JP3921318B2 - 確率変動型パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技中に大当たり発生の確率が変動する確率変動型パチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、パチンコ遊技機における大当たりは、始動口に打球が入賞し図柄変動表示器に数字,記号等の図柄が複数の表示列にて動画状に流れる如くに変動表示された後に所定の確率で例えば「333」,「777」のように3列とも同じ図柄に揃った場合に、可変入賞装置(大入賞口)の開閉扉がソレノイドの作動により継続的に開成状態となり、打球が極めて入り易い状況となることで多数の景品球を獲得できて遊技者に多くの利益がもたらされるものである。
【0003】
ところで、上記のような大当たりが発生する確率は、通常は1/250程度に設定されているが、例えば「777」で大当たりがもたらされた場合にはその大当たりが終了した後に1/20の高確率にしたり、あるいは大当たり発生後に図柄変動表示器に何らかの抽選手段が表示されその抽選結果の如何で大当たりの発生確率を高確率にするなど、予め定められた条件が満たされると大当たり発生確率を通常確率から高確率に変動させるパチンコ遊技機も従来から知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のパチンコ遊技機は、遊技者の技量がこうした確率変動に関与する余地は全くなく、機械にまかせっきりであったので、面白みが損なわれる欠点がある。
【0005】
本発明は、このような従来のパチンコ遊技機の欠点を解消し、確率変動に遊技者が参加できるようにすることで、この種のパチンコ遊技機の娯楽性を増大させようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞または通過することにより図柄変動表示器が変動表示され、所定の確率で特定図柄が表示されると大当たりが発生し可変入賞装置が継続的に開成状態となるパチンコ遊技機において、遊技球が入賞または通過する毎に前記確率を上昇させる確率変動領域と、遊技球が入賞または通過する毎に前記確率を下降させる確率変動領域とを遊技盤に設けたことを特徴とする。
また本発明は、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞または通過することにより図柄変動表示器が変動表示されるとともに乱数が取得され、該乱数を大当たり判定手段が予め決められた特定数字であるかどうかを判定することにより所定の確率で該図柄変動表示器に特定図柄が表示されて大当たりが発生し可変入賞装置が継続的に開成状態となるパチンコ遊技機において、遊技球が入賞または通過する毎に前記特定数字の数を増加させて大当たり発生の確率を上昇させる確率変動領域と、遊技球が入賞または通過する毎に前記特定数字の数を減少させて大当たり発生の確率を下降させる確率変動領域とを遊技盤に設けたことを特徴とする。
また本発明は上記パチンコ遊技機において、変動する確率が遊技者に表示されるようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に図面に従い本発明の実施の形態を説明する。図1にこのパチンコ遊技機における遊技盤1の正面を示し、図中、2は該遊技盤1上に設けられたカラー液晶ディスプレイからなる図柄変動表示器、3は始動口、4は該始動口3の下方に設けられた大きな長方形状の大入賞口からなる可変入賞装置、5は該可変入賞装置にソレノイドの作動により開閉動するよう設けられた開閉扉である。また、6〜8は該遊技盤1上に設けられ遊技球が入賞することにより後述する大当たり発生の確率を上昇させることとなる確率変動領域たる入賞口、9〜12は同じく遊技盤1上に設けられ遊技球が通過することにより確率を下降させることとなる確率変動領域たる通過ゲート、13,14は同じく遊技盤1上に設けられ遊技球が通過することにより確率を上昇させることとなる確率変動領域たる通過ゲートである。なお、入賞口6〜8および通過ゲート13,14には図示したように確率上昇を意味する「+」の記号が表示され、通過ゲート9〜12には確率下降を意味する「−」の記号が表示されている。
【0008】
また、図2はこのパチンコ遊技機の本発明に関連する遊技制御回路の要部を示したブロック図である。この遊技制御回路はCPUとRAMとROMと入出力回路部とからなり、該入出力回路部には、前記入賞口6〜8に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ15と、前記通過ゲート9〜12を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ16と、前記通過ゲート13,14を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ17と、前記始動口3に入賞した遊技球を検出する始動スイッチ18と、前記可変入賞装置4への入賞球を計数する大入賞口スイッチ19と、該可変入賞装置4内に予め設けられている継続入賞口への入賞を検出する継続スイッチ20が設けられているほか、図柄変動表示器2の駆動回路21、および、可変入賞装置4の開閉扉5を開閉動させるソレノイドが接続されている。なお、図柄変動表示器2には、1〜9の数字および記号等の図柄を3列にて動画状に流れる如くに変動表示させる変動表示領域23と、7つのスポット24a〜24gを夫々点灯状または非点灯状に表示する確率表示領域24が設けられている。なお、こうした確率表示領域は、図柄変動表示器2内に設けなくても遊技者が見られるように遊技盤1上等パチンコ遊技機の前面のいずれかにランプ,発光ダイオード等を設けることによって構成してもよい。
【0009】
次にこのパチンコ遊技機の作動を図3のフローチャートに従い説明する。このパチンコ遊技機では、通常遊技中に遊技球が入賞口6〜8または通過ゲート13,14等の確率変動領域を入賞または通過すると、ステップaよりステップbに移行し確率が現状の2倍となり、また遊技球が通過ゲート9〜12等の確率変動領域を入賞または通過すると、ステップcよりステップdに移行し確率が現状の2分の1となる。例えば電源投入時の初期状態で確率が1/256であった場合は、ステップbを経ることによって1/128にアップする一方、ステップdを経ることによって1/512にダウンする。そして、ステップbを経る度に確率が2倍になり、最高確率の1/16となったときにさらにステップbを経ると確率は最低の1/512に急落する。また、ステップdを経る度に確率が2分の1になる。ただし最低確率の1/512はキープされる。
【0010】
なお、例えば、大当たりをもたらす乱数が初期状態で予め2つの特定数字に設定されている場合は、確率を2倍にするには大当たりをもたらす特定数字を4つにし、確率を2分の1にするには大当たりをもたらす特定数字を1つに設定することで、簡単に確率設定を変更することができる。
【0011】
前記スポット24a〜24gはこの確率状況に従って点灯し、遊技者はその表示によって現状の確率を確認できるようになっている。例えば、図示したようにスポット24a〜24dが点灯しスポット24e〜24gが消灯しているときの確率は1/64で、その点灯数が1つ増すごとに確率は2倍となり、点灯数が1つ減るごとに確率は2分の1となる。
【0012】
そして始動口3に遊技球が入賞したことが始動スイッチ18により検知されると、ステップeよりステップfに移行して乱数が取得され、ステップg,hにてその乱数を現状の確率設定に基づいて判定し、大当たりの判定であった場合はステップiに移行し停止予定図柄として「333」,「777」等の大当たり図柄がセットされ、はずれの場合はステップjに移行し停止予定図柄としてはずれ図柄がセットされる。そして、ステップkにて図柄変動表示器2の変動表示領域23に図柄が動画状に流れる如くに変動表示され、その変動は数秒後にそれぞれステップiまたはステップjにてセットされた図柄にて停止し、ステップmにてその停止図柄が所定の大当たり図柄であるかどうかが判定され、はずれ図柄であった場合はステップaに戻り、大当たり図柄であった場合はステップnにて所定の大当たり処理がなされる。即ち、可変入賞装置4の開閉扉5がソレノイドの作動により継続的に開成状態となり、打球が極めて入り易い状況となることで多数の景品球を獲得できて遊技者に多くの利益がもたらされる。
【0013】
このため遊技者は、確率表示領域24の点灯状況によりこのパチンコ遊技機の現在の確率を知ったうえで、常にできるだけ高確率に保たれるように遊技球を入賞口6〜8や通過ゲート9〜14に入賞または通過させることとなり、その技量が競われるようになる。なお、遊技球が入賞口6〜8や通過ゲート9〜14等の確率変動領域に入賞または通過したときにどのように確率を変動させるかは、この実施形態のように現状の確率の2倍または2分の1とするに限らず自由に設定でき、例えば、確率表示領域24のスポットの点灯数に従ってその確率を倍増させる等の設定も可能である。
【0014】
またこの実施形態では、確率を上昇させる入賞口または通過ゲートに「+」の表示をし、下降させる入賞口または通過ゲートに「−」の表示をしたが、このような上昇または下降の表示を電光表示によって何らかの状況に応じて切り替えられるようにするとともに、その表示に従い入賞または通過したときに確率が上昇と下降とが切り替えられるようにしてもよい。そして例えば、大当たり処理が終了した後の所定期間だけ「+」表示の通過ゲートを多くする等の特典が与えられるようにすることも可能である。
【0015】
また、図4〜図6は本発明の他の実施形態を示したものである。このパチンコ遊技機では、遊技盤1上に図柄変動表示器2,始動口3,可変入賞装置4が設けられているほか、「−」記号が表示された通過ゲート25〜28、および、「G」の記号が表示された通過ゲート29、および、一対の開閉翼片30がソレノイドの作動により逆ハ字状に開閉するように構成された普通電役31、および普通入賞口32が設けられている。そして、図5に示したように通過ゲート29を通過した遊技球を検出する電役開放ゲートスイッチ33、普通電役31のソレノイド、および、該普通電役31内に設けられた入賞球検出スイッチ34、および、通過ゲート25〜28を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ35がこのパチンコ遊技機の遊技制御回路の入出力回路部に接続される。なお、その他、図1,図2と同一符号は同一部分を示す。
【0016】
このパチンコ遊技機では、図6のフローチャートに示したように、通常遊技中に遊技球が通過ゲート29を通過すると、ステップpよりステップqに移行し、普通電役31の開閉翼片30が例えば3秒間開放され、その間に該普通電役に遊技球が入賞するとステップr,sにて確率がその入賞個数に応じて上昇する。また、遊技球が通過ゲート25〜28を通過すると、ステップtよりステップuに移行し確率が現状の2分の1となる。そして、始動口3に遊技球が入賞したことが始動スイッチ18により検知されると、ステップeよりステップfに移行して乱数が取得され、ステップg,hにてその乱数を現状の確率設定に基づいて大当たりの判定がなされることは図3のフローチャートと同様である。このためこのパチンコ遊技機では、遊技者は普通電役31に遊技球をなるべく多く入賞させるようにする一方、通過ゲート25〜28にはできるだけ遊技球が通過しないようにすることで、大当たりの発生確率が常に高く維持されるように打球の打ち所等を工夫するようになる。そして、高確率時に始動口3に遊技球が入賞した場合には大当たりへの期待感が増しワクワクした気分に浸れるようになる。
【0017】
【発明の効果】
このように本発明のパチンコ遊技機は、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞または通過することにより図柄変動表示器が変動表示され、所定の確率で特定図柄が表示されると大当たりが発生し可変入賞装置が継続的に開成状態となるパチンコ遊技機において、遊技球が入賞または通過することにより前記確率を変動させる確率変動領域を遊技盤に設けたので、遊技中常に大当たり発生確率が変動し、遊技者は遊技球の打ち方等によってその確率を常に優位に保つべく技量を発揮できるようになるので、パチンコをより魅力的で娯楽性の高いものにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤の実施形態を示す正面図。
【図2】本発明に係るパチンコ遊技機の実施形態を示すブロック図。
【図3】本発明に係るパチンコ遊技機の実施形態を示すフローチャート。
【図4】本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤の他の実施形態を示す正面図。
【図5】本発明に係るパチンコ遊技機の他の実施形態を示すブロック図。
【図6】本発明に係るパチンコ遊技機の他の実施形態を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 遊技盤
2 図柄変動表示器
3 始動口
4 可変入賞装置
5 開閉扉
6〜8 確率変動領域(入賞口)
9〜14 確率変動領域(通過ゲート)
23 変動表示領域
24 確率表示領域
Claims (3)
- 遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞または通過することにより図柄変動表示器が変動表示され、所定の確率で特定図柄が表示されると大当たりが発生し可変入賞装置が継続的に開成状態となるパチンコ遊技機において、遊技球が入賞または通過する毎に前記確率を上昇させる確率変動領域と、遊技球が入賞または通過する毎に前記確率を下降させる確率変動領域とを遊技盤に設けたことを特徴とする確率変動型パチンコ遊技機。
- 遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞または通過することにより図柄変動表示器が変動表示されるとともに乱数が取得され、該乱数を大当たり判定手段が予め決められた特定数字であるかどうかを判定することにより所定の確率で該図柄変動表示器に特定図柄が表示されて大当たりが発生し可変入賞装置が継続的に開成状態となるパチンコ遊技機において、遊技球が入賞または通過する毎に前記特定数字の数を増加させて大当たり発生の確率を上昇させる確率変動領域と、遊技球が入賞または通過する毎に前記特定数字の数を減少させて大当たり発生の確率を下降させる確率変動領域とを遊技盤に設けたことを特徴とする確率変動型パチンコ遊技機。
- 変動する確率が遊技者に表示されるようにした請求項1または2に記載の確率変動型パチンコ遊技機。
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