JP3913457B2 - シート装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、シートバックを前倒した状態でロックさせることが可能なシート装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
自動車などに搭載されるシート装置では、通常はシートクッションに対して起立状態にあるシートバックを前倒させて、その背面をテーブルや座面として使用可能としたものがある。こうしたシート装置で、シートバックをシートクッションに対して固定させるためのロック機構として、次のような構成が知られている。すなわち、シートバックを構成するアッパアームにロック用の凹部を形成し、シートバックが所定の回動位置にあるときに、このロック用凹部に、シートクッションを構成するロアアーム側に設けた突起部材を係合させてアッパアームの回動を規制する。ロック用の突起部材は、別設の操作ハンドルによってロック用凹部との係合位置(ロック位置)と係合解除位置(アンロック位置)に移動される。
【0003】
このようなロック機構の問題点として、シートバックへの負荷がロック機構に作用するという点が挙げられる。例えば、前倒状態にしたシートバックをテーブルや座面として使用している場合、アッパアームには荷重がかかっている。この状態でアッパアーム側のロック用凹部とロアアーム側の突起部材を係合させてロックしていると、当該ロック部分に負荷がかかり、ロック解除時に摩擦力に抗する大きな操作力が必要となる。解除操作力が大きいと操作性が悪くなり、さらに、ロック用凹部とロック用突起部材の係合箇所に変形や摩耗を生じるおそれがある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、シートバック前倒時にかかる負荷に影響されることなくロック解除操作を行うことが可能で、操作性及び耐久性に優れたシート装置を簡単な構成で得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明のシート装置は、ロアアーム側に設けたベース;アッパアームに固定され、ロアアームに対して該アッパアームを前倒位置と起立位置に回動させるようにベースに回動可能に支持されたラチェット;該ラチェットに形成したロック凹部;このロック凹部に係脱可能で、前倒位置で該ロック凹部に係合してラチェットの回動を規制するロックピン;このロックピンをロック凹部との係合方向に付勢する付勢手段;該付勢手段に抗してロックピンをロック凹部との非係合位置に移動させる、外部から操作可能なロック解除操作部材;及び、ベースに設けた、起立位置から前倒位置への回動動作でラチェットに当接し、ロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの前倒位置を決定するストッパ部;を有し、ロック凹部とロックピンとを、ストッパ部によってアッパアームの前倒位置を決定したとき、互いに非接触となるように形成したことを特徴としている。該構成によれば、シートバックの前倒位置では、アッパアームに作用する荷重が、ロック凹部からロックピンに伝達されずに、ストッパ部を介してベースに伝達される。そのため、ロック凹部とロックピンには負荷(摩擦)が作用せず、シートバックへの負荷状態に関わりなくロック解除操作を軽い操作力で実行することができる。また、無理な力がかからないのでロック凹部やロックピンが変形、破損するおそれがない。
【0006】
このシート装置ではさらに、ラチェットは、アッパアームの起立位置でロックピンが係合する第2のロック凹部を有し、ベースは、前倒位置から起立位置への回動動作でラチェットに当接し、第2のロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの起立位置を決定する第2のストッパ部を有していることが望ましい。
【0007】
また、ストッパ部はベースの一部を折曲して形成されており、ラチェットには、このストッパ部に係脱可能な折曲部が形成されるように構成すると、部品点数や組付工数の増加を抑えることができるので好ましい。
【0008】
以上のシート装置では、ロアアームとベースの間に、アッパアームを後傾させることが可能なリクライニング機構を設けてもよい。
【0009】
本発明のシート装置はまた、ロアアーム側に設けたベース;アッパアームに固定され、ロアアームに対して該アッパアームを前倒位置と起立位置に回動させるようにベースに回動可能に支持されたラチェット;該ラチェットに位置を異ならせて形成した第1のロック凹部と第2のロック凹部;この第1、第2のロック凹部に係脱可能で、前倒位置と起立位置で該第1、第2のロック凹部に係合してラチェットの回動を規制するロックピン;このロックピンをロック凹部との係合方向に付勢する付勢手段;該付勢手段に抗してロックピンをロック凹部との非係合位置に移動させる、外部から操作可能なロック解除操作部材;及び、ベースに設けた、起立位置から前倒位置への回動動作でラチェットに当接し、第1のロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの前倒位置を決定する第1のストッパ部と、該前倒位置から起立位置への回動動作でラチェットに当接し、第2のロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの起立位置を決定する第2のストッパ部;を有し、第1のロック凹部とロックピンとを、第1のストッパ部によってアッパアームの前倒位置を決定したとき、互いに非接触となるように形成したことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1に示すように、シート装置10は、着座者の尻部を支えるシートクッション11と、着座者の背部を支えるシートバック12とを有している。シートクッション11の骨格をなすロアアーム13には、リクライニング機構14とシートバック前倒機構15を介して、シートバック12の骨格をなすアッパアーム16が支持されている。
【0011】
アッパアーム16は、リクライニング機構14によって、起立状態(図1にMで示す)から後傾状態(同図にLで示す)へ、リクライニング回動中心17を中心として傾動することが可能である。このリクライニング機構は周知の構成であるので、その概略のみを簡単に説明する。リクライニング機構14は、ロアアーム13に対してリクライニング回動中心17を軸として回動可能に支持されたラチェットプレート18を有しており、ロアアーム13側には、このラチェットプレート18の円弧状周面に形成されたラチェット歯19に係脱可能な歯部を有するポール(不図示)が設けられている。ポールはラチェット歯19と噛み合う方向に付勢されており、このラチェット歯19とポールの歯部の噛合によって、リクライニング機構14はアッパアーム16を一定の角度で保持させる。ラチェット歯19とポールの歯部の噛合は、リクライニング操作レバー20によって解除させることができる。リクライニング機構14には、アッパアーム16を常時前傾方向に回動付勢するスパイラルスプリング(不図示)が内蔵されており、リクライニング操作レバー20によってラチェット歯19とポールの噛合を解除させると、アッパアーム16はスパイラルスプリングの付勢力によって、起立位置よりも若干前傾した位置に回動される。この起立位置から前傾位置に相当する区間にはラチェット歯19が形成されておらず、該前傾位置から起立位置までアッパアーム16を後方に倒す方向にラチェットプレート18が回動すると、初めてラチェット歯19とポールの歯部が噛合する。起立位置より後方へは、ラチェットプレート18の回動に応じて、ポールに対するラチェット歯19の噛合位置が変化して、アッパアーム16の後傾角度が設定される。
【0012】
ラチェットプレート18とアッパアーム16の間には、シートバック前傾機構15が設けられている。このシートバック前倒機構15が、本発明の特徴に係る部分である。シートバック前倒機構15は、大きく分けて、ベース30、ラチェット31、ロック解除レバー(ロック解除操作部材)32、リンク33、ロックスプリング(付勢手段)34といった部材から構成されている。このシートバック機構15は、ラチェットプレート18の上部(すなわちロアアーム13側)に固定されたベース30に対し、アッパアーム16側に固定されたラチェット31が、前倒回動中心35を中心として図3と図4に示す位置に回動することによって、アッパアーム16、すなわちシートバック12を起立状態(図1にMで示す)と前倒状態(同図にNで示す)に切り替えさせるという基本構造を有する。以下、シートバック前倒機構15の具体的構成を説明する。
【0013】
図2や図5に示すように、ベース30は、概ね対称な形状をなす一対のベースプレート30A、30Bを組み合わせて構成されている。ベースプレート30A、30Bは、下端部が密着し、該下端部よりも上方では離間して対向するような形状に成形されており、各ベースプレート30A、30Bの密着する下端部には、一対の固定用穴36が形成されている。各固定用穴36は、ラチェットプレート18に形成された固定用穴18aと対応する位置に設けられており、これら固定用穴36、18aに固定ねじ37を挿通させてナットで留めることによって、ベースプレート30A、30Bが相対的に固定されるとともに、ラチェットプレート18とベース30が固定される。
【0014】
ベースプレート30A、30Bにはまた、それぞれ対向する位置に、軸受穴38、ロックピン案内長孔39、ばね掛け腕部逃がし穴40が形成されている。さらに片側のベースプレート30Bには、リンク軸支穴41が形成されている。他方のベースプレート30Aには、軸受穴38を中心とする放射方向に向けて位置を異ならせて、前倒位置ストッパ腕部(第1のストッパ部)42、起立位置ストッパ腕部(第2のストッパ部)43が形成されている。このストッパ腕部42、43の作用については後述する。
【0015】
ベースプレート30A、30Bの軸受穴38にはブッシュ44が嵌着されており、ブッシュ44は、ベースプレート30A、30Bに挟まれるように設けたラチェット31を貫通している。ラチェット31は、このブッシュ44の円筒状軸部の周面に沿って回動することができ、ブッシュ44の中心軸が前述の前倒回動中心35に一致する。ラチェット31には、アッパアーム16に固定させるための一対の固定用穴45が形成されている。アッパアーム16に固定した状態でラチェット31を前倒回動中心35を中心として回動させると、アッパアーム16を前述の前倒位置と起立位置に動作させることができる。
【0016】
アッパアーム16は、前倒位置と起立位置でロックさせることができる。ラチェット31の外縁部には、回動中心軸35を中心とする円周方向に位置を異ならせて、前倒位置ロック凹部(第1のロック凹部)50と起立位置ロック凹部(第2のロック凹部)51が形成されている。また、ベースプレート30Bのリンク軸支穴41には、リンク33の一端部付近を回動可能に支持する回動中心軸52が取り付けられている。リンク33の他端部付近にはロックピン53が固設されており、該ロックピン53は、ベースプレート30A、30Bのロックピン案内長孔39を挿通して、その先端部がベースプレート30Aから外方に突出されている。ロックピン53はロックピン案内長孔39に摺動可能に嵌っており、リンク33は、ロックピン53がロックピン案内長孔39の両端部に当接する範囲で、回動中心軸52を中心とする揺動を行うことができる。そして、ロックピン53は、ロックピン案内長孔39の一端部(各図中の上側の端部)付近まで移動すると、ラチェット31の外縁部に形成された前倒位置ロック凹部50または起立位置ロック凹部51に係合する。ロックピン53と各ロック凹部50、51が係合する状態では、ラチェット31の回動が規制されて、アッパアーム16は、起立状態か前倒状態のいずれかに保持される。詳細には、ロックピン53が前倒位置ロック凹部50と係合するときにはアッパアーム16は前倒位置でロックされ、ロックピン53が起立位置ロック凹部51と係合するときにはアッパアーム16は起立位置でロックされる。
【0017】
リンク33は、ばね掛け腕部56に掛けられたロックスプリング34によって、ロックピン53をロック凹部50、51と係合させる回動方向(図3、図4の反時計方向)、すなわちロック方向に付勢される。ロックスプリング34の他端部は、ロック解除レバー32のばね掛け腕部55に掛けられている。ロック解除レバー32は、ラチェット31と共通の前倒回動中心35で回動可能となるようにベースプレート30Aの外面側に支持された部材であり、ベースプレート30Bの外面側に支持されたリンク33は、このロック解除レバー32との間にロックスプリング34を張設するために、ばね掛け腕部56を、ばね掛け腕部逃がし穴40を通してロック解除レバー32側(ベースプレート30A側)に突出させている。ばね掛け腕部逃がし穴40は、リンク33が前述の揺動を行ってもばね掛け腕部56と干渉しないように、円弧状の長孔として形成されている。
【0018】
ロック解除レバー32は、回動支軸57の非円形断面部と係合する非円形断面穴58を有し、該回動支軸57は、その中間の円柱状部分をブッシュ44の円筒状部に回動可能に挿通させている。回動支軸57の中心軸はブッシュ44の中心軸と一致しており、これにより、ロック解除レバー32はラチェット31と共通の前倒回動中心35で回動されることなる。回動支軸57の一端部には、ロック解除レバー32を抜け止めさせるかしめ部59が形成され、他端部にはブッシュ44を抜け止めさせる大径のリブ60が形成されている。このかしめ部59とリブ60で、ロック解除レバー32、ベースプレート30A、ラチェット31、ベースプレート30B、ブッシュ44を挟んで保持する(図5)。
【0019】
ロック解除レバー32には、ベースプレート30A、30Bに形成したロックピン案内長孔39と一部が重なるように、円弧状のロックピン操作長孔61が形成されている。ロックピン53は、ロックピン案内長孔39と同時にロックピン操作穴61にも挿通されており、ワッシャ62によってロック解除レバー32に対して抜け止めされている。ロックピン操作長孔61は、ロック解除レバー32の正逆方向の回動操作に応じて、ロックピン53をロックピン案内長孔39の一端部と他端部の間で移動させる(リンク33を揺動させる)形状をなしている。
【0020】
ロック解除レバー32は、リンク33をロック方向に付勢するロックスプリング34の自由状態では、図3及び図4に実線で示す回動位置に保持される。該自由状態では、ロックピン53はロック凹部50、51と係合するロック位置に保持される。ここで、把持操作部63を手動で操作して、ロック解除レバー32を図3と図4に2点鎖線で示す位置まで反時計方向に回動させると、ロックピン53がロックピン操作長孔61の内壁面に押圧され、リンク33は、ロックピン53をロックピン案内長孔39内でアンロック方向に移動させるように、時計方向に回動する。すると、ロックピン53とロック凹部50、51の係合が解除されるのでラチェット31が回動可能となり、アッパアーム16(シートバック12)を前倒位置と起立位置の間で動作させることができる。このロック解除レバー32のアンロック方向への回動操作では、ばね掛け腕部55、56が離間するため、ロックスプリング34が引っ張られ、ロック方向(縮み方向)への力がチャージされる。なお、ロックピン53は、ロックピン操作長孔61への挿通部分が若干小径に形成されており、ロックピン操作長孔61の内壁面との間に若干の余裕が確保されている(図6)。この余裕は、ロック解除レバー32をアンロック方向へ回動操作したときの遊びとして作用する。
【0021】
ロック解除状態において、シートバック12を前倒位置と起立位置のいずれかに移動させてロック解除レバー32から手を離すと、引っ張られたロックスプリング34が縮もうとする力によって、ロック解除レバー32は図3及び図4中の時計方向に回動される。これに応じてロックピン操作長孔61の内壁面による押圧が解除され、ロックピン53は、ロックスプリング34の復元力によってロックピン案内長孔39内をロック方向に移動する。なお、ラチェット31が、アッパアーム16の前倒位置と起立位置の中間に対応する回動位置にあるときには、ロックピン53は、完全にロック位置まで移動されずに、ラチェット31の外縁部64に当接した状態で保持される。そして、アッパアーム16が前倒位置と起立位置に達すると、ロックスプリング34の復元力によって改めてロック凹部50、51に係合する。
【0022】
このように、シートバック前倒機構15では、自由状態ではシートバック12(アッパアーム16)を前倒位置と起立位置のいずれかに係止させるようにロック機構が作用し、ロック解除レバー32に対する操作によってロック解除させることが可能である。ところで、シートバック12は、前倒させた状態ではその背面を座面やテーブルとして使用可能であるため、前倒状態のシートバック12には上側(背面側)から荷重がかかることが想定される。前述のように、シートバック前倒機構15のロック手段は、係脱可能なロックピン53とロック凹部50、51によって構成されているが、こうしたロック手段では、荷重がかかった状態でアンロック操作を行うことは望ましくない。すなわち、アッパアームを係止させるための構造がロックピンとロック凹部のみに依存しているものと仮定すると、荷重がかかった状態では、当該荷重によってロックピンが凹部の内壁面に押し付けられるので、凹部からロックピンを係合解除させるためにそれだけ大きな操作力が必要になる。すると、ロック解除レバーのアンロック方向への回動操作が重くなり、操作性が良くない。また、大きな操作力が必要であれば、係合しているロックピンや凹部にかかる負担が大きくなるので、これらの係合部分の変形や経年使用による摩耗が発生しやすくなる。場合によっては、ロック解除レバーをアンロック方向に操作しているにも関わらず、ロック解除動作が生じないという不具合が起こる。
【0023】
本実施形態のシート装置10では、以下に説明する構成によってこうした不具合を防止することができる。図3、図4及び図10に示すように、前倒位置ロック凹部50と起立位置ロック凹部51は、それぞれ内壁面の形状が概ね半円状をなす凹部として形成されているが、前倒位置ロック凹部50の内壁面の間隔(図10にW1で示す)の方が、起立位置ロック凹部51の内壁面の間隔(同図にW2で示す)よりも幅広に形成されている。また、ラチェット31の外縁部から中心方向への深さも、起立位置ロック凹部51より前倒位置ロック凹部50の方が深い。つまり、起立位置ロック凹部51よりも前倒位置ロック凹部50の方が、内径サイズが大きい凹部として形成されている。ロックピン53は、内径サイズの小さい起立位置ロック凹部51に略隙間なく係合する径サイズに形成されていて、内径サイズの大きい前倒位置ロック凹部50に対しては、相当のクリアランスをもって係合(遊嵌)するようになっている。
【0024】
ラチェット31には、その板面の一部を切り起こすことによって、折曲当接部(折曲部)70が突設されている。折曲当接部70は、ラチェット31の板面と略直交する方向に向かう立壁部71と、この立壁部71の先端を略直角に折り曲げてラチェット31の板面と略平行となるようにした係止壁部72とを有するL字状の断面形状をなしている。ラチェット31の正逆の回動に伴って移動される折曲当接部70の移動軌跡上には、前述のベースプレート30Aに切り起こして形成した前倒位置ストッパ腕部42と起立位置ストッパ腕部43が位置している。そして、シートバック12を起立位置から前倒位置に位置させるべくラチェット31を反対方向(図3の反時計方向)に回動させると、折曲当接部70が前倒位置ストッパ腕部42に当接し、シートバック12を前倒位置から起立位置に位置させるべくラチェット31を一方向(図4の時計方向)に回動させると、折曲当接部70が起立位置ストッパ腕部43に当接する。詳細には、折曲当接部70の係止壁部72の側面が、各ストッパ腕部42、43の側面に当接する。
【0025】
つまり、ロック手段として機能するロックピン53とロック凹部50、51とは別に、折曲当接部70とストッパ腕部42、43によってラチェット31の回動を規制することで、シートバック12の前倒位置と起立位置を決定している。そのため、シートバック12のアッパアーム16にかかる荷重は、折曲当接部70とストッパ腕部42、43で受けることができ、ロックピン53とロック凹部50、51の係合部分に過度な荷重がかかるのを避けることができる。
【0026】
特に図4に示すように、アッパアーム16の前倒位置では、ラチェット31の折曲当接部70とベース30の前倒位置ストッパ腕部42が当接してアッパアーム16(ラチェット31)の位置を決定されているとき、ロックピン53と、該ロックピン53の外径よりも内壁面の間隔を一定以上大きく形成した前倒位置ロック凹部50とは非接触の関係にある。そのため、アッパアーム16にかかる荷重は、前倒位置ロック凹部50からロックピン53には伝わることがなく、折曲当接部70からベース30に伝達されて該ベース30側で受けることになる。その結果、図4の状態からロック解除レバー32をアンロック方向へ回動させる際には、ロックピン53と前倒位置ロック凹部50の間に摩擦が生じず、(ロックピン53と各長孔39、61の摺動抵抗等を考慮しなければ)ロックスプリング34の付勢力に抗する力のみを加えればよいことになり、ロック解除のために必要な操作力を小さく抑えることができる。また、ロックピン53や前倒位置ロック凹部50に過度な操作力がかかって変形、摩耗させてしまうおそれもない。
【0027】
なお、ロックピン53をロック状態に維持させる力はロックスプリング34によって付与されるので、ロック状態でのロックピン53と前倒位置ロック凹部50の間のクリアランスが大きくても、ロック力には影響がない。
【0028】
また、シートバック12の起立位置でも、折曲当接部70とストッパ腕部42を当接させることは有効である。すなわち、シートバック12を起立させた状態で後傾させるような荷重が加わっているとき、折曲当接部70と起立位置ストッパ腕部43の当接関係がなければ、この荷重は、ロックピン53と起立位置ロック凹部51の係合部分のみで受けなければならない。この場合には、ロックピン53と起立位置ロック凹部51の係合を解除させる際に、ロックスプリング34の付勢力に抗する力に加えて、荷重によるロックピン53と起立位置ロック凹部51の内壁面の摩擦に抗する力も加える必要があり、操作性やロック手段の耐久性の点で好ましくない。一方、折曲当接部70と起立位置ストッパ腕部43の当接部分でシートバック12にかかる荷重を一部でも受けていれば、ロックピン53と起立位置ロック凹部51の係合解除に必要な力をそれだけ小さくすることができる。
【0029】
以上の説明から明らかなように、本実施形態のシートバック前倒機構15では、簡単な構成によってロック機構の負担を軽減させることができ、ロック解除の操作性とロック機構の耐久性を向上させることができる。加えて、ベース30側のストッパ腕部42、43や、ラチェット31側の折曲当接部70は、それぞれ板状の母材を切り起こして形成しているので、実質的な部品点数を増やさずに済み、こうしたストッパを別部材として設けた場合に比して取付作業工数を少なく抑えることができる。
【0030】
但し、本発明は実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限りにおいて様々な態様を取り得る。例えば、実施形態のシート装置10は、後傾させるリクライニング機構14を備えているが、後傾機能を備えないシート装置にも本発明は適用可能である。また、実施形態では説明していないが、シート装置は、ロアアームの前後方向位置を調整させるスライダ機構などを備えていてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、シートバック前倒時にかかる負荷に影響されることなくロック解除操作を行うことが可能で、操作性及び耐久性に優れたシート装置を簡単な構成で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したシート装置の側面図である。
【図2】図1のシート装置のシートバック前倒機構を分解して示す斜視図である。
【図3】シートバックが起立状態にあるときのシートバック前倒機構を示す側面図である。
【図4】シートバックが前倒状態にあるときのシートバック前倒機構の要部を示す側面図である。
【図5】図3の切断線V‐Vにおける断面図である。
【図6】図3の切断線VI‐VIにおける断面図である。
【図7】図3の矢印VII方向からシートバック前倒機構の一部を見た正面図である。
【図8】一方のベースプレートの単体形状を示す側面図である。
【図9】他方のベースプレートの単体形状を示す側面図である。
【図10】ラチェットの単体形状を示す側面図である。
【図11】ロック解除レバーの単体形状を示す側面図である。
【図12】ロックピンを有するリンクの単体形状を示す側面図である。
【符号の説明】
10 シート装置
11 シートクッション
12 シートバック
13 ロアアーム
14 リクライニング機構
15 シートバック前倒機構
16 アッパアーム
17 リクライニング回動中心
18 ラチェットプレート
18a 固定用穴
19 ラチェット歯
20 リクライニング操作レバー
30 ベース
30A 30B ベースプレート
31 ラチェット
32 ロック解除レバー(ロック解除操作部材)
33 リンク
34 ロックスプリング(付勢手段)
35 前倒回動中心
36 固定用穴
37 固定ねじ
38 軸受穴
39 ロックピン案内長孔
40 ばね掛け腕部逃がし穴
41 リンク軸支穴
42 前倒位置ストッパ腕部(第1のストッパ部)
43 起立位置ストッパ腕部(第2のストッパ部)
44 ブッシュ
45 固定用穴
50 前倒位置ロック凹部(第1のロック凹部)
51 起立位置ロック凹部(第2のロック凹部)
52 回動中心軸
53 ロックピン
55 ばね掛け腕部
56 ばね掛け腕部
57 回動支軸
58 非円形断面穴
59 かしめ部
60 リブ
61 ロックピン操作長孔
62 ワッシャ
63 把持操作部
64 外縁部
70 折曲当接部(折曲部)
71 立壁部
72 係止壁部

Claims (5)

  1. ロアアーム側に設けたベース;
    アッパアームに固定され、ロアアームに対して該アッパアームを前倒位置と起立位置に回動させるように上記ベースに回動可能に支持されたラチェット;
    該ラチェットに形成したロック凹部;
    このロック凹部に係脱可能で、上記前倒位置で該ロック凹部に係合してラチェットの回動を規制するロックピン;
    このロックピンをロック凹部との係合方向に付勢する付勢手段;
    該付勢手段に抗してロックピンをロック凹部との非係合位置に移動させる、外部から操作可能なロック解除操作部材;及び
    上記ベースに設けた、上記起立位置から前倒位置への回動動作でラチェットに当接し、ロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの前倒位置を決定するストッパ部;
    を有し、
    上記ロック凹部と上記ロックピンとを、上記ストッパ部によってアッパアームの前倒位置を決定したとき、互いに非接触となるように形成したことを特徴とするシート装置。
  2. 請求項1記載のシート装置において、ラチェットは、アッパアームの起立位置で上記ロックピンが係合する第2のロック凹部を有し、
    ベースは、上記前倒位置から起立位置への回動動作でラチェットに当接し、第2のロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの起立位置を決定する第2のストッパ部を有しているシート装置。
  3. 請求項1または2記載のシート装置において、上記ストッパ部はベースの一部を折曲して形成され、
    ラチェットには、このストッパ部に係脱可能な折曲部が形成されているシート装置。
  4. 請求項1から4いずれか1項記載のシート装置において、ロアアームとベースの間には、アッパアームを後傾させることが可能なリクライニング機構が設けられているシート装置。
  5. ロアアーム側に設けたベース;
    アッパアームに固定され、ロアアームに対して該アッパアームを前倒位置と起立位置に回動させるように上記ベースに回動可能に支持されたラチェット;
    該ラチェットに位置を異ならせて形成した第1のロック凹部と第2のロック凹部;
    この第1、第2のロック凹部に係脱可能で、上記前倒位置と起立位置で該第1、第2のロック凹部に係合してラチェットの回動を規制するロックピン;
    このロックピンをロック凹部との係合方向に付勢する付勢手段;
    該付勢手段に抗してロックピンをロック凹部との非係合位置に移動させる、外部から操作可能なロック解除操作部材;及び
    上記ベースに設けた、上記起立位置から前倒位置への回動動作でラチェットに当接し、第1のロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの前倒位置を決定する第1のストッパ部と、該前倒位置から起立位置への回動動作でラチェットに当接し、第2のロック凹部とロックピンの係合関係とは別にラチェットの回動を規制してアッパアームの起立位置を決定する第2のストッパ部;
    を有し、
    上記第1のロック凹部と上記ロックピンとを、上記第1のストッパ部によってアッパアームの前倒位置を決定したとき、互いに非接触となるように形成したことを特徴とするシート装置。
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