JP3926427B2 - 液圧作動加圧加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧ポンプからの加圧液を受けて作動する液圧シリンダを利用し、かしめ、絞り加工、圧入、粉末成形などの各種加圧加工を行う液圧作動加圧加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような加工装置が、実開平2−11700号公報に記載されている。そしてこのものでは、油圧シリンダへの圧油供給経路に設けた電磁比例式のリリーフ弁により供給油圧を制御して適正な加圧力を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようにリリーフ弁を用いて供給油圧を制御し加圧力を得る場合、油圧ポンプの吐出油のうち、油圧シリンダへ供給される以外はリリーフ弁からタンクに戻されるので、油圧ポンプは加圧加工に要する以上の動力を費やすこととなり、大きな動力損失が生じる問題点がある。
【0004】
本発明は、液圧ポンプからの無駄な吐出を抑えて、動力損失の小さな液圧作動加圧加工装置を実現しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため本発明の液圧作動加圧加工装置は、加圧加工操作のため液圧ポンプに閉回路接続され液圧ポンプからの圧液により作動する液圧シリンダと、液圧ポンプを駆動する電動機と、インバータを介して電動機を給電制御し、電動機の速度、変位が入力する設定信号に応じた値となるよう調整する電動機駆動装置と、電動機駆動装置へ設定信号を出力する制御装置とを備えたものとした。そして、この制御装置は、加圧力が目標加圧力よりも小さい前目標値に達することを検出する第1の加圧力検出機構と、第1の加圧力検出機構で加圧力が前目標値に達したことを検出して作動され、液圧シリンダの前進速度を前目標値に達する前よりも小さい速度とする第1の速度設定信号を出力する低速信号発生機構と、液圧シリンダの作動位置を保つように変位設定信号を出力する定位置信号発生機構と、低速信号発生機構からの第1の速度設定信号に基づき液圧シリンダが作動しているとき加圧力を検出してこれが目標加圧力に達したことを検出すると、このときの液圧シリンダの作動位置を保つよう定位置信号発生機構を作動させる第2の加圧力検出機構と、液圧シリンダの加圧力が目標加圧力よりも、所定より大きいときには反加圧方向への第2の速度設定信号を、また所定より小さいときには加圧方向への第3の速度設定信号を出力する補正機構と、定位置信号発生機構が作動しているとき加圧力と目標加圧力との偏差を検出し偏差が所定以上に大きくなると補正機構を作動させる第1の加圧力偏差検出機構と、補正機構が作動しているとき加圧力と目標加圧力との偏差を検出し偏差が所定より小さくなるとこのときの液圧シリンダの作動位置を保つよう定位置信号発生機構を作動させる第2の加圧力偏差検出機構とを有したものとし、また、第2の速度設定信号は、第1及び第3の速度設定信号よりも、小さな液圧シリンダ速度をもたらすように選定している。
【0006】
このような構成によると、液圧シリンダにより作動される加圧具がワークに当接し加工操作が開始されるとこれに応じ加圧力が増加し、この加圧力が前設定値に達するまで増加したことを第1の加圧力検出機構が検出することにより低速信号発生機構が作動して第1の速度設定信号が電動機駆動装置に出力され、電動機はこの速度設定信号に応じた低速状態で駆動され、液圧シリンダは電動機駆動状態に応じた流量の圧液を液圧ポンプから受けて加工操作を行う。そして、加工の進行により、加圧力が設定加圧力に達すると第2の加圧力検出機構によって定位置信号発生機構が作動され、このときの液圧シリンダの作動位置を保持するように、変位設定信号が電動機駆動装置へ出力される。これにより、電動機はその回転変位量を加圧力の負荷に抗してこの変位設定信号に応じた値に保つように不動の状態となり、液圧シリンダは停止状態となる。
【0007】
この状態で、加圧力と目標加圧力との偏差が所定より大きくなると、第1の加圧力偏差検出機構により補正機構が作動され、これにより、前記偏差において、液圧シリンダの加圧力が目標加圧力よりも、所定より大きいときには反加圧方向への第2の速度設定信号が、また所定より小さいときには加圧方向への第3の速度設定信号が電動機駆動装置に出力されて電動機はこれら速度設定信号に応じた速度で逆転、あるいは正転されて液圧ポンプが反加圧方向あるいは加圧方向へ作動されて加圧力が減少あるいは増加する。
【0008】
補正機構からの速度設定信号により電動機が駆動されているとき、第2の加圧力偏差検出機構により、加圧力と目標加圧力との偏差が所定より小さくなったことが検出されると、このときの液圧シリンダの作動位置を保つように変位設定信号が定位置信号発生機構によって出力され、再び電動機が前記のように不動の状態になる。このように、加圧力と目標加圧力の偏差の増減に応じて、第1の加圧力偏差検出機構による補正機構の作動や、第2の加圧力偏差検出機構による定位置信号発生機構の作動が繰り返され、加圧力と目標加圧力との偏差が所定範囲に保たれて目標加圧力に実質的に等しい加圧力が得られる。
【0009】
そして、このように、加工が行われる際には、漏れ等の損失を除き、液圧ポンプは液圧シリンダを作動させるに必要な流量の圧液を吐出するのみであるので、液圧ポンプからの無駄な吐出を抑えることができ、動力損失を小さくできる。
【0010】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面により説明する。1は、例えばギヤポンプ、ピストンポンプ等による容積形の液圧ポンプで、電動機2の正転により流路3へ吐出し流路4から吸い込み、電動機3の逆転により流路4へ吐出し、流路3から吸い込む両回転形である。なお、この電動機3は一般的な三相交流用の誘導電動機である。5は加圧加工操作を行うための液圧シリンダであり、ピストン5Aで区画された、ヘッド側の作動室5Bを流路3に、ロッド側の作動室5Cを流路4に接続して液圧ポンプ1に閉回路接続され、電動機2の正転、逆転に応じ、それぞれピストン5A及びこれに取り付けたピストンロッド5Dを、図1の下方へ移動させる前進作動と、上方へ移動させる後退作動を、電動機2の回転速度に応じた速度で行うようになっている。
【0011】
ピストンロッド5Dの先端には、ワーク6に対して加圧加工を行う加工具7が、加圧力検出のためのロードセル8を介在して取り付けられている。また、9は液圧シリンダ5に取り付けたリニアスケールであり、その可動子がピストンロッド5Dに連結されて、ピストンロッド5Dの作動位置を検出するようになっている。
【0012】
10は流路4からのパイロット圧で開作動するパイロット操作の逆止め弁で、液圧シリンダ5が後退作動されるとき開いて、液圧ポンプ1の吸入側へ液圧シリンダ5から導かれる、吐出流量よりも多い作動液を流路3からタンク11へ排出させるようになっている。12は流路3からのパイロット圧で開作動するパイロット操作の逆止め弁で、液圧シリンダ5が前進作動されるとき開いてタンク11から流路4へ作動液が吸入されて、液圧ポンプ1の吸入側へ液圧シリンダ5から導かれる吐出流量より少ない作動液を補うようになっている。
【0013】
13は、制御装置14により制御される、電動機2のための電動機駆動装置であり、詳細に図示しないが、電動機2へ給電する駆動電源周波数を変えるインバータを有し、インバータで駆動電源周波数を種々制御することによって、電動機2の正逆回転速度を入力される設定速度信号に応じた値に保つように調整する速度制御と、電動機2の回転変位量を、入力される変位設定信号に応じた値に保つように調整する変位制御を行うことができ、このため電動機2に取り付けたロータリーエンコーダ15からの出力を取り込むようにしている。
【0014】
制御装置14は、詳細に図示しないが、CPUと、RAMとROMによるメモリと、入出力部と、これらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータにより構成され、入力信号のためのAD変換器を備え、ロードセル8とリニアスケ─ル9からの出力信号がそれぞれ増幅器16、17を介して入力されている。そして制御装置14は、電動機駆動装置13へ速度、変位制御の選択信号や速度、変位の設定信号を出力して電動機駆動装置13の作動を制御するようになっており、プログラムにより、電動機駆動装置13を種々の態様で作動させることが可能である。なお、このような電動機駆動装置13と制御装置14の組み合わせは、各種市販されており、例えば株式会社キュー・エム・ソフトの商品名マイティサーボが利用できる。
【0015】
そして、本実施例では、所定の加圧力を得るため大略、図2のように液圧シリンダ5を作動させる。すなわち、前進開始とともに、加工具7がワーク6に当接する手前のワーク6の近くに達する、作動位置がL1になるまでは、後記V2、V3よりも格段に大きい速度V1で液圧シリンダ5を作動させる。そして、作動位置がL1に達すると、V1よりも小さいV2となる初期加工速度で液圧シリンダ5を前進させる。このV2は、加工具7がワーク6に当接して良好に加工操作が開始できる速度であり、L1に達する前をより高速で作動させるのは、最初からV2の速度としたときには加工のサイクルタイムが大きくなってしまうので、これを防止するためである。
【0016】
そして、加工具7がワーク6に当接し、加圧力が増加してこれが得ようとする目標加圧力として設定されるFsの60パーセントに相当した前設定値Fpに達すると、前進速度をV3へとさらに低下させる。このように速度をさらに低下させるのは、加工の進行に伴い、ピストンロッド5Dの作動位置Lの増加に対する加圧力Fの増加の度合いが大きくなって、加工初期と同じ速度によった場合には、精密に加圧力を得ることが困難となるからである。なお、実施例ではFpをFsの60パーセントに選定したが、この値は、ワーク6の材質、形状等に応じて適宜選定できる。
【0017】
速度V3による前進により、加圧力Fが目標とするFsに達すると、以後は、タイマーで設定される時間内(図2でT1からT2の間)で、加圧力FとFsとの偏差を許容範囲内とする、加圧力保持のための操作が行われ、このとき、加圧力Fを前記のように保つ必要に応じて電動機2は微小な正転、逆転を行い、これに伴って液圧シリンダ5は、微小な前進、後退を行う(なお、この加圧力保持操作の間は、図2では、簡明に示すため作動位置Lが一定のように記載しているが、前進、後退に応じ作動位置Lは変化する)。そして、タイマーのタイムアップ(図2でT2のとき)で加工のための作動が終了するのである。
【0018】
このような作動は、制御装置14においてのプログラムによって実現され、その手順を図3に基づき説明する。すなわち、このような加工作動が開始されると、まず手順20により電動機駆動装置13で速度制御を行うことを選択し、手順21で、速度設定値として電動機2を正転方向に駆動して、液圧シリンダ5を速度V1で前進させるための値がセットされ、これが速度設定信号として電動機駆動装置13へ出力される。そして、手順22でピストンロッド5Dの作動位置Lが読み込まれ、手順23でこれがL1に達するか否かが判別され、達しないときには、これら手順22、23を反復する。
【0019】
手順23で、LがL1に達することが判別されると、手順24に移行して、電動機2を正転方向に駆動し、液圧シリンダ5を初期加工速度V2で前進させるための値がセットされ、これが速度設定信号として電動機駆動装置13へ出力される。次いで、手順25で加圧力Fが読み込まれ、手順26でこれが前設定値Fpに達するか否かが判別され、達しないときには、これら手順25、26が反復される。手順26で、加圧力FがFpに達することが判別されると、手順27に移行して、速度設定値として、電動機2を正転方向に駆動し、液圧シリンダ5を速度V3で前進させるための値がセットされ、これが速度設定信号として電動機駆動装置13へ出力される。そして、手順25、26により、本発明においての第1の加圧力検出機構が構成され、また、手順27により本発明においての低速信号発生機構が構成される。
【0020】
次いで、手順28で加圧力Fが読み込まれ、手順29でこれが目標加圧力Fsに達するか否かが判別され、達しないときには、これら手順28、29が反復される。手順29で、加圧力FがFsに達することが判別されると、手順30に移行してタイマーの計時が開始され、次いで手順31でピストンロッド5Dの作動位置Lが読み込まれ、手順32で電動機駆動装置13に変位制御を行うことを選択して手順33で、変位設定値として手順31で読み込んだLの位置にピストンロッド5Dを保つための値がセットされ、これが変位設定信号として電動機駆動装置13へ出力される。そして、手順28、29、31、32により本発明においての第2の加圧力検出機構が構成され、また、手順33により、本発明においての定位置信号発生機構が構成される。
【0021】
次いで手順34で加圧力Fが読み込まれ、手順35でタイムアップが判別されないとき手順36へ移行して加圧力Fと目標加圧力Fsの偏差が許容値Eより小さいか否かが判別されて許容値Eより小さいときには手順34、35、36が反復され、この間に手順35でタイムアップが判別されると加工作動は終了する。また、手順36で、偏差が許容値Eより大きいことが判別されると、手順37へ移行し電動機駆動装置13で速度制御を行うことが選択される。手順38によりFがFsより大きいときには手順39へ移行して、速度設定値として電動機2を逆転方向に駆動し、液圧シリンダ5を速度V4で後退させるための値がセットされ、これが速度設定信号として電動機駆動装置13へ出力される。また、手順38によりFがFsより大きくないときには手順40へ移行して、速度設定値として電動機2を正転方向に駆動し、液圧シリンダ5を前記速度V3で前進させるための値がセットされ、これが速度設定信号として電動機駆動装置13へ出力される。そして、手順34、36、37により本発明においての第1の加圧力偏差検出機構が構成され、手順38、39、40により、本発明においての補正機構が構成される。
【0022】
ここで、手順40でセットされる値は、実施例ではV3に等しくしたが、V3に等しくする必要はなく、例えばV3よりも小さい速度で液圧シリンダ5を前進させるための値をセットしても良い。しかしこの値が、V3よりもあまり大きいと、ピストンロッド5D前進に伴い加圧力Fが瞬時に大きく増加し、またV3よりもあまり小さいと、ピストンロッド5D前進に伴い加圧力Fが素早く増加せず、加圧力を精密にFs近傍に保つことが困難となるので、ほぼV3に近い値が選ばれる。これに対し、手順39によるV4は、手順40によりセットされる値よりも、またV3よりも一層小さい速度で液圧シリンダ5を後退作動させるように選定されている。これは、作動位置Lの変化に対する加圧力Fの変化が、前進作動時よりも後退作動時の方が一層大きいので、V3や手順40でセットされる速度設定信号と同程度の速度をV4が与えるようにしたときには、ピストンロッド5D後退に伴い加圧力Fが瞬時に大きく低下することとなって精密に加圧力をFsの近傍に保つことが困難となるからである。
【0023】
次いで手順41で加圧力Fが読み込まれ、手順42でタイムアップが判別されないとき手順43へ移行して加圧力Fと目標加圧力Fsの偏差が許容値Eより小さいか否かが判別されて許容値Eより大きいときには手順38、39又は40、41、42、43が反復され、この間に手順42でタイムアップが判別されると加工作動が終了する。また、手順43で、偏差が許容値Eより大きくないことが判別されると、手順31へ移行する。そして、手順41、43、31、32により本発明においての第2の加圧力偏差検出機構が構成される。
【0024】
次にこの実施例の作動を説明する。液圧シリンダ5のピストン5Aを後退端に位置させた状態より、加圧作動を開始すると、V1に基づく速度設定信号により電動機2が、そして液圧ポンプ1が駆動されて、液圧シリンダ5のピストン5A、ピストンロッド5DはV1の速度で前進する。これにより、ピストンロッド5Dの作動位置がL1に達すると、電動機2の速度がV2に基づく速度設定信号に応じて減速され、液圧シリンダ5のピストン5A、ピストンロッド5Dの前進速度は初期加工速度V2に減速される。この状態より、加工具7がワーク6に当接し、ワーク6への加工操作が開始され、これに応じ加圧力Fが目標加圧力Fsに達すると、タイマーの計時が開始されるとともに、このときのピストンロッド5Dの作動位置Lを保持するよう電動機2の変位制御が開始される。
【0025】
この状態においては、電動機2は加圧力Fに抗したトルクを作用したまま不動の状態となり、液圧ポンプ1からの吐出はなく、ピストン5Aは移動せず、前記作動位置Lが保持される。この間、液圧ポンプ1の内部漏れによる流路3側の圧力低下等により加圧力Fが目標加圧力Fsよりも許容値Eを越えて低下したり、ワーク6からのスプリングバック等で加圧力Fが目標加圧力Fsよりも許容値Eを越えて増加すると、手順36、37を経て、加圧力Fの補正作動が開始される。これにより、加圧力Fが許容値Eを越えて低下したときには、手順40によりセットされたV3の前進速度を与えるよう電動機2が正転されて加圧力Fを増加させ、また、加圧力Fが許容値Eを越えて増加したときには、手順39でセットされたV4の後退速度を与えるよう電動機2が逆転されて加圧力Fを減少させ、再び加圧力Fと目標加圧力Fsの偏差が許容値E以内となると、このときのピストンロッド5Dの作動位置Lを保持するよう、電動機2の前記変位制御を行う状態に復帰する。
【0026】
このような補正作動が、変位制御の間、加圧力Fと目標加圧力Fsの偏差が許容値Eを越えることが検出される都度行われる。そして、この間で、手順35、42でタイムアップが検出されると加工作動が終了される。これにより、タイマー計時開始からタイムアップするまでの所定時間の間、加圧力Fは目標加圧力Fs近傍に保たれ、実質的に目標加圧力Fsが保持される。そして加工作動の終了により、電動機2は、制御装置14及び電動機駆動装置13により液圧シリンダ5を後退作動させるため逆転駆動されるようになっており、ピストン5Aが後退端に達すると電動機2は停止され、次の加圧作動開始に備えるのである。なお、この後退速度はV1程度、あるいはそれより一層大きい、V2、V3、V4よりも大きな速度で行い、ピストン5Aが後退端に到達する少し前で減速させることで緩やかにピストン5Aを停止させることができる。
【0027】
このような作動において、電動機2で駆動される液圧ポンプ1は、漏れを無視すれば液圧シリンダ5を作動させるに要する量の圧液しか吐出しないので、従来例と比較するときわめて動力損失を少なくできる。また、液圧シリンダ5は閉回路で液圧ポンプ1に接続され、前進、後退作動は電動機2による液圧ポンプ1の正転、逆転駆動で得るようにしているので、作動方向切換用の切換弁が要らず液圧回路が簡単になる。
【0028】
そして、加工作動においては、開始から作動位置がL1に達するまで、液圧シリンダ5のピストンロッド5Dは高速のV1で作動し、L1に達すると初期加工速度V2に減速されるようになっているので、加工具7がワーク8近傍に素早く到達してサイクルタイムを小さくできる。
【0029】
また、初期加工速度V2で前進しているピストンロッド5Dは、加工具7がワーク6に当接し加工操作が始まり、これに応じて加圧力Fが、目標加圧力Fsより小さな前目標値Fpに達するとV3に減速されるようになっているので、加工の進行に伴い、作動位置Lの増加に対し加圧力Fが大きく増加するようになっても、時間変化に対する加圧力Fの増加を小さく抑えることができて加圧力Fが目標加圧力Fsを越えて大きく増加するような事態の発生を良好に抑えることができる。そして、補正作動においてピストンロッド5Dを後退させる際のV4はV3よりも小さくされているので、後退作動時においては、若干のピストンロッド5Dの作動位置Lの減少で加圧力Fがきわめて大きく減少して作動位置の変化に対する加圧力Fの変化が、前進作動時よりも一層大きいのにも係わらず、時間変化に対しての加圧力の変化(減少)を小さく抑えることができ、加圧力Fが目標加圧力Fsを越えて大きく減少するような事態の発生を良好に抑えることができる。このため、加圧力Fを目標加圧力Fs近傍に、精密に保つことができる。
【0030】
なお、実施例では、加圧力Fをロードセル8により直接的に検出しているが、さほどの精密さを期待しなくてよい場合には、流路3或いは作動室5Bの圧力が加圧力と略比例的な関係となるので、この圧力を検出して加圧力に代用することができる。
【0031】
【発明の効果】
このように本発明の液圧作動加圧加工装置では、電動機で駆動される液圧ポンプは、漏れを無視すれば液圧シリンダを作動させるに要する量の圧液しか吐出しないので、従来例と比較するときわめて動力損失を少なくできる。また、液圧シリンダは液圧ポンプに閉回路で接続され、前進、後退作動は電動機による液圧ポンプ1の正転、逆転駆動で得るようにしているので、作動方向切換用の切換弁が要らず液圧回路が簡単になる。
【0032】
また、液圧シリンダの前進速度は、加圧力が、目標加圧力より小さな前目標値に達すると第1の速度設定信号により減速されるようになっているので、加工の進行に伴い、作動位置の増加に対し加圧力が大きく増加するようになっても、時間変化に対する加圧力の増加を小さく抑えることができ、加圧力が目標加圧力を越えて大きく増加するような事態の発生を良好に抑えることができるとともに、補正機構において液圧シリンダを後退させる際の第2の速度設定信号は、第1、第3の速度設定信号よりも小さい液圧シリンダ速度をもたらすように選定したので、後退作動時においては、作動位置の変化に対する加圧力の変化が、前進作動時よりも一層大きいのに係わらず、時間変化に対しての加圧力の変化を小さく抑えることができて、加圧力が目標加圧力を越えて大きく減少するような事態の発生を良好に抑えることができ、加圧力を目標加圧力近傍に、精密に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を説明する説明図。
【図2】本発明の実施例での加工作動の概要を説明する説明図。
【図3】本発明の実施例の加工作動を行う際の手順を示す流れ図。
【符号の説明】
1 液圧ポンプ
2 電動機
5 液圧シリンダ
13 電動機駆動装置
14 制御装置
25、26 第1の加圧力検出機構
27 低速信号発生機構
28、29、31、32 第2の加圧力検出機構
33 定位置信号発生機構
34、36、37 第1の加圧力偏差検出機構
38、39、40 補正機構
41、43、31、32 第2の加圧力偏差検出機構
Claims (1)
- 加圧加工操作のため液圧ポンプに閉回路接続され液圧ポンプからの圧液により作動する液圧シリンダと、液圧ポンプを駆動する電動機と、インバータを介して電動機を給電制御し、電動機の速度、変位が入力する設定信号に応じた値となるよう調整する電動機駆動装置と、電動機駆動装置へ設定信号を出力する制御装置とを備え、制御装置は、加圧力が目標加圧力よりも小さい前目標値に達することを検出する第1の加圧力検出機構と、第1の加圧力検出機構で加圧力が前目標値に達したことを検出して作動され、液圧シリンダの前進速度を前目標値に達する前よりも小さい速度とする第1の速度設定信号を出力する低速信号発生機構と、液圧シリンダの作動位置を保つように変位設定信号を出力する定位置信号発生機構と、低速信号発生機構からの第1の速度設定信号に基づき液圧シリンダが作動しているとき加圧力を検出してこれが目標加圧力に達したことを検出すると、このときの液圧シリンダの作動位置を保つよう定位置信号発生機構を作動させる第2の加圧力検出機構と、液圧シリンダの加圧力が目標加圧力よりも、所定より大きいときには反加圧方向への第2の速度設定信号を、また所定より小さいときには加圧方向への第3の速度設定信号を出力する補正機構と、定位置信号発生機構が作動しているとき加圧力と目標加圧力との偏差を検出し偏差が所定以上に大きくなると補正機構を作動させる第1の加圧力偏差検出機構と、補正機構が作動しているとき加圧力と目標加圧力との偏差を検出し偏差が所定より小さくなるとこのときの液圧シリンダの作動位置を保つよう定位置信号発生機構を作動させる第2の加圧力偏差検出機構とを有し、第2の速度設定信号は、第1及び第3の速度設定信号よりも、小さな液圧シリンダ速度をもたらすように選定された液圧作動加圧加工装置。
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