JP3917270B2 - ゴムクロ−ラの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴムクロ−ラの改良に係るものであり、特に言えば湿地走行に供せられるゴムクロ−ラの改良に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
湿地走行用のゴムクロ−ラとして皿型ゴムクロ−ラと称されるものがある。これはゴムクロ−ラの幅縁端(耳部)をゴムクロ−ラの内周側に偏曲させておくものであって、断面でみると皿状の形をしているために名付けられたものである。図9はこの皿型ゴムクロ−ラの代表的な形状を示す幅方向の断面図であって、ゴムクロ−ラ21の長手方向に一定ピッチをもって横並べして芯金22が埋設され、更にこの芯金22の翼部23を外囲いしてスチ−ルコ−ド24が列状をなしてゴム中に埋設されている。尚、このゴムクロ−ラ21は幅方向の左右の形状は非対称とされた例である。
【0003】
そしてゴムクロ−ラ21の耳部25を中央部よりも内周方向に位置させるように偏曲部26を形成してあるもので、このため、ゴムクロ−ラ21の外周面に形成されたラグ27は耳部25に対応する部位が中央よりも背丈が高く形成されることとなる。このため、ゴムクロ−ラ21に浮力をもたらし、かつ推進力の伝達にも役立つ形状とされている。
【0004】
しかるに、ゴムクロ−ラ21の耳部25は偏曲部26のために走行中に内周側に曲がり易くなることも事実であり、このため所望の浮力を生じないケ−スもある。そして、機体の旋回時にゴムクロ−ラ21の耳部25が曲がり過ぎると旋回抵抗はかなり大きなものとなる。又、ゴムクロ−ラ21の走行中にあって、耳部25の曲げが繰り返される結果、芯金22の翼部23の先端230 にてゴムクロ−ラに亀裂が入ることもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、無端状ゴム部材弾性体の長手方向に一定ピッチをもって横並べされた芯金が埋設され、この芯金の翼部を外囲いするスチールコードが同時に埋設され、かつ外表面側にゴムラグを形成したゴムクローラの構造であって、無端状ゴム弾性体の幅縁部がゴムクローラの内周面中央域よりも内周側に偏曲部を介して位置し、ゴム中に埋設された前記芯金の左右翼部の先端部を当該変曲部に対応してゴムクローラの内周側に折り曲げた形状とし、さらに、前記偏曲部の内部に前記芯金の先端部を配置した、ことを特徴とし、好ましくは、ゴムラグと芯金とは平面上重なり合う位置に配置されたもので、更に好ましくは、この折曲部に表裏貫通部を形成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
従来のゴムクロ−ラにあっては、前述したようにゴムクロ−ラの耳部の剛性が不足するために走行中に内周側に耳部が湾曲してしまうが、この結果、ゴムクロ−ラの機体を支持する圧力はゴムクロ−ラの中央域のみにかかることになり、機体全体は泥地に沈み込んでしまうという欠点がある。
又、走行中に耳部が湾曲するため芯金の翼部先端のゴムに曲げ応力が集中し、耳切れが生じやすいという欠点もある。
【0007】
本発明はいわゆる皿型ゴムクロ−ラの改良を目的としたものであり、通常の皿型のゴムクロ−ラにおいてはゴム中に埋設された芯金の翼部は偏曲部には達しない長さとされるが、本発明のゴムクロ−ラにあってはこの偏曲部位にまで芯金の翼部の両端が達し、しかもこの先端がゴムクロ−ラの内周側に折れ曲がった形状を有しているものである。そして、皿型ゴムクロ−ラの偏曲部位の傾斜角は、通常は約10〜30度とされるが、この折れ曲がる形状は偏曲部位の傾斜角と略等しくするものであって、このため、走行時にゴムクロ−ラの耳部の内周側への折れ曲がり現象が抑えられることとなり、接地圧の低下はほとんどなく、浮力のアップに寄与することとなったものである。
【0008】
このことは旋回時においてもゴムクロ−ラの耳部の剛性がアップし、偏曲部による側面抵抗の減少と併せて、旋回時の抵抗が小さくなったものである。そして特徴的にはゴムクロ−ラのみになる耳部が短くなり、しかも芯金の両端部をゴムクロ−ラの内周側に折り曲げた形状としたために、ラグの接地面から芯金端部までの間隔が大きくなるが、このことは接地面と芯金端部までのゴム厚が厚くなることであり、このため耳切れの発生も低減されるという大きな特徴がある。そして、ゴムクロ−ラの旋回性能をも改善されることになる。
【0009】
尚、折曲部に孔状の又は凹み状の表裏貫通部を形成すれば、両側に加硫接着されるゴム部材がかかる貫通部を通して一体となりより剥離が防止され、更に言えば、この貫通部分の芯金の重量分が軽くなり軽量化に役立つことともなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明のゴムクロ−ラの実施例を図面をもって更に詳細に説明する。
図1は本発明のゴムクロ−ラに用いられる芯金の平面図、図2は正面図、図3はA−A線での断面図である。
【0011】
図における芯金10は左右の翼部11、11とゴムクロ−ラの内周面より突出する一対の突起12、12と、この突起12、12にはさまれたスプロケット係合部13とからなり、特に、この両翼部11、11の先端部がゴムクロ−ラの内周側に向けて折り曲げられた折曲部14、14されたものである。この折り曲げ部14、14はゴムクロ−ラの耳部を形成する偏曲部に対応するものである。
【0012】
さて、本発明のゴムクロ−ラは上記した芯金をその長手方向に一定ピッチをもって横並べしてゴム中に埋設されたものであり、図4はゴムクロ−ラ1の内周側平面図、図5は外周側平面図、図6は側面図、図7はB−B線断面図、図8はC−C線断面図である。
【0013】
図中、符号1はゴムクロ−ラであり、2は芯金10の翼部11を外囲いしてゴム中に埋設されたスチ−ルコ−ドである。そしてゴムクロ−ラの外周面に備えられたゴムラグ3、4は、芯金10の埋設部位に重なるようにして形成されたものであり、この例ではゴムクロ−ラ1の幅端縁に達する大ラグ3と、中央部にのみ存在する小ラグ4とが交互に配置され、大ラグ3の中央部5は切り欠かれた状態とされている。そしてゴムクロ−ラ1の耳部6はゴムクロ−ラ1の中央域よりも内周側に形成されたものであり、この間を偏曲部7にて結んだものである。即ち、かかる耳部6は図示するように偏曲部7によってゴムクロ−ラの内周側に配置され、断面皿型形状とされている。
【0014】
この図でも分るように芯金10の先端部の折曲部14がゴムクロ−ラの中央部に留まらず、偏曲部7中にまで達する構造としたもので、芯金10の先端部の折曲部14の折り曲げ角度はほぼ偏曲部7の角度に近似させたものである。
【0015】
従って、ゴムクロ−ラの偏曲部7における剛性が著しく向上すると共に、ゴムラグ4における接地面と芯金10の折曲部14の先端との間隔は、従来のゴムクロ−ラのそれとはかなり大きく異なる構成されるものであり、このため、耳部6の内周側への湾曲現象が阻止され、かつ耳切れの発生をも低減されるようになったものである。そして、このため、ゴムクロ−ラの旋回性能をも改善されることになる。
【0016】
尚、図にあって符号140 、141 は折曲部14に夫々設けた表裏に貫通する貫通部であり、貫通部140 は孔状のものであり、貫通部141 は凹み状のものである。図例でも分かる通り、折曲部14に貫通部140 、141 を備えることによって折曲部14の表裏のゴム部材がここで一体化され、例えば剥離防止に役立っていることは明らかである。
【0017】
本発明のゴムクロ−ラに用いられる芯金について更に言えば、ゴムクロ−ラの構造によっては翼部の一方側にのみの折曲部を構成するものであってもよく、又、耳部の剛性を更に付与するためには折曲部を幅の広い構造とすることも可能である。一方、ゴムクロ−ラ側から見れば、外周面に備えられるゴムラグは長ラグのみを備えたものであってもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上の構成を採用したため、皿型ゴムクロ−ラの耳部の剛性を大きくでき、更に推進力の発揮は勿論のこと耳部が内周側に曲がることが少なくなったことから旋回性能にも優れ、かつ耳切れの少ない優れたゴムクロ−ラが提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のゴムクロ−ラに用いられる芯金の平面図である。
【図2】図2は図1の芯金の正面図である。
【図3】図3は図1の芯金のA−A線での断面図である。
【図4】図4は本発明のゴムクロ−ラの内周側平面図である。
【図5】図5は図4のゴムクロ−ラの外周側平面図である。
【図6】図6は図4のゴムクロ−ラの側面図である。
【図7】図7は図4のゴムクロ−ラのB−B線での断面図である。
【図8】図8は図4のゴムクロ−ラのC−C線での断面図である。
【図9】図9は従来の皿型ゴムクロ−ラの断面図である。
【符号の説明】
1‥‥ゴムクロ−ラ、
2‥‥スチ−ルコ−ド、
3、4‥‥ゴムラグ、
6‥‥耳部、
7‥‥偏曲部、
10‥‥芯金、
11‥‥芯金の翼部、
12‥‥芯金の突起、
13‥‥芯金のスプロケット係合部、
14‥‥芯金の翼部先端の折曲部、
140 、141 ‥‥折曲部に設けた貫通部。
Claims (3)
- 無端状ゴム部材弾性体の長手方向に一定ピッチをもって横並べされた芯金が埋設され、この芯金の翼部を外囲いするスチールコードが同時に埋設され、かつ外表面側にゴムラグを形成したゴムクローラの構造であって、
無端状ゴム弾性体の幅縁部がゴムクローラの内周面中央域よりも内周側に偏曲部を介して位置し、ゴム中に埋設された前記芯金の左右翼部の先端部を当該偏曲部に対応してゴムクローラの内周側に折り曲げた形状とし、さらに、前記偏曲部の内部に前記芯金の先端部を配置した、ことを特徴とするゴムクローラの構造。 - ゴムラグと芯金とは平面上重なり合う位置に配置された請求項第1項記載のゴムクローラの構造。
- 折曲部に表裏貫通部を形成した請求項第1項記載のゴムクローラの構造。
Priority Applications (1)
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Publications (2)
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ID=26508982
Family Applications (1)
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JP29638697A Expired - Lifetime JP3917270B2 (ja) | 1997-07-06 | 1997-10-14 | ゴムクロ−ラの構造 |
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1997
- 1997-10-14 JP JP29638697A patent/JP3917270B2/ja not_active Expired - Lifetime
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