JP3912428B2 - 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 - Google Patents
電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3912428B2 JP3912428B2 JP2006512253A JP2006512253A JP3912428B2 JP 3912428 B2 JP3912428 B2 JP 3912428B2 JP 2006512253 A JP2006512253 A JP 2006512253A JP 2006512253 A JP2006512253 A JP 2006512253A JP 3912428 B2 JP3912428 B2 JP 3912428B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- measuring
- measurement
- measured
- signal
- electrical characteristics
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R35/00—Testing or calibrating of apparatus covered by the other groups of this subclass
- G01R35/005—Calibrating; Standards or reference devices, e.g. voltage or resistance standards, "golden" references
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R27/00—Arrangements for measuring resistance, reactance, impedance, or electric characteristics derived therefrom
- G01R27/28—Measuring attenuation, gain, phase shift or derived characteristics of electric four pole networks, i.e. two-port networks; Measuring transient response
- G01R27/32—Measuring attenuation, gain, phase shift or derived characteristics of electric four pole networks, i.e. two-port networks; Measuring transient response in circuits having distributed constants, e.g. having very long conductors or involving high frequencies
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R31/00—Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
- G01R31/28—Testing of electronic circuits, e.g. by signal tracer
- G01R31/282—Testing of electronic circuits specially adapted for particular applications not provided for elsewhere
- G01R31/2822—Testing of electronic circuits specially adapted for particular applications not provided for elsewhere of microwave or radiofrequency circuits
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
Description
被検体である電子部品1は、測定治具2の上面に形成された伝送路上に接続される。測定治具2の伝送路の両端は同軸ケーブル3を介して図示しないネットワークアナライザの測定ポートに接続されている。
SOLT補正の誤差モデルにおいて、S11A 〜S22A は被検体を含む伝送路の散乱係数、EDF, ERF, ESFは一方の測定ポート側の散乱係数、ELF, ETFは他方の測定ポート側の散乱係数である。
TRL補正の誤差モデルにおいて、S11A 〜S22A は被検体の散乱係数、e00〜e11は一方の測定ポート側の散乱係数、f00〜f11は他方の測定ポート側の散乱係数である。
この例では、スルー伝送路5aはいわゆるZero-throughである。被検体の測定時には、スルー伝送路5aより被検体の大きさだけ長さを長くした測定治具2に被検体をシリーズ接続して測定する。
1)標準器である伝送路(Line 数種類とReflectionとThrough)5a〜5dにおいて、同軸コネクタ3と伝送路5a〜5dとの接続部に生じる誤差要因が全て等しくなければならない。しかし、たとえ各標準器で同じ種類のコネクタを使用しても、各標準器を測定器に接続する際に特性バラツキが非常に大きくなり、補正誤差を生じ、ミリ波帯に近づくと事実上実施不可能となる。
2)前記課題を解決するため、同軸コネクタ3を共通とし、その同軸ピンを標準器である伝送路と接触接続することでコネクタ測定のバラツキの影響を回避しようという工夫もされている。しかし、同軸ピンが破損するなど、構造上接触部に十分な押しつけ荷重を確保することが難しく、接触が安定しないために補正が不安定になることが多い。また、測定周波数が高くなると一般に伝送路も同軸ピンも細くなるので、これらの位置決め再現性による測定バラツキが大きくなってしまう。
3)補正時の測定が正常であるかどうかを補正作業中に判断することが困難であるので、手間のかかる補正作業を終えて実際に被検体を測定して初めて、補正時の接触不良などの事故に気づくといった無駄を生じる。
つまり、伝送路の状態を3つの状態に変化させることで、3種類の標準器を実現し、標準器の接続を1回のみとするものである。この方法であれば、TRL補正に比べて、標準器の接続回数を減らすことができ、校正作業における測定誤差を少なくできる。
また、2つの試験端子間にストリップ線路を無反射の仕方で接続することは、実際上難しく、試験端子とストリップ線路との接続部での反射係数が誤差要因となる。
さらに、被検体を接続して得られる測定値は、被検体だけでなく、被検体と被検体を接続したストリップ線路とを合成した特性となり、被検体単体の特性を測定することができない。
Application Note 1287-9; In-Fixture Measurements Using Vector Network Analyzers ((C) 1999 Hewlett-Packard Company)
また、高精度な電子部品の高周波電気特性測定装置を提供することにある。
さらに、高精度な高周波電気特性測定装置の校正方法を提供することにある。
本発明にかかる補正方法(以下、RRRR校正と呼ぶ)の好ましい例では、校正基準(標準器)として短絡基準を用いる。これは、短絡状態であればほぼ全反射状態になるので、信号導体の終端側の影響を受けないこと、及び、対象とする伝送路がTEM単一モード動作する周波数範囲では短絡状態の特性には誘電体の影響が実質的に無く、電磁界シミュレーションで非常に精度良くその電気特性を予想できること等の理由による。
一般的に、伝送路特性のシミュレーション時の精度を制限するパラメータは誘電率であるが、短絡状態の反射特性では誘電率を変化させてもほとんど計算結果に変化が見られないことを確認しており、シミュレーション結果を物理的真値と仮定して校正時に使用して差し支えないといえる。なお、伝送路の幅が測定信号の波長よりも十分に小さい場合は、短絡特性として−1(理想短絡の反射係数)を使用しても大きな誤差にはならないと考えられる。
校正工程1:短絡状態での測定
RRRR校正では、長さ方向に一様な電気特性を有する複数の信号導体を持つ伝送路上の少なくとも3箇所において、伝送路を短絡状態とすることで、測定系の誤差要因を同定する。短絡状態とするため、例えば短絡基準を信号導体と接地導体との間に接続する。具体的には、伝送路の被検体測定位置に短絡基準を接続して測定を行い、次に被検体測定位置からL1 だけ離れた点に短絡基準を接続して測定を行い、さらに被検体測定位置からL2 だけ離れた点に短絡基準を接続して測定を行う。なお、伝送路特性が未知の場合には、さらに異なる1点での測定が必要である。
ここで短絡基準とは、電気的に短絡状態の部品一般を指し、チップ部品に限らず、金属片や工具などでもよい。望ましくは、ナイフエッジのような伝送路の長さ方向の接触長さが短いものがよい。短絡基準が理想的であれば、反射係数が−1(全反射)の値になるが、実際には短絡基準といえどもある程度のインダクタンスを持つので、インダクタンス値が既知である必要があるということである。通常、マイクロ波帯では、オープン状態と比較してショート状態は比較的容易に理想に近い状態を得られる。高い測定精度が要求される場合には、簡単なシミュレーション等によって短絡基準のインダクタンスを求めれば良い。
校正工程2:スルー状態での測定
短絡状態での測定とは別に、信号導体間を相互にスルー状態にして測定系の誤差要因を同定する。スルー状態を得るために、例えば伝達係数に方向性がないスルーチップをシリーズ接続する。シリーズ法による測定が可能なRRRR校正では、ポート間をスルー接続する必要がある。このとき、スルーチップの特性は既知でなくても良く、例えば抵抗値が未知のチップ抵抗でも良いが、方向性はあってはならない。なお、アイソレータやサーキュレータ(直流磁界下の磁性体を使用した特殊な素子)、または半導体アンプのような能動素子を除き、信号伝達に方向性を有するデバイスは作れない(相反定理)ので、この仮定は事実上自動的に満たされる。スルーチップとは、チップ部品に限らず、信号伝達に方向性がない部品であれば、いかなる部品でもよい。
実測工程:被検体の測定
伝送路の信号導体間に被測定電子部品をシリーズ接続するか、あるいはシリーズ接続および接地導体との接続の両方を同時に行って、その電気特性を測定する。
測定した被検体の電気特性と校正工程1,2で求めた誤差要因とを用いて、計算により被検体の電気特性の真値を求めることができる。
特に、短絡状態での測定を4箇所以上で実施すれば、測定系の誤差要因に加えて、伝送路の電気特性も求めることができる。
短絡基準に代えてチップ抵抗のような伝達係数のある校正基準を用いた場合、一方のポートから入力された信号のうち一部が校正基準との接触部を通過し、信号導体の開放端で全反射して戻ってくるため、測定誤差になる可能性がある。しかしながら、例えば入力信号のうち16%(−16dB)が校正基準との接触部を通過して信号導体の開放端へ伝達し、ここで全反射したと仮定すると、往復で約−32db(=−16×2)となり、誤差のレベルは入力信号の約2.5%程度である。したがって、開放端へ流れる信号が入力信号の16%程度以下であれば、誤差は非常に小さく、校正に必要な精度が得られる。
一方、16%より大きな信号が校正基準との接触部を通過した場合には、誤差が大きくなる可能性があるが、その場合は、接触検出と同様にポート1とポート2との間をスルーチップなどで接続しておけばよい。スルーチップを介して信号がポート2側へ伝達し、信号導体の開放端で全反射しないため、戻ってくる信号レベルを低くできる。
(1)補正・測定は全て同一の1つの伝送路上で行う。
TRL補正では、いくつもの長さの伝送路が標準器として必要で、かつこれらと同軸ケーブルとの接続部の電気特性が全て等しい必要があるが、RRRR校正では補正作業だけでなく、測定作業でも全て同一の1つの伝送路を使用するので、伝送路を付け替える必要がなく、伝送路やコネクタ、接続部などの特性バラツキの影響を受けない。
(2)2端子素子のシリーズ法による測定はもちろん、通常の2ポート以上の電子部品(3端子以上の電子部品)の測定も問題なく行うことができ、測定対象を選ばない。特に、伝送路の特性インピーダンスより高いインピーダンスを持つ電子部品の測定精度が高い。
(3)測定治具に必要な伝送路の長さは、測定したい周波数の下限によって決まる。低周波数に対応するには長い伝送路が必要であるが、高周波数に対応するには短い伝送路で足りる。
(4)補正のための測定は、伝送路上の数ヵ所での校正基準(例えば短絡基準)による測定と適当なデバイスによるスルー測定を行うことで行う。
被検体の測定位置からどれだけ離れた位置で何ヶ所の校正基準による測定をすべきかは、測定周波数帯域幅と周波数上限によって決定する。また、スルーチップは方向性さえなければ、その散乱係数は未知でよい。
(5)校正基準での測定を伝送路の4箇所以上で実施すれば、伝送路の特性も知ることができる。
伝送路の特性が既知である場合には、3箇所で校正基準を接続すれば、測定系の誤差要因を求めることができるが、4箇所以上で校正基準を接続すれば、測定系の誤差要因だけでなく伝送路自体の特性(誘電率,損失係数など)を求めることが可能になる。したがって、伝送路治具に使用する誘電体材料の誘電率や損失係数が未知の場合や、誘電体材料がロット毎に特性バラツキを有する場合であっても、使用する伝送路治具そのものの特性を正確に求めることができ、誤差のない高精度な校正が可能になる。
一般に、テフロン(登録商標)やアルミナなどの基材で構成された伝送路治具は、電気特性のバラツキが小さく、その物理的真値を求めやすいが、高価である。これに対し、エポキシ樹脂などの汎用樹脂よりなる基材で構成された伝送路治具は、安価であるが、材料特性のばらつきが大きく、誘電率や損失係数にもばらつきがある。このような場合には、4箇所以上で校正基準を接続して伝送路特性を求めれば、伝送路特性のばらつきの影響を受けず、被検体の電気特性を高精度に測定できる。
(6)インピーダンス測定を行う場合には、伝送路の特性インピーダンス等は既知である必要がある。
伝送路の特性インピーダンスを基準とする散乱係数測定のみが必要な場合には、伝送路の特性インピーダンスは未知で良いが、インピーダンス測定を行いたい場合等には、伝送路の特性インピーダンスが既知である必要がある。これには、シミュレーションで計算したり、タイムドメインリフレクトリー法で実測するなどした値を用いれば良い。
この場合、被検体は2端子に限らず、各ポート間に方向性がなければ3端子以上の電子部品でも適用可能である。
そこで、信号導体に何も接続しない状態(オープン状態)の電気特性を測定し、その測定結果から浮遊アドミタンスを求め、被検体の測定結果から浮遊アドミタンスの影響を数学的に除去すれば、浮遊容量による誤差を解消でき、より高精度の特性測定が可能になる。
この場合には、校正基準を伝送路に対して近接(非接触)させ、伝送路と校正基準との間に発生する浮遊容量と校正基準の残留インダクタンスを直列共振状態とするのがよい。
直列共振状態では、校正基準接続部のインピーダンスは0Ω、つまり理想の短絡状態になる。つまり、良好な短絡基準が得られない高い周波数においても、良好な短絡基準を使用したのと同じ効果が得られる。
なお、校正基準として微小容量のコンデンサを用いた場合には、このコンデンサを伝送路に接触(完全接続)させて直列共振させることもできる。
具体的な伝送路としては、コプレーナウエーブガイドやスロット線路を用いることができる。コプレーナウエーブガイドは信号導体とこの信号導体を間にしてその両側に接地導体を有し、前記信号導体と接地導体とが同一平面上に形成されたものであり、10GHzまでの高周波特性の測定に適している。
一方、スロット線路は、信号導体と接地導体とが同一平面上に間隔をあけて設けられたものであり、10GHz以上の高周波特性の測定に適している。
補正を高精度に行うためには、補正データが相互にできるだけ離れていることが望ましく、校正基準の反射の位相によって異なる補正データを得るRRRR校正では、補正に必要な校正基準の接続位置間の位相差を70°〜145°とするのが、校正精度を高める上で望ましい。但し、接続位置間の位相差を前記のように設定すれば、校正精度は高いが、1組の校正基準で対応できる周波数範囲がかなり狭くなってしまう。しかし、校正基準接続位置の設定が非常に簡単で、かつ、校正時の測定データをうまく使いまわせば、広帯域測定であっても実用上問題になるほどは校正基準測定回数が増えるわけでも無い。
−RRRR校正の校正基準−
RRRR校正では、測定すべき校正基準は全て同じ短絡基準10であり、使用する測定治具11(伝送路12)も同じ治具である。
図5に示すように、測定治具11に形成された伝送路12上の3箇所以上で測定する。ここではポート1(コネクタ11a)側の補正について説明するが、ポート2(コネクタ11b)側についても同じ操作が必要である。
まず、被検体の測定時に一方の電極を接続する箇所(図5中の測定点1:P1、以下「被検体測定箇所」という)に短絡基準10を接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M1とする。この際、測定箇所における反射係数の真値をΓA1とする。ΓA1は短絡基準の真値であるが、これは短絡基準10の伝送路12の長さ方向の大きさが測定信号波長と比較して十分に小さければ−1とすればよく、そうでなければその真値の予想値をシミュレーション等で求めておくべきものである。
伝送路特性ξには伝達度αと位相係数βの2つの未知数が含まれるが、伝送路特性ξは、実数部が伝達度αに関係し、虚数部が位相係数βに関係する複素数であるから、1つの未知数として求めることができる。
なお、後の計算の都合により、短絡基準を測定する被検体測定位置からの距離L1 ,L2 ,L3 は、次のいづれかの関係を満たすことが望ましい。
L1 :L2 :L3 =1:2:3
L1 :L2 :L3 =1:2:4
前記関係を満たしていれば、以下に示す数式を用いて伝送路特性を陽に計算することができる。前記関係を満たしていない場合、下記数式では伝送路特性を計算できないので、反復計算等によって求める必要がある。
次に、図7に示すようにスルー(ポート間直結)状態での測定を行う。ポート間を接続するために適当なデバイス(以下、スルーチップという)13を信号導体12a,12b間にシリーズ接続する。測定値は、反射係数がS11MT、S22MTで、伝達係数はS21MT、S12MTとする。なお、後述するが、スルーチップ13の電気特性は未知で良く、例えば抵抗値が分からないチップ抵抗などでも良いが、伝達係数に方向性があってはならない。伝達係数は、直流磁界下のフェライトなどの特殊な材料を使用しない限り、相反定理により方向性を持たないので、通常この条件は自動的に満足される。
RRRR校正の誤差モデルを図8に示す。これは特に新規なものではなく、従来から使用されているTRL補正の誤差モデルと同じものである。図中のS11M 、S21M は反射係数及び伝達係数の測定値であり、S11A 、S21A 等は被検体の散乱係数の真値である。また、誤差係数Exx、Fxxは8個あるが、散乱係数測定は比測定であるので、このうち7個の誤差要因を定められれば良い。具体的には、E21=1と置けば良い。
誤差係数が求まれば、被検体17を伝送路12に接続し、その特性を測定する。例えばチップマウンタなどを用いて被検体17を吸着し、この被検体17を伝送路12の被検体測定位置へ接触させて、電気特性(S11M,S21M,S12M,S22M )を測定する。この際、被検体17が2端子の場合には、図9の(a)のように信号導体12a,12b間にシリーズ接続すればよいが、3端子または4端子の場合には、図9の(b)のように信号導体12a,12bおよび接地導体12cの間に接続すればよい。したがって、本発明による測定方法は、2端子の電子部品の他、フィルタのような3端子以上の電子部品にも適用できる。
補正を開始すると、まず測定器と測定治具とを同軸ケーブルを介して接続する(ステップS1)。次に、一方の信号導体12aの開放端である第1の位置で短絡基準10により信号導体12aと接地導体12cとを短絡する(ステップS2)。第1の位置とは被検体測定位置近傍でもよいし、他の位置でもよい。短絡基準10を接続した状態で、ポート1側の反射係数(S11M1)を測定する(ステップS3)。
次に、第2の位置で短絡基準10により信号導体12aと接地導体12cとを短絡し(ステップS4)、ポート1側の反射係数(S11M2)を測定する(ステップS5)。続いて、第3の位置で短絡基準10により信号導体12aと接地導体12cとを短絡し(ステップS6)、ポート1側の反射係数(S11M3)を測定する(ステップS7)。伝送路特性が未知の場合には、さらに第4の位置で短絡基準10により信号導体12aと接地導体12cとを短絡し(ステップS8)、ポート1側の反射係数(S11M4)を測定する(ステップS9)。そして、これら反射係数からポート1側の伝送路特性ξを計算で求める(ステップS10)。伝送路特性が既知の場合には、ステップS8〜S10の工程は不要である。
次に、他方の信号導体12bの開放端である第5の位置で短絡基準10により信号導体12bと接地導体12cとを短絡する(ステップS11)。第5の位置とは被検体測定位置近傍でもよいし、他の位置でもよい。短絡基準10を接続した状態で、ポート2側の反射係数(S22M1)を測定する(ステップS12)。
次に、第6の位置で短絡基準10により信号導体12bと接地導体12cとを短絡し(ステップS13)、ポート2側の反射係数(S22M2)を測定する(ステップS14)。続いて、第7の位置で短絡基準10により信号導体12bと接地導体12cとを短絡し(ステップS15)、ポート2側の反射係数(S22M3)を測定する(ステップS16)。伝送路特性が未知の場合には、さらに第8の位置で短絡基準10により信号導体12bと接地導体12cとを短絡し(ステップS17)、ポート2側の反射係数(S22M4 )を測定する(ステップS18)。そして、これら反射係数からポート2側の伝送路特性ξを計算で求める(ステップS19)。伝送路特性が既知の場合には、ステップS17〜S19の工程は不要である。
次に、スルーチップ13を信号導体12a,12b間にシリーズ接続し(ステップS20)、伝達係数(S21MT, S12MT) を測定する(ステップS21)。
その後、測定した反射係数、伝達係数、および伝送路特性ξを用いて、数式10〜数式13により誤差係数を計算する(ステップS22)。
誤差係数を計算した後、測定治具に被検体を接続し(ステップS23)、被検体の順方向・逆方向の反射係数および伝達係数(S11M,S21M,S12M,S22M )を測定する(ステップS24)。次に、数式14で測定値から誤差の影響を除去し(ステップS25)、誤差除去結果(被検体の真値)のディスプレーなどへの表示や被検体の選別等を実施する(ステップS26)。その後、全ての被検体の測定が完了するまでステップS23〜26を繰り返し(ステップS27)、全ての被検体の測定が完了すれば、RRRR校正を終了する。
図11は、図10の誤差係数の導出過程において、伝達係数から接触不良を検出するステップを追加したものである。ここでは、第1の位置における接触不良検出についてのみ示すが、他の位置においても同様である。
まず、測定器と測定治具とを同軸ケーブルを介して接続し(ステップS1)、第1の位置で短絡基準10により信号導体12aと接地導体12cとを短絡する(ステップS2)と同時に、スルーチップ13を信号導体12a,12b間に接続する(ステップS30)。短絡基準10とスルーチップ13とを同時に接続した状態で、ポート1側の反射係数(S11M1)と伝達係数(S21M1)とを測定し(ステップS31)、測定した伝達係数が十分に小さいか否かを判定し(ステップS32)、十分に小さくない場合には接触不良であると判定し、再度ステップS2以下を繰り返す。一方、伝達係数が十分に小さい場合には、接触が良好であると判定し、次の第2の位置での測定に移る。
前記のように、短絡基準10が正常に接触している場合には全反射が起こるため、治具ポート間の伝達係数は非常に小さいが、短絡基準10と伝送路12との間で接触不良が発生していると、ポート間の伝達係数が大きくなる。この伝達係数の違いを利用して、接触不良を簡単に判別できる。
このように、補正手順中に測定ミスを検出できるため、後に被検体を測定した時点で補正に失敗していたと判明するような無駄を防げる。
伝送路12の被検体測定箇所と、ここから5mm離れた点で短絡基準10を測定したとする。伝送路12の損失が大きくないとすると、この2点の測定結果の違いは位相だけである。ここで、波長が30mm(真空中での1GHzの電磁波の波長)であるとする。5mm位置の違いは、往復で10mmの位置の違いに相当するので、測定データは(10mm÷30mm)×360°=120°の位相差があると期待できる。ところが、波長が10mm(真空中での3GHzの電磁波の波長)であったとすると、同じく往復10mmの位置の違いが生み出す位相差は10mm÷10mm×360°=360°であり、結局位相の差が生じない。このため、5mmの位置の違いでは、波長10mmの周波数では補正を正常に行えない。
校正基準間の位相差を大きく確保すると校正の精度は向上するが、一組の校正基準で対応できる周波数範囲が狭くなり、広帯域の測定をする場合に多くの校正基準を測定する必要が生じる。RRRR校正と同じく校正基準間の位相差を用いて校正を行うTRL校正の場合、良好な測定精度を得るために校正基準間の位相差は20°〜30°以上程度確保するべきであるとされている。
これに対し、短絡基準の接続位置間の位相差を70°〜145°とすると、校正精度は高いが1組の校正基準で対応できる周波数範囲が前記の場合と比較してかなり狭くなってしまう。しかし、以下に説明するように短絡基準接続位置の設定が非常に簡単で、かつ、校正時の測定データをうまく使いまわせば、広帯域測定であっても実用上問題になるほどは短絡基準測定回数が増えるわけでも無いからである。
測定上限周波数fmax からfmax /2までの周波数帯は、第1、第2、第3の短絡基準測定位置の測定結果によってRRRR校正を行う。fmax /2〜fmax /4までの周波数帯は、第1、第3、第4の短絡基準測定位置の測定結果を用いる。同様に、n番目の周波数帯、すなわちfmax /2n-1 〜fmax /2n の周波数帯は、第1、第n+1、第n+2の短絡基準測定位置の測定結果を用いる。このようにすることで、概ね短絡基準測定位置間の位相差が70°〜145°の範囲に保たれる。
RRRR校正では、被検体測定位置までの誤差要因を除去できるが、被検体測定位置間の誤差、例えば2ポートの場合なら各ポートの被検体電極の接触点間の誤差要因は未考慮である。このような誤差の中で最大のものは、図12に示すようなポート間の浮遊容量(信号導体12a,12b間の浮遊容量Cs)である。つまり、コプレーナウェーブガイドをTEM伝送してきた信号は、高インピーダンスの被検体17に阻まれて反射するが、一部がTM波として伝達してしまうという誤差要因が存在する。RRRR法が属するシリーズ法は、高いアイソレーションの測定治具を使用すれば高いインピーダンスの測定に対応できるはずのものであるが、ガラスエポキシ材等の誘電率の高い材料の治具を使用したり、あるいは治具の厚みが例えば1.6mm等と厚いものを使用すると、ポート間の浮遊容量が大きくなり、アイソレーションが低くなってしまう。テフロン(登録商標)のように誘電率が低い材料で、薄い治具を作成すればこの問題は低減する。しかし、これでも十分でない場合、あるいは、コスト等の問題で満足できる特性の治具を使用できない場合(テフロン(登録商標)基板は一般的に高価である)には、数学的にこの誤差を補正できる。
つまり、測定治具単体(オープン状態)の測定結果から、測定結果の浮遊アドミタンスを求め、被検体測定結果から浮遊アドミタンスの影響を数学的に除去するのである。測定治具単体をRRRR校正してインピーダンスを求めたものをZC 、被検体測定結果をRRRR校正してインピーダンスを求めたものをZM とすると、前記数学処理(オープン補正)後のインピーダンスZL は次式で求められる。あまりにZC が大きいと測定系のダイナミックレンジが狭くなり、測定バラツキが大きくなるなどの問題が生じる可能性があるので、あまりにアイソレーションが低い治具を使用するべきではないが、通常は以上の処理で十分な結果を得られる。
以上のRRRR校正およびオープン補正を用いて、1mm×0.5mmサイズで10nHのチップインダクタ(巻線タイプチップインダクタ)を100MHz〜20GHzの範囲で測定してみた結果が図13である。
図13から分かるように、インダクタの一般的なインピーダンス特性カーブが得られている。つまり、自己共振周波数までは周波数上昇に比例してインピーダンスが上昇し、自己共振周波数以降は周波数上昇に反比例してインピーダンスが低下している。また、従来技術であるTRL校正法による測定にもほぼトレースした結果が得られている。
以上のとおり、RRRR校正により被検体の真値を測定できることが確かめられた。
実施例1では、方向性のないスルーチップ13を信号導体12a,12b間にシリーズ接続して、順方向および逆方向の伝達係数S21MT、S12MTを測定し、その比S21MT/S12MTの比を求めることで誤差係数の関係を決定したが、被検体に方向性がない場合には、スルーチップ測定を省略して被検体の測定結果を用いて誤差係数を決定することが可能である。
例えば、フィルタ、カプラ、バラン、コンデンサ、抵抗、コイルなどの殆どの被検体では、被検体に方向性がないので、被検体も一種のスルーチップとみなすことができる。被検体の測定結果から伝達係数の比S21M /S12M を求め、この比をS21MT/S12MTに代えて用いれば、数式12から誤差係数の関係を決定できる。
RRRR校正において、短絡基準10に代えてチップ抵抗のような伝達係数のある校正基準18を用いた場合、一方のポートから入力された信号のうち一部が校正基準との接触部を通過し、信号導体の開放端で全反射して戻ってくるため、測定誤差になる可能性がある。
この場合には、図14に示すように、信号導体12aの開放端と信号導体12bの開放端とをスルーチップ19で接続しておき、この状態で、校正基準18を伝送路12の少なくとも3か所に接続してRRRR校正を実施すればよい。スルーチップ19は、スルー測定(図7参照)におけるスルーチップ13と同様な部品であってもよいし、短絡基準10のようなショートチップでもよい。
信号の一部が校正基準18と信号導体12aとの接触部を通過しても、その信号はスルーチップ19を介してポート2側へ伝達され、信号がポート2側で吸収されてポート1側へ戻ってくる信号レベルを低くできる。例えば、通常予想されるポート2での反射レベルは−15dB〜−25dBであり、その平均を−20dBとすると、入力信号のうち50%(−6dB)が校正基準との接触部を通過してポート2側へ伝達しても、往復で約−32db(=−6−20−6)となり、誤差のレベルは入力信号の約2.5%程度となる。
したがって、伝達係数のある校正基準18を使用しても、高い校正精度を確保できる。
最近のネットワークアナライザには、治具などの誤差係数を与えれば、測定結果から与えた誤差の影響を自動的に除去してくれる機能(ディエンベディング機能)がある。しかし、治具の誤差を求める方法がないために、実際にはあまり使われない機能である。本発明にかかるRRRR校正の手法と組み合わせると、これは非常に便利な機能になる。
なお、ディエンベディングとは、既知の誤差要因を数学的に除去する手法であり、伝送行列を用いると簡単に実施できる。得られた治具の誤差要因の散乱係数行列を伝送行列に変換して逆行列にしたものを、ポート1側、ポート2側それぞれE-1、F-1とする。このとき、治具の各ポートの誤差要因の伝送行列がEFである。さらに、デバイスの伝送行列をAとする。この時、同軸ケーブル先端まで校正したネットワークアナライザで治具ごとデバイスを測定した測定結果は、デバイスに各ポートの誤差が重畳されたものであるから
E・A・F
が測定されているはずである。そこで、左右からそれぞれE-1、F-1をかけると、
E-1・E・A・F・F-1=A
となり、デバイスの特性を得ることができる。
このようにすることで、各工程で高い精度での校正基準の位置決め手段等を準備することなくRRRR法を運用でき、コスト的・工程管理的に有利である。
量産工場のデバイスの検査工程において、校正基準の値をオペレータ等が計算する必要が無くなり、また測定器単体でRRRR校正が行えるため、工程を簡素化できる。
この場合には、図15の(a)のように校正基準25を伝送路12から浮かして、伝送路と校正基準の間に発生する容量C[F] と校正基準の残留インダクタンスL[H] を直列共振状態とするのがよい。この場合C=1/(2πf√L)となるように設定する。
なお、校正基準と伝送路の間の浮遊容量を利用する方法に代えて、図15の(b)のように校正基準26を伝送路12に接触させて直列共振させることもできる。この場合の校正基準26は微小容量のコンデンサを用いればよい。
直列共振状態では、校正基準接続部のインピーダンスは0Ω、つまり理想の短絡状態になる。つまり、良い短絡基準が得られない高い周波数においても良い短絡基準を使用したのと同じ効果が得られる。
図において、30は治具基板、31〜33は治具基板30の上面に形成された3本の信号導体、34は同じく治具基板30の上面に信号導体31〜33の両側を挟むように形成された接地導体、35〜37は治具基板30の端部に設けられたコネクタである。信号導体31〜33の一端は3方から互いに近接して対向しており、他端がコネクタ35〜37にそれぞれ接続されている。各信号導体31〜33と接地導体34との間にそれぞれ校正基準を接続し、補正を行った後、信号導体31〜33間、または信号導体31〜33と接地導体32との間に被検体38を接続し、電気特性を測定する。
このように3端子以上の被検体38の電気特性を測定することもできる。
本発明における測定器としては、ネットワークアナライザに限らず、高周波電気特性を測定できるものであれば、使用可能である。
被検体測定位置で校正基準を測定したが、被検体測定位置で校正基準を測定する必要はなく、その場合、3回以上の校正基準測定が全て数式1のような形で表される。
伝送路は、平面伝送路に限るものではなく、校正基準を接続でき、スルーチップをシリーズ接続でき、かつ被検体を信号導体間あるいは信号導体間と接地導体との間に接続できるものであれば、任意の構造のものを用いることができる。
1ポート〜3ポートを持つ測定治具を用いた例について説明したが、4ポート以上の測定治具を用いることもできる。この場合も、同様の補正と測定とを実施できる。
(1)補正に使用する伝送路と被検体測定に使用する伝送路は同じものであるから、伝送路のバラツキの影響を受けにくい。また、伝送路と測定器との接続も、補正および実測定において固定であり、再接続の必要がないので、伝送路の接触不良等による補正失敗等の事故も起こらない。
(2)被検体の部品単体の特性を高精度に測定可能であり、治具等の誤差の影響を受けない。特に、伝送路の特性インピーダンスより高いインピーダンスを持つ電子部品の測定精度が高い。
(3)被検体は2端子だけでなく、3端子以上の電子部品でも測定でき、測定できる対象部品を選ばない。従って、本発明はフィルタやカプラ、バランのような電子部品、またはチップインダクタ、チップコンデンサなどのようなインピーダンス素子の散乱係数やインピーダンス値を精度よく測定するためには非常に有効な方法である。
Claims (22)
- 電子部品の高周波電気特性を測定する方法において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路を準備するステップと、
前記各信号導体と前記接地導体とを測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
前記信号導体間を相互にスルー状態にして電気特性を測定するステップと、
前記接続状態での測定値、スルー状態での測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求めるステップと、
前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に、被測定電子部品を接続して電気特性を測定するステップと、
前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定方法。 - 電子部品の高周波電気特性を測定する方法において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路を準備するステップと、
前記各信号導体と前記接地導体とを測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
前記信号導体間を相互にスルー状態にして電気特性を測定するステップと、
前記接続状態での測定値およびスルー状態での測定値から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因および前記伝送路の電気特性を求めるステップと、
前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に、被測定電子部品を接続して電気特性を測定するステップと、
前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定方法。 - 電子部品の高周波電気特性を測定する方法において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路を準備するステップと、
前記各信号導体と前記接地導体とを測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に、被測定電子部品を接続して電気特性を測定するステップと、
前記接続状態での測定値、前記被測定電子部品を接続して測定された測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求めるステップと、
前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定方法。 - 電子部品の高周波電気特性を測定する方法において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路を準備するステップと、
前記各信号導体と前記接地導体とを測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に、被測定電子部品を接続して電気特性を測定するステップと、
前記接続状態での測定値および前記被測定電子部品を接続して測定された測定値から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因および前記伝送路の電気特性を求めるステップと、
前記被測定電子部品の測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定方法。 - 前記信号導体と接地導体とを接続状態にするため、短絡基準を前記信号導体と接地導体とに対して接触させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップを、前記信号導体間にスルーチップを接続した状態で実施することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記信号導体間にスルーチップを接続した状態で、前記信号導体と接地導体とを接続状態にして伝達係数を測定し、測定した伝達係数に基づいて前記接続状態の接触不良を検出するサブステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記信号導体と接地導体とを接続状態にするため、校正基準を前記信号導体と接地導体とに対して接触または近接させ、前記校正基準内の容量または前記校正基準と伝送路の間の容量と、前記校正基準の残留インダクタンスとで直列共振させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記スルー状態とするため、伝達係数に方向性がないスルーチップを前記信号導体間にシリーズ接続することを特徴とする請求項1に記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記測定系の誤差要因を求めるために、前記接続状態およびスルー状態での測定値のほかに、前記伝送路をオープン状態として測定した測定値を用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記伝送路は、信号導体と接地導体とが同一平面上に形成された伝送路であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記伝送路は、信号導体とこの信号導体を間にしてその両側に接地導体とを有するコプレーナウエーブガイドであることを特徴とする請求項13に記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記伝送路は、信号導体と接地導体とが間隔をあけて設けられたスロット線路であることを特徴とする請求項13に記載の高周波電気特性測定方法。
- 前記信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定する位置は、各位置間の位相差が70°〜145°となる位置であることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の高周波電気特性測定方法。
- 電子部品の高周波電気特性を測定する装置において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路と、
前記各信号導体に接続された測定ポートと、前記接地導体に接続された測定ポートとを有し、高周波電気特性を測定可能な測定器と、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にする手段と、
前記信号導体間を相互にスルー状態にする手段と、
前記接続状態での測定値、スルー状態での測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求める手段と、
前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に、被測定電子部品を接続する手段と、
前記被測定電子部品を前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に接続して測定される測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求める手段と、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定装置。 - 電子部品の高周波電気特性を測定する装置において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路と、
前記各信号導体に接続された測定ポートと、前記接地導体に接続された測定ポートとを有し、高周波電気特性を測定可能な測定器と、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にする手段と、
前記信号導体間を相互にスルー状態にする手段と、
前記接続状態での測定値およびスルー状態での測定値から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因および前記伝送路の電気特性を求めるステップと、
前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に、被測定電子部品を接続する手段と、
前記被測定電子部品を前記信号導体間あるいは前記信号導体間と前記接地導体との間に接続して測定される測定値から前記測定系の誤差要因を除去し、被測定電子部品の電気特性の真値を求める手段と、を含むことを特徴とする電子部品の高周波電気特性測定装置。 - 前記信号導体と接地導体とを接続状態にする手段は、短絡基準と、この短絡基準を伝送路に対して接触させる手段とで構成されることを特徴とする請求項16または17に記載の高周波電気特性測定装置。
- 前記スルー状態にする手段は、伝達係数に方向性がないスルーチップと、このスルーチップを伝送路にシリーズ接続する手段とで構成されることを特徴とする請求項17ないし19のいずれかに記載の高周波電気特性測定装置。
- 電子部品の高周波電気特性測定装置の校正方法において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が既知の伝送路を準備するステップと、
前記各信号導体と前記接地導体とを測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも3箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
前記信号導体間を相互にスルー状態にして電気特性を測定するステップと、
前記接続状態での測定値、スルー状態での測定値および前記伝送路の電気特性から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因を求めるステップと、を含むことを特徴とする校正方法。 - 電子部品の高周波電気特性測定装置の校正方法において、
互いに離間して配置された複数の信号導体と、少なくとも1つの接地導体とを持ち、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路を準備するステップと、
前記各信号導体と前記接地導体とを測定器の測定ポートにそれぞれ接続するステップと、
前記各信号導体の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを接続状態にして電気特性を測定するステップと、
前記信号導体間を相互にスルー状態にして電気特性を測定するステップと、
前記接続状態での測定値およびスルー状態での測定値から、前記伝送路を含む測定系の誤差要因および前記伝送路の電気特性を求めるステップと、を含むことを特徴とする校正方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2004/004882 WO2005101037A1 (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置 |
JPPCT/JP2004/004882 | 2004-04-02 | ||
PCT/JP2004/019086 WO2005101034A1 (ja) | 2004-04-02 | 2004-12-21 | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3912428B2 true JP3912428B2 (ja) | 2007-05-09 |
JPWO2005101034A1 JPWO2005101034A1 (ja) | 2008-03-06 |
Family
ID=35150130
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006512254A Active JP3912429B2 (ja) | 2004-04-02 | 2004-12-21 | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 |
JP2006512253A Active JP3912428B2 (ja) | 2004-04-02 | 2004-12-21 | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006512254A Active JP3912429B2 (ja) | 2004-04-02 | 2004-12-21 | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP3912429B2 (ja) |
DE (2) | DE112004002805B4 (ja) |
WO (3) | WO2005101037A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4650487B2 (ja) * | 2005-02-22 | 2011-03-16 | 株式会社村田製作所 | 伝送路材料の誘電率測定方法およびこの誘電率測定方法を用いた電子部品の電気特性測定方法 |
WO2008065791A1 (fr) | 2006-11-30 | 2008-06-05 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Procédé de correction d'erreur de caractéristiques hautes fréquences d'un composant électronique |
JP2012198182A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-18 | Fujitsu Ltd | 校正基板および回路パラメータの測定方法 |
JP7153309B2 (ja) * | 2018-06-04 | 2022-10-14 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | ベクトルネットワークアナライザを用いた反射係数の測定方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0354649A (ja) * | 1989-07-24 | 1991-03-08 | Oki Electric Ind Co Ltd | バッファ記憶制御方式 |
EP0568889A3 (en) * | 1992-05-02 | 1994-06-22 | Berthold Lab Prof Dr | Process for calibrating a network analyser |
JPH0784879A (ja) * | 1993-09-09 | 1995-03-31 | Toshiba Corp | キャッシュメモリ装置 |
DE4433375C2 (de) * | 1993-10-26 | 1998-07-02 | Rohde & Schwarz | Verfahren zum Kalibrieren eines Netzwerkanalysators |
JP3404238B2 (ja) * | 1997-01-10 | 2003-05-06 | 京セラ株式会社 | 高周波測定の校正標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法 |
JPH11211766A (ja) * | 1998-01-26 | 1999-08-06 | Advantest Corp | 自動キャリブレーション装置 |
JP2000029788A (ja) * | 1998-07-15 | 2000-01-28 | Nec Corp | キャッシュメモリシステム及びそれに用いるキャッシュ制御方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体 |
JP2001222467A (ja) * | 2000-02-07 | 2001-08-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | キャッシュ装置 |
DE10242932B4 (de) * | 2002-09-16 | 2009-02-05 | Rohde & Schwarz Gmbh & Co. Kg | Das LRR-Verfahren zur Kalibrierung von vektoriellen 4-Messstellen-Netzwerkanalysatoren |
-
2004
- 2004-04-02 WO PCT/JP2004/004882 patent/WO2005101037A1/ja active Application Filing
- 2004-12-21 DE DE112004002805.1T patent/DE112004002805B4/de not_active Expired - Fee Related
- 2004-12-21 WO PCT/JP2004/019086 patent/WO2005101034A1/ja active Application Filing
- 2004-12-21 JP JP2006512254A patent/JP3912429B2/ja active Active
- 2004-12-21 JP JP2006512253A patent/JP3912428B2/ja active Active
- 2004-12-21 WO PCT/JP2004/019087 patent/WO2005101035A1/ja active Application Filing
- 2004-12-21 DE DE112004002808.6T patent/DE112004002808B4/de not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2005101035A1 (ja) | 2008-03-06 |
WO2005101037A1 (ja) | 2005-10-27 |
DE112004002805B4 (de) | 2017-09-21 |
DE112004002805T5 (de) | 2007-02-01 |
WO2005101034A1 (ja) | 2005-10-27 |
WO2005101035A1 (ja) | 2005-10-27 |
DE112004002808B4 (de) | 2017-09-21 |
JPWO2005101034A1 (ja) | 2008-03-06 |
JP3912429B2 (ja) | 2007-05-09 |
DE112004002808T5 (de) | 2007-02-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7439748B2 (en) | Method and apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics of electronic device, and method for calibrating apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics | |
US7405576B2 (en) | Method and apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics of electronic device, and method for calibrating apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics | |
JP4650487B2 (ja) | 伝送路材料の誘電率測定方法およびこの誘電率測定方法を用いた電子部品の電気特性測定方法 | |
CN109444721B (zh) | 检测s参数的方法及终端设备 | |
US7107170B2 (en) | Multiport network analyzer calibration employing reciprocity of a device | |
US7532014B2 (en) | LRL vector calibration to the end of the probe needles for non-standard probe cards for ATE RF testers | |
US20150138026A1 (en) | Device and method for calibrating antenna array systems | |
WO2005111635A1 (ja) | 電気回路パラメータの測定方法および装置 | |
CN111426885A (zh) | 用于测量复介电常数的csrr微带谐振传感器及其应用 | |
JP5483132B2 (ja) | 電子部品の高周波特性誤差補正方法 | |
US7375534B2 (en) | Method and apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics of electronic device, and method for calibrating apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics | |
CN112684253A (zh) | 一种非接触式负载阻抗测试***及其工作方法 | |
US20030115008A1 (en) | Test fixture with adjustable pitch for network measurement | |
JP3912428B2 (ja) | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 | |
JP7153309B2 (ja) | ベクトルネットワークアナライザを用いた反射係数の測定方法 | |
JP3912427B2 (ja) | 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法 | |
JP4743208B2 (ja) | 電子部品の電気特性測定方法 | |
CN114035016A (zh) | 功率器件传输参数确定方法、装置、终端及存储介质 | |
CN111781479A (zh) | 一种在片校准件模型建立方法 | |
Preuss et al. | A Study on Low-Cost Calibration Kits for U. FL Connector Systems | |
CN115372665A (zh) | 射频器件测试装置和测试*** | |
JP2022105348A (ja) | 電子部品の電気特性測定用基板及びこれを用いた電子部品の電気特性測定方法 | |
CN117368820A (zh) | 一种校准装置、差分夹具以及相关装置和*** | |
CN115542011A (zh) | 在片s参数提取负载电感的方法、电子设备及存储介质 | |
WO2008066137A1 (fr) | Procédé et dispositif de correction d'erreur de caractéristique haute fréquence de composant électronique |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070122 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3912428 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209 Year of fee payment: 6 |