JP3911738B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置に係り、更に詳細には有段変速機及び無段変速機を含む自動変速機の変速比の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の現在位置の周囲に関する道路情報に応じて自動変速機の制御パターンを変更する変速手段を備えた自動変速機の制御装置として、例えば特公平6−58141号公報が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術においては、カーブを走行する際に、変速を禁止するため、シフトダウン及びシフトアップによる加減速が制限されるという課題がある。つまり、カーブの進入の前に、シフトダウンを行いエンジンブレーキを効かせ、円滑にカーブを通過できる速度まで車速を低下させると共に、低い変速段にて大きな駆動力を車輪に加えることにより、安定してカーブを通過することがでなくなる。また、カーブの最も曲率の大きな地点を通過した以降も、シフトアップを制限すると、エンジン回転が高く成り過ぎることがある。
【0004】
このため、本発明者は、ナビゲーション装置を用いて、進路前方にカーブがあることを予め検知し、カーブに進入する際には、マニュアルシフトと同様にシフトダウンを行うように自動変速機を制御し、低い変速段にて大きな駆動力を車輪に加えることによって、安定してカーブを通過することができるようにする技術を案出した。
【0005】
しかし、この技術を用いてカーブの手前でシフトダウンを行っても、自動変速機は、車速及びスロットル開度に応じてシフトアップを行うため、カーブの進入前に一旦シフトダウンした以後に、直ちにシフトアップし、また、シフトダウンすることとなる。このため、カーブ通過中に不要な変速を繰り返し、また、駆動力の伝達が変速時に中断されるのに加えて、カーブを通過するのに必要な強力な駆動力を高い変速段へシフトアップされた際には得れなくなる。このため、カーブを走行し終えるまではシフトアップを制限する必要がある。
【0006】
ここで、上記シフトアップ制限は、カーブを走行し終えるまで続ける必要があるが、この解除をどのタイミングで行うかが問題となる。ここで、例えば、カーブの最も曲率の大きな地点から固定された距離を走行した以降に該制限を解除するとしたなら、カーブの形状、カーブの曲率、カーブのバンク角、路面状況、道路の勾配、道路幅等カーブの状況は様々であるため、制限の解除が遅すぎて適切にシフトアップが行えず、運転者に違和感を与えたり、解除が早すぎてカーブの途中でシフトアップが生じ、適切な駆動力を車輪に伝えれなくなることが予想される。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、カーブ走行用の変速段制御から通常用の変速段制御へ適切に切り換え得る車両制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の車両制御装置では、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路データを記憶する道路データ記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、前方のカーブを検出するカーブ検出手段と、
前記カーブ検出手段により検出された前方のカーブに関する道路データ及び前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び現在位置での車速に基づいて、シフトダウンが必要かどうか判断するシフトダウン判断手段と、
前記シフトダウン判断手段によりシフトダウンが必要と判断された場合に、該カーブの所定位置を通過する以前にシフトダウンを行うシフトダウン手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、該カーブの所定位置を通過したかを判断する所定位置通過判断手段と、
該カーブの所定位置通過時の車速を記憶する車速記憶手段と、
前記所定位置通過判断手段にて所定位置通過前と判断されている間は、変速比のシフトアップを制限すると共に、所定位置通過後は、前記所定位置通過時の車速よりも所定速度高くなるまでシフトアップを制限するシフトアップ制限手段と、を有することを技術的特徴とする。
【0010】
また、請求項2の車両制御装置では、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路データを記憶する道路データ記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、前方のカーブを検出するカーブ検出手段と、
前記カーブ検出手段により検出された前方のカーブに関する道路データ及び前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び現在位置での車速に基づいて、シフトダウンが必要かどうか判断するシフトダウン判断手段と、
前記シフトダウン判断手段によりシフトダウンが必要と判断された場合に、該カーブの所定位置を通過する以前に変速比をシフトダウンするシフトダウン手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、該カーブの所定位置を通過したかを判断する所定位置通過判断手段と、
該カーブの所定位置通過時の車速を記憶する車速記憶手段と、
前記所定位置通過判断手段にて所定位置通過前と判断されている間は、変速比のシフトアップを制限すると共に、所定位置通過後は、所定位置と前記現在位置検出手段により検出された現在位置が所定間隔離れたと判断されるまでは、前記所定位置通過時の車速に対する車速の増加量が所定値以下の場合に、シフトアップを制限するシフトアップ制限手段と、を有することを技術的特徴とする。
【0013】
請求項1の車両制御装置では、現在位置検出手段が現在位置を検出し、カーブ検出手段が、道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、前方のカーブを検出する。そして、シフトダウン手段がカーブの所定位置を通過する以前にシフトダウンする。そして、シフトアップ制限手段が、所定位置通過判断手段にて所定位置通過前と判断されている間は、変速比のシフトアップを制限し、所定位置通過後は、所定位置通過時の速度よりも所定速度高くなるまではシフトアップを制限する。
【0014】
請求項1では、シフトダウン手段が、カーブに進入する際にエンジンブレーキにて適切に減速し得るように変速比をシフトダウンするが、通常の自動変速機の制御においては、一旦シフトダウンされても、車速及びスロットル開度に基づき、シフトアップが成される。これをシフトアップ制限手段が制限することで、低い変速比を維持し、大きな駆動力を車輪にかけ車両を安定させた状態でカーブを通過することができる。
【0015】
請求項2の車両制御装置では、現在位置検出手段が現在位置を検出し、カーブ検出手段が、道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、前方のカーブを検出する。そして、シフトダウン手段がカーブの所定位置を通過する以前にシフトダウンする。そして、シフトアップ制限手段が、所定位置を通過してから所定間隔離れたと判断された後、通常の車速でシフトアップを認める。
【0016】
請求項2では、シフトダウン手段が、カーブに進入する際にエンジンブレーキにて適切に減速し得るように変速比をシフトダウンするが、通常の自動変速機の制御においては、一旦シフトダウンされても、車速及びスロットル開度に基づき、シフトアップが成される。これをシフトアップ制限手段が制限することで、低い変速比を維持し、大きな駆動力を車輪にかけ車両を安定させた状態でカーブを通過することができる。また、所定位置を通過してから所定間隔離れると、通常の車速でのシフトアップを認めるため、車速が余り高まらなくともカーブから離れた際には、通常の変速比制御が再開できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施態様について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施態様に係る車両制御装置の制御機構を示している。この車両には、自車位置を検出して経路案内を行うと共に、カーブを走行する際に変速段の選択を行う車両用ナビゲーション装置10と、予め設定された制御パターンに基づきオートマチックトランスミッション60を制御するオートマチックコントロールユニット20と、エンジン50を制御するエンジンコントロールユニット30とが備えられている。
【0018】
ナビゲーション装置10は、GPS(グローバルポジショニングシステム)を用いて人工衛星からの電波(GPS信号)をアンテナ12を介して受信し、現在位置を算出すると共に、CDROM14に記録された道路データを読み出し、地図上での現在位置を識別する。また更に、後述するように道路データ中のカーブ及びカーブへの接続路の勾配に基づき選択した変速段をオートマチックコントロールユニット20に対して送出する。
【0019】
エンジンコントロールユニット30は、スロットル70からのスロットル開度の信号と、エンジン50からのエンジン回転数その他(冷却水温、02 センサ信号等)とに基づき、エンジン50に対して燃料噴射指令を与えて、エンジン50を制御する。
【0020】
オートマチックコントロールユニット20は、スロットル70からのスロットル開度の信号と、オートマチックトランスミッション60からの車速とに基づき、選択した制御パターンに従いオートマチックトランスミッション60に対してギヤーの変速指令を与えるように構成されている。シフトレバー74は、ドイラブレンジ、セカンドレンジ、ロウレンジ、ニュートラルレンジ、パーキングレンジ、リバースレンジの6つのレンジを有する6ポジションタイプで、ドイラブレンジが選択されているときに、オートマチックコントロールユニット20は、変速段を4速、3速、2速、1速の間で最も適切なものを、スロットル開度及び車速に基づき選択し、セカンドレンジが設定されているときには、2速、1速のいずれかを設定し、ロウレンジが設定されているときには、1速に固定する。他方、4速の変速段を有するオートマチックトランスミッション60は、該シフトレバー74の操作に従うオートマチックコントロールユニット20からの指令により、変速段を切り換える。更に、このオートマチックトランスミッション60は、ドライブレンジが選択されている状態で、後述するカーブの曲率及び道路勾配に従い、ナビゲーション装置10からの指令に従う変速段へ変速するよう構成されている。
【0021】
ここで、本実施態様のオートマチックコントロールユニット20による変速段制御の説明に先立ち、CDROM14に記録された道路データの内容について、図3を参照して説明する。
図3は道路データの内容を模式的に示している。図中で、実線Rは道路を示している。ここで、該道路データにおいては、道路は、複数のノード点N1、N2、・・・に依って規定される軌跡としてデータ化されている。即ち、図中で示す各ノード点の座標(緯度・経度)がデータとして保持されており、道路はこのノード点を結ぶ線分(以下リンクとして参照する)の連続として情報処理されることとなる。このノード点により道路をデータ化する方式は、ナビゲーション用データとして一般的に採用されている。ここで、比較的間隔の広いノード点N1とN2とを結ぶリンクは、ほぼ直線状の道路であり、間隔の狭いノード点N3、N4・・・N9までは、S字状のカーブ道路である。
【0022】
他方、この第1実施態様では、上述した道路を概念するためのノード点のみならず、マトリクス状に標高が保持されている。このマトリクス状の各点は、250m間隔に設けられている。例えば、図中に10−10で指示した標高点は、標高20mであり、10−11で指示した標高点は標高22mである。
【0023】
第1実施態様では、従来の道路の偏曲点を示すノード点の位置と、該ノード点を取り囲むマトリクス状の標高データとの相対位置とによって道路勾配を求める。なお、この実施態様では、データ量を小さくするため、道路データにマトリクス状の標高点を保持することで、道路勾配を求めているが、ノード点毎に勾配のデータを付加することも可能である。
【0024】
引き続き、本実施態様のオートマチックコントロールユニット20による変速段の制御概念について説明する。
本実施態様では、カーブの手前側からカーブ対応の変速段制御を開始する。即ち、カーブ対応変速段制御においては、カーブの手前でアクセルペダルから足を離し、スロットル開度が下がった際に、通常の制御とは反対にシフトダウンを行い、エンジンブレーキを強力に効かせることで、車速を下げ円滑にカーブを走行できるようにする。
【0025】
ここで、登坂路においては、走行抵抗が高くエンジンブレーキによる車速の低下が大きいため、カーブに近い位置から上記カーブ対応変速段制御を開始する。また、降坂路においては、走行抵抗が低くエンジンブレーキによる車速の低下が小さいため、カーブから遠い位置にてカーブ対応変速段制御を開始する。
【0026】
引き続き、上記カーブ対応変速段制御について、当該制御のフローチャートを示す図4〜図8を参照して説明する。ここで、図4の上側は、カーブ対応変速段制御を行うナビゲーション装置10の処理のメインルーチンを示している。図4の下側は、該ナビゲーション装置10による処理に従うオートマチックコントロールユニット20の処理を示している。
【0027】
まず、ナビゲーション装置10は、カーブ対応変速段制御を開始する位置に車両が進入たか、及び、脱出したかの判断を行う(カーブ制御開始解除処理:S10)。次に、カーブ対応変速段制御に基づき最適な変速段を算出し、選択した最適変速段をアクセルペダルがオフ及びブレーキペダルがオンされたタイミング(イベント有り)でオートマチックコントロールユニット20側へ送出する(アクセルオフ・ブレーキオンによるイベント制御:S40)。最後に、アクセルオフのイベントが無かった際にもシフトダウンを行う(変速段スタンドバイ制御:S80)。
【0028】
他方、オートマチックコントロールユニット20は、図4中の下側に示すように上記ナビゲーション装置10側からの変速段切り換え指令を、自己の選択した変速段と判断し(S210)、変速段切り換え用アクチュエータを駆動して、実際にオートマチックトランスミッション60の変速段を切り換える(S220)。
【0029】
先ず、上記カーブ対応変速段制御の開始、或いは、解除する位置に車両が進入したかを判断するカーブ制御開始・解除処理(S10)について、当該処理のサブルーチンを示す図5を参照して説明する。
先ず、カーブ制御開始・解除処理の目的について説明する。オートマチックコントロールユニット20は、後述するようにカーブ対応変速段制御の実行中は、通常の変速段切り換えとは相反する変速段切り換えを行う。即ち、通常の走行時には、アクセルペダルのオフによりスロットル開度が下がると、シフトアップを行うのに対して、カーブ走行時のカーブ対応変速段制御を行っている時には、上述したように、アクセルペダルオフによりスロットル開度が下がると変速段をシフトダウンする制御を行っている。
【0030】
ここで、カーブを通過中に、通常と同様にシフトアップを行ったとするなら、カーブ対応変速段制御にて一旦シフトダウンした以後に、直ちに、シフトアップし、また、シフトダウンすることとなる。このため、カーブ通過中に不要な変速を繰り返し、また、駆動力の伝達が変速時に中断されるのに加えて、カーブを通過するのに必要な強力な駆動力を高い変速段選択中は得ることができなくなる。このため、本実施態様では、カーブ制御開始・解除処理によってカーブを通過したか否かを判断し、カーブを脱出するまでは変速段のシフトアップを抑える制御を行う。
【0031】
まず、ナビゲーション装置10は、オートマチックのシフトレバー74にドライブレンジが設定されていかを判断する(S12)。ここで、セカンドレンジ、ロウレンジが設定されているときには(S12がNo)、運転者の意思を尊重するため、カーブ対応変速段制御を行うフラグを畳み(S37)、処理を終了する。
【0032】
他方、ドライブレンジが設定されているときには(S12がYes)、GPS(グローバルポジショニングシステム)を用いて人工衛星からの電波をアンテナ12を介して受信し、現在位置を算出すると共に、CDROM14に記録された道路データを読み出し、地図上での現在位置を識別し、更に、図3を参照して上述した所定範囲内のノード点を検出する(S14)。更に、該ノード点から、進行方向上にカーブが存在するかを判断し、カーブのピークとなる特定地点(最も曲率の大きくなる点)のノード点を検出する(S16)。例えば、3つの連続するノード点において、第1番目のノード点と第2番目のノード点との成す辺と、第2番目のノード点と第3番目のノード点との成す辺との角度が170°以下であれば、カーブが有ると認識し、更に、カーブを形成する連続するノード点の内の、最も大きな角度を形成するものを特定ノード点(特定地点)とする。
【0033】
その後、カーブ対応変速段制御を示す上記フラグが設定されているかを判断する(S18)。ここで、カーブ対応変速段制御が未だ開始されておらず該フラグが設定されていない時には(S18がNo)、該特定地点から現在の車両の位置までの距離を算出する(S20)。そして、現在車両がカーブの手前の所定距離内(例えば、500m手前)かを判断する(S21)。ここで、現在車両がカーブの手前の所定距離内になると(S21がYes)、カーブ対応変速段制御を示すフラグを設定し(S22)、処理を終了する。他方、カーブの手前の所定距離になるまでは(S21がNo)、フラグを設定することなく処理を終了する。
【0034】
なお、この実施態様では、カーブの手前かを、固定された所定距離手前かによって判断しているが、カーブの曲率、及び、カーブまでの接続路の勾配に応じて異ならしめることも可能である。例えば、曲率が小さく、速度を下げないと円滑に通過できないカーブの手前では、700m手前かによって判断し、また、登坂路で車速が下がり易い場合には300m手前かによって判断することも可能である。
【0035】
なお、上記ステップ18のフラグが設定されているかの判断において、既にカーブ対応変速段制御を開始し、フラグが設定されているときには(S18がYes)、カーブのピーク(特定地点)を通過したか否かにより、カーブ対応変速段制御を解除する必要があるかを判断する(S23)。ここで、ピークを通過するまでは(S23がNo)、ステップ24の判断を経て(S24がNo)、処理を終了する。
【0036】
他方、ピークを通過した時点において(S23がYes)、まず、ピーク通過を示すピークフラグを設定し(S25)、そして、ピーク通過時の車速を入力する(S26)。その後、以下の処理によってカーブ対応変速段制御を解除する。一方、ピーク通過後であって、カーブ対応変速段制御の解除前は、ステップ23のピークかの判断がNoとなり、ステップ24のピークフラグが設定されているかの判断がYesとなって、ステップ27へ移行する。
【0037】
なお、本実施態様では、カーブ対応変速段制御を解除するための処理を、ピーク(特定ノード点)を通過したか否かに基づき開始しているが、この処理はカーブの種々の位置にて開始することができる。例えば、カーブの2/3を走行した時点で開始することや、或いは、ピーク通過後、所定距離走行した際、或いは、所定時間経過した際に、更には、カーブの半径に応じた所定の点にて開始することもできる。
【0038】
引き続き、ナビゲーション装置10は、オートマチックコントロールユニット20により選択された変速段を入力し(S27)、オートマチックコントロールユニット20によって選択された変速段と、該ナビゲーション装置10自身が選択した変速段とを比較する(S28)。ここで、オートマチックコントロールユニット20とナビゲーション装置10との選択が一致するときには(S28がYes)、カーブ対応変速段制御、即ち、カーブ通過用の特別の変速段制御を続ける必要が無くなっているため、ステップ37へ移行し、フラグを畳みカーブ対応変速段制御を解除する。他方、オートマチックコントロールユニット20とナビゲーション装置10との選択が一致しないときには(S28がNo)、車速に応じてシフトアップを制限する処理を続ける。
【0039】
ここでは、まず、現在車速Vnow 、上記ピーク通過時の車速等の車両情報を入力し(S29)、次に、変速段として現在2速が選択されているかを判断する(S30)。ここで、現在2速が選択されているときには(S30がYes)、現在車速Vnow が、2速から3速へのシフトアップを制限する解除車速1以上かを判断する(S31)。この解除車速1としては、カーブのピーク点を通過した際の車速を基準とし、この車速に規定車速(例えば10km/h)を足した値を設定してある。例えば、ピーク通過時の車速が35km/hであるなら、解除車速1は45km/hとなる。ここで、この解除車速1は、通常の変速パターンに従う変速段制御における2速から3速のシフトアップの基準となる車速よりも高くなるように設定してある。
【0040】
なお、ここでは、ピーク点通過時の車速を基準としているが、この代わりに、カーブを通過中にブレーキペダルを踏んだ後、これを離した際の車速を基準とすることも可能である(なお、このブレーキペダルを踏んだ時点で後述するように2速へシフトダウンされる)。
【0041】
更に、3速から4速へシフトアップを認めるための後述する解除車速2としては、上記ピーク点を通過時の車速を基準とし、この車速に規定車速(例えば25km/h)を足した値を設定してある。例えば、ピーク通過時の車速が35km/hであるなら、解除車速2は60km/hとなる。なお、この解除車速2は、解除車速2と同様に通常の変速パターンに従う変速段制御における3速から4速のシフトアップの基準となる車速よりも高くなるように設定してある。
【0042】
ここで、現在車速Vnow が解除車速1を越えるまでは(S31がNo)、2速を上限とする指令を送出する(S32)。即ち、1速へのシフトダウンは認めるが、3速へのシフトアップを禁止し、これに従いオートマチックコントロールユニット20は変速段を選択する(図4下段参照)。その後、特定地点(特定ノード点)からの距離を算出し(S35)、算出した距離が所定距離以上(例えば300m)かを判断する(S36)。ここで、ピークからの距離が所定距離以上離れるまでは(S36がNo)、当該処理を終了する。他方、ピークから所定距離以上離れたなら(S36がYes)、車両が完全にカーブから脱出して、カーブ対応変速段制御が不要となっているので、フラグを畳む(S37)。ここで、車速による判断とは別に所定距離以上離ることにより、制限を解除するため、車速に関わらず確実にカーブ対応変速段制御を終了することが可能となる。
【0043】
その後、車速が更に増して、現在車速Vnow が解除車速1以上になると(S31がYes)、ステップ33の判断を経て、3速を上限とする指令を送出する(S34)。この指令に従い、オートマチックコントロールユニット20は車速及びスロットル開度に従う変速段を選択する。即ち、オートマチックコントロールユニット20は、選択した変速段と、指令された変速段とが一致しない際には、ナビゲーション装置10側の指令に従う。ここで、カーブでは、通常の変速パターンに従う変速段制御における2速から3速のシフトアップよりも高い車速でシフトアップすることで、高い駆動力を車輪に掛けて、カーブ走行を安定させると共に、エンジン50の回転数を上げ出力を高めることで、カーブからの脱出時に高い加速力が得られるようにしている。
【0044】
ここで、現在車速Vnow が上記解除車速2を越えるまでは(S33がNo)、3速を上限とする指令の送出を続ける(S34)。即ち、2速へのシフトダウンは認めるが、4速へのシフトアップを禁止する。そして、現在車速Vnow が解除車速2を越え、これ以上シフトアップを制限すると運転者に違和感を与える際に(S33がYes)、シフトアップを制限するフラグを畳むと共に(S37)、ピーク通過を示すフラグを畳み(S38)、カーブ対応変速段制御を解除して4速へのシフトアップを認め、処理を終了する。
【0045】
引き続き、上記変速段ホールド制御(図4に示すS20)に続く、アクセルオフ・ブレーキオンによるイベント制御(図4に示すS40)、即ち、カーブのピーク通過以前に行われるシフトダウンのための制御について、当該処理のサブルーチンを示す図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ナビゲーション装置10は、上記カーブ制御開始処理のステップ16にて検出した特定ノード点(カーブのピーク点)の曲率を検索し(S42)、当該ノード点(カーブ)の曲率に応じた推奨車速V0 を検索する(S44)。このカーブ曲率と推奨車速V0 との関係を図2(A)に示す。ここで曲率が小さくなると、円滑に通過し得る推奨車速V0 が低くなり、反対に、曲率が大きくなると、推奨車速V0 が高くなる。該ナビゲーション装置10には、図2(A)に示す内容の推奨車速検索用マップが用意されており、該マップを検索することで推奨車速V0 を求める。
【0046】
次に、現在位置からカーブの特定ノード点までの道路勾配を図3を参照して上述したように道路データから算出した後(S45)、該道路勾配を考慮し、オートマチックトランスミッション60の3速での減速加速度G3と、2速での減速加速度G2とをマップから検索する(S46)。この減速加速度G3、G2を検索するマップの内容を図2(B)に示す。カーブのピーク位置(特定ノード点)における推奨車速V0 まで、2速に切り換えた際のエンジンブレーキ、及び、登坂路又は降坂路の走行抵抗による減速加速度G2は、3速での減速加速度G3よりも大きくなっている。ナビゲーション装置10は、道路勾配と対応させた図2(B)に示す内容のマップを保持しており、該マップに基づき減速加速度G3、G2を検索する。
【0047】
次に、ナビゲーション装置10は、特定ノード点(カーブのピーク点で、最も車速を下げる必要のある位置、即ち、推奨車速V0 にて通過する位置)までの距離Lを算出する(S48)。そして、該距離Lと、減速加速度G3、G2と、推奨車速V0 とから、該推奨車速V0 への減速可能車速V4-3 及びV3-2 を算出する。この減速可能車速V4-3 は、現在位置でアクセルペダルをオフにし、4速から3速に切り換え、3速にてエンジンブレーキを掛けてピーク点(特定ノード点)で推奨車速V0 まで下げれる車速を意味する。同様に、V3-2 は、アクセルペダルオフ(スロット開度零)にて、3速から2速に切り換え、2速にてエンジンブレーキを掛けてピーク点で推奨車速V0 まで下げれる車速を意味する。この後、現在の車速Vnow を車速センサ(図示せず)から検出する(S51)。
【0048】
次に、現在車速Vnow よりも3速での減速可能車速V4-3 が低いかを判断する(S52)。即ち、3速で減速しない限り、ピーク点で推奨車速V0 まで車速を落とせないか判断する。減速可能車速V4-3 が現在車速Vnow 以下、即ち、現時点で3速にシフトダウンしなくとも推奨車速V0 まで減速できる間は(S52がNo)、最適変速段が4速である旨を決定し(S58)、図7に示すステップ62へ移行する。他方、減速可能車速V4-3 が現在車速Vnow を越え、現時点で3速までシフトダウンして減速しない限り推奨車速V0 まで減速できなくなると(S52がYes)、更に、現在車速Vnow よりも2速での減速可能車速V3-2 が低いかを判断する(S53)。即ち、3速から2速へシフトダウンして減速しない限り、ピーク点で推奨車速V0 まで車速を落とせないか判断する。減速可能車速V3-2 が現在車速Vnow 以下、即ち、現時点で2速で減速しなくとも3速のままで推奨車速V0 へ減速できる間は(S53がNo)、最適変速段として3速を決定した後(S56)、図7に示すステップ62へ移行する。他方、減速可能車速V3-2 が現在車速Vnow を越え、現時点で2速で減速しない限り推奨車速V0 まで減速できなくなると(S53がYes)、最適変速段として2速を決定した後(S54)、図7に示すステップ62へ移行する。
【0049】
この図7に示すステップ62では、ナビゲーション装置10は、上記処理で決定した最適変速段Nが4速、3速、2速のいずれかを判断する(S62)。ここで、4速を選択しているときには、オートマチックコントロールユニット20側に変速段の上限として4速を指令して(S78)、処理を終了する。他方、3速を選択しているときには、ステップ64へ進み、前回の変速段指令が3速以下かを判断する。ここで、前回の変速段指令が3速を越える、即ち、4速が指令されていたときには(S64がNo)、アクセルペダルがオフ、或いは、ブレーキペダルがオンされたかを判断する(S68)。そして、アクセルペダルオフ、或いは、ブレーキペダルオンされない限り(S68がNo)、処理を終了する。他方、アクセルペダルオフ、或いは、ブレーキペダルオンがあった際には(S68がYes)、3速を上限とする旨を指令し(S77)、後述するように4速から3速にシフトダウンを行わしめる。同様に、前回の変速段指令が3速以下の場合にも(S64がYes)、3速上限とする旨を指令する(S77)。
【0050】
本明細書中でアクセルペダルがオフ、或いは、ブレーキペダルがオンがされ始めたことを「イベント有り」と呼称する。本実施態様では、イベント有りを契機としてシフトダウンを行う。即ち、上述したステップ52にて3速で減速しないと推奨車速V0 まで減速できなくなった時点で、直ちに4速から3速にシフトダウンすることも可能であるが、走行中に突如シフトダウンすると、運転者に違和感を覚えさせることとなる。このため、運転者によって積極的に減速の意思が表明された際、即ち、アクセルペダルがオフ、或いは、ブレーキペダルがオンされた際に、4速から3速へのシフトダウンを行う。
【0051】
ここで、上述したステップ62の変速段Nが3速か2速かの判断において、2速が選択されているときには、即ち、3速でエンジンブレーキを掛けて減速し、更に、カーブのピークに近づき2速へのシフトダウンすることが選択されたときに、ステップ66へ進み、前回の変速段指令が2速以下かの判断を経て、ブレーキペダルがオンされたかを判断する(S70)。そして、ブレーキペダルがオンされない限り(S70がNo)、前回の変速指令段nを判断し(S72)、3速が指令されているときには、ステップ77に進み、当該3速を維持する。ここで、ブレーキペダルがオンされた際には(S70がYes)、まず、現在の変速段が4速か否かを判断し(S74)、4速の際には(S74がYes)、ステップ77へ移行して上限3速を指令する。一方、4速でなく3速の際には(S74がNo)、ステップ76へ進み2速を上限とする旨を指令する。他方、上記ステップ66の判断で、前回指令が2速が以下であると判断したとき(S66がYes)、また、上記ステップ72の判断で、2速が指令されていると判断したときには、ステップ74の判断を経て、ステップ76へ移行し、当該上限2速を維持する。
【0052】
なお、上記ステップ72にて前回指令が3速か否かを判断し、また、ステップ74にて現変速段が4速かを判断するのは、本実施態様では、4速から先ず3速に変速段を落とし、更に、3速から2速に落とすことで、所謂飛び変速を避け滑らかな減速を可能にすると共に、運転者に強力すぎるエンジンブレーキによって違和感、不快感を与えないようにするためである。更に、上述したようにアクセルペダルオフ、或いは、ブレーキペダルオンがあった際に(S68がYes)、3速に落とし(S77)、更に、その後、ブレーキペダルオンがあったのみに際に(S70がYes)、2速に落とすのは(S76)、運転者の強い減速の意思を確認した際にのみ、強力にエンジンブレーキの掛かる2速へ変速するためである。
【0053】
図6及び図7を参照して上述したアクセルオフ・ブレーキオンによるイベント制御(図4に示すステップ40)の処理の終了後、図4に示すステップ80の変速段スタンドバイ処理へ移行する。まず、変速段スタンドバイ処理を行う理由について説明する。上述したイベント制御においては、カーブ対応変速段制御が開始された以降に、ブレーキペダルがオン、又は、アクセルペダルがオフされた際に(イベント有り)、シフトダウンを行った。このため、イベント制御の開始以前に、アクセルペダルがオフされた際に、即ち、カーブのかなり手前からアクセルペダルをオフして低速でカーブへ進入する際には、当該イベント制御にてシフトダウンすることができなくなる。
【0054】
ここで、イベント制御にてシフトダウンしない場合には、オートマチックコントロールユニット20が通常の変速パターンに従い変速段を制御することになる。しかしながら、オートマチックコントロールユニット20による通常の変速段制御は、4速からのシフトダウンは、無用なショックを避けるため、カーブを通過した後に3速から4速へシフトアップする際の車速と比較して非常に低い車速で行うこととなる。このため、通常の変速パターンに従いシフトダウンを行うと、タイミングが遅れて、カーブのピーク点にて大きな駆動力を車輪に伝えて安定して通過し得ない他、カーブ通過後に加速する際に、高い加速力を得ることができなくなる。このような事態に対応するため、アクセルペダルをオフしてカーブに進入する際には、当該変速段スタンドバイ処理によってアクセルペダルのオフ(イベント有り)が無くとも適切なタイミングでシフトダウンを行う。
【0055】
この変速段スタンドバイ処理について、当該処理のサブルーチンを示す図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、ナビゲーション装置10は、アクセルペダルのオフ状態が続いているかを判断する(S81)。ここで、アクセルペダルがオンされた際には(S81がNo)、運転者に積極的に加速する意思があり、或いは、減速のためアクセルペダルを再びオフして、上記変速指令処理にてシフトダウンが成されるため、当該処理を終了する。
【0056】
ここで、アクセルペダルのオフ状態が続く場合は(S81がYes)、スタンドバイ車速V3及びV2を算出する(S82)。このスタンドバイ車速V3は、アクセルペダルをオフ(スロットル開度=0)にて、4速から3速へ通常シフトダウンする車速よりも高い車速、ここでは、カーブのピーク点を通過した後、アクセルペダルを踏み込んだ際に(スロットル開度=数10%)、3速から4速へシフトアップする際の車速、即ち、通常のシフトダウン時よりも高い車速が設定してある。同様に、スタンドバイ車速V2は、アクセルペダルオフ(スロットル開度=0)にし、3速から2速へ通常シフトダウンする車速よりも高い車速、ここでは、カーブのピーク点を通過した後、アクセルペダルを踏み込んだ際に(スロットル開度=数10%)、2速から3速へシフトアップする際の車速、即ち、通常のシフトダウン時よりも高い車速が設定している。このように、シフトダウンとアクセルペダルとの車速をほぼ等しくすることで、カーブのピーク点を中心として加減速を対照的に行わしめる。
【0057】
引き続き、現在の車速が該スタンドバイ車速V3よりも高いかを判断する(S83)。現在の車速が該スタンドバイ車速V3より低い間は(S83がNo)、当該変速段スタンドバイ処理を終了する。
【0058】
他方、現在の車速が該スタンドバイ車速V3以上であって、タイミング的に3速へシフトダウンすることが望ましいときには(S83がYes)、ステップ84の判断を経て、ステップ87へ移行して3速へのシフトダウンを指令した後、処理を終了する。
【0059】
ステップ84では、現在の車速が該スタンドバイ車速V2よりも高いかを判断する。ここで、現在の車速が該スタンドバイ車速V2より低く3速が望ましい間は(S84がNo)、ステップ87へ移行して3速を指令する。他方、現在の車速が該スタンドバイ車速V2より高く、タイミング的に2速に切り換える方が望ましい場合には(S84がYes)、更に、ブレーキペダルが踏まれたかを判断する(S85)。そして、ブレーキペダルが踏まれた際には(S85がYes)、2速への変速を指令し(S86)、当該処理を終了する。ここで、ブレーキペダルオンがあったのみに際に、2速に落とすのは、運転者の強い減速の意思を確認した際にのみ、強力にエンジンブレーキの掛かる2速へ変速するためである。
【0060】
引き続き、車両がカーブを通過する際の本実施態様の上記制御の実例について図9を参照して説明する。
図9(A)は、実際の道路を模式的に表し、図9(B)は、該道路(カーブ)の曲率に則した制御を示し、図9(C)は、車速を表し、図9(D)は、本実施態様の変速段の切り換えを表している。
【0061】
ここでは、図9(A)に示すカーブに進入する際の制御を先ず例に挙げる。図9中で、アクセルペダルオフ、ブレーキペダルオン、ブレーキペダルオフ、ブレーキペダルオンを行う地点を実線で示している。
ナビゲーション装置10は、図2(B)を参照して上述したようにカーブから所定の地点にて3速へのシフトダウンをアクセルペダルオフされた際に行う3速距離制限を開始している(図9(B)参照)。ここで、運転者が、減速を行うためアクセルペダルから足を離した時点で、図9(D)に示すように変速段が3速に切り替わる。これによりエンジンブレーキが強く掛かり、図9(C)中に鎖線で示す車速が低下して行く。なお、アクセルペダルのオフのタイミングでシフトダウンを行うので、運転者に違和感を与えることがない。
【0062】
カーブのピークに更に近づくと、ゲーション装置10は、2速へのシフトダウンをブレーキペダルがオンされた際に行う2速距離制限を開始する(図9(B)参照)。ここで、運転者が、更に減速を行うためブレーキペダルを踏んだ時点で、変速段が2速に切り替わる(図9(D)参照)。これによりエンジンブレーキが更に強力に掛かり、図9(C)中に鎖線で示す車速が急激に低下していく。なお、ブレーキペダルのオンのタイミングで大きなエンジンブレーキの加わる2速へのシフトダウンを行うため、運転者に不快感を与えるない。
【0063】
そして、カーブのピークを過ぎて、アクセルペダルのオフ状態が続いても、図5を参照して上述したカーブ制御開始・解除処理の2速上限指令(S22)によって、シフトアップが抑えられる。即ち、現在車速Vnow が解除車速1を越えない限り、2速での走行が続く。そして、運転者が、アクセルペダルを踏み込み、現在車速Vnow が解除車速1を越えた時点で、図5を参照して上述したステップ34の処理にて3速上限指令がナビゲーション装置10からオートマチックコントロールユニット20へ送出される。この時点で、オートマチックコントロールユニット20は、車速及びスロットル開度に基づき、既にシフトアップを行う変速段(3速又は4速)を変速パタンに従い選択しているため、該3速上限指令に従い、直ちに3速へのシフトアップを行う((図9(D)の時刻t1)。
【0064】
引き続き、上記処理にて3速上限指令が出され、4速へのシフトアップが禁止された状態で、円滑に加速しつつカーブを抜けていく。その後、現在車速Vnow が解除車速2を越えた時点で、図5を参照して上述したステップ37の処理にて3速上限指令が解除される。この時点で、オートマチックコントロールユニット20は、車速及びスロットル開度に基づき、既にシフトアップを行う変速段(4速)を変速パタンに従い選択しているため、該3速上限指令の解除に従い、直ちに4速へのシフトアップを行う((図9(D)の時刻t2)。
【0065】
なお、上述した実施態様では、カーブを抜ける際に、車速が通常の変速条件よりも高いことを条件にシフトアップを行うため、制限の解除が遅すぎて適切にシフトアップが行えず、運転者に違和感を与えたり、或いは、解除が早すぎてカーブの途中でシフトアップが生じ、適切な駆動力を車輪に伝えれなくなることがなくなる。また、この実施態様では、解除車速1、2として、ブレーキペダルを離した時点の車速を基準としたが、この解除車速1、2としては、通常の変速条件よりも高い値が設定される限り、種々の値を用いることができる。
【0066】
また、この実施態様においては、オートマチックトランスミッションとして4速のものを例示したが、本発明の構成は、3速或いは5速のオートマチックトランスミッション、更には、無端ベルトを用いる無段階のオートマチックトランスミッションの変速比の切り換えにも好適に適用できる。
【0067】
【効果】
以上記述したように、請求項1及び2の車両制御装置では、カーブに進入する際にエンジンブレーキにて適切に減速し得るように変速段をシフトダウンするが、通常の自動変速機の制御においては、一旦シフトダウンされても、車速及びスロットル開度に基づき、シフトアップが成される。これを制限することで、低い変速段を維持し、大きな駆動力を車輪にかけ車両を安定させた状態でカーブを通過することが可能となる。
【0068】
また、請求項3では、カーブに進入する際にエンジンブレーキにて適切に減速し得るように変速段をシフトダウンするが、通常の自動変速機の制御においては、一旦シフトダウンされても、車速及びスロットル開度に基づき、シフトアップが成される。これを制限することで、低い変速段を維持し、大きな駆動力を車輪にかけ車両を安定させた状態でカーブを通過することができる。また、所定位置を通過してから所定距離離れると、通常の車速でのシフトアップを認めるため、車速が余り高まらなくともカーブから離れた際には、通常の変速段制御を確実に再開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る変速段制御を行う車両制御装置のブロック図である。
【図2】図2(A)は基準車速のカーブの曲率との関係を示すグラフであり、図2(B)は、減速加速度と距離との関係を示すグラフである。
【図3】第1実施態様の道路データの内容を示す説明図である。
【図4】第1実施態様のカーブ対応変速段制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図4に示すカーブ制御開始・解除処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図4に示すアクセルオフ・ブレーキオンによるイベント制御のサブルーチンの前半部分を示すフローチャートである。
【図7】図4に示すアクセルオフ・ブレーキオンによるイベント制御のサブルーチンの後半部分を示すフローチャートである。
【図8】図4に示す変速段スタンドバイ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図9(A)は実際の道路を模式的に表した説明図であり、図9(B)は、該道路の曲率に則した制御を示す説明図であり、図9(C)は車速を表すグラフであり、図9(D)は、本実施態様の変速段の切り換えを表す説明図である。
【符号の説明】
10 ナビゲーション装置
20 オートマチックコントロールユニット
30 E/G ECU
50 エンジン
60 オートマチックトランスミッション
70 アクセルペダル
72 ブレーキペダル
74 シフトレバー
Claims (2)
- 現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路データを記憶する道路データ記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、前方のカーブを検出するカーブ検出手段と、
前記カーブ検出手段により検出された前方のカーブに関する道路データ及び前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び現在位置での車速に基づいて、シフトダウンが必要かどうか判断するシフトダウン判断手段と、
前記シフトダウン判断手段によりシフトダウンが必要と判断された場合に、該カーブの所定位置を通過する以前にシフトダウンを行うシフトダウン手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、該カーブの所定位置を通過したかを判断する所定位置通過判断手段と、
該カーブの所定位置通過時の車速を記憶する車速記憶手段と、
前記所定位置通過判断手段にて所定位置通過前と判断されている間は、変速比のシフトアップを制限すると共に、所定位置通過後は、前記所定位置通過時の車速よりも所定速度高くなるまでシフトアップを制限するシフトアップ制限手段と、を有する車両制御装置。 - 現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路データを記憶する道路データ記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、前方のカーブを検出するカーブ検出手段と、
前記カーブ検出手段により検出された前方のカーブに関する道路データ及び前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び現在位置での車速に基づいて、シフトダウンが必要かどうか判断するシフトダウン判断手段と、
前記シフトダウン判断手段によりシフトダウンが必要と判断された場合に、該カーブの所定位置を通過する以前に変速比をシフトダウンするシフトダウン手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置及び前記道路データ記憶手段に記憶された道路データに基づき、該カーブの所定位置を通過したかを判断する所定位置通過判断手段と、
該カーブの所定位置通過時の車速を記憶する車速記憶手段と、
前記所定位置通過判断手段にて所定位置通過前と判断されている間は、変速比のシフトアップを制限すると共に、所定位置通過後は、所定位置と前記現在位置検出手段により検出された現在位置が所定間隔離れたと判断されるまでは、前記所定位置通過時の車速に対する車速の増加量が所定値以下の場合に、シフトアップを制限するシフトアップ制限手段と、を有する車両制御装置。
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