JP3526394B2 - ゴムクロ−ラ - Google Patents
ゴムクロ−ラInfo
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Description
な構造に係り、特に湿田等に用いられるゴムクロ−ラの
ラグの摩耗の低減と旋回性の向上を目指したものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来のゴムクロ−ラにおけるラグ形状は
種々存在するが、湿田や半湿田用に用いられるゴムクロ
−ラにはゴムクロ−ラの幅方向に直線状にのびる長短ラ
グが交互に備えられたものが多い。 【0003】図7はその一例を示すゴムクロ−ラの外周
面側の平面図であり、ゴムクロ−ラ21の外周面には幅
方向の全長にわたる長ラグ22と、中央に形成された短
ラグ23とが交互に配備された構造となっており、ゴム
クロ−ラの中央域Aにて機体の重量を支え、左右域Bに
て推進力をもたらしている。図でも分かるように、この
左右域Bには短ラグ23が存在せず、ゴムクロ−ラの外
周面に泥土が付着した場合でもラグ間(ラグ22、22
間)に幅があるため比較的泥土は落ち易く、このためゴ
ムクロ−ラは高度の推進力が発揮される。ただし、中央
域Aは長ラグ22と短ラグ23が存在ししかもこのラグ
間(ラグ22、23間)が狭いため、この間に付着した
泥土は落ちにくく推進力の発揮は左程ではない。 【0004】このため、中央域Aに付着した泥土を落と
し易くするために長ラグ22の中央部を切り欠いた形状
のものが提案され、中央域Aにおける泥土の落下をうな
がし、より高い推進力を得ようとする試みがある。しか
しながら、このために新たな課題が発生することも事実
であり、例えば、長ラグの中央を分割したことでラグの
剛性が少なくなり、かつ長ラグの中央部における摩耗が
著しくなるという点である。更に、ゴムクロ−ラの旋回
時等に長ラグの中央域の側面での抵抗が増加したため、
特に半湿田や乾田での旋回性が低下する傾向にある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来のゴムクロ−ラの課題を解決することを課題と
し、ラグの剛性を確保しつつ中央部の泥の詰まりを少な
くし、中央部での長ラグの摩耗を低減させ、かつゴムク
ロ−ラの旋回性能を向上したゴムクロ−ラを提供しよう
とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解
決するために次の構成としたものである。即ち、無端状
ゴム弾性体の長手方向に一定ピッチをもって埋設された
芯金と、この芯金の接地側を囲んで前記無端状ゴム弾性
体の長手方向に向かって埋設されたスチ−ルコ−ドと、
外周面にラグを形成してなるゴムクロ−ラにおいて、前
記ラグはゴム弾性体の幅方向にのびる直線状の長ラグ
と、この長ラグ間に幅方向の中央域に存在する短ラグを
交互に配置し、短ラグに対向する前記長ラグ中央域本来
の背丈をH、中央域の背丈をhとするとき、0.3≦h
/H≦0.7とし、かつ、長ラグのかかる中央域を形成
するラグ頂面に対する傾斜角度θを30〜50度とし、
更に、短ラグの端部外方と長ラグの前後面とにて囲まれ
たゴムクロ−ラの外周面を、ゴムクロ−ラの幅端に近づ
くにつれて順次接地面より高くしたことを特徴とするゴ
ムクロ−ラにかかるものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明は、ゴムクロ−ラにおける
ラグの構造を変更することにより長ラグの強度を維持し
つつラグ間の泥詰まりをなくして推進力を得、かつラグ
の摩耗性を低減し、更にはゴムクロ−ラの旋回性能を高
めるようにラグの形状を特定化したもので、特に言え
ば、このゴムクロ−ラは、短ラグの両端と長ラグの前後
面とにて囲まれたゴムクロ−ラの外周面を、ゴムクロ−
ラの幅端に近づくにつれて順次接地面より高くしたいわ
ゆる皿型クロ−ラに特に最適なラグとしたものである。 【0008】本発明のゴムクロ−ラのラグの形状、寸法
も上記目的を達成するために特定されたものである。即
ち、長ラグの中央域の本来の背丈Hと中央域の実際の背
丈hとの比、h/Hが0.3未満ではラグの剛性は低
く、又、この部位の段差面が旋回に対して壁となり旋回
性能は劣り、一方、h/Hが0.7を越えると、ラグ間
に泥が詰まる傾向は大きくなってしまう。 【0009】そして、更に特徴的には、長ラグの中央域
の背丈h部位を構成するラグ頂面に対する傾斜面の角度
θにあって、旋回時の抵抗を減じるために緩やかな傾斜
をなすのがよいが、ラグの摩耗性を加味すると、θは3
0〜50度程度が好ましいものである。 【0010】尚、本発明のゴムクロ−ラは皿型ゴムクロ
−ラに特に好ましいものであることは前記した通りであ
るが、このゴムクロ−ラを更に最適化するためには長ラ
グ及び短ラグと芯金とは平面投影方向にて重複するのが
よく、ゴムクロ−ラの内周面側に長ラグに対向してリブ
を形成すればゴムクロ−ラの走行時にいわゆる耳部が曲
がってしまう現象を阻止でき、更に、このためにゴムク
ロ−ラの縁端部にゴムクロ−ラの長手方向にリブを形成
するのがよい。 【0011】 【実施例】以下、本発明のゴムクロ−ラを図面をもって
更に詳細に説明する。図1は本発明の最適化されたゴム
クロ−ラの外周面平面図、図2は内周面平面図、図3は
側面図である。又、図4はA−A線、図5はB−B線、
図6はC−C線での夫々断面図である。 【0012】さて、図においてゴムクロ−ラを形成する
無端状ゴム弾性体1中に一定ピッチをもって芯金2が埋
設されており、この芯金2を外囲いしてスチ−ルコ−ド
3がこれ又ゴム中に埋設されている。そして、この芯金
1からはゴム弾性体1の内周面に一対の突起4、4が突
出し、これが転輪やスプロケットとの係合に供されるも
ので、この突起4、4にはさまれた芯金2の中央部はス
プロケット係合部5を構成している。そしてこのスプロ
ケット係合部5、5間にはスプロケット係合孔6が形成
されている。 【0013】そして、この芯金2に対応するゴム弾性体
1の外周面にはゴム弾性体1の幅方向に伸びる長ラグ7
及び短ラグ8が交互に配置されている。この長ラグ7は
この例ではゴム弾性体1の幅端縁10 に至る長さとさ
れ、短ラグ8の端部におけるゴム弾性体1外周面は端縁
10 に近づくにつれて内周側にそっており、長ラグ7か
ら見れば、端縁10 に近づくにつれてその背丈が順次高
くなっているいわゆる皿型ゴムクロ−ラを構成してい
る。 【0014】最適化された図例のゴムクローラにあって
は、長ラグ7に対向するゴム弾性体1の内周面には、幅
方向にのびるリブ11が形成されてゴムクロ−ラ幅方向
の剛性、即ちゴムクロ−ラの耳おれ現象の阻止に対策を
打ってあり、更に、ゴム弾性体1における幅端縁10 に
は、ゴム弾性体1の長手方向にリブ12が形成されて補
強がなされている。尚、リブ11は必ずしも長ラグ7の
全長にわたって形成する必要はなく、場合によってはゴ
ムクロ−ラの幅方向の一方側にのみ形成してもよい。図
例にあっては幅方向左側のみにリブ11を形成した例で
ある。 【0015】さて、このゴムクロ−ラの長ラグ7の中央
域の本来の背丈H(短ラグ8の中央部の背丈と同一)は
略40mmであるところ、長ラグの中央部の実際の背丈
hを略18mmとしたものである。このため左右の長ラ
グ71 、72 はこの中央部の背丈の低いラグ70 のよっ
て連結されているため剛性の低下はそれ程でもなく、機
体の振動の発生も比較的少なくてすむこととなり、更に
特徴的には、短ラグ8と長ラグ中央部70 間に詰まる泥
が落ち易くなったものである。 【0016】そして、更に具体的にはこの中央部70 は
左右の長ラグ71 、72 との間で傾斜面73 、73 をも
って構成したため、ゴムクロ−ラの旋回時もこの部位が
旋回運動に対して大きな壁にならず、旋回抵抗も比較的
少なくてすみ、このためにラグの摩耗も低減されるとい
う特徴も併せもつものである。即ち、長ラグ7の中央部
70 を構成する傾斜面73 、73 はゴムクロ−ラの旋回
時の抵抗壁を構成することとなるが、この抵抗壁は緩や
かな角度をもって構成されたために旋回抵抗も小さく、
かつこのためのラグ部の摩耗も低減させる結果となった
ものである。この傾斜面73 の傾斜角度θは小さければ
よいことは勿論であるが、実質的には30〜50度程度
をもって長ラグの中央部70 が構成される。 【0017】又、この長ラグ7の中央部70 の底部長さ
lは泥詰まりを阻止するためには長い程好ましいが、ラ
グの剛性や機体の上下動の点を考慮すれば短ラグ8の頂
面長さLに対して0.3〜1程度、好ましくは0.4〜
0.7とするのがよい。 【0018】 【発明の効果】本発明のゴムラグ形状は前記したように
皿型ゴムクロ−ラに最適であって、長ラグ7の左右のラ
グ71 、72 間には泥詰まりはなく、このため大きな推
進力が発揮できる。そして、皿型ゴムクロ−ラの幅方向
端縁が内側に向って反っているため、この分だけラグ7
1 、72 の背丈が高くなっており、従って、このラグ7
1 、72 面の土に対する接触面が大きいことから大きな
推進力が得られることになる。 【0019】そして長ラグ7の中央部70 の背丈が低い
ため、短ラグ8との間での泥詰まりも少なくかつ旋回性
も改善され、かつ、ラグの摩耗性も改善されたものであ
り、泥田地でのゴムクロ−ラに最適となったものであ
る。
周面平面図である。 【図2】図2は図1のゴムクロ−ラの内周面平面図であ
る。 【図3】図3は図1のゴムクロ−ラの側面図である。 【図4】図4はA−A線での断面図である。 【図5】図5はB−B線での断面図である。 【図6】図6はC−C線での断面図である。 【図7】図7は従来のゴムクロ−ラの外周面側の平面図
である。 【符号の説明】 1‥‥無端状ゴム弾性体、 10 ‥‥ゴム弾性体の幅端縁、 2‥‥芯金、 3‥‥スチ−ルコ−ド、 4‥‥突起、 5‥‥スプロケット係合部、 6‥‥スプロケット係合孔、 7‥‥長ラグ、 70 ‥‥長ラグの中央部の背丈の低いラグ、 71 、72 ‥‥左右の長ラグ、 73 ‥‥左右の長ラグ71 、72 と中央部70 とを連続
する傾斜面、 8‥‥短ラグ、 11‥‥ゴム弾性体の内周面のリブ、 12‥‥ゴム弾性体の幅端縁のリブ、 H‥‥長ラグの中央域の本来の背丈、(短ラグの中央部
の背丈)、 h‥‥長ラグの中央部の実際の背丈、 θ‥‥傾斜面の傾斜角度、 l‥‥長ラグの中央部の底部長さ、 L‥‥短ラグの頂面長さ。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 無端状ゴム弾性体の長手方向に一定ピッ
チをもって埋設された芯金と、この芯金の接地側を囲ん
で前記無端状ゴム弾性体の長手方向に向かって埋設され
たスチ−ルコ−ドと、外周面にラグを形成してなるゴム
クロ−ラにおいて、前記ラグはゴム弾性体の幅方向にの
びる直線状の長ラグと、この長ラグ間に幅方向の中央域
に存在する短ラグを交互に配置し、短ラグに対向する前
記長ラグ中央域本来の背丈をH、中央域の背丈をhとす
るとき、0.3≦h/H≦0.7とし、かつ、長ラグの
かかる中央域を形成するラグ頂面に対する傾斜角度θを
30〜50度とし、更に、短ラグの端部外方と長ラグの
前後面とにて囲まれたゴムクロ−ラの外周面を、ゴムク
ロ−ラの幅端に近づくにつれて順次接地面より高くした
ことを特徴とするゴムクロ−ラ。
Priority Applications (1)
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JP19204297A JP3526394B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | ゴムクロ−ラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19204297A JP3526394B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | ゴムクロ−ラ |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1120751A JPH1120751A (ja) | 1999-01-26 |
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Family Applications (1)
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JP19204297A Expired - Fee Related JP3526394B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | ゴムクロ−ラ |
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Country | Link |
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---|---|---|---|---|
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JP2001322576A (ja) * | 2000-03-09 | 2001-11-20 | Bridgestone Corp | ゴムクローラ |
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1997
- 1997-07-03 JP JP19204297A patent/JP3526394B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1120751A (ja) | 1999-01-26 |
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