JP2004174591A - 電動サーボプレスの機械保護方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスでの、下死点近傍の能力荷重を所定値以下に抑制する電動サーボプレスの機械保護方法を提供する。
【解決手段】電動サーボモータ21で、クランク軸やエキセン軸などの偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介してスライド3を駆動する電動サーボプレスの機械保護方法において、スライド下死点近傍で、スライド加圧力が所定値を超えないように、前記電動サーボモータの出力トルクを制御する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動サーボモータで、クランク軸やエキセン軸などの偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスの機械保護方法に関し、特に下死点近傍でのプレス機械の保護に適した電動サーボプレスの機械保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータによりクランク軸やエキセン軸などの偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介して上下動自在に駆動するスライドを有したプレス機械が多く用いられており、これらのプレス機械ではスライドに取付けられた上金型と、ボルスタ(またはベッド)上に設置された下金型の間でプレス加工を行うように構成されている。
【0003】
このようなプレスにおいては、図5に示すように、スライドストロークの下死点近傍では、モータ自体の出力トルクが一定であったとしても、前記回転機構やリンク機構等を介して伝達されるスライド加圧力は非常に大きくなり、下死点では理論的に無限大の加圧力が発生することにもなる。このため、従来の機械式プレスでは、過負荷回避による金型や機械の保護のために、油圧式のオーバロードプロテクタや、荷重検出センサで検出した荷重が所定の許容値を超えたら、スライドを急停止させるようにしたプレスが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
中小型プレス加工において、その高精度化、高速化の要求から、最近では、電動サーボモータで、クランク軸やエキセン軸などの偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介してスライドを駆動され、スライドモーションの全体は高速、高荷重を得意とするメカニカルな構成で、かつその加工ストローク域は電動サーボモータによりある程度スライドモーションに変化を持たせ得る、各利点を併せ持つ電動サーボプレスが開発されてきている。
【0005】
しかしながら、上記の電動サーボモータにおいても、サーボモータの出力トルクを所定値に制限したとしても、前述の理由から、下死点近傍では理論上無限大の加圧力が発生することもある。通常、プレス装置のスライド加圧力の定格値は、該プレス装置に求められる所定の最大荷重が規定されており、よってダイハイト設定ミス、ワーク違い、ダブルブランク、金型違い等に起因して能力以上の過大な加圧力が発生した場合には、機械自体および金型の破損、損傷に至ることがある。従って、これらのサーボプレスにおいては、過大な加圧力によって機械や金型を破損しないように、下死点近傍で規定加圧力以下に制限する必要がある。
【0006】
しかしながら、過負荷保護装置として前述の油圧式のオーバロードプロテクタを採用した場合、スライドに駆動装置からの駆動荷重を伝達する部分(例えばプランジャ)の下部とスライドとの間に操作油室、操作油の給排を切り換える切換弁、および操作油をフレームからスライドに導く可撓ホースなどを設置する必要があり、スライドはその構造が複雑となり大型化せざるを得なくなる。また、このスライドが大型化することからプレス本体も大きくせざるを得ず、オーバロードプロテクタ、およびその設置費用と相俟って、プレス全体がコスト高となる。
【0007】
また、スライド部分に操作油を使用することになるので、油もれが発生した場合、油汚れがプレスはもちろん加工物にまで及び、そのメンテナンスが必要となるのみならず、このオーバロードプロテクタは、本体フレームに囲まれて接近性の悪いスライドに設けられることとなり、そのメンテナンスは非常に困難と言える。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目してなされ、偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスでの、下死点近傍の能力荷重を所定値以下に抑制する電動サーボプレスの機械保護方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
本発明の目的を達成するために、第1発明は、電動サーボモータで、クランク軸やエキセン軸などの偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスの機械保護方法において、スライドの下死点近傍で、スライド加圧力が所定値を超えないように、前記電動サーボモータの出力トルクを制御する方法としている。
【0010】
第1発明によると、下死点近傍の加工ストローク域で、スライド位置に応じて、すなわち偏心軸回転角度に応じてモータ出力トルクの制限値を制御して、スライド加圧力が所定値(例えば、該プレス装置に求められている定格スライド加圧力)を超えないようにするので、過大な加圧力が発生することはなく、ダイハイト設定ミス、ワーク違い、ダブルブランク、金型違い等に起因する機械自体および金型の破損、損傷の発生を確実に防止できる。また、従来のオーバロードプロテクタのような特別な装置をスライドに設ける必要が無いので、複雑で大掛かりな機械構造とはならず、簡単な構成で小型化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図1〜図4を参照して詳細に説明する。
【0012】
先ず、図1、図2により、本発明が適用される電動サーボプレスの例として、電動サーボモータで回転機構とトグルリンク機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスの機械構成について説明する。図1、図2は、それぞれ本発明に係る電動サーボプレスの側面一部断面図および背面一部断面図である。
【0013】
プレス機械1は電動サーボプレスであり、プレス機械1の本体フレーム2の略中央部には、電動サーボモータ21により駆動されるスライド3が上下動自在に支承されており、このスライド3に対向する下部には、ベッド4上に取付けられたボルスタ5が配設されている。またスライド3の上部に形成された穴内には、ダイハイト調節用のねじ軸7の本体部が抜け止めされた状態で回動自在に挿入されている。ねじ軸7のねじ部7aは上方に向けてスライド3から露出し、ねじ軸7の上方に設けたプランジャ11の下部の雌ねじ部に螺合している。
ねじ軸7の本体部外周にはウォームギヤ8のウォームホイール8aが装着されており、このウォームホイール8aに噛合したウォームギヤ8のウォーム8bはスライド3の背面部に取付けたインダクションモータ9の出力軸にギヤ9aを介して連結されている。インダクションモータ9は、軸方向長さを短くしてフラット形状に、コンパクトに設けられている。
そして、これらインダクションモータ9、ギヤ9a、ウォームギヤ8、ねじ軸7およびプランジャ11によりダイハイト調節装置が構成されている。
【0014】
前記プランジャ11の上部は、第1リンク12aの一端部とピン11aにより回動自在に連結されており、この第1リンク12aの他端部と、本体フレーム2に一端部が回動自在に連結されている第2リンク12bの他端部との間には、三軸リンク13の一側に設けた2つの連結孔がピン14a,14bにより回動自在に連結されている。三軸リンク13の他側の連結孔は、スライド駆動部20の偏心軸28に回動自在に連結されている。これら第1リンク12a、第2リンク12bおよび三軸リンク13により、トグルリンク機構を構成している。
【0015】
本体フレーム2の側面部にはスライド駆動用の電動サーボモータ21が軸心をプレス左右方向に向けて取付けられており、該電動サーボモータ21の出力軸に取付けた第1プーリ22aと、電動サーボモータ21の上方に軸心をプレス左右方向に向けて回動自在に設けている中間シャフト24に取付けた第2プーリ22bとの間にはベルト23(通常はタイミングベルトで構成される)が巻装されている。また、中間シャフト24の上方の本体フレーム2には駆動軸27が回動自在に支承されており、駆動軸27の一端側に取付けたギヤ26は中間シャフト24に取付けたギヤ25と噛合している。そして、駆動軸27の軸方向中間部には偏心軸28が形成されており、この偏心軸28の外周部に前記三軸リンク13の他側が回動自在に連結されている。また、電動サーボモータ21の出力軸には、偏心軸28の回転角度を検出する偏心軸回転角度センサ29が取り付けられている。
【0016】
また、スライド3の背面部には、上下2箇所から本体フレーム2の側面部に向けて突出した1対のブラケット31,31が取付けてあり、上下1対のブラケット31,31間に位置検出ロッド32が取付けられている。この位置検出ロッド32には、位置検出用のスケール部が設けられており、リニアスケール等のスライド位置センサ33の本体部が上下動自在に嵌挿している。このスライド位置センサ33は、本体フレーム2の側面部に設けられている補助フレーム34にその脚部を固定されている。また、この補助フレーム34は上下方向に縦長に形成されており、下部がボルト35によりベッド近傍の本体フレーム2側面部に取付けられ、上部が図示しない上下方向長孔内に挿入されたボルト36により上下方向摺動自在に支持され、側部が前後1対の支持部材37,37により当接、支持されている。
【0017】
補助フレーム34は、上下いずれか一側(本例では下側)のみを本体フレーム2に固定し、他側を上下動自在にして支持する構造としているため、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けないようになっている。これにより、前記スライド位置センサ33は、本体フレーム2の温度変化による伸縮の影響を受けずに、スライド位置及びダイハイトを正確に検出可能としている。
【0018】
次に、本発明に係る制御装置について説明する。
図3は本発明に係る制御装置のハード構成ブロック図であり、図3により本制御装置の構成およびその作用を説明する。
本制御装置は、制御器10、メモリ10a、モーション設定手段17、偏心軸回転角度センサ29、スライド位置センサ33、サーボアンプ45および電動サーボモータ21を備えている。
【0019】
モーション設定手段17は、ワークの加工条件に応じてスライドモーションを設定するものであり、スライドモーションを規定するデータを設定するためのテンキー等のスイッチ、または予め設定されたこれらの数値を記憶したICカード等の外部記憶媒体からのデータ入力装置を有している。
【0020】
メモリ10aには、前記モーション設定手段17で設定されたモーションデータを記憶しており、また、スライドモーション制御のための、電動サーボモータ21の回転角度(以下、モータ回転角度と言う)とスライド位置との関係データを記憶する(モータ回転角度/スライド位置関係データ記憶部)と共に、偏心軸28の各回転角度に対するモータ出力トルクとスライド発生加圧力との関係データを記憶している(モータトルク/発生加圧力関係データ記憶部)。上記のモータ回転角度とスライド位置との関係データは、前記トグルリンク機構の各リンク12a,12b,13の長さ、偏心軸28の偏心長さ、および偏心軸28の回転中心位置とトグルリンクとの関係などの機械的寸法によって決まる関数式で求まるものであり、この関数式自体を記憶しておいてもよいし、または関数式をテーブルデータとして記憶しておいてもよい。また、前記の各偏心軸回転角度に対するモータ出力トルクとスライド加圧力との関係データは、機械的な寸法から決まる変換式により求めることができ、この変換式自体を記憶しておいてもよいし、または関数式をテーブルデータとして記憶しておいてもよい。
【0021】
前記スライド位置センサ33および偏心軸回転角度センサ29は、それぞれ検出したスライド位置および偏心軸回転角度を制御器10に出力している。
【0022】
制御器10はコンピュータ装置やPLC(プログラマブルロジックコントローラ、所謂プログラマブルシーケンサである)等の高速演算装置から構成されている。この制御器10は、スライドがモーション設定手段17により設定された所定のモーションに従って移動するように、所定のサーボ演算周期毎に、スライドの目標位置指令を演算し(スライド位置指令演算部)、前記メモリ10aに記憶したモータ回転角度とスライド位置との関係データを参照して、前記スライドの目標位置指令とスライド位置センサ33の検出位置信号とに基づいてサーボモータ21速度指令を演算してサーボアンプ45に出力する(速度指令演算部)と共に、このモーション制御の際に、所定のスライド加圧力になるように、メモリ10aに記憶したモータトルク/発生加圧力関係データに基づいて、偏心軸回転角度センサ29により検出した偏心軸回転角度θに応じてモータトルク制限値を求めて、サーボアンプ45にこの求めたトルク制限値を設定する(モータトルク指令演算部)。
【0023】
サーボアンプ45は、制御器10からの前記トルク制限値指令に基づき、モータ負荷電流がこのトルク制限値を越えないようにモータ負荷電流を制御する。また、サーボアンプ45には、図示しないモータ回転角度センサからのモータ回転角度がフィードバックされており、前記制御器10からの速度指令と前記モータ回転角度から求まる速度フィードバック信号との偏差値を演算し、求めた偏差値に基づき、該偏差値を小さくするように電動サーボモータ21を制御する。これにより、スライドの位置および速度が精度良く制御される。
【0024】
次に、図4により、本発明に係るサーボプレスの機械保護方法を実行するための、制御器10の具体的な制御処理方法を説明する。図4はその機械保護方法の説明図で、その図4(a)はスライドモーションの一例を、図4(b)はそのときのモータトルクの変化を、図4(c)はそのときのスライドの発生加圧力をそれぞれ表している。ここで、図4において、横軸は偏心軸回転角度θを示し、(a)の縦軸はスライド位置(スライドストローク)を、(b)の縦軸は電動サーボモータ21の出力トルクをそのモータ定格トルクに対する負荷率%で、そして(c)の縦軸はスライドの発生加圧力をそれぞれ示している。
なお、スライドモーションは、サーボモータの回転数を一定に保ったままでも、リンク機構を介することにより下死点の近傍でスライドの下降速度を落とすことが可能であるが、サーボモータの回転数を増減させることにより、図4(a)のようにメリハリのあるスライドモーションを実現させることが可能である。図4(b)において、下降行程前半にモータトルクの波形が波打っているのは、サーボモータの回転数の増減によるものである。
また、上死点停止をさせずに、スライドを連続運転させてもよい。
【0025】
図4(c)に示すように、下死点の近傍以外の領域では、制御器10はモータトルク制限値TLとして一定値Ta(例えば、定格トルクの200%)をサーボアンプに設定する。従って、この領域のスライド最大発生加圧力は、前記モータトルクと加圧力との関係式に従って、上記所定のモータトルク制限値Taを偏心軸回転角度θに応じてスライド発生加圧力に変換したカーブで推移し、この結果下死点に近づくにつれて徐々に増加する。
【0026】
次に、スライド発生加圧力が制限値F(例えば定格値F0)に達した領域では、制御器10は、スライドの発生加圧力が制限値Fに略一定になるように制御するために、前記モータトルク/発生加圧力関係データに基づいて、偏心軸回転角度センサ29により検出した偏心軸回転角度θに応じて該加圧力制限値Fをモータ出力トルクに換算し、この換算した値をトルク制限値としてサーボアンプ45に設定する。
【0027】
次に、上記構成による本実施形態の作用を、図4を参照して説明する。
スライドモーションが、図4(a)に示すように、下死点近傍で、かつ下死点手前の下限位置D1(下死点も含む)を最下点目標位置として設定されているものとする。スライド3が該モーションに沿って下降したとき、スライドの発生加圧力が制限値F以下ならば、図4(b)に示すように、モータトルク制限値TLは所定のトルク値Ta(定格トルクに対するα%で表す。図示では200%)に設定されている。従って、成形加工時に必要な加工トルクおよび、サーボモータを加減速した場合に必要な加減速トルクはこのモータトルク制限値Ta以内で変化する。ワーク加工行程に入ると、加工トルクのためにモータトルクが増大して上記モータトルク制限値Taに達し、該トルク制限値のまま加工が進行する。このとき、スライドの発生加圧力は、スライドが下限位置D1に近づくにつれて、能力荷重線図に沿って徐々に増加し、ついには発生加圧力の制限値Fに達する。
【0028】
発生加圧力の制限値Fに達すると、モータトルク制限値TLを、図4(b)のカーブCで示すように、下限位置D1に近づくにつれて次第に小さく制御し、これにより発生加圧力は図4(c)に示す制限値Fに略一定になるように制御される。
【0029】
上述したように、本実施形態によると、電動サーボモータ21で偏心軸28の回転駆動とトグルリンク機構を介してスライド3を駆動する電動サーボプレスにおいて、下死点近傍でのスライドの発生加圧力が所定の値を超えないように、偏心軸28の回転角度に対するモータ出力トルクとスライド加圧力との関係データに基づいて、電動サーボモータ21の出力トルクを制限するので、従来技術で述べたようにスライドの発生加圧力が下死点近傍で過大になることはない。従って、ダイハイト設定ミス、ワーク違い、ダブルブランク、金型違い等があっても、プレス機械自体および金型に過大荷重がかかることがなく、これらの破損、損傷の発生を確実に防止できる。
【0030】
また、従来のオーバロードプロテクタのような特別な装置をスライドに設ける必要が無いので、従来必要とした、スライドに駆動装置からの駆動荷重を伝達する部分(例えばプランジャ)の下部とスライドとの間に、操作油室、操作油の給排を切り換える切換弁、および、操作油を本体フレームからスライド側に導く可撓ホースなどが不要となり、スライドはその構造が簡単になり小型化できる。また、スライドの小型化によって、当然ながらプレス本体も小さくでき、オーバロードプロテクタの削減と相俟って、プレス全体のコストを大幅に低減できる。
【0031】
なお、上記実施形態では、電動サーボモータで回転駆動とリンク機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスの例で説明したが、本発明はこの構造に限定されるものではなく、例えばクランク軸やエキセン軸などの偏心回転機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスにも適用できることは言うまでもない。
また、下死点近傍のスライドの発生加圧力を略一定値に制御する例で示したが、これに限定されない。要は所定値以下に抑制すればよく、その抑制時の能力荷重カーブは曲線または傾斜した直線であっても構わない。
【0032】
なお、例えば偏心回転機構を介してスライドを駆動する電動サーボプレスのように、理論的には下死点においてスライドに無限大の加圧力が発生する場合、発生加圧力を一定値Fに保つためには、モータトルクを限りなく0に近づける必要がある。しかし、現実的にはプレスのフレームのたわみおよび駆動系部品の変形等によって無限大の加圧力の発生は生じない。むしろ、フレームのたわみ等によって、期待する加圧力が発生しないという問題も生じる。そこで、モータトルクには、これらのことを考慮した最適な下限値Tdを設けている。
【0033】
上記したように、本発明によると、下死点近傍でのスライドの発生加圧力が制限値を越えないように、偏心軸回転角度に応じてモータトルク制限値を制御している。すなわちモータトルク値を制限するので、過大な加圧力が発生することはなく、所定値以下に抑制することができる。従って、この抑制する所定値を当該プレス装置の機械自体および金型の理想的な保護が行える程度の大きさに設定することにより、ダイハイト設定ミス、ワーク違い、ダブルブランク、金型違い等に起因する機械自体および金型の破損、損傷の発生を確実に防止できる。また、従来のオーバロードプロテクタのような特別な装置をスライドに設ける必要が無いので、複雑で大掛かりな機械構造とはならず、簡単な構成で小型化ができる。
【0034】
またさらに、スライド部分にはオーバロードプロテクタ用の操作油を導く必要がないので、その油もれの心配はなく、プレスはもちろん加工物の汚れ、対策およびそのメンテナンスは不必要となる。しかも、このオーバロードプロテクタは、本体フレームに囲まれ接近性の悪いスライドに設けられており、そのメンテナンスは非常に困難であったが、この面倒もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される電動サーボプレスの側面一部断面図である。
【図2】本発明が適用される電動サーボプレスの背面一部断面図である。
【図3】本発明に係る制御装置のハード構成ブロック図である。
【図4】本発明に係る機械保護方法の説明図である。
【図5】従来技術の回転機構やリンク機構を有するプレスの能力荷重カーブである。
【符号の説明】
1…プレス機械、2…本体フレーム、3…スライド、4…ベッド、5…ボルスタ、7…ねじ軸、7a…ねじ部、8…ウォームギヤ、8a…ウォームホイール、8b…ウォーム、9…インダクションモータ、9a…ギヤ、10…制御器、10a…メモリ、11…プランジャ、11a…ピン、12a…第1リンク、12b…第2リンク、13…三角リンク、14a,14b…ピン、17…モーション設定手段、20…スライド駆動部、21…電動サーボモータ、22a…第1プーリ、22b…第2プーリ、23…ベルト、24…中間シャフト、25…ギヤ、26…ギヤ、27…駆動軸、28…偏心軸、29…偏心軸回転角度センサ、31…ブラケット、32…位置検出ロッド、33…スライド位置センサ、34…補助フレーム、35…ボルト、37…当接部材、45…サーボアンプ。

Claims (1)

  1. 電動サーボモータ(21)で、クランク軸やエキセン軸などの偏心軸による回転機構、または回転駆動とリンク機構を介してスライド(3)を駆動する電動サーボプレスの機械保護方法において、
    スライド(3)の下死点近傍で、スライド加圧力が所定値を超えないように、前記電動サーボモータ(21)の出力トルクを制御する
    ことを特徴とする電動サーボプレスの機械保護方法。
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