JP3904626B2 - アクリル酸エステル誘導体の精製方法 - Google Patents

アクリル酸エステル誘導体の精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル酸エステル誘導体の精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば(メタ)アクリル酸にエチレンオキシドを付加したポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート中には、不純物としてポリエチレングリコールが存在することが知られている。上記ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート中に上記不純物が存在する原因としては、原料である(メタ)アクリル酸中の水分にエチレンオキシドが付加したり、(メタ)アクリル酸エステルにエチレンオキシドを付加する際に、副反応として、上記ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート間でエステル交換反応が起こり、ポリエチレングリコールとポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが生成すること等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願発明者等が種々検討した結果、α−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルに環状エーテルを付加することによってアクリル酸エステル誘導体を製造する場合にも、上記(メタ)アクリル酸にエチレンオキシドを付加する場合と同様に、原料中の水分の影響を受け、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールが生成することが判った。また、上記α−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル誘導体のヒドロキシル基とエステル基との間でエステル交換反応が起こり、エステル結合で結ばれたダイマーが副生成物として得られると共に、α−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル誘導体からエタノール等のアルコールが外れ、このアルコールに環状エーテルが付加する反応が起きていることが判った。さらに、上記α−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルは、2分子間で脱水反応を起こし、エーテルダイマーと水を発生する。この水にも環状エーテルが付加し、ポリエチレングリコールを生成する。これらの反応で生成するアルコールは、非重合性の不純物である。
【0004】
一般に、重合性ビニル基と水酸基とを同一分子内に有する化合物は、ウレタン架橋用モノマーやメラミン架橋用モノマーとして利用される。しかしながら、上記化合物を、例えばイソシアネート化合物と反応させ、反応生成物をウレタンアクリレートオリゴマーとして利用する場合、不純物として非重合性アルコールが含まれている場合には、該非重合性アルコールもイソシアネート化合物と反応する。このため、目的物の収率を挙げるためには、イソシアネート化合物の添加量を多くする必要がある。
【0005】
従って、上記アクリル酸エステル誘導体をウレタンアクリレートオリゴマーとして利用する場合にも、不純物として非重合性アルコールが存在すると、イソシアネート化合物の添加量を多くする必要がある。
【0006】
また、上記アクリル酸エステル誘導体を重合し、得られたアクリル酸エステル系重合体とイソシアネート化合物とを反応させて架橋させる際にも、充分な架橋を行わせるためにはイソシアネート化合物の添加量を増すか、あるいは、上記アクリル酸エステル系重合体の精製を行うことが望ましい。これは、不純物である非重合性アルコールの水酸基が上記アクリル酸系重合体の側鎖の水酸基よりも反応性が高いためである。このため、上記アクリル酸系誘導体が非重合性アルコールを含んでいると、上記架橋反応を安価に行うことができないという問題を生じる虞れがある。そこで、ウレタン架橋やメラミン架橋を効率よく行うためには、該アクリル酸系誘導体から非重合性アルコールを除去することが望ましい。即ち、本発明の目的は、非重合性アルコールを不純物として含むアクリル酸エステル誘導体の精製方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、非重合性アルコールと、上記アクリル酸エステル誘導体とでは、水や溶剤に対する溶解性に差があり、上記非重合性アルコールを不純物として含むアクリル酸エステル誘導体を、水や、水と特定の溶剤の混合系で洗浄することにより、上記アクリル酸エステル誘導体から非重合性アルコールを除去できることを見い出して、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明に係る請求項1記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、非重合性アルコールを不純物として含む一般式(1)
【0009】
【化2】
Figure 0003904626
【0010】
(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜10の正数を表す)
で表されるアクリル酸エステル誘導体を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る請求項2記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、請求項1記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法において、上記アクリル酸エステル誘導体に対する水の使用量が、重量比で0.001 〜100 の範囲内であることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る請求項3記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、請求項1または2記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法において、上記洗浄剤が水と2層分離する有機溶剤をさらに含み、かつ、上記有機溶剤の溶解パラメータが7以上であることを特徴としている。
【0013】
本発明に係る請求項4記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、請求項3記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法において、上記アクリル酸エステル誘導体に対する有機溶剤の使用量が、重量比で0を越えて100 以下であることを特徴としている。
【0014】
以上のように、本発明によれば、非重合性アルコールを不純物として含むアクリル酸エステル誘導体を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することにより、該アクリル酸エステル誘導体から非重合性アルコールを水層に抽出し、除去することができる。これにより、不純物を少なくすることができると共に、ウレタン架橋やメラミン架橋を効率よく行うことができるアクリル酸エステル誘導体を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の一形態について詳しく説明する。
本発明にかかるアクリル酸エステル誘導体は、一般式(1)
【0016】
【化3】
Figure 0003904626
【0017】
(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜10の正数を表す)
で示される化合物であり、例えば、相当するα−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルに環状エーテル化合物を公知の方法で付加することにより得られる。
【0018】
上記アクリル酸エステル誘導体は、式中、R1 、R2 で示される置換基がそれぞれ独立して水素原子または有機残基で構成され、R3 で示される置換基が有機残基で構成され、かつ、nで示される繰り返し単位が1〜3の正数を表し、mで表される繰り返し単位が1〜10の正数を表す化合物である。そして、前記環状エーテル化合物に由来する部分、即ち、−CH2 (CHR2 n O−で表されるオキシアルキレン基の繰り返し構造は、以下の構造を有する。つまり、上記R2 で表される置換基は、各オキシアルキレン基毎に独立して水素原子または有機残基で構成されていてもよく、これらオキシアルキレン基は、ブロックあるいはランダムに結合されていてもよい。
【0019】
上記アクリル酸エステル誘導体としては、具体的には、例えば、メチル−2-( 2-ヒドロキシエトキシ)メチルアクリレート、エチル−2-( 2-ヒドロキシエトキシ)メチルアクリレート、ブチル−2-( 2-ヒドロキシエトキシ)メチルアクリレート、メチル−2-〔 2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕メチルアクリレート、エチル−2-〔 2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕メチルアクリレート、ブチル−2-〔 2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕メチルアクリレート、メチル−2-( ω- ヒドロキシポリエチレングリコキシ)メチルアクリレート、エチル−2-( ω- ヒドロキシポリエチレングリコキシ)メチルアクリレート、ブチル−2-( ω- ヒドロキシポリエチレングリコキシ)メチルアクリレート、2-エチルヘキシル−2-( ω- ヒドロキシポリエチレングリコキシ)メチルアクリレート等のα−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルのエチレンオキシド付加体;
メチル−2-( 2-ヒドロキシプロポキシ)メチルアクリレート、エチル−2-( 2-ヒドロキシプロポキシ)メチルアクリレート、ブチル−2-( 2-ヒドロキシプロポキシ)メチルアクリレート、メチル−2-〔 2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ〕メチルアクリレート、エチル−2-〔 2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ〕メチルアクリレート、ブチル−2-〔 2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ〕メチルアクリレート、メチル−2-( ω- ヒドロキシポリプロピレングリコキシ)メチルアクリレート、エチル−2-( ω- ヒドロキシポリプロピレングリコキシ)メチルアクリレート、ブチル−2-( ω- ヒドロキシポリプロピレングリコキシ)メチルアクリレート、2-エチルヘキシル−2-( ω- ヒドロキシポリプロピレングリコキシ)メチルアクリレート等のプロピレンオキシド付加体;
α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステルへの、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド類、テトラヒドロフラン化合物、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エピクロルヒドリン等のアルキルグリシジルエーテル化合物の付加体等が挙げられる。これらアクリル酸エステル誘導体のなかでも、エチレンオキシド付加体、プロピレンオキシド付加体が特に好適に使用される。
【0020】
上記アクリル酸エステル誘導体は、熱、紫外線、イオン化放射線、ラジカル重合開始剤等の存在下で容易に単独重合または他の重合性モノマーと共重合できる。そして、上記アクリル酸エステル誘導体およびその重合体は、重合性ビニル基と水酸基とを同一分子内に有する他の化合物と同様に、塗料の密着性向上剤、ウレタン架橋用モノマー、メラミン架橋用モノマー、塗料、接着剤、界面活性剤、洗剤ビルダー、可塑剤、固体電解質、制電性モノマー、防曇剤、凝集剤、染色性改良剤、繊維改質剤、繊維の加工処理剤、木材の寸法安定剤等として好適に用いることができる。
【0021】
しかしながら、上記のアクリル酸エステル誘導体は、反応時の副反応の影響で、微量ではあるが、複数の不純物を含んでいる。上記不純物のなかでも、非重合性アルコールは、アクリル酸エステル誘導体あるいはその重合体の水酸基をイソシアネート等で反応させる場合、目的の反応とは異なる副反応を起こす。
【0022】
本発明の精製方法によれば、上記非重合性アルコールを含むアクリル酸エステル誘導体、即ち、精製前のアクリル酸エステル誘導体(以下、粗アクリル酸エステル誘導体と記す)を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することにより、上記アクリル酸エステル誘導体から非重合性アルコールを水層に抽出し、除去することができる。
【0023】
本発明において除去される上記非重合性アルコールとは、ポリアルキレングリコールやポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル等の、非重合性の水酸基含有化合物である。上記ポリアルキレングリコールとしては、具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のグリコール類;水にアルキルグリシジルエーテルが付加した化合物等が挙げられる。
【0024】
また、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとは、アルキルアルコールとグリコール類とのアルキルモノグリコールエーテルや、アルキルアルコールとアルキルグリシジルエーテルとの反応物であって、具体的には、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;ポリブチレングリコールモノメチルエーテル、ポリブチレングリコールモノエチルエーテル、ポリブチレングリコールモノブチルエーテル、ポリブチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル類等が挙げられる。
【0025】
本発明において、上記粗アクリル酸エステル誘導体の洗浄に用いられる洗浄剤とは、少なくとも水を含む洗浄剤であり、水、あるいは、水および水と2層分離する有機溶剤の混合溶液を用いることができる。
【0026】
上記粗アクリル酸エステル誘導体を洗浄する際に用いられる水の使用量、即ち、上記洗浄剤中に含まれる水の量は、洗浄剤として水のみを用いた場合においても、洗浄剤として水および水と2層分離する有機溶剤の混合溶液を用いた場合においても、上記粗アクリル酸エステル誘導体に対して重量比で 0.001〜 100の範囲内が好ましく、0.01〜10の範囲内がさらに好ましい。上記粗アクリル酸エステル誘導体に対する水の使用量が重量比で 0.001より少なければ、非重合性アルコールの除去効率が悪くなるので好ましくない。一方、上記粗アクリル酸エステル誘導体に対する水の使用量が重量比で 100よりも多ければ、精製後のアクリル酸エステル誘導体の収率並びに生産性が低下するので好ましくない。
【0027】
上記洗浄剤が有機溶剤を含む場合に用いられる有機溶剤は、水に溶解しない有機溶剤であれば特に限定されるものではないが、溶解パラメータが7以上の溶剤が好ましく、溶解パラメータが8以上の溶剤がさらに好ましく、溶解パラメータが8.5 以上の溶剤が特に好ましい。溶解パラメータが7未満であれば、引火性が高く取り扱いが煩雑となるので好ましくない。
【0028】
上記溶解パラメータ〔δ〕(単位;(cal/cm3)1/2)とは溶解度の尺度であり、次式
【0029】
【数1】
Figure 0003904626
【0030】
(式中、Vはモル体積(cm3/mol)を表し、ΔHは蒸発熱(cal/mol)を表し、Rは気体定数を表し、Tは絶対温度(K)を表す)
で定義される。
【0031】
上記溶解パラメータが7以上の有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ヘキサン(溶解パラメータ7.3 :以下、例示の化合物において、括弧()内は溶解パラメータの値を示す)、シクロヘキサン(8.2)、メチルシクロヘキサン(7.8)等の脂肪族炭化水素;ベンゼン(9.2)、トルエン(8.9)、キシレン(8.8)等の芳香族炭化水素;酢酸エチル(9.1)、酢酸ブチル(8.5)等の酢酸エステル;プロピオン酸エチル(8.4)等のプロピオン酸エステル,メチルエチルケトン(9.3)、メチルプロピルケトン(8.7) 、メチルイソブチルケトン(8.4)等のケトン類;n-へプタノール(10.6)、n-オクタノール(10.3) 等の高級アルコール等が挙げられる。これら有機溶剤の中でも、溶解パラメータが8.5 以上の溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステルが、アクリル酸エステル誘導体の溶解性が良く、特に好ましい。上記洗浄剤が、水以外に上記有機溶剤を含むことで、分液性を良くし、生産性を向上させるという利点がある。
【0032】
上記粗アクリル酸エステル誘導体を洗浄する際に用いられる有機溶剤の量、即ち、上記洗浄剤として、水および水と2層分離する有機溶剤の混合溶液を用いる場合に該洗浄剤中に含まれる有機溶剤の量は、上記粗アクリル酸エステル誘導体に対して、重量比で、0を越えて100 以下が好ましく、0を越えて10以下がさらに好ましい。上記粗アクリル酸エステル誘導体に対する有機溶剤の使用量が、重量比で100 を越えると、生産性が低下するので好ましくない。
【0033】
上記粗アクリル酸エステル誘導体を洗浄する際の洗浄方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。上記洗浄方法としては、例えば、攪拌、ラインミキシング等、効果的な方法を用いればよく、静置して2層分離後、アクリル酸エステル誘導体層である有機溶剤層と非重合性アルコールを含む水層とを分離することにより、粗アクリル酸エステル誘導体から非重合性アルコールを抽出除去することができる。
【0034】
尚、上記非重合性アルコールの除去が充分でない場合には、更に洗浄剤を添加し、洗浄してもよい。洗浄回数は、特に限定されるものではなく、効果が充分に発揮されるまで繰り返し洗浄すればよい。
【0035】
非重合性アルコールの除去後、得られたアクリル酸エステル誘導体は、そのまま種々の用途に用いることができる。但し、該アクリル酸エステル誘導体中には、有機溶剤や、洗浄に使用した水が若干含まれている場合がある。このため、用途に応じて、洗浄後、残存する有機溶剤や水を除去してもよい。
【0036】
有機溶剤や水を除去する除去方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。上記除去方法としては、例えば、蒸発、蒸留による方法や、爆発の危険性のないガスを吹き込む方法等が挙げられる。尚、使用した有機溶剤は回収して再利用することが可能である。
【0037】
また、上記アクリル酸エステル誘導体は、分子中にビニル基等を含有しているので、重合し易い性質を有している。従って、洗浄時や、アクリル酸エステル誘導体を取り出すための濃縮時には、アクリル酸エステル誘導体中のビニル基の重合を抑制するために、重合防止剤や分子状酸素を添加することが好ましい。
【0038】
上記重合防止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、p-ベンゾキノン、t-ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重合防止剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記重合防止剤の添加量は、特に限定されるものではないが、上記アクリル酸エステル誘導体に対して、 0.001重量%〜5重量%の範囲内で用いることが好ましい。
【0039】
上記分子状酸素としては、例えば、空気を用いることができる。この場合、有機溶剤や水の除去中に空気を吹き込みながら、つまり、いわゆるバブリングを行いながら、濃縮を行うようにすればよい。上記重合を充分に抑制するためには、重合防止剤と分子状酸素とを併用することが好ましい。
【0040】
また、洗浄時、および、有機溶剤や水を除去する際の圧力は、特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
【0041】
このように、本発明に係る精製方法によれば、非重合性アルコールを含む粗アクリル酸エステル誘導体を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することにより、上記粗アクリル酸エステル誘導体から非重合性アルコールを水層に抽出し、除去することができる。これにより、アクリル酸エステル誘導体中の不純物を少なくすることができると共に、ウレタン架橋やメラミン架橋を効率よく行うことができるアクリル酸エステル誘導体を得ることができる。
【0042】
ところで、上記精製処理を行った後のアクリル酸エステル誘導体中には、上記非重合性アルコール以外の不純物として、分子内に二重結合を2つ以上有するエーテルダイマーやアセタールダイマーやα−ヒドロキシアルキルアクリル酸あるいはアクリル酸エステル誘導体のヒドロキシル基とエステル基との間でエステル交換反応が起こり、エステル結合で結ばれたダイマー(以下、エステル型ダイマーと記す)等が存在している。これらの不純物は、何れも架橋性成分からなり、これら架橋性成分を不純物として含むアクリル酸エステル誘導体を重合した場合、架橋反応が起きてゲル化する虞れがある。
【0043】
そこで、これら架橋性成分を除去することで、さらに高純度のアクリル酸エステル誘導体を得ることができると共に、架橋反応を防止することができる。上記架橋性成分は、該アクリル酸エステル誘導体の溶解度よりも、架橋性成分の溶解度の方が高い有機溶剤で洗浄するか、あるいは、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することにより、容易に分離、除去することができる。
【0044】
上記アクリル酸エステル誘導体の溶解度よりも、架橋性成分の溶解度の方が高い有機溶剤としては、溶解パラメータが8.5 以下の化合物が好ましく、溶解パラメータが7〜8.3 の範囲内にある化合物がさらに好ましい。上記溶解パラメータが8.5 より大きければ、架橋性成分のみを選択的に溶解させることができなくなるため好ましくない。上記架橋性成分を含むアクリル酸エステル誘導体を、溶解パラメータが 8.5以下の有機溶剤で洗浄することにより、架橋性成分を該有機溶剤層に選択的に抽出し、除去することができる。
【0045】
上記溶解パラメータが8.5 以下の有機溶剤としては、具体的には、例えば、ヘキサン( 溶解パラメータ7.3 :以下、例示の化合物において、括弧()内は溶解パラメータの値を示す)、シクロヘキサン(8.2)、メチルシクロヘキサン(7.8)等の脂肪族炭化水素等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0046】
上記溶解パラメータが 8.5以下の有機溶剤の使用量は、上記架橋性成分を含むアクリル酸エステル誘導体に対して、重量比で0.01〜 100の範囲内が好ましく、 0.1〜10の範囲内がさらに好ましい。該アクリル酸エステル誘導体に対する上記有機溶剤の使用量が、重量比で0.01より少なければ、架橋性不純物を充分に除去することができないので好ましくない。一方、該アクリル酸エステル誘導体に対する上記有機溶剤の使用量が、重量比で 100よりも多ければ、生産性が低下するので好ましくない。
【0047】
また、上記架橋性成分を除去する際に用いられる洗浄剤とは、少なくとも水を含む洗浄剤であり、水、あるいは、水および水と2層分離する有機溶剤の混合溶液を用いることができる。上記架橋性成分を含むアクリル酸エステル誘導体を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することにより、アクリル酸エステル誘導体を水層に抽出し、アクリル酸エステル誘導体から架橋性成分を除去することができる。
【0048】
上記架橋性成分の除去を行う際に用いられる水の使用量、即ち、上記洗浄剤中に含まれる水の量は、洗浄剤として水のみを用いた場合においても、洗浄剤として水および水と2層分離する有機溶剤の混合溶液を用いた場合においても、上記架橋性成分を含むアクリル酸エステル誘導体に対して、重量比で0.01〜 100の範囲内が好ましく、 0.1〜50の範囲内がさらに好ましい。該アクリル酸エステル誘導体に対する水の使用量が、重量比で0.01より少なければ、最終的に得られるアクリル酸エステル誘導体の収率が低下するので好ましくない。一方、該アクリル酸エステル誘導体に対する水の使用量が、重量比で 100よりも多ければ、生産性が低下するので好ましくない。
【0049】
また、上記架橋性成分の除去を行うための洗浄剤中に含まれる有機溶剤とは、水に溶解しない有機溶剤であれば特に限定されるものではないが、好ましくは溶解パラメータが10以下の溶剤であり、溶解パラメータが 7.0〜9.5 の範囲内にある溶剤がさらに好ましい。溶解パラメータが10を越えると、水との2層分離に時間がかかり、生産性が低下するので好ましくない。
【0050】
上記溶解パラメータが10以下の有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ベンゼン(溶解パラメータ9.2 :以下、例示の化合物において、括弧()内は溶解パラメータの値を示す)、トルエン(8.9)、キシレン(8.8)等の芳香族炭化水素:酢酸エチル(9.1)、酢酸ブチル(8.5)等の酢酸エステル;プロピオン酸エチル(8.4)等のプロピオン酸エステル;メチルエチルケトン(9.3)、メチルプロピルケトン(8.7)、メチルイソブチルケトン(8.4) 等のケトン類等が挙げられる。上記洗浄剤が水以外に上記有機溶剤を含むことで、分液性を良くし、生産性を向上させるという利点がある。
【0051】
上記架橋性成分の除去を行う際に用いられる有機溶剤の量、即ち、上記洗浄剤として、水および水と2層分離する有機溶剤の混合溶液を用いる場合に該洗浄剤中に含まれる有機溶剤の量は、上記架橋性成分を含むアクリル酸エステル誘導体に対して、重量比で、0を越えて100 以下が好ましく、0を越えて10以下がさらに好ましい。上記架橋性成分を含むアクリル酸エステル誘導体に対する該有機溶剤の使用量が重量比で100 を越えると、生産性が低下するので好ましくない。
【0052】
上記架橋性成分を含むアクリル酸エステル誘導体の洗浄を行う際の洗浄方法は特に限定されるものではなく、上述した洗浄方法と同様の方法を用いることができる。但し、この場合には、架橋性成分は有機溶剤層に、また、アクリル酸エステル誘導体は水層に移るので、例えば、攪拌あるいはラインミキシングを行った後、静置して2層分離後、不純物層(有機溶剤層)とアクリル酸エステル誘導体層(水層)とを分離することにより、該アクリル酸エステル誘導体から架橋性成分を除去することができる。
【0053】
この場合にも、洗浄回数は特に限定されるものではなく、効果が充分に発揮されるまで繰り返し洗浄すればよい。また、架橋性成分除去後、最終的に得られたアクリル酸エステル誘導体は、そのまま種々の用途に用いることができる。但し、該アクリル酸エステル誘導体中には、洗浄に使用した有機溶剤が若干含まれている場合がある。このため、用途に応じて、洗浄後、残存する有機溶剤を除去してもよい。上記有機溶剤の除去方法としては、特に限定されるものではなく、上述した方法と同様の方法を用いることができる。尚、使用した有機溶剤は回収して再利用することが可能である。
【0054】
また、水溶液でないアクリル酸エステル誘導体を所望する場合には、水を除去することもできる。水の除去方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、水を蒸発させるか、あるいは、水と共沸して沸点を低下させる有機溶剤を添加して蒸発させる方法を用いることができる。
【0055】
上記不純物の除去の順番は特に限定されるものではなく、非重合性アルコールの除去を行ってから架橋性成分の除去を行ってもよいし、先に架橋性成分を除去した後、非重合性アルコールの除去を行っても構わない。また、有機溶剤および水は、各洗浄工程で共通して使用できれば、各工程の後除去をせず、さらに連続して次の工程に進むことができる。
【0056】
以上の精製方法によって精製されたアクリル酸エステル誘導体は、高い品質を有し、上述した種々の用途に好適に用いることができる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0058】
先ず、以下に、一般式(1)で示されるアクリル酸エステル誘導体の製造例を示す。
【0059】
〔製造例1〕
温度計、ガス吹き込み管、および攪拌装置を取り付けた1000mlの耐圧性反応容器に、アクリル酸エステル類としてのエチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート 130g、溶媒としてのトルエン 100g、触媒としての三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体 1.4g、および、重合防止剤としてのヒドロキノン 0.065gを仕込ん攪拌した。次に、上記の反応容器に不活性ガスとしての窒素ガスを圧力2.5kg/cm2 となるように吹き込んだ後、該反応容器内の温度を35℃〜45℃の範囲内に保ちながら、環状エーテル化合物としてのエチレンオキシド242gを徐々に該反応溶液に圧入した。
【0060】
圧入終了後、上記の反応溶液を50℃で2時間攪拌することにより反応を完了させた。そして、反応終了後、該容器内の温度を40℃にすると共に 100mmHgに減圧し、未反応のエチレンオキシドを除去した。次いで、上記反応溶液に吸着剤である酸化マグネシウム 3gを添加し、50℃で2時間攪拌することにより、酸化マグネシウムに溶液中の溶液中の三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体を吸着させて不溶物を形成させた。その後、上記反応溶液を吸引濾過し、該不溶物を除去した。次いで、得られた濾液をロータリーエバポレーターに移し、40mmHg、70℃でトルエンを除去して淡黄色透明液体 342gを反応生成物、即ち、粗アクリル酸エステル誘導体として得た。
【0061】
所定の方法により測定した上記粗アクリル酸エステル誘導体の水酸基価は156.4mg KOH/gであり、この結果から、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート1モル当たり、エチレンオキシドが 5.2モル付加していることが判った。
【0062】
〔製造例2〕
温度計、ガス吹き込み管、滴下装置および攪拌装置を取り付けた1000mlの反応容器に、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート130 g、触媒としてのタングストリン酸 1.4g、および、ヒドロキノン 0.065gを仕込んで攪拌した。一方、滴下装置に環状エーテル化合物としてのプロピレンオキシド 203gを入れた。次に、上記の反応溶液中に空気を吹き込むと共に、該反応容器内の温度を45℃〜55℃の範囲内に保ちながら、滴下装置内のプロピレンオキシドを徐々に該反応溶液に滴下した。
【0063】
滴下終了後、上記の反応溶液を50℃で2時間攪拌することにより反応を完了させた。そして、反応終了後、該容器内の温度を70℃にすると共に、 100mmHgに減圧し、未反応のプロピレンオキシドを2時間かけて除去した。さらに、反応溶液に酸化マグネシウム 3gを添加し、50℃で2時間攪拌することにより、該酸化マグネシウムに溶液中のタングストリン酸を吸着させて不溶物を形成した。次いで、この反応溶液を吸引濾過して該不溶物を除去し、淡黄色透明液体 298gを反応生成物、即ち、粗アクリル酸エステル誘導体として得た。
【0064】
所定の方法により測定した上記粗アクリル酸エステル誘導体の水酸基価は181.1mg KOH/gであり、この結果から、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート1モル当たり、プロピレンオキシドが 3.1モル付加していることが判った。
【0065】
〔実施例1〕
500ml の分液ロートに、製造例1で得られた粗アクリル酸エステル誘導体 100gおよび水10gを入れた。次いで、上記分液ロートを10回振り混ぜた後、室温で静置した。静置後、分液ロート内の溶液は直ぐに2層に分液した。次いで、30分間経過後、下層である水層を抜き取った。その後、分液ロート内に残った上層、即ち、アクリル酸エステル誘導体層をロータリーエバポレーターに移し、40mmHg、50℃で水を除去して淡黄色透明液体67gを得た。得られた淡黄色透明液体の成分について、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この分析値を表1に示す。
【0066】
〔実施例2〕
2000mlの分液ロートに、製造例1で得られた粗アクリル酸エステル誘導体 100g、水 100g、およびトルエン1000gを入れた。次いで、上記分液ロートを10回振り混ぜた後、室温で静置した。静置後、分液ロート内の溶液は直ぐに2層に分液した。次いで、30分間経過後、下層である水層を抜き取った。その後、分液ロート内に残った上層、即ち、アクリル酸エステル誘導体層をロータリーエバポレーターに移し、40mmHg、50℃で水およびトルエンを除去して淡黄色透明液体78gを得た。得られた淡黄色透明液体の成分について、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この分析値を表1に示す。
【0067】
〔実施例3〕
1000mlの分液ロートに、製造例1で得られた粗アクリル酸エステル誘導体 100g、水 200g、および酢酸エチル 200gを入れた。次いで、上記分液ロートを10回振り混ぜた後、室温で静置した。静置後、分液ロート内の溶液は直ぐに2層に分液した。次いで、30分間経過後、下層である水層を抜き取った。その後、分液ロート内に残った上層、即ち、アクリル酸エステル誘導体層をロータリーエバポレーターに移し、40mmHg、50℃で水および酢酸エチルを除去して淡黄色透明液体44gを得た。得られた淡黄色透明液体の成分について、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この分析値を表1に示す。
【0068】
〔比較例1〕
製造例1で得られた粗アクリル酸エステル誘導体の成分について、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この分析値を表1に示す。
【0069】
〔実施例4〕
1000mlの分液ロートに、製造例2で得られた粗アクリル酸エステル誘導体 100g、水 200g、およびトルエン 500gを入れた。次いで、上記分液ロートを10回振り混ぜた後、室温で静置した。静置後、分液ロート内の溶液は直ぐに2層に分液した。次いで、30分間経過後、下層である水層を抜き取った。その後、分液ロート内に残った上層、即ち、アクリル酸エステル誘導体層をロータリーエバポレーターに移し、40mmHg、50℃で水およびトルエンを除去して淡黄色透明の80重量%水溶液87gを得た。得られた淡黄色透明液体の成分について、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この分析値を表1に示す。
【0070】
〔比較例2〕
製造例2で得られた粗アクリル酸エステル誘導体の成分について、液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この分析値を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0003904626
【0072】
上記表1に記載の結果から明らかなように、本実施例にかかる精製方法を用いて粗アクリル酸エステル誘導体を精製することにより、粗アクリル酸エステル誘導体中に含まれるグリコールやグリコールモノエチルエーテル等の非重合性アルコールを除去することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、以上のように、非重合性アルコールを不純物として含む一般式(1)
【0074】
【化4】
Figure 0003904626
【0075】
(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜10の正数を表す)
で表されるアクリル酸エステル誘導体を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄する構成である。
【0076】
本発明に係る請求項2記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、以上のように、請求項1記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法において、上記アクリル酸エステル誘導体に対する水の使用量が、重量比で0.001 〜100 の範囲内である構成である。
【0077】
本発明に係る請求項3記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、以上のように、請求項1または2記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法において、上記洗浄剤が水と2層分離する有機溶剤をさらに含み、かつ、上記有機溶剤の溶解パラメータが7以上である構成である。
【0078】
本発明に係る請求項4記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法は、以上のように、請求項3記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法において、上記アクリル酸エステル誘導体に対する有機溶剤の使用量が、重量比で0を越えて100 以下である構成である。
【0079】
以上のように、本発明によれば、非重合性アルコールを不純物として含むアクリル酸エステル誘導体を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することにより、該アクリル酸エステル誘導体から非重合性アルコールを水層に抽出し、除去することができる。これにより、不純物を少なくすることができると共に、ウレタン架橋やメラミン架橋を効率よく行うことができるアクリル酸エステル誘導体を得ることができるという効果を奏する。

Claims (4)

  1. 非重合性アルコールを不純物として含む一般式(1)
    Figure 0003904626
    (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜10の正数を表す)
    で表されるアクリル酸エステル誘導体を、少なくとも水を含む洗浄剤で洗浄することを特徴とするアクリル酸エステル誘導体の精製方法。
  2. 上記アクリル酸エステル誘導体に対する水の使用量が、重量比で0.001 〜100 の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法。
  3. 上記洗浄剤が水と2層分離する有機溶剤をさらに含み、かつ、上記有機溶剤の溶解パラメータが7以上であることを特徴とする請求項1または2記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法。
  4. 上記アクリル酸エステル誘導体に対する有機溶剤の使用量が、重量比で0を越えて100 以下であることを特徴とする請求項3記載のアクリル酸エステル誘導体の精製方法。
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