JP3915481B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線を用いて通信を行う無線通信装置に関し、詳しくは無線通信機器間の通信を確立するための設定を行う技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、コンピュータやプリントサーバなどを無線通信装置で接続した無線ＬＡＮが普及しつつある。無線ＬＡＮを構築する場合には、各無線通信装置について、通信を確立するための設定を行う必要がある。このような設定には、たとえば、アドホックおよびインフラストラクチャなどの通信モードの選択、通信のチャンネル、ＥＳＳ−ＩＤ、ＷＥＰと呼ばれる暗号通信に使用される暗号化鍵などの情報が含まれる。
【０００３】
しかし、無線通信装置には、プリントサーバやアクセスポイントなど、上記設定を行うためのインターフェイスを備えていないものがある。これらの装置については、他の無線通信装置から上述した情報を無線で送信することにより設定を行っていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上述の設定情報は、外部から秘匿しておくことが望ましい。設定情報が外部に漏洩した場合、無線ＬＡＮにおける通信内容も漏洩する可能性があるからである。しかし、従来、無線送信による設定では、設定情報の秘匿については十分に考慮されていなかった。かかる課題は、無線ＬＡＮのみならず、無線通信によって無線通信装置の設定を行う場合に共通の課題であった。
【０００５】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、無線環境下において無線通信装置の設定を行う際のセキュリティ確保を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明は、
他の無線通信装置を所定の無線ネットワークで動作させるための無線通信装置であって、
データの送受信時に前記他の無線通信装置と電波を利用した通信を行う標準通信部と、
前記標準通信部よりも弱い電波を利用して前記他の無線通信装置と通信を行う近距離通信部と、
前記標準通信部と前記近距離通信部とを切り替える通信制御部とを備え、
該通信制御部は、更に、
前記他の無線通信装置から、該他の無線通信装置の通信に関する設定を変更するための設定パラメータの送信指示を受信した場合に、前記近距離通信部を稼動させて該設定パラメータを該他の無線通信装置に送信する送信手段と、
前記他の無線通信装置から、当該無線通信装置が保持している設定内容とは異なる設定内容の設定パラメータを含む所定の無線信号を受信した場合に、前記設定パラメータの送信指示があったものと判断する判断手段とを備えることを要旨とする。
【０００７】
本発明の無線通信装置によれば、送信する信号に応じて標準通信部と近距離通信部とを使い分けることができる。特に、他の無線通信装置の通信に関する設定を変更するための設定パラメータを送信する場合には、標準よりも弱い電波により通信を行う近距離通信部を稼動させる。したがって、設定パラメータに暗号情報などの重要なパラメータが含まれていても、近距離通信部の通信可能範囲を超える地点にいる第三者に漏洩することを防ぐことができる。標準通信部は、設定パラメータ以外の情報を通信する際に用いられる。
【０００８】
また、上記無線通信装置は、他の無線通信装置から、該他の無線通信装置の通信に関する設定を変更するための設定パラメータの送信指示を受信した場合に、前記近距離通信部を稼動させて該設定パラメータを該他の無線通信装置に送信するものとし、更に、他の無線通信装置から、当該無線通信装置が保持している設定内容とは異なる設定内容の設定パラメータを含む所定の無線信号を受信した場合に、前記設定パラメータの送信指示があったものと判断するものとした。
【０００９】
このような無線通信装置によれば、自分が保持している設定パラメータと異なる内容の設定パラメータを含むビーコン信号等を他の無線通信装置から受信した場合に、設定パラメータの送信指示があったものとみなし、自動的に近距離通信部を用いて設定パラメータを送信することができる。
【００１０】
また、上記無線通信装置において、
前記設定パラメータは、他の無線通信装置との通信時にデータを暗号化または復号化するために用いる鍵情報を含むこととしてもよい。
【００１１】
このような無線通信装置によれば、第三者に鍵情報が漏洩することを防ぐことができる。
【００１２】
また、上記無線通信装置において、
前記設定パラメータは、参加するネットワークグループを特定するためのグループ情報を含むこととしてもよい。
【００１３】
このような無線通信装置によれば、予期せぬ第三者がグループ情報を傍受することによりネットワークグループに侵入することを防ぐことができる。
【００１４】
また、上記無線通信装置において、
前記通信制御部は、前記近距離通信部による設定パラメータの送信後、前記標準通信部を稼動させることとしてもよい。
【００１５】
このような無線通信装置によれば、設定パラメータを送信した後、自動的に標準通信部に通信部を切り替えることができる。従って、設定パラメータ以外の通信を即座に行うことができる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ実施例に基づき次の順序で説明する。
Ａ．第１実施例：
（Ａ１）ステーション概略構成：
（Ａ２）ステーション機能概要：
（Ａ３）設定パラメータ送信処理：
Ｂ．第２実施例：
（Ｂ１）アクセスポイント概略構成：
（Ｂ２）アクセスポイント機能概要：
（Ｂ３）設定パラメータ送信処理：
Ｃ．変形例：
【００２０】
Ａ．第１実施例：
（Ａ１）ステーション概略構成：
図１は、実施例において外部の無線通信装置の設定を行うために用いるステーションの概略構成図である。ステーションＳＴは、パーソナルコンピュータＰＣと無線通信カードＭＣとにより構成するものとした。パーソナルコンピュータＰＣは、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭを備えており、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、各種ＰＣカードを接続するためのＰＣＭＣＩＡインターフェイスも備えている。
【００２１】
ＰＣＭＣＩＡインターフェイスには、無線通信カードＭＣが接続される。無線通信カードＭＣは、パーソナルコンピュータＰＣとの接続のためのＰＣＭＣＩＡインターフェイスと標準通信部１０、近距離通信部１１、通信制御部１２およびアンテナ１３を備えている。標準通信部１０は、電波により通信を行うための回路を有しており、近距離通信部１１は、標準通信部１０よりも弱い電波で通信を行うための回路を有している。実施例では、近距離通信部１１は周囲３ｍ程度の範囲に電波を送信可能とした。通信制御部１２は、標準通信部１０と近距離通信部１１の制御および送受信するデータの中継を行う。
【００２２】
なお、電波による通信は、種々の規格や方式が考えられるが、実施例では、無線ＬＡＮの標準規格であるＩＥＥＥ８０２．１１ｂに基づく無線通信を行うこととした。ＩＥＥＥ８０２．１１ｂでは、２．４ＧＨｚ周波数帯の電波を用いて、ＤＳＳＳ方式と呼ばれるスペクトラム拡散通信方式により無線通信装置間の通信を行う。
【００２３】
（Ａ２）ステーション機能概要：
次に、無線通信装置の設定のためにステーションＳＴが持つ機能について説明する。ステーションＳＴを構成するパーソナルコンピュータＰＣは、その機能として、ユーザインターフェイス提供部１４と、パラメータ記憶部１５、パラメータ設定制御部１６、選択信号送信部１７およびパラメータ送信部１８を備えている。これらの機能は、いわゆる無線通信カードＭＣ用のユーティリティソフトをパーソナルコンピュータＰＣにインストールすることにより、ソフトウェア的に構築されている。図示を省略したが、パーソナルコンピュータＰＣは、ＣＤ−ＲＯＭなどの記録媒体やネットワークを介してこのようなソフトウェアをインストールする機能を備えている。
【００２４】
ユーザインターフェイス提供部１４は、ユーザからの各種入力・指示を受けるためにグラフィカルユーザインターフェイス（ＧＵＩ）をディスプレイに表示する。図２は、ＧＵＩの一例を示す図である。図中の「ＥＳＳ−ＩＤ」とは、参加する無線ネットワークグループを特定するためのグループ情報であり、同一のＥＳＳ−ＩＤを設定した無線通信装置間の通信を可能にする。「ＷＥＰ」とは、送受信するデータを暗号化または復号化するための鍵情報である。同一のＷＥＰを設定した無線通信装置間でなければデータの送受信を行うことができない。図では、鍵情報として「＊＊＊＊＊・・・」なるパラメータが設定されているように見えるが、これは、第三者から容易に確認できないようにするためであり、どのようなパラメータを設定しても、表示する際にはこのような記号が表示されることとなる。「チャンネル」とは、使用する無線の周波数を特定するためのパラメータである。ＩＥＥＥ８０２．１１ｂでは、１４のチャンネルが用意されている。「モード」とは、通信方式を指定するパラメータである。ＩＥＥＥ８０２．１１ｂでは、「インフラストラクチャモード」と「アドホックモード」を利用することができる。インフラストラクチャモードは、すべての通信を、アクセスポイントと呼ばれる中継機器を経由して行う方式であり、アドホックモードは、アクセスポイントを介さず、無線通信装置間で直接通信を行う方式である。
【００２５】
これらの設定パラメータは、すべてを入力する必要はなく、ユーザのネットワーク環境や、設定するモードに応じて必要なパラメータを入力すればよい。また、ＧＵＩを利用できないコンピュータを用いる場合には、コマンド入力等によって上記パラメータの入力を行ってもよい。
【００２６】
ユーザインターフェイス提供部１４により入力された設定パラメータは、パラメータ記憶部１５に記憶される。また、設定パラメータは、通信制御部１２に出力され、無線通信カードＭＣに備えられたフラッシュメモリに記憶される。これにより、無線通信カードＭＣは、この設定パラメータに基づく通信を行うようになる。
【００２７】
実施例のステーションＳＴは、設定パラメータを無線で送信することにより、他の無線通信装置の設定を行う機能も備えている。他の無線通信機器に送信される設定パラメータは、無線通信カードＭＣに設定された内容とは別に設定可能である。
【００２８】
パラメータ設定制御部１６は、ユーザインターフェイス提供部１４からの設定指示に応じて選択信号送信部１７とパラメータ送信部１８とを制御する。図２では、設定ボタンを押す操作により、設定指示が与えられることとなる。設定指示を受けて設定パラメータを送信する際には、選択信号送信部１７に近距離通信部１１を選択する指示を与える。その他のデータの送受信を行う場合には、標準通信部１０を選択する指示を与える。
【００２９】
選択信号送信部１７は、パラメータ設定制御部１６からの指示により、無線通信カードＭＣの通信制御部１２に、標準通信部１０あるいは近距離通信部１１のどちらの通信回路を稼動させるかの指示を与える。
【００３０】
パラメータ送信部１８は、パラメータ設定制御部１６からの指示により、パラメータ記憶部１５から設定パラメータを読み出し、無線通信カードＭＣの通信制御部１２に送信する。
【００３１】
無線通信カードＭＣの通信制御部１２は、パラメータ送信部１８から受信した設定パラメータを、選択信号送信部１７からの指示に基づき稼動させた通信回路を用いて、アンテナ１３から外部の無線通信装置に送信する。
【００３２】
（Ａ３）設定パラメータ送信処理：
次に、ステーションＳＴによる設定パラメータ送信処理について説明する。図３は、本処理を行う状況の一例を示した説明図である。本実施例では、工場Ａから出荷された初期状態の無線プリントサーバＰＳに対し、無線ネットワークグループＸに参加させるための設定パラメータをステーションＳＴ１から無線により送信する。無線プリントサーバＰＳは、ステーションＳＴ等から無線通信により印刷データを受信して、ケーブル等で接続されたプリンタに印刷を行う装置である。無線プリントサーバＰＳは、初期設定パラメータとして、ＥＳＳ−ＩＤを「ＧＲＯＵＰ１」、ＷＥＰは「使用しない」、チャンネルは「１４」、通信モードは「アドホックモード」と設定されているものとした。これらの初期パラメータは、取扱説明書によって、ユーザの知ることが可能である。無線ネットワークグループＸは、アクセスポイントＡＰ１とステーションＳＴ１、２とにより構築されており、ＥＳＳ−ＩＤは 「ＫＥＩＲＩ」、ＷＥＰは「ａａｂｂｃｃ」、チャンネルは１０、モードはインフラストラクチャモードとして運用されている。なお、無線ネットワークグループＸは、無線ネットワークグループＹと有線ＬＡＮによりアクセスポイントＡＰ１、ＡＰ２を経由して接続されており、有線ＬＡＮは、インターネットに接続されている。
【００３３】
図４は、設定パラメータ送信処理のフローチャートである。まず、送信を行うにあたり、ステーションＳＴ１と無線プリントサーバＰＳとの通信を最低限確立するために、ステーションＳＴ１の無線チャンネルを、無線プリントサーバＰＳと同じ１４チャンネルに設定し、通信モードをアドホックモードとする。また、ＷＥＰを使用しない設定とする。こうすることにより、ステーションＳＴ１と無線プリントサーバＰＳとが直接通信可能な状態となる。次に、ユーザは、無線ネットワークグループＸの上記設定を、図２のＧＵＩを用いてステーションＳＴ１に入力する（ステップＳ１００）。入力が完了した後、設定ボタンを押して設定指示を与える（ステップＳ１０１）。ステーションＳＴ１は、設定指示により近距離通信部を稼動させ（ステップＳ１０２）、入力した設定パラメータを無線プリントサーバＰＳに送信する（ステップＳ１０３）。
【００３４】
実施例では、近距離通信部１１の通信能力を３ｍ程度の範囲としたため、ユーザは、無線プリントサーバＰＳをステーションＳＴ１から３ｍ以内の範囲に設置する。このときステーションＳＴ１は、無線プリントサーバＰＳをステーションＳＴ１に接近させるように促す表示を行うものとしてもよい。ステーションＳＴ１は、無線プリントサーバＰＳから設定パラメータを受信した旨の応答メッセージを受信するか、予め定めた所定の時間を経過したのち、設定パラメータの送信を止める。その後、近距離通信部１１に替わり標準通信部１０を稼動させ（ステップＳ１０４）、処理を完了する。
【００３５】
このような処理によって、無線プリントサーバＰＳは設定パラメータを無線により受信し、通信設定を行うことができる。設定パラメータ送信時には、近距離通信部１１を用いるため、近距離通信部１１の通信能力（実施例では３ｍ）を超える場所にいる第三者に設定パラメータが漏洩することはない。上記説明では、ネットワークＸに関する設定を行うこととしたが、設定パラメータは任意に設定可能であるため、ネットワークＸのステーションＳＴ１を用いたとしても、ネットワークＹに参加させるための設定を行うこともできる。
【００３６】
上記送信処理では、ユーザが入力した設定パラメータを送信することとした。しかし、ステーションＳＴ１はネットワークＸの設定パラメータを予め保持している。従って、無線プリントサーバＰＳとの通信を最低限確立させる際に、この設定パラメータをメモリ等に退避させておき、これを送信することとしてもよい。こうすることにより、設定を行う装置が予め保持する設定パラメータを送信する場合には、ユーザが改めてパラメータを入力する手間を省くことができる。
【００３７】
上記説明では、アドホックモードでプリントサーバＰＳに対し設定パラメータを送信する例を示したが、インフラストラクチャモードでの送信を行ってもよい。また、アクセスポイント等に対しても同様の処理でステーションＳＴから設定を行うことができる。
【００３８】
Ｂ．第２実施例：
第１実施例では、ステーションＳＴを用いて他の無線通信装置の設定を行う例を示した。第２実施例では、アクセスポイントから他の無線通信装置の設定を行う例を説明する。
【００３９】
（Ｂ１）アクセスポイント概略構成：
図５は、本実施例におけるアクセスポイントの概略構成図である。アクセスポイントＡＰは、要求信号検出部２０、パラメータ入力部２１、パラメータ設定制御部２２、パラメータ記憶部２３、選択信号送信部２４、パラメータ送信部２５、通信制御部２６、標準通信部２７、近距離通信部２８、アンテナ２９を備えている。これらのうち、図１に基づき説明した各種機能と同じ名称のものは同じ機能を備える。以下では異なるものについてのみ説明する。
【００４０】
（Ｂ２）アクセスポイント機能概要：
要求信号検出部２０は、アンテナ２９、標準通信部２７あるいは近距離通信部２８、通信制御部２６を介して、他の無線通信装置からの設定要求信号を受信した場合に、パラメータ設定制御部２２に設定指示を与える。設定要求信号は、設定パラメータを要求する所定のリクエスト信号であってもよいし、アクセスポイントＡＰがパラメータ記憶部２３に保持している内容とは異なる設定パラメータを含むビーコン信号等を他の無線通信装置から受信した際に、その信号を設定要求信号とみなしてもよい。
【００４１】
パラメータ入力部２１は、アクセスポイントＡＰに設定パラメータを入力する。入力の方法は、第１実施例に基づき無線によりステーションＳＴ等から入力してもよいし、アクセスポイントＡＰが有線ＬＡＮに接続されている場合は、有線ＬＡＮに接続された端末から入力してもよい。また、アクセスポイントＡＰに入力装置を備えることにより直接入力することとしてもよい。
【００４２】
（Ｂ３）設定パラメータ送信処理：
次に、上述したアクセスポイントＡＰによる設定パラメータの送信処理について説明する。実施例ではステーションに設定パラメータを送信することとした。ステーションは、第１実施例で説明したステーションＳＴやプリントサーバＰＳでもよいし、近距離通信機能を有していない従来技術のステーションでもよい。ステーションは工場出荷状態であり、初期設定として、ＷＥＰは使用しない設定であり、通信モードはインフラストラクチャモードであるものとする。
【００４３】
まず、アクセスポイントＡＰとステーションを最低限通信可能な状態にするため、ステーションに設定されているＥＳＳ−ＩＤと同じＥＳＳ−ＩＤをアクセスポイントＡＰに設定する。そして、ステーションの通信モードをインフラストラクチャモード、およびＷＥＰを使用しない設定とする。
【００４４】
図６は、設定パラメータ送信処理のフローチャートである。アクセスポイントＡＰは、ステーションから所定の設定要求信号を受信する（ステップＳ２００）。その後、近距離通信部２８を稼動させ（ステップＳ２０１）、パラメータ入力部２１により予め入力した設定パラメータを送信する（ステップＳ２０２）。送信完了後は、ステーションからの応答メッセージあるいは所定時間の経過を待って近距離通信部２８に替わり標準通信部２７を稼動させる（ステップＳ２０３）。以上のステップにより処理は完了する。
【００４５】
このような処理により、アクセスポイントＡＰからステーションの設定を行うことができる。設定の際には近距離通信部２８を用いるため、近距離通信部２８の通信可能範囲を超える位置にいる第三者に、ＷＥＰ等の重要な暗号情報等が漏洩することを防ぐことができる。
【００４６】
なお、上記説明では、インフラストラクチャモードにより送信を行う例を示したが、アクセスポイント間通信モードやアドホックモードにより送信を行ってもよい。また、アクセスポイントＡＰは、プリントサーバ等のステーションとしての機能を兼ね備えているものとしてもよい。ステーションとしての機能を兼ね備えることにより、通信対象に応じて通信モードや機能を柔軟に使い分けることができる。
【００４７】
Ｃ．変形例：
第２実施例では、アクセスポイントＡＰからステーションを設定する例を示したが、第２実施例のアクセスポイントＡＰを介して、ステーションから他の無線通信装置を設定することも可能である。この場合、ステーションからアクセスポイントＡＰに対して、設定要求信号を発信するとともに、設定を行いたい無線通信装置を特定するためのパラメータ（ＭＡＣアドレス、ＩＰアドレス等）を送信する。アクセスポイントＡＰは、これらの信号に基づき設定パラメータを指定された無線通信装置に近距離通信で送信する。この場合、アクセスポイントＡＰの近くに設定対象を設置する。
【００４８】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に限られることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとることができる。上述した種々の説明においてハードウェアで行うこととした処理はソフトウェアで行うこととしてもかまわない。実施例において、近距離通信部の能力は３ｍであるとしたが、これは説明を容易にするために定めた値であり、任意の設定事項であることはいうまでもない。また、ＩＥＥＥ８０２．１１ｂに基づく無線通信に限られず、コードレス電話機、携帯電話、トランシーバなど各種無線通信装置間の設定に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】ステーションの概略構成図である。
【図２】ＧＵＩの一例を示す図である。
【図３】設定処理を行う状況の一例を示した説明図である。
【図４】第１実施例における設定パラメータ送信処理のフローチャートである。
【図５】アクセスポイントの概略構成図である。
【図６】第２実施例における設定パラメータ送信処理のフローチャートである。
【符号の説明】
１０…標準通信部
１１…近距離通信部
１２…通信制御部
１３…アンテナ
１４…ユーザインターフェイス提供部
１５…パラメータ記憶部
１６…パラメータ設定制御部
１７…選択信号送信部
１８…パラメータ送信部
２０…要求信号検出部
２１…パラメータ入力部
２２…パラメータ設定制御部
２３…パラメータ記憶部
２４…選択信号送信部
２５…パラメータ送信部
２６…通信制御部
２７…標準通信部
２８…近距離通信部
２９…アンテナ
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線を用いて通信を行う無線通信装置に関し、詳しくは無線通信機器間の通信を確立するための設定を行う技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、コンピュータやプリントサーバなどを無線通信装置で接続した無線ＬＡＮが普及しつつある。無線ＬＡＮを構築する場合には、各無線通信装置について、通信を確立するための設定を行う必要がある。このような設定には、たとえば、アドホックおよびインフラストラクチャなどの通信モードの選択、通信のチャンネル、ＥＳＳ−ＩＤ、ＷＥＰと呼ばれる暗号通信に使用される暗号化鍵などの情報が含まれる。
【０００３】
しかし、無線通信装置には、プリントサーバやアクセスポイントなど、上記設定を行うためのインターフェイスを備えていないものがある。これらの装置については、他の無線通信装置から上述した情報を無線で送信することにより設定を行っていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上述の設定情報は、外部から秘匿しておくことが望ましい。設定情報が外部に漏洩した場合、無線ＬＡＮにおける通信内容も漏洩する可能性があるからである。しかし、従来、無線送信による設定では、設定情報の秘匿については十分に考慮されていなかった。かかる課題は、無線ＬＡＮのみならず、無線通信によって無線通信装置の設定を行う場合に共通の課題であった。
【０００５】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、無線環境下において無線通信装置の設定を行う際のセキュリティ確保を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明は、
他の無線通信装置を所定の無線ネットワークで動作させるための無線通信装置であって、
データの送受信時に前記他の無線通信装置と電波を利用した通信を行う標準通信部と、
前記標準通信部よりも弱い電波を利用して前記他の無線通信装置と通信を行う近距離通信部と、
前記標準通信部と前記近距離通信部とを切り替える通信制御部とを備え、
該通信制御部は、更に、
前記他の無線通信装置から、該他の無線通信装置の通信に関する設定を変更するための設定パラメータの送信指示を受信した場合に、前記近距離通信部を稼動させて該設定パラメータを該他の無線通信装置に送信する送信手段と、
前記他の無線通信装置から、当該無線通信装置が保持している設定内容とは異なる設定内容の設定パラメータを含む所定の無線信号を受信した場合に、前記設定パラメータの送信指示があったものと判断する判断手段とを備えることを要旨とする。
【０００７】
本発明の無線通信装置によれば、送信する信号に応じて標準通信部と近距離通信部とを使い分けることができる。特に、他の無線通信装置の通信に関する設定を変更するための設定パラメータを送信する場合には、標準よりも弱い電波により通信を行う近距離通信部を稼動させる。したがって、設定パラメータに暗号情報などの重要なパラメータが含まれていても、近距離通信部の通信可能範囲を超える地点にいる第三者に漏洩することを防ぐことができる。標準通信部は、設定パラメータ以外の情報を通信する際に用いられる。
【０００８】
また、上記無線通信装置は、他の無線通信装置から、該他の無線通信装置の通信に関する設定を変更するための設定パラメータの送信指示を受信した場合に、前記近距離通信部を稼動させて該設定パラメータを該他の無線通信装置に送信するものとし、更に、他の無線通信装置から、当該無線通信装置が保持している設定内容とは異なる設定内容の設定パラメータを含む所定の無線信号を受信した場合に、前記設定パラメータの送信指示があったものと判断するものとした。
【０００９】
このような無線通信装置によれば、自分が保持している設定パラメータと異なる内容の設定パラメータを含むビーコン信号等を他の無線通信装置から受信した場合に、設定パラメータの送信指示があったものとみなし、自動的に近距離通信部を用いて設定パラメータを送信することができる。
【００１０】
また、上記無線通信装置において、
前記設定パラメータは、他の無線通信装置との通信時にデータを暗号化または復号化するために用いる鍵情報を含むこととしてもよい。
【００１１】
このような無線通信装置によれば、第三者に鍵情報が漏洩することを防ぐことができる。
【００１２】
また、上記無線通信装置において、
前記設定パラメータは、参加するネットワークグループを特定するためのグループ情報を含むこととしてもよい。
【００１３】
このような無線通信装置によれば、予期せぬ第三者がグループ情報を傍受することによりネットワークグループに侵入することを防ぐことができる。
【００１４】
また、上記無線通信装置において、
前記通信制御部は、前記近距離通信部による設定パラメータの送信後、前記標準通信部を稼動させることとしてもよい。
【００１５】
このような無線通信装置によれば、設定パラメータを送信した後、自動的に標準通信部に通信部を切り替えることができる。従って、設定パラメータ以外の通信を即座に行うことができる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ実施例に基づき次の順序で説明する。
Ａ．第１実施例：
（Ａ１）ステーション概略構成：
（Ａ２）ステーション機能概要：
（Ａ３）設定パラメータ送信処理：
Ｂ．第２実施例：
（Ｂ１）アクセスポイント概略構成：
（Ｂ２）アクセスポイント機能概要：
（Ｂ３）設定パラメータ送信処理：
Ｃ．変形例：
【００２０】
Ａ．第１実施例：
（Ａ１）ステーション概略構成：
図１は、実施例において外部の無線通信装置の設定を行うために用いるステーションの概略構成図である。ステーションＳＴは、パーソナルコンピュータＰＣと無線通信カードＭＣとにより構成するものとした。パーソナルコンピュータＰＣは、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭを備えており、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、各種ＰＣカードを接続するためのＰＣＭＣＩＡインターフェイスも備えている。
【００２１】
ＰＣＭＣＩＡインターフェイスには、無線通信カードＭＣが接続される。無線通信カードＭＣは、パーソナルコンピュータＰＣとの接続のためのＰＣＭＣＩＡインターフェイスと標準通信部１０、近距離通信部１１、通信制御部１２およびアンテナ１３を備えている。標準通信部１０は、電波により通信を行うための回路を有しており、近距離通信部１１は、標準通信部１０よりも弱い電波で通信を行うための回路を有している。実施例では、近距離通信部１１は周囲３ｍ程度の範囲に電波を送信可能とした。通信制御部１２は、標準通信部１０と近距離通信部１１の制御および送受信するデータの中継を行う。
【００２２】
なお、電波による通信は、種々の規格や方式が考えられるが、実施例では、無線ＬＡＮの標準規格であるＩＥＥＥ８０２．１１ｂに基づく無線通信を行うこととした。ＩＥＥＥ８０２．１１ｂでは、２．４ＧＨｚ周波数帯の電波を用いて、ＤＳＳＳ方式と呼ばれるスペクトラム拡散通信方式により無線通信装置間の通信を行う。
【００２３】
（Ａ２）ステーション機能概要：
次に、無線通信装置の設定のためにステーションＳＴが持つ機能について説明する。ステーションＳＴを構成するパーソナルコンピュータＰＣは、その機能として、ユーザインターフェイス提供部１４と、パラメータ記憶部１５、パラメータ設定制御部１６、選択信号送信部１７およびパラメータ送信部１８を備えている。これらの機能は、いわゆる無線通信カードＭＣ用のユーティリティソフトをパーソナルコンピュータＰＣにインストールすることにより、ソフトウェア的に構築されている。図示を省略したが、パーソナルコンピュータＰＣは、ＣＤ−ＲＯＭなどの記録媒体やネットワークを介してこのようなソフトウェアをインストールする機能を備えている。
【００２４】
ユーザインターフェイス提供部１４は、ユーザからの各種入力・指示を受けるためにグラフィカルユーザインターフェイス（ＧＵＩ）をディスプレイに表示する。図２は、ＧＵＩの一例を示す図である。図中の「ＥＳＳ−ＩＤ」とは、参加する無線ネットワークグループを特定するためのグループ情報であり、同一のＥＳＳ−ＩＤを設定した無線通信装置間の通信を可能にする。「ＷＥＰ」とは、送受信するデータを暗号化または復号化するための鍵情報である。同一のＷＥＰを設定した無線通信装置間でなければデータの送受信を行うことができない。図では、鍵情報として「＊＊＊＊＊・・・」なるパラメータが設定されているように見えるが、これは、第三者から容易に確認できないようにするためであり、どのようなパラメータを設定しても、表示する際にはこのような記号が表示されることとなる。「チャンネル」とは、使用する無線の周波数を特定するためのパラメータである。ＩＥＥＥ８０２．１１ｂでは、１４のチャンネルが用意されている。「モード」とは、通信方式を指定するパラメータである。ＩＥＥＥ８０２．１１ｂでは、「インフラストラクチャモード」と「アドホックモード」を利用することができる。インフラストラクチャモードは、すべての通信を、アクセスポイントと呼ばれる中継機器を経由して行う方式であり、アドホックモードは、アクセスポイントを介さず、無線通信装置間で直接通信を行う方式である。
【００２５】
これらの設定パラメータは、すべてを入力する必要はなく、ユーザのネットワーク環境や、設定するモードに応じて必要なパラメータを入力すればよい。また、ＧＵＩを利用できないコンピュータを用いる場合には、コマンド入力等によって上記パラメータの入力を行ってもよい。
【００２６】
ユーザインターフェイス提供部１４により入力された設定パラメータは、パラメータ記憶部１５に記憶される。また、設定パラメータは、通信制御部１２に出力され、無線通信カードＭＣに備えられたフラッシュメモリに記憶される。これにより、無線通信カードＭＣは、この設定パラメータに基づく通信を行うようになる。
【００２７】
実施例のステーションＳＴは、設定パラメータを無線で送信することにより、他の無線通信装置の設定を行う機能も備えている。他の無線通信機器に送信される設定パラメータは、無線通信カードＭＣに設定された内容とは別に設定可能である。
【００２８】
パラメータ設定制御部１６は、ユーザインターフェイス提供部１４からの設定指示に応じて選択信号送信部１７とパラメータ送信部１８とを制御する。図２では、設定ボタンを押す操作により、設定指示が与えられることとなる。設定指示を受けて設定パラメータを送信する際には、選択信号送信部１７に近距離通信部１１を選択する指示を与える。その他のデータの送受信を行う場合には、標準通信部１０を選択する指示を与える。
【００２９】
選択信号送信部１７は、パラメータ設定制御部１６からの指示により、無線通信カードＭＣの通信制御部１２に、標準通信部１０あるいは近距離通信部１１のどちらの通信回路を稼動させるかの指示を与える。
【００３０】
パラメータ送信部１８は、パラメータ設定制御部１６からの指示により、パラメータ記憶部１５から設定パラメータを読み出し、無線通信カードＭＣの通信制御部１２に送信する。
【００３１】
無線通信カードＭＣの通信制御部１２は、パラメータ送信部１８から受信した設定パラメータを、選択信号送信部１７からの指示に基づき稼動させた通信回路を用いて、アンテナ１３から外部の無線通信装置に送信する。
【００３２】
（Ａ３）設定パラメータ送信処理：
次に、ステーションＳＴによる設定パラメータ送信処理について説明する。図３は、本処理を行う状況の一例を示した説明図である。本実施例では、工場Ａから出荷された初期状態の無線プリントサーバＰＳに対し、無線ネットワークグループＸに参加させるための設定パラメータをステーションＳＴ１から無線により送信する。無線プリントサーバＰＳは、ステーションＳＴ等から無線通信により印刷データを受信して、ケーブル等で接続されたプリンタに印刷を行う装置である。無線プリントサーバＰＳは、初期設定パラメータとして、ＥＳＳ−ＩＤを「ＧＲＯＵＰ１」、ＷＥＰは「使用しない」、チャンネルは「１４」、通信モードは「アドホックモード」と設定されているものとした。これらの初期パラメータは、取扱説明書によって、ユーザの知ることが可能である。無線ネットワークグループＸは、アクセスポイントＡＰ１とステーションＳＴ１、２とにより構築されており、ＥＳＳ−ＩＤは 「ＫＥＩＲＩ」、ＷＥＰは「ａａｂｂｃｃ」、チャンネルは１０、モードはインフラストラクチャモードとして運用されている。なお、無線ネットワークグループＸは、無線ネットワークグループＹと有線ＬＡＮによりアクセスポイントＡＰ１、ＡＰ２を経由して接続されており、有線ＬＡＮは、インターネットに接続されている。
【００３３】
図４は、設定パラメータ送信処理のフローチャートである。まず、送信を行うにあたり、ステーションＳＴ１と無線プリントサーバＰＳとの通信を最低限確立するために、ステーションＳＴ１の無線チャンネルを、無線プリントサーバＰＳと同じ１４チャンネルに設定し、通信モードをアドホックモードとする。また、ＷＥＰを使用しない設定とする。こうすることにより、ステーションＳＴ１と無線プリントサーバＰＳとが直接通信可能な状態となる。次に、ユーザは、無線ネットワークグループＸの上記設定を、図２のＧＵＩを用いてステーションＳＴ１に入力する（ステップＳ１００）。入力が完了した後、設定ボタンを押して設定指示を与える（ステップＳ１０１）。ステーションＳＴ１は、設定指示により近距離通信部を稼動させ（ステップＳ１０２）、入力した設定パラメータを無線プリントサーバＰＳに送信する（ステップＳ１０３）。
【００３４】
実施例では、近距離通信部１１の通信能力を３ｍ程度の範囲としたため、ユーザは、無線プリントサーバＰＳをステーションＳＴ１から３ｍ以内の範囲に設置する。このときステーションＳＴ１は、無線プリントサーバＰＳをステーションＳＴ１に接近させるように促す表示を行うものとしてもよい。ステーションＳＴ１は、無線プリントサーバＰＳから設定パラメータを受信した旨の応答メッセージを受信するか、予め定めた所定の時間を経過したのち、設定パラメータの送信を止める。その後、近距離通信部１１に替わり標準通信部１０を稼動させ（ステップＳ１０４）、処理を完了する。
【００３５】
このような処理によって、無線プリントサーバＰＳは設定パラメータを無線により受信し、通信設定を行うことができる。設定パラメータ送信時には、近距離通信部１１を用いるため、近距離通信部１１の通信能力（実施例では３ｍ）を超える場所にいる第三者に設定パラメータが漏洩することはない。上記説明では、ネットワークＸに関する設定を行うこととしたが、設定パラメータは任意に設定可能であるため、ネットワークＸのステーションＳＴ１を用いたとしても、ネットワークＹに参加させるための設定を行うこともできる。
【００３６】
上記送信処理では、ユーザが入力した設定パラメータを送信することとした。しかし、ステーションＳＴ１はネットワークＸの設定パラメータを予め保持している。従って、無線プリントサーバＰＳとの通信を最低限確立させる際に、この設定パラメータをメモリ等に退避させておき、これを送信することとしてもよい。こうすることにより、設定を行う装置が予め保持する設定パラメータを送信する場合には、ユーザが改めてパラメータを入力する手間を省くことができる。
【００３７】
上記説明では、アドホックモードでプリントサーバＰＳに対し設定パラメータを送信する例を示したが、インフラストラクチャモードでの送信を行ってもよい。また、アクセスポイント等に対しても同様の処理でステーションＳＴから設定を行うことができる。
【００３８】
Ｂ．第２実施例：
第１実施例では、ステーションＳＴを用いて他の無線通信装置の設定を行う例を示した。第２実施例では、アクセスポイントから他の無線通信装置の設定を行う例を説明する。
【００３９】
（Ｂ１）アクセスポイント概略構成：
図５は、本実施例におけるアクセスポイントの概略構成図である。アクセスポイントＡＰは、要求信号検出部２０、パラメータ入力部２１、パラメータ設定制御部２２、パラメータ記憶部２３、選択信号送信部２４、パラメータ送信部２５、通信制御部２６、標準通信部２７、近距離通信部２８、アンテナ２９を備えている。これらのうち、図１に基づき説明した各種機能と同じ名称のものは同じ機能を備える。以下では異なるものについてのみ説明する。
【００４０】
（Ｂ２）アクセスポイント機能概要：
要求信号検出部２０は、アンテナ２９、標準通信部２７あるいは近距離通信部２８、通信制御部２６を介して、他の無線通信装置からの設定要求信号を受信した場合に、パラメータ設定制御部２２に設定指示を与える。設定要求信号は、設定パラメータを要求する所定のリクエスト信号であってもよいし、アクセスポイントＡＰがパラメータ記憶部２３に保持している内容とは異なる設定パラメータを含むビーコン信号等を他の無線通信装置から受信した際に、その信号を設定要求信号とみなしてもよい。
【００４１】
パラメータ入力部２１は、アクセスポイントＡＰに設定パラメータを入力する。入力の方法は、第１実施例に基づき無線によりステーションＳＴ等から入力してもよいし、アクセスポイントＡＰが有線ＬＡＮに接続されている場合は、有線ＬＡＮに接続された端末から入力してもよい。また、アクセスポイントＡＰに入力装置を備えることにより直接入力することとしてもよい。
【００４２】
（Ｂ３）設定パラメータ送信処理：
次に、上述したアクセスポイントＡＰによる設定パラメータの送信処理について説明する。実施例ではステーションに設定パラメータを送信することとした。ステーションは、第１実施例で説明したステーションＳＴやプリントサーバＰＳでもよいし、近距離通信機能を有していない従来技術のステーションでもよい。ステーションは工場出荷状態であり、初期設定として、ＷＥＰは使用しない設定であり、通信モードはインフラストラクチャモードであるものとする。
【００４３】
まず、アクセスポイントＡＰとステーションを最低限通信可能な状態にするため、ステーションに設定されているＥＳＳ−ＩＤと同じＥＳＳ−ＩＤをアクセスポイントＡＰに設定する。そして、ステーションの通信モードをインフラストラクチャモード、およびＷＥＰを使用しない設定とする。
【００４４】
図６は、設定パラメータ送信処理のフローチャートである。アクセスポイントＡＰは、ステーションから所定の設定要求信号を受信する（ステップＳ２００）。その後、近距離通信部２８を稼動させ（ステップＳ２０１）、パラメータ入力部２１により予め入力した設定パラメータを送信する（ステップＳ２０２）。送信完了後は、ステーションからの応答メッセージあるいは所定時間の経過を待って近距離通信部２８に替わり標準通信部２７を稼動させる（ステップＳ２０３）。以上のステップにより処理は完了する。
【００４５】
このような処理により、アクセスポイントＡＰからステーションの設定を行うことができる。設定の際には近距離通信部２８を用いるため、近距離通信部２８の通信可能範囲を超える位置にいる第三者に、ＷＥＰ等の重要な暗号情報等が漏洩することを防ぐことができる。
【００４６】
なお、上記説明では、インフラストラクチャモードにより送信を行う例を示したが、アクセスポイント間通信モードやアドホックモードにより送信を行ってもよい。また、アクセスポイントＡＰは、プリントサーバ等のステーションとしての機能を兼ね備えているものとしてもよい。ステーションとしての機能を兼ね備えることにより、通信対象に応じて通信モードや機能を柔軟に使い分けることができる。
【００４７】
Ｃ．変形例：
第２実施例では、アクセスポイントＡＰからステーションを設定する例を示したが、第２実施例のアクセスポイントＡＰを介して、ステーションから他の無線通信装置を設定することも可能である。この場合、ステーションからアクセスポイントＡＰに対して、設定要求信号を発信するとともに、設定を行いたい無線通信装置を特定するためのパラメータ（ＭＡＣアドレス、ＩＰアドレス等）を送信する。アクセスポイントＡＰは、これらの信号に基づき設定パラメータを指定された無線通信装置に近距離通信で送信する。この場合、アクセスポイントＡＰの近くに設定対象を設置する。
【００４８】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に限られることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとることができる。上述した種々の説明においてハードウェアで行うこととした処理はソフトウェアで行うこととしてもかまわない。実施例において、近距離通信部の能力は３ｍであるとしたが、これは説明を容易にするために定めた値であり、任意の設定事項であることはいうまでもない。また、ＩＥＥＥ８０２．１１ｂに基づく無線通信に限られず、コードレス電話機、携帯電話、トランシーバなど各種無線通信装置間の設定に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】ステーションの概略構成図である。
【図２】ＧＵＩの一例を示す図である。
【図３】設定処理を行う状況の一例を示した説明図である。
【図４】第１実施例における設定パラメータ送信処理のフローチャートである。
【図５】アクセスポイントの概略構成図である。
【図６】第２実施例における設定パラメータ送信処理のフローチャートである。
【符号の説明】
１０…標準通信部
１１…近距離通信部
１２…通信制御部
１３…アンテナ
１４…ユーザインターフェイス提供部
１５…パラメータ記憶部
１６…パラメータ設定制御部
１７…選択信号送信部
１８…パラメータ送信部
２０…要求信号検出部
２１…パラメータ入力部
２２…パラメータ設定制御部
２３…パラメータ記憶部
２４…選択信号送信部
２５…パラメータ送信部
２６…通信制御部
２７…標準通信部
２８…近距離通信部
２９…アンテナ
Claims (4)
- 他の無線通信装置を所定の無線ネットワークで動作させるための無線通信装置であって、
データの送受信時に前記他の無線通信装置と電波を利用した通信を行う標準通信部と、
前記標準通信部よりも弱い電波を利用して前記他の無線通信装置と通信を行う近距離通信部と、
前記標準通信部と前記近距離通信部とを切り替える通信制御部とを備え、
該通信制御部は、更に、
前記他の無線通信装置から、該他の無線通信装置の通信に関する設定を変更するための設定パラメータの送信指示を受信した場合に、前記近距離通信部を稼動させて該設定パラメータを該他の無線通信装置に送信する送信手段と、
前記他の無線通信装置から、当該無線通信装置が保持している設定内容とは異なる設定内容の設定パラメータを含む所定の無線信号を受信した場合に、前記設定パラメータの送信指示があったものと判断する判断手段とを備える
無線通信装置。 - 請求項１に記載の無線通信装置であって、
前記設定パラメータは、他の無線通信装置との通信時にデータを暗号化または復号化するために用いる鍵情報を含む無線通信装置。 - 請求項１または２に記載の無線通信装置であって、
前記設定パラメータは、参加するネットワークグループを特定するためのグループ情報を含む無線通信装置。 - 請求項１ないし３のいずれかに記載の無線通信装置であって、
前記通信制御部は、前記近距離通信部による前記設定パラメータの送信後、前記標準通信部を稼動させる無線通信装置。
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