JP3859811B2 - 給湯燃焼装置 - Google Patents

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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯熱交換器を通る流水をバーナ燃焼により加熱し、その加熱により作り出した湯を所望の給湯場所に給湯する給湯燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図24には出願人が以前に試作した給湯燃焼装置の模式構成が示されている。同図において、給湯熱交換器1の入側には給水通路2が接続され、給湯熱交換器1の出側には給湯通路3が接続されている。そして、給水通路2と給湯通路3間には前記給湯熱交換器1を迂回するバイパス通路4が設けられ、このバイパス通路4には通路の開閉を行う電磁弁5が設けられている。前記給水通路2には給水流量を検出する流量センサFSと給水温度を検出する給水温度センサ6が設けられている。また、給湯熱交換器1の出側には熱交出側温度センサ7が設けられている。また、バイパス通路4と給湯通路3との接続部よりもやや下流側位置には給湯温度センサ8が設けられている。
【0003】
前記給湯熱交換器1はバーナ10の火炎によって加熱されるようになっており、このバーナ10にはガス通路11が接続され、このガス通路11には通路の開閉を行う電磁弁12,13と、バーナ10へのガス供給量を開弁量によって制御する比例弁14が設けられている。
【0004】
この給湯燃焼装置の運転は制御装置15により行われており、この制御装置15にはリモコン9が信号接続されている。
【0005】
リモコン9には電源スイッチ、運転スイッチ、給湯の設定温度を設定する温度設定器や、その給湯設定温度等の各種情報を表示する表示部等が設けられている。
【0006】
制御装置15は、給湯通路3に接続される外部配管の給湯出口側に設けられる給湯栓(図示せず)が開けられて、流量センサFSにより作動流量以上の流量が検出されたときに、燃焼ファン(図示せず)を回転してバーナ10へ燃焼給気を供給し、電磁弁12,13と比例弁14を開けて点火手段(図示せず)を駆動してバーナ10の点着火を行い、給湯温度センサ8で検出される給湯温度がリモコン9で設定される給湯設定温度になるようにバーナ10の燃焼熱量が制御される。この燃焼制御により、給水通路2から給湯熱交換器1に入り込む流水は給湯熱交換器1を通るときに加熱されて湯になり、この湯は給湯通路3を通して所望の給湯場所に導かれる。湯の使用が終了し、給湯栓が閉められることにより、流量センサFSから流水オフ信号が出力され、この信号を受けて制御装置15はガス通路11を遮断し、バーナ10の燃焼を停止し、次の給湯使用に備える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この種の給湯燃焼装置にあっては、給湯燃焼の停止後、給湯熱交換器1の保有熱量が滞留している給湯熱交換器1内の湯に伝搬し、給湯熱交換器1の湯温が高くなる後沸き現象が生じ、給湯燃焼の停止後、短時間のうちに再び給湯燃焼が開始されたときに、この給湯熱交換器1内の給湯設定温度よりも高温のオーバーシュートの湯が出湯し、湯の使用者に不快な思いをさせるという問題が生じる。
【0008】
このような問題を解消するために、熱交出側温度センサ7で検出される湯温が予め定めた基準温度よりも高いときには、バイパス通路4の電磁弁5を開け、給湯熱交換器1から出る湯とバイパス通路4を通って出る水とを混合し、給湯熱交換器1から出る湯温を下げて給湯することが考えられる。
【0009】
しかしながら、給湯熱交換器1側から出るオーバーシュートの湯に対し、バイパス通路4側から供給される水の単位時間当たりの流量はオーバーシュートの大きさに拘わらずほぼ一定であるため、オーバーシュートの量が小さいときには、必要以上の過剰の水量が埋められるために、給湯設定温度よりもかなりぬるめのアンダーシュートの湯が給湯されるという問題が生じ、また、オーバーシュートの量が大きい場合には、そのオーバーシュートを解消するのに十分な水量をバイパス通路4側から供給することができず、埋める水量が不足して給湯設定温度よりもかなり高いオーバーシュートの湯が給湯されるという問題があり、給湯設定温度に近い湯を再出湯時に安定供給できないという問題が生じる。
【0010】
特に、図24の鎖線で示すように、風呂の追い焚きを行う追い焚き熱交換器16を前記給湯熱交換器1と一体的に形成し、この給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器16を共通のバーナ10で燃焼加熱する、一缶二水路の給湯燃焼装置とした場合には、追い焚き単独運転が行われると、バーナ10により、滞留している給湯熱交換器1内の湯水が沸騰寸前にまで加熱される場合が生じ、このような状態のときに、給湯運転が開始されると、この沸騰寸前の高温の湯が給湯熱交換器1から出湯されることとなり、このとき、電磁弁5を開けてバイパス通路4から水を供給しても、その水量が不足し、かなり高い湯が給湯通路3を通して供給されるという問題が生じる。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、給湯使用後の後沸きや、一缶二水路タイプの給湯燃焼装置における追い焚き単独運転等による給湯熱交換器1内の後沸きが生じても、給湯開始時に、これらの後沸きを効果的に解消してほぼ給湯設定温度の安定した湯温を供給することが可能な給湯燃焼装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。すなわち、本発明は、給水通路から供給される水を燃焼制御部によって制御されるバーナの燃焼熱量により加熱する給湯熱交換器と、この給湯熱交換器から出る湯の給湯通路と前記給水通路間を前記給湯熱交換器を迂回して連通する給水制御用バイパス通路と、この給水制御用バイパス通路から出る水が合流する湯側の流量を制御する第1の流量制御手段と、前記給水制御用バイパス通路を通る水の流量を制御する第2の流量制御手段と、給湯燃焼停止状態時における給湯熱交換器内湯温の後沸きの発生を判断する機能とを備えた給湯燃焼装置であって、給湯熱交換器内湯温の後沸きが生じているものと判断されている状態で給湯が開始されたときに第1の流量制御手段と第2の流量制御手段を制御して前記湯側の流量と前記給水制御用バイパス通路を通るバイパス制御流量の流量比を後沸き解消方向に制御するミキシングモード動作部と、この流量比制御による湯側流量とバイパス制御流量とのミキシング動作時の湯側流量を検出する湯側流量検出部とを有し、前記燃焼制御部は前記ミキシングモード動作部による流量比制御のミキシング動作時においては前記給水制御用バイパス通路を通る流量を含む給水の総流量のうちの湯側流量の給水を給水温度から給湯設定温度に高めるのに要するフィードフォワード熱量のみによって給湯熱交換器を加熱する制御機能を備えていることをもって課題を解決する手段としている。
【0013】
本発明においては、給湯熱交換器内湯温に後沸きが生じている状態で、給湯が開始されたときには、ミキシングモード動作部により、第1の流量制御手段と第2の流量制御手段が制御されて、湯側の流量と水側のバイパス制御流量の流量比が後沸きを解消する方向に制御されて湯と水のミキシングが行われる。
【0014】
このミキシング動作状態時において、燃焼制御部は、給水通路から入水する総流量から給水制御用バイパス通路を通るバイパス制御流量を除いた残りの湯側の流量を給水温度から給湯設定温度に高めるのに要するフィードフォワード熱量のみによって給湯熱交換器を加熱制御する。
【0015】
これにより、給湯熱交換器を加熱する熱量は総流量を給水温度から給湯設定温度に高めるのに要する熱量、つまり、総流量に対するフィードフォワード熱量よりも小さいので、給湯熱交換器内の後沸きの湯が出終わったときには、総流量を給湯設定温度に高めるのに要する熱量に足りない熱量不足状態となるので、第2の流量制御手段の弁は閉方向となり、後沸きの解消後、給水制御用バイパス通路は迅速に閉止され、フィードフォワード熱量による流量比制御からフィードフォワード熱量とフィードバック熱量との併用による総流量に切り換わって定常の給湯燃焼運転に移行する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に基づき説明する。図2は本発明に係る給湯燃焼装置のモデル例を模式構成によって示すものである。本発明の給湯燃焼装置は給湯単能機(給湯機能のみの給湯器)はもとより、二缶二水路タイプの給湯燃焼装置(給湯熱交換器と追い焚き熱交換器が別個独立に設けられて、各熱交換器がそれぞれ別個のバーナにより燃焼加熱されるタイプの風呂と給湯の複合給湯器)や、一缶二水路タイプの給湯燃焼装置(給湯熱交換器と追い焚き熱交換器が一体的に形成され、この一体の給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通のバーナにより燃焼加熱するタイプの風呂と給湯の複合給湯器)にも適用されるものである。
【0017】
図2の(a)において、給湯熱交換器1の入口側に給水通路2が連通接続され、給湯熱交換器1の出側には給湯通路3が連通接続されている。給水通路2と給湯通路3間には前記給湯熱交換器1を迂回する常時バイパス通路17が連通接続されており、さらに、給水通路2には前記常時バイパス通路17との接続位置Aよりも上流側のB位置に給水制御用バイパス通路18の一端側(入口側)が連通接続されており、前記給湯通路3には、前記常時バイパス通路17との接続部Cよりも下流側のD位置に前記給水制御用バイパス通路18の他端側(出口側)が連通接続されている。
【0018】
そして、給湯通路3のCD間には給湯熱交換器1を出る湯と常時バイパス通路17を通る水とを混合した湯の流量を可変制御する第1の流量制御手段GM1が設けられており、また、前記給水制御用バイパス通路18には、流量の可変制御が可能な閉止機能を備えた第2の流量制御手段GM2が設けられている。これら第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2は例えばギヤモータによって開弁量を制御する水量制御手段によって構成されるものであり、この第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2にはそれぞれ弁の全開位置と全閉位置を検出するホールIC等の弁開度の検出センサ(図示せず)が設けられている。
【0019】
前記給水通路2のAB間には前記給湯熱交換器1の湯と常時バイパス通路17から出る水との合流流量を前記第1の流量制御手段GM1を通る湯側流量Qとして検出する第1の流量センサFS1が設けられており、また、給湯通路3には前記給水制御用バイパス通路18の出口側の接続部Dよりも下流側位置に給水通路2に入水する総流量(全流量)QTを検出する第2の流量センサFS2が設けられている。また、給水通路2には給水温度を検出する給水温度センサ6が設けられ、給湯熱交換器1の出側には給湯熱交換器1から出湯する湯温を検出する熱交出側温度センサ7が設けられ、必要に応じ、給湯熱交換器1の水管通路の途中位置(例えば中間部)に熱交内の湯温を検出する熱交補助温度センサ22が設けられる。また、給湯通路3には、第1の流量制御手段GM1から出る湯と給水制御用バイパス通路18から出る水との混合湯温(ミキシング湯温)を給湯温度TMIXとして検出する給湯温度センサ8が設けられている。
【0020】
給湯燃焼装置を風呂と給湯の複合給湯器として構成する場合は、前記給水制御用バイパス通路18との合流位置Dよりも下流側の給湯通路3から湯張り通路23が分岐接続され、風呂側の追い焚き循環路24を介して給湯の湯を浴槽25に落とし込む構成とする。
【0021】
このような風呂と給湯の複合給湯器として給湯燃焼装置を構成する場合、追い焚き循環路24に介設される追い焚き熱交換器16を前記給湯熱交換器1と別個独立に形成し、給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器16を別個独立のバーナにより燃焼加熱する構成とすることにより二缶二水路タイプの複合給湯器となり、また、図2の(a)に鎖線で示す如く給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器16を一体的に形成し、この一体化した給湯と追い焚きの熱交換器1,16を共通のバーナにより燃焼加熱する構成とすることにより、一缶二水路タイプの複合給湯器が形成される。なお、図2の(a)において、26は浴槽25内の湯水を追い焚き循環路24を介して循環させて追い焚きを行うための循環ポンプ26であり、27は湯張りを行うときに湯張り通路23を開ける注湯電磁弁である。
【0022】
図2の(b)に示す給湯燃焼装置のモデル例は、前記図2の(a)に示す第2の流量センサFS2を省略した構成のものであり、それ以外の構成は前記図2の(a)に示すモデル例と同様である。
【0023】
また図2の(c)に示す給湯燃焼装置のモデル例は装置構成をより簡易化したタイプのもので、前記図2の(a),(b)のモデル例で設けられている熱交出側温度センサ7と、熱交補助温度センサ22と、第1の流量センサFSとを省略し、総給水流量(総給湯流量)を検出する第2の流量センサFSを給水制御用バイパス通路18の接続部Bよりも上流側の給水通路2に設けた構成としたものであり、それ以外は前記図2の(a),(b)のモデル例と同様である。これら図2に示すモデル例の装置は制御装置15によってその運転が制御され、この制御装置15には前記図24に示した装置と同様にリモコン9が信号接続され、給湯熱交換器1の加熱はバーナ10により行われるものであり、図2の各モデル例においても、前記図24で示したものと同様にバーナ10へのガス供給量を比例弁14の開弁量によって制御するバーナ10の燃焼系の機構が設けられるが、図2ではこれらの図示を省略してあり、これらの燃焼系の機構を説明する場合には図24に付した符号を用いて説明する。
【0024】
本実施形態例の給湯燃焼装置は給湯熱交換器1に後沸きのオーバーシュートの湯が生じている状態で、給湯運転が開始されたときに、給湯熱交換器1のバーナ10の燃焼加熱を第1の流量センサFS1によって検出された値を用いてフィードフォワード熱量のみによって行い、給湯熱交換器1から出る後沸きの湯の解消を給水制御用バイパス通路18から出る水の流量QBPと第1の流量制御手段GM1を通る湯側の流量Qとの流量比制御によって行うことを特徴としており、図1にはその流量比制御を行う第1の制御構成のブロック図が示されている。この第1の制御構成は、入力温度検出部28と、目標流量比検知部としての目標流量比演算部30と、検出流量比検知部としての検出流量比演算部31と、バイパス制御流量検出部32と、湯側流量検出部33と、ミキシング制御部34と、燃焼制御部48とを有して構成されている。
【0025】
燃焼制御部48は、給湯熱交換器1内に後沸きの湯が生じている状態で給湯運転が開始されたときには、給水温度センサ6で検出される給水温度TINとリモコン9等により設定される給湯設定温度TSPと、第1の流量制御手段GM1を通って給水制御用バイパス通路18から出るバイパス制御流量の水と合流する湯側の流量Q(この湯側の流量Qは第1の流量センサFS1によって直接検出されるが、演算により求めた値であってもよい)との検出データを取り込み、湯側の流量Qを給水温度TINから給湯設定温度TSPまで高めるのに要する理論熱量である、フィードフォワード熱量PF/Fを求め、このフィードフォワード熱量PF/Fを発生させるガス供給量をバーナ10に供給すべく、比例弁14への開弁駆動電流を制御する。なお、前記フィードフォワード熱量PF/FはPF/F=Q・(TSP−TIN)の演算により、あるいは熱効率ηを考慮し、PF/F=Q・(TSP−TIN)/ηの演算により求められるものである。
【0026】
図1に示す第1の制御構成は前記図2の(a),(b)のモデル例を対象としており、入力温度検出部28は、熱交出側温度センサ7で検出される給湯熱交換器1の出側の湯温TOUTを取り込み、第1の流量制御手段GM1に入る湯側温度(給湯熱交換器1を出る湯と常時バイパス通路17を出る水とが混合した湯の温度)を入力温度TKとして直接的又は間接的に検出する。この入力温度TKを直接的に検出する場合には、図2の(a),(b)に示すように、常時バイパス通路17の出側Cと第1の流量制御手段GM1の入口との間の給湯通路3に入力温度検出用の温度センサ19を設けて検出すればよいが、この温度センサ19の部品点数を減らして装置コストの低減を図るには、その入力温度TKを間接的に検出する。
【0027】
この入力温度の間接的な検出は、給湯熱交換器1の熱交出側温度温度センサ7で検出される給湯熱交換器1の出側温度TOUTを取り込み、次の演算により求める。
【0028】
すなわち、入力温度検出部28には、給水通路2を通って来る給水が常時バイパス通路17の接続点Aの位置で給湯熱交換器1側に流れる量と常時バイパス通路17側に流れる量との分配率が予め与えられている。例えば、給湯熱交換器1側の分配率がm、常時バイパス通路17側の分配率がnとしたとき、入力温度検出部28は、予め与えられている次の(1)式により入力温度TKを演算により求める。
【0029】
K=TOUT×m+TIN×n・・・・・(1)
【0030】
この(1)式で、例えば給湯熱交換器1側の分配率が70%で、常時バイパス通路側の分配率が30%のときにはmの値として0.7が与えられ、nの値として0.3の値が与えられる。この入力温度検出部28で求められた入力温度TKの情報は目標流量比演算部30に加えられる。
【0031】
ところで、給湯熱交換器1内の後沸きにより、給湯設定温度TSPよりも高温の入力温度TKをもつの流量Qの熱量が給湯設定温度TSPに低下するための放出熱量は給水制御用バイパス通路18を通る流量QBPが給水温度TINから給湯設定温度TSPに上昇するのに要する吸熱熱量と等しい。この熱平衡バランスの関係から、次の(2)式が導かれる。
【0032】
BP/Q=(TK−TSP)/(TSP−TIN)・・・・・(2)
【0033】
この(2)式は入力温度TKの湯側の流量Qと給水温度TINのバイパス制御流量(給水制御用バイパス通路18を通る給水流量)とが混合して給湯設定温度TSPの温度になるための熱量バランスの平衡式であり、左辺のQBP/Qはバイパス制御流量QBPと湯側流量Qとの流量比を表している。また、(2)式の右辺の給湯設定温度TSPと、給水温度TINは一定の値として見なすことができ、右辺の値は給湯熱交換器1内の後沸きの温度によって変化する入力温度TKの値によって変化する。
【0034】
つまり、給湯熱交換器1の後沸きの温度によって入力温度TKが変化し、この入力温度TKに依存する(2)式の右辺の値に一致するように左辺の流量比を調整することにより、湯側の流量Qとバイパス制御流量QBPとが混合した温度は給湯設定温度TSPに等しくなるはずである。
【0035】
本発明はこの点に着目し、(2)式の右辺をバイパス制御流量QBPと湯側流量Qとの目標流量比WSTとして定義し、(2)式の左辺を検出流量比WDEとして定義している。
【0036】
ST=(TK−TSP)/(TSP−TIN)・・・・・(3)
【0037】
DE=QBP/Q・・・・・(4)
【0038】
目標流量比演算部30には前記(3)式の目標流量比WSTの演算式が解法データとして予め与えられており、目標流量比演算部30は、入力温度検出部28から得られる入力温度TKと、給水温度センサ6から得られる給水温度TINの情報と、リモコンで与えられる給湯設定温度TSPの情報を取り込み、前記(3)式に従い、目標流量比WSTを演算により求め、その演算値をミキシング制御部34に加える。
【0039】
湯側流量検出部33は前記第1の流量制御手段GM1を通る湯側流量Qを第1の流量センサFS1のセンサ出力を取り込んで検出し、その検出結果を検出流量比演算部31に加える。また、必要に応じ、その湯側流量Qの検出値をバイパス制御流量検出部32に加える。
【0040】
バイパス制御流量検出部32は図2の(a)に示すモデルの場合には、第2の流量センサFS2で検出されるトータル流量(総流量)QTから第1の流量センサFS1で検出される流量Qを差し引き演算することによりバイパス制御流量QBPを求める。
【0041】
BP=QT−Q・・・・・(5)
【0042】
また、給湯燃焼装置が図2の(b)に示すモデルの場合には、バイパス制御流量検出部32はバイパス制御流量QBPを解法データに従い求める。この解法データは次の(6)式に示す演算式で与えられており、バイパス制御流量検出部32は、入力温度検出部28から加えられる入力温度TKと給湯温度センサ8で検出される給湯温度TMIXと給水温度センサ6で検出される給水温度TINと前記湯側流量検出部33で検出された湯側流量Qのデータをそれぞれ取り込み、次の(6)式に従いバイパス制御流量QBPを演算により求め、その演算結果を検出流量比演算部31に加える。
【0043】
BP=(TK−TIN)・Q/(TMIX−TIN)・・・・・(6)
【0044】
検出流量比演算部31は前記湯側流量検出部33で求められた湯側流量Qとバイパス制御流量検出部32で求められたバイパス制御流量QBPのデータを取り込み、前記(4)式に従い、バイパス制御流量QBPと湯側流量Qとの検出流量比WDEを演算により求め、その演算結果をミキシング制御部34へ加える。
【0045】
ミキシング制御部34は前記目標流量比WSTと検出流量比WDEを比較し、検出流量比WDEが目標流量比WSTに一致する方向に第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2を互いに流量の増減方向が逆方向となるように流量制御を行う。より具体的には、目標流量比WSTと検出流量比WDEとの差を求め、K1,K2を係数(ゲイン)として、第1の流量制御手段GM1にはV1=K1(WSP−WDE)の式によって求められる電圧V1を印加し、第2の流量制御手段GM2にはV2=K2(WSP−WDE)の演算により求められる電圧V2を印加して流量制御を行う。つまり、目標流量比WSPと検出流量比WDEとの差に対応した電圧をそれぞれ第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2に加え、湯側流量Qとバイパス制御流量QBPとの流量の増減方向が逆方向となるようにQBPとQとの流量が制御される。
【0046】
さらに詳説すると、例えば、給湯熱交換器1内の後沸きが大きい場合、すなわち、入力温度TKが高いときには前記(3)式から明らかな如く、目標流量比WSTの値は大きな値となり、この目標流量比WSTに一致させるために検出流量比WDEを大きくする方向に、つまり、(4)式から明らかな如く、QBPを大の方向に、Qを小方向に、すなわち、第1の流量制御手段GM1は閉方向に、第2の制御手段GM2は開方向に制御される。
【0047】
そして、給湯熱交換器1内の後沸きの湯温が下がるにつれ、入力温度TKの温度が低下して行き、目標流量比WSTは徐々に小さくなり、これに伴い、この目標流量比WSTに一致させるために、検出流量比も徐々に小さくなる方向に、つまり(4)式から明らかな如く、バイパス制御流量QBPを小さくする方向に、湯側流量Qを大きくする方向に、すなわち、第1の流量制御手段GM1は開方向に、第2の流量制御手段GM2は閉方向にそれぞれ制御されるのである。
【0048】
図3はこのミキシング制御部34による第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の弁開度の様子を給湯熱交換器1側の熱交出側温度(後沸き温度)の高低の関係で示したものであり、この図からも明らかな如く、第1の流量制御手段GM1に加える電圧V1と第2の流量制御手段GM2に加える電圧V2とはその増減方向が互いに逆方向となっており、給湯熱交換器1内の後沸きの温度が高くなるにつれ第2の流量制御手段の弁開度は徐々に大きくなり、その逆に、第1の流量制御手段GM1の弁開度は徐々に小さく制御されることが示されている。
【0049】
図4は給湯熱交換器1内に後沸きの温度が生じている状態で、給湯運転が開始されたときの後沸き温度TOUTと給湯温度TMIXと流量制御手段GM1,GM2の状態を示すもので、給湯運転が開始されると、給湯熱交換器1内の後沸きの湯が出湯し、その温度は徐々に大きくなりピークPに達した後後沸きの温度は徐々に低くなる。このとき、第1の流量制御手段GM1は、後沸きの出湯温度がピークに向かうに従い閉方向に制御され、第2の流量制御手段GM2は開方向に制御され、湯側流量Qを絞りバイパス制御流量QBPを大きくして後沸きを解消し、後沸き温度がピークを過ぎて後沸きの温度が低くなるにつれ、湯側の流量Qを徐々に増加する方向に、バイパス制御流量QBPを徐々に絞る方向に制御して後沸き温度の変化に殆ど影響を受けずに給湯設定温度TSPに近いの給湯温度TMIXの湯温を安定に給湯する。
【0050】
図5は本実施形態例における給湯運転開始時の後沸き解消の動作を示すフローチャートで、まず、給湯運転がスタートしたときに、ステップ101で目標流量比WSTを演算により求め、次にステップ102で検出流量比WDEを演算により求める。
【0051】
次にステップ103で目標流量比WSTと検出流量比WDEとの差を求め、その差が正か負かを検出する。検出流量比が目標流量比よりも大のときには、ステップ104で第1の流量制御手段GM1を開方向に、第2の流量制御手段GM2を閉方向に制御する。その逆に、検出流量比WDEが目標流量比WSTよりも小のときには、ステップ105で第1の流量制御手段GM1を閉方向に、第2の流量制御手段GM2を開方向に制御する。そして、ステップ106で後沸き解消の湯側流量Qとバイパス制御流量QBPとのミキシングの動作が予め与えられる解除条件になったか否かが判断され、解除条件に達しない場合、つまり、後沸きの湯が給湯熱交換器1内にまだ残っている状態のときにはステップ101以降の動作を繰り返し行い、ミキシング動作の解除条件になったとき、つまり、給湯熱交換器1内の後沸きの湯がほぼ出終わったときには第2の流量制御手段GM2を完全に閉止し、燃焼制御部48による給湯熱交換器1の加熱量はフィードフォワード熱量とフィードバック熱量を加算したトータル熱量による比例制御により制御されて給湯開始時の前記流量比制御から総流量制御に移行し、定常運転の燃焼制御動作にて燃焼運転が行われる。
【0052】
この総水量制御では、前記の如く第2の流量制御手段GM2は閉止状態に維持されるので、第1の流量センサFS1で検出される湯側流量Qは総流量QTと等しくなり(QT=Q)、フィードフォワード熱量PF/Fは流量QTが給水温度TINから給湯設定温度TSPに加熱されるのに要する理論熱量として、PF/F=QT(TSP−TIN)の演算により、あるいは熱効率ηを考慮し、PF/F=QT(TSP−TIN)/ηの演算により求められるものであり、また、フィードバック熱量PF/Bは、給湯設定温度TSPに対する給湯温度センサ8で検出される給湯温度TMIXのずれを解消(相殺)するのに要する熱量であり、PF/B=QT・λ(TSP−TMIX)の演算により、あるいは熱効率ηを考慮し、PF/B=QT・λ(TSP−TMIX)/ηの演算により求められるものである。これらの式におけるλは係数(ゲイン)である。
【0053】
なお、後沸き解消のミキシング動作の解除条件についての詳細な説明は後述する。
【0054】
上記流量比制御の第1の制御構成によれば、給湯熱交換器1内の後沸きの湯を解消する給湯運転の開始時には、給水流量Qの給水温度を給湯設定温度TSPに高めるフィードフォワード熱量のみによって給湯熱交換器1加熱されることとなり、また、給湯熱交換器1内に生じている後沸きの湯は給湯熱交換器1から出るときにその温度が熱交出側温度センサ7によりいち早く検出されて第1の流量制御手段GMに入る入力温度Tが検出され、その入力温度が給湯設定温度になるための湯側流量Qとバイパス制御流量QBPとの目標流量比WSTに一致する方向に湯側流量Qとバイパス制御流量QBPとの検出流量比WDEが制御されるので、給湯熱交換器1内の後沸き温度の如何に拘わらず、湯側の流量Qが給湯設定温度TSPとなるように湯と水の混合割合が制御され、給湯熱交換器1内の後沸きの影響を解消し、給湯設定温度に近い湯を安定に給湯できるという画期的な効果を奏することができる。
【0055】
このように、本実施形態例においては、給湯熱交換器1から出る後沸き湯温を解消するミキシング動作時には、湯側流量Qに対するフィードフォワード熱量(流量Qを給水温度TINから給湯設定温度TSPに高めるのに要する理論熱量)を与えるようにしており、この流量Qに対するフィードフォワード熱量は総流量QTに対するフィードフォワード熱量(総流量QTを給水温度TINから給湯設定温度に高めるのに要する理論熱量)よりも小さいので、給湯熱交換器1から後沸きの湯が出終わった後には総流量QTを給湯設定温度にする必要熱量よりも少ない不足の熱量となり、このため、第2の流量制御手段GM2は閉方向の動作となって給水制御用バイパス通路18を閉止する結果、給湯熱交換器1内の後沸き湯温が解消されたときには迅速にミキシングによる流量比制御から総流量制御へ移行することができる。
【0056】
しかも、第2の流量制御手段GM2が閉止されたときには湯側の流量Qは総流量QTに一致するので、流量Qに対するフィードフォワード熱量と総流量QTに対するフィードフォワード熱量が等しくなり、第2の流量制御手段GM2が開から閉に切り換わるときのフィードフォワード熱量の変動が殆どなく、これにより、給湯湯温の変動を起こさせることなく、ミキシングによる流量比制御から定常運転の総流量制御へ湯温の安定を保って円滑に移行することが可能となる。
【0057】
これに対して、後沸き解消のミキシング動作時に総流量QTに対するフィードフォワード熱量を与えた場合には、与える熱量が大きいために、給湯熱交換器1から後沸きの湯が出終わっても、第2の流量制御手段GM2が閉方向の動作にならず、流量比制御から総流量制御へ迅速に移行できないという問題が生じ、また、給湯熱交換器1を通る流量が少ないときにはこの少ない流量が大きなフィードフォワード熱量によって加熱されるので、沸騰の危険がある等の問題が生じるが、本実施形態例では前記の如くミキシング動作時には湯側流量Qに対するフィードフォワード熱量によって(より少ない熱量によって)燃焼加熱するので、このような問題の発生を効果的に解消することができる。
【0058】
また、給湯熱交換器1内の後沸きの湯が出湯するときに、バーナ10へ供給するガス量の可変制御を例えば給湯検出温度TMIXに応じて行ってしまうと、後沸きの温度はその出湯開始後、時間の経過に伴って変化する不安定な過渡現象であるため、ガス量の可変制御を行うことによって、逆に、給湯湯温が変動してしまうという問題が生じたり、あるいは、後沸きの湯温を解消するためにガス量を絞ったために新たに給湯熱交換器1内に入る水の加熱熱量が不足し、後沸きの湯温が出終わった後に、給湯設定温度よりも低温のアンダーシュートの湯が出てしまうという問題が生じる虞があるが、この実施形態例の如く、給湯熱交換器1内の後沸きの湯が出る際には、フィードフォワードのみの熱量によって給湯熱交換器1を変動のない安定した熱量で加熱し、給湯熱交換器1内に生じていた後沸きの湯は、前述した流量比制御によって解消するようにしたことで、給湯熱交換器1内の後沸きの湯を効果的に解消して給湯設定温度の安定した湯を給湯できると共に、後沸きの湯が出終わった後においても、フィードフォワード熱量による流量比制御からフィードフォワード熱量とフィードバック熱量を併用した比例制御による総流量の制御へ円滑に移行することができ、流量比制御から総流量制御への切り換え時においても、湯温変動の生じない給湯設定温度の安定した湯を給湯できるという効果が得られる。
【0059】
さらに、前記流量比制御においては、第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2を流量の増減方向が逆方向に制御しているので、流量比可変の応答性が極めて優れたものとなり、後沸き湯温の変化に迅速に追従した流量比制御が達成でき、これにより、後沸き湯温の給湯時における湯温安定化の制御精度が格段にアップし、信頼性の高い湯温安定化制御が可能となるものであり、特に、一缶二水路タイプの給湯燃焼装置の場合には、例えば、風呂の追い焚き単独運転が行われているとき等には、滞留している給湯熱交換器1内の湯水がバーナ10の加熱によって、極端な場合には沸騰寸前の高温に加熱される事態となるが、この場合においても、給湯運転が開始されたときには、前記応答性の速い流量比制御が行われて、高温の湯が通る第1の流量制御手段GM1の弁が絞られ、第2の流量制御手段GM2は全開方向へ制御されることで、給湯熱交換器1から沸騰寸前の高温の湯が出湯しても、流量比制御により給湯設定温度の湯にして給湯することが可能となるので、安全性においても優れた性能を発揮することが可能となる。
【0060】
図6は本実施形態例における流量比制御の第2の制御構成を示すものである。この第2の制御構成は、入力温度TKの湯がバイパス制御流量QBPとミキシングされたときに、そのミキシングの温度を湯側流量Qと総流量QTの情報により演算により検出温度TMIXとして求め、この検出給湯温度TMIXが給湯設定温度TSPに一致する方向に湯側流量Qとバイパス制御流量QBPとの流量比を制御する構成としたもので、入力温度検出部28と、給湯温度検知部としての給湯温度演算部35と、ミキシング制御部34とを有して構成されている。
【0061】
前記入力温度検出部28は前記図1に示す第1の制御構成の入力温度検出部と同一の構成のものであり、入力温度TKを直接的あるいは間接的に検出し、その検出値を給湯温度演算部35に加える。
【0062】
給湯温度演算部35には解法データとして、次の(7)式に示す演算式が与えられている。この演算式も、熱量の平衡バランスの関係によって得られるものである。
【0063】
MIX={(TK−TIN)・Q/QT}+TIN・・・・・(7)
【0064】
給湯温度演算部35は前記入力温度検出部28から加えられる入力温度TKと給水温度センサ6で検出される給水温度TINと、第1の流量センサFS1で検出される湯側流量Qと、第2の流量センサFS2で検出される総流量QTとのデータを取り込み、前記(7)式に従い給湯温度TMIXを演算により求め、その求めた給湯温度TMIXをミキシング制御部34に供給する。
【0065】
ミキシング制御部34は、リモコン等から加えられる給湯設定温度TSPを目標温度とし、演算により求めた給湯温度TMIXを目標温度TSPに一致する方向に第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2を互いに流量の増減方向が逆向きとなるように制御する。
【0066】
より具体的には、給湯設定温度TSPと演算により求めた給湯温度TMIXとの差を求め、第1の流量制御手段GMにはVK′ (TSP−TMIX)の演算により求まる電圧Vを印加し、また、第2の流量制御手段GMにはVK′ (TSP−TMIX)の演算により求まる電圧Vを印加し、第1の流量制御手段GMと第2の流量制御手段GMを互いにその開閉方向を逆向きに制御する。なお、K′ ,K′ は実験等により予め求められる係数(ゲイン)である。
【0067】
この第2の制御構成の場合も、前記第1の制御構成と同様に、給湯熱交換器1内の後沸きの湯温を解消するミキシング動作時には、給湯熱交換器1へはフィードフォワード熱量PF/Fのみを与えて行う。
【0068】
前記ミキシング制御部34により、給湯熱交換器1内の後沸きの温度が高い場合、すなわち、入力温度TKが高いときには、第1の流量制御手段GM1は閉方向に、第2の流量制御手段GM2は開方向にそれぞれ制御され、後沸きの温度が小さくなるにつれ、第1の流量制御手段GM1は開方向に、第2の流量制御手段GM2は閉方向にそれぞれ制御されて後沸きが解消される。このように、給湯検出温度TMIXを目標温度の給湯設定温度TSPに一致する方向に第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2を互いに流量の増減方向を逆方向となるように湯側の流量Qとバイパス制御流量QBPの流量比が制御されるので、前記図1に示す第1の制御構成の場合と同様に高精度、かつ、高信頼性のもとで、後沸き解消のための湯と水のミキシング制御が達成され、後沸き温度の如何に拘わらず給湯設定温度の安定した湯を給湯することができるという効果を奏することができる。
【0069】
図7には本実施形態例における流量比制御の第3の制御構成が示されている。この制御構成は、前記図2の(c)に示すモデル例に対応する簡易型の構成のもので、給湯温度センサ8により給湯温度TMIXを実測し、この実測給湯温度TMIXとリモコン等により設定される給湯設定温度TSPとをミキシング制御部34で比較し、目標温度の給湯設定温度TSPに実測給湯温度TMIXを一致させる方向に第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2を流量の増減方向が互いに逆向きとなる方向に制御するものである。この第3の制御構成におけるミキシング制御部34の制御動作は前記図6に示すミキシング制御部34の動作と同様である。この第3の制御構成は、給湯温度TMIXを演算により求めずに実測したことが前記図6に示す第2の制御構成と異なり、それ以外は前記第2の制御構成の動作と同様である。
【0070】
この第3の制御構成は、実測給湯温度TMIXと給湯設定温度TSPとを比較する簡易な構成で第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の制御を行うものであり、前記第2の制御構成の入力温度検出部28や第1の流量センサFS1や、熱交出側温度センサ7を省略できるので、装置構成を簡易化することができる。このように、装置構成を簡易化するにも拘わらず、実測給湯温度TMIXを目標温度である給湯設定温度TSPに一致する方向に湯側流量Qとバイパス制御流量QBPとの流量比制御を第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の流量の増減方向が逆向きとなるように制御して行うので、給湯熱交換器1内に沸騰寸前の高温の湯が後沸きにより生じたとしても、第1の流量制御手段GM1が閉方向(絞り方向)に、第2の流量制御手段GM2が全開方向に制御されることで、湯側の流量Qとバイパス制御流量QBPとを混合してほぼ給湯設定温度TSPの温度の温度の湯を作り出し、これを安定に給湯することができることとなり、高温給湯に対する安全性が高く、給湯湯温の安定化精度の高い優れた性能を有する給湯燃焼装置を安価に提供できるという効果が得られるものである。
【0071】
図8は本発明の流量比制御が適用されるさらに他のモデル例(このモデル例では追い焚き熱交換器16側の図示は省略されている)を示すもので、図8に示す給湯燃焼装置においては、バイパス制御流量を直接検出する流量センサFSBPが給水制御用バイパス通路18に直接設けられているので、この流量センサFSBPにより直接バイパス制御流量QBPを検出し、湯側流量Qは総流量QTを検出する第2の流量センサFS2の検出流量QTから前記流量センサFSBPで検出されるバイパス制御流量QBPを差し引き演算することにより求めて前記第1、第2の制御構成による流量比制御動作が可能となるものである。
【0072】
なお、上記流量比制御の各制御構成では、給湯熱交換器1を迂回する常時バイパス通路17を設けたが、この常時バイパス通路17は省略することも可能である。この場合には、第1の流量制御手段GM1に入る流量Qの入力温度TKは熱交出側温度センサ7の検出温度TOUTと一致するので、TKの代わりにTOUTの値を用いて演算処理を行わせることにより、前記第1および第2の制御構成の制御動作を同様に行わせることが可能となる。
【0073】
また、上記の各モデルの給湯燃焼装置の例では常時バイパス通路17を1個設けたもので示したが、この常時バイパス通路17は複数設けてもよいものである。
【0074】
本実施形態例では、前述した後沸き湯温の流量比制御による湯温安定化制御を効果的に行うために、給湯運転の開始前の状態から給湯運転が開始されて定常運転状態に至るまでを4種の動作モードに分類し、その各分類モード位置における第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の動作状態を規定し、給湯運転の動作状態が予め与えた条件をクリアする毎に動作モードの切り換えを行う構成としている。
【0075】
図9は流量制御手段GM1とGM2の動作モードとその切り換え制御のブロック構成を示すもので、モード切り換え制御部36と、後沸き解消待機モード動作部37と、定常運転モード動作部38と、ミキシングモード動作部40と、運転オフモード動作部41とを有して構成されている。
【0076】
本実施形態例では、流量制御手段GM1,GM2の動作モードを、モード1の後沸き解消待機モードと、モード2の定常運転モードと、モード3のミキシングモードと、モード4の運転オフモードとの4種のモードに分類しており、モード1の動作は後沸き解消待機モード動作部37により行われ、モード2の動作は定常運転モード動作部38により行われ、モード3の動作はミキシングモード動作部40により行われ、モード4の動作は運転オフモード動作部41によりそれぞれ行われるようになっている。
【0077】
前記モード1は給湯熱交換器1内に後沸きの湯が生じている状態での給湯燃焼前の流量制御手段GM1,GM2の動作であり、このモード1の動作においては、給湯運転が開始したときに、給湯熱交換器1から出る後沸きの湯にバイパス通路17,18側から即座に後沸き解消の水を供給する態勢を整えるために、例えば、給湯熱交換器側流量QHとバイパス通路17,18側流量QWの比がQH:QW=30:70となるような弁開度でもって待機するようにしており、給湯熱交換器1内に生じ得る最大ピークの後沸き湯温が生じていても、これを給湯設定温度の湯に埋めることが可能な予め定めた一定の弁開度で待機する。
【0078】
このモード1の動作は、給湯熱交換器1内に後沸きの湯が生じていると判断される給湯燃焼装置の動作条件のときに行われるもので、その条件として、本実施形態例では次の5つの条件が与えられている。1つ目の条件は、一缶二水路の複合給湯器の場合に、風呂の追い焚きと給湯の同時燃焼の状態で給湯が停止されたときであり、このときには、給湯が停止された状態で追い焚き燃焼が継続されるので、この追い焚きのバーナ燃焼により給湯熱交換器1内の滞留している湯水が加熱されて後沸き状態となるので、モード1の動作となる。
【0079】
2つ目の条件は、同じく一缶二水路の複合給湯器の場合に給湯が停止されている状態で風呂の追い焚きが開始されたときである。このときも追い焚き燃焼により給湯熱交換器1内の滞留している湯水が加熱されて後沸き状態となるので、モード1の動作となる。
【0080】
3つ目の条件は、運転スイッチがオンしたとき、熱交出側温度センサ7と熱交補助温度センサ22の少なくとも一方が後沸き温度として判断される温度(例えば50℃)以上のときである。4つ目の条件は、前回の給湯燃焼運転において、前述した後沸き湯温解消のための流量比制御により湯側の流量Qとバイパス制御流量QBPとがミキシング制御の状態で運転が行われ、総流量QTと湯側流量Qとの差が予め定めたミキシング終了判断流量になる前に給湯が停止されたときである。5つ目の条件は、同様に前回の給湯運転が前述した後沸き解消の流量比制御によって湯側の流量Qとバイパス制御流量QBPとがミキシングされて給湯がされている状態のとき、予め与えられるミキシング許容時間に達する前に給湯が停止されたときである。
【0081】
後沸きを解消する流量比制御により湯側の流量Qと給水制御用バイパス通路18を通るバイパス制御流量QBPとをミキシングさせて給湯を行う場合、後沸きの温度が小さくなるにつれて、第1の流量制御手段GM1の弁開度は大きくなる方向に制御され、第2の流量制御手段GM2の弁開度は徐々に小さくなる方向に制御されるが、第2の流量制御手段GM2の弁が閉じる前にミキシングの状態が安定化し、第2の流量制御手段GM2の弁が開いたまま給湯運転が最後まで継続されるという現象が起こり得る。
【0082】
このような現象が発生すると、給湯温度の安定を最優先に考えたモード3から要求号数が最大号数(比例弁開度が最大)となるように第1の流量制御弁GM1の開度を開方向へ調節していくモード2への移行ができず、給湯燃焼装置の持つ最大能力を発揮することができなくなるという問題が生じることとなる。また、GM2からバイパス制御流量の多量の水が入ってくると給湯熱交換器1内が沸騰状態となり熱交出側温度センサ7により燃焼が停止されたりする。本実施形態例ではこのような問題を防止するために、ミキシングの進行に伴い、総流量QTと湯側流量Qとの流量差がミキシング終了判断流量(例えば0.5リットル/min)になったときには直ちにあるいは予め与える余裕時間が経過した後、第2の流量制御手段GM2を強制的に閉止するようにしている。
【0083】
また、本実施形態例では、ミキシングを行う時間範囲を予めミキシング許容時間として与え、このミキシング許容時間を経過するときには強制的に第2の流量制御手段GM2を閉止させている。ミキシングの総流量QTと湯側流量Qとの差がミキシング終了判断流量になる前およびミキシング許容時間に達する前は、まだ、給湯熱交換器1内に後沸きの湯が生じているものと判断できるので、そのような状況で給湯が停止されたときには、給湯熱交換器1内に生じている後沸きの湯の再出湯に備えて、第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2をモード1の弁開度の状態で次の給湯運転に備え待機するようにするものである。前記5つの条件のうち、何れか1つの条件が満たされたときに、流量制御手段GM1,GM2はモード1への動作状態となる。
【0084】
モード2は第2の流量制御手段GM2が閉止状態となる動作である。このモード2の動作をとる第1の場合は給湯の定常運転時である。また、モード2の動作をとる第2の場合は、給湯運転の開始前の待機中に熱交出側温度センサ7で検出される給湯熱交換器1の出側の温度TOUTと熱交補助温度センサ22で検出される熱交内温度TZ1とが共に後沸き判断温度(例えば50℃)よりも低いときである。このときには、給湯が開始されても、後沸きによる影響が殆どないものと判断され、この場合には、コールドスタート状態の給湯(給湯停止後、長い時間が経過して給湯熱交換器1が冷えた状態で給湯運転が開始される状態)と同様に扱い、第2の流量制御手段GM2を閉止した状態で給湯運転に備える。
【0085】
また、一缶二水路タイプの複合給湯器の場合には、給湯の単独運転後、給湯を停止したときと、風呂の追い焚き運転後にポストポンプ(追い焚き終了後風呂の循環ポンプを引き続き駆動して浴槽の湯をバーナを燃焼させない状態で追い焚き循環路24を通して循環させる動作)の動作が例えば1分経過した後にはモード2の動作を採るようにしている。これは、一缶二水路タイプの複合給湯器においては、給湯の単独燃焼を行った後、その給湯燃焼を停止しても、給湯熱交換器1側の熱は風呂側の水管に放熱されるので給湯熱交換器1内の後沸きの影響が小さく、また、風呂の沸き上がり後のポストポンプの動作後、例えば1分を経過したときには、風呂の追い焚きによって加熱された給湯熱交換器1内の後沸きの熱はポストポンプにより循環する風呂側の循環流に放出されて後沸きの影響が小さくなるため、モード2の動作により、第2の流量制御手段GM2を閉じた状態で次の給湯燃焼に備えるものである。又はポストポンプ動作中に直接給湯熱交換器1内の温度を熱交出側温度センサ7や熱交補助温度センサ22で検出して後沸きの熱が放出されていればモード2の動作に移行するようにしてもよい。
【0086】
なお、本実施形態例では、このモード2の動作中においては、給湯熱交換器1を通る流量QHとバイパス通路17,18を通る流量QWとの比が70:30(QH:QW=70:30)となるように第2の流量制御手段GM2を全閉状態にしている。
【0087】
モード3は、前述した後沸きを解消する流量比制御による湯側の流量Qと給水制御用バイパス通路18を通るバイパス制御流量QBPとのミキシングによる制御を行う動作であり、このモード3の動作は前記モード1の後沸きの待機状態で給湯運転が開始されることにより行う動作である。
【0088】
モード4は、前記モード1〜3の各動作の状態で運転がオフされたときに行う動作で、このモード4の動作では、第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の弁を共に基準位置にする動作であり、この実施形態例では全開位置を基準位置として設定し、第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2をモード4の動作条件となったときに全開位置にしている。
【0089】
モード切り換え制御部36には風呂オン信号(追い焚きオン信号)、風呂オフ信号(追い焚きオフ信号)、給湯オン信号、給湯オフ信号、運転オン信号、運転オフ信号、流水オン信号(流量センサや流水スイッチ等から加えられる流水検出のオン信号)、流水オフ信号、沸き上がり信号(風呂の沸き上がり信号)、後述する押し込み動作終了信号、TOUT,TZ1,Q,QT等の信号が加えられており、モード切り換え制御部36は予め内部のメモリに与えられている各モードの動作条件と前記入力する各種の情報とを照らし合わせ、各動作モードの切り換え制御を行う。
【0090】
そのモード動作の切り換えの流れを図10に基づいて簡単に説明すれば、まず、運転オフの状態で、全てモード4の動作となり、第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2は弁開度が基準位置である全開位置にセットされる。このモード4の状態で運転オン信号が入力すると、熱交出側温度センサ7と熱交補助温度センサ22の検出情報を取り込み、これらのセンサ7,22の検出温度が後沸き判断温度以上であるか否かを判断し、TOUTとTZ1の少なくとも一方が後沸き判断温度以上のときには給湯熱交換器1内に後沸きの湯が存在するものと判断し、モード4からモード1の動作に切り換えて後沸き解消の弁開度でもって流量制御手段GM1,GM2を待機させる。また、TOUTとTZ1の両方が後沸き判断温度よりも低いときにはモード4からモード2の状態に動作を切り換え、第2の流量制御手段GM2を全閉状態で給湯開始に備える。
【0091】
前記モード1の動作状態で、給湯が開始され、流水オンが検出されると、モード1からモード3に動作モードを切り換え、前述した流量比制御により湯側流量Qと給水制御用バイパス通路18を通るバイパス制御流量QBPとのミキシング制御を行い、後沸きを解消するように流量制御手段GM1,GM2の弁開度の制御が行われる。
【0092】
このモード3のミキシング動作中に給湯が停止されて流水オフが検出されたときには給湯熱交換器1内に後沸きの湯がまだ存在している状態と判断して、モード3からモード1に動作を切り換えて次の給湯に備える。また、モード3のミキシング動作の進行により全水流QTと湯側流量Qとの差がミキシング終了判断流量以下になってミキシング動作の終了時となったときにはモード3からモード2に動作モードを切り換え、第2の流量制御手段GM2を全閉状態にして流量比制御から全流量制御の定常運転に移行して給湯運転を継続する。
【0093】
モード2の動作は定常状態での給湯運転中の動作のときと給湯開始前のコールドスタート状態での待機動作との2通りがあるが、一缶二水路複合給湯器の場合には給湯待機状態で風呂の追い焚きが開始したときや、給湯の定常運転と同時に風呂の追い焚き運転が行われていたときに給湯運転が停止されて風呂の追い焚き運転が引き続き継続するような場合には、給湯の停止状態で追い焚きが行われるので給湯熱交換器1内の後沸きが発生することとなり、この場合にはモード2からモード1に動作モードが切り換えられて次の給湯開始に備えられる。そして、これらモード1〜3の何れの動作状態においても、運転オフ信号が入力されたときには、モード4の動作に移り、流量制御手段GM1,GM2は弁開度が全開位置にセットされる。
【0094】
このように、本実施形態例では、運転スイッチがオフしたときには必ず第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の弁開度を基準位置の弁開度にセットし、このセット状態から各モード1〜3の動作に移行させ、それぞれのモード動作に合う弁開度に制御する構成としているので、弁開度の制御位置が経時的にずれることがなく、弁開度の制御を確実、かつ、正確に行うことができるものである。
【0095】
図11は、前記モード3のミキシング動作の終了時における第2の流量制御手段GM2の閉止制御の構成を示すもので、流量比較部42とGM2制御部43とデータメモリ44とを有して構成されている。前記流量比較部42はモード3の流量比制御によるミキシング動作中に、常時総流量QTと湯側流量Qとを取り込んで両者を比較し、その差QT−Q=ΔQを求め、そのΔQのデータをGM2制御部43に加える。GM2制御部43は、予めデータメモリ44に格納されているミキシング終了判断流量(例えば0.5リットル/min)と前記流量比較部42で求められた流量差ΔQとを比較し、流量差ΔQがミキシング終了判断流量以下になったときには給湯熱交換器1内の後沸きの湯が殆ど出終わったものと判断され、この場合には、第2の流量制御手段GM2が開いたままの状態で運転状態が安定化されるのを防止するために、GM2制御部43は第2の流量制御手段GM2を閉止する。
【0096】
また、前記データメモリ44にはミキシングの動作を許容するミキシング許容時間が例えば50秒という値で格納されており、GM2制御部43は、モード3のミキシング動作がミキシング許容時間を越えたときには、同様に第2の流量制御手段GM2を閉止する。
【0097】
前記ミキシング許容時間は、給湯熱交換器1の内部容積等を考慮し、後沸きが出終わる時間に多少の余裕時間をもって与えており、ミキシング動作がこのミキシング許容時間内に終了しない場合には何らかの誤動作が生じているものと推定され、ミキシング許容時間が経過するときに第2の流量制御手段GM2を閉止しても給湯熱交換器1内の後沸きによる影響は解消されているので、問題はなく、このため、本実施形態例ではミキシング動作がミキシング許容時間内に終了しないときには、ミキシング許容時間を経過するときに強制的にそのミキシング動作を終了させて流量比制御から総流量制御へ移行するようにしている。
【0098】
次に前記モード3のミキシング動作を終了させる、より改良した制御構成を説明する。第1の改良構成は、データメモリ44にミキシング終了禁止時間(例えば8秒)の値を格納しておき、GM2制御部43は、前記流量比較部42で求められる総流量QTと湯側流量Qとの差の流量ΔQがミキシング終了判断流量になっても直ちに第2の流量制御手段GM2を閉止させることなく、ΔQがミキシング終了判断流量以下になったときからさらにミキシング終了禁止時間が経過するまで第2の流量制御手段GM2の閉止を行わない状態で待機し、このミキシング終了禁止時間が経過するときに第2の流量制御手段GM2の閉止を行わせる構成としたものである。
【0099】
このように、ミキシング終了禁止時間を与えることにより、次のような効果が得られるものである。すなわち、給湯燃焼装置の通水流量が少ないときには、給湯熱交換器1内に後沸きが発生している状態で給湯が開始されたとき、図12の(a)に示すように、給湯熱交換器1から出る後沸きの湯が最初に出始めてから熱交出側温度センサ7でその後沸きのピーク温度を検出するまでの時間が長くなり、後沸きの湯が給湯熱交換器1から出始めるときの後沸きの温度は比較的低く、その低い後沸きの温度が比較的長い時間に亙って出るために、給湯の開始時に熱交出側温度センサ7で後沸き温度が検出されたときには、第1の流量制御手段は閉方向に、第2の流量制御手段は開方向に制御されることとなる。
【0100】
ところが、給湯熱交換器1から後沸きのピークの温度が出るまでの時間が長いために、後沸きの最初の湯がでることによる湯側流量Qとバイパス制御流量QBPとのミキシングにより後沸きのピークが出る前に総流量QTと湯側流量Qとの差がミキシング終了判断流量以下になる場合があり、このような場合、直ちに第2の流量制御手段GM2を閉止状態にしてしまうと、その後に後沸きのピークの湯温の湯が出ることとなり、その後沸きのピークの湯のミキシング動作ができなくなるという問題が生じる虞があるが、前記ミキシング終了禁止時間を設けることにより、流量差ΔQがミキシング終了判断流量以下となっても、第2の流量制御手段GM2は閉止されずにモード3のミキシング動作の状態を継続することとなるので、その後ミキシング終了禁止時間の範囲内で後沸きのピークが給湯熱交換器1から出湯しても、これに対応して後沸きを埋める流量比制御によるミキシング動作が行われることとなり、後沸きのピークの湯のミキシング解消が行えなくなるという問題を解消することができる。
【0101】
本実施形態例におけるミキシング終了制御の第2の改良構成は、図11の鎖線で示すように禁止時間可変設定部46を設け、給湯燃焼装置に通水する流量に応じて前記ミキシング終了禁止時間を可変設定する構成としたものである。
【0102】
すなわち、禁止時間可変設定部46には、例えば、図13に示すような流量が小さくなるに連れミキシング終了禁止時間を大にする、流量とミキシング終了禁止時間との関係データが予め与えられており、禁止時間可変設定部46は給湯燃焼装置を通水する流量、この実施形態例では総流量QTの検出データを取り込み、この検出流量に対応するミキシング終了禁止時間を設定し、その設定値をGM2制御部43に加える構成としている。
【0103】
これにより、GM2制御部43は前記禁止時間可変設定部46で設定されたミキシング終了禁止時間を採用して第2の流量制御手段GM2の閉止動作を行うように制御する。
【0104】
この第2の改良の構成では、流量によってミキシング終了禁止時間を自動設定するようにしているので、流量が大きいにもかかわらず長い無駄なミキシング終了禁止時間を与えてしまって第2の流量制御手段GM2の閉止タイミングを必要以上に遅らせてしまうという問題や、ミキシング終了禁止時間が短過ぎて後沸きのピークが出るまえに流量制御手段が閉止されてしまうという問題を防止することができ、後沸きのピークが出終わって後沸きが解消される最適のタイミングで第2の流量制御手段GM2を閉止し、最適のタイミングでフィードフォワード熱量による流量比制御のミキシング動作からフィードフォワードとフィードバックの併用による総流量の定常運転制御への移行を行わせることができるという効果が得られることとなる。
【0105】
図14および図15はモード3のミキシング動作がミキシング許容時間を経過しても前記流量差ΔQがミキシング終了判断流量以下とならない場合に、第2の流量制御手段GM2を直接閉止するのではなく、間接的に閉止するための構成を示すものである。この第2の流量制御手段GM2の間接閉止の構成は、フィードフォワード熱量可変設定部47を有して構成されるもので、このフィードフォワード熱量可変設定部47はミキシング開始(後沸き状態での給湯開始)からの経過時間がミキシング許容時間を経過したことをタイマからの信号を受けて検出し、このミキシング許容時間が経過した後は、フィードフォワード熱量を図15の実線に示す如く、時間の経過に伴い、段階的にあるいは破線で示す如く連続的に減少する方向に可変設定するものである。そして、この可変設定されたフィードフォワード熱量のデータは燃焼制御部48に加えられ、燃焼制御部48は、この可変設定されたフィードフォワード熱量を発生すべく、比例弁14への開弁駆動電流を制御してバーナ10の燃焼を行う。
【0106】
前記の如く、フィードフォワード熱量が減少する方向に可変設定されることで、給湯燃焼熱量が減少する結果、入力温度TKが下がり、前述した後沸き解消の流量比制御により第1の流量制御手段GM1は開方向に、第2の流量制御手段GM2は閉方向に制御される結果、総流量QTと湯側流量Qとの差ΔQはミキシング終了判断流量以下となり、これにより、第2の流量制御手段GM2は確実に閉止されて、給湯の定常燃焼運転へ移行することができるものとなる。
【0107】
本実施形態例では第2の流量制御手段GM2を閉止させる場合、第2の流量制御手段GM2の全閉位置をホールIC等のセンサにより検出した後に、さらに閉弁を確実化するために弁の閉方向への押し込み動作を行うようにしている。
【0108】
図16はこの押し込み動作の制御構成を示すもので、GM2制御部43に駆動デュティ変更部49を設けている。この駆動デュティ変更部49はホールIC等の全閉位置検出センサ50から第2の流量制御手段GM2の全閉位置の検出信号を受けたときに、弁を閉方向に駆動する電圧のデュティを低めに変更する。例えば、弁をデュティ50%の駆動電圧で開位置から閉方向に動作させていたときに、全閉位置検出センサ50から全閉位置の検出信号が加えられたときに、駆動電圧のデュティを50%から、例えば30%に可変設定するのである。
【0109】
GM2制御部43はこの駆動デュティ変更部49で可変設定されたデュティにより、タイマにより計測される一定時間(例えば5秒)だけ弁の全閉位置が検出されたときから図17に示す如く駆動電圧のデュティを下げて、さらに弁を閉方向に押し込み駆動するのである。
【0110】
この弁の閉方向への押し込み駆動により、第2の流量制御手段GM2の弁は確実に閉状態となり、給水制御用バイパス通路18の漏れの流れを完全に防止した状態で総流量制御による給湯の定常運転へ移行することが可能となるものである。
【0111】
このように駆動電圧のデュティを下げて、つまり、閉方向に押し込み、弁が弁座に突き当たって動かなくなっても、弁の駆動パワーを低下させて弁閉止後の閉方向への押し込み移動を行うようにしているので、流量制御手段GM2のギアモータのコイルの焼損を防止し、また、ギアモータのギアの破損等の発生を防止する。言い換えれば、弁が動かなくても焼損、破損しないトルクで押し込んでいる。すなわち、弁を閉方向に駆動して全閉位置となった以降も、同じ高い駆動パワーで弁の閉止方向への押し込み駆動を行うと、大きな駆動パワーが熱エネルギに変換し、その高い熱エネルギによりギアモータのコイルが焼損したり、また、大きなトルクがギアモータのギアに加わるのでギアが破損するという問題が発生する虞が生じるが、この実施形態例の如く、駆動パワーを低下させて弁の閉方向への押し込み駆動を行うので、このような問題を発生させることなく、弁の確実な閉止が達成されるものとなる。
【0112】
なお、この例では弁の閉方向への押し込み駆動のパワーを低下させる手段として、デュティを低めに可変設定したが、例えば、パルス数や、駆動周波数や、電流をパワーの低下方向に変更する等、駆動パワーを低減できる手段であれば他の手段を用いて駆動パワーを低下させるようにしてもよいことはもちろんのことである。
【0113】
図18は、前記図10に示すモード1の動作状態からモード2の動作状態への切り換え制御の構成を示すものである。同図において、モード切り換え制御部36は温度比較部51を有し、この温度比較部51は熱交出側温度センサ7の検出温度TOUTと熱交補助温度センサ22で検出される給湯熱交換器1内の湯温の検出温度TZ1の何れか一方または両方を取り込み、これらの検出温度TOUT、TZ1と予め与えられている判断基準温度TTHとを比較する。
【0114】
この判断基準温度TTHは第2の流量制御手段GM2を閉じた状態で給湯熱交換器1から後沸きの湯を常時バイパス通路17を通る水と混合させて出湯させたとき、その出湯温度がちょうど給湯設定温度TSPになる給湯熱交換器1内の後沸きの温度を意味しており、したがって、図19に示す如く、給湯熱交換器1内の後沸きの温度がTTHよりも高い場合には第2の流量制御手段GM2を閉止状態で出湯させたときには給湯設定温度TSPよりも高いオーバーシュートの湯となり、逆に、給湯熱交換器1内の湯温がTTHよりも低い場合には給湯設定温度TSPよりも低いアンダーシュートの湯となる。この点に着目し、本実施形態例では、温度比較部51はTOUTとTZ1の一方又は両方を予め与えられている判断基準温度TTHと比較し、検出温度が判断基準温度TTHよりも低下しているときには給湯設定温度TSPよりも高いオーバーシュートの湯は給湯されないものと判断し、後沸きによるオーバーシュートを防止するモード1の動作状態からモード2の動作状態に切り換え、次の給湯動作に備える。
【0115】
また、モード切り換え制御部36は、一缶二水路タイプの風呂給湯複合器の場合には、追い焚き単独運転が終了して沸き上がり後のポストポンプの動作が終了したことの信号(ポストポンプ終了信号)を検出したときには、ポストポンプにより、浴槽湯水の湯がバーナ10の消火状態で追い焚き循環路24を循環することで、追い焚き燃焼によって加熱されて後沸き状態となった給湯熱交換器1内の熱量が循環される浴槽湯水側に吸熱されて後沸きの状態が解消されたものと判断し、この場合もモード1の待機状態からモード2の待機状態にモード切り換えを行うものである。
【0116】
また、給湯熱交換器1内の湯温が判断基準温度TTHよりも低くなっているにもかかわらず、モード1の動作状態で、つまり、第2の流量制御手段GM2が開けられている状態で(もちろん第1の流量制御手段GM1も開けられている)、給湯運転が開始されると、この判断基準温度TTHよりも低い給湯熱交換器1内の湯が常時バイパス通路17から出る水と混合された後、さらに給水制御用バイパス通路18から出る水と混合されるために、給湯設定温度TSPよりもかなり低温の湯が給湯されてしまうという問題が生じるが、本実施形態例の如く給湯熱交換器1側の湯温TOUTとTZ1の一方又は両方が前記判断基準温度TTHよりも低下したときには第2の流量制御手段GM2を閉止する第2のモードの動作に切り換えられるので、前記アンダーシュートの湯の給湯を避けることができるという効果が得られる。また、これらモード1の動作状態からモード2の動作状態への切り換えを、給湯熱交換器1の湯側の温度TOUTと給湯熱交換器1のほぼ中間部温度TZ1とをともに考慮して行うことにより、給湯熱交換器1内の温度分布の変動が生じていても、給湯熱交換器1内の後沸きの湯温の情報をより確実に検出することができるので、モード動作の切り換え制御の精度を高めることができるものとなる。
【0117】
図20は、前記図10に示すモード3のミキシング動作からモード2の定常給湯運転への燃焼制御の切り換え構成を示すもので、燃焼制御モード切り換え部52を有して構成され、燃焼制御部48はモード3のミキシング動作時の燃焼制御を行う流量比燃焼制御部53とモード2の定常運転の燃焼を制御する総流量燃焼制御部54を備えている。前記流量比燃焼制御部53は湯側の流量Qを給水温度TINから給湯設定温度TSPに高めるのに要するフィードフォワード熱量PF/Fを算出し、このフィードフォワード熱量PF/Fを発生するガス量を供給すべく、比例弁14への開弁駆動電流を制御する。
【0118】
また、総流量燃焼制御部54は第2の流量制御手段GM2が閉止されている状態で、総流量QT(GM2が閉なのでQT=Q)を給水温度TINから給湯設定温度TSPに高めるのに要するフィードフォワード熱量PF/Fと、給湯設定温度TSPに対する給湯温度TMIXのずれを零に修正するフィードバック熱量PF/Bとを算出し、このフィードフォワード熱量PF/Fとフィードバック熱量PF/Bとを加算したトータル熱量を発生するのに要するガス量をバーナ10に供給すべく比例弁14への開弁駆動電流を制御する。
【0119】
燃焼制御モード切り換え部52は、モード3の流量比制御によるミキシング動作状態のときには流量比燃焼制御部53による燃焼制御を指定し、流量比燃焼制御部53による燃焼制御を行わせる。その一方で、給湯燃焼運転がモード3のミキシング動作からモード2の動作に切り替わったとき、つまり、給湯オンの信号が検出されている状態で第2の流量制御手段GM2の弁の閉弁信号がホールIC等の全閉位置検出センサ50から加えられたときに、モード3の状態からモード2の動作状態に切り替わったものと判断し、燃焼制御を流量比燃焼制御部53から総流量燃焼制御部54への制御に切り換える。
【0120】
このように、給湯熱交換器1から後沸きの湯が出て給湯温度TMIXが給湯設定温度TSPよりも高いオーバーシュートの湯になるときには、フィードフォワード熱量によって給湯熱交換器1を加熱し、給湯燃焼開始後給湯熱交換器1内に入る新たな水はこのフィードフォワード熱量PF/Fの熱により加熱して湯側の流量Qの温度を給湯設定温度になるようにし、給湯開始前に給湯熱交換器1内に残留していた後沸きの湯は、前述した如く、バイパス制御流量QBPと湯側の流量Qとの検出流量比を目標流量比に一致するように流量制御手段GM1,GM2の弁の開度が制御されることで、後沸きの温度の程度の如何にかかわらず、ほぼ給湯設定温度の湯を給湯することができることになる。
【0121】
また、モード3の動作状態からモード2の動作状態へ移行して燃焼制御モードが流量比燃焼制御部53から総流量燃焼制御部54の燃焼制御動作に切り替わることで、給湯燃焼装置の最大能力を十分に発揮し得る燃焼制御形態でもって給湯を安定的に行うことが可能となるものである。
【0122】
図21はこの流量比燃焼制御の状態から総流量制御に至る一連の制御動作状態時の給湯温度TMIXと総流量QTと湯側流量Qとガス量との関係をタイムチャートで示すものである。
【0123】
この図21で示される如く、本実施形態例では後沸き解消のミキシング動作ではフィードフォワード熱量を供給しての流量比制御が行われることで給湯温度TMIXはほぼ給湯設定温度TSPに近い安定した湯温となっていることが実証されており、ミキシング終了後のモード2の動作においては、給湯温度は給湯設定温度に精度良く制御されており、流量比制御から総流量制御への切り換えの境界においても湯温変動がなく、流量比制御から総流量制御へ円滑に切り替わっていることが実証されている。
【0124】
次に、前記流量比制御から総流量制御への切り換えの制御動作を図22のフローチャートに基づき簡単に説明する。この動作は給湯熱交換器1内に後沸きの湯が生じていて、モード1の状態で給湯運転が開始された場合を示している。
【0125】
まず、ステップ201で第1の流量センサFS1からオン信号(流水オン信号)が加えられて給湯が開始されたか否かを判断する。給湯が開始されたものと判断されたときには次のステップ202で流量比制御による湯側流量Qとバイパス制御流量QBPの流量比制御によるミキシング動作を行う。その一方で、ステップ203では、フィードフォワード熱量PF/Fを演算により求め、フィードフォワード熱量のみによるバーナ燃焼を行う。
【0126】
そして、ステップ204でモード3のミキシング動作が終了条件を満たすか否か、すなわち、総流量QTと湯側流量Qとの差ΔQがミキシング終了判断流量以下となってミキシング終了禁止時間が経過したか否か、あるいは、ミキシングの動作がミキシング許容時間を越えたかの判断が行われ、ミキシング終了条件を満たしたときには次のステップ205で第2の流量制御手段GM2の閉動作を行う。
【0127】
ステップ206では第2の流量制御手段GM2が全閉状態となったか否かを判断し、全閉位置検出センサ50から全閉位置の検出信号が加えられたとき、あるいは、さらに弁の閉方向への押し込み動作が行われて、その押し込み動作の終了信号が加えられたときには全閉状態と判断し、モード3の動作状態からモード2の総流量制御に移行する(ステップ207)。
【0128】
その一方で、燃焼制御部では、燃焼制御モードを流量比燃焼制御から総流量燃焼制御へ切り換え、フィードフォワード熱量PF/Fとフィードバック熱量PF/Bとのトータル熱量でもって給湯熱交換器1を加熱制御する。ステップ209では第1の流量センサFS1からオフ信号が加えられたか否かを判断する。オフ信号が加えられていないときには、給湯栓の蛇口は閉められておらず、給湯の使用が引き続き行われているものと判断し、総流量制御によって引き続き燃焼運転を行う。第1の流量センサFS1からオフ信号(流水オフ信号)が加えられたときには、給湯栓が閉められて給湯の使用が終了したものと判断し、燃焼を停止して次の給湯に備える。
【0129】
なお、このフローチャートの動作は、前記した如く、給湯熱交換器1内に後沸きの湯が生じていたときの前記モード1の動作状態で給湯運転が開始し、モード3の流量比制御によるミキシング動作からモード2の総流量制御への移行の動作であるが、給湯熱交換器1内にオーバーシュートの給湯温となる後沸きの湯が残留していないときにはモード2の動作状態、つまり、第2の流量制御手段GM2は閉止状態で給湯に備えて待機しており、この状態で給湯運転が開始されたときには、直ちに総流量燃焼制御により給湯運転を行うことになる。
【0130】
図23は、本実施形態例における第1の流量センサFS1と第2の流量センサFS2に断線等の異常が給湯運転時に生じたときに、高温の湯が給湯されるのを防止する異常時の安全を図る構成を示すものである。この安全の構成は、図2の(a),(b)のシステムに適用され、このシステムにおいて、給湯時に、第1の流量センサFS1と第2の流量センサFS2の一方又は両方が断線等の故障を起こしたときには、給湯熱交換器1内湯温の後沸き解消のミキシング動作が適正に行われず、高温の湯が給湯されるという虞があり、図23に示す構成は、このような第1の流量センサFS1と第2の流量センサFS2が故障しても、高温給湯の危険を確実に防止する構成のものである。
【0131】
この図23において、異常検出部60は第1の流量センサFS1と第2の流量センサFS2の異常を検出する。すなわち、異常検出部60には例えば第1の流量センサFS1と第2の流量センサFS2の適正出力範囲が予め与えられており、流量センサFS1,FS2に断線異常が生じると、この断線によって抵抗値が無限大に近く大きくなり、抵抗増大方向に流量センサの適正出力範囲を越える。異常検出部60は、流量センサFS1,FS2の出力が適正出力範囲を越えて異常を示したときには断線等の故障が生じたものと判断し、第1の流量センサFS1の異常を検出したときにはガス弁閉信号を出力して電磁弁12,13を遮断し、バーナ10へのガス供給量を止めて燃焼停止を行う。
【0132】
また、異常検出部60は、第2の流量センサFS2の異常を検出したときには、第2の流量制御手段GM2を全開にするバイパス弁全開信号を出力し、第2の流量制御手段GM2を全開させる。
【0133】
このように、本実施形態例では、湯側の流量を検出する第1の流量センサFS1が異常を起こしたときには燃焼が停止されることで高温給湯が防止され、また、総流量QTを検出する第2の流量センサFS2に異常が生じたとき(図2(a)のシステムの場合)には第2の流量制御手段GM2が全開に制御されることで、給湯熱交換器1から出る湯は給水制御用バイパス通路18を通る最大流量の水によって埋められることで、高温給湯の防止が達成される。
【0134】
本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の形態を採り得るものである。例えば、上記実施形態例では、目標流量比や、総流量や、給湯温度や、第1の流量制御手段に入る湯側流量の入力温度を求める解法データをそれぞれ演算式により与えたが、これらの解法データは表データ、グラフデータ等により与えてもよいものである。
【0135】
また、上記実施形態例では、ミキシング終了禁止時間をQTとQの流量差ΔQがミキシング終了判断流量以下となる時点を起点として与えたが、これをミキシング開始時(給湯開始時)を起点として与えてもよい(このときはΔQがミキシング終了判断流量以下となる時点を起点とするミキシング終了禁止時間よりも長めの時間となる)。この場合も、図13に示す如く、通水流量に応じてその時間を自動設定する等、ΔQがミキシング終了判断流量以下となる時点を起点として与えるミキシング終了禁止時間の場合と同様に取り扱うことができる。
【0136】
【発明の効果】
本発明は給湯熱交換器内に後沸きの湯の存在が検出された状態で給湯運転が開始されたときには、後沸きを解消する方向に第1の流量制御手段と第2の流量制御手段が制御されて、湯側の流量とバイパス制御流量の水の流量比が制御されるので、給湯熱交換器から出る後沸きを解消して給湯設定温度に近い湯を安定に給湯することが可能となる。
【0137】
この後沸き解消の湯と、水のミキシング動作においては、フィードバック熱量を供給することを避け、フィードフォワード熱量のみを供給して給湯熱交換器を加熱するようにしているので、後沸き解消のミキシング動作時に、給湯燃焼熱量を変動のない一定のフィードフォワード熱量によって給湯熱交換器を加熱することができるので、後沸きの湯がでる後に入り込む新たな給水をそのフィードフォワード熱量によって加熱して湯側の温度を給湯設定温度にして給湯することができることになる。
【0138】
しかも、本発明では、後沸き解消のミキシング動作時においては、総流量に対するフィードフォワード熱量ではなく、湯側流量の給水を給水温度から給湯設定温度に高めるのに要するフィードフォワード熱量、つまり、湯側流量に対するフィードフォワード熱量によって給湯熱交換器を加熱するように構成しているので、総流量を給水温度から給湯設定温度に高める熱量よりは小さい熱量であるので、給湯熱交換器内の後沸きの湯が出たときには、第2の流量制御手段は閉方向に動作し、後沸き解消後、迅速に第2の流量制御手段を閉止してフィードフォワード熱量のみによる流量比制御からフィードフォワードとフィードバックを併用した総流量制御の定常運転に移行させることが可能となる。
【0139】
その上、前記の如く後沸き解消のミキシング動作時には湯側流量に対するフィードフォワード熱量のみを供給して燃焼加熱が行われるようにしているので、後沸きの湯が出終わって第2の流量制御手段が閉止されたときには、湯側の流量は総流量に一致し、湯側の流量に対するフィードフォワード熱量と総流量に対するフィードフォワード熱量が等しくなるので、第2の流量制御手段を閉止させて流量比制御から総流量制御に移行する切り換え時点においてフィードフォワード熱量の供給量に段差が生じるということがなく、これにより、流量比制御から総流量制御へ、給湯湯温の変動を生じさせることなく円滑に切り換えることができるという効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】検出流量比を目標流量比に一致するように湯側の流量とバイパス制御流量との流量比制御を行う本実施形態例における給湯燃焼装置の要部構成のブロック図である。
【図2】本発明が適用される給湯燃焼装置の各種モデル例の説明図である。
【図3】本実施形態例における第1の流量制御手段と第2の流量制御手段の弁開度の制御形態を示す説明図である。
【図4】本実施形態例における給湯熱交換器の後沸き解消の流量比制御動作を説明するための後沸き温度と給湯温度と流量制御手段GM1,GM2の動作のタイムチャートである。
【図5】検出流量比を目標流量比に一致するように後沸き解消の制御を行う動作のフローチャートである。
【図6】後沸きを考慮した給湯温度を演算により求め、この演算により求めた給湯温度を給湯設定温度に一致するように流量比制御を行う本実施形態例の制御構成のブロック構成図である。
【図7】給湯温度を給湯温度センサにより直接検出し、給湯温度を給湯設定温度に一致する方向に湯側の流量とバイパス制御流量との流量比制御を行う本実施形態例の制御構成のブロック図である。
【図8】本発明が適用される給湯燃焼装置の他のモデル例を示す説明図である。
【図9】本実施形態例における給湯燃焼装置の各種動作モードとそのモード切り換えの構成を示すブロック図である。
【図10】本実施形態例におけるモード1からモード4の動作状態の相互切り換えの流れを示す説明図である。
【図11】本実施形態例における第2の流量制御手段の閉止の制御構成を示すブロック構成図である。
【図12】ミキシング終了禁止時間設ける必要性の説明図である。
【図13】ミキシング終了禁止時間の設定例の説明図である。
【図14】フィードフォワード熱量を低減することにより第2の流量制御手段を間接的に閉止する構成のブロック図である。
【図15】第2の流量制御手段を間接的に閉止するフィードフォワード熱量の設定例の説明図である。
【図16】ミキシング終了時に第2の流量制御手段を全閉位置からさらに閉方向に押し込み駆動するための構成を示すブロック図である。
【図17】第2の流量制御手段の押し込み閉駆動電圧のデュティ変更動作例を示す説明図である。
【図18】図10のモード1の動作からモード2の動作への切り換え制御の構成を示すブロック図である。
【図19】第2の流量制御手段を閉止状態で給湯を開始したときにオーバーシュートとアンダーシュートが生じる給湯熱交換器内の湯のピーク温度を示す説明図である。
【図20】図10に示す流量比制御によるモード3のミキシング動作からモード2の給湯定常運転への移行時の燃焼制御モードの切り換え制御構成を示すブロック図である。
【図21】流量比制御から総流量制御への移行時における給湯温度TMIXと総流量QTと湯側の流量Qとガス量の関係を示すタイムチャートである。
【図22】流量比制御から総流量制御への移行時の動作を示す本実施形態例のフローチャートである。
【図23】流量センサの異常が検出されたときに高温給湯を防止する高温給湯防止構成のブロック図である。
【図24】本出願人が先に試作した給湯燃焼装置の構成を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 給湯熱交換器
18 給水制御用バイパス通路
34 ミキシング制御部
40 ミキシングモード動作部
GM1 第1の流量制御手段
GM2 第2の流量制御手段
48 燃焼制御部

Claims (1)

  1. 給水通路から供給される水を燃焼制御部によって制御されるバーナの燃焼熱量により加熱する給湯熱交換器と、この給湯熱交換器から出る湯の給湯通路と前記給水通路間を前記給湯熱交換器を迂回して連通する給水制御用バイパス通路と、この給水制御用バイパス通路から出る水が合流する湯側の流量を制御する第1の流量制御手段と、前記給水制御用バイパス通路を通る水の流量を制御する第2の流量制御手段と、給湯燃焼停止状態時における給湯熱交換器内湯温の後沸きの発生を判断する機能とを備えた給湯燃焼装置であって、給湯熱交換器内湯温の後沸きが生じているものと判断されている状態で給湯が開始されたときに第1の流量制御手段と第2の流量制御手段を制御して前記湯側の流量と前記給水制御用バイパス通路を通るバイパス制御流量の流量比を後沸き解消方向に制御するミキシングモード動作部と、この流量比制御による湯側流量とバイパス制御流量とのミキシング動作時の湯側流量を検出する湯側流量検出部とを有し、前記燃焼制御部は前記ミキシングモード動作部による流量比制御のミキシング動作時においては前記給水制御用バイパス通路を通る流量を含む給水の総流量のうちの湯側流量の給水を給水温度から給湯設定温度に高めるのに要するフィードフォワード熱量のみによって給湯熱交換器を加熱する制御機能を備えていることを特徴とする給湯燃焼装置。
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