JP3922788B2 - 給湯方法および給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再給湯特性を改善することができる給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な給湯装置は、熱交換部と、燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管とを備えている。配管には、水の流れを検出する検出手段が設けられている。配管の下流端に設けられた給湯栓を開くと、この検出手段が配管内の水の流れを検出する。この検出信号に応答して、制御手段は、上記燃焼部での燃焼を実行し、熱交換部を加熱する。配管内の水はこの熱交換部を通る過程で熱せられて湯となり、給湯栓から吐出される。
上記制御手段は、出湯温度が設定温度になるように燃焼部での燃焼熱量を制御する。そして、給湯栓が閉じられ、検出手段で配管内の水の流れを検出しなくなった時に、燃焼部での燃焼を停止する。このようにして、給湯が停止される。
【0003】
ところで、上記給湯装置には、給湯停止後に熱交換部内に留まっている湯の温度が一時的に上昇する現象、いわゆる後沸き現象が生じる。これは、給湯停止直後に、熱交換部に蓄えられた熱量が、熱交換部内に留まっている湯に、伝達されるためである。
最近、給湯装置は再出湯開始時、点火から熱交換部への伝熱が開始されるまでの間約1秒かかり、この間は給湯装置に水が入るのみで加熱されることがない。最近、この分の熱量を後沸きで生じる熱量で補い、又この後沸き現象を積極的に利用して、給湯が停止してから所定時間例えば5分以内に給湯栓を開いて再給湯させる場合には、この再給湯開始直後でも設定温度に近い温度の湯を吐出できるようにした給湯装置が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記後沸き現象を利用して、5分間以内での再給湯直後の湯の安定を図るためには、上記給湯停止時点で蓄えられる熱交換部での熱量と、熱交換部に蓄えられる湯ないし水の量との相対的関係を適度な範囲にする必要がある。蓄熱量が滞留湯の量に対して大き過ぎると、後沸きが著しく滞留湯の温度が過度に上昇してしまうし、蓄熱量が滞留湯の量に対して小さ過ぎると十分な後沸きが得られないからである。そのため、熱交換部の熱容量(質量)、保有水量(熱交換部を通る配管の径及び長さ)を適度に設計する必要があり、設計上制約が大きかった。
また、燃焼能力(燃焼号数)の大きな給湯装置例えば32号の給湯装置を一般家庭で使用する場合、設定温度が40度前後であると、給湯栓を全開しても、最大燃焼能力で燃焼することがなく、その1/2〜1/3の燃焼熱量を発生させるだけである。この場合、熱交換部の熱容量が大きいにも拘わらず、その一部を加熱するだけであるため、後沸きが小さく、再給湯直後の湯を設定温度に近づけることはできなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段と備えた給湯装置において、上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて総燃焼熱量を決定し、上記給湯停止時点からこの総燃焼熱量に達するまで継続燃焼を行うことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の給湯装置において、上記給湯時の燃焼状況の情報が、単位時間当たりの燃焼熱量,設定温度のいずれか一方または両者を含むことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の給湯装置において、上記燃焼部は、独立して燃焼制御可能な複数の燃焼領域を有しており、上記給湯時の燃焼状況の情報が、給湯時に燃焼状態にあった燃焼領域の数の情報を含み、上記制御手段は、給湯停止時点において、この燃焼領域の数に対応した総燃焼熱量を演算することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置において、上記制御手段は、外気温度にも対応して、上記継続燃焼時の総燃焼熱量を決定することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の給湯装置において、上記配管は、熱交換部を通る受熱管と、受熱管の入口と出口にそれぞれ接続された給水管および給湯管と、受熱管と並列をなして給水管および給湯管に接続されたバイパス管とを備え、上記制御手段は、給水管からバイパス管を経て給湯管に入る入水温度にも対応して、上記継続燃焼時の総燃焼熱量を決定することを特徴とする。
請求項6の発明は、熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段とを備えた給湯装置において、上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて継続燃焼時間を演算し、上記給湯停止時点からこの継続燃焼時間だけ、所定の単位時間当たりの燃焼熱量で継続燃焼を行い、上記給湯時の燃焼状況の情報が、単位時間当たりの燃焼熱量,設定温度のいずれか一方または両者を含むことを特徴とする。
請求項7の発明は、熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段とを備えた給湯装置において、上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて継続燃焼時間を演算し、上記給湯停止時点からこの継続燃焼時間だけ、所定の単位時間当たりの燃焼熱量で継続燃焼を行い、上記制御手段は、外気温度にも対応して、上記継続燃焼時の継続燃焼時間を決定することを特徴とする。
請求項8の発明は、熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段とを備えた給湯装置において、上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて継続燃焼時間を演算し、上記給湯停止時点からこの継続燃焼時間だけ、所定の単位時間当たりの燃焼熱量で継続燃焼を行い、上記配管は、熱交換部を通る受熱管と、受熱管の入口と出口にそれぞれ接続された給水管および給湯管と、受熱管と並列をなして給水管および給湯管に接続されたバイパス管とを備え、上記制御手段は、給水管からバイパス管を経て給湯管に入る入水温度にも対応して、上記継続燃焼時の継続燃焼時間を決定することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1〜4,6,7のいずれかに記載の給湯装置において、上記配管は、熱交換部を通る受熱管と、受熱管の入口と出口にそれぞれ接続された給水管および給湯管と、受熱管と並列をなして給水管および給湯管に接続されたバイパス管とを備え、このバイパス管にバイパス弁が設けられており、上記制御手段は、上記検出手段で水流を検出した時に、上記熱交換部から出てきた湯の温度または前回の給湯停止からの経過時間に対応して、バイパス弁を制御することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、給湯装置は、大きな燃焼能力(例えば、32号)を有するものであり、多数のフィン11を有する熱容量の大きな熱交換部10と、この熱交換部10に燃焼熱量を供給する燃焼部20(熱発生部)とを有している。燃焼部20は、3つの燃焼領域21,22,23を有している。ガス供給管30は、主管部35と、この主管部35から分岐した3つの分岐管部31,32,33を有している。主管部35には、主開閉弁45と比例弁46が設けられ、分岐管部31,32,33にはそれぞれ副開閉弁41,42,43が設けられている。
【0009】
給湯のための配管50は、熱交換部10を通る受熱管51と、この受熱管51の入口端に接続された給水管52と、受熱管51の出口端に接続された給湯管53とを有している。給湯管53には、水量制御弁54が設けられるとともに、その下流端には給湯栓55が設けられている。さらに配管50は、受熱管51と並列をなす2本のバイパス管56,57を有している。熱交換部10に近い方のバイパス管56と給水管52,給湯管53との接続点をP1,P2で示す。また、熱交換部10から遠い方のバイパス管57と給水管52,給湯管53との接続点をP3,P4で示す。このバイパス管57には、電磁開閉弁からなるバイパス弁58が設けられている。
【0010】
給水管52には、入水温度TINを検出するための入水温度センサTHINが設けられている。また、給湯管53には、熱交換部10と接続点P2との間において、熱交換部10の出口からの湯の温度TOUTを検出する出口温度センサTHOUTが設けられている。さらに、給湯管53には、接続点P4より下流側において出湯温度TMIXを検出するための出湯温度センサTHMIXと、配管50を流れる水の量すなわち出湯量を検出するフローセンサFL(水流を検出するための検出手段)が設けられている。
【0011】
本給湯装置は、更に、マイクロコンピュータを含む制御ユニット60(制御手段)と、この制御ユニット60にユーザー設定温度TSの情報を送るリモートコントローラ65とを備えている。制御ユニット60は、この設定温度TS、および上記検出温度TIN,TOUT,TMIX,フローセンサFLからの検出流量等に基づいて、点火機構,ガス供給のための弁41,42,43,45,46,水量制御弁54,バイパス弁58を制御するようになっている。
【0012】
なお、本給湯装置は、上記熱交換部10を通る風呂追焚用の配管や、上記給湯管53から風呂追焚用の配管に連なる湯張り管等を備えているが、本発明の要旨ではないので図示を省略する。
【0013】
上記構成をなす給湯装置において、制御ユニット60は、図2に示す制御ルーチンを実行する。詳述すると、フローセンサFLで検出される流量が、非常に低く設定された閾値を越えたか否か、換言すればユーザーが給湯栓55を開いて配管10に水が流れているか否かを判断する(ステップ101)。ここで肯定判断するまで待機する。肯定判断した時には、燃焼ランプをオンにして給湯制御を実行する(ステップ102)。この給湯制御では、最初に主開閉弁45と少なくとも1つの副開閉弁41〜43を開くとともに点火動作を行うことにより、燃焼部20での燃焼を開始する。そして、フローセンサFLで検出された流量と、温度センサTHINで検出された入水温度TINとリモートコントローラ65で設定されたユーザー設定温度TSに基づいてフィードフォワード制御成分を演算し、温度センサTHMIXで検出された出湯温度TMIXと設定温度TSに基づいてフィードバック制御成分を演算する。そして、このフィードフォワード制御成分にフィードバック制御成分を加算した制御値に基づいて、出湯温度TMIXが設定温度TSになるように、供給ガス量すなわち単位時間当たりの燃焼熱量を制御する。
【0014】
より詳しくは、要求する単位時間当たりの燃焼熱量が小さい場合には、燃焼部20において1つの燃焼領域21に対応する副開閉弁41を開き、他の副開閉弁42,43を閉じたままにして、この燃焼領域21でのみ燃焼を実行する(一面燃焼)。この状態で、比例弁46を制御することにより、第1の上限値まで、供給ガス量、ひいては単位時間当たりの燃焼熱量を無段階に制御する。
要求する単位時間当たりの燃焼熱量が第1の上限値を越える場合には、2つの副開閉弁41,42を開いて燃焼領域21,22での燃焼を実行する(二面燃焼)。そして、比例弁46の制御により、第2の上限値までの範囲で、供給ガス量を無段階で制御する。
要求する単位時間当たりの燃焼熱量が第2の上限値を越える場合には、全ての副開閉弁41〜43を開くとともに比例弁46を制御することにより、燃焼領域21〜23での燃焼を実行して(三面燃焼)、第3の上限値,すなわち最大燃焼能力までの範囲で、供給ガス量を無段階で制御する。
【0015】
要求する単位時間当たりの燃焼熱量が最大燃焼能力を越える場合には、水量制御弁54を絞り、出湯量を最大燃焼能力に見合った量に抑制する。
バイパス弁58は、通常の給湯制御では開いているが、設定温度が非常に高い場合例えば60°C以上の場合には閉じられる。なお、バイパス弁58の給湯制御の初期段階での開きタイミングについては後述する。
【0016】
上記給湯制御は、次のステップ103で、フローセンサFLでの検出流量が閾値を下回ると判断するまで、すなわちユーザーが給湯栓55を閉じることによって水流非検出状態に変わり、給湯が停止したと判断するまで継続される。ステップ103で水流検出せずと判断した時には、ステップ104に進む。ここでは、上記給湯制御時に三面燃焼であったか否かを判断する。ここで肯定判断した時には、主開閉弁45,副開閉弁41〜43を閉じて、燃焼状態を即座に停止する(残火燃焼時間ゼロ)。三面燃焼の場合には、十分な燃焼熱量が熱交換部10に付与されていて蓄熱量が大きいので、熱交換部10の熱容量(質量)が大きくても、十分な後沸きが期待でき、例えば1分後に所定温度以上(例えば60°C以上)にすることができるからである。
【0017】
上記ステップ104で否定判断した場合、すなわち、一面燃焼状態か二面燃焼状態と判断した時には、まず、燃焼ランプを消灯させて利用者に器具が正常動作しているとの安心感を与えてから、残火状態に入り、残火燃焼時間t0(継続燃焼時間)を演算する(ステップ105)。この残火燃焼時間t0は、燃焼領域の数に対応して設定される。一面燃焼状態と判断した場合には、二面燃焼状態と判断した場合よりも、残火燃焼時間t0が長くなる。例えば、一面燃焼状態の場合には0.8秒とし、二面燃焼状態の場合には0.5秒とする。
【0018】
残火燃焼時間t0は、TOUT(又はTS)に基づいて変えてもよい。つまり、1分経過後の温度をある温度範囲にしたいわけだから、TOUTが低い場合はt0を大きくTOUTが高い場合にはt0を小さくした方が好ましい。又、TOUTが高い場合にはt0を小さくしたいが、逆に時間の単位(1/100秒)が小さくなり、制御が難しくなるので、TOUTが高い場合にはステップ103でNOとなった後、比例弁を最小開度にしてからt0をカウントする方が好ましい。
【0019】
次に、上記残火燃焼時間t0だけ燃焼状態を継続する(ステップ106)。本実施形態では、給湯燃焼制御時に二面燃焼であった場合には、そのままの二面燃焼状態で第2の上限値または所定の供給ガス量(所定の単位時間当たりの燃焼熱量)にして、燃焼を延長継続する。また、給湯制御時に一面燃焼であった場合には、副開閉弁32を開いて二面燃焼状態にし、上記所定の供給ガス量で、燃焼を延長継続する。この説明から明らかなように、給湯制御時に一面燃焼,二面燃焼であった場合には、熱交換部10に付与される単位時間当たりの燃焼熱量が小さく蓄熱量が小さいので、後沸きが小さいが、この残火燃焼を実行して、熱交換部10に滞留している湯に燃焼熱量を加えることにより、この滞留湯の温度を所定温度以上(60°C以上)に上げることができるのである。給湯制御時に一面燃焼の場合と二面燃焼の場合とでは、熱交換部10の蓄熱量に差があるが、それに対応して残火燃焼時間t0を異ならせ、ひいては残火燃焼で付与される総燃焼熱量を異ならせたので、残火燃焼終了時点またはそれから所定時間例えば1分経過時点において、熱交換部10での滞留湯の温度を同等にすることができる。
【0020】
なお、給湯時に二面燃焼の場合には、上記と同様に二面燃焼で残火燃焼を行い、給湯時に一面燃焼の場合には、一面燃焼のまま残火燃焼を行ってもよい。ただし、給湯時に一面燃焼の場合には、上記の例よりも燃焼時間を長くし、給湯時に二面燃焼の場合よりも残火燃焼による総燃焼熱量を多くするのは勿論である。
【0021】
上記残火燃焼制御は、設定時間t0経過したと判断した時(ステップ107)に終了し、燃焼停止して(ステップ108)、ステップ101の待機状態に戻る。そして、ユーザーが再び給湯栓55を開くと、ステップ101で肯定判断して給湯制御(ステップ102)を開始する。
上述した熱交換部10の滞留湯の温度は放熱により徐々に低下するが、給湯再開が、所定時間以内例えば5分以内であれば、十分に暖かい温度を維持しているので、給湯初期にこの暖かい滞留湯を給湯栓55から吐出させることができる。したがって、ユーザーは、給湯初期のごく短い時間、すなわち滞留湯が給湯栓55に達するまでの時間だけ低温の湯または水を我慢するだけで、その後は暖かい湯を享受することができる。
【0022】
次に、給湯の初期段階の制御、特にバイパス弁58の制御を詳細に説明する。このバイパス弁58の制御について説明する前に、熱交換部10からの湯と、バイパス管56,57からの水との混合について予め説明しておく。バイパス弁58が閉じている状態では、熱交換部10からの湯とバイパス管56からの水の混合比はX:(1−X)である。
したがって、出湯温度TMIXは次式で表すことができる。
TMIX=TOUT・X+TIN(1−X) ・・・(1)
また、バイパス弁58が開いている状態では、熱交換部10からの湯と2本のバイパス管56,57からの水の混合比はY:(1−Y)である。
したがって、出湯温度TMIXは次式で表すことができる。
TMIX=TOUT・Y+TIN(1−Y) ・・・(2)
勿論、Y<Xであり、本実施例では、Y=0.45,X=0.7である。
【0023】
上記後沸き,残火燃焼の結果、滞留湯の温度は給湯停止から例えば1分経過時点でピークとなり、その後は放熱により徐々に低下する。本実施形態では、給湯停止から約5分経過時点でも、熱交換部10の滞留湯は設定温度に近い温度にある。給湯開始時点で、熱交換部10の滞留湯を出口温度センサTOUTで検出する。この出口温度TOUT(滞留湯温度)と設定温度TSと入水温度TINとに基づいて、バイパス弁58を早期に開くか否かを判断する。すなわち、上記(1)式と(2)式に基づいて、出湯温度TMIXを予想する。そして、設定温度TSに近い方の予想出湯温度TMIXを選択する。換言すれば、バイパス弁58を開くか閉じるかを選択する。そして、バイパス弁58を開く場合には、早期に(すなわち滞留湯が最初に接続点P4に達するまでの時間経過時点より前に)、バイパス弁58を開く。これにより、給湯開始直後の実際の出湯温度を、設定温度TSに近づけることができる。
【0024】
例を挙げて説明すると、給湯開始時点の滞留湯の温度TOUTが55°Cであり、入水温度TINが20°Cであり、設定温度TSが40°Cである場合、(1)式に基づく予想出湯温度TMIXは44.5°Cであり、(2)式に基づく予想出湯温度TMIXは39.25°Cである。設定温度TSに近いのは、(2)式に基づく予想出湯温度TMIXであるから、この場合には、バイパス弁58を上記のタイミングで開く。
同じ条件で設定温度TSが43°Cの場合には、設定温度TSに近いのは、(1)式に基づく予想出湯温度TMIXであるから、この場合には、バイパス弁58を上記のタイミングで開かず、滞留湯がすべて給湯栓55から出湯され、出湯温度が安定してからバイパス弁58を開く。なお、この場合、バイパス弁58の開動作に先立って、供給ガス量は予め増やしておく。
【0025】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用することができる。例えば、給湯停止時に、残火燃焼による総燃焼熱量をどの程度にするかを、より精密な燃焼状況の情報、例えば給湯停止直前における実際の単位時間当たりの燃焼熱量(供給ガス量)に応じて無段階に決定してもよい。すなわち、実際の単位時間当たり給湯燃焼熱量が小さいほど残火燃焼による総燃焼熱量を大きくするのである。この単位時間当たりの燃焼熱量は、副開閉弁41〜43の開閉情報と、比例弁46の開度情報から得てもよいし、あるいは設定温度と入水温度と出湯量から演算してもよい。このようにすれば、より高精度に給湯停止時点から所定時間例えば1分経過時点での滞留湯の温度を一定にすることができる。総燃焼熱量が決定された場合、単位時間当たりの燃焼熱量の時間積分により、決定された総熱量熱量に達するまで(換言すれば限られた時間で)、残火燃焼を実行する。単位時間当たりの燃焼熱量は任意に決定できるが、常に一定であってもよいし、給湯停止時の単位時間当たりの燃焼熱量であってもよい。なお、残火燃焼による単位時間当たりの燃焼熱量が常に一定の場合には、総燃焼熱量の代わりに、直接残火燃焼時間を決定し、この決定された残火燃焼時間だけ残火燃焼を実行する。
同様に、残火燃焼をするか否かを、実際の単位時間当たりの給湯燃焼熱量に基づいて判断してもよい。例えば給湯燃焼熱量が閾値より高い場合には、残火燃焼をせず(残火燃焼時間ゼロ)、閾値より低い場合には、前述したと同様に給湯燃焼熱量に対応して残火燃焼をする。
【0026】
また、残火による総燃焼熱量または残火燃焼時間をどの程度にするかを、他の燃焼状況例えばユーザー設定温度に応じて決定してもよいし、このユーザー設定温度と上記給湯燃焼熱量に応じて決定してもよい。すなわち、ユーザー設定温度が高いほど、総燃焼熱量を多くしたり残火燃焼時間を長くするのである。
【0027】
また、残火による総燃焼熱量または残火燃焼時間をどの程度にするかを、給湯燃焼熱量,ユーザー設定温度のいずれか一方または両者と、外気温度に応じて決定してもよい。すなわち、外気温度が低いほど残火燃焼による総燃焼熱量を多くしたり、残火燃焼時間を長くして、放熱分を補償するのである。
【0028】
さらに、給湯用配管50がバイパス管56を備えている場合には、給湯燃焼熱量,ユーザー設定温度,外気温度のうちのいずれか1つまたは2つあるいは全ての情報に加えて、入水温度センサTHINで検出される入水温度TINにも対応して、残火による総燃焼熱量または残火燃焼時間をどの程度にするかを、決定してもよい。すなわち、入水温度TINが低いほど、残火燃焼による総燃焼熱量を多くしたり、残火燃焼時間を長くして、湯水混合による出湯温度の低下分を補償するのである。
【0029】
上記バイパス弁58の給湯制御の初期段階での開閉の選択は、(1)式に基づく予想出湯温度が設定温度から所定温度例えば3°C高い上限温度を越える場合には、上記比較をすることなくバイパス弁58の初期段階での開動作を決定し、安全を確保してもよいし、(2)式に基づく予想出湯温度が設定温度から所定温度例えば3°C低い下限温度を下回る場合には、上記比較をすることなくバイパス弁58の初期段階での閉じを決定し、利便性を追求してもよい。
【0030】
上記給湯初期のバイパス弁58の開閉の選択に際して、上記出口温度センサTHOUTの検出情報ではなく、給湯停止時の燃焼熱量(供給ガス量)と、外気温度と、給湯停止から給湯再開までの経過時間とから、滞留湯の温度を予想してもよい。
上記バイパス弁58の開閉の選択は、給湯停止から再給湯するまでの経過時間だけに基づいて行ってもよい。例えば、所定時間例えば3分経過前であれば、バイパス弁58を給湯初期段階で開き、3分経過後であればバイパス弁58を給湯初期段階では閉じておく。
バイパス弁58は、給湯時に原則として閉じにし、初期段階にのみ必要に応じて開くようにしてもよい。
【0031】
開閉式のバイパス弁の代わりに、水量制御式のバイパス弁例えば、ギアモータ駆動により開度を無段階で調節できるバイパス弁を用いてもよい。この場合には、給湯初期において出口温度TOUTと入水温度TINに応じてバイパス弁の開度を調節することにより、出湯温度を設定温度により一層近づけることができる。
【0032】
図1において、バイパス管57とバイパス弁58を省いて、バイパス管56からの水と熱交換部10からの湯を混合させるようにしてもよい。この場合には、湯水混合比は一定である。また、バイパス管56,57を省いてもよい。
特に燃焼能力の大きい給湯装置の場合には、無条件で残火燃焼を行ってもよいし、給湯時の燃焼状況に拘わらず一定の総燃焼熱量になるように残火燃焼を実行してもよい。
リモートコントローラ65に燃焼ランプを設け、給湯燃焼と残火燃焼を実行している時には、この燃焼ランプを点灯させてもよいし、給湯燃焼と残火燃焼のそれぞれに対応する燃焼ランプを設け、その点灯で対応する燃焼を表示してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、6の発明によれば、給湯停止後も継続して限られた時間だけ熱交換部を加熱することにより、給湯再開時の出湯特性を向上させることができる。しかも、給湯時の燃焼状況に応じた継続燃焼を行うことにより、給湯再開時の出湯特性を安定させることができる。
請求項7の発明によれば、給湯停止からの放熱をも考慮した継続燃焼を行うことにより、給湯再開時の出湯特性をより一層安定させることができる。
請求項8の発明によれば、バイパス管からの水の混合をも考慮した継続燃焼を行うことにより、給湯再開時の出湯特性をより一層安定させることができる。
請求項9の発明によれば、給湯再開時のバイパス弁の制御により、上記継続燃焼の効果をより一層有効に活用してユーザーの好む出湯特性にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる給湯装置の概略図である。
【図2】同給湯装置で実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 熱交換部
20 燃焼部
21〜23 燃焼領域
50 給湯用の配管
51 受熱管
52 給水管
53 給湯管
56,57 バイパス管
58 バイパス弁
60 制御ユニット(制御手段)
FL フローセンサ(検出手段)
Claims (9)
- 熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段と備えた給湯装置において、
上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて総燃焼熱量を決定し、上記給湯停止時点からこの総燃焼熱量に達するまで継続燃焼を行うことを特徴とする給湯装置。 - 上記給湯時の燃焼状況の情報が、単位時間当たりの燃焼熱量,設定温度のいずれか一方または両者を含むことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
- 上記燃焼部は、独立して燃焼制御可能な複数の燃焼領域を有しており、上記給湯時の燃焼状況の情報が、給湯時に燃焼状態にあった燃焼領域の数の情報を含み、上記制御手段は、給湯停止時点において、この燃焼領域の数に対応した総燃焼熱量を演算することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
- 上記制御手段は、外気温度にも対応して、上記継続燃焼時の総燃焼熱量を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給湯装置。
- 上記配管は、熱交換部を通る受熱管と、受熱管の入口と出口にそれぞれ接続された給水管および給湯管と、受熱管と並列をなして給水管および給湯管に接続されたバイパス管とを備え、
上記制御手段は、給水管からバイパス管を経て給湯管に入る入水温度にも対応して、上記継続燃焼時の総燃焼熱量を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の給湯装置。 - 熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段とを備えた給湯装置において、
上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて継続燃焼時間を演算し、上記給湯停止時点からこの継続燃焼時間だけ、所定の単位時間当たりの燃焼熱量で継続燃焼を行い、
上記給湯時の燃焼状況の情報が、単位時間当たりの燃焼熱量,設定温度のいずれか一方または両者を含むことを特徴とする給湯装置。 - 熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段とを備えた給湯装置において、
上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて継続燃焼時間を演算し、上記給湯停止時点からこの継続燃焼時間だけ、所定の単位時間当たりの燃焼熱量で継続燃焼を行い、
上記制御手段は、外気温度にも対応して、上記継続燃焼時の継続燃焼時間を決定することを特徴とする給湯装置。 - 熱交換部と、この熱交換部に燃焼熱を供給する燃焼部と、熱交換部を通る給湯用の配管と、この配管内の水の流れを検出する検出手段と、この検出手段での水流検出に応答して上記燃焼部での燃焼を実行することにより給湯を行う制御手段とを備えた給湯装置において、
上記制御手段は、上記検出手段による水流検出状態から水流非検出状態に切り替わった時点、すなわち給湯停止時点において、給湯時の燃焼状況の情報に応じて継続燃焼時間を演算し、上記給湯停止時点からこの継続燃焼時間だけ、所定の単位時間当たりの燃焼熱量 で継続燃焼を行い、
上記配管は、熱交換部を通る受熱管と、受熱管の入口と出口にそれぞれ接続された給水管および給湯管と、受熱管と並列をなして給水管および給湯管に接続されたバイパス管とを備え、
上記制御手段は、給水管からバイパス管を経て給湯管に入る入水温度にも対応して、上記継続燃焼時の継続燃焼時間を決定することを特徴とする給湯装置。 - 上記配管は、熱交換部を通る受熱管と、受熱管の入口と出口にそれぞれ接続された給水管および給湯管と、受熱管と並列をなして給水管および給湯管に接続されたバイパス管とを備え、このバイパス管にバイパス弁が設けられており、
上記制御手段は、上記検出手段で水流を検出した時に、上記熱交換部から出てきた湯の温度または前回の給湯停止からの経過時間に対応して、バイパス弁を制御することを特徴とする請求項1,2,3,4,6,7のいずれかに記載の給湯装置。
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