JP3902013B2 - 料金収受システム、車載器、料金収受方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば有料道路等に導入される料金収受システム、車載器及び料金収受方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路等の有料道路において、無線通信を利用し通行料金の決済を自動的に行うノンストップ自動料金収受システム(Electronic Toll Collection System:ETCシステム)の導入が始まっている。
【0003】
このETCシステムは、ユーザ個人のID、車両の登録番号、車種、有料道路の料金所の情報等をICカードに記憶させるとともに、このICカードを装着した無線通信機能を有する車載器を車両に搭載し、この車載器と、有料道路の出入口の料金所ゲートにそれぞれ設置された入口/出口ゲート装置との間で無線通信を行って通行料金を決済するものである。
【0004】
一方、有料道路には料金後払い方式(クローズシステム)を採用すところと、一定の料金を先払いする均一料金方式(オープンシステム)を採用するところがある。
【0005】
ここで、料金後払い方式(クローズシステム)の有料道路に上記ETCシステムを適用した場合について説明する。
【0006】
この場合、入口ゲート装置は、有料道路の入口に進入する車両の車載器と無線通信を行うことで入口情報を書き込み、一方、出口ゲート装置は、出口において車載器との無線通信によって車載器側の情報(入口情報、車両情報等)を取得し通行料金の算出、及び上位装置であるホストコンピュータ等へ口座引落とし要求を行う。ここで、車載器に装着されるICカードは、このカードの例えばID番号等をユーザの銀行の預託金の口座番号等に予め関連付けておくことで、クレジットカードまたはプリペイドカードに類似したかたちで利用される。
【0007】
このように、有料道路の通行料金の自動決済が可能なETCシステムは、キャッシュレス化による利便性の向上並びに料金所付近の混雑緩和が図られること等を考慮すると、今後、有料道路における料金収受システムとして主流になることが予想される。
【0008】
ところで、今日では、このような多くの利点を備えたETCシステムの普及が要望されており、ETCシステムの本格的な導入を推進するために、無線通信による自動決済の他にも付加価値の高い新たなサービスの提供が期待されている。
【0009】
例えば、均一料金を先払いするオープンシステムを採る有料道路において、ある入口から所望の目的地(出口)へ向かうための通行路が複数あるような場合、車両が比較的渋滞しない方の通行路を選択して走行した場合に出口において割引料金分を返金(マイナス課金)するといった新たな料金割引サービスの提供要請がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような料金割引サービスを実現する場合、例えば通行路毎にチェックポイント(無線設備)を設置して、各チェックポイントを通過する車両の車載器と無線通信を行うことで、車両の車載器にセットされているICカードに各チェックポイントの通過情報を確実に記録することが必要になる。
【0011】
しかしながら、有料道路の入口から出口に至るまでの通行路には、チェックポイントの場所を気付かない利用者もいる。車両がチェックポイントを通過した時点で利用者が車載器からICカードを外していたり、チェックポイントがたまたま無線障害を起こしていた場合は、チェックポイントの無線設備と車載器との間で無線通信異常となり車両の車載器のICカードへチェックポイントの通過情報が正常に書き込まれないことが想定される。
【0012】
このように、ある一部のチェックポイントで無線通信異常が発生した場合、有料道路の出口において出口ゲート装置が車両の車載器から車載器側の情報(ICカードの記録情報など)を得ただけでは車両の通行経路を特定できず、その車両に対する料金割引を行えない事態になりかねない。
【0013】
そこで、本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、有料道路のチェックポイントにおいて無線通信異常が発生したときでも出口において車両の通行経路を特定し通行料金の割引を行うことのできる料金収受システム、車載器及び料金収受方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明の料金収受システムは、有料道路の通行路を走行する車両のナンバープレートを前記通行路に設置した少なくとも一つのチェックポイントに設置したカメラで撮影して取得した車両情報を各チェックポイントの位置情報に関連付けて車両毎の通行履歴として蓄積するデータベースと、前記車両に搭載された車載器に設けられ、前記チェックポイントあるいは前記有料道路の出口に設置された無線通信設備との無線通信で、前記車載器が自身に装着されていたICカードにチェックポイントの通過情報が書き込めなかった場合、次に無線通信を行う無線通信設備に対してチェックポイント検索要求を発行する手段と、前記無線通信設備に、前記車載器よりチェックポイント検索要求が受信された場合、前記データベースより該当車両の通行履歴を取得して該当車両の走行経路を特定する経路特定手段と、前記経路特定手段により特定された走行経路に応じた該当車両の通行料金決済処理を実行する手段とを具備したことを特徴としている。
【0015】
請求項2記載の発明の料金収受システムは、有料道路の入口、有料道路内の通行路上の少なくとも一つのチェックポイント、出口において、車両に搭載された車載器と無線通信を行い、前記車載器に装着されているICカードの情報と前記車載器自体が保持している車載器の情報とを取得してそれぞれの地点における処理を行い通過情報を前記車載器へ送信する路側機器と、前記有料道路のチェックポイントにおいて、前記車両のナンバープレートから車両情報を取得する第1の車両情報取得手段と、前記有料道路の入口、チェックポイント、出口において、前記車両の車載器との無線通信で車両情報を取得する第2の車両情報取得手段と、前記有料道路の入口、チェックポイント、出口において、前記第1の車両情報取得手段及び第2の車両情報取得手段の少なくとも一つの手段より取得された車両情報と前記有料道路の各地点の位置情報を関連付けて個々の車両の通行履歴を蓄積するデータベースと、前記車載器に設けられ、いずれかの地点における路側機器との無線通信の際に、ICカードへ通過情報が記憶できない事態が生じた場合、チェックポイント検索要求を発行する手段と、前記有料道路の入口、チェックポイント、出口において、前記路側機器と前記車載器との無線通信時に前記車載器から前記路側機器に得された情報にチェックポイント検索要求が含まれていた場合、前記データベースを検索して該当車両の通行履歴を取得し、あるいは前記車載器から前記路側機器に取得された情報を基に該当車両の走行経路を特定する経路特定手段と、前記出口において、前記経路特定手段により特定された走行経路が所定の経路の場合、該当車両に対して通行料金の割引処理を実行する手段とを具備したことを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の発明の料金収受システムは、請求項1,2いずれか記載の料金収受システムにおいて、前記経路特定手段は、前記車載器よりチェックポイントの検索要求が受信された場合、前記車載器より得られた入口通過情報、他のチェックポイントの通過情報を基に車両の走行経路が一意に特定できるか否かを判定する手段と、車両の走行経路が特定できない場合、前記データベースを検索して該当車両の車両の走行経路を特定する一方、前記車載器より得られた入口通過情報、他のチェックポイントの通過情報を基に車両の走行経路が一意に特定できる場合、前記データベースを検索することなく車両の走行経路を特定し、無線通信異常となったチェックポイントの通過情報を補正する手段を具備したことを特徴としている。
【0017】
請求項4記載の発明の車載器は、有料道路の通行路を走行する車両のナンバープレートを前記通行路に設置した少なくとも一つのチェックポイントに設置したカメラで撮影して取得した車両情報を各チェックポイントの位置情報に関連付けて車両毎の通行履歴としてデータベースに蓄積し、前記有料道路の通行路に設置した無線通信設備が前記車両に搭載された車載器と無線通信して受信された要求に従って前記データベースより該当車両の情報を取得して該当車両に対する処理を行う料金収受システムに用いる車載器において、前記有料道路のチェックポイントあるいは出口に設置された無線通信設備との無線通信で、前記車載器が自身に装着されていたICカードにチェックポイントの通過情報が書き込めなかった場合、次に無線通信を行う無線通信設備に対してチェックポイント検索要求を発行する検索要求発行手段を具備したことを特徴としている。
【0018】
請求項5記載の発明の車載器は、請求項4記載の車載器において、前記検索要求発行手段は、ユーザによりチェックポイント検索要求の発行操作が行われる操作手段と、前記操作手段により操作された場合、前記チェックポイント検索要求を発行する手段とを具備したことを特徴としている。
【0019】
請求項6記載の発明の車載器は、請求項4記載の車載器において、前記検索要求発行手段によりチェックポイント検索要求が発行された場合、前記チェックポイントの通過情報を問い合わせている旨を報知する手段を具備したことを特徴としている。
【0020】
請求項7記載の発明の料金収受方法は、有料道路の通行路を走行する車両のナンバープレートを通行路に設置した少なくとも一つのチェックポイントに設置したカメラで撮影して取得した車両情報を各チェックポイントの位置情報に関連付けて車両毎の通行履歴としてデータベースに蓄積するステップと、前記有料道路の各チェックポイントに設置された無線通信設備との無線通信で、その地点を通過する車両に搭載された車載器が自身に装着されていたICカードにチェックポイントの通過情報が書き込めなかった場合、次に無線通信を行う無線通信設備に対してチェックポイント検索要求を発行するステップと、前記無線通信設備に、前記車載器より発行されたチェックポイント検索要求が受信された場合、前記データベースより該当車両の通行履歴を取得して該当車両の走行経路を特定するステップと、前記出口において、特定された走行経路に応じた該当車両の通行料金決済処理を実行するステップとを有することを特徴としている。
【0021】
本発明では、有料道路の通行路を走行する車両のナンバープレートを通行路に設置した少なくとも一つのチェックポイントに設置したカメラで撮影して取得した車両情報を各チェックポイントの位置情報に関連付けて車両毎の通行履歴としてデータベースに蓄積しておく。
【0022】
そして、有料道路を走行した車両の車載器が、有料道路の各チェックポイントに設置された無線通信設備と無線通信する際に、車載器に装着されていたICカードにチェックポイントの通過情報が書き込めなかった場合、次に無線通信を行う無線通信設備に対してチェックポイント検索要求を発行する。
【0023】
車載器より発行されたチェックポイント検索要求が無線通信設備に受信された場合、データベースより該当車両の通行履歴を取得して該当車両の走行経路を特定し、少なくとも出口において、特定された車両の走行経路が所定の経路の場合、該当車両に対して通行料金の割引処理を実行するので、有料道路のチェックポイントにおいて無線通信異常が発生したときでも出口において車両の通行経路を特定し通行料金決済処理で通行料金の割引などを行うことができる。
【0024】
また、本発明では、車載器に、ユーザによりチェックポイント検索要求の発行操作が行われる操作手段と、この操作手段により操作された場合、チェックポイント検索要求を発行する手段とを備えたことで、車両が出口に進入する前に利用者の意志で事前にチェックポイント検索要求発行操作をしておくことできる。
【0025】
さらに、本発明では、チェックポイント検索要求が発行された場合、チェックポイントの通過情報を問い合わせている旨を報知するので、利用者に処理状況がわかり、利用者の不安を和らげることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の料金収受システムに係る一つの実施の形態のフリーフローETCシステムの構成を示す図、図2はチェックポイント装置(入口ゲート装置、出口ゲート装置)の構成を示すブロック図、図3はチェックポイント装置10の平面図である。
【0027】
図1に示すように、このフリーフローETCシステム2は、料金先払い方式のオープンシステム(均一料金システム)の有料道路で用いられるものであって、有料道路の走行車線(本線)に沿って複数設けられたインタチェンジ(以下ICと称す)あるいはジャンクション(JC)内の各料金所の出入口に設置された入口ゲート装置4及び出口ゲート装置6と、有料道路の複数の分岐路それぞれに少なくとも一つ設置されたチェックポイント装置10と、データ管理センタ等に設置され、入口/出口ゲート装置4、6、チェックポイント装置10から情報を吸い上げて通行料金の課金処理、引き落とし処理、及び車両8の車載器3からの要求に応じて車両特定のためのデータベース検索処理等を行うホストコンピュータ7と、利用者個人を識別するためのカードID等の固有情報及び利用履歴等が記憶されたICカード1と、車両8に搭載され、ICカード1を装着して入口/出口ゲート装置4、6との間で通行料金の決済に関する情報をやり取りする車載器(OBU:On Board Unit)3とから構成されている。
【0028】
ホストコンピュータ7には、カードIDに対応させて、利用者情報、車載器情報、車両情報、システム利用履歴情報、決済情報などがデータベース化されている。ホストコンピュータ7のデータベースには、クレジット、別納、車載器3に対する判定テーブル/無効テーブル、有料道路の入口から現時点までの通行履歴情報が記憶されている通行経路テーブル、出口において割引判定するための情報及び割引判定した結果情報等が記憶される割引判定テーブル等が設けられている。ホストコンピュータ7は、要求に応じてデータベースを検索しこれらの判定テーブル/無効テーブル、通行経路テーブル、割引判定テーブル等の情報を入口/出口ゲート装置4、6、チェックポイント装置10に送受信する機能を有している。また、ホストコンピュータ7には、有料道路内の入口、出口、各チェックポイントを通過した全ての車両の車両番号データ(ナンバープレートの情報)がそれぞれのポイントから吸い上げられて逐次格納されるデータベースが構築されている。
【0029】
入口ゲート装置4、出口ゲート装置6及びチェックポイント装置10には、それぞれアンテナ5,14が設けられており、これらのアンテナ5,14と車載器3が備える車載器アンテナ33との間で無線通信が行われる。
【0030】
図2に示すように、チェックポイント装置10は、有料道路の通行区間内の通行路の各車線毎(通行車線、追越車線など)に設置されたアンテナ14と、このアンテナ14を制御する無線制御装置13と、車両8のフロントナンバープレート、リアナンバープレートの少なくとも一方を撮影するナンバープレート認識用のカメラ16と、このカメラ16によって撮影された画像を処理し車両登録番号(ナンバー)を取得しホストコンピュータ7と路側処理装置12へ送信する画像処理装置15と、ホストコンピュータ7との通信により各テーブルの情報と無線制御装置13からの情報を基にチェックポイントとしての処理を実行する路側処理装置12とを備えている。
【0031】
無線制御装置13は、アンテナ14を介して、ETC車の車載器3と無線通信を行い、ICカード1へ通過情報や割引処理明細の書き込み処理を行う。また、この処理結果は、路側処理装置12を経由してホストコンピュータ7へ送信される。さらに、ナンバープレート認識用のカメラ16で撮影された画像データは、画像処理装置15で画像処理により車両情報がコード化され、ホストコンピュータ7及び路側処理装置12へ送信される。ホストコンピュータ7へはコード化された車両情報とナンバープレートの画像データが送信される。なお、路側処理装置12、無線制御装置13、アンテナ14をまとめてETC路側機器あるいは無線通信設備と称す。この実施形態では、路側処理装置12、無線制御装置13、画像処理装置15を一つの路側ユニット50に内蔵したが、それぞれ別個にしても良く、また、無線制御装置13、画像処理装置15は、ブリッジ52のアンテナ14やカメラ16a,16bの側に取り付けても良い。
【0032】
ここでは、チェックポイント装置10の構成について説明したが、入口ゲート装置4、出口ゲート装置6は、上記チェックポイント装置10の構成にゲートとしての機能(ゲート開閉用の発進制御機、ゲート通過時の処理状況を表示する表示装置、係員対応用の機器(インターフォン、ICカード処理装置等))を追加したものであり、画像処理装置15、ナンバープレート認識用のカメラ16等は設けられていない場合もある。
【0033】
有料道路の通行路が、例えば図3に示すように、走行車線Mと追越車線Nとの2車線などの場合、ナンバープレート認識用カメラ16は、通行路を走行し向かってくる車両8のフロントナンバープレートを撮影するためのフロントナンバープレート認識用カメラ16aと通行路を走行し離れて行く車両8のリアナンバープレートを撮影するためのリアナンバープレート認識用カメラ16bとを通行路の上をまたぐように配設したブリッジ52に各車線毎に取り付ける。また、ブリッジ52には、各車線毎にアンテナ14も設置する。
【0034】
各車線M,Nのアンテナ14は、それぞれの車線M、Nを走行する車両8の車載器3と通信し、車載器3及びICカード1の少なくとも一方に予め記憶された現在までの通行履歴情報、車両番号及び車載器固有の車載器ID、ICカードID等を受信する。なお、符号52のエリアはアンテナ14の通信可能領域を示す。
【0035】
この例のような場合、路側処理装置12、無線制御装置13、画像処理装置15は、通行路の路側部に設置された路側ユニット50に内蔵される。
【0036】
路側処理装置12は、車両8から2つの系統(画像撮影と無線通信)により取得された車両登録番号(ナンバー)が一致した場合、ICカードID、車両登録番号(ナンバー)、処理日時、車載器ID、チェックポイント固有番号とを関連付けてチェックポイントの通過情報とし、これをホストコンピュータ7へ送信する。
なお、車両の特定及び車両データの関連付けはホストコンピュータ7にて行うようにしても良い。
【0037】
また、路側処理装置12は、車載器3よりチェックポイントの検索要求が受信された場合、車載器3より得られた入口通過情報や他のチェックポイントの通過情報を基に車両8の走行経路が一意に特定できるか否かを判定し、特定できない場合、ホストコンピュータ7に問い合わせて該当車両の通行経路テーブルを取得し、車両8の走行経路を特定し、無線通信異常で得られなかったチェックポイントの通過情報を補完(補正)してその地点の処理を行い車載器3へ送信する。また、車載器3より得られた入口通過情報や他のチェックポイントの通過情報を基に車両8の走行経路が一意に特定できる場合、ホストコンピュータ7に問い合わせることなく車両8の走行経路を特定し、無線通信異常で得られなかったチェックポイントの通過情報を補完(補正)する。
【0038】
車載器3は、車両8内部の例えばダッシュボード上などに設置され、図4に示すように、カード収容部30と、ICカード1とのインタフェース部31と、このインタフェース部31を通じてICカード1から読み出した情報をメモリ32に展開して各種処理を行い処理結果をICカード1に記憶するICカード処理部34と、メモリ32の情報を車載器アンテナ33から送信すると共に車載器アンテナ35で受信した情報をメモリ32に記憶させる無線制御部36と、ユーザにより操作される検索要求ボタン、移動キー、テンキー、指定キー、実行キー等を備えた操作部37と、入口ゲート装置4、出口ゲート装置6及びチェックポイント装置10より受信した情報を可視的に表示する表示部38と、入口ゲート装置4、出口ゲート装置6及びチェックポイント装置10より受信した情報の音声案内を行う音声発生部39と、上記各部を統括して制御する制御部40とから構成されている。
【0039】
制御部40は、チェックポイント装置10との無線通信異常が発生した場合、あるいは入口から出口を通過するまでに予め操作部37の検索要求ボタンが押されていた場合に、少なくとも出口に設置された出口ゲート装置6との無線通信開始時に、入口から現在に至るまでのチェックポイントの通過情報を要求し、この要求に対して受信された書込要求に含まれる通過情報をICカード1に記録する一連の処理のための車載器制御を行う。
【0040】
すなわち、制御部40は、入口、チェックポイント、出口のいずれかの地点における路側機器との無線通信の際に、ICカード1へ通過情報が記憶できない事態が生じた場合、チェックポイント検索要求を発行する。
【0041】
メモリ32には、この車載器3が搭載される車両8の車長・車高・軸数・重量・用途・特長等の他、車両8の車両種別、車載器毎に固有の車載器ID番号、並びに車両8の登録番号等からなる車両情報が予め記憶されている。
【0042】
車載器3のカード収容部30には、ICカード1が挿脱自在にセットされる。
【0043】
このICカード1は、図5に示すように、フラッシュメモリ46と、車載器3のインタフェース部31との間でデータのやり取りを行うインタフェース部48と、このインタフェース部48及びフラッシュメモリ46を制御するCPU47とを備えている。
【0044】
フラッシュメモリ46には、ユーザの預託金の口座番号、障害者割引適用の可否等を示す特殊契約情報、及び契約の有効期限等の決済情報が記憶されている。さらに、フラッシュメモリ46には、ICカード1を特定するためのカードIDが予め記憶されており、車両8が料金所の入口ゲート、チェックポイント、出口ゲートを通過する際に、通過日時、料金所ゲート、チェックポイント等を特定するための料金所番号、チェックポイント番号、車両8の車種情報、及びカード残額等の通行履歴情報がICカード1のカードIDに関連付けられて記憶される。なお、チェックポイント番号、車両8の車種情報、通過日時等をチェックポイント通過情報という。
【0045】
ICカード1は、車載器3に挿入されると、車載器3との信号のやり取りで車載器3の正当性を確認して初めて車載器3に対し決済情報等を送信する。
【0046】
このICカード1と車載器3との間のデータ受け渡しは、ICカード1の内部に実装されているEEPROMやフラッシュメモリ46等のメモリ素子よりインタフェース部48を通じて車載器3のインタフェース部31、ICカード処理部34、メモリ32との間で行われる。
【0047】
一方、入口ゲート装置4、出口ゲート装置6及びチェックポイント装置10と車載器3との間での情報の受け渡しは、それぞれ内部のダイナミックRAM等のバッファメモリに記憶されている情報を無線通信することで行われる。
【0048】
ここで、この実施形態のETCシステム2が導入されるオープンシステムの有料道路の分岐路の一例について説明する。
【0049】
この有料道路は、例えば図6に示すように、有料道路の入口のインタチェンジ80(以下入口IC80と称す)から有料道路の出口のインタチェンジ90(以下出口IC90と称す)の間に、複数の分岐点81,82及び合流点83,84があり、それぞれの分岐点及び合流点間の通行路にジャンクション(JC)、つまりチェックポイント85,86,87,88,89が配置されているものとする。なお、分岐点81,82は、車両8が進行経路を選択できるポイントであり、合流点83,84は2つの通行路が一つに合流するポイントであり、進行経路を選択できない。
【0050】
この有料道路の場合、入口IC80から有料道路に進入した車両が出口IC90へ到達するための走行経路としては、チェックポイント85,86を通過する経路Aと、チェックポイント87,88,86を通過する経路Bと、チェックポイント87,89を通過する経路Cとの3つのパターンがある。
【0051】
このうち、経路A,Cは、経路Bと比較した場合、渋滞が比較的発生し易い経路であるものとする。従って、有料道路の運営元としては、混雑緩和を図る上で、利用者が経路Bを選択して通行するようにその経路Bを通行した車両8に特典を与えるようにしたい。
【0052】
このため、オープンシステム(均一料金方式)を導入しているこのフリーフローETCシステム2では、経路Bを通行する車両8に対し、入口IC80を通過した際に一旦は所定の料金を課金対象とするものの、出口ICにおいて通行経路が経路Bと特定(識別)できた際には、課金対象の金額を減額して課金(マイナス課金)するように決済処理を実施するように構成する。
【0053】
無論、経路Bが出口IC90へ向かう際の減額対象の経路であることを利用者が認識できるように、経路Bと経路Cとの分岐点82の直前の通行路には例えば電光掲示板等が設置されている。
【0054】
チェックポイント装置10は、このようなオープンシステムの有料道路において、車両の走行経路をシステム側が認知するために設置されている。
【0055】
このようなフリーフローETCシステム2では、車載器3を搭載した車両8(以下、「ETC」車と称する)と車載器3を搭載していない車両(以下、「非ETC車」と称する)とが混在して、入口IC80の入口ゲート、有料道路の区間内の通行路上の各チェックポイント85〜89、並びに出口IC90の出口ゲートをそれぞれ通過することになるため、それぞれの車両に応じた料金収受が行われる。
【0056】
すなわち、入口ゲートでは、非ETC車に対しては車種に応じた一定額の通行料金の徴収を人為的に行い、ETC車に対しては、車両8に搭載されている車載器3との無線通信により車種に応じた一定額の通行料金をICカード1の発行会社へ請求するように課金する。すなわち、このICカード1のID番号を基に、ホストコンピュータ7への口座引落とし要求等が行われる。
【0057】
なお、ICカード1に記憶されているID番号などの自動決済に関する情報は、ICカード1の契約者である運転者等の銀行の預託金の口座番号等の顧客情報に関連付けられており、クレジットカードまたはプリペイドカードに類似した形で利用されることになる。なお、システム側で自動的に決済される決済情報は、ETC車の車載器3を通じてICカード1に記憶される。
【0058】
また、有料道路の通行路上のチェックポイントでは、当該チェックポイントが減額対象の経路B上にあるチェックポイント87,89であってかつ車両8がETC車である場合には、車載器3とチェックポイント装置10との間での無線通信により、ETC車が入口IC80より入場した車両であることが確認されたときに、入口通過の際に一旦課金された均一料金の一部が実質的に返金されるように、例えばICカード1のID番号を基にユーザの銀行等の預託金の口座より通行料金を引き落とすための請求明細処理(減額処理)が実施される。
【0059】
さらに、出口ゲートでは、ETC車に対しては、通行料金の自動決済に関する情報が、出口ゲート装置6よりETC車の車載器3へ送信される。なお、チェックポイント87,88,86を通過したことを示す通過情報をICカード1に記憶したETC車の車載器3と出口ゲート装置6との無線通信により上記減額処理が実施される。
【0060】
次に、このフリーフローETCシステム2の動作を説明する。
このフリーフローETCシステム2の場合、オープンシステムが採用されているため、ETC車が入口IC80に進入する際に、入口ケード装置4では、ETC路側機器が無線通信により通行中のETC車に対して通行料金の課金処理(入口処理)を行う。この入口処理の結果情報は、処理明細として車載器3に通知され、ICカード1に記録されると共に、ホストコンピュータ7へ伝送される。
【0061】
そして、入口IC80から有料道路に進入したETC車が通行路を走行中は、通行炉の各チェックポイントにおいて、チェックポイント装置10と車載器3との無線通信により通行中のETC車の車載器3に対して、その地点を通過したしたことを示す通過情報が処理明細としての送信されてICカード1に書き込まれる。この処理明細は、車載器3に通知されると共に、ホストコンピュータ7に伝送される。
【0062】
また、無線通信が成功しなかったときのことを考慮して、通行路の各車線上に設置されたナンバープレート認識カメラ16a,16bが各車線を走行する全車両(ETC車、非ETC車)のフロント及びリアの各ナンバープレートを撮影し、画像処理することにより通行車両の車両番号を確実に認識してコード化し、チェックポイントのID番号と共にホストコンピュータ7に伝送する。従って、ホストコンピュータ7のデータベースには有料道路の通行区間内を通行中の車両8の情報が各チェックポイントの位置情報に関連付けられて逐次蓄積される。
【0063】
そして、割引処理を行う出口IC90では、出口ゲート装置6が、退出するETC車の車載器3との無線通信により、車載器3にセットされているICカード1の入口情報と途中のチェックポイントの通過情報とを基に割引条件(入口、時間、車種、経路等)を判定し、その条件に合致すれば、マイナス課金処理を行う。このマイナス課金処理の処理明細情報は、車載器3に通知されICカード1に記憶されると共に、ホストコンピュータ7に伝送される。このように処理の都度、処理明細がICカード1に記憶されることになっている。これは、無線通信でのETC処理ができない入口あるいは出口においてICカード1の手渡しによるETC処理を可能とするための措置である。
【0064】
ところで、ETC車が有料道路を走行中に、上記各チェックポイントにおいてETC路側機器と車載器3間の無線通信異常が発生した場合、車載器3のICカード1にチェックポイントの通過情報が書き込めなくなる事態が生じる場合もあり得る。
【0065】
そこで、この実施形態のフリーフローETCシステム2では、チェックポイントの通過情報が車載器3のICカード1に書き込めなくなったときの無線通信異常対処機能が車載器3に備えられている。
【0066】
以下、図7を参照して無線通信異常対処機能について説明する。図7はETC路側機器−車載器間の無線通信シーケンスを示す図である。
【0067】
なお、この無線通信シーケンスは、入口ゲート装置4、出口ゲート装置6、チェックポイント装置10でほぼ同じであり、説明が理解し易いように出口ゲート装置6での処理として説明する。
【0068】
出口IC90において、ETC路側機器(路側処理装置12)は、出口ゲートから退出するETC車に対して通信許可信号を発信する(S1)。
【0069】
この通信許可信号をETC車の車載器3が受信すると、車載器3は、通信許可信号に対する通信応答を送信する(S2)。
【0070】
この通信応答をETC路側機器(路側処理装置12)が受信すると、ETC路側機器(路側処理装置12)は、車載器3に対して読取要求を送信する(S3)。
【0071】
この読取要求を車載器3が受信すると、車載器3は、予めICカード1から読み取った契約情報、車載器情報、前回情報(通行履歴情報)等を読取応答としてETC路側機器(路側処理装置12)へ送信する(S4)。通行履歴情報は、入口IC80からこの出口IC90に至るまでの間で入口ゲート装置4、チェックポイント装置10等のETC処理による処理結果の情報である。
【0072】
なお、無線通信異常時には異常を示すフラグ等も通行履歴情報として記憶され、利用者にも通知される。従って、利用者が操作部37の検索要求ボタンを押しておくと、次にETC路側機器(路側処理装置12)との無線通信時、読取応答送信の際に、通行履歴情報に無線通信異常を示すフラグが記録されていた場合、車載器3(制御部40)は、読取応答にチェックポイント検索要求を含ませて送信する。なお、利用者が操作部37の検索要求ボタンを押すかどうかによらず、通行履歴情報に無線通信異常を示すフラグが記録されていた場合、読取応答にチェックポイント検索要求を含ませて送信しても良い。
【0073】
チェックポイント検索要求を送信すると、車載器3(制御部40)は、表示部38に「チェックポイント通過情報を問い合わせ中」等のメッセージを表示したりビープ音などを鳴らす等して報知し利用者に動作状況を通知する。
【0074】
車載器3からの読取応答をETC路側機器(路側処理装置12)が受信すると、路側機器(路側処理装置12)は、読取応答に含まれる各種情報を基に出口ゲート通過処理を実行する。
【0075】
この際に、路側機器(路側処理装置12)は、まず、読取応答に含まれていた入口及び各チェックポイントの通過情報を基に車両8の走行経路を確定(特定)する。
【0076】
そして、路側機器(路側処理装置12)は、特定した車両8の走行経路が所定の経路Bであるか否かを判定し、走行経路に応じた通行料金決済処理を実行する。
例えば車両8の走行経路が所定の経路Bであった場合に、その経路Bを走行してきたETC車に対して減額処理を行い、他の経路A、または経路Cを走行してきたETC車には減額処理は行わない。
【0077】
また、読取応答にチェックポイント検索要求が含まれていた場合、ETC路側機器(路側処理装置12)は、読取応答に含まれていた車両8の入口通過情報、チェックポイント通過情報等から無線通信異常を起こしたチェックポイントが一意に求められる場合、ホストコンピュータ7へ問い合わせることなく車両8の走行経路を確定(特定)し、減額処理可能な場合に減額処理を行う。
【0078】
また、無線通信異常を起こしたチェックポイントが一意に求められない場合、ETC路側機器(路側処理装置12)は、ホストコンピュータ7へ問い合わせ、ホストコンピュータ7より、その車両の通行経路テーブル(チェックポイント通過情報)を取得して、車両8の走行経路を確定(特定)し、減額処理可能な場合に減額処理を行う。
【0079】
出口ゲートでは、通常、通過処理に時間がかけられないことから、ETC路側機器(路側処理装置12)は、読取応答にチェックポイント検索要求が含まれていた場合には出口ゲート処理結果の情報としてチェックポイント検索要求受理応答を書込要求として返信する(S5)。
【0080】
なお、ホストコンピュータ7へ問い合わせることなく車両8の走行経路を確定(特定)した場合や出口ゲートでの処理時間に余裕があれば、出口ゲート通過処理結果の情報として、通過情報、利用明細(課金情報)、車載器指示情報等を書込要求として車載器3へ送信する。利用明細(課金情報)は、割引処理を実施した際に送信される。
【0081】
この書込要求を受信した車載器3は、書込要求に含まれている情報をICカードに記憶した後、書込応答をETC路側機器(路側処理装置12)へ送信する(S6)。
【0082】
この書込応答を受信したETC路側機器(路側処理装置12)は、無線通信を終了するため無線回線を切り離すリリース(接続解除情報)を送信する(S7)。
【0083】
車載器3は、リリース(接続解除情報)を受信することで、ETC路側機器(路側処理装置12)との無線通信を正常に終了したものとして処理を終了する。
【0084】
以下、具体的な通行履歴情報(通行経路)の補正方法と車載器3からチェックポイント検索要求を発行する方法について説明する。
【0085】
(1)通行履歴情報(通行経路)の自動補正
路側処理装置12は、ホストコンピュータ7から取得した通行経路テーブルに例えば無線通信異常とならなかった入口ICの通行情報、他のチェックポイント通過情報が存在しており、それらの情報から、異常になったチェックポイントの通行情報が特定できる場合は、その部分の通行情報の自動補正を行う。
【0086】
例えば図6の通行経路の例において、もし通行経路テーブルの通行履歴情報の中にチェックポイント87とチェックポイント86の通過情報がある場合は、必然的に経路Bを通行したものと判定できるので、チェックポイント88の通過情報がなくてもそのポイントを通過したものとして自動的にチェックポイント88の通過情報を通行履歴情報に記録し通行経路テーブルを補正する。
【0087】
(2)通行情報検索要求の自動送信
有料道路の通行区間内の、あるチェックポイントにおいて、車載器3がチェックポイント装置10と無線通信を開始するときに、車載器3の制御部40がメモリ32の情報あるいはICカード1のフラッシュメモリ46の情報を読み出したときに、以前のチェックポイントで既に無線通信異常が発生していたことが検知された場合に、当チェックポイントまたは出口IC90の路側処理装置12に対してチェックポイント通過の検索要求を送信する。
【0088】
検索要求を受信した路側処理装置12は、車載器3に対してチェックポイント通過情報と共に検索要求受理応答を送信する。この検索要求受理応答を受信した車載器3は、通過情報間い合わせ要求成功のメッセージ表示または音声案内を行う。
【0089】
また、路側処理装置12は、このチェックポイントでの処理明細と検索要求をホストコンピュータ7へ送信する。
【0090】
検索要求を受信したホストコンピュータ7は、そのETC車の以前の通行履歴情報、つまり通行経路テーブルを参照して以前の入口IC情報及び他のチェックポイントの通過情報を基に、通過した可能性のあるチェックポイントの車両番号データを検索を行う。
【0091】
この検索結果、車両番号データが合致した場合は、その車両の通行情報を付加して割引判定処理を行う。
この割引判定処理で割引対象と判定した場合は、マイナス課金を行う。
【0092】
(3)検索要求釦押下による通行情報検索要求の送信
車載器3は、操作部37の検索要求ボタンが利用者によって事前に押下されている場合、次のチェックポイントまたは出口IC90で路側処理装置12と無線通信を行う際に、チェックポイント通過の検索要求を送信する。
【0093】
検索要求を受信した路側処理装置12は、車載器3に対してチェックポイント通過情報と共に検索要求受理応答を送信する。この検索要求受理応答を受信した車載器3は、通過情報問い合わせ要求成功の表示または音声案内を行う。
【0094】
また、路側処理装置12は、この処理明細と検索要求をホストコンピュータ7へ送信する。この検索要求を受信したホストコンピュータ7は、その車両の他の入口IC情報及び他のチェックポイントの通過情報を基に通過した可能性のあるチェックポイントの車両番号データの検索を行う。
【0095】
そして、車両番号データが合致した場合は、その通行情報を付加し割引判定処理を行う。この割引判定処理で割引対象と判定した場合は、マイナス課金を行う。
【0096】
このようにこの実施形態のフリーフローETCシステムによれば、予め有料道路の入口及びチェックポイントを通過する全ての車両(ETC車、非ETC車)のナンバープレートの情報をホストコンピュータ7が取得しておき、あるETC車で無線通信異常が発生した場合に、次のチェックポイントの無線通信設備あるいは出口の無線通信設備に対して車載器3からチェックポイント検索要求を行うことで、無線通信設備側、つまりETC路側機器の一つである路側処理装置12は、その車両8のチェックポイント通過情報をホストコンピュータ7から取得して車両8の走行経路を確定(特定)するので、出口から車両8が退出する際に車両8の走行経路を識別し、割引対象の経路、例えば経路Bなどを走行したETC車に対して人の作業を介すことなく通行料金の減額処理(マイナス課金)を行うことができる。
【0097】
また、路側処理装置12は、車載器3から得られた無線通信異常とならなかった入口ICの通過情報及び他のチェックポイントの通過情報を基に、無線通信異常となったチェックポイント通過情報をつきとめて自動的に補正(補完)するので、ホストコンピュータ7へ問い合わせることなく瞬時に車両8の走行経路を識別できる。
【0098】
無線通信異常が発生していた場合に通行路に設置されている無線通信設備に対して車載器3からチェックポイント通過情報の検索要求を行うので、無線通信設備(路側処理装置12)からホストコンピュータ7へ問い合わせてホストコンピュータ7においてデータベースに蓄積されているチェックポイントの画像処理データを検索し入口から現在までの該当車両8の通行情報(入口進入情報、チェックポイント通過情報等)を取得することができる。
【0099】
無線通信異常が特に発生していなくても、利用者が車載器3の検索要求ボタンを予め押しておくことで、車載器3からチェックポイント通過情報の検索要求を行うので、上記同様に該当車両8の通行情報を取得することができる。
【0100】
また、車載器3に「問い合わせ要求成功/失敗」のメッセージ表示または音声案内を行い、チェックポイントの通過情報を問い合わせている旨を利用者に通知するので、利用者の不安を和らげることができる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、車両が有料道路を走行中の車両に搭載された車載器と無線通信設備との無線通信で異常が発生した場合、次に無線通信設備と無線通信を行う際にチェックポイントの検索要求を発行する機能を備えたので、有料道路のチェックポイントにおいて無線通信異常が発生したときでも出口において車両の通行経路を特定し通行料金の割引を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の料金収受システムに係る一つの実施形態のフリーフローETCシステムの構成を示す図である。
【図2】図1のフリーフローETCシステムのチェックポイント装置(入口ゲート装置、出口ゲート装置)の構成を示すブロック図である。
【図3】有料道路のチェックポイントに設置されたチェックポイント装置の平面図である。
【図4】図1のフリーフローETCシステムの車載器の構成を示す図である。
【図5】図4の車載器にセットされるICカードの構成を示す図である。
【図6】このフリーフローETCシステムが導入される有料道路の路線の一例を示す図である。
【図7】このフリーフローETCシステムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…ICカード、2…フリーフローETCシステム、3…車載器、4…入口ゲート装置、5,14,33…アンテナ、6…出口ゲート装置、7…ホストコンピュータ、8…車両、10…チェックポイント装置、12…路側処理装置、13…無線制御装置、15…画像処理装置、16…ナンバープレート認識用カメラ。
Claims (7)
- 有料道路の通行路を走行する車両のナンバープレートを前記通行路に設置した少なくとも一つのチェックポイントに設置したカメラで撮影して取得した車両情報を各チェックポイントの位置情報に関連付けて車両毎の通行履歴として蓄積するデータベースと、
前記車両に搭載された車載器に設けられ、前記チェックポイントあるいは前記有料道路の出口に設置された無線通信設備との無線通信で、前記車載器が自身に装着されていたICカードにチェックポイントの通過情報が書き込めなかった場合、次に無線通信を行う無線通信設備に対してチェックポイント検索要求を発行する手段と、
前記無線通信設備に、前記車載器よりチェックポイント検索要求が受信された場合、前記データベースより該当車両の通行履歴を取得して該当車両の走行経路を特定する経路特定手段と、
前記経路特定手段により特定された走行経路に応じた該当車両の通行料金決済処理を実行する手段と
を具備したことを特徴とする料金収受システム。 - 有料道路の入口、有料道路内の通行路上の少なくとも一つのチェックポイント、出口において、車両に搭載された車載器と無線通信を行い、前記車載器に装着されているICカードの情報と前記車載器自体が保持している車載器の情報とを取得してそれぞれの地点における処理を行い通過情報を前記車載器へ送信する路側機器と、
前記有料道路のチェックポイントにおいて、前記車両のナンバープレートから車両情報を取得する第1の車両情報取得手段と、
前記有料道路の入口、チェックポイント、出口において、前記車両の車載器との無線通信で車両情報を取得する第2の車両情報取得手段と、
前記有料道路の入口、チェックポイント、出口において、前記第1の車両情報取得手段及び第2の車両情報取得手段の少なくとも一つの手段より取得された車両情報と前記有料道路の各地点の位置情報を関連付けて個々の車両の通行履歴を蓄積するデータベースと、
前記車載器に設けられ、いずれかの地点における路側機器との無線通信の際に、ICカードへ通過情報が記憶できない事態が生じた場合、チェックポイント検索要求を発行する手段と、
前記有料道路の入口、チェックポイント、出口において、前記路側機器と前記車載器との無線通信時に前記車載器から前記路側機器に得された情報にチェックポイント検索要求が含まれていた場合、前記データベースを検索して該当車両の通行履歴を取得し、あるいは前記車載器から前記路側機器に取得された情報を基に該当車両の走行経路を特定する経路特定手段と、
前記出口において、前記経路特定手段により特定された走行経路が所定の経路の場合、該当車両に対して通行料金の割引処理を実行する手段と
を具備したことを特徴とする料金収受システム。 - 請求項1,2いずれか記載の料金収受システムにおいて、
前記経路特定手段は、
前記車載器よりチェックポイントの検索要求が受信された場合、前記車載器より得られた入口通過情報、他のチェックポイントの通過情報を基に車両の走行経路が一意に特定できるか否かを判定する手段と、
車両の走行経路が特定できない場合、前記データベースを検索して該当車両の車両の走行経路を特定する一方、前記車載器より得られた入口通過情報、他のチェックポイントの通過情報を基に車両の走行経路が一意に特定できる場合、前記データベースを検索することなく車両の走行経路を特定し、無線通信異常となったチェックポイントの通過情報を補正する手段を具備したことを特徴とする料金収受システム。 - 有料道路の通行路を走行する車両のナンバープレートを前記通行路に設置した少なくとも一つのチェックポイントに設置したカメラで撮影して取得した車両情報を各チェックポイントの位置情報に関連付けて車両毎の通行履歴としてデータベースに蓄積し、前記有料道路の通行路に設置した無線通信設備が前記車両に搭載された車載器と無線通信して受信された要求に従って前記データベースより該当車両の情報を取得して該当車両に対する処理を行う料金収受システムに用いる車載器において、
前記有料道路のチェックポイントあるいは出口に設置された無線通信設備との無線通信で、前記車載器が自身に装着されていたICカードにチェックポイントの通過情報が書き込めなかった場合、次に無線通信を行う無線通信設備に対してチェックポイント検索要求を発行する検索要求発行手段を具備したことを特徴とする車載器。 - 請求項4記載の車載器において、
前記検索要求発行手段は、
ユーザによりチェックポイント検索要求の発行操作が行われる操作手段と、
前記操作手段により操作された場合、前記チェックポイント検索要求を発行する手段と
を具備したことを特徴とする車載器。 - 請求項4記載の車載器において、
前記検索要求発行手段によりチェックポイント検索要求が発行された場合、前記チェックポイントの通過情報を問い合わせている旨を報知する手段を具備したことを特徴とする車載器。 - 有料道路の通行路を走行する車両のナンバープレートを通行路に設置した少なくとも一つのチェックポイントに設置したカメラで撮影して取得した車両情報を各チェックポイントの位置情報に関連付けて車両毎の通行履歴としてデータベースに蓄積するステップと、
前記有料道路の各チェックポイントに設置された無線通信設備との無線通信で、その地点を通過する車両に搭載された車載器が自身に装着されていたICカードにチェックポイントの通過情報が書き込めなかった場合、次に無線通信を行う無線通信設備に対してチェックポイント検索要求を発行するステップと、
前記無線通信設備に、前記車載器より発行されたチェックポイント検索要求が受信された場合、前記データベースより該当車両の通行履歴を取得して該当車両の走行経路を特定するステップと、
前記出口において、特定された走行経路に応じた該当車両の通行料金決済処理を実行するステップと
を有することを特徴とする料金収受方法。
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