JP3558080B2 - 測定誤差の補正方法、電子部品の良否判定方法および電子部品特性測定装置 - Google Patents

測定誤差の補正方法、電子部品の良否判定方法および電子部品特性測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定結果が基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定した電子部品のインピーダンスを、前記基準測定装置を用いて測定した場合に得られると推定されるインピーダンスへ補正する測定誤差の補正方法、その補正方法を用いた電子部品の良否判定方法、およびその補正方法を実施する電子部品特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品のインピーダンスの測定においては、電子部品のメーカ側に設置された測定装置と、ユーザ側に設置された測定装置といったように、同一ないし同種の電子部品に対して複数の測定装置でそのインピーダンスを測定する場合がある。
【0003】
このような場合、測定装置によってその測定誤差が互いに異なるために、測定の再現性が低く、同一ないし同種の電子部品に対して異なる測定装置で行った測定結果が同等にならない、という不具合が生じる。
【0004】
低周波域におけるインピーダンスの測定においては、このような測定誤差は比較的小さなものであってそれほど問題とはならない。しかしながら、1MHz以上2GHz以下の高周波域におけるインピーダンスを測定する場合においては、各測定装置間の測定誤差が顕著なものとなる。そのため、このような周波数帯の測定の再現性を高めるために、オープン/ショート補正法、または、オープン/ショート/ロード補正法より、測定値が補正されている。以下、これらの補正方法を説明する。なお、以下の従来例および後述する本発明の実施の形態において実施されるインピーダンス測定とは、アドミタンス測定を含む概念である。
【0005】
オープン/ショート補正法は、テストフィクスチャ(以下、治具という)による浮遊アドミタンスおよび残留インピーダンスの影響を補正するために、治具をオープン(開放)にした場合におけるインピーダンスと、ショート(短絡)にした場合におけるインピーダンスとをそれぞれ測定する。そのうえで、測定により得られたインピーダンス値に基づいて、被検体単体の特性(インピーダンス)を計算によって算出する補正方法である。
【0006】
オープン/ショート/ロード補正法は、上述したオープン/ショート測定を実施したうえで、さらに、物理的真値が既知であるロードデバイスを前記治具に実装した状態で上述したのと同様のオープン/ショート測定を実施する。そのうえで、測定により得られたインピーダンス値に基づいて、被検体単体の特性(インピーダンス)を計算によって算出する。この補正方法は、オープン/ショート補正法よりも高い精度の補正が得られる(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】
HP4284AプレシジョンLCRメータ取扱説明書(1996年12月/33)のp.6−15〜p.6−18
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のオープン/ショート補正法では、次の2条件のうちのいずれかを満足させる必要がある。
【0009】
第1の条件は、浮遊アドミスタンスおよび残留インダクタンスの影響を求めるために理想的なオープン状態や理想的なショート状態においてインピーダンス測定を実施するという条件である。
【0010】
第2の条件は、オープン状態やショート状態とした場合の治具のインピーダンスが既知であるという条件である。
【0011】
しかしながら、これらの条件は次のような理由により満足させることは不可能である。すなわち、治具のオープン状態、ショート状態は理想状態であって実現不可能であるため、上記第1の条件を現実に満足させることはできない。
【0012】
また、治具をオープン状態にしたとしても浮遊インダクタンスは発生し、ショート状態にしても残留インダクタンスは発生する。そのため、上記した従来例においては、
・浮遊アドミタンスの変動を抑制するためにオープン補正実施中は治具の近傍において操作者は手を動かすべきでないこと、
・残留インピーダンスを出来る限り小さくするためにショート補正時におけるショートデバイスとして用いる短絡板には導電率の高い金属板を用いるべきであること、
等の注意事項が記載されている。
【0013】
しかしながら、これらの注意事項を忠実に守ったとしても、真のオープン状態/真のショート状態を実現することは不可能であり、そのために精度の高い補正は不可能である。
【0014】
また、オープン/ショート/ロード補正法は、オープン/ショート補正法が有する上記不都合を同様に有するのは勿論である。さらには、オープン/ショート/ロード補正法はロード補正に用いるデバイスの較正値を正確に測定することができないという不都合も有している。以下、説明する。
【0015】
オープン/ショート/ロード補正法において、ロード補正を実施する場合には、物理的真値が既知のデバイス(以下、標準器という)が必要となる。従来例には、予めインピーダンスを測定しておいた測定対象電子部品(チップコンデンサやチップコイル等)を標準器として用いても良いことが記載されている。しかしながら、このような補正方法が実施できるのは、測定周波数が十分に低くて浮遊アドミタンスや残留インピーダンスの影響を無視しても測定精度を維持できる場合だけである。具体的には、測定周波数が数1MHz程度未満であれば、上記補正方法は有効である。
【0016】
これに対して、近年の信号帯域の高周波化要求に伴って、電子部品に対して1MHz〜数GHz程度の高周波帯域におけるインピーダンス保証が求められつつある。しかしながら、上記補正方法ではこのような高周波帯域のインピーダンス保証に必要な補正精度を得ることができない。以下、説明する。
【0017】
1MHz〜数GHz程度の高周波帯域において、インピーダンスを測定する場合には、浮遊アドミタンスや残留インピーダンスの影響を無視することができない。そのため、測定時の補正精度を十分に高いものとするうえで、浮遊アドミタンスや残留インピーダンスを正確に把握することが必要となる。これらの浮遊残留特性を把握するためには、標準器として使用する電子部品のインピーダンスを精度高く測定することが必要となる。
【0018】
しかしながら、そのような精度の高いインピーダンス測定を電子部品に実施するためには、その電子部品を測定する際に用いる治具を補正しなければならず、そのような補正を行うためにはさらに別の標準器が必要となる。このことから分かるように、オープン/ショート/ロード補正法によって、1MHz〜数GHz程度の高周波帯域で高精度の補正を実施することは、極めて精度の高い標準器がない限り実質的に不可能である。
【0019】
測定対象が同軸コネクタを有する場合には、インピーダンスの物理的真値が極めて正確に規定された標準器が入手可能である。しかしながら、そのような標準器は同軸コネクタに取り付け可能な形状を有する電子部品においてのみ作製可能であり、チップコンデンサやチップコイルといった一般的な電子部品においてそのような標準器を作製することは実質的に不可能である。
【0020】
したがって、本発明の主たる課題は、1MHz〜数GHz程度の高周波帯域で高精度に測定インピーダンスを補正することが可能な補正方法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するためには、本発明では、測定対象電子部品のインピーダンスを、測定結果が基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定したうえで、その測定値を、前記基準測定装置を用いて測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する測定誤差の補正方法であって、
予め、補正用データ取得試料として、測定操作により前記測定対象電子部品のインピーダンスと同等のインピーダンスを発生させる補正用データ取得試料を用意する工程と、
前記補正用データ取得試料のインピーダンスを、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する工程と、
前記実測測定装置による測定結果と前記基準測定装置による測定結果との間の相互関係式を求める工程と、
前記実測測定装置により測定した前記測定対象電気部品のインピーダンスを前記相互関係式に代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品のインピーダンスを、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定されるインピーダンスに補正する工程と、
を含むことに特徴を有している。これにより、次のような作用を有する。
【0022】
インピーダンスが同定されていない補正用データ取得試料を用いた測定結果に基づいて実測測定装置と基準測定装置との間の相互関係式を求め、この相互関係式に基づいて、測定対象電気部品のインピーダンスを、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定されるインピーダンスに補正しているので、高価な標準器を用いたキャリブレーションを必要としなくなるうえ、実測測定装置に用いる実測測定治具等の調整も必要としなくなる。さらには、理論計算により電気特性の補正を行うために、電子部品の形状(同軸形状/非同軸形状)によらず、そのインピーダンスの測定の再現性を高めることが可能となる。
【0023】
なお、前記相互関係式を用いた補正法の一例として本発明は、解析式相対補正法を提案している。
【0024】
解析式相対補正法による相互関係式の求め方として本発明は、
測定時における前記両測定装置の信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手順と、
前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手順と、
未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手順と、
前記補正用データ取得試料のインピーダンスを、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手順と、
前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料のインピーダンスの測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手順と、
を含むことに特徴を有している。
【0025】
本発明の測定誤差の補正方法は電子部品の良否判定方法において、最適に実施することができる。この場合、電子部品の良否判定方法は、基準測定装置によって測定した場合のインピーダンスを要求特性とされる測定対象電子部品を、測定結果が前記基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定し、その測定結果に基づいて良否判定を行うことにより構成される。
【0026】
このような判定方法において、本発明を実施する場合には、前記実測測定装置によって測定した前記測定対象電子部品のインピーダンスを、本発明の測定誤差の補正方法によって補正し、この補正後のインピーダンスと前記要求特性とを比較して前記測定対象電子部品の良否を判定すればよい。そうすれば、測定対象電子部品の良否を精度高く判定することができる。
【0027】
本発明は、上述した測定誤差の補正方法を実施できる測定装置としては、次の電子部品特性測定装置を提案する。
【0028】
この測定装置は、測定対象電子部品のインピーダンスを測定する測定手段を有するものの、その測定結果が基準測定装置と一致しない測定装置であって、
前記測定対象電子部品のインピーダンスと同等のインピーダンスを発生させる補正用データ取得試料の電気特性を前記基準測定装置で測定した測定結果を記憶する記憶手段と、
前記測定手段により測定する前記補正用データ取得試料のインピーダンスと、前記記憶手段で記憶している基準測定装置による前記補正用データ取得試料のインピーダンスとの間の相互関係式を算定する相互関係式算定手段と、
前記測定手段により測定する前記測定対象電気部品のインピーダンスを前記相互関係式に代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品のインピーダンスを、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定されるインピーダンスに補正する補正手段と、
を有している。
【0029】
本発明の測定装置は、具体的には、次のような解析式相対補正法に基づいて構成することができる。
【0030】
すなわち、前記相互関係式算定手段は、
測定時における前記両測定装置の信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手段と、
前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手段と、
未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手段と、
前記補正用データ取得試料のインピーダンスを、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手段と、
前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料のインピーダンスの測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手段と、
を備えている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態では、表面実装型のチップコイル等の電子部品を測定対象電子部品として、この電子部品のインピーダンスを、インピーダンスアナライザを有する測定装置で測定する際の測定誤差の補正方法において本発明が実施されている。
【0032】
図1は本実施形態の測定装置の構成を示す平面図であり、図2は測定治具の構成を示す平面図であり、図3は測定装置を構成するインピーダンスアナライザを示すブロック図であり、図4は測定対象試料(電子部品や補正データ取得試料)の構成を示す裏面図であり、図5は補正データ取得試料の構成を示す平面図である。
【0033】
基準測定装置1および実測測定装置2を構成する測定装置は、図1に示すように、インピーダンスアナライザ3A,3Bと、同軸ケーブル4と、測定治具5A,5Bとを備えている。なお、インピーダンスアナライザ3Aと測定治具5Aとは基準測定装置1に設けられており、ネットワークアナライザ3Bと測定治具5Bとは実測測定装置2に設けられている。
【0034】
インピーダンスアナライザ3A,3Bは、1ポートの入出力部を有している。このポートに同軸ケーブル4が接続されている。同軸ケーブル4の遊端には、同軸ケーブルコネクタ6が設けられている。
【0035】
測定治具5A,5Bは、図2に示すように、絶縁基板7と、接続用配線部8と、同軸コネクタ9とを備えている。接続用配線部8は、絶縁基板7の基板表面7aに形成されており、信号伝送路8aと、接地線路8b,8cとを備えている。信号伝送路8aは、絶縁基板7の基板表面7aにおいて、基板一端から基板中央に向かって延出配置されている。接地線路8b,8cは、基板表面7aの中央部において、信号伝送路8aの両側それぞれに設けられている。
【0036】
信号伝送路8aは、基板端部において、同軸コネクタ9の内部導体コンタクト(図示省略)に接続されている。接地線路8b,8cは、スルーホール接続部10を介して基板裏面のグランドパターン(図示省略)に接続されており、さらには、グランドパターンを介して、同軸コネクタ9の外部導体コンタクト(図示省略)に接続されている。
【0037】
なお、図2においては、基準測定装置1の測定治具(以下、基準測定治具という)5Aと、実測測定装置2の測定治具(以下、実測測定治具という)5Bとを、同じ形状を有するものとしているが、これらは、特に同じ形状のものとする必要はない。特に、実測測定治具5Bの形状は、自動選別測定機等に適した形状にするなどにより、基準測定治具5Aと異なる形状にしてもよい。
【0038】
実測測定装置2を構成するインピーダンスアナライザ3Bは、図3に示すように、インピーダンスアナライザ本体20と、制御部21とを備えている。制御部21は、制御部本体22と、メモリ23と、相互関係式算定手段24と、補正手段25とを備えている。
【0039】
測定対象電子部品11Aや補正データ取得試料11Bは、図4に示すように、その裏面11aに、伝送路端子12aと、接地端子12b,12cとを備えている。測定対象電子部品11Aや補正データ取得試料11Bの裏面11aを測定治具5の基板表面7aに当接させることで、伝送路端子12a,接地端子12b,12cを、信号伝送路8a,接地線路8b,8cに圧着させる。これにより測定対象電子部品11A,補正データ取得試料11Bは、測定治具5A,5Bに測定実装される。
【0040】
本実施形態では、補正データ取得試料11Bとして、測定装置1,2による測定操作により測定対象電子部品11Aの任意のインピーダンスと同等のインピーダンスを発生させる試料を用意する。さらには、本実施形態では、補正データ取得試料11Bとして、測定装置により発生させるインピーダンスが互いに異なる複数(例えば3個)の試料11B を用意する。なお、一般的に、電子部品においては、厳密に言って同一のインピーダンスを有するものは存在しない。そのため、試料11B として、汎用の電子部品を用いても、それらのインピーダンスは互いに異なることになる。しかしながら、意図的にかつ厳密にインピーダンスの異なる試料11B を作製する場合には次のようになされる。
【0041】
すなわち、この場合の補正データ取得試料11B は、図5に示すように、測定対象電子部品11Aと同等の形状を有する絶縁矩形体13を有している。絶縁矩形体13には、測定対象電子部品11Aの伝送路端子12aや接地端子12b,12cと同等の構造を有する擬似伝送路端子14a、および擬似接地端子14b,14cが設けられている。これら擬似伝送路端子14a,擬似接地端子14b,14cは、枠体13の下面から側面を介して上面13aまで延出した形状に形成されている。これら擬似伝送路端子14a,擬似接地端子14b,14cの矩形体上面側延出端は、それぞれ実装端子15a〜15cを構成している。
【0042】
互いに隣り合う実装端子(15aと15b),(15aと15c)の間には、抵抗素子等からなるインピーダンス調整用素子16a,16bが実装されている。
【0043】
このようにしてインピーダンス調整用素子16a,16bが実装された補正データ取素子11B では、インピーダンス調整用素子16a,16bの電気特性(抵抗素子である場合には抵抗値)を任意に設定することで、補正データ取得試料11B のインピーダンスをランダムに設定することが可能である。本実施形態では、測定装置による測定操作で生じさせるインピーダンスの正確な値を補正データ取得試料11B に予め設定しておく必要はない。そのため、その分だけ補正データ取得試料11B の作製コストを低く抑えることができる。
【0044】
以下、本実施形態の測定装置による測定誤差の補正方法(解析式相対補正方法)を説明する。
【0045】
まず、その概要を説明する。非同軸形状試料のインピーダンス測定における共通の課題として、インピーダンスの測定結果が測定装置によって異なった値となってしまうというものがある。具体的には、ユーザ保証を行う治具(基準測定治具5A)を含んだ測定装置(基準測定装置1)による補正データ取得試料11Bの測定結果と、出荷検査時に使用する治具(実測測定治具5B)を含んだ測定装置(実測測定装置2)による補正データ取得試料11Bの測定結果とが異なってしまうという課題である。このような測定結果の不一致は、出荷検査時におけるユーザ保証を不可能にしてしまう。
【0046】
そこで、本実施形態では、このような課題に対して、実測測定装置2による測定結果から基準測定装置1による測定結果を相対補正法に基づいた計算によって推定している。
【0047】
以下、本実施形態の補正方法(解析式相対補正法)の理論を説明する。
【0048】
まず、各測定系(基準測定装置1および実測測定装置2)の誤差要因を図6に示される信号伝達形態によってモデル化する。
【0049】
図6において、Fは測定系の誤差要因である。Zは被検体試料(測定対象電子部品11Aや補正試料取得試料11B)のインピーダンス値である。Vは測定装置1,2によって観測される電圧である。電圧Vは、被検体試料や誤差要因Fに印加される電圧である。Vは被検体試料に実際に印加される電圧である。Iは測定装置1,2によって観測される電流である。電流Iは、被検体試料や誤差要因Fに流れる電流である。Iは被検体試料に実際に流れる電流である。
【0050】
誤差要因Fは、例えば、測定用ケーブルが有する抵抗,インダクタンス(残留インピーダンス),ケーブル容量(浮遊アドミタンス)等により生じる。誤差要因FをいわゆるF行列で表現すると、次の(1)式のようになる。
【0051】
【数1】
Figure 0003558080
ここで、測定装置1,2が測定するインピーダンスZは、次の(2),(2’)式により求められる。
=V/I …(2)
=V/I …(2’)
上記(2),(2’)式を(1)式に代入することにより、次の(3)式が得られる。
=(D・Z−B)/(C・Z−A) …(3)
上記(3)式におけるZは被検体試料のインピーダンス真値を示している。上記(3)式は有理式であり、誤差要因を構成する4つの未知数A,B,C,D(以下、これら未知数を誤差項A〜Dという)のうち一つは明らかに自由に選択することができる。そのため、例えば、誤差項D=1とおいたうえで、残りの3つの誤差項A,B,Cを決定することにより、測定装置1,2が観測するインピーダンスZから被検体試料のインピーダンス真値Zを決定することができる。
【0052】
しかしながら、被検体試料が非同軸形状を有する場合、1MHz〜数GHz程度の高周波帯域におけるインピーダンスが既知である標準器(標準器として機能する電子部品)を作製することは、現状ではほとんど不可能である。
【0053】
そこで、本実施形態では、次のようにして被検体試料の実測測定装置の測定値を補正して被検体試料の基準測定装置における測定値を精度高く推定している。ここで、まず、測定の誤差要因Fを決定する誤差項A,B,C,Dが同定された基準測定装置1があり、この基準測定装置1によって補正データ取得試料11Bのインピーダンス測定値ZM1が測定されたと仮定する。
【0054】
この場合、補正データ取得試料11Bのインピーダンス真値Zは、基準測定装置1によるインピーダンス測定値ZM1から、次の理論数式(4)により求められる。
=(D・ZM1−B)/(C・ZM1−A) …(4)
同様に、測定の誤差要因Fを決定する誤差項A,B,C,Dが同定された実測測定装置2があり、この実測測定装置2によって補正データ取得試料11Bのインピーダンス測定値ZM2が測定されたと仮定する。
【0055】
この場合、補正データ取得試料11Bのインピーダンス真値Zは、実測測定装置2によるインピーダンス測定値ZM2から、次の理論数式(5)式により求められる。
=(D・ZM2−B)/(C・ZM2−A) …(5)
ここで、測定系は異なっていても、同じ補正データ取得試料11Bを測定しているのであるからインピーダンス真値Zは等しい。したがって、理論数式(4)と理論数式(5)の右辺同士は等しいことになる。そのため、次の(6)式が成立する。
【0056】
Figure 0003558080
さらに、上記(6)式を整理することによりの、次の(7)式が得られる。
【0057】
Figure 0003558080
上記(7)式において、右辺の分子・分母を(A・D−B・C)で除したうえで適当な変数変換を行うことにより、未定係数が3個の次の(8)式が得られる。(8)式が本発明におけるインピーダンス測定の相対補正式である。
M1=(ZM2+α)/(β・ZM2+γ) …(8)
上記相互関係式(8)において未定係数α,β,γが同定できれば、実測測定装置2の測定結果ZM2から基準測定装置1による測定結果ZM1を精度高く推定することができる。
【0058】
なお、仮に基準測定装置1が全く誤差要因Fのない完璧な測定装置であったとすると、このような理想的な基準測定装置1と実測測定装置2との間の相対補正を行うことになる。このような相対補正は、1ポート測定系の誤差除去式である上記(7)と一致するはずである。
【0059】
実際、基準測定装置1を誤差要因Fのない完璧な装置とみなす場合、上記相互関係式(8)において、係数A=1,B=0,C=0,D=1となる。そうすると、上記相互関係式(8)により得られるインピーダンス測定値ZM1の値は、上記(7)式により得られるインピーダンス測定値ZM1の値に一致する。
【0060】
上記相互関係(8)においては、未定係数がα,β,γの3個含まれており、ZM1およびZM2の二つの変数は測定により得られる値である。そのため、補正データ取得試料11Bとして、3個の試料を準備したうえで、これらの補正データ取得試料11Bのインピーダンスを基準測定装置1と実測測定装置2とで測定すれば、未定係数α,β,γを同定することができる。つまり、この誤差補正方法を用いれば、補正データ取得試料11Bのインピーダンス真値や測定装置1,2が有する誤差項A,B,C,D,A,B,C,D等は全く未知のままでも未定係数α,β,γを同定することができる。
【0061】
相互関係式(8)において3つの補正データ取得試料11Bのインピーダンス測定値を代入したうえで整理することで、次の相互関係式(9)が得られる。
【0062】
【数2】
Figure 0003558080
なお、(8),(9)に示した本発明における相互関係式は、基準測定装置1の測定値真値と実測測定装置2の測定値真値との間の関係を一義的に示す関係式である。ここでいう一義的とは両真値がほぼ正確に一致することをいう。また、ここいうほぼ正確とは、図9を参照して後述するように、補正誤差±0.8%以内に収まる程度の補正精度を示す。
【0063】
相互関係式(9)式中において、ZM2(1),ZM2(2),ZM1(1)等に示されるように、下付文字M1,M2の末尾に付与されている数字(1),(2),(3)は、その数字の番号を付与された補正データ取得試料11B のインピーダンス測定値であることを示している。
【0064】
なお、以上説明した補正方法においては、未定係数α,β,γを、3個の補正データ取得試料11B のインピーダンス測定値ZM2(1) M2(3)から3元1次連立方程式の解として算出している。しかしながら、4個以上の補正データ取得試料11B についてインピーダンス測定値ZM2(1) M2(n)を測定したうえで、最小自乗法などの最尤法を用いてこれら未定係数α,β,γを同定してもよい。そうすれば、補正データ取得試料11Bの測定時において生じる測定誤差の影響を低減することができる。
【0065】
また、上述した相互関係式(9)は3次の行列式であって数学的には非常に簡単な構成であるものの、作業者による手計算で解を得るには手間がかかる。そのため、計算機を用いた自動計算において汎用されているアルゴリズム,例えば、LU分解法などを用いて上述した相互関係式(9)を計算すれば計算の自動化を図ることができる。
【0066】
次に、本発明のインピーダンス補正方法により補正した結果を説明する。図7は補正を実施したシステムの構成を示している。このシステムにおいて、基準測定装置1と実測測定装置2とは、インピーダンスアナライザ100と、基準測定治具101と、実測測定治具102とを備えている。
【0067】
インピーダンスアナライザ100は4291A(アジレント・テクノロジー製)から構成されている。インピーダンスアナライザ100はテストヘッド100aを有している。テストヘッド100aは校正面100bを有しており、この校正面100bにAPC7(7mm直径のコネクタ)−SMA(3.5mm直径のコネクタ)変換アダプタ103が取り付けられている。基準測定治具101と実測測定治具102とはSMAコネクタ104を備えており、このコネクタ104をアダプタ103に装着することで、治具101,102はテストヘッド100aの校正面100bに取り付け可能となっている。
【0068】
ただし、実測測定治具102は、3dBの減衰器(MKT:タイセー社製)105と1.5mのセミフレキシブル同軸ケーブル(FLEXCO社製)106とを介してアダプタ103に取り付けられている。減衰器105と同軸ケーブル106とを介在させるのは、実測測定治具102に搭載する測定対象電子部品11Aが有するインピーダンスに通常発生するよりも大きな誤差を付与するためである。これにより、本発明の補正方法の精度の高さを分かりやすくすることができる。
【0069】
なお、この構成においては、APC7−SMA変換アダプタ103は、図1における同軸ケーブルコネクタ6を構成し、SMAコネクタ104は図2における同軸コネクタ9を構成し、基準測定治具101は基準測定治具5Aを構成し、実測測定治具102は実測測定治具5Bを構成する。
【0070】
以上のシステムにおいては、インピーダンスアナライザ100に基準測定治具101を装着すれば、基準測定装置1と見なすことができる。また、インピーダンスアナライザ100に実測測定治具102を装着すれば、実測測定装置2と見なすことができる。
【0071】
以上説明したシステムにおいて、開放,短絡,終端の各補正データ取得試料11B を基準測定治具101,実測測定治具102に実装する。そして、各治具101,102それぞれをテストヘッド100aに接続することでインピーダンスを測定する。さらには、測定により得られたインピーダンス測定値を前述した相互関係式(9)に代入することで、未定係数α,β,γを同定する。なお、インピーダンスの測定は、1MHz〜100NHzの周波数範囲,ポイント数201点で実施する。
【0072】
次に、キャパシタ,インダクタ,100Ω抵抗,330Ω抵抗からなる測定対象電子部品11A を用意し、これら測定対象電子部品11A を実測測定治具102に実装する。そして、実測測定治具102をテストヘッド100aに接続することで、測定対象電子部品11A のインピーダンスをインピーダンスアナライザ100で測定する。
【0073】
得られたインピーダンス測定値ZM2(1) M2(4)(実測測定装置2の測定値に相当する)を、先に未定係数α,β,γを同定しておいた相互関係式(8),(9)式に代入することで、基準測定装置1の測定値ZM1(1) M1(4)を推定する。
【0074】
次に、測定対象電子部品11A を基準測定治具101に実装する。そして、基準測定治具101をテストヘッド100aに接続することで、測定対象電子部品11A のインピーダンスをインピーダンスアナライザ100で測定する。測定により得られた測定対象電子部品11A1〜4のインピーダンス測定値(基準測定装置1での測定真値ZA1 に相当する)と、先に推定しておいた基準測定装置1の測定値ZM1(1) M1(4)とを比較する。その比較結果を図8と図9に示す。
【0075】
図8は、測定結果を示し、図9は100Ω抵抗と330Ω抵抗の測定値の誤差変動を示している。図8において横軸は周波数を示し、縦軸はインピーダンス値を示している。図9において横軸は周波数を示し、縦軸は誤差精度を示している。
また、これらの図において、真L,真C,真100,真330は、それぞれ、インダクタ,キャパシタ,100Ω抵抗,330Ω抵抗の基準測定装置1(基準測定治具100)での測定結果を示している。無L,無C,無100,無330は、それぞれ、インダクタ,キャパシタ,100Ω抵抗,330Ω抵抗の実測測定装置2(実測測定治具102)での測定結果を示している。相対L,相対C,相対100,相対330は、それぞれ、インダクタ,キャパシタ,100Ω抵抗,330Ω抵抗の実測測定装置2(実測測定治具102)での補正値を示している。
【0076】
これらの図から明らかなように、本発明の補正方法を実施することで、±0.8%以内に正確に補正されている。
【0077】
以下、本実施形態の測定誤差補正方法により補正方法を具体的に説明する。
【0078】
用意した3個の補正データ取得試料11B が、基準測定装置1に搭載される。そして、各試料11B のインピーダンスが各周波数ポイント毎に測定される。 これら基準測定装置1における補正データ取得試料11B のインピーダンスを測定した結果が、実測測定装置2の図示しないデータ入力部を介して実測測定装置2に予め入力されている。入力された基準測定装置1の測定結果は、制御部本体22を介してメモリ23に記憶されている。
【0079】
一方、実測測定装置2においても、同様に、補正データ取得試料11B が基準測定装置2に搭載される。そして、補正データ取得試料11B のインピーダンスが各周波数ポイント毎に測定される。
【0080】
実測測定装置2による補正データ取得試料11B のインピーダンス測定結果は、制御部本体2を介して相互関係式算定手段24に入力される。
【0081】
相互関係式算定手段24は、実測測定装置2による補正データ取得試料11B のインピーダンス測定結果が入力されると、制御部本体22を介してメモリ23から、基準測定装置1で測定した補正データ取得試料11B の測定結果を読み出す。
【0082】
相互関係式算定手段24は、基準測定装置1の測定結果と実測測定装置2の測定結果とに基づいて、実測測定装置2による測定結果と基準測定装置1による測定結果との間の相互関係式を算定する。算定は、前述した相互関係式(8),(9)式に基づいて行われる。
【0083】
以上の準備工程を経たのち、実測測定装置2のインピーダンスアナライザ本体20により測定対象電気部品11Aのインピーダンスが測定される。測定対象電気部品11Aの測定結果は、制御部本体22を介して補正手段25に入力される。
【0084】
補正手段25は、測定対象電気部品11Aの測定結果が入力されると、制御部本体22を介してメモリ23から相互関係式を読み出す。補正手段25は、読み出した相互関係式に測定対象電気部品11Aの測定結果であるインピーダンス値を代入して計算する。これにより、補正手段25は、実測測定装置2における測定対象電気部品11Aの測定結果(インピーダンス)を、基準測定装置1により測定した場合に得られると推定されるインピーダンスに補正する。補正手段25は、算定した補正値(インピーダンス)を制御部本体22を介して外部に出力する。出力は、図示しない表示部により表示出力してもよいし、図示しないデータ出力部によりデータとして出力してもよい。
【0085】
なお、このような計算処理は、上述したように、インピーダンスアナライザ3Bに内蔵された制御部21により行ってもよいし、インピーダンスアナライザ3に接続された外部コンピュータに対して測定結果を出力してこの外部コンピュータにより行ってもよい。
【0086】
以上説明した本実施形態の測定結果の補正方法によれば、次のような効果がある。すなわち、電子部品メーカでその電子部品のインピーダンスを保証する場合においては、メーカ側に設けられた測定装置で測定した結果に基づいて、そのインピーダンスが保証される。しかしながら、その電子部品を購入したユーザ側に設けられた測定装置において、その電子部品のインピーダンスを測定したとしても同等の測定結果が出るとは限らない。そのため、これでは、メーカが保証しているインピーダンスを確認することができず、その保証は再現性がなく不確実なものとなってしまう。
【0087】
これに対して、メーカ側の測定装置を基準測定装置1とし、ユーザ側の測定装置2を実測測定装置としたうえで本実施形態の測定誤差の補正方法を実施すれば、メーカ側の測定結果と同等であると推定されるインピーダンスを、ユーザ側の実測測定装置2における測定結果に基づいてユーザ側で算出することができる。これにより、メーカ側の実施する電子部品の保証を再現することができて、十分に確実なものとなり、したがって、ユーザに受け入れられることが可能となる。
【0088】
しかも、実測測定装置2の状態を厳密に検査管理する(例えば、実測測定装置2の実測測定治具5Bの特性を、基準測定装置1の基準測定治具5Aの特性と同等となるように調整管理する)ことなく上記補正が行えるので、その分、測定に要するコストを抑えることができる。
【0089】
さらには、メーカ側においては、量産工程中に多数設置される自動測定選別機を前記実測測定装置として選定することも可能になるので、その分、さらに測定に要するコスト(この場合には不良部品選別コスト)を抑えることができるうえに測定時間の短縮化を図ることができる。
【0090】
しかも、測定治具5A,5Bに起因する測定誤差の補正のみならず、実測測定装置2全体の測定誤差を同時に補正することができるので、実測測定装置2において特別なキャリブレーションを実施する必要もなくなり、その分、さらに測定コストを抑えることができる。
【0091】
さらには、本実施形態の測定装置では、自動測定選別機に対する組み込み性能や長寿命化を測定特性の安定化より優先させた実測測定治具5Bを用いても、その測定結果に何ら影響は出ない。そのため、その分、さらに測定に有するコストを抑えることができるうえに、測定時間の短縮化を図ることができる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基準測定装置に対して測定結果が完全に一致しない実測測定の測定結果を、基準測定装置の測定結果と同等に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置を構成する測定治具の構成を示す平面図である。
【図3】本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置の構成を示すブロック図である
【図4】本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置を構成する補正データ取得試料および測定対象電気部品の構成を示す裏面図である。
【図5】本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置を構成する補正データ取得試料の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の測定誤差の補正方法を実施する際に用いる信号伝達形態(誤差モデル)の一例である。
【図7】本発明のインピーダンス補正方法による補正したシステムの構成を示す図である。
【図8】本発明の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データならびに測定結果を示す線図である。
【図9】本発明の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データの誤差精度を示す線図である。
【符号の説明】
1 基準測定装置
2 実測測定装置
3A,3B インピーダンスアナライザ
4 同軸ケーブル
5A,5B 測定治具
6 同軸ケーブルコネクタ
7 絶縁基板
8a 信号伝送路
8b,8c 接地線路
9 同軸コネクタ
10 スルーホール接続部
11A 測定対象電子部品
11B 補正データ取得試料
12a 伝送路端子
12b,12c 接地端子
13 枠体
14a 擬似伝送路端子
14b,14c 擬似接地端子
15a〜15c 実装端子
16a〜16e インピーダンス調整用素子
20 インピーダンスアナライザ本体
21 制御部
22 制御部本体
23 メモリ
24 相互関係式算定手段
25 補正手段
100 インピーダンスアナライザ
100a テストヘッド
100b 校正面
101 基準測定治具
102 実測測定治具
103 APC7−SMA変換アダプタ
104 SMAコネクタ
105 減衰器
106 同軸ケーブル

Claims (5)

  1. 測定対象電子部品のインピーダンスを、インピーダンス測定結果が基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定したうえで、その測定値を、前記基準測定装置を用いて測定した場合に得られると推定されるインピーダンスに補正する測定誤差の補正方法であって、
    予め、補正用データ取得試料として、測定操作により前記測定対象電子部品の任意のインピーダンスと同等のインピーダンスを発生させる補正用データ取得試料を用意する工程と、
    前記補正用データ取得試料のインピーダンスを、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する工程と、
    前記実測測定装置による測定結果と前記基準測定装置による測定結果との間の相互関係式を求める工程と、
    前記実測測定装置により測定した前記測定対象電気部品のインピーダンスを前記相互関係式に代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品のインピーダンスを、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定されるインピーダンスに補正する工程と、
    を含むことを特徴とする測定誤差の補正方法。
  2. 請求項1に記載の測定誤差の補正方法において、
    前記相互関係式を求める工程は、
    測定時における前記両測定装置の信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手順と、
    前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手順と、
    未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手順と、
    前記補正用データ取得試料のインピーダンスを、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手順と、
    前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料のインピーダンスの測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手順と、
    を含むことを特徴とする測定誤差の補正方法。
  3. 基準測定装置によって測定した場合のインピーダンスを要求特性とされる測定対象電子部品を、測定結果が前記基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定し、その測定結果に基づいて良否判定を行う電子部品の良否判定方法であって、
    前記実測測定装置によって測定した前記測定対象電子部品のインピーダンスを、請求項1または2に記載の測定誤差の補正方法によって補正し、この補正後のインピーダンスと前記要求特性とを比較して前記測定対象電子部品の良否を判定する、
    ことを特徴とする電子部品の良否判定方法。
  4. 測定対象電子部品のインピーダンスを測定する測定手段を有するものの、その測定結果が基準測定装置と一致しない電子部品特性測定装置であって、
    前記測定対象電子部品のインピーダンスと同等のインピーダンスを発生させる補正用データ取得試料のインピーダンスを前記基準測定装置で測定した測定結果を記憶する記憶手段と、
    前記測定手段により測定する前記補正用データ取得試料のインピーダンスと、前記記憶手段で記憶している基準測定装置による前記補正用データ取得試料のインピーダンスとの間の相互関係式を算定する相互関係式算定手段と、
    前記測定手段により測定する前記測定対象電気部品のインピーダンスを前記相互関係式に代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品のインピーダンスを、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定されるインピーダンスに補正する補正手段と、
    を有することを特徴とする電子部品特性測定装置。
  5. 請求項4に記載の電子部品特性測定装置において、
    前記相互関係式算定手段は、
    測定時における前記両測定装置の信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手段と、
    前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手段と、
    未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手段と、
    前記補正用データ取得試料のインピーダンスを、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手段と、
    前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料のインピーダンスの測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手段と、
    を備えることを特徴とする電子部品特性測定装置。
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