JP3911704B2 - 繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物、繊維強化複合材料用プリプレグおよび繊維強化複合材料用プリプレグの製法 - Google Patents

繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物、繊維強化複合材料用プリプレグおよび繊維強化複合材料用プリプレグの製法 Download PDF

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Description

繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物、繊維強化複合材料用プリプレグおよび繊維強化複合材料用プリプレグの製法
技術分野
本発明は、プリプレグの離型性、ドレープ性が良好である繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物、それをマトリックス樹脂として用いた繊維強化複合材料用プリプレグ、およびその繊維強化複合材料用プリプレグの製法に関する。
背景技術
従来、繊維強化複合材料は強化繊維の高い比強度、比剛性を利用して航空機材料に用いられてきた。こうした背景を受け、近年では航空機材料用途のみならずスポーツ・レジャー用途から車両・船舶さらに土木・建築など一般産業用途へと拡がりを見せている。これら一般産業用途への展開に伴い、耐着火性、低発煙性など燃焼特性に関する要求が高まってきている。
繊維強化複合材料用プリプレグに用いるマトリックス樹脂として、成形性に優れ、また機械的強度にも優れたエポキシ樹脂が広く用いられている。しかし、このエポキシ樹脂は燃えやすいという大きな欠点があり、前述の一般産業用途や航空機内装材に用いることは難しい。これに対し、フェノール系樹脂が熱硬化性樹脂の中で優れた耐燃焼特性を有していることは広く知られており、フェノール系樹脂を用いたプリプレグは、成形性および機械的強度においてエポキシ樹脂プリプレグに劣る傾向があるにもかかわらず、ますます需要が拡がってきている。
フェノール系樹脂プリプレグの製造に関しては、低粘度のマトリックス樹脂溶液に強化繊維を浸漬するウェット法、および高粘度のマトリックス樹脂溶液を用いるホットメルト法という、大きく分けて二つの方法がとられている。ホットメルト法の場合は特に、離型紙または離型フィルムからのプリプレグの離型性が必要であるが、フェノール系樹脂は硬化時に発生する縮合水および希釈剤あるいは安定化剤として溶剤を含んでいるため、低粘度で粘着性が強く、そのためフェノール系樹脂プリプレグの製造にホットメルト法を適応しにくかった。そのため、現在ではウェット法が主流となっているが、ウェット法についてもやはりローラーなどからの離型性が良いことが望まれている。
プリプレグを用いた成形品に関しては、様々な形態のものが存在するが、近年多用されているものに、ハニカムサンドウィッチパネルがある。ハニカムサンドウィッチパネルは軽量でかつ剛性に優れているため、航空機用途を始め、スポーツ、車両、船舶などの構造材料として使用されている。ここで、ハニカムサンドウィッチパネルとは、蜂の巣上の連続した空孔を有するハニカムコアの両面に、スキンパネルと呼ばれる表面材を重ね合わせた後加熱加圧して得られる成形体である。航空機の内装材料としては、ノーメックスハニカムと呼ばれるアラミド性ハニカムコアにガラス繊維、ケブラー繊維、炭素繊維などで強化された熱硬化性樹脂プリプレグを組み合わせたものが用いられている。
近年、一般産業用途あるいは航空機内装材用において、このハニカムサンドウィッチパネルについても、フェノール系樹脂プリプレグを用いた難燃品が用いられるようになっている。
しかし、フェノール系樹脂をマトリックス樹脂として用いる場合、フェノール系樹脂に特有な揮発成分によりハニカムサンドウィッチパネルの成形の際に問題が生じることがある。フェノール系樹脂には硬化時に発生する縮合水、および希釈剤あるいは安定化剤として含有する溶剤が揮発成分として存在するため、ハニカムサンドウィッチパネルを成形する際にハニカムコアとプリプレグとの間で剥離が生じてしまうなど充分な接着強度が得られないことがある。また、揮発分の脱離に伴い成形体の表面平滑性も低下してしまう。通常、ウェット法では、乾燥工程を設けることにより揮発分を減らすことが最も簡便で有効な手段として用いられており、揮発分量を低減させることによりフェノール系樹脂の粘着性が抑えられ、離型性の向上にもつながる。しかし、揮発分量を低減するのみでは、フェノール系樹脂の熱安定性が低下するため各プロセスにおける温度制御が困難となり、安定したプリプレグ特性および成形体の力学物性を得ることが困難となる。さらに、樹脂粘度が高くなるため、プリプレグとした際のしなやかさが低下する。ハニカムサンドウィッチパネルは用途によっては深絞り成形など複雑形状の成形が必要とされるため、複雑形状に追従するプリプレグのしなやかさ、すなわちドレープ性が重要である。
フェノール系樹脂プリプレグの離型性とドレープ性を両立させる手法としては、例えば、JP−A−4−306253号公報およびJP−A−5−25363号公報に記載されているポリビニルブチラール、変性シリコーンオイルを配合する方法、JP−A−3−81340号公報に記載されているフェノール系樹脂に相溶性のある熱可塑性樹脂を配合する方法、およびJP−A−4−100851号公報に記載されているポリアクリルアマイド、エポキシ樹脂、および無機充填剤を配合する方法などが提案されている。しかし、ここで用いられている熱可塑性樹脂は比較的低分子量であり、プリプレグの離型性とドレープ性の両立が難しいものであった。
また、ハニカムサンドウィッチパネルの成形を短時間で行うためには、十分な樹脂の硬化性を持たせることが重要である。しかし、硬化性の高い樹脂は同時に熱に対する安定性が低くなりやすいため、樹脂の貯蔵および品質の安定したプリプレグの作製において必要とされる熱安定性を損ないやすく、相反する特性を満たすことが求められている。したがって、プリプレグ作製時にかかる温度、例えば、0〜70℃での熱安定性が良好であり、かつ成形温度、例えば130〜160℃での硬化性が良いことが求められている。
硬化性を良くするためには、反応性の高いフェノール系樹脂を用いること、および種々の硬化触媒を加えることなどが考えられるが、前述の相反する特性を両立するためには、潜在性を有する硬化触媒を用いることが有効であると考えられる。
フェノール系樹脂については、通常の単純な熱硬化反応のほかに、酸硬化反応が起こることが知られており、酸触媒が一般に使われている。エポキシ樹脂系では、この酸触媒を潜在化したものが市販されており、汎用的に使われているが、これらはオニウム塩系などイオン性のものが多く、フェノール系樹脂に適用した場合、樹脂中に元来含まれている水や極性溶剤の存在により失活し、潜在性を失うものが多い。このように、フェノール系樹脂系では、熱潜在性の高い硬化系が知られていなかった。そのため、フェノール系樹脂の用途が限られているというのが現状であり、新たな用途開拓のためにも、熱潜在性の高い硬化系が求められている。
フェノール系樹脂に潜在性の硬化触媒を適用した例としては、JP−A−57−102929号公報に記載されているスルホン化フェノール系樹脂とリン酸からなる硬化剤を使用する方法、JP−A−61−136527号公報に記載されているスルホン化フェノール系樹脂と酸性リン酸エステルからなる硬化剤を使用する方法などが挙げられるが、いずれも酸そのものを含んでいるため熱潜在性のないものであり、常温〜中温での安定性に乏しいものであった。
また、JP−A−55−135661号公報、JP−A−56−65028号公報に記載されている燐酸エステルを難燃剤として配合する方法は、熱に対する安定性を向上させるものの、潜在性の酸発生剤としては機能しないため、硬化にも関与しないものであった。
本発明の目的は、離型性、ドレープ性が良好であり、かつ成形品の機械的強度および難燃特性を兼ね備えた繊維強化複合材料用プリプレグが得られるようなフェノール系樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、離型性、ドレープ性が良好であり、かつ成形品の機械的強度および難燃特性を兼ね備えた繊維強化複合材料用プリプレグを提供することにある。
本発明の他の目的は、成形体の表面平滑性、ハニカムサンドウィッチパネルの成形性が良好であり、かつハニカムコアとの接着強度に優れた構造材が得られるような織物プリプレグを提供することである。
発明の開示
本発明の繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物は、上記目的を達成するため、次の構成を有する。すなわち、少なくとも次の構成要素A及び熱可塑性樹脂Bとから構成されているフェノール系樹脂組成物である。
A.フェノール系樹脂
B.ポリビニルフォルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、共重合ナイロンおよびダイマー酸ポリアミドから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹
らに本発明のプリプレグは、上記構成要素A及び熱可塑性樹脂Bとから構成されている繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物が強化繊維に含浸されてなるプリプレグである
らに本発明の繊維強化複合材料用プリプレグの製法は、フェノール系樹脂組成物を、フィルム状にコーティングし、該フィルムを加熱、加圧下で強化繊維に含浸する繊維強化複合材料用プリプレグの製法である。
発明を実施するための最良の形態
本発明において用いられる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、天然繊維等の種々の有機繊維などが用いられる。これらの繊維は二種以上混合して用いても構わない。
かかる強化繊維の形態や配列については限定されず、たとえば、長繊維、短繊維、連続繊維等を使用することができるが、高強度を得るためには、連続繊維の形で使用するのが好ましい。該強化繊維の形態としては、織物、不織布、マット、ニットなどのシート状、組み紐、一方向ストランド、ロービング等のテープ状などの形で用いることができる。
かかる強化繊維のうち、より軽量で耐久性の高い成形品を得るためには、炭素繊維が好ましく使用される。かかる炭素繊維は、一般に高性能強化繊維として用いられる耐熱性及び引張強度の良好な炭素繊維であるが、用途に応じて、あらゆる種類の炭素繊維を用いることが可能である。かかる炭素繊維の中でも、引張強度が4.4GPa以上で、かつ、引張伸度が1.6%以上である高強度高伸度炭素繊維が好ましく、さらに好ましくは引張強度が4.7GPa以上で、引張伸度が1.9%以上である高強度高伸度炭素繊維が特に好ましく使用される。
かかる強化繊維は、断面形状が実質的に円形であるものが好ましい。断面形状が円形であると、樹脂を含浸させる際、フィラメントの再配列が起こりやすくなり、強化繊維間への樹脂の浸み込みが容易になるからである。さらに、強化繊維束の厚みを薄くすることが可能となるため、ドレープ性に優れたプリプレグを得やすいという利点がある。しかも、ハニカムコアとの接着強度が高くなり、サンドウィッチパネルの曲げ強度が向上することを見出した。
なお、断面形状が実質的に円形であるとは、その断面の外接円半径Rと内接円半径rとの比(R/r)を変形度として定義した場合に、この変形度が1.1以下であるものを意味する。かかる変形度が1.1を越えると、織物組織を構成する強化繊維束の嵩が高くなる傾向を示し、プリプレグとする際に樹脂を充分に含浸する挙動を惹起するので、それだけ不利を招く傾向がでてくる。さらに、織物として用いる場合、強化繊維束が充分に広がりにくくなるため、織物の織り糸間に形成される空隙部、または、空隙部に樹脂のみが充填された部分(以下、目開きと表記)の面積が大きいプリプレグとなり、成形体の表面平滑性も悪くなりやすい傾向がある。
本発明に用いる強化繊維を連続繊維として用いる場合、複数のフィラメントから構成される集合体の形、つまり強化繊維束(以下、強化繊維束と表記)で使用される。この強化繊維束糸条1本中のフィラメント数は、好ましくは6000〜30000本、さらに好ましくは6000〜18000本の範囲にあるものがよい。強化繊維束糸条1本中のフィラメント数がこの範囲にある場合、例えば織物として使用する場合、たて糸とよこ糸の交錯点数が十分に少なく、また織物組織を薄くすることができるため、ドレープ性に優れてプリプレグを得やすい。かかるフィラメント数が6000本未満であると、単位面積当たりの重量を同一にしようとした場合、強化繊維束の本数が多くなるため、例えば織物として使用する場合、クリンプと呼ばれる強化繊維束間における屈曲部の屈曲度合いが大きくなり、織物の平滑性が低下する傾向がでてくる。また、30000本を越えると、強化繊維束の本数が少なくなるため織物の目開きが大きくなる上に、織物自身の拘束力が低くなるため取扱い性も悪くなる傾向がある。さらに、強化繊維束の厚みが増すため、プリプレグ作製あるいは成形の際に、樹脂が含浸しにくくなる。本発明に用いる強化繊維織物としては、従来公知の二次元織物を用いることができる。かかる織物組織としては、平織り、綾織り、絡み織り、繻子織りなどの組織の織物が好ましく使用されるが、中でも平織り組織の織物は、薄い成形体を得やすく、またドレープ性に優れるため深絞り成形など複雑形状の加工がしやすくて好ましい。
また、本発明に用いるフェノール系樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒドの縮合反応により得られる反応生成物であり、レゾール型フェノール系樹脂であってもノボラック型フェノール系樹脂であってもよい。これらを併用することも可能である。しかし、硬化剤を必要とせず熱による硬化も可能であること、作業性および作業環境面を考慮すると水系レゾール型フェノール系樹脂であることが好ましい。
本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリビニルフォルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、共重合ナイロンおよびダイマー酸ポリアミドから選ばれた少なくとも1種が使用される。これらの熱可塑性樹脂は、フェノール系樹脂に対する相溶性あるいは分散性がよいという特徴を有する。
かかる熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が30万〜300万、好ましくは50万〜200万であるものが使用される。重量平均分子量がこの範囲にある場合、樹脂のフィルミングおよびプリプレグ化における離型紙または離型フィルムからの離型性が向上する。この場合、離型性は主として高分子量熱可塑性樹脂添加による樹脂組成物のゴム弾性付与および凝集力向上により生み出されている。そのため、フェノール系樹脂自体の反応を進めたり、揮発分を減らしたりする手法によって増粘させ離型性を得る方法に比較して、樹脂粘度は低く、従ってプリプレグは良好なドレープ性を保つものとなる。
さらに、このプリプレグより得られたハニカムサンドウィッチパネル成形体は、接着、曲げ等の機械的強度に関して予想外の向上効果が見られた。
これに対して、重量平均分子量が30万未満の場合、特に弾性付与効果が著しく低下し、プリプレグの離型性が損なわれてしまう。離型性を改善するため添加量を多くした場合でも、プリプレグのドレープ性を損なう傾向がある上、通常熱可塑性樹脂自体が燃えやすいため、フェノール系樹脂本来の難燃特性を損なってしまう。また、重量平均分子量が300万を超える場合、フェノール系樹脂に溶解させることが困難であるため好ましくない。溶解する場合であっても、高粘度化しすぎることは免れず、最低粘度が大きく上がってしまうため、強化繊維への樹脂の含浸性が悪く、品位の低いプリプレグとなる傾向がある。また、成形時における樹脂の流れ特性が低下し、その結果接着強度の低い成形体となってしまう。かかる熱可塑性樹脂は、フェノール系樹脂に溶解するものが好ましく使用される。ここで溶解とは、目視あるいは触感で、添加物の原形が認められず、均一であることとする。かかる熱可塑性樹脂の溶解方法としては、適当な温度で加熱下混練する方法、あるいは適当な溶剤に溶かしてフェノール系樹脂に添加する方法等があり、いずれも好適に用いられる。
かかる熱可塑性樹脂の添加量は、フェノール系樹脂の不揮発分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲にあることが好ましい。添加量が0.1部未満である場合、弾性付与および凝集力向上効果が十分でないため好ましくない。また、10部を超える場合、溶解させることが困難である上、プリプレグのドレープ性および難燃特性が低下することから好ましくない。
本発明の樹脂組成物に酸発生剤を添加することは好ましいことである。本発明における酸発生剤とは、それ自体は酸性を示さないが、成形時の熱により樹脂系を酸性に変化させるものと定義する。ブレンステッド酸性およびルイス酸性のいずれも含まれる。酸発生メカニズムは、化学反応であっても、物理的変化であっても構わない。かかる酸発生剤としては、水や極性溶剤に対し比較的安定であること、潜在性が高いこと、および硬化性の良いことが望まれる。例えば、酸エステル、酸無水物、塩などが挙げられるが、特に、p−トルエンスルホン酸アルキルエステルは上記特性を満足しているため好ましい。とりわけp−トルエンスルホン酸エチルエステル(以下、エチルトシラートと表記)は好適に使用される。
かかる酸発生剤、特に潜在性の高い酸発生剤の添加により貯蔵時およびプリプレグ作製時の粘度安定性と成形時の硬化性を高度に兼ね備えることが可能となるが、この効果についてはキュラストメーターにより容易に観測される。ここで、本発明において用いられるキュラストメーターとは、配合ゴムの加硫特性や、熱硬化性樹脂の硬化過程を測定する試験機である。一定温度、一定圧力下において、試験片に定振幅の正弦波振動を加え、硬化の進行に伴う粘弾性応力(トルク)の変化を経時的に測定することができる。密閉高圧下での測定であり、溶剤等の揮発は起こらないため、フェノール系樹脂の硬化挙動の分析には特に適しており、頻繁に用いられている。
かかるキュラストメーターの測定は、主にJIS K6300「ダイ加硫試験A法」に基づいて行った。ここでは、堀場製作所(株)製キュラストメーターV型を使用している。振動数は100cpm、振幅角度は±1/4°、ダイス形状はP−200にて測定を行った。
かかるキュラストメーターのトルク−時間曲線とは、樹脂にかかるトルクを縦軸にとり、横軸に時間をとり得られる曲線である。通常、樹脂の硬化反応が進むに従いトルクは上昇し、硬化反応が終わりに近づくとトルクは飽和を抑える。
かかるトルク−時間曲線における飽和時間および立ち上がり時間とは、曲線の傾きが最大値を経た後、その傾きが最大傾きの1/30となる時間、および曲線の傾きが最大値に達する前、その傾きが最大傾きの1/30となる時間とする。かかるキュラストメーターのプロフィールは、成形時間と密接に関係している。例えば、ハニカムサンドウィッチパネル成形の場合、揮発分量との兼ね合いもあるが、トルクがある程度まで達するとき、その時間長ではおよそ剥離なく成形できるという対応関係がある。
本発明におけるフェノール系樹脂組成物は、かかるトルクの飽和時間が3〜10分の範囲にあり、かつ、飽和時間におけるトルクが3〜30N・mの範囲にあることが好ましい。かかるトルクの飽和時間が3分未満である場合、十分な樹脂の流れが得られず、成形が難しくなり、また、10分を越える場合、樹脂硬化度が不充分であるため、成形体の剥離が起こりやすく、また物性にばらつきが生じやすい。かかる飽和時間におけるトルクが3N・m未満である場合、成形温度において樹脂がまだ柔らかいため、剥離が起こりやすく、また、30N・mを越える場合、成形体が靭性の低いものとなる。
また、本発明におけるフェノール系樹脂組成物は、トルクの立ち上がり時間が飽和時間の1/5〜4/5の範囲にあり、かつ、該立ち上がり時間におけるトルクが0〜1N・mの範囲にあることが好ましい。トルクの立ち上がり時間が飽和時間の1/5未満である場合、樹脂が流れる時間的余裕が十分でなく、また、4/5を越える場合、硬化反応が急激なものとなり、成形体の品位、および物性が低下する傾向がある。立ち上がり時間におけるトルクが1N・mを越える場合、やはり十分な樹脂の流れが得られないため好ましくない。
本発明におけるフェノール系樹脂組成物は、好ましくはpHが4〜7の範囲にあるものがよい。かかるpHは、通常のpH測定機により得られる値である。樹脂の粘度が高く測定しにくい場合は、少し加熱し柔らかくしてもよい。pHがこの範囲外にある場合、樹脂が不安定となるため好ましくない。
本発明におけるフェノール系樹脂組成物は、70℃における2時間の粘度変化が3倍以下、好ましくは2倍以下であるのがよい。かかる粘度は通常の粘度計により得られる値である。かかる粘度変化の測定条件は、直径25mm、0.04radのコーンプレートを使用し、回転速度は5rpmとする。また、70℃、2時間経過後の樹脂組成物のpHの変化が、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1の範囲にあることが望ましい。粘度変化およびpHの変化が、この範囲外である場合、プリプレグの品質にばらつきが生じやすくなる。
また、本発明におけるフェノール系樹脂組成物は、120℃、6分経過後のpHの変化が3以上、好ましくは4以上であることが望ましい。pHの変化が、この範囲外である場合、成形時の硬化性が充分でなく目的とする成形体が得られない場合がある。
本発明の樹脂組成物に無機微粒子を添加することは好ましいことである。ここで、無機微粒子の粒径は強化繊維束中へ均一に含浸するよう、粒径が20μm以下、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは0.001μm〜1μmの範囲であることが望ましい。該無機微粒子は、難燃特性を向上させるための充填剤として働くため好ましいと共に、マトリックス樹脂の増粘、プリプレグの粘着性の低減および離型性の向上に寄与するため望ましい。
かかる無機微粒子の種類としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムなどが好適であるがとくに制限はなく、通常熱硬化性樹脂組成物に添加される無機微粒子が用いられる。上記以外のものとしては例えば、カオリン、タルク、シリカ、クレー、マイカ、ペントナイト、ウオラストナイト、ゼオライト、セメント、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、塩化カルシウム、チタン酸カリウム、カーボンブラックなどが好適に用いられる。
なお、本発明に用いるフェノール系樹脂に、フィラー、難燃剤、着色剤、染料、反応遅延剤など他の成分を適宜添加してもよい。
本発明による繊維強化複合材料用プリプレグ中の揮発分量は、0.5〜7.5重量%、好ましくは2.5〜7重量%、さらに好ましくは3〜7重量%に制御したものがよい。すなわち、該揮発分量が7.5重量%を越えると、成形中に発生する揮発分量が多くなり、成形体表面に揮発分の脱離に伴う凹凸が生じるため、表面平滑性が低下してしまう。また、ハニカムサンドウィッチパネルを成形する際、ハニカムコア内の圧力が高くなり、ハニカムコアとスキンパネルとの接着強度の低い成形体となる。さらに、揮発分量が多いと、プリプレグ表面の粘着力、いわゆるタック性が強くなり、複雑形状の成形物を成形する際、表面にしわが発生しやすくなる。また、該揮発分量が0.5重量%未満では、フェノール樹脂の熱安定性が低下し、各プロセスにおける温度制御が困難となるため、安定したプリプレグ特性および成形体力学物性が得られにくく、樹脂粘度も高くなり、例えば、織物プリプレグとした際の柔軟性が低下し、取扱い性の低いものとなる傾向がある。
かかる揮発分中における水の含有量は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であるものがよい。すなわち、揮発分中における水の含有量が50%未満であり、水以外の溶剤などが増えると、プロセス中における溶剤の揮発が起こりやすくなり、目的とする揮発分量、タック性およびドレープ性の制御が困難となる。また、作製したプリプレグについても揮発分量の経時変化があるため、安定した接着強度が得られないことがある。さらに、樹脂調製時、プリプレグ作製時、あるいは成形時における有機溶剤の発生量が多くなり、作業環境面に与える影響も問題となる。
本発明に用いる繊維強化複合材料用プリプレグの160℃におけるゲル化時間は、好ましくは20〜150秒、さらに好ましくは30〜90秒の範囲内であるものがよい。すなわち、かかるゲル化時間が20秒未満であると、フェノール系樹脂の縮合反応における反応率が高く、即ち硬化が進行しているためマトリックス樹脂の流動性が低下する傾向がでてきて、作製したプリプレグは取扱い性の悪いものとなりやすく、さらに、ハニカムサンドウィッチパネルを成形する際、揮発分を除去するためのガス抜きの時間的猶予がないため、接着性の良好なハニカムサンドウィッチパネルの成形が困難となることがある。また、ハニカムコアとの接着性が低いため、ハニカムサンドウィッチパネルが得られないこともある。一方、ゲル化時間が150秒を越えると硬化に時間を要するため、長時間成形が必要となるし、また、一定時間での硬化を前提とすると、反応率が不充分となるためハニカムコアとの接着強度も低下しやすい傾向がでてくる。
本発明に用いる繊維強化複合材料用プリプレグは、160℃における樹脂流れが、好ましくは5〜35%、さらに好ましくは10〜20%であるものがよい。かかる樹脂流れが5%未満であると、成形中に樹脂流れが少ないため、ハニカムサンドウィッチパネルに充分なフィレットが形成されず接着強度の低い成形体となる。また、35%を越えると成形中に樹脂が流れ出し、所定の樹脂含有量の成形体を得られない場合がある。
本発明により得られない炭素繊維とフェノール系樹脂を必須構成要素とする織物プリプレグは、そのカバーファクターが93%以上であることが良く、好ましくは97%以上であるものがよい。ここで、カバーファクターとは、織物の織り糸間に形成される目開き部分を除いた織り糸に占有される部分で定義する。まず、織物プリプレグ上に面積S1の領域を設定し、面積S1の内において形成される目開き部分の面積をS2とし、次式から算出する。
(カバーファクター)=[(S1−S2)/S1]×100(%)
なお、織物プリプレグの目開き部の面積を測定しにくい場合は、織物プリプレグの下方から光を当てると、炭素繊維の部分と強化繊維が存在せず樹脂のみが充填された部分を明確に区別することができる。かかるカバーファクターが93%未満であると、成形体表面に強化繊維の存在しない部分が存在し、表面平滑性の低いプリプレグとなる。このため、成形体とした際、目開き部に存在する樹脂から脱離する揮発分により目開き部に凹凸ができやすく、表面平滑性が低下すると共に、炭素繊維束の配列も乱れやすくなるため、さらに表面品位を低下させてしまう。
また、かかる織物プリプレグは、その最低粘度が50000ポイズ以下であることが好ましい。50000ポイズを越えると、複雑形状の成形体を成形する際、ハニカムコアとスキンパネルの間で剥離が発生したり、成形体表面にしわが発生するなどの問題が生じることがある。
本発明のプリプレグを作製する方法としては、低粘度のマトリックス樹脂溶液に強化繊維を浸漬するウェット法および高粘度のマトリックス樹脂溶液を用いるホットメルト法のいずれも適している。また、プリプレグのタック性を制御する方法として、上記のような手法を用いて一旦強化繊維にフェノール系樹脂を含浸させたプリプレグを作製した後、一定温度で加熱処理する方法を用いることも可能である。
かかる一定温度で加熱処理する方法としては、例えば強化繊維に対してフェノール系樹脂を含浸させた中間体プリプレグを作製した後、該中間体プリプレグの表面温度と中実温度の差を5℃以内に保持した状態で処理する方法などが挙げられる。該加熱処理温度は、常温であってもよいが、好ましくは25〜60℃、さらに好ましくは30〜50℃の温度とすることが好ましい。25℃未満であると、中間体プリプレグを所定の表面状態とするまでに時間を要してしまう上、中間体プリプレグ全体の温度が均一になりにくく、加熱状態にムラができるため、均質なものが提供できなくなる傾向がある。また、60℃を越えると、フェノール系樹脂の反応制御が困難となり、プリプレグの柔軟性が低く、作業性の悪いプリプレグとなる傾向にある。
本発明における表面温度と中実温度の差は、好ましくは5℃以内、さらに好ましくは3℃以内に保持した状態で処理することが望ましい。5℃を越えると、中間体プリプレグの表面状態と中実部分の状態にムラができるため、均質なものが提供できなくなる傾向がある。ここで、表面温度とは、中間体プリプレグの最外層の温度を表し、中実温度は、中間体プリプレグの中央部分の温度を表す。例えば、シート状プリプレグの場合、中実温度は積み重ねたシート総枚数の中央部分の温度を言う。
本発明における加熱処理の処理時間は、好ましくは12時間〜30日、さらに好ましくは24時間〜20日間の範囲で処理するのがよい。12時間未満であると、加熱時間が短いために中間体プリプレグ全体が所定の温度に到達するまでの時間が充分でなく、中間体プリプレグ全体の温度が一定になりにくい、すなわち、表面温度と中実温度の差が5℃を越えやすくなるため加熱状態にムラができやすい。また、30日を越えると加熱過多となるため柔軟性の低い、作業性の悪いプリプレグとなりやすい。
本発明において加熱処理を施す際の中間体プリプレグの形態は、テープ状、シート状、ロール状などの形態が用いられるがこれらに限定されない。例えば、長尺の中間体プリプレグを用いる場合、ロール状の形態が好ましい。また、加熱処理する際、上記中間体プリプレグの気密性が保持できる容器または袋に密封保存することが好ましい。加熱処理を施す際に、開放系、すなわち中間体プリプレグ表面が直接加熱される場合、中間体プリプレグに含まれている揮発分の蒸発速度が速くなり、反応制御が困難となる。特に、ロール状の中間体プリプレグの場合、巻厚みにより表面温度と中実温度の差が大きくなり加熱状態にムラができやすくなる。なお、気密性が保持できる容器または袋の内部圧力は、加圧、大気圧、減圧のいずれでもよいが、好ましくは大気圧下で加熱処理を行うのがよい。さらに、気密性が保持できる容器または袋の内部は、空気封入または窒素封入状態とすることが好ましく、特に窒素封入状態とするのがより望ましい。
本発明に用いるハニカムコアとしては、アルミニウム製、紙製、アラミド製、ガラス製、繊維強化プラスチック製など公知のものが使用可能であるが、特にノーメックスハニカムと呼ばれるアラミド製のものが好適に用いられる。
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、本実施例において用いた種々の物性などについては以下の手法を用いた。
A.樹脂の硬化特性評価
堀場製作所(株)製、キュラストメーターV型を使用した。振動数は100cpm、振幅角度は±1/4°、ダイス形状はP−200にて、140℃で測定を行った。上述の、トルクの飽和時間、立ち上がり時間、およびその時のトルク値により評価した。
B.樹脂のpH
堀場製作所(株)製、コンパクトpHメーター「twinpH B−212」を使用した。測定前に、pH4および7の標準緩衝溶液により、2点校正を行った。樹脂の粘度が高く測定しにくい場合、樹脂を少し加熱し柔らかくして用いた。ただし、pHは室温での値を読みとった。
C.樹脂の粘度変化
Reometric Scientific,Inc.製、ARES粘弾性測定装置を使用した。直径25mm、0.04radのコーンプレートを使用し、回転速度は5rpmとし、70℃、2時間の粘度の経時変化を測定した。ここでの粘度変化は、初期粘度に対する、2時間後の粘度の増加倍率で表される。
D.揮発分量(Vc)
プリプレグを4×4インチに切出し、160℃のオーブン中で10分間加熱処理し、加熱前後の重量変化から算出した。
E.カバーファクター
作製した織物プリプレグから画像処理法によりカバーファクターを求めた。予め、織物部分と空隙部および樹脂のみが充填された部分とを区別できるよう設定した装置を用い、全織物プリプレグ面積S1および目開き部分の面積S2から、次式により算出した。
(カバーファクター)=[(S1−S2)/S1]×100(%)
F.ゲル化時間
0.25×0.25インチにプリプレグを切出し、160℃に加熱したプレート上で曳糸性がなくなるまでの経過時間をゲル化時間とした。
G.樹脂流れ
プリプレグカット後の構成が(45°/45°)となるよう、4×4インチにプリプレグを切り出し、これを6枚積層した。この上下にFEPフィルム1枚、ガラスクロス3枚、穴あきFEPフィルム1枚を穴あきFEPフィルムがプリプレグに貼り合わさるよう配置する。これを、熱プレス機により160℃/5分、100psiで加熱加圧処理し、この前後の重量変化から樹脂流れを算出した。
H.揮発成分中の水の定量
島津製作所製熱分析装置TGA−50を用い、プリプレグを25℃〜300℃まで昇温速度5℃/分で昇温した際の発生ガスをガスクロマトグラフィー法により分析し、全揮発成分中における水の割合を算出した。
I.樹脂含有量
プリプレグを4×4インチに切出し、この重量をW1とする。これをN−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトンおよび塩化メチレン中でそれぞれ5分間ずつ超音波洗浄し、樹脂を溶解した。この後、残存した繊維束を120℃/30分間乾燥処理した後の重量をW2とし、次式から算出した。
[W1(1−Vc)−W2]/[W1(1−Vc)]×100(%)
J.ハニカムサンドウィッチパネルの成形
所定枚数および構成のプリプレグを積層し、ノーメックスハニカム(昭和飛行機(株)製SAH1/8−3.0)に重ね合せた。この上下にFEPフィルムを置き、ステンレス製板の間に挟み、プレス成形により加熱加圧成形した。加熱条件は、138℃/10分とし、圧力は17kg/cm2とした。但し、138℃にて測定したプリプレグのゲルタイムに対して10〜15秒前に1度プレスを解放し、揮発ガスを除去した後、再度加熱する手法を用いた。
K.クライミング・ドラム・ピール強度(以下、CDPと表記)
(0°/90°)構成のプリプレグ1プライをノーメックスハニカムコアの両面に、織物プリプレグの経糸方向がハニカムコアのリボン方向と垂直になるよう配置して貼り合わせる。これを、上記J.の条件で成形した後、12インチ方向がハニカムコアのリボン方向と垂直になるよう3インチ×12インチに切り出し、ASTM D1781に従い測定した。
L.ロング・ビーム曲げ強度(以下、LBFと表記)
(0°/90°)構成のプリプレグ2プライをノーメックスハニカムコアの両面に、織物プリプレグの経糸方向がハニカムコアのリボン方向と垂直になるよう配置して貼り合わせる。これを、上記J.の条件で成形した後、24インチ方向がハニカムコアのリボン方向と平行になるよう3インチ×24インチに切り出し、MIL−STD−401に従い測定した。
M.表面平滑性
(0°/90°)構成のプリプレグ1プライをノーメックスハニカムコアの両面に、織物プリプレグの経糸方向がハニカムコアのリボン方向と垂直になるよう配置して貼り合わせる。これを、上記J.の条件で成形した。このパネルの上下両面についてミツトヨ(株)製表面粗さ計サーフテスト301により定量した。触針により長さ2.5mmについて評価し、その間における最高点5点に平均高さと最低点5点の平均高さとの差を求めた。これを5回行い、その平均値を表面平滑性とした。
N.離型性
バーコーターを用いて、離型紙(リンテック(株)製、WBE90R−DT)の重剥離面に、所定の樹脂目付(80±5g/m2)のフィルムをコーティングした。このフィルム上に該離型紙の軽剥離面を貼着した際の剥がれ易さを5段階で評価した。グレード1はフィルムの一部が軽剥離面側の離型紙にとられてしまうもの、グレード3は剥がれにくいが軽剥離面側の離型紙にはフィルムがとられないもの、グレード5は軽く剥がせるものとし、1と3の中間を2とし、3と5の中間を4とした。
O.曲げ弾性率
プリプレグを15x85mmに切り出し、これについてJIS規格「繊維強化プラスチックの曲げ試験法」に従い、”インストロン”4201型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)を用いて曲げ弾性率測定を行った。圧子径は4mmφ、付加速度は1mm/分、スパン間距離は40mmとした。測定環境は、25℃、50%RHとした。この測定法では、曲げ弾性率が高いほど、ドレープ性が低いことを意味する。
P.自己消火時間
(0°/90°)構成の織物プリプレグを所定厚みまで積層し、オートクレーブにて加熱加圧し成形板とした。長さ127mm、幅12.7mm、厚さ0.8mmの試験片とし、BMS8−274およびJIS K6911B法の規格に従い、消火までの時間を測定した。この測定法では、消火時間が短いほど難燃特性が優れていることを意味する。また、BMS8−274では、自己消火時間が10秒以内であることが要求されている。
本実施例には、以下の炭素繊維織物を用いた。
織物A:T700S−12K−50C(東レ(株)製)
炭素繊維束1本あたりのフィラメント数:12000本
引張強度:4.9GPa
引張伸度:2.1%
変形度:1.05
構成:平織り
目付:193g/m2
織物B:T300B−3K−50C(東レ(株)製)
炭素繊維束1本あたりのフィラメント数:3000本
引張強度:3.5GPa
引張伸度:1.5%
変形度:1.15
構成:平織り
目付:193g/m2
また、本実施例には、以下の熱可塑性樹脂を用いた。
ポリビニルピロリドン:
ルビスコールK−90(BASFジャパン(株)製)
重量平均分子量:120万
ポリビニルピロリドン(低分子量品):
ルビスコールK−30(BASFジャパン(株)製)
重量平均分子量:4.5万
ポリエチレングリコール:
ポリエチレングリコール 2,000,000(和光純薬工業(株)製)
重量平均分子量:150万〜200万
ポリビニルブチラール
重量平均分子量:50万
実施例1〜5
ベースとなるフェノール系樹脂(フェノライト1196、大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分濃度83%)不揮発分100重量部に対して所定重量部の熱可塑性樹脂を30℃以下の温度にて分散させた後、加熱下混練した。これを45℃以下まで降温した後、所定重量部の無機微粒子を添加混練し、マトリックス樹脂とした。これを離型紙上にコーティングし、樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムを炭素繊維織物の両面から加熱加圧含浸し、中間体プリプレグを得た。樹脂含有量は、ハニカムパネル成形後のスキン部において41%となるよう調整した。この中間体プリプレグを40℃オーブン中で3日間加熱処理し織物プリプレグを得た。これら織物プリプレグはいずれも離型性、ドレープ性共に優れていた。さらに得られたプリプレグについて、プレス成形およびオートクレーブにより、ハニカムサンドウィッチパネルおよび積層硬化板を作製し、これらのCDP、LBFおよび自己消火時間を測定した。樹脂組成と合わせ、これらの結果を表1に示した。
Figure 0003911704
表1から明らかなように、無機微粒子をいっさい添加していない実施例1に対し、熱可塑性樹脂を減量し無機微粒子を添加した実施例2では、離型性、ドレープ性ともに向上した。また、実施例2に対して炭素繊維糸の断面形状が円形ではなく、炭素繊維束糸条1本中のフィラメント数が少ない実施例3では、ドレープ性、CDP、LBFが低下する傾向がみられた。熱可塑性樹脂として、ポリエチレングリコールあるいはポリビニルブチラールを用いた実施例4、5についても十分な性能を有するものであった。さらに、実施例2に対し織物プリプレグのカバーファクターを高くした実施例6では、CDPが向上した。
比較例1
熱可塑性樹脂を添加しない以外は実施例2と同様にして織物プリプレグを作製した。しかし、離型性が著しく悪いため、中間体プリプレグを作製するに至らなかった。
比較例2
酸化マグネシウムの添加部数を4重量部に増やす以外は比較例1と同様にして織物プリプレグを作製した。このとき離型性は良く、プリプレグを製造することが可能であった。しかし、このプリプレグはドレープ性が悪く、複雑な形状の成形を行う場合、成形品にしわが生じやすかった。
比較例3
熱可塑性樹脂として、低分子量品のポリビニルピロリドンを使用する以外は実施例3と同様にして織物プリプレグを作製した。しかし、離型性が著しく悪いため、中間体プリプレグを作製するに至らなかった。
比較例4
離型性を改善する目的で、低分子量品のポリビニルピロリドンの添加部数を10重量部に増やす以外は比較例3と同様にして織物プリプレグを作製した。得られたプリプレグは、離型紙からかろうじて剥離するものであった。また成形品の自己消火性も低いものであった。
比較例5
炭素繊維織物Bを用いる以外は比較例4と同様にして織物プリプレグを作製した。その結果ドレープ性、LBFにおいて、大きく劣るものであった。
以上の比較例の結果を表2に示した。
Figure 0003911704
表2から明らかなように、熱可塑性樹脂を添加しない場合、もしくは熱可塑性樹脂が低分子量である場合、離型性とドレープ性を両立することができない。また、織物を構成する炭素繊維束糸条1本中のフィラメント数が少ない場合、ドレープ性が低下する。そしてまた、熱可塑性樹脂が高分子量であることにより少量の添加で離型性、ドレープ性、機械的強度向上の効果が得られるため、硬化物の難燃特性がほとんど損なわれなずに済むのである。
実施例6、7
ベースとなるフェノール系樹脂(フェノライト1196、大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分濃度83%/PL−4826、群栄化学(株)製、不揮発分濃度78%)固形分100重量部に対して3重量部のポリビニルピロリドン(ルビスコールK−90、BASFジャパン(株)製)を30℃以下の温度にて分散させた後、加熱下混練した。これを45℃以下まで降温した後、所定重量部の無機微粒子および触媒を添加混練し、マトリックス樹脂とした。これらの樹脂特性を、樹脂組成と合わせ表3に示した。このマトリックス樹脂を離型紙上にコーティングし、樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムを炭素繊維織物の両面から加熱加圧含浸し、中間体プリプレグを得た。樹脂含有量は、ハニカムパネル成形後のスキン部において41%となるよう調整した。この中間体プリプレグを40℃オーブン中で6日間加熱処理し織物プリプレグを得た。これら織物プリプレグはいずれも離型性、ドレープ性共に優れていた。さらに得られたプリプレグについて、プレス成形により、ハニカムサンドウィッチパネルを作製し、これらのCDPを測定した。樹脂組成と合わせ、これらの結果を表3に示した。
Figure 0003911704
表3から明らかなように、潜在性の高いエチルトシラートを添加した実施例6および7では、いずれのフェノール系樹脂においても、安定性と成形性が両立できており、高い接着強度が得られている。
比較例6〜8
表3から明らかなように、触媒を添加していない比較例6および7では、ともに安定性は十分であるが、キュラストメーターのトルクが非常に低いものであり、また成形体に剥離を生じるものであった。また、触媒が潜在化されていない比較例8の場合、たとえ添加量が少なくても、安定性が大変悪いものとなり、また、成形体は得られるものの、接着強度が非常に低いものであった。
産業上の利用可能性
本発明の繊維強化用複合材料用フェノール系樹脂組成物は強化繊維に含浸させることにより、プリプレグを作ることに有用であり、プリプレグは、離型性、ドレープ性、機械強度および難燃性が良好であるため、航空機材、スポーツ・レジャー用途、車両・船舶、土木・建設用途に利用できる。

Claims (21)

  1. 少なくとも次の構成要素[A]及び30万〜300万の重量平均分子量を有する熱可塑性樹脂[B]とから構成されているものであることを特徴とする繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物。
    [A]:フェノール系樹脂
    [B]:ポリビニルフォルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、共重合ナイロンおよびダイマー酸ポリアミドから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂
  2. 該[B]が、該フェノール系樹脂に対して溶解するものである請求の範囲第1項記載の繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物。
  3. 該[B]が、該フェノール系樹脂の不揮発分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲の含有されている請求の範囲第1又は2項記載の繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物。
  4. 該フェノール系樹脂組成物が、酸発生剤を含むものである請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物。
  5. 該フェノール系樹脂が、水系レゾール樹脂である請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用フェノール系樹脂組成物。
  6. 少なくとも次の構成要素[A]、重量平均分子量30万〜300万の樹脂[B]および[C]とから構成されているものであることを特徴とする繊維強化複合材料用プリプレグ。
    [A]:フェノール系樹脂
    [B]:ポリビニルフォルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、共重合ナイロンおよびダイマー酸ポリアミドから選ばれた少なくとも1種の樹脂
    [C]:強化繊維
  7. 該[A]が、水系レゾール樹脂である請求の範囲第項記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  8. 該[C]が、連続繊維である請求の範囲第又は項記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  9. 該[C]が、少なくとも炭素繊維を含むものである請求の範囲第項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  10. 該[C]が、円形の断面形状を有する繊維である請求の範囲第項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  11. 該[C]が、繊維束糸条であって、かつ、該繊維束糸条のフィラメント本数が6000〜30000本の範囲にあるものである請求の範囲第10項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  12. 該[C]が、シート状物である請求の範囲第11項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  13. 該シート状物が、織物である請求の範囲第12項記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  14. 該プリプレグが、揮発分量が0.5〜7.5重量%であることを特徴とする請求の範囲第13項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  15. 該プリプレグが、160℃におけるゲル化時間が20〜150秒の範囲にあるものである請求の範囲第14項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  16. 該プリプレグが、5〜35%の樹脂流れを有するものである請求の範囲第15項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグ。
  17. 請求の範囲第1〜項のいずれかに記載のフェノール系樹脂組成物を、フィルム状にコーティングし、該フィルムを加熱、加圧下で強化繊維に含浸することを特徴とする繊維強化複合材料用プリプレグの製法。
  18. 該プリプレグが、揮発分量が0.5〜7.5重量%であることを特徴とする請求の範囲第17項記載の繊維強化複合材料用プリプレグの製法。
  19. 該プリプレグが、160℃におけるゲル化時間が20〜150秒の範囲にあるものである請求の範囲第17又は18項記載の繊維強化複合材料用プリプレグの製法。
  20. 該プリプレグが、5〜35%の樹脂流れを有するものである請求の範囲第1719項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグの製法。
  21. 該プリプレグに含まれる揮発分量の50重量%以上が水である請求の範囲第1720項のいずれかに記載の繊維強化複合材料用プリプレグの製法。
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