「リターダ弁48」を構成したが、第1実施例及び第
2実施例の動力伝達装置の油圧リターダ変速方法におけ
る機械式動力伝達経路での油圧リターダ装置は、例えば
従来技術に基づく油圧リターダ等の他のリターダ装置で
あってもよい。
【0048】(2)上記第1実施例における油圧リター
ダ変速方法は、機械式動力伝達経路だけで構成された動
力伝達装置へも当然に適用される。
【0049】(3)上記第2実施例はF2からF1への
シフトダウン例であるが、F3からF1へのシフトダウ
ンも同様である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる動
力伝達装置の油圧リターダ変速方法によれば、第1発明
は、油圧ポンプおよび油圧モータを備えた動力伝達装置
における油圧式動力伝達経路中の油圧ポンプのリリーフ
油圧を用いたリターダ制動時に、機械式動力伝達部の一
方のクラッチBを開放し、かつ、油圧式動力伝達部のク
ラッチAを係合することで機械式動力伝達経路から前記
油圧式動力伝達経路へ切り換えてシフトダウンすること
を達成してなる動力伝達装置の油圧リターダ変速方法に
おいて、前記リターダ制動時にシフトダウンさせるとき
は、油圧モータの押しのけ容積を予め小さい側の位置と
して、該シフトダウン中に前記リターダ制動から、油圧
式動力伝達経路中の油圧モータのリリーフ油圧を用いた
リターダ制動へ切り換えることにしたため、リターダ制
動トルクの急変及び変速ショックを抑制することができ
る。この結果、動力伝達装置の寿命延長となり、またオ
ペレータに疲労感を与えなくなる。
【0051】第2発明では、上記第1発明において油圧
ポンプのリリーフ油圧を用いた油圧リターダ制動時に、
前記機械動力伝達部の他方のクラッチCを開放し、か
つ、前記機械式動力伝達部の一方のクラッチBを係合す
ることで機械式動力伝達経路間を切り替えてシフトダウ
ンするときは、該シフトダウン中は前記油圧ポンプのリ
リーフ油圧を用いた油圧リターダ制動を弱めることとし
たため、リターダ制動トルクの急変及び変速ショックを
抑制することができる。勿論、動力伝達装置はより寿命
延長となり、またオペレータに疲労感を与えなくなる。
【0052】第3発明は、第2発明において、リターダ
制動を停止させると共に、係合側の前記機械式動力伝達
部の一方のクラッチBの初期系合力を、油圧ポンプのリ
リーフ油圧を用いた油圧リターダ非制動時のシフトダウ
ン中(即ち通常シフトダウン中)の前記機械式動力伝達
部の一方のクラッチBの初期系合力よりも高めることと
したため、より効果的に、リターダ制動トルクの急変及
び変速ショックを抑制することができる。勿論、動力伝
達装置はより寿命延長となり、またオペレータに疲労感
を与えなくなる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】動力伝達装置及びその油圧リターダ装置の回路
図である。
【図2】方法発明なる第1実施例のフローチャートであ
る。
【図3】方法発明なる第2実施例のフローチャートであ
る。
【図4】方法発明なる第1実施例のタイムチャートであ
り、(a)はリターダ弁の開閉時期、(b)はクラッチ
油圧の変更時期、(c)はポンプ油圧の変化、(d)は
ポンプ容量の変更時期、(e)は制動トルクの変化を示
す。
【図5】方法発明なる第1実施例の比較例のタイムチャ
ートであり、(a)はリターダ弁の開閉時期、(b)は
クラッチ油圧の変更時期、(c)はポンプ油圧の変化、
(d)はポンプ容量の変更時期、(e)は制動トルクの
変化を示す。
【図6】方法発明なる第2実施例のタイムチャートであ
り、(a)はTVC制御時期、(b)は走行弁の開閉時
期、(c)はモータ回転の変化、(d)はモータ出口油
圧の変化、(e)はクラッチ油圧の変更時期、(f)は
リターダ弁の開閉時期、(g)はモータ容量の変更時
期、(h)はエンジンの回転、(i)は制動トルクの変
化を示す。
【図7】方法発明なる第2実施例の比較例のタイムチャ
ートであり、(a)はTVC制御時期、(b)は走行弁
の開閉時期、(c)はモータ回転の変化、(d)はモー
タ出口油圧の変化、(e)はクラッチ油圧の変更時期、
(f)はリターダ弁の開閉時期、(g)はモータ容量の
変更時期、(h)はエンジンの回転、(i)は制動トル
クの変化を示す。
【符号の説明】
10…変速レバー、20…クラッチ油圧回路、30…機
械式動力伝達部、40…油圧式動力伝達部、41…油圧
ポンプ、42…油圧モータ、43…走行弁、44…シャ
トル弁、45…圧力補償弁、46…吸込弁付きリリーフ
弁、48…リターダ弁、50…制御部、60…リターダ
スイッチ、100…エンジン、200…変速機、300
…車軸、400…作業器用油圧回路、500…リリーフ
弁、S10…リターダ駆動信号、S6…TVC信号、S
7…信号、S9…信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 61/42 F16H 61/42 K // F16H 59:54 59:54 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/26 B60T 10/02 F16H 47/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプおよび油圧モータを備えた動
    力伝達装置における油圧式動力伝達経路中の油圧ポンプ
    のリリーフ油圧を用いたリターダ制動時に、機械式動力
    伝達部の一方のクラッチBを開放し、かつ、油圧式動力
    伝達部のクラッチAを係合することで機械式動力伝達経
    路から前記油圧式動力伝達経路へ切り換えてシフトダウ
    ンすることを達成してなる動力伝達装置の油圧リターダ
    変速方法において、前記リターダ制動時にシフトダウン
    させるときは、油圧モータの押しのけ容積を予め小さい
    側の位置として、該シフトダウン中に前記リターダ制動
    から、油圧式動力伝達経路中の油圧モータのリリーフ油
    圧を用いたリターダ制動へ切り換えることを特徴とする
    動力伝達装置の油圧リターダ変速方法。
  2. 【請求項2】 油圧ポンプのリリーフ油圧を用いた油圧
    リターダ制動時に、前記機械動力伝達部の他方のクラッ
    チCを開放し、かつ、前記機械式動力伝達部の一方のク
    ラッチBを係合することで機械式動力伝達経路間を切り
    替えてシフトダウンするときは、該シフトダウン中は前
    油圧ポンプのリリーフ油圧を用いた油圧リターダ制動
    を弱めることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置
    の油圧リターダ変速方法。
  3. 【請求項3】 前記機械式動力伝達部の一方のクラッチ
    の初期係合力を、油圧ポンプのリリーフ油圧を用いた
    油圧リターダ非制動時のシフトダウン中の前記機械式動
    力伝達部の一方のクラッチBの初期係合力よりも高める
    ことを特徴とする請求項2記載の動力伝達装置の油圧リ
    ターダ変速方法。
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